JP4479302B2 - ヒータユニット及びそれを搭載した装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被加熱物を搭載して熱処理するためのヒータ基板と、該ヒータ基板を冷却するための冷却ブロックと備えたヒータユニットおよびこれを搭載した装置に関する。特に、エッチング装置、スパッタ装置、プラズマCVD装置、減圧プラズマCVD装置、メタルCVD装置、絶縁膜CVD装置、低誘電率膜(Low−K)CVD装置、MOCVD装置、デガス装置、イオン注入装置、コータデベロッパなどの半導体製造装置や半導体検査装置、あるいはフラットディスプレイパネルの製造・検査装置に関するものである。
従来、半導体の製造工程では、被処理物である半導体基板(ウェハ)に対して成膜処理やエッチング処理など様々な処理が行われる。このような半導体基板に対する処理を行う半導体製造装置では、半導体基板を保持し、半導体基板を加熱するためのセラミックスヒータが用いられている。
例えば、フォトリソグラフィー工程においては、ウェハ上にレジスト膜パターンが形成される。この工程では、ウェハを洗浄後、加熱乾燥し、冷却後ウェハ表面にレジスト膜を塗布し、フォトリソグラフィー処理装置内のセラミックスヒータ上にウェハを搭載し、乾燥した後、露光、現像などの処理が施される。このフォトリソグラフィー工程では、レジストを乾燥するときの温度が塗膜の品質に大きな影響を与えるので、セラミックスヒータの処理時の温度の均一性が重要である。
また、CVD工程では、ウェハを洗浄、乾燥した後、CVD装置内のセラミックスヒータ上にウェハを搭載し、ウェハ表面に化学反応によって絶縁膜や金属膜を成膜する。この化学反応時の温度が、絶縁膜や金属膜の品質に大きく影響するので、やはりセラミックスヒータの温度の均一性が重要である。
また、これらのウェハの処理はスループットを向上させるために、できるだけ短時間で終わらせることが要求される。このため、発明者等は、加熱したヒータを短時間で冷却するために冷却手段を有する半導体製造装置を検討してきた。例えば、特許文献1では、ヒータのウェハ搭載面とは反対側の面に、当接、分離が可能な冷却ブロックを備えた半導体製造装置を提案した。
また、特許文献2では、冷却ブロックに冷却用液体の流路を形成し、冷却速度をさらに向上させるとともに、冷却開始から冷却終了までのヒータの温度の均一性を保つような半導体製造装置を提案した。
特願2002−163747号公報 特願2003−387741号公報
最近の電子デバイスなどの半導体製造プロセスにおいては、更なるヒータの温度分布の均一性が要求されており、加熱保持中はもちろんのこと、冷却開始から冷却終了までの間のヒータの温度分布の更に高い均一性が要求されている。また、冷却速度の更なる向上も要求されている。
そこで、本発明の目的は、冷却開始から冷却終了までの間のヒータの温度分布をより均一にでき、冷却速度を一層向上させたヒータユニット及びこれを搭載した装置を提供することである。
発明者等は、特許文献1あるいは特許文献2の技術において、冷却開始から冷却終了までのヒータの温度分布をさらに均一にし、冷却速度をさらに向上させることを検討した結果、冷却ブロックとヒータユニットの当接面の平面度が、ヒータの温度分布や冷却速度に影響を与えることを見出した。
例えば、図4に示すように、裏面に発熱体回路22と該発熱体回路を保護する絶縁層23が形成されたヒータ基板2と、冷却ブロック3との間の隙間が大きいと、ヒータの温度分布が不均一となり、また、冷却速度も遅くなることを見出した。また、図5に示すように、内部に発熱体回路22が形成されたヒータ基板2の場合も同様である。
すなわち、本発明のヒータユニットは、裏面に発熱体回路と該発熱体回路を保護する絶縁膜が形成されており、裏面と反対側の主面に被加熱物を搭載して加熱処理するヒータ基板と、該ヒータ基板の裏面に当接、分離可能な冷却ブロックとを有するヒータユニットにおいて、前記ヒータ基板を構成するセラミックスの主成分が、窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素からなる群から選ばれた少なくとも1種類であり、前記絶縁膜の厚みが、15μm以上、500μm以下であり、かつ絶縁膜の厚みの最大値と最小値の差が、200μm以下であり、前記ヒータ基板と冷却ブロックの当接面の面粗さが、共にRaで5μm以下であり、前記ヒータ基板と前記冷却ブロックの当接面の平面度の合計が、0.8mm以下である。
あるいは、内部に発熱体回路が形成されており、主面に被加熱物を搭載して加熱処理するヒータ基板と、該ヒータ基板の主面と反対側の裏面に当接、分離可能な冷却ブロックとを有するヒータユニットにおいて、前記ヒータ基板を構成するセラミックスの主成分が、窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素からなる群から選ばれた少なくとも1種類であり、前記ヒータ基板と冷却ブロックの当接面の面粗さが、共にRaで5μm以下であり、前記ヒータ基板と前記冷却ブロックの当接面の平面度の合計が、0.8mm以下である。
