JP4477390B2 - エンザイムイムノアッセイデバイス及び検出方法 - Google Patents

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本発明は、検体試料液中の抗原または抗体を検出するために用いられるエンザイムイムノアッセイデバイス及びそれを用いた検出方法に関する。
検体試料液中の抗原または抗体を検出する方法としてメンブランストリップを用いたエンザイムイムノアッセイが用いられている(特許文献1および特許文献2参照)。
従来のメンブランストリップを用いたエンザイムイムノアッセイデバイスの態様を図2に示す。
メンブランストリップ部7の一方の端に吸収パッド部8、もう一方の端に基質パッド部9を設け、検出すべき抗原と反応する抗体を酵素で標識した標識抗体が乾燥状態で含有されている標識抗体部10、標識抗体部10と吸収パッド部8の間のメンブラン部に検出すべき抗原と反応する抗体が固相化された検出部11がそれぞれ設けられている。
使用時に、検体試料液を標識抗体部10に加え、つづいて基質パッド部9に酵素反応により着色する基質液を加える。
標識抗体は検体試料液中の検出すべき抗原と抗原抗体反応しながら泳動し、検出部11に到達すると固相化されている抗体に捕捉される。
基質液も同方向に泳動し、捕捉された標識抗体の標識酵素が基質と酵素反応するので検出部11が着色する。
一方、検体試料液中に検出すべき抗原が存在しない場合は、標識抗体が検出部11に捕捉されないので検出部11は着色しない。
従って、検体試料液中に検出すべき抗原が存在するか否かを、検出部11の着色の有無で知ることができる。
特許3248436号公報 特許3284896号公報
上記したような従来のエンザイムイムノアッセイデバイスは、使用時に検体試料液を標識抗体部に加え、つづいて基質液を基質パッド部に加える、という2回の操作ステップを要するため煩雑である。
従って、本発明の目的は、使用時における操作ステップ数を1回にした、新しいエンザイムイムノアッセイデバイス及び該デバイスを用いた検出方法を提供することにある。
本願発明者は、鋭意研究を行った結果、乾燥した標識抗体または標識抗原並びに乾燥した酵素の基質を検体試料液のみで1回の操作により溶解して泳動させることにより、上記目的が達成できることを見出し本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、検体試料液中の被検出物を検出するための、メンブランストリップを用いたエンザイムイムノアッセイデバイスであって、メンブランストリップ部の一方の端に吸収パッド部、もう一方の端のメンブランストリップ部上に酵素の基質が乾燥状態で含有されている基質部、前記メンブランストリップ部に検出すべき抗原または抗体と反応する抗体または抗原を酵素で標識した標識抗体または標識抗原が乾燥状態で含有されている標識部、該標識部と前記吸収パッド部の間のメンブランストリップ部に検出すべき抗原または抗体と反応する抗体または抗原が固相化された検出部、標識部と基質部を含むその間のメンブラン部に検体試料液を加えるための試料部を設けたエンザイムイムノアッセイデバイスおよび上記のエンザイムイムノアッセイデバイスを用いて検体試料液中の被検出物を検出する方法であって、検体試料液を試料部に加えて1回の操作で標識抗体または標識抗原と基質を検体試料液のみで溶解して泳動させ、連続した一連の反応により起こる前記検出部における着色の有無を観察することにより検体試料液中の被検出物を検出する方法を提供する。
本発明の方法により、検体試料液を所定の部位に加えるだけの1ステップ操作で抗原または抗体を検出できるエンザイムイムノアッセイデバイス及び該デバイスを用いた検出方法を確立することができた。
本発明のエンザイムイムノアッセイデバイスの構成及びそれを用いた検出方法の具体例を以下に詳細に説明する。
1.デバイスの構成
図1は、エンザイムイムノアッセイデバイスの好ましい実施態様の模式図である。
