JP4479326B2 - 電動圧縮機の電装品保護装置 - Google Patents

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Description

本発明は、密閉型電動圧縮機の電装品保護装置に関するものである。
従来、この種の電装品保護装置はワンタッチ挿入の作業にて固定できるものがある(例えば特許文献1参照)。
以下、図面を参照しながら上記従来の電装品保護装置を説明する。
図5は特許文献1に記載された従来の電装品保護装置の分解斜視図、図6は電装品保護装置の取り付け状態の拡大側面図、図7は電装品保護装置の取り付け状態の拡大平面図である。
図5から図7において電動圧縮機本体10には、これに電気を供給するガラスターミナル15が取付けられている。このガラスターミナル15を囲むようにブラケット20が固着されている。ブラケット20は対向する左右2辺に係止孔21を有している。
ガラスターミナル15に電装品が装着された後、電装品を覆う電装品カバー30が装着される。この電装品カバー30は合成樹脂材料により射出成形されている。電装品カバー30において、ブラケット20に設けた係止孔21に対応する位置の内壁面には、係止孔21に係合するテーパ状の爪部31を形成している。
また、電装品に電気を供給するための電源コード40を電装品カバー30とブラケット20の間から外側へ引出すためのコード引出し部41が電装品カバー30の下側に固設されている。コード引出し部41は電装品から電源コード40が外れないように電源コード40を固定している。
以上のように構成された電装品保護装置について、以下その動作を説明する。
電装品カバー30をブラケット20に挿入する際に、テーパ状の爪部31が係止孔21を設けたブラケット20の左右2辺に当たると、電装品カバー30の爪部31が設けられている壁面がブラケット20の左右2辺に対して外側へ歪み、テーパ状の爪部31がブラケット20の係止孔21に係合され、電装品カバー30はワンタッチでブラケット20に固定される。
特開平2−33478号公報
しかしながら、上記従来の構成では、電装品カバー30がブラケット20に固定されている状態において、電装品カバー30の下方より出ている電源コード40に、上方へ引き上げる力が加わった場合、爪部31は係止孔21と当たり、テーパ状である爪部31の三角形状の小さな面積に力が掛かり、爪部31が欠け、電装品カバー30がブラケット20から外れてしまうことがあった。
また、電源コード40に、斜め上方へ引き上げる力が加わった場合、爪部31を備えた壁面がブラケット20に対して外側へ歪み、電装品カバー30がブラケット20から外れてしまうことがあった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、電装品カバーが外れにくく、かつ取り付け作業性の良い圧縮機の電装品保護装置を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の圧縮機の電装品保護装置は、電装品カバーの爪部を形成している内壁面で、かつ、電源コードを引出すコード引出し部側の内壁面に、ブラケットの下端部と対向する位置に突起部を設けるとともに、下端部と突起部との上下方向の隙間を爪部と係止孔との上下方向の隙間よりも小さくしたもので、電装品カバーの下方より出ている電源コードに、斜め上方へ引き上げる力が加わった場合でも、爪部が係止孔に当たる前に、下端部と突起部が当たることにより、爪部と係止孔が当たりにくくなり、爪部が欠けてしまうことを防ぐという作用を有する。
本発明の圧縮機の電装品保護装置は、ブラケットの下端部と電装品カバーの突起部が当たることで爪部と係止孔が当たりにくくなり、爪部が欠けてしまうことを防ぐことで、電装品カバーがブラケットから外れにくくなる。
