JP2001082225A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置

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JP2001082225A
JP2001082225A JP25780499A JP25780499A JP2001082225A JP 2001082225 A JP2001082225 A JP 2001082225A JP 25780499 A JP25780499 A JP 25780499A JP 25780499 A JP25780499 A JP 25780499A JP 2001082225 A JP2001082225 A JP 2001082225A
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】吸入空気量や燃料噴射量などアイドル回転数を
制御する各種制御系の制御量の適正値に対するずれを的
確に補償しつつ、燃焼方式間で機関出力トルクを合わせ
る。 【解決手段】アイドル運転中において、均質燃焼時には
吸入空気量の適正値からのずれ量に対応する値として均
質用学習値qgsjが学習され、成層燃焼時には燃料噴
射量の適正値からのずれ量に対応する値として成層用学
習値qgtjが学習される。均質燃焼時のスロットル開
度制御には均質用学習値qgsjが反映される。また、
成層燃焼時には、そのときの機関運転状態で均質燃焼を
実行すると仮定した場合での仮想吸気圧が均質用学習値
qgsjを加味して算出される。この仮想吸気圧に基づ
き成層用学習値qgtjを加味して最終燃料噴射量が算
出され、燃料噴射量制御に上記成層用学習値qgtjが
反映される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機関運転状態に応
じて燃焼方式が切り換えられる内燃機関の制御装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車用の内燃機関においては、
燃費を改善すること及び十分な機関出力を得ることの両
立を図るために、機関運転状態に応じて燃焼方式を切り
換えるタイプの内燃機関が提案され、実用化されてい
る。こうしたタイプの内燃機関としては、例えば特開平
10−169490号公報に記載されたものがあげられ
る。
【0003】同公報に記載された内燃機関は、高出力が
要求される高回転高負荷時等の所定機関運転時には、空
気に対して燃料が均等に混合された均質混合気を理論空
燃比の状態で燃焼させる「成層燃焼」を実行し、十分な
機関出力を得るようにしている。
【0004】また、あまり高出力が要求されない低回転
低負荷時には、点火プラグ周りに燃料濃度の高い混合気
を分布させて混合気全体の平均空燃比を理論空燃比より
も大幅にリーンにしても的確な混合気への着火が得られ
る「成層燃焼」が実行される。こうした「成層燃焼」を
行う場合、混合気の空燃比を理論空燃比よりもリーンに
すべく、内燃機関のスロットルバルブが「均質燃焼」を
行う場合に比べて開き側に制御されるため、内燃機関の
ポンピングロスが低減されて燃費が改善されるようにな
る。
【0005】上記のように内燃機関の燃焼方式を、機関
運転状態に応じて「均質燃焼」と「成層燃焼」との間で
切り換えることにより、燃費を改善することができると
ともに十分な機関出力が得られるようになる。
【0006】ところで、内燃機関においては、アイドル
回転数を制御するためのアイドルスピードコントロール
(ISC)が実行されるが、上記燃焼方式が切り換えら
れる内燃機関にあっては同機関を運転制御するための制
御系のうち、燃焼方式毎に異なる制御系を制御して機関
出力トルクを調整することによりアイドル回転数が制御
される。上記公報に記載された内燃機関にあっては、ア
イドル回転数が「均質燃焼」時にはスロットル開度を補
正することで調整され、「成層燃焼」時には燃料噴射量
を補正することで調整される。
【0007】即ち、「均質燃焼」時には、実際のアイド
ル回転数に応じて所定基準値(例えば「0」)を中心に
増減するフィードバック補正項に基づきスロットル開度
が補正される。このスロットル開度の補正により燃焼室
に吸入される空気の量が調整されると、同吸入空気量に
基づき決定される燃料噴射量が変化して機関出力トルク
が調整され、これによってアイドル回転数が目標値に近
づけられる。
【0008】一方、「成層燃焼」時には、上記フィード
バック補正項に基づき燃料噴射量が直接補正されて機関
出力トルクが調整されることにより、アイドル回転数が
目標値へと近づけられる。このように「成層燃焼」時に
燃料噴射量によってアイドル回転数を制御するのは、
「成層燃焼」時には吸入空気量に基づき一義的に燃料噴
射量が決定されるのではないため、スロットル開度の補
正による吸入空気量の調整に基づいては機関出力トルク
が変化しにくく、アイドル回転数を制御しにくいためで
ある。
【0009】また、内燃機関においては、吸気系や燃料
系での経年変化等に起因して、吸入空気量や燃料噴射量
が適正値から外れ、機関出力トルクが不適切なものにな
ってアイドル回転数が目標値からずれることがある。上
記吸入空気量や燃料噴射量の適正値からのずれを抑制す
るために、いわゆるISC学習制御が行われ、この学習
制御によってアイドル回転数の目標値からのずれを抑制
すべく機関出力トルクが適正値へと調整される。
【0010】即ち、「均質燃焼」でのアイドル運転時に
は、上記フィードバック補正項が上記基準値を含む所定
範囲内に収束するよう、スロットル開度(吸入空気量)
の補正に用いられる均質用学習値が設定される。そし
て、フィードバック補正項が所定範囲内に収束したとき
に均質用学習値の学習が完了する。この学習完了後の均
質用学習値は、吸入空気量の適正値に対するずれを補償
可能なスロットル開度の変化量に対応した値となる。従
って、上記学習完了後の均質用学習値によって「均質燃
焼」時のスロットル開度を補正し、以後のスロットル開
度に均質用学習値を反映することにより、吸入空気量の
適正値に対するずれが補償される。その結果、機関出力
トルクが適切な値になってアイドル回転数の目標値に対
するずれが抑制されるとともに、吸入空気量の適正値に
対するずれに伴いアイドル運転時等に内燃機関における
燃焼状態が悪化するのを抑制することができる。
【0011】また、「成層燃焼」でのアイドル運転時に
は、上記フィードバック補正項が上記基準値を含む所定
範囲内の値に収束するよう、燃料噴射量の補正に用いら
れる成層用学習値が設定される。そして、フィードバッ
ク補正項が所定範囲内に収束したときに成層用学習値の
学習が完了する。この学習完了後の成層用学習値は、燃
料噴射量の適正値に対するずれを補償可能な燃料噴射量
の変化量に対応する値となる。従って、上記学習完了後
の成層用学習値によって「成層燃焼」時の燃料噴射量を
補正し、以後の燃料噴射量に成層用学習値を反映するこ
とにより、燃料噴射量の適正値に対するずれが補償され
る。その結果、機関出力トルクが適正な値になってアイ
ドル回転数の目標値に対するずれが抑制されるととも
に、燃料噴射量の適正値に対するずれに伴いアイドル運
転時等に内燃機関における燃焼状態が悪化するのを抑制
することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記のように均質用学
習値及び成層用学習値の学習を行うことで、「均質燃
焼」時には吸入空気量のずれを補償し、「成層燃焼」時
には燃料噴射量のずれを補償することが可能にはなる
が、燃焼方式間で機関出力トルクを合わせることは困難
になる。通常、燃焼方式間で機関出力トルクを合わせる
ためには、同一の機関運転状態のもとでの均質燃焼運転
時の機関出力トルクと成層燃焼運転時の機関出力トルク
とを合致させる必要がある。
【0013】しかし、上記均質用学習値と成層用学習値
とが燃焼方式に応じて切り換えて用いられると、これが
燃焼方式を切り換える際の機関出力トルクの段差発生に
つながることともなる。これは、均質用学習値と成層用
学習値とは、吸気系と燃料系といった異なる制御系に対
応して、それら制御系の制御量の適正値に対するずれを
各々補償するものであることが理由である。
【0014】即ち、吸入空気量の適正値に対するずれ
と、燃料噴射量の適正値に対するずれが異なるものであ
る場合、それらのずれを補償するための成層用学習値と
均質用学習値も異なるものとなる。そして、均質用学習
値及び成層用学習値による補正に伴う機関出力トルクの
調整量も互いに異なるものとなり、燃焼方式の切り換え
時に機関出力トルクの段差が生じることとなる。
【0015】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、吸入空気量や燃料噴射量な
どアイドル回転数を制御する各種制御系の制御量の適正
値に対するずれを的確に補償しつつ、燃焼方式間で機関
出力トルクを合わせることのできる内燃機関の制御装置
を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。上記
目的を達成するため、請求項1記載の発明では、機関運
転状態に応じて燃焼方式が均質燃焼と成層燃焼との間で
切り換えられるとともに、アイドル回転数の調整が均質
燃焼時には吸入空気量制御によって行われ、成層燃焼運
転時には燃料噴射量制御によって行われる内燃機関に適
用され、均質燃焼でのアイドル運転時に吸入空気量の適
正値からのずれに対応する値を均質用学習値として学習
し、成層燃焼でのアイドル運転時に燃料噴射量の適正値
からのずれに対応する値を成層用学習値として学習する
内燃機関の制御装置において、均質燃焼運転時に吸入空
気量の制御目標値に基づき同吸入空気量の制御を行うも
のであって、前記均質用学習値を加味して前記吸入空気
量の制御目標値を算出することにより、前記吸入空気量
の適正値からのずれを補償すべく吸入空気量の制御に前
記均質用学習値を反映する吸入空気量制御手段と、成層
燃焼運転時の機関運転状態で均質燃焼運転を実行すると
仮定したときの吸入空気量である仮想吸入空気量を前記
均質用学習値を加味して算出する仮想吸入空気量算出手
段と、成層燃焼運転時に燃料噴射量の制御目標値に基づ
き同燃料噴射量の制御を行うものであって、前記仮想吸
入空気量に基づき前記成層用学習値を加味して前記燃料
噴射量の制御目標値を算出することにより、前記燃料噴
射量の適正値からのずれを補償すべく燃料噴射量の制御
に前記成層用学習値を反映する燃料噴射量制御手段とを
備えた。
【0017】同構成によれば、均質燃焼運転時には吸入
空気量の制御に均質用学習値が反映され、これにより吸
入空気量の適正値に対するずれが補償される。また、成
層燃焼運転時には上記均質用学習値を加味して算出され
る仮想吸入空気量に基づき燃料噴射量の制御目標値が算
