JP4478708B2 - エンジンの制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、エンジンの排気温度および燃焼圧力の各気筒間のバランス補正を自動的に行うエンジンの制御装置に関する。
従来より、都市ガス等の気体燃料を主燃料としたガスエンジンとして、各気筒のシリンダヘッドの入口部にガス噴射弁を設置し、電子制御によって上記ガス噴射弁の開弁期間を調整することによって、各気筒への上記気体燃料の注入量を制御するものがある。このようなガスエンジンの制御装置として、特開平10‐110640号公報(特許文献1)に開示された「気筒間の燃焼バランス制御装置」がある。
この特許文献1に開示された「気筒間の燃焼バランス制御装置」においては、図6に示すように、ガスエンジン1の各シリンダ2には夫々バランシングバルブ3が接続されており、このバランシングバルブ3はステッピングモータで開度が調整されるようになっている。各バランシングバルブ3は、夫々共通の燃料ガス主管4に接続されている。そして、燃料ガス主管4は、ガバナ5に制御される第1のガス圧力調節弁6と第2のガス圧力調節弁7とを介して燃料ガスの供給源に接続されている。
図7は、上記ガスエンジン1の各シリンダ2間における燃焼バランスを制御する燃焼バランス制御装置8を示す。この燃焼バランス制御装置8は、制御手段9と、ドライバ10と、各々ステッピングモータ11を有する複数のバランシングバルブ3と、燃焼状態を検出するためにガスエンジン1に設けられたセンサ群と、を有している。上記センサ群によって検出された各シリンダ2の排気温度が、制御手段9に入力される。そうすると、制御手段9は、各シリンダ2の排気温度から排気温度の平均値を算出し、検出した各シリンダ2の排気温度と上記平均値との偏差を算出し、各偏差によって各バランシングバルブ3のステッピングモータ11を制御する。こうすることによって、各シリンダ2間の燃焼状態の偏差が小さくなり、シリンダ2間の燃焼バランスが良くなる。この中では、排気温度、燃焼最高圧力Pmax、図示馬力Pmiの少なくとも1つを目標値にしている。
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来の気筒間の燃焼バランス制御装置においては、以下のような問題がある。
すなわち、実際にガスエンジンを運転して各シリンダ2の排気温度および各シリンダ2の最高燃焼圧力を実測してみると、上記従来の気筒間の燃焼バランス制御装置のごとく、各シリンダ2の排気温度を目標偏差内に収めるようにガス噴射弁であるバランシングバルブ3の開弁期間を微調整した場合には、各シリンダ2の最高燃焼圧力にばらつきが生ずるため、各シリンダ2毎の出力アンバランスを抑制する効果に繋がっていないことを実測により確認した。
また、逆に、各シリンダ2の最高燃焼圧力に対して目標偏差を設け、燃料噴射期間を微調整することによって、各シリンダ2の最高燃焼圧力が上記目標偏差内に収まるようにする。そうすると、各シリンダ2の排気温度にばらつきが生じ、この場合にも、各シリンダ2毎の出力アンバランスを完全に抑制する効果に繋がっていないことを実測により確認した。
つまり、上記各シリンダ2の排気温度レベルを揃えると、各シリンダ2の最高燃焼圧力が大きくばらつく一方、逆に、各シリンダ2の最高燃焼圧力レベルを揃えると、各シリンダ2の排気温度が大きくばらつくのである。
特開平10‐110640号公報
そこで、この発明の課題は、エンジンにおける各シリンダの排気温度と最高燃焼圧力とをバランスさせ、両者のばらつきのレベルを低く抑えることができるエンジンの制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明のエンジンの制御装置は、
複数のシリンダを有するエンジンと、
上記複数のシリンダに連通する複数の吸気通路および複数の排気通路が形成されたシリンダヘッドと、
上記複数の吸気通路に設けられて、各吸気通路に対する燃料の噴射および停止を行う複数の燃料噴射弁と
を備え、
上記複数の排気通路に設けられて、各シリンダからの排気ガスの温度を検出して検出温度を表す検出信号を出力する複数の排気温度センサと、
上記各シリンダと夫々の上記シリンダ内を往復動する複数のピストンと上記シリンダヘッドとで区画された複数の燃焼室内の燃焼圧力を検出して、検出圧力を表す検出信号を出力する複数の圧力センサと、
上記複数の排気温度センサからの検出信号と上記複数の圧力センサからの検出信号とに基づいて、総ての上記シリンダに関する上記排気ガス温度における平均値からの偏差である第1偏差が第1目標偏差内に収まるように、上記複数の燃料噴射弁の開弁期間を補正する第1制御モードと、上記第1制御モードが終了した後に、総ての上記シリンダから選出された一つのシリンダに関する上記燃焼圧力の1サイクル内の最高値である最高燃焼圧力における総ての上記シリンダに関する上記最高燃焼圧力の平均値からの偏差である第2偏差が第2目標偏差内に収まるように、上記複数の燃料噴射弁の開弁期間を補正する第2制御モードとを、上記第2制御モードの対象となる上記シリンダを順次替えながら交互に繰り返し行って、総ての上記シリンダに関する上記第1偏差が上記第1目標偏差内に収まり、且つ、総ての上記シリンダに関する上記第2偏差が上記第2目標偏差内に収まるように、上記複数の燃料噴射弁の開弁期間の補正量を設定するエンジン制御部と、
上記エンジン制御部によって設定された上記複数の燃料噴射弁毎の開弁期間の補正量に基づいて、上記複数の燃料噴射弁を上記補正された開弁期間だけ開放動作させる燃料噴射弁駆動部と