このようなヒータユニットを搭載した半導体製造・検査装置、あるいはフラットディスプレイパネルの製造・検査装置は、従来の装置よりも、冷却速度を向上させることができ、ヒータの温度分布がより均一になるので、スループットが大幅に向上するとともに、半導体やフラットディスプレイパネルの特性や歩留り、信頼性あるいは集積度や画像品質の向上が図れる。
本発明によれば、冷却開始から冷却終了までの間のヒータの温度分布をより均一にできるヒータユニットを提供することができる。このようなヒータユニットを搭載した半導体製造・検査装置、あるいはフラットディスプレイパネルの製造・検査装置は、従来の装置よりもヒータの温度分布がより均一になるので、半導体やフラットディスプレイパネルの特性や歩留り、信頼性あるいは集積度や画像品質の向上が図れる。また、冷却速度が向上するので、前記装置において、熱処理時間の短縮が図れ、生産性を向上させることができる。
本発明の実施の形態を、図2を参照して説明する。図2は、本発明の実施形態の一例であり、セラミックス基体21の裏面に発熱体回路22と該発熱体回路を保護する絶縁層23が形成されたヒータ基板2の冷却ブロック3との当接面4の平面度と、冷却ブロックのヒータ基板との当接面5の平面度との合計が0.8mm以下となるように平坦化する。平面度の合計が、0.4mm以下であれば、更に好ましい。
従来は、被加熱物を搭載するヒータ基板主面の平面度や表面粗さを良くして、被加熱物の温度分布を均一にする提案はされていたが、冷却ブロックを有するヒータユニットにおいて、ヒータ基板と冷却ブロックとのそれぞれの当接面の平面度を向上させて温度分布を均一にし、冷却速度も向上させる提案はなかった。
ヒータ基板2の冷却ブロック3との当接面4の平面度と、冷却ブロックのヒータ基板との当接面5の平面度の両方を平坦化することによって、ヒータ基板と冷却ブロックが全面均一に当接できるようになり、両者の密着性がより高まるので、熱伝達率が向上し、冷却ブロックをヒータ基板に当接させた時、冷却速度が向上すると共に、ヒータ基板裏面全面が、均一に冷却されるので、冷却時のヒータ基板の温度分布の均一性が向上する。
ヒータ基板2の冷却ブロック3との当接面4の平面度と、冷却ブロックのヒータ基板との当接面5の平面度のいずれか一方だけを平坦にしても、上記効果は得られない。両者の平面度の合計が0.8mm以下にすることによって、上記効果を得ることができる。
また、図3に示すように、内部に発熱体回路22が形成されており、主面に被加熱物を搭載して加熱処理するヒータ基板2の場合であっても、同様に、ヒータ基板2の冷却ブロック3との当接面4の平面度と、冷却ブロックのヒータ基板との当接面5の平面度との合計が0.8mm以下にすることによって、温度分布の均一性と、冷却速度の向上という効果を得ることができる。この場合も、両者の平面度の合計が0.4mm以下であることが更に好ましい。
ヒータ基板と冷却ブロックのそれぞれの当接面を平坦にするには、公知のラップ研磨法や、砥石による研削などの加工方法を取ることができる。加工後の表面の面粗さは、Raで5μm以下であることが好ましい。ヒータ基板と冷却ブロックそれぞれの当接面の面粗さをRaで5μm以下にすることによって、ヒータ基板と冷却ブロックの密着性が向上し、ヒータ基板の温度分布の均一性と冷却速度が向上する。
特に、ヒータ基板の当接面の面粗さを良くして、鏡面状態に近づけると、その面の輻射率が低下する。輻射率が低下すると、その面からの放熱量が減少するので、ヒータ基板を加熱するための電力の省エネルギー化になるので好ましい。また、ヒータ基板がセラミックスの場合、表面粗さが粗いと、冷却ブロックと当接したときの摩擦などによって、セラミックス粒子の脱落が多くなり、これがパーティクルとなって、被加熱物の品質に悪影響を与える。表面粗さRaは、1μm以下であれば更に好ましい。
また、図2に示すような裏面に発熱体回路22と該発熱体回路を保護する絶縁層23が形成されたヒータ基板2の場合、冷却ブロックとの当接面を平坦化するために、加工しすぎると、絶縁層の厚みが薄くなり、場合によっては、発熱体回路が露出して、短絡事故を起こす可能性がある。これを防ぐためには、絶縁層の厚みを厚くすればよいが、絶縁層は、熱伝導率が低いことが多いので、厚みが厚いと熱抵抗が増大し、冷却速度が遅くなる。そこで、絶縁層の厚みは、平坦化後で、15μm以上、500μm以下にすることが好ましい。
また、平坦化後の絶縁層の厚みにバラツキがあると、前記熱抵抗が変化して、冷却速度がばらつくので、ヒータ基板の温度分布が不均一になりやすくなる。従って、平坦化後の絶縁層の厚みは、均一であることが望ましく、絶縁層の厚みの最大値と最小値の差は、200μm以下であることが好ましい。
以上のようなヒータユニットを容器内に設置することによって、半導体製造・検査装置、あるいはフラットディスプレイパネルの製造・検査装置とすることができる。