出され、同制御目標値がこのとき均質燃焼を実行した場
合に得られる機関出力トルクに関連づけられることとな
る。そして、この制御目標値に基づき燃料噴射量が制御
されるため、成層燃焼運転時の機関出力トルクが均質燃
焼運転時の機関出力トルクに適切に合致するようにな
る。更に、成層燃焼運転時の燃料噴射量の制御には、上
記仮想吸気量だけでなく成層用学習値も反映され、これ
により燃料噴射量の適正値からのずれが補償される。従
って、アイドル回転数を制御するための制御量である吸
入空気量及び燃料噴射量の適正値に対するずれを補償し
つつ、燃焼方式間で機関出力トルクを合わせることがで
きるようになる。
【0018】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
発明において、前記燃料噴射量制御手段は、前記仮想吸
入空気量に基づき燃料噴射量の制御目標値を算出する
際、前記成層用学習値に加えて前記均質用学習値を加味
するものとした。
【0019】成層燃焼運転時の燃料噴射量制御には、均
質用学習値を加味した仮想吸入空気量が用いられる。仮
想吸入空気量に基づき成層燃焼運転時における燃料噴射
量の制御目標値を算出する際、成層用学習値に加えて均
質用学習値が加味される同構成によれば、上記成層用学
習値により燃料噴射量の適正値からのずれを補償する
際、これが上記均質用学習値を加味した仮想吸入空気量
に起因して過剰なものになるのを抑制することができ
る。
【0020】請求項3記載の発明では、請求項1又は2
記載の発明において、前記燃料噴射量制御手段は、前記
仮想吸入空気量に基づき燃料噴射量の制御目標値を算出
する際、更に機関回転数を加味するものとした。
【0021】均質用学習値及び成層用学習値はアイドル
運転時に学習されるため、機関回転数が高くなるにつれ
て、同学習値により成層燃焼運転時の燃料噴射量の適正
値からのずれを補償する際、これが過剰になる。しか
し、仮想吸入空気量に基づき燃料噴射量の制御目標値を
算出する際、更に機関回転数を加味する同構成によれ
ば、上記学習値により成層燃焼運転時の燃料噴射量の適
正値からのずれを補償する際、これが過剰になるのを抑
制することができる。
【0022】請求項4記載の発明では、請求項1〜3の
いずれかに記載の発明において、前記仮想吸入空気量算
出手段は、成層燃焼運転時の機関運転状態で均質燃焼運
転を実行すると仮定したときの同機関のスロットルバル
ブの開度である仮想スロットル開度を前記均質用学習値
を加味して算出し、この仮想スロットル開度から前記仮
想吸入空気量を算出するものとした。
【0023】同構成によれば、仮想吸入空気量の算出に
用いられる仮想スロットル開度を算出する際に均質用学
習値が加味されるため、上記仮想吸入空気量を適切な値
とすることができる。この仮想吸入空気量に基づき算出
される燃料噴射量の制御目標値に基づき成層燃焼運転時
の燃料噴射量を制御することで、成層燃焼運転時の機関
出力トルクを均質燃焼運転時の機関出力トルクに一層適
切に合致させることができる。
【0024】請求項5記載の発明では、機関運転状態に
応じて燃焼方式が切り換えられるとともに、同機関を運
転制御するための各種制御系のうち、燃焼方式毎に異な
る制御系を制御してアイドル回転数の調整が行われる内
燃機関に適用され、所定燃焼方式でのアイドル運転時に
アイドル回転数を調整する所定制御系の制御量の適正値
からのずれに対応する値を第1の学習値として学習し、
前記所定燃焼方式とは別の燃焼方式でのアイドル運転時
にアイドル回転数を調整する前記所定制御系とは別の制
御系の制御量の適正値からのずれに対応する値を第2の
学習値として学習する内燃機関の制御装置において、前
記所定制御系を制御するものであって、前記所定燃焼方
式での運転時に前記所定制御系の制御量のずれを補償す
べく同所定制御系の制御に前記第1の学習値を反映する
第1の制御手段と、前記別の制御系を制御するものであ
って、前記別の燃焼方式での運転時に燃焼方式間での機
関出力トルクを合わせるために前記別の制御系の制御に
前記第1の学習値を反映するとともに、前記別の制御系
の制御量のずれを補償すべく同別の制御系の制御に前記
第2の学習値を反映する第2の制御手段とを備えた。
【0025】同構成によれば、所定燃焼方式での運転時
には所定制御系の制御に第1の学習値が反映され、これ
により所定制御系の制御量の適正値に対するずれが補償
される。また、上記と別の燃焼方式での運転時に上記と
別の制御系の制御に第1の学習値が反映されることで、
燃焼方式間で機関出力トルクが合わされる。更に、上記
別の燃焼方式での運転時には、上記別の制御系の制御に
第2の学習値も反映され、これにより同別の制御系の制
御量の適正値に対するずれが補償される。従って、アイ
ドル回転数を制御するための所定制御系及び別の制御系
の制御量の適正値に対するずれを補償しつつ、燃焼方式
間で機関出力トルクを合わせることができる。
【0026】請求項6記載の発明では、請求項5記載の
発明において、前記内燃機関においては、機関運転状態
に応じて燃焼方式が均質燃焼と成層燃焼との間で切り換
えられ、アイドル回転数の調整が均質燃焼運転時には吸
入空気量の制御によって行われるとともに、成層燃焼運
転時には燃料噴射量の制御によって行われるものであっ
て、前記第1の制御手段は、均質燃焼運転時に吸入空気
量の適正値に対するずれを補償すべく、同ずれに対応す
る値として学習される前記第1の学習値を吸入空気量の
制御に反映し、前記第2の制御手段は、成層燃焼運転時
に燃焼方式間での機関出力トルクを合わせるために燃料
噴射量の制御に前記第1の学習値を反映するとともに、
燃料噴射量の適正値に対するずれを補償すべく、同ずれ
に対応する値として学習される第2の学習値を燃料噴射
量の制御に反映するものとした。
【0027】同構成によれば、均質燃焼運転時には吸入
空気量の制御に第1の学習値が反映され、これにより吸
入空気量の適正値に対するずれが補償される。また、成
層燃焼運転時には燃料噴射量の制御に第1の学習値が反
映されることで、燃焼方式間での機関出力トルクが合わ
される。更に、成層燃焼運転時には、燃料噴射量の制御
に第2の学習値も反映され、これにより燃料噴射量の適
正値に対するずれが補償される。従って、アイドル回転
数を制御するための制御量である吸入空気量及び燃料噴
射量の適正値に対するずれを補償しつつ、燃焼方式間で
機関出力トルクを合わせることができる。
【0028】請求項7記載の発明では、請求項1〜6の
いずれかに記載の発明において、所定の燃焼方式でのア
イドル運転時に同燃焼方式に対応する学習値の学習が行
われるとき、この学習値を所定条件のもとで他方の学習
値に反映する学習値反映手段を更に備えた。
【0029】同構成によれば、各燃焼方式に対応する学
習値が互いに反映し合うため、それら学習値の学習を早
期に完了することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明を直列4気筒の自動
車用直噴ガソリンエンジンに適用した一実施形態を図1
〜図13に従って説明する。
【0031】図1に示すように、エンジン11は、その
シリンダブロック11a内に往復移動可能に設けられた
合計四つのピストン12(図1には一つのみ図示)を各
気筒毎に備えている。各ピストン12は、その頭部に後
述する「成層燃焼」を実行するのに必要な窪み12aが
形成されるとともに、コンロッド13を介して出力軸で
あるクランクシャフト14に連結されている。そして、
ピストン12の往復移動は、上記コンロッド13によっ
てクランクシャフト14の回転へと変換されるようにな
っている。
【0032】クランクシャフト14にはシグナルロータ
14aが取り付けられている。このシグナルロータ14
aの外周部には、複数の突起14bがクランクシャフト
14の軸線を中心とする等角度毎に設けられている。ま
た、シグナルロータ14aの側方には、クランクポジシ
ョンセンサ14cが設けられている。そして、クランク
シャフト14が回転して、シグナルロータ14aの各突
起14bが順次クランクポジションセンサ14cの側方
を通過することにより、同センサ14cからはそれら各
突起14bの通過に対応したパルス状の検出信号が出力
されるようになる。
【0033】シリンダブロック11aには、エンジン1
1の冷却水温を検出するための水温センサ11bが設け
られている。また、シリンダブロック11aの上端には
シリンダヘッド15が設けられ、シリンダヘッド15と
ピストン12との間には燃焼室16が設けられている。
この燃焼室16には吸気通路32及び排気通路33が接
続されている。そして、燃焼室16と吸気通路32とは
吸気バルブ19の開閉動作によって連通・遮断され、燃
焼室16と排気通路33とは排気バルブ20の開閉動作
によって連通・遮断される。
【0034】一方、シリンダヘッド15には、上記吸気
バルブ19及び排気バルブ20を開閉駆動するための吸
気カムシャフト21及び排気カムシャフト22が回転可
能に支持されている。これら吸気及び排気カムシャフト
21,22は、タイミングベルト及びギヤ(共に図示せ
ず)等を介してクランクシャフト14に連結され、同ベ
ルト及びギヤ等によりクランクシャフト14の回転が伝
達されるようになる。そして、吸気カムシャフト21が
回転すると吸気バルブ19が開閉動作し、排気カムシャ
フト22が回転すると排気バルブ20が開閉動作する。
【0035】シリンダヘッド15において、吸気カムシ
ャフト21の側方には、同シャフト21の外周面に設け
られた突起21aを検出して検出信号を出力するカムポ
ジションセンサ21bが設けられている。そして、吸気
カムシャフト21が回転すると、同シャフト21の突起
21aがカムポジションセンサ21bの側方を通過す
る。この状態にあっては、カムポジションセンサ21b
から上記突起21aの通過に対応して所定間隔毎に検出
信号が出力されるようになる。
【0036】吸気通路32の上流部分には、エンジン1
1の吸入空気量を調整するためのスロットルバルブ23
が設けられている。このスロットルバルブ23の開度
は、アクセルポジションセンサ26によって検出される
アクセルペダル25の踏込量(アクセル踏込量)に基づ
きスロットル用モータ24を駆動制御することで調節さ
れる。こうしたスロットルバルブ23の開度調節によ
り、エンジン11の吸入空気量が調整される。なお、ス
ロットルバルブ23の開度はスロットルポジションセン
サ44によって検出される。
【0037】また、吸気通路32においてスロットルバ
ルブ23の下流側に位置する部分には、同通路32内の
圧力を検出するバキュームセンサ36が設けられてい
る。そして、バキュームセンサ36は検出した吸気通路
32内の圧力に対応した検出信号を出力する。更に、吸
気通路32においてスロットルバルブ23の上流側に位
置する部分には、同通路32を通過する空気(吸入空