を備えたことを特徴としている。
上記構成によれば、エンジン制御部によって、総ての上記シリンダに関する上記排気ガス温度における上記第1偏差が上記第1目標偏差内に収まるように、上記複数の燃料噴射弁の開弁期間を補正する第1制御モードと、上記第1制御モードが終了した後に、総ての上記シリンダから選出された一つのシリンダに関する上記最高燃焼圧力における上記第2偏差が上記第2目標偏差内に収まるように、上記複数の燃料噴射弁の開弁期間を補正する第2制御モードとを、上記第2制御モードの対象となる上記シリンダを順次替えながら交互に繰り返し行って、総てのシリンダに関する排気ガス温度における上記第1偏差が上記第1目標偏差内に収まり、且つ、総ての上記シリンダに関する上記最高燃焼圧力における上記第2偏差が上記第2目標偏差内に収まるように、上記複数の燃料噴射弁の開弁期間の補正量を設定している。したがって、エンジンにおける総ての上記シリンダに関する上記排気ガス温度の上記第1偏差が上記第1目標偏差内に収まると共に、上記最高燃焼圧力の上記第2偏差が上記第2目標偏差内に収まるように、上記排気ガス温度と上記最高燃焼圧力とをバランスさせ、両者のばらつきのレベルを低く抑えることができる。
さらに、総ての上記シリンダに関する上記排気ガス温度の上記第1偏差に対する上記第1目標偏差内への集束を優先して行うようにしている。したがって、総ての上記シリンダにおける少なくとも上記排気ガス温度のレベルを上記所定の目標偏差内に確実に揃えることができる。
また、1実施の形態のエンジンの制御装置では、
上記エンジンの回転数を検出して検出回転数を表す検出信号を出力する回転センサを備え、
上記エンジン制御部は、上記回転センサからの検出信号に基づいて、上記エンジンの実回転数が設定回転数になるように上記総ての燃料噴射弁の開弁期間を一律に調整するガバナ機能を有し、このガバナ機能によって予め一律に調整された上記総ての燃料噴射弁の開弁期間に対して上記設定された補正量を個々に加減算して得られた開弁期間を、上記燃料噴射弁駆動部に送出するようになっている。
この実施の形態によれば、先に、上記ガバナ機能によって一律に調整された上記総ての燃料噴射弁の開弁期間に対して、個々の上記シリンダに関する上記排気ガス温度の上記偏差および上記最高燃焼圧力の上記偏差が目標偏差内に収まるように補正を加えるようにしている。したがって、迅速,簡単に且つ最適に、上記総ての燃料噴射弁の開弁期間を設定することができる。
また、1実施の形態のエンジンの制御装置では、
上記シリンダ内に供給された燃料の着火時期を遅らせることによってノッキングを抑制するノッキング制御を行うノッキング制御部を備え、
上記エンジン制御部は、上記ノッキング制御部が上記ノッキング制御を行っている際には、上記複数の燃料噴射弁の開弁期間を短縮する側のみに補正するようになっている。
この実施の形態によれば、ノッキング制御中の場合には、上記燃料噴射弁の開弁期間に対して短縮側への補正のみを有効とし、延長側への補正は無効としている。したがって、上記ノッキング制御中であるにも拘わらず、上記燃料噴射弁の開弁期間が、ノッキングが発生し易い延長側に補正されるのを防止することができる。
また、1実施の形態のエンジンの制御装置では、
上記シリンダ内に供給された燃料の燃焼期間を延長することによって弱燃焼を抑制する弱燃焼制御を行う弱燃焼制御部を備え、
上記エンジン制御部は、上記弱燃焼制御部が上記弱燃焼制御を行っている際には、上記複数の燃料噴射弁の開弁期間を延長する側のみに補正するようになっている。
この実施の形態によれば、弱燃焼制御中の場合には、上記燃料噴射弁の開弁期間に対して延長側への補正のみを有効とし、短縮側への補正は無効としている。したがって、上記弱燃焼制御中であるにも拘わらず、上記燃料噴射弁の開弁期間が、弱燃焼が発生し易い短縮側に補正されるのを防止することができる。
また、1実施の形態のエンジンの制御装置では、
上記エンジン制御部は、上記複数の燃料噴射弁のうちの何れかに関する開弁期間の全補正量が、予め設定されている最大補正量に達した場合には、最大補正量到達メッセージを発報するようになっている。
この実施の形態によれば、何れかの燃料噴射弁に関する開弁期間の全補正量が最大補正量に達しても、上記排気ガス温度の上記偏差あるいは上記最高燃焼圧力の上記偏差が目標偏差内に収まらない場合には、その旨を上記最大補正量到達メッセージによってユーザに知らせることが得きる。したがって、異常燃焼やエンジン停止に至ることを未然に防ぐことができる。
以上より明らかなように、この発明のエンジンの制御装置は、エンジン制御部によって、総てのシリンダに関する排気ガス温度における平均値からの偏差である第1偏差が第1目標偏差内に収まるように、上記複数の燃料噴射弁の開弁期間を補正する第1制御モードと、上記第1制御モードが終了した後に、総ての上記シリンダから選出された一つのシリンダに関する上記最高燃焼圧力における総ての上記シリンダに関する平均値からの偏差である第2偏差が第2目標偏差内に収まるように、上記複数の燃料噴射弁の開弁期間を補正する第2制御モードとを、上記第2制御モードの対象となる上記シリンダを順次替えながら交互に繰り返し行って、総ての上記シリンダに関する上記第1偏差が上記第1目標偏差内に収まり、且つ、総ての上記シリンダに関する上記第2偏差が上記第2目標偏差内に収まるように、上記複数の燃料噴射弁の開弁期間の補正量を設定するので、エンジンにおける総ての上記シリンダに関する上記排気ガス温度の上記第1偏差が上記第1目標偏差内に収まると共に、上記最高燃焼圧力の上記第2偏差が上記第2目標偏差内に収まるように、上記排気ガス温度および上記最高燃焼圧力のレベルをバランスさせ、尚且つ、両者のばらつきを低く抑えることができる。