例えば、図1に示すように、冷却ブロック3は、エアーシリンダなどの昇降手段7によって容器内に設置され、必要に応じてヒータ基板2に当接および分離ができるようになっている。図1は冷却ブロック3が分離した状態を示す。この冷却ブロック3には、給電のための電極や温度測定手段などの挿入物6を貫通するための貫通孔が設けられている。
本発明のヒータの材質は、セラミックスが好ましい。金属を用いた場合は、ウェハ上にパーティクルが付着するという問題があるので好ましくない。セラミックスとしては、温度分布の均一性を重視するならば、熱伝導率の高い窒化アルミニウムや炭化珪素が好ましい。信頼性を重視するならば、窒化珪素が高強度で熱衝撃にも強いので好ましい。コストを重視するのであれば、酸化アルミニウムが好ましい。
これらのセラミックスの中でも、性能とコストのバランスを考慮すれば、窒化アルミニウム(AlN)が好適である。以下に、本発明のヒータの製造方法をAlNの場合で詳述する。
AlNの原料粉末は、比表面積が2.0〜5.0m/gのものが好ましい。比表面積が2.0m/g未満の場合は、窒化アルミニウムの焼結性が低下する。また、5.0m/gを超えると、粉末の凝集が非常に強くなるので取扱いが困難になる。更に、原料粉末に含まれる酸素量は、2wt%以下が好ましい。酸素量が2wt%を超えると、焼結体の熱伝導率が低下する。また、原料粉末に含まれるアルミニウム以外の金属不純物量は、2000ppm以下が好ましい。金属不純物量がこの範囲を超えると、焼結体の熱伝導率が低下する。特に、金属不純物として、SiなどのIV族元素や、Feなどの鉄族元素は、焼結体の熱伝導率を低下させる作用が高いので、含有量は、それぞれ500ppm以下であることが好ましい。
AlNは難焼結性材料であるので、AlN原料粉末に焼結助剤を添加することが好ましい。添加する焼結助剤は、希土類元素化合物が好ましい。希土類元素化合物は、焼結中に窒化アルミニウム粉末粒子の表面に存在するアルミニウム酸化物あるいはアルミニウム酸窒化物と反応して、窒化アルミニウムの緻密化を促進するとともに、窒化アルミニウム焼結体の熱伝導率を低下させる原因となる酸素を除去する働きもあるので、窒化アルミニウム焼結体の熱伝導率を向上させることができる。
希土類元素化合物は、特に酸素を除去する働きが顕著であるイットリウム化合物が好ましい。添加量は、0.01〜5wt%が好ましい。0.01wt%未満であると、緻密な焼結体を得ることが困難であるとともに、焼結体の熱伝導率が低下する。また、5wt%を超えると、窒化アルミニウム焼結体の粒界に焼結助剤が存在することになるので、腐食性雰囲気で使用する場合、この粒界に存在する焼結助剤がエッチングされ、脱粒やパーティクルの原因となる。更に、好ましくは焼結助剤の添加量は、1wt%以下である。1wt%以下であれば、粒界の3重点にも焼結助剤が存在しなくなるので、耐食性が向上する。
また、希土類元素化合物は、酸化物、窒化物、フッ化物、ステアリン酸化合物などが使用できる。この中で、酸化物は安価で入手が容易であり好ましい。また、ステアリン酸化合物は、有機溶剤との親和性が高いので、窒化アルミニウム原料粉末と焼結助剤などを有機溶剤で混合する場合には、混合性が高くなるので特に好適である。
次に、これら窒化アルミニウム原料粉末や焼結助剤粉末に、所定量の溶剤、バインダー、更には必要に応じて分散剤や邂逅剤を添加し、混合する。混合方法は、ボールミル混合や超音波による混合等が可能である。このような混合によって、原料スラリーを得ることができる。
得られたスラリーを成形し、焼結することによって窒化アルミニウム焼結体を得ることができる。その方法には、コファイアー法とポストメタライズ法の2種類の方法が可能である。
まず、ポストメタライズ法について説明する。前記スラリーをスプレードライアー等の手法によって、顆粒を作成する。この顆粒を所定の金型に挿入し、プレス成形を施す。この時、プレス圧力は、9.8MPa以上であることが望ましい。9.8MPa未満の圧力では、成形体の強度が充分に得られないことが多く、ハンドリングなどで破損し易くなる。
成形体の密度は、バインダーの含有量や焼結助剤の添加量によって異なるが、1.5g/cm以上であることが好ましい。1.5g/cm未満であると、原料粉末粒子間の距離が相対的に大きくなるので、焼結が進行しにくくなる。また、成形体密度は、2.5g/cm以下であることが好ましい。2.5g/cmを超えると、次工程の脱脂処理で成形体内のバインダーを充分除去することが困難となる。このため、前述のように緻密な焼結体を得ることが困難となる。
次に、前記成形体を非酸化性雰囲気中で加熱し、脱脂処理を行う。大気等の酸化性雰囲気で脱脂処理を行うと、AlN粉末の表面が酸化されるので、焼結体の熱伝導率が低下する。非酸化性雰囲気ガスとしては、窒素やアルゴンが好ましい。脱脂処理の加熱温度は、500℃以上、1000℃以下が好ましい。500℃未満の温度では、バインダーを充分除去することができないので、脱脂処理後の積層体中にカーボンが過剰に残存するので、その後の焼結工程での焼結を阻害する。また、1000℃を超える温度では、残存するカーボンの量が少なくなり過ぎるので、AlN粉末表面に存在する酸化被膜の酸素を除去する能力が低下し、焼結体の熱伝導率が低下する。