気)の温度を検出する吸気温センサ37が設けられてい
る。この吸気温センサ37は、検出した吸入空気温(吸
気温)に対応した検出信号を出力する。
【0038】また、シリンダヘッド15には、燃焼室1
6内に燃料を噴射供給する燃料噴射弁40と、燃焼室1
6内に充填される燃料と空気とからなる混合気に対して
点火を行う点火プラグ41とが設けられている。そし
て、燃料噴射弁40から燃焼室16内へ燃料が噴射され
ると、同燃料が吸気通路32を介して燃焼室16に吸入
された空気と混ぜ合わされ、燃焼室16内で空気と燃料
とからなる混合気が形成される。更に、燃焼室16内の
混合気は点火プラグ41によって点火がなされて燃焼
し、燃焼後の混合気は排気として排気通路33に送り出
される。
【0039】次に、本実施形態におけるエンジン11の
制御装置の電気的構成を図2に基づいて説明する。この
制御装置は、燃料噴射量制御、燃料噴射時期制御、及び
スロットル開度制御など、エンジン11の運転状態を制
御するための電子制御ユニット(以下「ECU」とい
う)92を備えている。このECU92は、ROM9
3、CPU94、RAM95及びバックアップRAM9
6等を備える算出論理演算回路として構成されている。
【0040】ここで、ROM93は各種制御プログラム
や、それら各種制御プログラムを実行する際に参照され
るマップ等が記憶されたメモリであり、CPU94はR
OM93に記憶された各種制御プログラムやマップに基
づいて演算処理を実行する。また、RAM95はCPU
94での演算結果や各センサから入力されたデータ等を
一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM9
6はエンジン11の停止時にその記憶されたデータ等を
保存する不揮発性のメモリである。そして、ROM9
3、CPU94、RAM95及びバックアップRAM9
6は、バス97を介して互いに接続されるとともに、外
部入力回路98及び外部出力回路99と接続されてい
る。
【0041】外部入力回路98には、水温センサ11
b、クランクポジションセンサ14c、カムポジション
センサ21b、アクセルポジションセンサ26、バキュ
ームセンサ36、吸気温センサ37、及びスロットルポ
ジションセンサ44等が接続されている。一方、外部出
力回路99には、スロットル用モータ24、及び燃料噴
射弁40等が接続されている。
【0042】このように構成されたECU92は、エン
ジン11の運転状態に応じて燃焼方式を「均質燃焼」と
「成層燃焼」との間で切り換える。即ち、ECU92
は、クランクポジションセンサ14cからの検出信号に
基づきエンジン回転数NEを求める。更に、ECU92
は、機関負荷に対応した値となる基本燃料噴射量Qbse
をエンジン11の吸入空気量に関係したパラメータ等に
基づき算出する。こうしたパラメータとしては、現在の
燃焼方式が「均質燃焼」であるときには上記吸入空気量
に直接的に関係するエンジン11の吸気圧PM等が採用
され、現在の燃焼方式が「成層燃焼」であるときには同
吸入空気量に間接的に関係するアクセル踏込量ACCP
等が採用される。なお、上記吸気圧PMはバキュームセ
ンサ36からの検出信号に基づき求められ、アクセル踏
込量ACCPはアクセルポジションセンサ26からの検
出信号に基づき求められる。
【0043】ECU92は、上記基本燃料噴射量Qbse
(機関負荷)及びエンジン回転数NEに応じて、現在の
運転状態が「成層燃焼」と「均質燃焼」とのうちのいず
れの燃焼方式を実行すべき状態であるか判定し、同判定
に応じた燃焼方式を実行する。即ち、エンジン11の運
転状態が高回転高負荷領域にあるときに「均質燃焼」を
行い、低回転低負荷領域にあるときには「成層燃焼」を
行う。このように燃焼方式を変化させるのは、高出力が
要求される高回転高負荷時には混合気の空燃比をリッチ
側の値にしてエンジン出力を高め、あまり高出力を必要
としない低回転低負荷時には空燃比をリーン側の値にし
て燃費の改善を図るためである。
【0044】エンジン11の燃焼方式を「均質燃焼」と
した場合、ECU92は、燃料噴射弁40を駆動制御し
てエンジン11の吸気行程中に、基本燃料噴射量Qbse
から求められる最終燃料噴射量Qfin に対応した量の燃
料を燃焼室16内に噴射供給する。こうした燃料噴射に
基づき燃焼室16内に形成される混合気においては、そ
の空燃比が理論空燃比若しくは理論空燃比よりもリッチ
になる。更に、ECU92は、スロットルポジションセ
ンサ44からの検出信号に基づき、実際のスロットル開
度TArを求める。そして、実際のスロットル開度TA
rが「均質燃焼」時の目標スロットル開度TAsjに近
づくようスロットル用モータ24を駆動制御し、エンジ
ン11のスロットル開度を「均質燃焼」に適したものと
する。
【0045】エンジン11の燃焼方式を「成層燃焼」と
した場合、ECU92は、燃料噴射弁40を駆動制御し
てエンジン11の圧縮行程中に、基本燃料噴射量Qbse
から求められる最終燃料噴射量Qfin に対応した量の燃
料を噴射供給する。こうした燃料噴射により燃焼室16
内に形成される混合気においては、その空燃比が「均質
燃焼」時の空燃比よりもリーン側の値とされる。更に、
ECU92は、実際のスロットル開度TArが「成層燃
焼」時の目標スロットル開度TAtjに近づくようスロ
ットル用モータを駆動制御し、エンジン11のスロット
ル開度を「成層燃焼」に適したものとする。
【0046】上記「成層燃焼」時において、エンジン1
1の圧縮行程中に燃料噴射弁40から噴射された燃料
は、ピストン12の頭部に設けられた窪み12a(図
1)に入り、ピストン12の移動によって点火プラグ4
1の周りに集められる。このように点火プラグ41の周
りに燃料を集めることによって、燃焼室16内の混合気
全体の平均空燃比を「均質燃焼」時よりリーンにして
も、同プラグ41周りの混合気の空燃比が着火に適した
ものとされて良好な混合気への着火が行われる。また、
燃焼室16内の混合気全体の平均空燃比を「均質燃焼」
時よりリーンにするためにスロットル開度が開き側に制
御されて吸入空気量が多くされるため、「成層燃焼」時
にはエンジン11のポンピングロスが低減されるように
なる。
【0047】ところで、上記エンジン11においては、
機関出力トルクを必要な値に調整する際、同エンジン1
1を運転制御するための各種制御系のうち、燃焼方式毎
に異なる制御系を用いて上記機関出力トルクの調整を行
う。こうした機関出力トルクの調整を必要とするエンジ
ン11の運転制御としては、同エンジン11のアイドル
回転数を制御するための、いわゆるアイドルスピードコ
ントロール(ISC)等があげられる。
【0048】上記ISCでは、「均質燃焼」でのアイド
ル運転時には、スロットルバルブ23の開度(スロット
ル開度)を調節して吸入空気量を変化させる。このよう
に吸入空気量が調整されると、吸入空気量(吸気圧)に
応じて決定される燃料噴射量が変化し、これにより機関
出力トルクが調整されてアイドル回転数が制御される。
また、「成層燃焼」でのアイドル運転時には燃料噴射量
を直接調整することにより、機関出力トルクが調整され
てアイドル回転数が制御される。これは、「成層燃焼」
時には吸入空気量と直接的に関係するパラメータ(吸気
圧等)に基づき燃料噴射量が決定されるのではないた
め、「均質燃焼」時のような吸入空気量の調整を行って
も機関出力トルクが変化しにくいことが理由である。
【0049】次に、「均質燃焼」時のスロットル開度制
御及び燃料噴射制御について説明する。上記「均質燃
焼」時の目標スロットル開度TAsjは、後述する集約
目標スロットル開度TAtが代入される。上記集約目標
スロットル開度TAtは、現在実行中の燃焼方式に関係
なく、そのときのアクセル踏込量ACCP及びエンジン
回転数NEで「均質燃焼」を実行すると仮定した場合で
の同「均質燃焼」に適したスロットル開度として算出さ
れている。従って、「均質燃焼」が実行されているとき
には、集約目標スロットル開度TAtが同「均質燃焼」
に適した目標スロットル開度TAsjとして用いられ
る。このように「均質燃焼」時の目標スロットル開度T
Asjが算出されると、ECU92は、同目標スロット
ル開度TAsjと、実際のスロットル開度TArとに基
づきスロットル用モータ24を制御し、スロットルバル
ブ23の開度制御を行う。
【0050】即ち、ECU92は、下記の式(1)に基
づき位相進み補償後スロットル開度TAhを算出する。
【0051】
【数1】 式(1)からわかるように、位相進み補償後スロットル
開度TAhは、上記実際のスロットル開度TArを時間
tについて微分して更に所定の係数Kdを乗算し、その
値を実際のスロットル開度TArに加算して算出される
値である。こうして算出される位相進み補償後スロット
ル開度TAhは、目標スロットル開度TAsjの変化中
においては、実際のスロットル開度TArよりも同目標
スロットル開度TAsjに近い値になる。
【0052】ECU92は、目標スロットル開度TAs
jと上記位相進み補償後スロットル開度TAhとの差e
2を算出する。そして、ECU92は、その差e2が
「0」に近づくように、即ち位相進み補償後スロットル
開度TAhが目標スロットル開度TAsjに近づくよう
にスロットル用モータ24を駆動制御する。
【0053】ここで、時間経過に伴い目標スロットル開
度TAsjが変化するときにおいて、位相進み補償後ス
ロットル開度TAh、及び実際のスロットル開度TAr
がどのように推移するかを図3に示す。
【0054】図3に二点鎖線で示すように目標スロット
ル開度TAsjが変化すると、それに応じて位相進み補
償後スロットル開度TAhが細い実線で示すように、そ
の目標スロットル開度TAsjの近傍で推移する。この
ように推移する位相進み補償後スロットル開度TAh
と、目標スロットル開度TAsjとの差e2が「0」に
近づくようにスロットル用モータ24を制御すると、実
際のスロットル開度TArは目標スロットル開度TAs
jの推移に対して太い実線で示すように所定の応答遅れ
をもって推移する。こうして実際のスロットル開度TA
rに応答遅れを持たせるのは、そのスロットル開度TA
rのオーバーシュートを防止するためである。
【0055】このように「均質燃焼」時のスロットル開
度制御が行われると、エンジン11における実際の吸気
圧PMr(吸入空気量)がスロットルバルブ23の開度
に対応したものとなる。ECU92は、実際のスロット
ル開度TAr及び実際の吸気圧PMr等から予測吸気圧
PMFWDを算出する。この予測吸気圧PMFWDは、
吸気バルブ19の閉弁時における吸気圧を予測した値で
あって、後述する吸気圧算出ルーチンによって算出され
るものである。
【0056】ECU92は、上記予測吸気圧PMFWD
及びエンジン回転数NEに基づき基本燃料噴射量Qbse
を算出する。そして、ECU92は、燃料噴射弁40を