したがって、この発明によれば、上記従来の気筒間の燃焼バランス制御装置のごとく、各シリンダの排気ガス温度のレベルを揃えると、各シリンダの最高燃焼圧力が大きくばらつく一方、逆に、各シリンダの最高燃焼圧力のレベルを揃えると、各シリンダの排気ガス温度が大きくばらつく、という複数のシリンダ間での出力アンバランスを解消することができるのである。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。図1は、本実施の形態のエンジンの制御装置が適用されたガスエンジンにおける概略構成図である。
図1において、ガスエンジン21は、シリンダブロック22と、シリンダブロック22に形成されたシリンダ内に嵌合されたシリンダライナ23と、このシリンダライナ23内を上下に往復動するピストン24と、エンジン内吸気路25,吸気バルブ26,エンジン内排気路27および排気バルブ28が設けられたシリンダヘッド29とを含んで構成されている。以下、シリンダライナ23を、単にシリンダ23と言うことにする。
過給機30は、コンプレッサ31とタービン33とを内蔵しており、導入された空気をコンプレッサ31によって圧縮して、エンジン内吸気路25に連通した吸気管32に供給する。また、タービン33をエンジン内排気路27に連通する排気管34からの排気ガスによって回転させて、コンプレッサ31を駆動する。
上記エンジン内吸気路25と吸気管32とを連通するエンジン外吸気路35には、ガス主管37からエンジン外吸気路35への都市ガス等の気体燃料の供給・停止を行うガス噴射弁36が取り付けられている。また、エンジン内排気路27と排気管34とを連通するエンジン外排気路38には、排気ガスの温度(排気温度)を検出する排気温度センサ39が取り付けられている。
また、上記シリンダヘッド29には、シリンダ23とピストン24とシリンダヘッド29とで区画された燃焼室40に連通して、燃焼室40内の圧力を検出する圧力センサ41が取り付けられている。また、クランク軸42に連結されているフライホイール部のリングギヤ(図示しない)の近傍には、ガスエンジン21の回転速度および回転位相を検出する回転センサ43が設置されている。また、回転センサ43の代わりにロータリーエンコーダを用いてもよい。
そして、総てのシリンダ23に関して、各排気温度センサ39によって検出された排気ガス温度Tを表す検出信号と、各圧力センサ41によって検出された筒内圧力Pを表す検出信号と、各回転センサ43によって検出されたガスエンジン21の回転速度および回転位相を表す検出信号とは、ECU(Engine Control Unit)44に入力される。そうすると、ECU44は、後に詳述するようにして、各シリンダ23毎に、ガス噴射弁36の開弁期間を設定し、この開弁期間だけガス噴射弁36を開放させるための制御信号をドライバ45に出力する。そして、ドライバ45によって、上記制御信号に基づいて、各シリンダ23毎のガス噴射弁36における開閉動作を行うのである。
以下、上記ECU44によって各シリンダ23毎に行われるガス噴射弁36の開弁期間の設定動作について説明する。
上述したように、上記特許文献1に開示された従来の気筒間の燃焼バランス制御装置においては、各シリンダの排気温度が目標偏差内に収まるようにガス噴射弁の開弁期間を制御すると各シリンダの最高燃焼圧力にばらつきが生ずる一方、上記最高燃焼圧力が目標偏差内に収まるようにガス噴射弁の開弁期間を制御すると上記排気温度にばらつきが生じてしまう。そこで、本実施の形態におけるECU44は、各シリンダ23の排気ガス温度Tを目標偏差内に収めると共に、各シリンダ23の最高燃焼圧力についても目標偏差内に収めるようにするのである。
但し、通常、ガスエンジンの燃焼特性として、ノッキングや失火および失火に至る直前における弱燃焼等の一般的に異常燃焼と呼ばれる現象が発生する領域がある。これら異常燃焼は、上記気体燃料と空気との混合割合に依存し、一般的に、ガス噴射弁36の開弁期間を長くし過ぎると、シリンダ23内に必要以上の気体燃料が導入されてノッキングに至ることになる。この場合、着火時期あるいは点火時期を遅らせる等のノッキング制御を行う。逆に、ガス噴射弁36の間弁期間を短くし過ぎると、必要とされる気体燃料量を満たさず、弱燃焼、強いては失火に至る。この場合、上記弱燃焼の場合には、着火燃料(パイロット油)の量を増加させる等の弱燃焼制御を行う。また、上記失火に至った場合には、失火該当シリンダの燃料供給をカットした減筒運転や、あるいは、ある時間が経過した後にガスエンジン21を停止させるようにしている。
先ず、上記ECU44の機能について説明する。ECU44は、ガバナPID制御機能と、排気温度偏差算出機能と、燃焼圧力偏差算出機能と、ノッキング制御検知機能と、弱燃焼制御検知機能と、を有している。
上記ガバナPID制御機能とは、上記回転センサ43からの検出信号に基づいてガスエンジン21の実回転数を検知し、このガスエンジン21の実回転数と設定回転数とを比較し、その比較結果に基づいて総てのシリンダ23に関するガス噴射弁36の開弁期間(全ガス噴射弁36に関して同一期間)を設定し、調整することによって、「設定回転数」=「実回転数」となるように気体燃料の注入量をフィードバック制御する機能である。このガバナPID制御機能では、例えば、「設定回転数」>「実回転数」である場合には、総てのガス噴射弁36の開弁期間を同一期間だけ延長して気体燃料の注入量を増量することによって、ガスエンジン21の回転数を上げて設定回転数に近づけるのである。