請求項1に記載の発明は、電動圧縮機本体に設けたガラスターミナルを囲むように固定されたブラケットと、電装品を覆う電装品カバーとを備え、前記ブラケットは対向する左右2辺に係止孔を有し、前記電装品カバーは内壁面の、前記ブラケットに設けた係止孔に対応する位置に、前記係止孔に係合するテーパ状の爪部を形成するとともに電源コードを引出すコード引出し部を備え、前記コード引出し部側の内壁面に前記ブラケットの係止孔を囲む下端部と対向する位置に突起部を設けるとともに、前記下端部と前記突起部との上下方向の隙間を前記爪部と前記係止孔との上下方向の上部の隙間よりも小さくしたもので、前記電装品カバーの下方より出ている前記電源コードに、上方へ引き上げる力が加わった場合、前記爪部が前記係止孔に当たる前に、前記下端部と前記突起部が当たることにより、前記電源コードを上方へ引き上げる際の力を前記突起部が受け止めることができるため、前記爪部は欠けることがなく、前記電装品カバーの外れる可能性を少なくすることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1の発明において、前記電装品カバーに設けた前記突起部の前記電装品カバー内壁面を基準とする高さを、前記爪部の前記電装品カバー内壁面を基準とする高さよりも高くすることにより、請求項1に記載の発明の効果に加えて、前記電装品カバーの下方より出ている前記電源コードに、前記爪部を備えた壁面が前記ブラケットに対して外側方向となるような、斜め上方へ引き上げる力が加わり、前記電装品カバーの壁面が前記ブラケットに対して外側へ歪んだ場合においても、前記突起部を前記下端部に確実に当てて前記突起部で力を受けることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2の発明において、前記電装品カバーに設けた前記突起部の形状を前記電装品カバーの開口端から背面に向かうリブ状の形状することで、前記電装品カバーの壁面の剛性が高くるため、請求項1または2に記載の発明の効果に加えて、さらに、前記電装品カバーの壁面が前記ブラケットに対して外側へ歪む変形量を少なく抑えることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれかの発明において、前記突起部を前記電装品カバーの、前記電源コードが出る側にのみ設けることで、請求項1から3に記載の発明の効果に加えて、電装品カバーの反対側の壁面は挿入時歪みやすく、電装品カバーをブラケットに挿入する際の作業性を良好に維持することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態における電装品保護装置の分解斜視図、図2は電装品カバーの斜視図、図3は電装品保護装置の取り付け状態の拡大側面図、図4は電装品保護装置の取り付け状態の拡大平面図である。
図1から図4において、電動圧縮機本体110にはこれに電気を供給するガラスターミナル115が取付けられている。このガラスターミナル115を囲むようにブラケット120が固着されている。ブラケット120は金属材料のSPHCのプレス曲げにて作られており、対向する左右2辺に係止孔121を有している。
ガラスターミナル115に電装品116が装着された後、電装品116を覆う電装品カバー130が装着される。この電装品カバー130は合成樹脂材料のPPEまたはPCまたはPPまたはPBTとABSの混合材により射出成形されている。電装品カバー130には、ブラケット120に設けた係止孔121に対応する位置の内壁面に、係止孔121に係合するためのテーパ状の爪部131を形成している。
また、電装品116に電気を供給するための電源コード140を電装品カバー130とブラケット120の間から外側へ引出すためのコード引出し部141が電装品カバー130の下側に固設されている。コード引出し部141は電装品116から電源コード140が外れないように電源コード140を固定している。さらには、電装品カバー130は、この電源コード140が引出される場所側と同じ側の内壁面にのみ、爪部131の下方に、爪部131の電装品カバー130の内壁面を基準とする高さhよりも高い高さHにて、電装品カバー130の開口端137から背面138に向かうリブ形状の突起部135を設けている。電装品カバー130をブラケット120に固定した際に、ブラケット120の係止孔121を囲む下端部(以下、下端部と称す)122と電装品カバー130の突起部135との上下方向の隙間Sは、電装品カバー130の爪部131とブラケット120の係止孔121との上下方向の隙間Tよりも小さくなる構成としている。
以上のように構成された電装品保護装置について、以下その動作、作用を説明する。
電装品カバー130をブラケット120に挿入する際に、テーパ状の爪部131が係止孔121を設けたブラケット120の左右2辺に当たると、電装品カバー130の左右両壁面がブラケット120の左右2辺に対して外側へ歪み、テーパ状の爪部131がブラケット120の係止孔121に係合され、電装品カバー130はワンタッチでブラケット120に固定されるので取り付け作業性が良好である。