すなわち、メンブランストリップ部1の一方の端に吸収パッド部2、もう一方の端のメンブランストリップ部上に酵素の基質が乾燥状態で含有されている基質部3、前記メンブランストリップ部1に検出すべき抗原または抗体と反応する抗体または抗原を酵素で標識した標識抗体または標識抗原が乾燥状態で含有されている標識部4、該標識部4と前記吸収パッド部2の間のメンブランストリップ部に検出すべき抗原または抗体と反応する抗体または抗原が固相化された検出部5、標識部4と基質部3を含むその間のメンブランストリップ部に検体試料液を加えるための試料部6を設けたデバイスである。
(1)メンブランストリップ部
メンブランストリップ部の材質は、特に限定されないが、多孔性の吸水性の材質であり、検体試料液や基質液が毛管作用により展開し得る材質である。例えば、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ナイロン、ポリエーテルスルホン、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ガラス繊維、ポリオレフィン、セルロース、これらの混合繊維からなる人工ポリマーが用いられ、好ましくはニトロセルロースメンブランが用いられる。メンブランの厚さは特に限定されないが、好ましくは100〜200μm程度である。また、メンブランは長方形のストリップで用い、その大きさは、特に限定されないが、通常、3mm〜9mm×40mm〜60mm程度である。
(2)吸収パッド部
吸収パッド部は、本発明のエンザイムイムノアッセイデバイスの一端に設けられデバイスを展開する液体を吸収することによりメンブレン上の液体の流れを促進する。吸収パッド部は、多量の液を吸収できるよう、吸水性の材質でできており、例えば、ろ紙、ガラス繊維などでできた不織布等が用いられる。また、その大きさは、特に限定されないが、通常、3mm〜15mm×10mm〜40mm、厚さ0.5mm〜3mm程度である。
(3)検出部
検出部は、検出すべき抗原または抗体と抗原抗体反応により特異的に結合して検出すべき抗原または抗体を捕捉するための抗体または抗原がメンブランに固相化されている。抗体または抗原は、例えばライン状に固相化すればよい。固相化は、タンパク質をニトロセルロース膜等の固相に固相化するための公知の方法で行うことができる。抗体は精製したポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体が用いられる。抗原は、精製した天然の抗原またはリコンビナント抗原が用いられる。
(4)標識部
吸水性の材質、例えばスポンジ及びガラス繊維などでできた不織布等の材質が用いられ、その大きさは、特に限定されないが、通常、3mm〜10mm×3mm〜10mm、厚さ0.5mm〜3mm程度で、酵素標識した標識抗体または標識抗原が乾燥状態で含有されている。
標識部は、上記の吸収性の材質に標識抗体または標識抗原を含浸させ、乾燥させればよい。標識抗体または標識抗原は、検出すべき抗原または抗体と抗原抗体反応により特異的に結合する抗体または抗原に酵素を標識したものが用いられる。抗体は精製したポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体が用いられる。抗原は、精製した天然の抗原またはリコンビナント抗原が用いられる。標識に用いる酵素としては、一般的にエンザイムイムノアッセイに用いられるアルカリフォスファターゼ、ペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ等を用いることができる。
(5)基質部
吸水性のある材質、例えばスポンジ及びガラス繊維などの不織布等の材質が用いられ、その大きさは、特に限定されないが、通常、3mm〜10mm×8mm〜30mm、厚さ0.5mm〜3mm程度で、酵素の基質が乾燥状態で含有されている。上記吸水性の材質に基質を含浸させ、乾燥させればよい。基質としては、酵素反応時に色素が不溶化となる性質を有する基質を用いることが好ましく、例えば、標識酵素がアルカリフォスファターゼの場合には5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルリン酸/ニトロテトラゾリウムブルー、β−ガラクトシダーゼーの場合には5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド、ペルオキシダーゼの場合には3,3’−ジアミノベンチジン等を用いることができる。
(6)試料部