駆動制御して、基本燃料噴射量Qbse から求められる最
終燃料噴射量Qfin に対応した量の燃料を吸気行程中に
燃焼室16に噴射供給する。こうした燃料噴射によって
「均質燃焼」が実行され、機関出力トルクが必要とされ
る値へと制御される。
【0057】従って、エンジン11の均質燃焼運転時に
は、集約目標スロットル開度TAtが代入される目標ス
ロットル開度TAsjに基づきスロットル開度を調節す
ることにより機関出力トルクが制御される。
【0058】次に、「成層燃焼」時の燃料噴射制御につ
いて説明する。上記集約目標スロットル開度TAtは、
「成層燃焼」時には、そのときのアクセル踏込量ACC
P及びエンジン回転数NEにて「均質燃焼」を実行する
と仮定した場合での同「均質燃焼」(以下、「仮想均質
燃焼」という)に適した目標スロットル開度として算出
される。「成層燃焼」時には、上記「仮想均質燃焼」に
おいて上記集約目標スロットル開度TAtに基づきスロ
ットル開度制御を行うことで得られるはずの実際のスロ
ットル開度TArを、同集約目標スロットル開度TAt
に基づき仮想スロットル開度TAvとして算出する。
【0059】即ち、図3に示すように、「均質燃焼」時
の目標スロットル開度TAsj(集約目標スロットル開
度TAt)の推移と、位相進み補償後スロットル開度T
Ahの推移とがほぼ等しいことから、まず「TAh=T
Asj(TAh=TAt)」であると仮定する。この仮
定を条件に、上記式(1)と逆の手順により、目標スロ
ットル開度TAsj(集約目標スロットル開度TAt)
から実際のスロットル開度TArを算出し、そのスロッ
トル開度TArを仮想スロットル開度TAvとする。
【0060】更に、エンジン11のスロットル開度が上
記仮想スロットル開度TAvとなる状態での「均質燃焼
(仮想均質燃焼)」時の吸気圧(予測吸気圧PMFW
D)である仮想吸気圧PMvを、上記仮想スロットル開
度TAv等に基づき算出する。そして、上記仮想吸気圧
PMv(仮想吸入空気量)及びエンジン回転数NE等に
基づき「成層燃焼」時の基本燃料噴射量Qbse を算出す
る。
【0061】ECU92は、燃料噴射弁40を駆動制御
して、基本燃料噴射量Qbse から求められる最終燃料噴
射量Qfin に対応した量の燃料を圧縮行程中に燃焼室1
6に噴射供給する。上記最終燃料噴射量Qfin は、エン
ジン11における燃料噴射量の制御目標値である。こう
した最終燃料噴射量Qfin に基づく燃料噴射制御によっ
て「成層燃焼」が実行され、機関出力トルクが必要とさ
れる値へと制御される。
【0062】従って、エンジン11の成層燃焼運転時に
は、集約目標スロットル開度TAtに基づき、「仮想均
質燃焼」に対応する仮想スロットル開度TAv及び仮想
吸気圧PMvが算出され、この仮想吸気圧PMv等から
算出される最終燃料噴射量Qfin (基本燃料噴射量Qbs
e )に基づき燃料噴射量を調節することにより機関出力
トルクが制御される。このため、「成層燃焼」時には、
上記集約目標スロットル開度TAtは、そのときの「成
層燃焼」時に必要とされる機関出力トルクに対応した値
として、後述する集約目標スロットル開度算出ルーチン
により算出される。
【0063】上記のように成層燃焼運転時には、「仮想
均質燃焼」に対応する仮想スロットル開度TAv及び仮
想吸気圧PMvに応じて最終燃料噴射量Qfin が算出さ
れ、同最終燃料噴射量Qfin がこのとき実際に「均質燃
焼」を実行した場合に得られる機関出力トルクに関連付
けられる。そして、この最終燃料噴射量Qfin に基づき
燃料噴射量が制御されるため、同最終燃料噴射量Qfin
に対応した成層燃焼運転時の機関出力トルクが、このと
き均質燃焼運転を行った場合での機関出力トルクに合致
するようになる。これにより、燃焼方式を「成層燃焼」
と「均質燃焼」との間で切り換える際等に、機関出力ト
ルクに段差が生じるのを抑制することができる。
【0064】次に、最終燃料噴射量Qfin の算出手順に
ついて図4を参照して説明する。図4は、成層燃焼運転
時及び均質燃焼運転時に仮想吸気圧PMv及び予測吸気
圧PMFWDに基づき最終燃料噴射量Qfin を算出する
ための燃料噴射量算出ルーチンを示すフローチャートで
ある。この燃料噴射量算出ルーチンは、ECU92を通
じて所定時間毎の時間割り込みにて実行される。
【0065】燃料噴射量算出ルーチンにおいて、ステッ
プS201の処理は仮想吸気圧PMv若しくは予測吸気
圧PMFWDを算出するためのものである。このステッ
プS201の処理が実行された後、ECU92は、ステ
ップS202の処理として、仮想吸気圧PMv若しくは
予測吸気圧PMFWDを吸気圧PMとして用い、下記の
式(2)によって基本燃料噴射量Qbse を算出する。即
ち、吸気圧PMに吸気温補正係数Ktha 及び定数Kを乗
算して基本燃料噴射量Qbse を算出する。
【0066】
【数2】 Qbse =PM*Ktha *K …(2) なお、上記仮想吸気圧PMv及び予測吸気圧PMFWD
を算出する際には後述する体積効率ηvが用いられる
が、上記式(2)における吸気温補正係数Kthaは吸気
温THAの変化による体積効率ηvの変化を補償するた
めのものである。ECU92は、吸気温センサ37から
の検出信号に基づき吸気温THAを求めるとともに、上
記吸気温補正係数Ktha を吸気温THAに基づき図5の
マップを参照して算出する。こうして算出される吸気温
補正係数Ktha は、吸気温THAが高くなるほど小さく
なって「1.0」に近づくようになる。従って、補正後
の基本燃料噴射量Qbse は、吸気温THAが低くなるほ
ど大きな値になる。
【0067】ステップS202の処理が実行された後、
ステップS203に進む。ステップS203,S204
の処理は、基本燃料噴射量Qbse 等から最終燃料噴射量
Qfin を算出するためのものである。
【0068】ECU92は、ステップS203の処理と
して、モード補正係数Kmodeを算出する。このモード補
正係数Kmodeは、「均質燃焼」と「成層燃焼」との燃焼
効率の差に伴う要求燃料噴射量の差を補償するための補
正係数であり、ECU92は、現在の燃焼方式に応じて
モード補正係数Kmodeを算出する。このモード補正係数
Kmodeは、燃焼効率が「成層燃焼」よりも低くなる「均
質燃焼」時には、「Kmode=1.0」に設定される。な
お、「均質燃焼」時に「成層燃焼」時よりも燃焼効率が
低くなるのは、「均質燃焼」では「成層燃焼」に比べて
ポンプ損失や冷却損失が大きくなるためである。
【0069】上記のようにステップS203の処理を実
行し、モード補正係数Kmodeを算出すると、ECU92
は、続くステップS204で、基本燃料噴射量Qbse に
モード補正係数Kmodeを乗算して最終燃料噴射量Qfin
を算出する。
【0070】上記のように最終燃料噴射量Qfin の算出
にモード補正係数Kmodeを用いることで、燃焼方式毎の
燃焼効率の違いに基づき最終燃料噴射量Qfin が調整さ
れ、燃焼効率の高い「成層燃焼」時には「均質燃焼」時
に対して最終燃料噴射量Qfin が減量側に調整される。
こうした燃焼方式毎の燃焼効率の違いを加味して算出さ
れる最終燃料噴射量Qfin に基づき燃料噴射制御を行う
ことで、いずれの燃焼方式を実行したときでも燃料噴射
量制御に基づく機関出力トルク制御の精度が向上するよ
うになる。
【0071】ECU92は、続くステップS205の処
理として、成層燃焼運転の実行中か否かを判断する。そ
して、成層燃焼運転中でなければ当該燃料噴射量算出ル
ーチンを一旦終了し、成層燃焼運転中であればステップ
S206の処理を実行した後に同燃料噴射量算出ルーチ
ンを一旦終了する。上記ステップS206の処理は、
「成層燃焼」時に燃料系の経年変化等に伴う燃料噴射量
の適正値に対するずれを補償するためのものである。
【0072】ECU92は、ステップS206の処理と
して、下記の式(3)に基づき最終燃料噴射量Qfin を
補正する。
【0073】
【数3】 式(3)において、最終燃料噴射量Qfin に加算される
項、即ち「{(qgtj/qgsj)−1}*C*(6
00/NE)」により、「成層燃焼」時の上記燃料噴射
量の適正値に対するずれが補償されることとなる。な
お、この補償に関しては後で詳しく説明する。式(3)
において、成層用学習値qgtjは、後述するISC学
習ルーチンによって上記燃料噴射量の適正値からのずれ
量に対応した値として学習されるものである。また、均
質用学習値qgsjは、上記ISC学習ルーチンによっ
て吸気系の経年変化等に伴う吸入空気量の適正値からの
ずれ量に対応した値として学習されるものである。ま
た、式(3)において、重み係数C及びエンジン回転数
NEによって定まる「C*(600/NE)」という値
は、式(3)に基づく最終燃料噴射量Qfin の補正が過
剰になるのを抑制し、同補正の適正化を図るためのもの
である。
【0074】次に、燃料噴射量算出ルーチンにおけるス
テップS201の処理について図6及び図7を参照して
詳しく説明する。図6及び図7は、予測吸気圧PMFW
D及び仮想吸気圧PMvを算出するための吸気圧算出ル
ーチンを示すフローチャートである。この吸気圧算出ル
ーチンは、燃料噴射量算出ルーチンのステップS201
に進む毎にECU92を通じて実行される。
【0075】吸気圧算出ルーチンにおいて、ECU92
は、ステップS301(図6)の処理として、成層燃焼
運転中であるか否かを判断する。そして、成層燃焼運転
中であれば、ステップS302の処理として、集約目標
スロットル開度TAtと実際のスロットル開度TArと
に基づき、「仮想均質燃焼」時のスロットル開度TAt
である仮想スロットル開度TAvを算出する。その後、
ステップS303に進む。また、上記ステップS301
の処理において、成層燃焼運転中でない旨判断されると
きには直接ステップS303に進む。
【0076】ECU92は、ステップS303の処理と
して、現在の実際のスロットル開度TAr若しくは仮想
スロットル開度TAvと、エンジン回転数NEとに基づ
き定常時吸気圧PMbse を算出する。この定常時吸気圧
PMbse は、上記スロットル開度TAr,TAv及びエ
ンジン回転数NEの状態にあって、エンジン11を定常
運転したときの吸気圧である。なお、定常時吸気圧PM
bse は、均質燃焼運転時には実際のスロットル開度TA
r及びエンジン回転数NEに基づき算出され、成層燃焼
運転時には仮想スロットル開度TAv及びエンジン回転
数NEに基づき算出される。
【0077】ECU92は、ステップS304の処理と
して、大気圧補正係数Kpa1を大気圧PAに基づき図8
のマップを参照して算出し、定常時吸気圧PMbse にこ
の大気圧補正係数Kpa1を乗算することにより、補正後
吸気圧PMhを算出する。なお、上記大気圧補正係数K
pa1は大気圧PAが高くなるほど大きくなって「1.