電装品カバー130がブラケット120に固定された状態において、電装品カバー130の下方より出ている電源コード140を上方へ引き上げる力が加わった場合、電装品カバー130はブラケット120に対して上方向へずれる。
しかしながらブラケット120の下端部122と電装品カバー130の突起部135との上下方向の隙間Sが、電装品カバー130の爪部131とブラケット120の係止孔121との上下方向の隙間Tよりも小さいことにより、爪部131が係止孔121に当たる前に、電装品カバー130のリブ形状の突起部135とブラケット120の下端部122が当たる。
従って、電源コード140を上方へ引き上げる際の力を突起部135が受け止めることができるため、爪部131には係止孔121からの力が掛かりにくく、その結果、爪部131の欠けを防ぐことができ、電装品カバー130が外れにくくなる。
また、電源コード140を斜め上方へ引き上げる外側方向への力が加わると、電装品カ
バー130の壁面がブラケット120に対し外側へ歪む。
しかしながら本実施の形態では爪部131の高さhよりも突起部135の電装品カバー130の内壁面を基準とする高さHを高くしているので、爪部131が係止孔121に当たる前に、突起部135は下端部122に確実に当てることができる。
さらには、突起部135は電装品カバー130の開口端137から背面138に向かうリブ形状をしているので、コード引出し部141が固設されている側の電装品カバー130の壁面の剛性を上げるため、電源コード140を斜め上方へ引き上げる外側方向への力が加わった際の、壁面がブラケット120に対し外側へ歪む量を小さく抑えることができ、さらに電装品カバー130がブラケット120から外れにくくなる。
また、電装品カバー130のリブ形状の突起部135を電源コード140が出る側の内壁面側にのみ設け、反対側の壁面には設けていないので、この反対側の壁面は剛性が低く、歪みやすいので、電装品カバー130をブラケット120に挿入する際、硬くて入りづらくなることを回避でき、良好な作業性を維持することができる。
以上のように、本発明にかかる圧縮機の電装品保護装置は、電装品カバーの外れる可能性を少なくすることができるとともに、電装品カバーをブラケットに挿入する際の作業性を良くすることが可能となるので、冷蔵庫、エアーコンディショナー、冷凍冷蔵装置等のあらゆる圧縮機の電装品保護装置に適用できる。
本発明の実施の形態における電装品保護装置の分解斜視図 同実施の形態における電装品カバーの斜視図 同実施の形態における電装品保護装置の取り付け状態の拡大側面図 同実施の形態における電装品保護装置の取り付け状態の拡大平面図 従来の電装品保護装置における分解斜視図 従来の電装品保護装置における取り付け状態の拡大側面図 従来の電装品保護装置における取り付け状態の拡大平面図
110 電動圧縮機本体
115 ガラスターミナル
116 電装品
120 ブラケット
121 係止孔
122 下端部
130 電装品カバー
131 爪部
135 突起部
137 開口端
138 背面
140 電源コード
141 コード引出し部

Claims (4)

  1. 電動圧縮機本体に設けたガラスターミナルを囲むように固定されたブラケットと、電装品を覆う電装品カバーとを備え、前記ブラケットは対向する左右2辺に係止孔を有し、前記電装品カバーは内壁面の、前記ブラケットに設けた係止孔に対応する位置に、前記係止孔に係合するテーパ状の爪部を形成するとともに電源コードを引出すコード引出し部を備え、前記コード引出し部側の内壁面に前記ブラケットの係止孔を囲む下端部と対向する位置に突起部を設けるとともに、前記下端部と前記突起部との上下方向の隙間を前記爪部と前記係止孔との上下方向の上部の隙間よりも小さくした電動圧縮機の電装品保護装置。
  2. 電装品カバーに設けた突起部の前記電装品カバー内壁面を基準とする高さを、前記爪部の前記電装品カバー内壁面を基準とする高さよりも高くした請求項1に記載の電動圧縮機の電装品保護装置。
  3. 電装品カバーに設けた突起部の形状を前記電装品カバーの開口端から背面に向かうリブ状の形状とした請求項1または2に記載の電動圧縮機の電装品保護装置。
  4. 突起部は電装品カバーの、電源コードが出る側にのみ設けた請求項1から3のいずれか一項に記載の電動圧縮機の電装品保護装置。
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