検体試料液を加え標識部と基質部に吸収させるための部位で、検体試料液をメンブランに直接加えることが好ましいが、吸水性のある材質、例えばスポンジ、ガラス繊維などの不織布等のパッドをメンブラン上に設けその部分に加えることもできる。この場合、試料部のパッドと基質部および/または標識部は接触していてもいなくてもよい。試料部は標識部と基質部の間に設けられ、基質部または標識部と同じ位置にあってもよい。
(7)検体試料液
本発明にいう検体試料液は、咽頭あるいは鼻腔拭い液、鼻腔吸引液、咽頭あるいは鼻腔洗浄液、唾液、血清、便懸濁液、尿、培養液及びそれらを緩衝液で希釈したものを用いることができるがこれらに限定されない。
希釈に用いる緩衝液としては、免疫学的試験に通常使用される緩衝液等を使用することができ、トリス緩衝液、リン酸緩衝液、グッドの緩衝液等が挙げられ、塩化ナトリウム、界面活性剤、ウシ血清アルブミン、アジ化ナトリウム等を適宜加えることができるが、これらに限定されない。
(8)被検出物
本発明にいう検出すべき抗原または抗体は、何ら限定されず、検出しようとするいかなる物質であってもよい。たとえば、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、RSウイルス、ノーウォーク様ウイルス等のウイルス抗原、レジオネラ属菌、溶連菌、MRSA等の細菌抗原、ホルモン等を挙げることができるが、これらに限定されない。
また、検出すべき抗体も限定されず、上記細菌、ウイルス等に対する抗体が挙げられる。
2.本発明のデバイスを用いた検出方法
使用時に上記のデバイスを用い、検体試料液を試料部6に加えると検体試料液は標識部4および基質部3に達し、標識部4と基質部3に吸収され、標識抗体または標識抗原および基質が検体試料液に溶解する。メンブラン上の吸収パッド部方向への流れが吸収パッド部に達すると液体は吸収パッド部に吸収され、全体の流れは基質部から吸収パッド部へ向かう。従って、溶解された標識抗体または標識抗原は、吸収パッド部方向へと移動する。
標識抗体または標識抗原は、検体試料液中に検出すべき抗原または抗体が存在すれば抗原抗体反応しながら泳動し、検出部5に到達すると固相化されている抗体または抗原に捕捉される。基質も同方向に泳動し、捕捉された標識抗体または標識抗原の標識酵素が基質と酵素反応するので検出部5が着色する。
一方、検体試料液中に検出すべき抗原または抗体が存在しない場合は、標識抗体または標識抗原が検出部5に捕捉されないので検出部5は着色しない。
従って、検体試料液中に検出すべき抗原または抗体が存在するか否かを、検出部5の着色の有無で判定することができる。なお、捕捉されなかった他の成分及び検体試料液等は吸収パッド部に吸収される。検体試料液を試料部に加えてから着色の有無を判定するまでに要する時間は通常10〜30分間程度である。
本発明のエンザイムイムノアッセイデバイスでは、従来のデバイスと異なり、標識抗体または標識抗原を乾燥状態で含む標識部および基質を乾燥状態で含む基質部が設けられており、標識部と基質部を含むその間のメンブランストリップ部に検体試料液を加えるための試料部が設けられている。このことにより、使用時には、検体試料液を試料部に加えるだけでよく、操作が1ステップとなるため煩雑さがなくなり簡便となる。検体試料液の量は、被検出物により異なるが、通常100〜400μL程度である。
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
実施例1
1.抗インフルエンザウイルスモノクローナル抗体の作製
(1)抗A型インフルエンザウイルスNP抗体
A型インフルエンザウイルス抗原をBALB/cマウスに免疫し、一定期間飼育したマウスから脾臓を摘出し、ケラーらの方法(Kohler et al., Nature, vol, 256, p495-497(1975))によりマウスミエローマ細胞(P3×63)と融合した。得られた融合細胞(ハイブリドーマ)を、37℃インキュベーター中で維持し、A型インフルエンザウイルスNP抗原を固相したプレートを用いたELISAにより上清の抗体活性を確認しながら細胞の純化(単クローン化)を行った。取得した該細胞2株をそれぞれプリスタン処理したBALB/cマウスに腹腔投与し、約2週間後、抗体含有腹水を採取した。