上記排気温度偏差算出機能とは、上記排気温度センサ39からの検出信号に基づいて各シリンダ23毎の排気ガス温度Tを検知し、総ての排気ガス温度Tの平均値を算出する。そして、個々の排気ガス温度Tと上記平均値との差である「排気温度偏差(排温偏差と記載する場合もある)」を算出する機能である。
上記燃焼圧力偏差算出機能とは、上記圧力センサ41からの検出信号に基づいて各シリンダ23毎の1サイクル内における筒内圧力Pの最大値である最高燃焼圧力Pmaxを検知する。そして、総ての最高燃焼圧力Pmaxの平均値を算出し、さらに個々の最高燃焼圧力Pmaxと上記平均値との差である「燃焼圧力偏差(燃圧偏差と記載する場合もある)」を算出する機能である。
上記ノッキング制御検知機能とは、燃焼圧力センサ41で検知される燃焼圧力を周波数解析等の計算方法でノッキング指標として算出する。振動加速度センサでの加速度レベルからノッキング判定を行ってもよい。一方、ECU44内のノッキング制御部に限定値を設定しておき、上記ノッキング指標がこの限度値を超えた場合には、点火時期あるいはパイロット燃料噴射時期を遅らせてノッキングを回避する。その後、計算されたノッキング指標が限度値を下回ると、あるレートで元の点火時期あるいはパイロット燃料噴射時期に戻される。
上記弱燃焼制御検知機能とは、上記燃焼圧力センサ41で検知される燃焼圧力レベルを弱燃焼指標として判定する。排気温度の平均値からの偏差によって弱燃焼判定を行ってもよい。一方、ECU44内の弱燃焼制御部に限度値を設定しておき、上記弱燃焼指標がこの限度値を超えた場合には、ガス噴射量あるいはパイロット燃料噴射量を増加させて弱燃焼を回避する。その後、計算された弱燃焼指標が限度値を下回ると、あるレートで元のガス噴射量あるいはパイロット燃料噴射量に戻される。
図2〜図4は、上記機能を有するECU44によって実行される排気温度および燃焼圧力のバランス補正制御動作のフローチャートを示す。尚、排気温度および燃焼圧力のバランス補正制御動作には、上記ガバナPID制御機能,排気温度偏差算出機能,燃焼圧力偏差算出機能,ノッキング制御検知機能および弱燃焼制御検知機能が含まれる。したがって、実際には、図2〜図4に示すフローチャートにもこれらの機能を行うステップが含まれるのであるが、煩雑になるので上記機能を行うステップは省略している。以下、図2〜図4に従って、排気温度および燃焼圧力のバランス補正制御動作について詳細に説明する。
ここで、説明に先立って、本「排気温度および燃焼圧力のバランス補正制御動作」に使用する設定項目について説明する。この設定項目は、予め設定されて図示しない記憶装置に格納されている。尚、以下の設定項目の説明は「名称:記号[単位]」の順に行う。
・バランス補正制御開始負荷:Lstt[%]
・バランス補正制御停止負荷:Lstp[%]
・排気温度目標偏差:±Tdev[℃]
・排気温度バランス補正制御時の補正間隔時間:IntT[分]
・排気温度バランス補正制御時の1回当たりのガス噴射弁36の補正量:
±CorT[%]
・最高燃焼圧力目標偏差:±Pdev[MPa]
・燃焼圧力バランス補正制御時の補正間隔時間:IntP[分]
・燃焼圧力バランス補正制御時の1回当たりのガス噴射弁36の補正量:
±CorP[%]
・最高圧力シリンダに対するガス噴射弁36の補正量:−CorPl[%]
・最低圧力シリンダに対するガス噴射弁36の補正量:+CorP2[%]
・ガス噴射弁36の最大補正量:±Cormax[%]
・最大補正量±Cormaxに到達してからの経過時間:Rt[分]
次に、排気温度および燃焼圧力のバランス補正制御動作について説明する。ガスエンジン(以下、単にエンジンという場合もある)21の運転が開始されると「排気温度および燃焼圧力のバランス補正制御動作」がスタートする。
先ず、ステップS1で、上記ガバナPID制御機能によってガバナPID制御が実行される。すなわち、エンジン21の実回転数と設定回転数とが比較され、その比較結果に基づいてガス噴射弁36の開弁期間が設定され、総てのガス噴射弁36の開弁期間が上記設定期間に一律に調整される。こうして、「設定回転数」=「実回転数」になるように上記気体燃料の注入量がフィードバック制御される。
ステップS2で、上記エンジン21の実負荷が、バランス補正制御開始負荷Lstt以上か否かが判別される。その結果、Lstt以上になるとステップS3に進んで、排気温度および燃焼圧力のバランス補正制御が実際に開始される。
ステップS3で、総ての上記シリンダ23の中から1つの未制御のシリンダ23が選出される。以後、この選出されたシリンダ23に関する排気温度バランス補正制御が行われる。以下の説明においては1つのシリンダについて述べるが、他のシリンダについても同様の内容を実行する。すなわち、上記排気温度偏差算出機能によって、総てのシリンダ23に関する排気温度センサ39からの検出信号に基づいて、上述したように、総ての排気ガス温度Tの平均値と該当シリンダ23の排気ガス温度Tとの差である「排気温度偏差」が算出される。そして、ステップS4で、上記算出された「排気温度偏差」が排気温度目標偏差−Tdev以上であるか否かが判別される。その結果、−Tdev以上であればステップS12に進み、そうでなければステップS5に進む。
ステップS5で、上記ノッキング制御検知機能によって、ノッキング制御中であるか否かが判別される。その結果、ノッキング制御中でなければステップS6に進む。一方、ノッキング制御中であれば、ノッキング制御を優先させるため上記ステップS6をスキップする。ステップS6で、該当シリンダ23におけるガス噴射弁36の開弁期間が、補正量「+CorT」だけ補正(延長)される。