また、脱脂処理後の成形体中に残存する炭素量は、1.0wt%以下であることが好ましい。1.0wt%を超える炭素が残存していると、焼結を阻害するので、緻密な焼結体を得ることができない。
次いで、焼結を行う。焼結は、窒素やアルゴンなどの非酸化性雰囲気中で、1700〜2000℃の温度で行う。この時、使用する窒素などの雰囲気ガスに含有する水分は、露点で−30℃以下であることが好ましい。これ以上の水分を含有する場合、焼結時にAlNが雰囲気ガス中の水分と反応して酸窒化物が形成されるので、熱伝導率が低下する可能性がある。また、雰囲気ガス中の酸素量は、0.001vol%以下であることが好ましい。酸素量が多いと、AlNの表面が酸化して、熱伝導率が低下する可能性がある。
更に、焼結時に使用する治具は、窒化ホウ素(BN)成形体が好適である。このBN成形体は、前記焼結温度に対し充分な耐熱性を有するとともに、その表面に固体潤滑性があるので、焼結時に積層体が収縮する際の治具と積層体との間の摩擦を小さくすることができるので、歪みの少ない焼結体を得ることができる。
得られた焼結体は、必要に応じて加工を施す。次工程の導電ペーストをスクリーン印刷する場合、焼結体の表面粗さは、Raで5μm以下であることが好ましい。5μmを超えるとスクリーン印刷により回路形成した際に、パターンのにじみやピンホールなどの欠陥が発生しやすくなる。表面粗さはRaで1μm以下であればさらに好適である。
上記表面粗さを研磨加工する際には、焼結体の両面にスクリーン印刷する場合は当然であるが、片面のみにスクリーン印刷を施す場合でも、スクリーン印刷する面と反対側の面も研磨加工を施す方がよい。スクリーン印刷する面のみを研磨加工した場合、スクリーン印刷時には、研磨加工していない面で焼結体を支持することになる。その時、研磨加工していない面には突起や異物が存在することがあるので、焼結体の固定が不安定になり、スクリーン印刷で回路パターンがうまく描けないことがあるからである。
また、この時、両加工面の平行度は0.5mm以下であることが好ましい。平行度が0.5mmを超えるとスクリーン印刷時に導電ペーストの厚みのバラツキが大きくなることがある。平行度は0.1mm以下であれば特に好適である。さらに、スクリーン印刷する面の平面度は、0.5mm以下であることが好ましい。0.5mmを超える平面度の場合にも、導電ペーストの厚みのバラツキが大きくなることがある。平面度も0.1mm以下であれば特に好適である。
研磨加工を施した焼結体に、スクリーン印刷により導電ペーストを塗布し、電気回路の形成を行う。導体ペーストは、金属粉末と必要に応じて酸化物粉末と、バインダーと溶剤を混合することにより得ることができる。金属粉末は、セラミックスとの熱膨張係数のマッチングから、タングステンやモリブデンあるいはタンタルが好ましい。
また、AlNとの密着強度を高めるために、酸化物粉末を添加することもできる。酸化物粉末は、IIa族元素やIIIa族元素の酸化物やAl、SiOなどが好ましい。特に、酸化イットリウムはAlNに対する濡れ性が非常に良好であるので、好ましい。これらの酸化物の添加量は、0.1〜30wt%が好ましい。0.1wt%未満の場合、形成した電気回路である金属層とAlNとの密着強度が低下する。また30wt%を超えると、電気回路である金属層の電気抵抗値が高くなる。
導電ペーストの厚みは、乾燥後の厚みで、5μm以上、100μm以下であることが好ましい。厚みが5μm未満の場合は、電気抵抗値が高くなりすぎるとともに、密着強度も低下する。また、100μmを超える場合も、密着強度が低下する。
また、形成する回路パターンが、ヒータ回路(発熱体回路)の場合は、パターンの間隔は0.1mm以上とすることが好ましい。0.1mm未満の間隔では、発熱体に電流を流したときに、印加電圧及び温度によっては漏れ電流が発生し、ショートする。特に、500℃以上の温度で使用する場合には、パターン間隔は1mm以上とすることが好ましく、3mm以上であれば更に好ましい。
次に、導電ペーストを脱脂した後、焼成する。脱脂は、窒素やアルゴン等の非酸化性雰囲気中で行う。脱脂温度は500℃以上が好ましい。500℃未満では、導電ペースト中のバインダーの除去が不十分で金属層内にカーボンが残留し、焼成したときに金属の炭化物を形成するので、金属層の電気抵抗値が高くなる。
焼成は、窒素やアルゴンなどの非酸化性雰囲気中で、1500℃以上の温度で行うのが好適である。1500℃未満の温度では、導電ペースト中の金属粉末の粒成長が進行しないので、焼成後の金属層の電気抵抗値が高くなり過ぎる。また、焼成温度はセラミックスの焼結温度を超えない方がよい。セラミックスの焼結温度を超える温度で導電ペーストを焼成すると、セラミックス中の含有する焼結助剤などが揮散しはじめ、更には導電ペースト中の金属粉末の粒成長が促進されてセラミックスと金属層との密着強度が低下する。