0」に近づくようになる。従って、補正後吸気圧PMh
は大気圧PAが高くなるほど大きくなる。補正後吸気圧
PMhの算出が行われた後、ステップS305に進む。
【0078】このステップS305の処理は後のステッ
プS306,S307の処理と関係している。即ち、ス
テップS306の処理では上記補正後吸気圧PMhを徐
変処理することにより徐変値PMSMが算出され、ステ
ップS307の処理では同徐変値PMSMが第1の吸気
圧記憶値PMSM1として記憶される。そして、上記ス
テップS305の処理においては、ECU92が、前回
のステップS307の処理で記憶された第1の吸気圧記
憶値PMSM1を前回の徐変値PMSMi-1 として設定
する。
【0079】このように徐変処理(S306)によって
算出された徐変値PMSMを一旦第1の吸気圧記憶値P
MSM1として記憶(S307)するのは、後述するス
テップS310の処理で上記徐変値PMSMを用いて別
の処理を実行し、その処理によって徐変値PMSMが変
化してしまうためである。この場合でも、上記ステップ
S305の処理で第1の吸気圧記憶値PMSM1を前回
の徐変値PMSMi-1とすることで、ステップS306
の徐変処理を適切に行うことができるようになる。
【0080】上記ステップS305の処理が実行された
後、ECU92は、ステップS306の処理として、下
記の式(4)に基づき今回の徐変値PMSMi を算出す
る。即ち、定常時の補正後吸気圧PMhから前回の徐変
値PMSMi-1 を減算して更に所定値nで除算し、その
除算した値を前回の徐変値PMSMiー1 に加算すること
で今回の徐変値PMSMi が算出される。
【0081】
【数4】 PMSMi =PMSMi-1 +(PMh−PMSMi-1 )/n …(4) ここで、上記補正後吸気圧PMhの変化に対する徐変値
PMSMの推移傾向を図9に示す。同図においては補正
後吸気圧PMhの推移を破線で示し、徐変値PMSMの
推移を太い実線で示す。また、マップ演算等により算出
される上記補正後吸気圧PMhが破線で示すように推移
するのに対し、実際の吸気圧PMrがどのように推移す
るかを二点鎖線で示す。
【0082】この図から明らかなように、例えばアクセ
ル踏込量ACCPが変化して上記補正後吸気圧PMhが
破線で示すように変化したとき、その補正後吸気圧PM
hの変化に対して徐変値PMSMが太い実線で示すよう
に緩やかに推移するようになる。補正後吸気圧PMhの
変化に対して徐変値PMSMがどれほど緩やかに推移す
るかは、上記式(4)における所定値nによって決定さ
れる。この所定値nは、予め実験等により設定された図
示しないマップを参照して上記補正後吸気圧PMhとエ
ンジン回転数NEとに基づき算出される。
【0083】ステップS306の処理で徐変値PMSM
が算出され、ステップS307の処理で第1の吸気圧記
憶値PMSM1の記憶が行われると、続いてステップS
308に進む。ステップS308〜S311の処理は、
現時点で吸気バルブ19の閉弁時における徐変値PMS
Mを予測して算出するためのものである。
【0084】ECU92は、ステップS308の処理と
して、現時点から吸気バルブ19の閉弁時までに上記ス
テップS306の処理が行われる回数(徐変処理回数)
T/Δtを算出する。即ち、現時点から吸気バルブ19
の閉弁時までの時間Tを求め、その時間Tを燃料噴射量
算出ルーチンの実行周期Δtで除算することにより、上
記徐変処理回数T/Δtを算出する。
【0085】続いてECU92は、ステップS309の
処理として現在記憶されている第1の吸気圧記憶値PM
SM1、即ち最新の徐変値PMSMを前回の徐変値PM
SMi-1 として設定する。更に、ECU92は、ステッ
プS310の処理として、上記徐変処理回数T/Δt分
だけ上記式(4)による徐変処理を実行し、T/Δt回
の徐変処理後の徐変値PMSMi 、即ち吸気バルブ19
の閉弁時の徐変値PMSMi を算出する。その後、EC
U92は、ステップS311の処理として、徐変値PM
SMi を第2の吸気圧記憶値PMSM2として記憶す
る。
【0086】今、図9に一点鎖線L1で示す時点にて上
記ステップS306の処理が行われたとすると、その処
理によって算出される今回の徐変値PMSMi が第1の
吸気圧記憶値PMSM1として記憶される。そして、続
いてステップS310の処理が行われると、二点鎖線L
2で示す吸気バルブ19の閉弁時における徐変値PMS
Mi が算出され、その徐変値PMSMi がほぼ一点鎖線
L1で示す時点にて第2の吸気圧記憶値PMSM2とし
て記憶される。
【0087】このように第1及び第2の吸気圧記憶値P
MSM1,PMSM2の記憶処理が行われた後には、そ
れら記憶値PMSM1,PMSM2の差ΔP1(「PM
SM2−PMSM1」)を用いて、吸気バルブ19の閉
弁時における吸気圧を予測して算出することができるよ
うになる。即ち、現時点(一点鎖線L1)においてバキ
ュームセンサ36により検出される実際の吸気圧PMr
に、上記第1及び第2の吸気圧記憶値PMSM1,PM
SM2の差ΔP1を加算することで、吸気バルブ19の
閉弁時における吸気圧が得られるようになる。
【0088】ところで、バキュームセンサ36の出力に
は吸気通路32内を流れる空気の脈動による影響が生じ
るため、その影響を除去するために通常はバキュームセ
ンサ36の出力をCRフィルタ等によってフィルタ処理
する。従って、上記吸気圧PMrは実際にはCRフィル
タ等によるフィルタ処理の時定数分だけ適正値からずれ
ることになり、そのずれの分だけ上記予測される吸気バ
ルブ19の閉弁時の吸気圧が不正確になる。
【0089】吸気圧算出ルーチンにおけるステップS3
12(図7)〜S315の処理は、上記吸気圧PMrの
ずれを考慮して第1の吸気圧記憶値PMSM1をフィル
タ処理し、そのフィルタ出力PMSM1Si を用いて吸
気バルブ19の閉弁時の吸気圧を正確に予測するための
ものである。
【0090】ECU92は、上記ステップS311(図
6)の処理を実行した後、ステップS312(図7)の
処理として現在の燃焼方式が均質燃焼であるか否かを判
断し、均質燃焼であればステップS313に進む。EC
U92は、ステップS313の処理として、第1の吸気
圧記憶値PMSM1を下記の式(5)に基づきフィルタ
処理する。なお、式(5)において、PMSM1Si は
第1の吸気圧記憶値PMSM1のフィルタ出力であり、
所定値mは当該フィルタ処理の時定数が上記CRフィル
タによるフィルタ処理の時定数と等しくなるように設定
されるものである。
【0091】
【数5】 PMSM1Si =PMSM1Si-1 +(PMSM1−PMSM1Si-1 )/m …(5) この式(5)に基づくフィルタ処理のフィルタ出力PM
SM1Si は、図9に太い実線で示すように徐変値PM
SM(第1の吸気圧記憶値PMSM1)が変化したとき
には、図中に細い実線で示すように推移することとな
る。
【0092】続いてECU92は、ステップS314の
処理として、第2の吸気圧記憶値PMSM2から上記フ
ィルタ出力PMSM1Si を減算し、それらの差ΔP2
を算出する。更に、ECU92は、ステップS315の
処理として、実際の吸気圧PMrに上記差ΔP2加算
し、その加算した値に更に体積効率ηvを乗算した値
を、吸気バルブ19の閉弁時における吸気圧である予測
吸気圧PMFWDとして算出する。なお、上記体積効率
ηvは前回の予測吸気圧PMFWDとエンジン回転数N
Eとに基づきマップを参照して算出されるものである。
こうして予測吸気圧PMFWDを算出した後、当該吸気
圧算出ルーチンを一旦終了して燃料噴射量算出ルーチン
(図4)に戻る。
【0093】従って、図9に一点鎖線L1で示す時点に
て第1及び第2の吸気圧記憶値PMSM1,PMSM2
の記憶処理が行われた場合、その時点での第1の吸気圧
記憶値PMSM1のフィルタ出力PMSM1Si が予測
吸気圧PMFWDを算出に用いられる。即ち、一点鎖線
L1で示す時点での第2の吸気圧記憶値PMSM2とフ
ィルタ出力PMSM1Si との差ΔP2を実際の吸気圧
PMrに加算することで予測吸気圧PMFWDが算出さ
れる。
【0094】このように第1の吸気圧記憶値PMSM1
に代えてフィルタ出力PMSM1Si を用いて差ΔP2
を算出し、その差ΔP2等から予測吸気圧PMFWDを
求めることで、同吸気圧PMrにCRフィルタの時定数
に応じたずれが生じても、その予測吸気圧PMFWDを
正確な吸気バルブ19の閉弁時の吸気圧として算出する
ことができるようになる。
【0095】一方、上記ステップS312の処理におい
て、現在の燃焼方式が均質燃焼でなく成層燃焼である旨
判断されると、ステップS316に進む。ECU92
は、ステップS316の処理として、第2の吸気圧記憶
値PMSM2に体積効率ηvを乗算した値を仮想吸気圧
PMvとして算出する。なお、上記体積効率ηvは前回
の仮想吸気圧PMvとエンジン回転数NEとに基づきマ
ップを参照して算出されるものである。こうして仮想吸
気圧PMvを算出した後、当該吸気圧算出ルーチンを一
旦終了して燃料噴射量算出ルーチン(図4)に戻る。
【0096】上記算出される仮想吸気圧PMvは、現在
の機関運転状態にて「均質燃焼」を実行したと仮定した
場合(「仮想均質燃焼」)での吸気バルブ19の閉弁時
の吸気圧、即ち上記予測吸気圧PMFWDに対応した仮
想値ということになる。均質燃焼運転時には、予測吸気
圧PMFWDが実際の吸気圧PMr等に基づき算出され
るため、ステップS312〜S315の処理を行って同
予測吸気圧PMFWDを正確に算出するようにしてい
る。これに対し、成層燃焼運転時には、仮想吸気圧PM
vが実際の吸気圧PMrに関係なく、第2の吸気圧記憶
値PMSM2等にづき算出される。こうして算出される
仮想吸気圧PMvは、ステップS316の処理によって
正確な値として算出されるようになる。
【0097】次に、集約目標スロットル開度TAtの算
出手順について図10を参照して説明する。図10は、
集約目標スロットル開度TAtを算出するための集約目
標スロットル開度ルーチンを示すフローチャートであ
る。この集約目標スロットル開度算出ルーチンは、EC
U92を通じて例えば所定時間毎の時間割り込みにて実
行される。
【0098】集約目標スロットル開度算出ルーチンにお
いては、ステップS405の処理で、基本スロットル開
度TAbse 、ISC開度補正量f(qcal)、及びそ
の他の補正量Aを用いて、下記の式(6)に基づき集約
目標スロットル開度TAtが算出される。
【0099】
【数6】 TAt=TAbse +f(qcal)+A …(6) ところで、上記式(6)において、ISC開度補正量f
(qcal)は、機関出力トルクを調整してアイドル回
転数を制御するためのものである。このISC開度補正
量f(qcal)は、ISC補正量qcal及び変換係
数Kaに基づき下記の式(7)によって算出される。
【0100】
【数7】 f(qcal)=qcal*Ka …(7) 式(7)において、ISC補正量qcalは、アイドル
回転数の調整量に対応した無次元のパラメータである。
そして、変換係数Kaは、上記ISC補正量qcalを
アイドル回転数の調整に必要とされる機関出力トルクの
変化量、即ちスロットル開度の調整量に変換するための
ものである。
【0101】アイドル回転数の調整は、上記ISC補正
量qcalを増減させることによって行われる。このI
SC補正量qcalの増減に伴いISC開度補正量f
(qcal)が変化すると、集約目標スロットル開度T
Atも変化することとなる。この集約目標スロットル開
度TAtは、「均質燃焼」時の機関出力トルクに影響を
及ぼすパラメータである目標スロットル開度TAsj、
及び「成層燃焼」時の機関出力トルクに影響を及ぼすパ
ラメータである最終燃料噴射量Qfin にそれぞれ関係し
ている。そのため、集約目標スロットル開度TAtをI
SC開度補正量f(qcal)の増減により変化させる
ことで、いずれの燃焼方式であっても機関出力トルクが
変化してアイドル回転数が調整される。
【0102】上記ISC開度補正量f(qcal)を算
出するためのISC補正量qcalは、フィードバック
補正項qi、計算用学習値qg、及び水温補正項qth
w等に基づき、下記の式(8)によって算出される。