ところで、上記ガス噴射弁36における開弁期間の補正は最大で「±Cormax」までしか行うことができない。そこで、以下において、該当シリンダ23におけるガス噴射弁36の全補正量が最大補正量±Cormaxを超えたか否かのチェックを行うのである。
ステップS7で、上記ステップS6におけるガス噴射弁36の補正量「+CorT」に基づいて、該当シリンダ23におけるガス噴射弁36の全補正量が算出される。ステップS8で、上記算出された全補正量が、最大補正量「±Cormax」以内にあるか否かが判別される。その結果、「±Cormax」以内にあればステップS9に進み、そうでなければステップS30に進む。
ステップS9で、上記ステップS7において行われた全補正量の算出は、「排気温度バランス補正制御」に基づくものであるか否かが判別される。その結果、「排気温度バランス補正制御」に基づく場合にはステップS10に進み、「燃焼圧力バランス補正制御」に基づく場合にはステップS11に進む。
例えば上記ECU44に内蔵された第1タイマによって、該当シリンダ23に関する排気温度バランス補正制御が開始されてからの経過時間が計時されている。そして、ステップS10で、この計時時間が、排気温度バランス補正制御時の補正間隔時間IntT以上であるか否かが判別される。その結果、IntT以上になると上記ステップS3に戻って次回の排気温度バランス補正制御が行われる。
上記ステップS4において、上記算出された「排気温度偏差」が排気温度目標偏差の下限値−Tdev内に入っていると判別された場合には、排気温度目標偏差の上限値+Tdev内に入っているか否かの判別に移行する。
ステップS12で、上記「排気温度偏差」が排気温度目標偏差+Tdev以下であるか否かが判別される。その結果、+Tdev以下であればステップS15に進み、そうでなければステップS13に進む。ステップS13で、上記弱燃焼制御検知機能によって弱燃焼制御中であるか否かが判別される。その結果、弱燃焼制御中でなければステップS14に進む。一方、弱燃焼制御中であれば、弱燃焼制御を優先させるため上記ステップS14をスキップして上記ステップS7に進む。ステップS14で、該当シリンダ23におけるガス噴射弁36の開弁期間が補正量「−CorT」だけ補正(短縮)される。以後、上記ステップS7〜上記ステップS10において、全補正量が算出され、この全補正量は最大補正量「±Cormax」以内にあると判別され、補正間隔時間IntTが経過したと判別されると、上記ステップS4に戻って次回の排気温度バランス補正制御が行われる。
上記ステップS12において、上記算出された「排気温度偏差」が排気温度目標偏差の上限値+Tdev内に入っていると判別された場合は、該当シリンダ23に関する上記「排気温度偏差」は、排気温度目標偏差±Tdev内に入っていることになる。そこで、ステップS15で、総てのシリンダ23に関する「排気温度バランス補正制御」が終了したか否かが判別される。その結果、終了していればステップS16に進み、終了していなければ上記ステップS3に戻って、他のシリンダ23に対する「排気温度バランス補正制御」が繰り返される。
以上のごとく、本実施の形態の「排気温度および燃焼圧力のバランス補正制御動作」においては、先ず、排気温度バランス補正制御を行い、上記排気温度偏差が排気温度目標偏差±Tdev内に収まっていないシリンダ23に対して、補正間隔時間IntT毎に、上記排気温度偏差が排気温度目標偏差±Tdev内に収まるまで、ガス噴射弁36の開弁期間を補正量±CorTだけ補正する。こうして、総てのシリンダ23に関する上記排気温度偏差が、排気温度目標偏差±Tdev内に収まると、次の燃焼圧力バランス補正制御に移行するのである。
ステップS16で、総てのシリンダ23の中から1つの未制御のシリンダ23が選出される。以後、この選出されたシリンダ23に関する燃焼圧力バランス補正制御が行われる。以下の説明においては、1つのシリンダについて述べるが、他のシリンダについても同様の内容を実行する。すなわち、上記燃焼圧力偏差算出機能によって、総てのシリンダ23に関する圧力センサ41からの検出信号に基づいて、上述したように、総ての最高燃焼圧力Pmaxの平均値と該当シリンダ23の最高燃焼圧力Pmaxとの差である「燃焼圧力偏差」が算出される。そして、ステップS17で、上記算出された「燃焼圧力偏差」が最高燃焼圧力目標偏差−Pdev以上であるか否かが判別される。その結果、−Pdev以上であればステップS20に進み、そうでなければステップS18に進む。
ステップS18で、上記ステップS5の場合と同様にして、ノッキング制御中であるか否かが判別される。その結果、ノッキング制御中でなければステップS19に進む。一方、ノッキング制御中であれば、ノッキング制御を優先させるために上記ステップS19をスキップして上記ステップS7に進む。ステップS19で、該当シリンダ23におけるガス噴射弁36の開弁期間が補正量「+CorP」だけ補正(延長)される。そうした後、上記ステップS7に進む。以後、上記ステップS7〜上記ステップS9において、全補正量が算出され、この全補正量は最大補正量「±Cormax」以内にあると判別され、「排気温度バランス補正制御」ではないと判別され、ステップS11に進むことになる。