次に、形成した金属層の絶縁性を確保するために、金属層の上に絶縁性コートを形成することができる。絶縁性コートの材質は、電気回路との反応性が小さく、AlNとの熱膨張係数差が、5.0x10−6/K以下であれば特に制約はない。例えば、結晶化ガラスやAlN等が使用できる。これらの材料を例えばペースト状にして、所定の厚みのスクリーン印刷を行い、必要に応じて脱脂を行った後、所定の温度で焼成することにより形成することができる。
次に、必要に応じて更にセラミックス基板を積層することができる。積層は、接合剤を介して行うのが良い。接合剤は、酸化アルミニウム粉末や窒化アルミニウム粉末に、IIa族元素化合物やIIIa族元素化合物とバインダーや溶剤を加え、ペースト化したものを接合面にスクリーン印刷等の手法で塗布する。塗布する接合剤の厚みに特に制約はないが、5μm以上であることが好ましい。5μm未満の厚みでは、接合層にピンホールや接合ムラ等の接合欠陥が生じやすくなる。
接合剤を塗布したセラミックス基板を、非酸化性雰囲気中、500℃以上の温度で脱脂する。その後、積層するセラミックス基板を重ね合わせ、所定の荷重を加え、非酸化性雰囲気中で加熱することにより、セラミックス基板同士を接合する。荷重は、5kPa以上であることが好ましい。5kPa未満の荷重では、充分な接合強度が得られないか、もしくは前記接合欠陥が生じやすい。
接合するための加熱温度は、セラミックス基板同士が接合層を介して十分密着する温度であれば、特に制約はないが、1500℃以上であることが好ましい。1500℃未満では、十分な接合強度が得られにくく、接合欠陥を生じやすい。前記脱脂ならびに接合時の非酸化性雰囲気は、窒素やアルゴンなどを用いることが好ましい。
以上のようにして、ヒータとなるセラミックス積層焼結体を得ることができる。なお、電気回路は、導電ペーストを用いずに、例えば、ヒータ回路であれば、モリブデン線(コイル)、静電吸着用電極やRF電極などの場合には、モリブデンやタングステンのメッシュ(網状体)を用いることも可能である。
この場合、AlN原料粉末中に上記モリブデンコイルやメッシュを内蔵させ、ホットプレス法により作製することができる。ホットプレスの温度や雰囲気は、前記AlNの焼結温度、雰囲気に準ずればよいが、ホットプレス圧力は、0.98MPa以上加えることが望ましい。0.98MPa未満では、モリブデンコイルやメッシュとAlNの間に隙間が生じることがあるので、ヒータの性能が出なくなることがある。
次に、コファイアー法について説明する。前述した原料スラリーをドクターブレード法によりシート成形する。シート成形に関して特に制約はないが、シートの厚みは、乾燥後で3mm以下が好ましい。シートの厚みが3mmを超えると、スラリーの乾燥収縮量が大きくなるので、シートに亀裂が発生する確率が高くなる。
上述したシート上に所定形状の電気回路となる金属層を、導体ペーストをスクリーン印刷などの手法により塗布することにより形成する。導電ペーストは、ポストメタライズ法で説明したものと同じものを用いることができる。ただし、コファイアー法では、導電ペーストに酸化物粉末を添加しなくても支障はない。
次に、回路形成を行ったシート及び回路形成をしていないシートを積層する。積層の方法は、各シートを所定の位置にセットし、重ね合わせる。この時、必要に応じて各シート間に溶剤を塗布しておく。重ね合わせた状態で、必要に応じて加熱する。加熱する場合、加熱温度は、150℃以下であることが好ましい。これを超える温度に加熱すると、積層したシートが大きく変形する。そして、重ね合わせたシートに圧力を加えて一体化する。加える圧力は、1〜100MPaの範囲が好ましい。1MPa未満の圧力では、シートが充分に一体化せず、その後の工程中に剥離することがある。また、100MPaを超える圧力を加えると、シートの変形量が大きくなりすぎる。
この積層体を、前述のポストメタライズ法と同様に、脱脂処理並びに焼結を行う。脱脂処理や焼結の温度や、炭素量等はポストメタライズ法と同じである。前述した、導電ペーストをシートに印刷する際に、複数のシートにそれぞれヒータ回路や静電吸着用電極等を印刷し、それらを積層することで、複数の電気回路を有する通電発熱ヒータを容易に作成することも可能である。このようにして、ヒータとなるセラミックス積層焼結体を得ることができる。
なお、発熱体回路などの電気回路が、セラミックス積層体の最外層に形成されている場合は、電気回路の保護と絶縁性の確保のために、前述のポストメタライズ法と同様に、電気回路の上に絶縁性コートを形成することができる。
得られたセラミックス積層焼結体は、必要に応じて加工を施す。通常、焼結した状態では、半導体製造装置で要求される精度に入らないことが多い。加工精度は、例えば、被処理物搭載面の平面度は0.5mm以下が好ましく、さらには0.1mm以下が特に好ましい。平面度が0.5mmを超えると、被処理物とセラミックスヒータとの間に隙間が生じやすくなり、セラミックスヒータの熱が被処理物に均一に伝わらなくなり、被処理物の温度ムラが発生しやすくなる。
また、被処理物搭載面の面粗さは、Raで5μm以下が好ましい。Raで5μmを超えると、通電発熱ヒータと被処理物との摩擦によって、AlNの脱粒が多くなることがある。この時、脱粒した粒子はパーティクルとなり、被処理物上への成膜やエッチングなどの処理に対して悪影響を与えることになる。さらに、表面粗さは、Raで1μm以下であれば、好適である。