【0103】
【数8】 qcal=qi+qg+qthw …(8) 式(8)において、フィードバック補正項qiは、アイ
ドル回転数を予め定められた目標値(例えば600rp
m)に近づけるべく、アイドル運転時のエンジン回転数
NEに応じて所定の基準値(本実施形態では「0」)を
中心に増減する値である。
【0104】即ち、フィードバック補正項qiは、アイ
ドル回転数が目標値よりも低ければ大きくされる。その
結果、ISC補正量qcal及びISC開度補正量f
(qcal)が大きくなり、ISC開度補正量f(qc
al)等に基づき算出される集約目標スロットル開度T
Atが開き側の値へと変化する。「均質燃焼」であれ、
「成層燃焼」であれ、上記のように集約目標スロットル
開度TAtが開き側の値に変化することにより、機関出
力トルクが増大してアイドル回転数が目標値に向けて上
昇する。
【0105】「均質燃焼」時には、上記集約目標スロッ
トル開度TAtが目標スロットル開度TAsjに代入さ
れるため、この目標スロットル開度TAsjに基づきス
ロットル開度制御を行うことで予測吸気圧PMFWD
(吸入空気量)が増大する。その結果、予測吸気圧PM
FWD等に基づき決定される最終燃料噴射量Qfin が多
くなって機関出力トルクが増大し、アイドル回転数が目
標値に向かって上昇する。
【0106】上記と異なり、「成層燃焼」時には、上記
集約目標スロットル開度TAt等に基づき、「仮想均質
燃焼」時のスロットル開度である仮想スロットル開度T
Avが算出される。更に、「仮想均質燃焼」時にスロッ
トル開度を上記仮想スロットル開度TAvとしたときの
吸気圧(吸入空気量)である仮想吸気圧PMvが上記仮
想スロットル開度TAv等に基づき算出される。そのた
め、ISC開度補正量f(qcal)により集約目標ス
ロットル開度TAtが開き側の値に変化すると仮想吸気
圧PMvが増大する。その結果、同仮想吸気圧PMv等
に応じて決定される最終燃料噴射量Qfin が多くなり、
機関出力トルクが増大してアイドル回転数が目標値に向
かって上昇する。
【0107】また、上記フィードバック補正項qiは、
アイドル回転数が目標値よりも高ければ小さくされる。
その結果、ISC補正量qcal及びISC開度補正量
f(qcal)が小さくなり、ISC開度補正量f(q
cal)等に基づき算出される集約目標スロットル開度
TAtが閉じ側の値へと変化する。「均質燃焼」であ
れ、「成層燃焼」であれ、上記のように集約目標スロッ
トル開度TAtが閉じ側の値に変化することにより、機
関出力トルクが減少してアイドル回転数が目標値に向け
て下降する。
【0108】「均質燃焼」時には、上記集約目標スロッ
トル開度TAtが目標スロットル開度TAsjに代入さ
れるため、この目標スロットル開度TAsjに基づきス
ロットル開度制御を行うことで予測吸気圧PMFWD
(吸入空気量)が減少する。その結果、予測吸気圧PM
FWD等に基づき決定される最終燃料噴射量Qfin が少
なくなって機関出力トルクが減少し、アイドル回転数が
目標値に向かって下降する。
【0109】上記と異なり、「成層燃焼」時には、上記
集約目標スロットル開度TAt等に基づき仮想スロット
ル開度TAvが算出され、この仮想スロットル開度TA
v等に基づき仮想吸気圧PMvが算出される。そのた
め、ISC開度補正量f(qcal)により集約目標ス
ロットル開度TAtが閉じ側の値に変化すると仮想吸気
圧PMvが減少する。その結果、同仮想吸気圧PMv等
に応じて決定される最終燃料噴射量Qfin が少なくな
り、機関出力トルクが減少してアイドル回転数が目標値
に向かって下降する。
【0110】上記式(8)中の計算用学習値qgは、ア
イドル運転時に上記フィードバック補正項qiが基準値
「0」を含む所定範囲(本実施形態では「−γ<qi<
γ」)内に収束するように、フィードバック補正項qi
に基づき基準値「0」を中心に増減する値である。
【0111】即ち、計算用学習値qgは、フィードバッ
ク補正項qiが上記所定範囲よりも小さい側に外れてい
れば小さくされる。その結果、上記式(8)から明らか
なように、アイドル回転数が目標値と一致する状態にI
SC補正量qcalを維持した条件のもとでは、計算用
学習値qgが小さくなるとフィードバック補正項qiが
大きくなり、同補正項qiが上記所定範囲内へと収束す
るようになる。
【0112】また、計算用学習値qgは、フィードバッ
ク補正項qiが上記所定範囲よりも大きい側に外れてい
れば大きくされる。その結果、上記式(8)から明らか
なように、アイドル回転数が目標値と一致する状態にI
SC補正量qcalを維持した条件のもとでは、計算用
ISC補正量qcalが大きくなるとフィードバック補
正項qiが小さくなり、同補正項qiが上記所定範囲内
へと収束するようになる。
【0113】なお、上記式(8)中の水温補正項qth
wは、エンジン11の冷却水温THWに応じて増減する
ものである。このようにISC補正量qcalはフィー
ドバック補正項qi、計算用学習値qg、及び水温補正
項qthw等から算出されるが、このうちの計算用学習
値qgは、燃焼方式毎に均質用学習値qgsjと成層用
学習値qgtjとが用意されている。
【0114】そして、「均質燃焼」時には均質用学習値
qgsjが計算用学習値qgに代入され、同均質用学習
値qgsjの学習が行われる。即ち、「均質燃焼」での
アイドル運転時にフィードバック補正項qiを所定範囲
内に収束させるために上記計算用学習値qgの増減が行
われ、その増減後の計算用学習値qgが均質用学習値q
gsjに代入される。この場合、フィードバック補正項
qiが所定範囲内に収束したときに均質用学習値qgs
jの学習が完了することとなる。
【0115】エンジン11の吸気系に経年変化等が生じ
て吸入空気量が適正値から外れると、「均質燃焼」での
アイドル運転時においては機関出力トルクが適正値から
ずれてアイドル回転数が目標値から外れることとなる。
このアイドル回転数を目標値に近づけるべくフィードバ
ック補正項qiが増減され、更にフィードバック補正項
qiが所定範囲内に収束するよう計算用学習値qg(均
質用学習値qgsj)が増減される。そして、フィード
バック補正項qiが所定範囲内に収束して均質用学習値
qgsjの学習が完了したとき、その均質用学習値qg
sjは上記吸入空気量の適正値からのずれ量に対応する
値となる。
【0116】従って、この均質用学習値qgsjを以降
のスロットル開度制御に反映することで、上記吸入空気
量の適正値に対するずれを補償することが可能になる。
均質用学習値qgsjをスロットル開度制御に反映する
には、同均質用学習値qgsjを計算用学習値qgとし
てISC補正量qcalに反映する。このISC補正量
qcalは、ISC開度補正量f(qcal)として集
約目標スロットル開度TAtに反映される。「均質燃
焼」時には、この集約目標スロットル開度TAtが代入
される「均質燃焼」時の目標スロットル開度TAsjに
基づきスロットル開度制御が行われるため、このスロッ
トル開度制御に上記均質用学習値qgsjが反映され
る。
【0117】また、「成層燃焼」時には成層用学習値q
gtjが計算用学習値qgに代入され、同成層用学習値
qgtjの学習が行われる。即ち、「成層燃焼」でのア
イドル運転時にフィードバック補正項qiを所定範囲内
に収束させるために上記計算用学習値qgの増減が行わ
れ、その増減後の計算用学習値qgが成層用学習値qg
tjに代入される。この場合、フィードバック補正項q
iが所定範囲内に収束したときに成層用学習値qgtj
の学習が完了することとなる。
【0118】エンジン11の燃料系に経年変化等が生じ
て燃料噴射量が適正値から外れると、「成層燃焼」での
アイドル運転時においては機関出力トルクが適正値から
ずれてアイドル回転数が目標値からずれることとなる。
このアイドル回転数を目標値に近づけるべくフィードバ
ック補正項qiが増減され、更にフィードバック補正項
qiが所定範囲内に収束するよう計算用学習値qg(成
層用学習値qgtj)が増減される。そして、フィード
バック補正項qiが所定範囲内に収束して成層用学習値
qgtjの学習が完了したとき、その成層用学習値qg
tjは上記燃料噴射量の適正値からのずれ量に対応する
値となる。
【0119】従って、この成層用学習値qgtjを燃料
噴射制御に反映することで、上記燃料噴射量適正値に対
するずれを補償することが可能になる。ところで、成層
用学習値qgtjを燃料噴射制御に反映させるに際し、
同成層用学習値qgtjを計算用学習値qgとしてIS
C補正量qcalに反映させると、このISC補正量q
calは、ISC開度補正量f(qcal)として集約
目標スロットル開度TAtに反映されることとなり、こ
れに伴い燃焼方式間での機関出力トルクに段差が生じて
しまう。
【0120】燃焼方式に応じて計算用学習値qgとして
均質用学習値qgsjと成層用学習値qgtjとを切り
換えてISC補正量qcalに反映させた場合の均質用
学習値qgsj及び成層用学習値qgtjに対する集約
目標スロットル開度TAtの関係を図11に示す。な
お、図11(a)は、均質用学習値qgsj及び成層用
学習値qgtjを示すものであり、図11(b)の実線
は、エンジン11が定常状態であるときに同一機関運転
状態のもとでの「均質燃焼」時において算出される集約
目標スロットル開度TAtを示すものである。
【0121】図11(a)に示すように、均質用学習値
qgsjと成層用学習値qgtjとは、吸入空気量と燃
料噴射量といった異なる制御系に対応し、それぞれ吸入
空気量の適正値からのずれ量、及び燃料噴射量の適正値
からのずれ量に対応する値となることから、異なる値に
なることがある。即ち、吸入空気量の適正値に対するず
れと燃料噴射量の適正値に対するずれとが互いに異なる
ものである場合、それらのずれを補償するための均質用
学習値qgsj及び成層用学習値qgtjも互いに異な
る値になる。その結果、「均質燃焼」と「成層燃焼」と
で集約目標スロットル開度TAtに反映されるISC補
正量qcalも異なる値となり、図11(b)の実線に
示すように、「均質燃焼」時において算出される集約目
標スロットル開度TAt及び「成層燃焼」時において算
出される集約目標スロットル開度TAtも異なる値とな
る。
【0122】ところで、集約目標スロットル開度TAt
は、燃焼方式間で機関出力トルクを合致させるために、
同一機関運転状態である条件下では図11(b)に破線
で示されるように「均質燃焼」時と「成層燃焼」時とで
等しい値とすべきである。
【0123】そこで本実施形態では、集約目標スロット
ル開度TAtに対し、「成層燃焼」時に成層用学習値q
gtjを反映させる代わりに、「成層燃焼」時にも均質
用学習値qgsjを反映させる。これにより、「成層燃
焼」時の集約目標スロットル開度TAtが図11(b)
に破線で示す値となり、「均質燃焼」時において実線で
示す値となる同「均質燃焼」時の集約目標スロットル開
度TAtと合致する。この場合、集約目標スロットル開
度TAt等に基づき制御される「成層燃焼」時の燃料噴
射量が均質用学習値qgsjに対応したものとなり、こ
のままでは燃料噴射量の適正値に対するずれを補償でき
ない。そのため、上記式(3)に基づき「成層燃焼」時
の最終燃料噴射量Qfin を補正することで、均質用学習
値qgsjと成層用学習値qgtjとのずれ量に対応し
た燃料量を加味して「成層燃焼」時の燃料噴射量を制御
する。
【0124】このように集約目標スロットル開度TAt
及び燃料噴射量に対し、均質用学習値qgsj及び成層
用学習値qgtjを反映することで、吸入空気量や燃料
噴射量の適正値に対するずれを補償しつつ、燃焼方式間
で機関出力トルクを合わせることができるようになる。
【0125】さて、説明を集約目標スロットル開度算出
ルーチン(図10)に戻す。集約目標スロットル開度算
出ルーチンにおいて、ECU92は、ステップS401
の処理として、現在の燃焼方式に係わらず現在のアクセ
ル踏込量ACCP及びエンジン回転数NEに基づき「均
質燃焼」時の基本スロットル開度TAbse を算出する。
その後、ステップS402に進む。
【0126】ECU92は、ステップS402の処理と
して、計算用学習値qgに均質用学習値qgsjを代入
した後、ステップS403に進む。ECU92は、ステ