例えば上記ECU44に内蔵された第2タイマによって、該当シリンダ23に関する燃焼圧力バランス補正制御が開始されてからの経過時間が計時されている。そして、ステップS11で、この計時時間が、燃焼圧力バランス補正制御時の補正間隔時間IntP以上であるか否かが判別される。上述のように燃焼圧力をバランスさせると排気温度がアンバランスになる可能性があり、またその逆も考えられる。したがって、IntP以上になると、最初の排気温度のばらつきチェック、つまり排気温度バランス制御から開始させるため、上記ステップS3に戻り、総てのシリンダ23の排気温度Tが「排気温度目標偏差」±Tdev以内にあれば、上記ステップS16に戻って燃焼圧力バランス制御に入る。
ステップS20で、上記「燃焼圧力偏差」が最高燃焼圧力目標偏差+Pdev以下であるか否かが判別される。その結果、+Pdev以下であればステップS23に進み、そうでなければステップS21に進む。ステップS21で、上記ステップS13の場合と同様にして弱燃焼制御中であるか否かが判別される。その結果、弱燃焼制御中でなければステップS22に進む一方、弱燃焼制御中であれば、弱燃焼制御を優先させるため上記ステップS22をスキップして上記ステップS7に進む。ステップS22で、該当シリンダ23におけるガス噴射弁36の開弁期間が補正量「−CorP」だけ補正(短縮)される。そうした後、上記ステップS7に進む。以後、上記ステップS7〜上記ステップS9およびステップS11において、全補正量が算出され、この全補正量は最大補正量「±Cormax」以内にあると判別され、「排気温度バランス補正制御」ではないと判別され、補正間隔時間IntPが経過したと判別されると、上述のように燃焼圧力をバランスさせると排気温度がアンバランスになる可能性があり、またその逆も考えられる。したがって、IntP以上になると、最初の排気温度のばらつきチェック、つまり排気温度バランス制御から開始させるため、上記ステップS3に戻り、総てのシリンダ23の排気温度Tが「排気温度目標偏差」±Tdev以内にあれば、上記ステップS16に戻って、燃焼圧力バランス制御に入る。
上記ステップS20において、上記算出された「燃焼圧力偏差」が燃焼圧力目標偏差の上限値+Pdev内に入っていると判別された場合には、該当シリンダ23に関する上記「燃焼圧力偏差」は、最高燃焼圧力目標偏差±Pdev内に入っていることになる。そこで、ステップS23で、総てのシリンダ23に関する「燃焼圧力バランス補正制御」が終了したか否かが判別される。その結果、終了していればステップS24に進む。一方、終了していなければ上記ステップS3に戻って、他のシリンダ23に対して「燃焼圧力バランス補正制御」が実行される。
こうして、総ての上記シリンダ23に関する上記「燃焼圧力偏差」が最高燃焼圧力目標偏差±Pdev内に収まると、ステップS24で、総ての上記シリンダ23に関する圧力センサ41からの検出信号に基づいて、最も燃焼圧力(つまり、上記筒内圧力P)が低いシリンダ(最低燃焼圧力シリンダ)23が検出される。ステップS25で、上記ステップS5の場合と同様にして、最低燃焼圧力シリンダ23に対してノッキング制御中であるか否かが判別される。その結果、ノッキング制御中でなければステップS26に進む。一方、ノッキング制御中であれば、ノッキング制御を優先させるために上記ステップS26をスキップして上記ステップS7に進む。ステップS26で、最低燃焼圧力シリンダ23におけるガス噴射弁36の開弁期間が、補正量「+CorP2」だけ補正(延長)される。そうした後、上記ステップS7に進む。
ステップS27で、総ての上記シリンダ23に関する圧力センサ41からの検出信号に基づいて、最も燃焼圧力が高いシリンダ(最高燃焼圧力シリンダ)23が検出される。ステップS28で、上記ステップS13の場合と同様にして、最高燃焼圧力シリンダ23に対して弱燃焼制御中であるか否かが判別される。その結果、弱燃焼制御中でなければステップS29に進む。一方、弱燃焼制御中であれば、弱燃焼制御を優先させるために上記ステップS29をスキップして上記ステップS7に進む。ステップS29で、最高燃焼圧力シリンダ23におけるガス噴射弁36の開弁期間が補正量「−CorPl」だけ補正(短縮)される。そうした後、上記ステップS7に進む。以後、上記ステップS7において、全補正量が算出され、この全補正量は最大補正量「±Cormax」以内にあると判別されると、上記ステップS3に戻って、「排気温度および燃焼圧力のバランス補正制御」が繰り返される。
以上のように、本実施の形態の「排気温度および燃焼圧力のバランス補正制御動作」においては、先ず、上記排気温度バランス補正制御を行って、総てのシリンダ23に関する上記排気温度偏差が、排気温度目標偏差±Tdev内に収まるように、総てのシリンダ23に関する排気ガス温度Tのレベルを揃える。そうした後に、上記燃焼圧力バランス補正制御を行って、総てのシリンダ23に関する上記燃焼圧力偏差が、最高燃焼圧力目標偏差±Pdev内に収まるように、総てのシリンダ23に関する最高燃焼圧力Pmaxのレベルを揃えるようにしている。
したがって、ガスエンジン21における各シリンダ23の排気ガス温度Tと最高燃焼圧力Pmaxとをバランスさせると共に、これらのばらつきのレベルを低く抑えることができるのである。
そして、上述のようにして、上記「排気温度および燃焼圧力のバランス補正制御」が繰り返されて実行されている際に、あるシリンダ23に関して、上記全補正量が最大補正量「±Cormax」を超えた場合には、上記ステップS8において上記算出された全補正量が最大補正量「±Cormax」以内にはないと判別されてステップS30に進むことになる。