更に、主面と反対側の裏面を平坦に加工する。その平面度は、組み合せる冷却ブロックの当接面の平面度との合計が、0.8mm以下になるようにする。
100重量部の窒化アルミニウム粉末と0.6重量部のステアリン酸イットリウム粉末を混合し、ポリビニルブチラールをバインダー、ジブチルフタレートを溶剤として、それぞれ10重量部、5重量部混合して、スプレードライにより顆粒を作製後、プレス成形し、700℃窒素雰囲下で脱脂し、窒素雰囲気中、1850℃で焼結し、図2に示す窒化アルミニウム焼結体21を作成した。なお、窒化アルミニウム粉末は、平均粒径0.6μm、比表面積3.4m/gのものを使用した。前記窒化アルミニウム焼結体を加工し、直径330mm、厚み12mmとした。
また、平均粒径が2.0μmのW粉末を100重量部として、Yを1重量部と、5重量部のバインダーであるエチルセルロースと、溶剤としてブチルカルビトールを用いてWペーストを作製した。混合にはポットミルと三本ロールを用いた。このWペーストをスクリーン印刷で、前記加工した窒化アルミニウム焼結体上に、発熱体回路パターンを形成した。その後、900℃、窒素雰囲気中で脱脂し、窒素雰囲気中1800℃で焼成し、厚み20μmの発熱体回路22を形成した。発熱体回路を形成した面に、ZnO−B−Al系のガラスペーストを用いて、給電部を除いて塗布し、窒素雰囲気中700℃で焼成し、厚み80μmの絶縁層23を形成した。また、後述する絶縁層を研磨加工した後、給電部には、タングステン端子をネジ止めにより取付け、タングステン端子にニッケル電極をネジ止めし、ヒータ基板2を完成させた。
次に、冷却ブロックとして、直径330mm、厚み12mmと7mmの純アルミニウム板を用意した。純アルミニウム板の熱伝導率は、200W/mKである。このうち、厚み12mmのアルミニウム板に、幅5mm、深さ5mmの冷却媒体を流すための図2に示すような流路を加工により形成した。さらにこの流路の外周に、O−リングを挿入するための、幅2mm、深さ1mmの溝を形成した。また冷却媒体の出入り口に貫通孔を形成した。これら2枚のアルミニウム板をO−リングを挿入して、ネジ止めにて固定した。これらのアルミニウム板には、給電用電極や熱電対が貫通するように、貫通孔を3ヶ所形成した。
これらのヒータ基板と冷却ブロックのそれぞれの当接面は、表1に示す平面度になるように研磨加工した。なお、両者の表面粗さは、Ra1.0μmであった。
これらのヒータ基板と、冷却ブロックを図1のように、支持体9や昇降手段7などを用いて組み付け、更に冷却ブロックの貫通孔を通して、給電用電極と熱電対の貫通物6を取り付けて、ヒータを通電加熱できるようにした。なお、図1に示すように、内面の高さ30mm、内径333mm、厚さ1.5mm(ただし、底面の厚みは3mm)の有底円筒形状の遮熱板8も取付け、ヒータユニット1を完成させた。
ヒータ基板を熱電対の測定値で180℃まで昇温後、90秒間180℃で保持して、温度を安定化した。この間冷却ブロックは、ヒータ基板から分離しており、冷却媒体は流さなかった。その後、通電を停止し、冷却媒体として水を流した冷却ブロックをヒータ基板に当接させ、ヒータ基板を50℃まで冷却した。
熱電対の温度で、冷却途中の120℃に到達したときのヒータ基板の温度バラツキΔTを測定した。温度バラツキの測定は、ウェハ温度計を用いた。ヒータのウェハ搭載面に、ウェハ温度計を載置して、ウェハ温度計の測定値の最大値と最小値の差をヒータの温度バラツキとした。また、180℃から50℃まで冷却するのに要した冷却時間も測定した。これらの結果を表1に示す。なお、表1の平面度は、プローブ式の三次元形状測定器を用いて、当接面を10mmピッチで測定した結果である。
Figure 0004479302
表1から判るように、平面度合計が0.8μm以下で、冷却時間を8分以内にすることができ、120℃における温度バラツキΔTも、1.0℃以内にすることができる。
100重量部の窒化アルミニウム粉末と0.6重量部のステアリン酸イットリウム粉末を混合し、ポリビニルブチラールをバインダー、ジブチルフタレートを溶剤として、それぞれ10重量部、5重量部混合して、スプレードライにより顆粒を作製後、プレス成形し、700℃窒素雰囲下で脱脂し、窒素雰囲気中、1850℃で焼結し、窒化アルミニウム焼結体を2枚作製した。なお、窒化アルミニウム粉末は、平均粒径0.6μm、比表面積3.4m/gのものを使用した。前記窒化アルミニウム焼結体を加工し、直径330mm、厚み12mmとした。