ップS403の処理として上記式(8)によりISC補
正量qcalを算出し、ステップS404の処理として
上記式(7)によりISC開度補正量f(qcal)を
算出する。続いて、ECU92は、ステップS405の
処理として、上記式(6)により集約目標スロットル開
度TAtを算出した後、この集約目標スロットル開度算
出ルーチンを一旦終了する。
【0127】次に、均質用学習値qgsj及び成層用学
習値qgtjの学習手順について図12及び図13を参
照して説明する。図12及び図13は、均質用学習値q
gsj及び成層用学習値qgtjの学習を行うためのI
SC学習ルーチンを示すフローチャートである。このI
SC学習ルーチンは、ECU92を通じて例えば所定時
間毎の時間割り込みにて実行される。
【0128】ISC学習ルーチンにおいては、ステップ
S501(図12)の処理で学習値qgtj,qgsj
の増減(学習)が可能か否か、即ち学習条件が成立して
いるか否かが判断される。そして、ステップS502〜
S504の処理で、燃焼方式に応じて計算用学習値qg
に成層用学習値qgtj、若しくは均質用学習値qgs
jが代入される。更に、S505〜S508の処理で上
記計算用学習値qgがフィードバック補正項qiを所定
範囲(本実施形態では「−γ<qi<γ」)内に収束さ
せるべく増減される。また、ステップS509〜S51
7(図13)では、フィードバック補正項qiを所定範
囲に収束させるための計算用学習値qgの操作を行った
後の同学習値qgが、燃焼方式に応じて成層用学習値q
gtj、若しくは均質用学習値qgsjに代入される。
これにより、燃焼方式毎にそれぞれ別々にISC学習値
を持つことが可能になる。
【0129】さて、ISC学習ルーチンにおいて、EC
U92は、ステップS501の処理として、ISC学習
条件が成立しているか否か、即ち例えば以下に示す各種
条件が全て成立しているか否かを判断する。
【0130】 ・ISCフィードバック制御中であること ・エンジン回転数NEの変動が小さいこと ・その他の外乱がないこと そして、上記各条件の内のいずれか一つでも満たされて
いなければ、ECU92は、このISC学習ルーチンを
一旦終了する。上記各条件が全て満たされていれば、ス
テップS502に進む。
【0131】ECU92は、ステップS502の処理と
して、成層燃焼運転中であるか否かを判断する。そし
て、成層燃焼運転中であればステップS503の処理と
して計算用学習値qgに成層用学習値qgtjを代入
し、成層燃焼運転中でなく均質燃焼運転中であればステ
ップS504の処理として計算用学習値qgに均質用学
習値qgsjを代入する。こうして計算用学習値qgを
燃焼方式に対応したものとした後、ステップS505以
降の処理を実行する。
【0132】ECU92は、ステップS505の処理と
して、フィードバック補正項qiが所定値γよりも大き
いか否かを判断する。そして、「qi>γ」であってフ
ィードバック補正項qiが所定範囲「−γ〜γ」に対し
大きい側に外れている旨判断されると、ステップS50
6の処理として計算用学習値qgに所定値aを加算す
る。こうして計算用学習値qgを大きくすると、アイド
ル回転数が目標値に一致する状態にISC補正量qca
lを維持した条件のもとでは、フィードバック補正項q
iが所定範囲「−γ〜γ」内に向かって小さくなる。
【0133】また、上記ステップS505の処理におい
て「qi>γ」でない旨判断されると、ステップS50
7に進んでフィードバック補正項qiが所定値−γ未満
であるか否かを判断する。そして、「qi<−γ」であ
ってフィードバック補正項qiが所定範囲「−γ〜γ」
に対し小さい側に外れている旨判断されると、ステップ
S508の処理として計算用学習値qgから所定値aを
減算する。こうして計算用学習値qgを小さくすると、
アイドル回転数が目標値に一致する状態にISC補正量
qcalを維持した条件のもとでは、フィードバック補
正項qiが所定範囲「−γ〜γ」内に向かって大きくな
る。
【0134】このようにフィードバック補正項qiを所
定範囲「−γ〜γ」内に収束させるための計算用学習値
qgの増減を行った後、ステップS509(図13)に
進む。ECU92は、ステップS509の処理として、
成層燃焼運転中か否かを判断する。そして、成層燃焼運
転中であればステップS510の処理として成層用学習
値qgtjに現在の計算用学習値qgを代入し、成層燃
焼運転中でなく均質燃焼運転中であればステップS51
4の処理として均質用学習値qgsjに現在の計算用学
習値qgを代入する。このように計算用学習値qgの成
層用学習値qgtj、若しくは均質用学習値qgsjへ
の代入を行うことで、燃焼方式毎にそれぞれ別々にIS
C学習値を持つことが可能になる。
【0135】なお、成層用学習値qgtj、及び均質用
学習値qgsjはバックアップRAM96に記憶され
る。そして、「成層燃焼」時にフィードバック補正項q
iが上記所定範囲内に収束したときに成層用学習値qg
tjの学習が完了し、「均質燃焼」時にフィードバック
補正項qiが上記所定範囲内に収束したときに均質用学
習値qgsjの学習が完了する。
【0136】ISC学習ルーチンにおいて、上記ステッ
プS510の処理が行われた後には、ステップS511
〜S513の処理が行われる。これらの処理は、成層用
学習値qgtjの学習が行われるとき、この成層用学習
値qgtjを所定条件のもとで均質用学習値qgsjに
反映し、均質用学習値qgsjの学習を早期に完了させ
るためのものである。
【0137】ECU92は、ステップS511の処理と
して、均質用学習値qgsjの学習を早期に行う必要が
あるか否かの判断基準であるスピードアップ条件が成立
しているか否かを判断する。こうした条件としては、 ・バッテリの交換がなされたとき ・均質用学習値qgsjや成層用学習値qgtjが過度
に基準値「0」から離れた値になるとき 等々があげられる。
【0138】なお、上記のようなスピードアップ条件が
いずれか一つでも成立したときは、均質用学習値qgs
j及び成層用学習値qgtjが初期値に戻されていると
きである。この初期値は、均質用学習値qgsj及び成
層用学習値qgtjの基準値「0」よりも大きい値に設
定されている。そのため、上記条件の成立時には均質用
学習値qgsj及び成層用学習値qgtjの学習を素早
く行い、早期に均質用学習値qgsj及び成層用学習値
qgtjを基準値「0」側へ向かって小さくする必要が
ある。
【0139】ステップS511の処理において、スピー
ドアップ条件が成立していない旨判断されると当該IS
C学習ルーチンを一旦終了し、同条件が成立している旨
判断されるとステップS512に進む。ECU92は、
ステップS512の処理として、このとき計算用学習値
qg(成層用学習値qgtj)に所定値αを加算した値
(「qg+α」)に対し、現在の均質用学習値qgsj
が大きいか否かを判断する。
【0140】そして、「qgsj>qg+α」でなく均
質用学習値qgsjが基準値「0」に対して過度に大き
い値でない旨判断されると当該ISC学習ルーチンを一
旦終了し、「qgsj>qg+α」であって均質用学習
値qgsjが基準値「0」に対して過度に大きい値であ
る旨判断されるとステップS513に進む。ECU92
は、ステップS513の処理として、現在の均質用学習
値qgsjに上記「qg+α」という値を代入した後、
このISC学習ルーチンを一旦終了する。このように成
層用学習値qgtjを均質用学習値qgsjに反映させ
ることで、同均質用学習値qgsjの学習を早期に完了
することができる。
【0141】ISC学習ルーチンにおいて、上記ステッ
プS514の処理が行われた後には、ステップS515
〜S517の処理が行われる。これらの処理は、均質用
学習値qgsjの学習が行われるとき、この均質用学習
値qgsjを所定条件のもとで成層用学習値qgtjに
反映し、成層用学習値qgtjの学習を早期に完了させ
るためのものである。
【0142】ECU92は、ステップS515の処理と
して、均質用学習値qgsjの学習を早期に行う必要が
あるか否かの判断基準であるスピードアップ条件が成立
しているか否かを判断する。こうした条件としては、ス
テップS511の条件と同じものがあげられる。
【0143】ステップS515の処理において、スピー
ドアップ条件が成立していない旨判断されると当該IS
C学習ルーチンを一旦終了し、同条件が成立している旨
判断されるとステップS516に進む。ECU92は、
ステップS516の処理として、このとき計算用学習値
qg(均質用学習値qgsj)に所定値αを加算した値
(「qg+α」)に対し、現在の成層用学習値qgtj
が大きいか否かを判断する。
【0144】そして、「qgtj>qg+α」でなく成
層用学習値qgtjが基準値「0」に対して過度に大き
い値でない旨判断されると当該ISC学習ルーチンを一
旦終了し、「qgtj>qg+α」であって成層用学習
値qgtjが基準値「0」に対して過度に大きい値であ
る旨判断されるとステップS517に進む。ECU92
は、ステップS517の処理として、現在の成層用学習
値qgtjに上記「qg+α」という値を代入した後、
このISC学習ルーチンを一旦終了する。このように均
質用学習値qgsjを成層用学習値qgtjに反映させ
ることで、同成層用学習値qgtjの学習を早期に完了
することができる。
【0145】上記ISC学習ルーチンにより学習される
成層用学習値qgtj、及び均質用学習値qgsjは、
最終噴射量算出ルーチンにおけるステップS206(図
5)の処理での上記式(3)に用いられる。
【0146】即ち、式(3)において、最終燃料噴射量
Qfin に加算される項である「{(qgtj/qgs
j)−1}*C*(600/NE)」にて、成層用学習
値qgtj、及び均質用学習値qgsjが用いられる。
最終燃料噴射量Qfin は集約目標スロットル開度TAt
等に基づき算出されるが、この集約目標スロットル開度
TAtの算出に用いられる計算用学習値qgは、均質用
学習値qgsjに固定される。
【0147】従って、成層燃焼運転時には「成層燃焼」
中であるにもかかわらず、上記集約目標スロットル開度
TAt等に基づき算出される最終燃料噴射量Qfin が均
質用学習値qgsjに対応したものとなる。そのため、
「成層燃焼」時には、上記「{(qgtj/qgsj)
−1}*C*(600/NE)」という項を最終燃料噴
射量Qfin に加算することで、同最終燃料噴射量Qfin
を適切なものへと補正する。即ち、上記「{(qgtj
/qgsj)−1}*C*(600/NE)」という項
は、均質用学習値qgsjと成層用学習値qgtjとの
ずれ量に対応した燃料量の分であって、この項を加味し
て最終燃料噴射量Qfin を算出することにより、燃料噴
射量制御に成層用学習値qgtjが加味されて燃料噴射
量の適正値に対するずれが補償される。
【0148】以上詳述した処理が行われる本実施形態に
よれば、以下に示す効果が得られるようになる。 (1)「均質燃焼」時には、吸入空気量の適正値からの
ずれ量に対応する値として学習された均質用学習値qg
sjを加味して、「均質燃焼」時におけるスロットル開
度制御の制御目標値である目標スロットル開度TAsj
(集約目標スロットル開度TAt)が算出される。その
ため、上記目標スロットル開度TAsj等に基づきスロ
ットル開度制御を行うことで、吸入空気量の適正値に対
するずれを的確に補償することができる。
【0149】また、「成層燃焼」時において、均質用学
習値qgsjを加味して「仮想均質燃焼」時の仮想スロ
ットル開度TAv及び仮想吸気圧PMv(仮想吸入空気
量)が算出される。そして、仮想吸気圧PMv等に基づ
き基本燃料噴射量Qbse が算出され、この基本燃料噴射
量Qbse 等に基づき成層用学習値qgtjを加味して燃
料噴射量の制御目標値である最終燃料噴射量Qfin が算
出される。
【0150】上記のように均質用学習値qgsjの加味
された仮想吸気圧PMvに基づき基本燃料噴射量Qbse
を算出することで、「成層燃焼」時における燃料噴射量
の制御目標値である上記最終燃料噴射量Qfin がこのと
き「均質燃焼」を実行した場合に得られる機関出力トル
クに関連付けられる。そして、この最終燃料噴射量Qfi