得られた腹水からプロティンAカラムを用いたアフィニティークロマトグラフィー法により、それぞれIgGを精製し、2種類の精製抗A型インフルエンザウイルスNP抗体を得た。
(2)抗B型インフルエンザウイルスNP抗体
B型インフルエンザウイルス抗原を用い、(1)と同様の方法で、2種類の精製抗B型インフルエンザウイルスNP抗体を得た。
2.酵素標識抗A型インフルエンザウイルスNP抗体の作製
(1)アルカリフォスファターゼ標識抗A型インフルエンザウイルスNP抗体の作製
精製抗A型インフルエンザウイルスNP抗体のうち1種類について45mgを0.1Mクエン酸緩衝液(pH3.6)で透析後、ペプシン10mgを添加し、37℃で1時間、Fab’消化処理を行った。処理液をウルトロゲルAcA34カラムで分画して抗A型インフルエンザウイルスNP抗体F(ab’)精製画分を得た。前記画分を約10mg/mLまで濃縮後、0.1Mメルカプトエチルアミンと10:1の体積比で混合し、37℃で90分間還元処理を行った。処理液をウルトロゲルAcA34カラムで分画して抗A型インフルエンザウイルスNP抗体Fab’精製画分を得た後、約1mLにまで濃縮した。
10mg/mLのアルカリフォスファターゼ1.5mLを1mM塩化マグネシウムならびに0.1mM塩化亜鉛を含む50mMホウ酸緩衝液(pH7.6)に透析後、N−(6−マレイミドカプロイルオキシ)スクシンイミド0.7mgを添加し、30℃で1時間処理した。処理後の溶液をセファデックスG−25カラムで分画し、最初のピークを回収してマレイミド−アルカリフォスファターゼを得た後、約1mLにまで濃縮した。
濃縮した抗A型インフルエンザウイルスNP抗体Fab’とマレイミド−アルカリフォスファターゼを1:2.3の蛋白比で混合し、4℃で20時間穏やかに撹拌して反応させ、アルカリフォスファターゼ標識抗A型インフルエンザウイルスNP抗体Fab’を得た。更に、反応液をウルトロゲルAcA34カラムで分画し、未反応物を除去して精製アルカリフォスファターゼ標識抗A型インフルエンザウイルスNP抗体Fab’を得た。
精製アルカリフォスファターゼ標識抗A型インフルエンザウイルスNP抗体Fab’は、0.15M塩化ナトリウム、1%(W/V)ウシ血清アルブミン、1.5mM塩化マグネシウム、0.15mM塩化亜鉛、0.09%アジ化ナトリウムを含む10mMトリス緩衝液(pH8.0)の組成からなる標識抗体希釈液で希釈した後、0.22μm孔径の濾過フィルターで濾過し、アルカリフォスファターゼ標識抗A型インフルエンザウイルスNP抗体を得た。
(2)アルカリフォスファターゼ標識抗B型インフルエンザウイルスNP抗体の作製
精製抗B型インフルエンザウイルスNP抗体のうち1種類について、(1)と同様の方法で、アルカリフォスファターゼ標識抗B型インフルエンザウイルスNP抗体を得た。
3.デバイスの作製
(1)A型インフルエンザウイルス用デバイス
ニトロセルロースメンブラン(HiFlow Plus HF06504 ミリポア社製)を20cm×5cmに切り、このニトロセルロースメンブランの吸収パッド部側のメンブラン端から1cmの位置に精製水を用いて至適濃度に希釈した抗A型インフルエンザウイルスNP抗体液(上記と別のクローン)で幅0.5mmの20cmラインを描き、減圧下で乾燥して抗体を固相化し、カッターで5mm×5cmのストリップに細切してメンブランストリップ部を作製した。濾紙(WA1.5 ワットマン社製)を5mm×3cmの大きさに細切し、メンブランストリップ部の端に5mm重ねて吸収パッド部を設けた。
ついで、6mm×6mm×0.5mmのポリビニルスポンジに標識抗体を含有させた標識部を検出部から4mm離れたメンブラン上に設けた。該標識部は、10%(W/V)トレハロース、4%(W/V)ウシ血清アルブミン、0.2%(W/V)Triton X−100、1.5mM塩化マグネシウム、0.15mM塩化亜鉛を含む10mMトリス緩衝液(pH8.0)にアルカリフォスファターゼ標識抗A型インフルエンザウイルスNP抗体を至適濃度に加えたものを25μL量ポリビニルスポンジ(F(A)アイオン社製)に含浸させたのち減圧下で乾燥して用いた。
更に、該標識部から10mm離れたメンブランストリップ部上に、5mm×20mm×2mmのポリビニルスポンジに基質を含有させた基質部を設けてデバイスを作製した。