また、平均粒径が2.0μmのW粉末を100重量部として、Yを1重量部と、5重量部のバインダーであるエチルセルロースと、溶剤としてブチルカルビトールを用いてWペーストを作製した。混合にはポットミルと三本ロールを用いた。このWペーストをスクリーン印刷で、前記加工した窒化アルミニウム焼結体の1枚の上に、発熱体回路パターンを形成した。その後、900℃、窒素雰囲気中で脱脂し、窒素雰囲気中1800℃で焼成し、厚み20μmの発熱体回路を形成した。発熱体回路パターンを形成した面に、窒化アルミニウムペーストを塗布し、窒素雰囲気中700℃で脱脂した後、前記加工したもう1枚の窒化アルミニウム焼結体を重ね合わせ、窒素雰囲気中1850℃で焼成し、図2に示すような、発熱体回路22を内部に有するヒータ基板2を作成した。なお、あとから重ね合わせた窒化アルミニウム焼結体には、予め給電用の端子を取り付けるための貫通孔を加工した。また、後述する絶縁層を研磨加工した後、給電部には、金ロウでタングステン端子を取付け、タングステン端子にニッケル電極をネジ止めし、ヒータ基板2を完成させた。
次に、実施例1と同じ冷却ブロックを用意し、これらのヒータ基板と冷却ブロックのそれぞれの当接面は、表2に示す平面度になるように研磨加工した。なお、両者の表面粗さは、Ra1.0μmであった。
これらのヒータ基板と、冷却ブロックを実施例1と同様に図1のように組み付けて、ヒータユニット1を完成させ、実施例1と同様に、温度バラツキΔTと冷却時間を測定した。これらの結果を表2に示す。
Figure 0004479302
表2から判るように、平面度合計が0.8μm以下で、冷却時間を8分以内にすることができ、120℃における温度バラツキΔTも、1.0℃以内にすることができる。
実施例1のNo.1とNo.11及び、実施例2のNo.17とNo.27の冷却ブロックの当接面を更に研磨して、表3に示すような面粗さ(Ra)としたものを用いて、実施例1と同様に、120℃における温度バラツキΔTと冷却時間を測定した。これらの結果を表3に示す。
Figure 0004479302
表3から判るように、冷却ブロックの当接面の面粗さをRaで5μm以下にすれば、冷却時間が短縮できる。
実施例1と同様に窒化アルミニウム焼結体にWペーストで発熱体回路を形成し、発熱体回路を形成した面に、ZnO−B−Al系のガラスペーストを用いて、給電部を除いて塗布し、窒素雰囲気中700℃で焼成し、絶縁層23を形成した。絶縁層の平均厚み(膜厚)及び厚みの最大値と最小値の差(膜厚バラツキ)を、表4に示すものを作成した。その後、実施例1と同様にタングステン端子とニッケル電極を取付、ヒータ基板を完成させた。
実施例1と同じ冷却ブロックを用意し、これらのヒータ基板と冷却ブロックのそれぞれの当接面は、平面度0.2mmになるように研磨加工した。なお、両者の表面粗さは、Ra μmであった。これらのヒータ基板と、冷却ブロックを実施例1と同様に図1のように組み付けて、ヒータユニット1を完成させ、実施例1と同様に、120℃における温度バラツキΔTと冷却時間を測定した。これらの結果を表4に示す。
なお、絶縁層の厚みの測定は、以下のように行った。まず、窒化アルミニウム焼結体の裏面の形状を3次元形状測定器で測定しておき、発熱体回路を形成し、絶縁層を形成するときに、ヒータ基板の裏面の一部に絶縁層が形成されないようにして絶縁層を形成し、焼成後、絶縁層の表面形状と絶縁層が形成されていない面の形状とを3次元形状測定器で測定して、絶縁層の厚みを測定した。
Figure 0004479302
表4に示すように、膜厚10μmのもは、昇温中150℃付近で、ヒータ電流が乱れ始め、昇温を継続することができなかった。降温後、調べてみると、絶縁層の一部にピンホールが存在しており、発熱体回路がショートしていた。
また、表4から判るように、膜厚が500μmを超えると、冷却時間が長くなる。絶縁層が厚くなって、断熱効果が現れたものと思われる。また、膜厚バラツキが200μmを超えると、120℃における温度バラツキが大きくなる。これも膜厚の厚い箇所で、断熱効果が現れて、冷却されにくいためと思われる。
実施例1と同様に、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素の3種類の材質のヒータを作成した。これに実施例1で作成した窒化アルミニウム製のヒータを加えた4種類のヒータを用いた。実施例1と同様に、冷却ブロックを取付け、実施例1と同様に120℃でのヒータ基板の温度バラツキΔTを測定した。
また、ヒータを熱電対での測定値で400℃まで加熱した後、30分間400℃に保持して温度を安定させた後、通電停止とともに、冷却水を流した冷却ブロックをヒータに接触させて、50℃までヒータを冷却し、再度昇温するという操作を最大1000回繰り返し、ヒータが破損するまでの回数を調べた。それらの結果を表5に示す。
Figure 0004479302
表5から判るように、温度の均一性では、窒化アルミニウムと炭化珪素が優れている。また、酸化アルミニウム以外は、サイクル試験で破損せず、信頼性が高いことが判る。更に、窒化アルミニウムは、温度の均一性と信頼性の両方で優れていることが判った。
実施例1で用いた窒化アルミニウム製のヒータ基板と、冷却ブロックを、レジスト加熱処理装置に搭載してフォトリソグラフ処理を行った。ヒータ基板と冷却ブロックの当接面の平面度の合計と表面粗さは、表6のものを用いた。なお、表面粗さは、ヒータ基板と冷却ブロックとで同じとした。用いたレジストは、波長248nmのKrFエキシマレーザステッパ用超高解像度レジストで、130℃90秒のプリベークおよび130℃90秒の露光ベークを行い、130nmノードの線幅バラツキ(3σ)を測定した。