n に基づき「成層燃焼」時の燃料噴射量が制御されるた
め、「成層燃焼」時の機関出力トルクが、このとき「均
質燃焼」を行った場合での機関出力トルクに的確に合致
するようになる。
【0151】更に、「成層燃焼」時には、最終燃料噴射
量Qfin が基本燃料噴射量Qbse 等に基づき成層用学習
値qgtjを加味して算出されることで、同最終燃料噴
射量Qfin に成層用学習値qgtjが反映され、これに
より燃料噴射量の適正値に対するずれを的確に補償する
ことができる。
【0152】従って、アイドル回転数を制御するための
制御量である吸入空気量及び燃料噴射量の適正値に対す
るずれを補償しつつ、燃焼方式間で機関出力トルクを合
わせることができる。こうした燃焼方式間での機関出力
トルクが食い違う場合、これによるトルクショックを感
じやすいのは自動車の減速中での燃焼方式の切換時など
であるが、上記のように燃焼方式間で機関出力トルクを
合わせることにより、自動車の減速中での燃焼方式切換
時にトルクショックを感じることがなくなる。
【0153】(2)「成層燃焼」時には、均質用学習値
qgsjが加味された仮想吸気圧PMvに基づき最終燃
料噴射量Qfin (基本燃料噴射量Qbse )が算出される
が、最終的には上記式(3)において「qgtj/qg
sj」という項により、最終燃料噴射量Qfin が成層用
学習値qgtjと均質用学習値qgsjとの両方を加味
した値となる。そのため、上記成層用学習値qgtjに
より燃料噴射量の適正値に対するずれを補償する際、こ
れが上記均質用学習値qgsjを加味した仮想吸気圧P
Mvに起因して過剰なものになるのを抑制することがで
きる。
【0154】(3)均質用学習値qgsj及び成層用学
習値qgtjはアイドル運転中に学習されるため、エン
ジン回転数NEが高くなるにつれて、これら学習値qg
sj,qgtjにより「成層燃焼」時の燃料噴射量の適
正値に対するずれを補償する際、これが過剰になる。し
かし、「成層燃焼」時には最終燃料噴射量Qfin が上記
式(3)において「600/NE」という項によりエン
ジン回転数NEを加味した値となり、上記学習値qgs
j,qgtjにより燃料噴射量の適正値に対するずれを
補償する際、これが過剰になるのを抑制することができ
る。
【0155】(4)「成層燃焼」時に成層用学習値qg
tjが学習されるとき、スピードアップ条件が成立して
いれば、そのときの成層用学習値qgtj(計算用学習
値qg)が均質用学習値qgsjに反映される。また、
「均質燃焼」時に均質用学習値qgsjが学習されると
き、スピードアップ条件が成立していれば、そのときの
均質用学習値qgsj(計算用学習値qg)が成層用学
習値qgtjに反映される。このように一方の学習値を
他方の学習値に反映させることで、成層用学習値qgt
j及び均質用学習値qgsjが初期値に戻されたときな
どに、それら学習値qgtj,qgsjの学習を早期に
完了することができる。
【0156】なお、本実施形態は、例えば以下のように
変更することもできる。 ・本実施形態では、均質用学習値qgsjと成層用学習
値qgtjとをスピードアップ条件の成立時に互いに反
映し合い、それら学習値qgsj,qgtjの学習を早
期に完了することを可能としたが、必ずしも学習値qg
sj,qgtjを互いに反映し合う必要はない。均質用
学習値qgsjと成層用学習値qgtjとを互いに反映
しないようにするならば、ISC学習ルーチン(図1
3)におけるステップS511〜S513の処理やステ
ップS515〜S517の処理を省略することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の制御装置が適用されるエンジン全
体を示す断面図。
【図2】同制御装置の電気的構成を示すブロック図。
【図3】目標スロットル開度TAsjの変化に対する位
相進み補償後スロットル開度TAh、及び実際のスロッ
トル開度TArの推移を示すタイムチャート。
【図4】最終燃料噴射量Qfin の算出手順を示すフロー
チャート。
【図5】吸気温補正係数Ktha を算出する際に参照され
るマップ。
【図6】予測吸気圧PMFWD及び仮想吸気圧PMvの
算出手順を示すフローチャート。
【図7】予測吸気圧PMFWD及び仮想吸気圧PMvの
算出手順を示すフローチャート。
【図8】大気圧補正係数Kpa1を算出する際に参照され
るマップ。
【図9】補正後吸気圧PMh、徐変値PMSM、フィル
タ出力PMSM1Si、及び実際の吸気圧PMrの推移
を示すタイムチャート。
【図10】集約目標スロットル開度TAtの算出手順を
示すフローチャート。
【図11】均質用学習値qgsj及び成層用学習値qg
tjに対する集約目標スロットル開度TAtの関係を示
す図。
【図12】均質用学習値qgsj及び成層用学習値qg
tjの学習手順を示すフローチャート。
【図13】均質用学習値qgsj及び成層用学習値qg
tjの学習手順を示すフローチャート。
【符号の説明】 11…エンジン、11b…水温センサ、14c…クラン
クポジションセンサ、21b…カムポジションセンサ、
23…スロットルバルブ、24…スロットル用モータ、
25…アクセルペダル、26…アクセルポジションセン
サ、36…バキュームセンサ、37…吸気温センサ、4
0…燃料噴射弁、44…スロットルポジションセンサ、
92…電子制御ユニット(ECU)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 淳 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 加藤 千詞 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G084 AA04 BA02 BA03 BA05 BA09 BA13 CA00 CA03 DA04 DA11 EA11 EB13 EB17 EC03 FA07 FA11 FA32 FA33 3G301 HA01 HA04 HA16 JA04 JA07 KA00 KA07 KA11 LA03 LB04 LC03 MA01 MA12 NA01 NA05 NA06 NA08 NB02 NB11 NC02 ND02 ND25 ND32 NE00 NE17 NE19 PA01Z PA07Z PA09Z PA10Z PA11Z PA17Z PE01A PE01Z PE03Z PE06A PE06Z PE08Z

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機関運転状態に応じて燃焼方式が均質燃焼
    と成層燃焼との間で切り換えられるとともに、アイドル
    回転数の調整が均質燃焼時には吸入空気量制御によって
    行われ、成層燃焼運転時には燃料噴射量制御によって行
    われる内燃機関に適用され、均質燃焼でのアイドル運転
    時に吸入空気量の適正値からのずれに対応する値を均質
    用学習値として学習し、成層燃焼でのアイドル運転時に
    燃料噴射量の適正値からのずれに対応する値を成層用学
    習値として学習する内燃機関の制御装置において、 均質燃焼運転時に吸入空気量の制御目標値に基づき同吸
    入空気量の制御を行うものであって、前記均質用学習値
    を加味して前記吸入空気量の制御目標値を算出すること
    により、前記吸入空気量の適正値からのずれを補償すべ
    く吸入空気量の制御に前記均質用学習値を反映する吸入
    空気量制御手段と、 成層燃焼運転時の機関運転状態で均質燃焼運転を実行す
    ると仮定したときの吸入空気量である仮想吸入空気量を
    前記均質用学習値を加味して算出する仮想吸入空気量算
    出手段と、 成層燃焼運転時に燃料噴射量の制御目標値に基づき同燃
    料噴射量の制御を行うものであって、前記仮想吸入空気
    量に基づき前記成層用学習値を加味して前記燃料噴射量
    の制御目標値を算出することにより、前記燃料噴射量の
    適正値からのずれを補償すべく燃料噴射量の制御に前記
    成層用学習値を反映する燃料噴射量制御手段と、 を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 【請求項2】前記燃料噴射量制御手段は、前記仮想吸入
    空気量に基づき燃料噴射量の制御目標値を算出する際、
    前記成層用学習値に加えて前記均質用学習値を加味する
    請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 【請求項3】前記燃料噴射量制御手段は、前記仮想吸入
    空気量に基づき燃料噴射量の制御目標値を算出する際、
    更に機関回転数を加味する請求項1又は2記載の内燃機
    関の制御装置。
  4. 【請求項4】前記仮想吸入空気量算出手段は、成層燃焼
    運転時の機関運転状態で均質燃焼運転を実行すると仮定
    したときの同機関のスロットルバルブの開度である仮想
    スロットル開度を前記均質用学習値を加味して算出し、
    この仮想スロットル開度から前記仮想吸入空気量を算出
    するものである請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機
    関の制御装置。
  5. 【請求項5】機関運転状態に応じて燃焼方式が切り換え
    られるとともに、同機関を運転制御するための各種制御
    系のうち、燃焼方式毎に異なる制御系を制御してアイド
    ル回転数の調整が行われる内燃機関に適用され、所定燃
    焼方式でのアイドル運転時にアイドル回転数を調整する
    所定制御系の制御量の適正値からのずれに対応する値を
    第1の学習値として学習し、前記所定燃焼方式とは別の
    燃焼方式でのアイドル運転時にアイドル回転数を調整す
    る前記所定制御系とは別の制御系の制御量の適正値から
    のずれに対応する値を第2の学習値として学習する内燃
    機関の制御装置において、 前記所定制御系を制御するものであって、前記所定燃焼
    方式での運転時に前記所定制御系の制御量のずれを補償
    すべく同所定制御系の制御に前記第1の学習値を反映す
    る第1の制御手段と、 前記別の制御系を制御するものであって、前記別の燃焼
    方式での運転時に燃焼方式間での機関出力トルクを合わ
    せるために前記別の制御系の制御に前記第1の学習値を
    反映するとともに、前記別の制御系の制御量のずれを補
    償すべく同別の制御系の制御に前記第2の学習値を反映
    する第2の制御手段と、 を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  6. 【請求項6】前記内燃機関においては、機関運転状態に
    応じて燃焼方式が均質燃焼と成層燃焼との間で切り換え
    られ、アイドル回転数の調整が均質燃焼運転時には吸入
    空気量の制御によって行われるとともに、成層燃焼運転
    時には燃料噴射量の制御によって行われるものであっ
    て、 前記第1の制御手段は、均質燃焼運転時に吸入空気量の
    適正値に対するずれを補償すべく、同ずれに対応する値
    として学習される前記第1の学習値を吸入空気量の制御
    に反映し、 前記第2の制御手段は、成層燃焼運転時に燃焼方式間で
    の機関出力トルクを合わせるために燃料噴射量の制御に
    前記第1の学習値を反映するとともに、燃料噴射量の適
    正値に対するずれを補償すべく、同ずれに対応する値と
    して学習される第2の学習値を燃料噴射量の制御に反映
    する請求項5記載の内燃機関の制御装置。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の内燃機関
    の制御装置において、所定の燃焼方式でのアイドル運転
    時に同燃焼方式に対応する学習値の学習が行われると
    き、この学習値を所定条件のもとで他方の学習値に反映
    する学習値反映手段を更に備えることを特徴とする内燃
    機関の制御装置。
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