例えば、上記ECU44に内蔵された第3タイマによって、上記あるシリンダ23に関して上記全補正量が最大補正量±Cormaxに到達してからの経過時間が計時されている。そして、ステップS30で、この計時時間が上記経過時間Rt以上であるか否かが判別される。その結果、Rt以上になるとステップS31に進む。ステップS31で、表示装置(図示せず)に、「最大補正量到達メッセージ」が表示される。尚、この場合、「最大補正量到達メッセージ」の発報は、上記表示装置への表示に限らず、音声による発生によって行っても構わない。
その後、ステップS32で、例えばエンジン21の運転制御装置(図示せず)からエンジン21への制御信号等に基づいて、エンジン21が停止されるか否かが判別される。その結果、エンジン21が停止される場合にはステップS33に進み、そうでなければ上記ステップS2に戻って、「排気温度および燃焼圧力のバランス補正制御動作」が続行される。ステップS33で、エンジン21の実負荷が、バランス補正制御停止負荷Lstpを下回っているか否かが判別される。その結果、Lstpを下回ると「排気温度および燃焼圧力のバランス補正制御動作」が終了される。
そして、上述したような「排気温度および燃焼圧力のバランス補正制御動作」によって設定された個々のシリンダ23におけるガス噴射弁36の開弁期間に対する補正値は、上記ガバナPID制御動作によって設定されたシリンダ23におけるガス噴射弁36の開弁期間に加減算され、電気信号として上記ドライバ45に出力されるのである。
図5は、上述したような「排気温度および燃焼圧力のバランス補正制御動作」が実行される際におけるNo.1〜No.3の3本のシリンダの排気ガス温度Tとガス噴射弁補正のバイアス量との変化を示す。図から分かるように、制御動作の進行に伴って、各シリンダの排気ガス温度Tが平均値に対する排気温度目標偏差±Tdev内に収束して行く。尚、図5には、排気ガス温度Tのみを示しているが、最高燃焼圧力Pmaxの場合にも同様の変化を示す。
以上のごとく、本実施の形態においては、上記ECU44によって実行される排気温度および燃焼圧力のバランス補正制御動作においては、先ず、総てのシリンダ23に関する排気温度センサ39からの検出信号に基づいて、総てのシリンダ23に関して、総ての排気ガス温度Tの平均値と各シリンダ23の排気ガス温度Tとの差である「排気温度偏差」が排気温度目標偏差±Tdev以内に入るように、各シリンダ23のガス噴射弁36の開弁期間を補正する。そして、次の燃焼圧力バランス補正制御に移行して、総てのシリンダ23に関して、総ての最高燃焼圧力Pmaxの平均値と各シリンダ23の最高燃焼圧力Pmaxとの差である「燃焼圧力偏差」が最高燃焼圧力目標偏差±Pdev以内に入るように、各シリンダ23のガス噴射弁36の開弁期間を補正するようにしている。
したがって、上記総てのシリンダ23における上記排気ガス温度Tのレベルを排気温度目標偏差±Tdev以内に確実に揃えた後に、上記総てのシリンダ23における上記最高燃焼圧力Pmaxのレベルを最高燃焼圧力目標偏差±Pdev以内に揃えることができる。そのため、ガスエンジン21における各シリンダ23の排気ガス温度Tと最高燃焼圧力Pmaxとのレベルを確実に偏差内にバランスさせると共に、排気ガス温度Tと最高燃焼圧力Pmaxとのばらつきの範囲を低く抑えることができる。
さらに、上記各シリンダ23における上記排気ガス温度Tと上記最高燃焼圧力Pmaxとのうち、上記排気ガス温度Tの目標偏差内へのバランス制御を優先して行うようにしている。したがって、上記総てのシリンダ23における少なくとも上記排気ガス温度Tのレベルを排気温度目標偏差±Tdev以内に確実に揃えることができる。
また、上記排気温度バランス補正制御および燃焼圧力バランス補正制御の何れにおいても、上述したようなノッキング制御中である場合には、該当シリンダ23におけるガス噴射弁36の開弁期間に対してマイナス側(短縮側)への補正のみを有効とし、プラス側(延長側)への補正は無効としている。したがって、ノッキング制御中であるにも拘わらず、本「排気温度および燃焼圧力のバランス補正制御」によって、ガス噴射弁36の開弁期間が、ノッキングが発生し易い延長側に補正されるのを防止することができる。
同様に、上述したような上記弱燃焼制御中である場合には、該当シリンダ23におけるガス噴射弁36の開弁期間に対してプラス側(延長側)への補正のみを有効とし、マイナス側(短縮側)への補正は無効としている。したがって、弱燃焼制御中であるにも拘わらず、本「排気温度および燃焼圧力のバランス補正制御」によって、ガス噴射弁36の開弁期間が、弱燃焼が発生し易い短縮側に補正されるのを防止することができるのである。
尚、本実施の形態における上記ノッキング制御は、上記パイロット油の実噴射時点を予め設定されている設定噴射時点よりも遅らせることによって行っている。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、点火プラグの点火時期でもよい。要は、上記気体燃料の着火時期を遅らせればよいのである。また、上記弱燃焼制御は、上記パイロット油あるいはガス燃料の噴射期間を予め設定されている設定噴射期間よりも長くすることによって行っている。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではない。要は、上記パイロット油あるいはガス燃料の噴射量を増加させればよいのである。