また、比較の為に、ヒータ基板と冷却ブロックの当接面を加工しない従来のヒータユニットを同様にレジスト加熱処理装置に搭載して、線幅バラツキを測定した。それらの結果を表6に示す。
Figure 0004479302
表6から判るように、本発明の冷却ブロックを用いれば、ヒータの温度分布が従来よりも大幅に均一になるので、線幅バラツキを大幅に低減できることが判った。
線幅バラツキを大幅に低減できるということは、例えば、半導体装置であるトランジスタは、電極配線や絶縁膜、不純物拡散層等の要素から成り立っている。これらの要素の寸法は、サブミクロンメートルから近年では100nm前後と非常に微細なものもあるので、高い寸法精度が要求される。
これらの要素は、極薄膜の化学蒸着やエッチング、フォトリソグラフィー工程等の各種の加熱を伴う工程を経て形成される。この時、被処理物である半導体基板の面内で、加熱温度にバラツキがあると、それらの要素の寸法にバラツキが生じる。加熱温度のバラツキが少なく温度が均一であれば、それらの要素の寸法のバラツキが小さくなり、歩留りが向上する。
また、それらの要素の寸法精度が向上すれば、より微細な寸法での設計が可能となるので、集積度を向上させることができる。つまり、半導体装置の特性の向上が可能となる。また、フラットディスプレイパネルでも、同様に歩留りの向上や、パネル全面での画素特性の均一化、あるいは画素の微細化による画像の高精細化などの特性を向上させることができる。
従って、本発明のヒータユニットを搭載した半導体製造・検査装置や、フラットディスプレイパネルの製造・検査装置あるいはフォトレジスト加熱処理装置を用いれば、半導体やフラットディスプレイパネルの特性や歩留り、信頼性あるいは集積度や画像品質の向上が図れる。
本発明によれば、冷却開始から冷却終了までの間のヒータの温度分布をより均一にできるヒータユニットを提供することができる。このようなヒータユニットを搭載した半導体製造・検査装置、あるいはフラットディスプレイパネルの製造・検査装置、またはフォトレジスト加熱処理装置は、従来の装置よりもヒータの温度分布がより均一になるので、半導体やフラットディスプレイパネルの特性や歩留り、信頼性あるいは集積度や画像品質の向上が図れる。
本発明のヒータユニットの一例を示す断面模式図である。 本発明のヒータユニットの要部の断面模式図である。 本発明の他のヒータユニットの要部の断面模式図である。 従来のヒータユニットの要部の断面模式図である。 従来の他のヒータユニットの要部の断面模式図である。
符号の説明
1 ヒータユニット
2 ヒータ基板
3 冷却ブロック
4 ヒータ基板の当接面
5 冷却ブロックの当接面
6 挿入物
7 昇降手段
8 容器
9 支持体
21 セラミックス基体
22 発熱体回路
23 絶縁層

Claims (5)

  1. 裏面に発熱体回路と該発熱体回路を保護する絶縁膜が形成されており、裏面と反対側の主面に被加熱物を搭載して加熱処理するヒータ基板と、該ヒータ基板の裏面に当接、分離可能な冷却ブロックとを有するヒータユニットにおいて、前記ヒータ基板を構成するセラミックスの主成分が、窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素からなる群から選ばれた少なくとも1種類であり、前記絶縁膜の厚みが、15μm以上、500μm以下であり、かつ絶縁膜の厚みの最大値と最小値の差が、200μm以下であり、前記ヒータ基板と冷却ブロックの当接面の面粗さが、共にRaで5μm以下であり、前記ヒータ基板と前記冷却ブロックの当接面の平面度の合計が、0.8mm以下であることを特徴とするヒータユニット。
  2. 内部に発熱体回路が形成されており、主面に被加熱物を搭載して加熱処理するヒータ基板と、該ヒータ基板の主面と反対側の裏面に当接、分離可能な冷却ブロックとを有するヒータユニットにおいて、前記ヒータ基板を構成するセラミックスの主成分が、窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素からなる群から選ばれた少なくとも1種類であり、前記ヒータ基板と冷却ブロックの当接面の面粗さが、共にRaで5μm以下であり、前記ヒータ基板と前記冷却ブロックの当接面の平面度の合計が、0.8mm以下であることを特徴とするヒータユニット。
  3. 前記セラミックスヒータの主成分が、窒化アルミニウムであることを特徴とする請求項1または2に記載のヒータユニット。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のヒータユニットを搭載したことを特徴とする半導体製造・検査装置。
  5. 請求項1乃至のいずれかに記載のヒータユニットを搭載したことを特徴とするフラットパネルディスプレイの製造検査装置。
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