該基質部は、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルリン酸/ニトロテトラゾリウムブルー(BCIP/NBT)溶液(B1911 シグマアルドリッチ社製)にトレハロース10%を加えたものをポリビニルスポンジ(F(A)アイオン社製)に含浸させたのち凍結乾燥して用いた。
(2)B型インフルエンザウイルス用デバイス
(1)と同様の方法で、B型インフルエンザウイルス用デバイスを作製した。
検出
検体としてA型インフルエンザウイルス抗原液並びにB型インフルエンザウイルス抗原液をそれぞれ用いた。
インフルエンザウイルス抗原液を0.15M塩化ナトリウム、0.1%(W/V)ウシ血清アルブミン、0.5%(W/V)n-オクチル-β-D-グルコシドを含む10mMトリス緩衝液(pH8.0)で10倍階段希釈し検体試料液とした。
検体試料液をデバイスの標識部から3mm離れた試料部に200μL加え、20分後に判定を行った。
結果
A型インフルエンザウイルス用デバイスを用いた時、A型インフルエンザウイルス抗原は10(pfu/mL)まで陽性で、B型インフルエンザウイルス抗原は陰性となり特異的にA型インフルエンザウイルス抗原を検出できることが確かめられた。
一方、B型インフルエンザウイルス用デバイスを用いた時、B型インフルエンザウイルス抗原は10(pfu/mL)まで陽性で、A型インフルエンザウイルス抗原は陰性となり特異的にB型インフルエンザウイルス抗原を検出できることが確かめられた。
得られた結果を表1及び表2に示す。
表1
A型インフルエンザウイルス用デバイスを用いた成績

ウイルス濃度(pfu/mL)
10 10 10
A型インフルエンザウイルス抗原 + + −
B型インフルエンザウイルス抗原 − − −

判定基準
+ : 青の着色が見られるもの
− : 青の着色が見られないもの
表2
B型インフルエンザウイルス用デバイスを用いた成績

ウイルス濃度(pfu/mL)
10 10 10
B型インフルエンザウイルス抗原 + + −
A型インフルエンザウイルス抗原 − − −

判定基準
+ : 青の着色が見られるもの
− : 青の着色が見られないもの
表1及び2に示すように1ステップ操作で特異的な抗原を簡便にしかも短時間のうちに検出できることがわかる。
本発明のエンザイムイムノアッセイデバイスの態様を示す図である。 従来のエンザイムイムノアッセイデバイスの態様を示す図である。
符号の説明
1 メンブランストリップ部
2 吸収パッド部
3 基質部
4 標識部
5 検出部
6 試料部
7 メンブランストリップ部
8 吸収パッド部
9 基質パッド部
10 標識抗体部
11 検出部

Claims (3)

  1. 検体試料液中の被検出物を検出するための、メンブランストリップを用いたエンザイムイムノアッセイデバイスであって、メンブランストリップ部の一方の端に吸収パッド部、もう一方の端のメンブランストリップ部上に酵素の基質が乾燥状態で含有されている基質部、前記メンブランストリップ部に検出すべき抗原または抗体と反応する抗体または抗原を酵素で標識した標識抗体または標識抗原が乾燥状態で含有されている標識部、該標識部と前記吸収パッド部の間のメンブランストリップ部に検出すべき抗原または抗体と反応する抗体または抗原が固相化された検出部、標識部と基質部を含むその間のメンブラン部に検体試料液を加えるための試料部を設けたエンザイムイムノアッセイデバイスを用いて検体試料液中の被検出物を検出する方法であって、検体試料液を試料部に加えて1回の操作で標識抗体または標識抗原と基質を検体試料液のみで溶解して泳動させ、連続した一連の反応により起こる前記検出部における着色の有無を観察することにより検体試料液中の被検出物を検出する方法。
  2. 検体試料液の一部が、試料部、基質部、試料部、標識部および検出部の順に移動することを特徴とする、請求項記載の方法。
  3. 用いるエンザイムイムノアッセイデバイスにおいて、試料部が標識部と基質部の間にあり、試料部と基質部が接触しないように設けられたことを特徴とする、請求項またはに記載の方法。
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