また、本実施の形態において使用されるエンジンは、上記ガスエンジンに限定されるもの得はなく、シリンダヘッドにおける各シリンダの入口部に燃料噴射弁が設置され、電子制御によって燃料噴射弁の開弁期間を調整することによって、上記燃料の注入量をコントロールするエンジンであれば差し支えない。また、着火方法は点火プラグ着火方式であっても液体燃料噴射による着火方式であっても構わない。また、主燃焼室に連通する副室を有して上記副室内に液体燃料を噴射するガスエンジンもあるが、上記副室の有無を問うものでもない。
この発明のエンジンの制御装置が適用されたガスエンジンにおける概略構成図である。 図1におけるECUによって実行される排気温度および燃焼圧力のバランス補正制御動作のフローチャートである。 図2に続く排気温度および燃焼圧力のバランス補正制御動作のフローチャートである。 図3に続く排気温度および燃焼圧力のバランス補正制御動作のフローチャートである。 排気温度および燃焼圧力のバランス補正制御動作が実行される際の排気ガス温度とガス噴射弁補正のバイアス量との変化を示す図である。 従来の気筒間の燃焼バランス制御装置の概略構成を示す図である。 図6における燃焼バランス制御装置の構成を示す図である。
21…ガスエンジン、
22…シリンダブロック、
23…シリンダライナ(シリンダ)、
24…ピストン、
25…エンジン内吸気路、
27…エンジン内排気路、
29…シリンダヘッド、
30…過給機、
32…吸気管、
34…排気管、
35…エンジン外吸気路、
36…ガス噴射弁、
37…ガス主管、
38…エンジン外排気路、
39…排気温度センサ、
40…燃焼室、
41…圧力センサ、
43…回転センサ、
44…ECU、
45…ドライバ。

Claims (5)

  1. 複数のシリンダを有するエンジンと、
    上記複数のシリンダに連通する複数の吸気通路および複数の排気通路が形成されたシリンダヘッドと、
    上記複数の吸気通路に設けられて、各吸気通路に対する燃料の噴射および停止を行う複数の燃料噴射弁と
    を備え、
    上記複数の排気通路に設けられて、各シリンダからの排気ガスの温度を検出して検出温度を表す検出信号を出力する複数の排気温度センサと、
    上記各シリンダと夫々の上記シリンダ内を往復動する複数のピストンと上記シリンダヘッドとで区画された複数の燃焼室内の燃焼圧力を検出して、検出圧力を表す検出信号を出力する複数の圧力センサと、
    上記複数の排気温度センサからの検出信号と上記複数の圧力センサからの検出信号とに基づいて、総ての上記シリンダに関する上記排気ガス温度における平均値からの偏差である第1偏差が第1目標偏差内に収まるように、上記複数の燃料噴射弁の開弁期間を補正する第1制御モードと、上記第1制御モードが終了した後に、総ての上記シリンダから選出された一つのシリンダに関する上記燃焼圧力の1サイクル内の最高値である最高燃焼圧力における総ての上記シリンダに関する上記最高燃焼圧力の平均値からの偏差である第2偏差が第2目標偏差内に収まるように、上記複数の燃料噴射弁の開弁期間を補正する第2制御モードとを、上記第2制御モードの対象となる上記シリンダを順次替えながら交互に繰り返し行って、総ての上記シリンダに関する上記第1偏差が上記第1目標偏差内に収まり、且つ、総ての上記シリンダに関する上記第2偏差が上記第2目標偏差内に収まるように、上記複数の燃料噴射弁の開弁期間の補正量を設定するエンジン制御部と、
    上記エンジン制御部によって設定された上記複数の燃料噴射弁毎の開弁期間の補正量に基づいて、上記複数の燃料噴射弁を上記補正された開弁期間だけ開放動作させる燃料噴射弁駆動部と
    を備えたことを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 請求項1に記載のエンジンの制御装置において、
    上記エンジンの回転数を検出して検出回転数を表す検出信号を出力する回転センサを備え、
    上記エンジン制御部は、上記回転センサからの検出信号に基づいて、上記エンジンの実回転数が設定回転数になるように上記総ての燃料噴射弁の開弁期間を一律に調整するガバナ機能を有し、このガバナ機能によって予め一律に調整された上記総ての燃料噴射弁の開弁期間に対して上記設定された補正量を個々に加減算して得られた開弁期間を、上記燃料噴射弁駆動部に送出するようになっている
    ことを特徴とするエンジンの制御装置。
  3. 請求項1に記載のエンジンの制御装置において、
    上記シリンダ内に供給された燃料の着火時期を遅らせることによってノッキングを抑制するノッキング制御を行うノッキング制御部を備え、
    上記エンジン制御部は、上記ノッキング制御部が上記ノッキング制御を行っている際には、上記複数の燃料噴射弁の開弁期間を短縮する側のみに補正するようになっている
    ことを特徴とするエンジンの制御装置。
  4. 請求項1に記載のエンジンの制御装置において、
    上記シリンダ内に供給された燃料の燃焼期間を延長することによって弱燃焼を抑制する弱燃焼制御を行う弱燃焼制御部を備え、
    上記エンジン制御部は、上記弱燃焼制御部が上記弱燃焼制御を行っている際には、上記複数の燃料噴射弁の開弁期間を延長する側のみに補正するようになっている
    ことを特徴とするエンジンの制御装置。
  5. 請求項1に記載のエンジンの制御装置において、
    上記エンジン制御部は、上記複数の燃料噴射弁のうちの何れかに関する開弁期間の全補正量が、予め設定されている最大補正量に達した場合には、最大補正量到達メッセージを発報するようになっている
    ことを特徴とするエンジンの制御装置。
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