JP4477341B2 - 軽油組成物 - Google Patents

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Description

本発明は軽油組成物に関する。詳しくは燃料供給装置において燃料と接触する部材、特にゴム部材への影響が少ない軽油組成物に関する。
近年、大気環境改善及び環境負荷低減を目指して、内燃機関用燃料である軽油中の硫黄分含有量及び芳香族分含有量の低減が求められている。芳香族分含有量を低減した軽油組成物は、粒子状物質(PM)を中心とした排出ガス低減には効果があるとされている。そのため、従来の軽油基材を低硫黄化、低芳香族化して製造した軽油のみならず、天然ガス、アスファルト分、石炭等を原料とする合成軽油及び合成灯油が着目されている。これらの燃料基材は芳香族分や硫黄分をほとんど含まないことが特徴である。
しかし、深度に低硫黄化および低芳香族化を施した燃料を使用した場合に、燃料噴射ポンプ、燃料供給用配管等のエンジンへの燃料供給装置における燃料と接触する部材、特にゴム部材からの燃料漏れ(リーク)の可能性があることが示唆されている。この可能性は、特に相当年数を走行した経年車において危険性が高いとされている。ゴム部材等から燃料がリークすると、エンジンの排気系の熱等により発火する可能性があり危険である。
ゴム部材からの燃料漏れに関しては、A重油に相当する燃料油についての特許出願がある(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、その出願明細書を見ても十分な原因解明と対策は施されてはおらず、そもそも重質な燃料油であるため自動車用及び民生産業用エンジンに使用する燃料油としては不適当であり、また解決策として分解軽油の使用に重きを置いている点は燃料の安定性や排ガス低減の観点から支障がある。総じて、リークについての原因解明は未だ十分に行われていないのが現状である。
従って、燃料の深度な低硫黄化と低芳香族化に関しては、エンジン使用部材、特にゴム部材へ影響を及ぼさないように考慮する必要があり、単純に硫黄分及び芳香族分を低減するだけでは部材への悪影響のない軽油組成物を得ることは困難である。
特開2001−55587号公報
本発明は、かかる実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、ディーゼル燃料として用いた場合に、燃料供給装置において燃料と接触する部材、特にゴム部材への影響が少ない軽油組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、硫黄分含有量が10質量ppm以下、芳香族分含有量が18容量%以下であり、かつ下記式(1)〜(4)を満たすことを特徴とする軽油組成物に関する。
(1)10≦E200≦40(但し、10=E200を除く)
(2)30≦E270≦90
(3)0.2≦E200/E270≦0.5
(4)4≦0.06×E270+0.27×AROM≦10
(上記式中、E200は留出温度200℃における留出量(容量%)、E270は留出温度270℃における留出量(容量%)を示し、AROMは芳香族分含有量(容量%)を示す。)
本発明の軽油組成物は、15℃における密度が780kg/m3以上840kg/m3以下、2環以上の芳香族分含有量が2容量%以下、30℃における動粘度が2mm2/s以上5mm2/s以下、90%留出温度が280℃以上340℃以下、セタン価が52以上、HFRR摩耗痕径(WS1.4)が400μm以下であることが好ましい。
また本発明の軽油組成物は、燃料と接触する部材にゴム部材を使用した燃料供給装置を装着したエンジンに供給することが好ましい。
前記のゴム部材はアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素化NBR、およびフッ素ゴムから選ばれるいずれか1種以上であることが好ましい。
以下、本発明について詳述する。
本発明は、燃料の低硫黄化と低芳香族化に伴うゴム部材への影響度合いを大幅に抑制させるべく開発した軽油組成物に関するものであり、特にゴム部材の体積変化割合、硬さ変化割合、引っ張り強度変化割合等の材料特性に及ぼす影響が、燃料の蒸留性状のうち特に特定留分の含有割合と芳香族分含有割合との相乗効果によるところであることを発見したことに基づいている。
ゴム部材の材料特性変化は、ゴム部材の構成成分を燃料若しくは燃料構成成分が溶解させる作用(以後、溶解作用と称する。)と、溶解により発生したゴム部材の内部空隙に燃料若しくは燃料構成成分が浸透する作用(以後、浸透作用と称する。)との相互関係によって決定されるものであると推測される。例えば体積変化のみに着目すると、両作用が大きいことによりゴム部材は体積が膨張する方向に変化すると考えられる。両作用は主として化学的特性に起因するものなので、燃料組成及び性状によってそれぞれの作用に及ぼす影響度合いが異なることは容易に考えられる。従って、燃料構成成分に着目した場合、この溶解作用と浸透作用の両面のバランスを取り得る品質設計を行うことが重要となる。
本発明者らの研究によれば、燃料性状のうち蒸留性状重質化及び高芳香族化は上記溶解作用を促進することに繋がるが、浸透作用はむしろ悪化させることが分かった。また過度の軽質化及び低芳香族化は浸透作用を向上させるが、溶解作用を悪化させることが分かった。従って、両作用を制御するためには、蒸留性状と芳香族分含有量におけるあるバランス点を見いだし、これを維持することが必要であることが判明した。
本発明者らのさらなる研究の結果、溶解作用と浸透作用のバランスを取り得る主構成成分としては、蒸留性状としては270℃における留出量(E270)が支配的であり重要であることが分かった。しかしながら、E270指標は非常に軽質な留分、すなわち溶解作用と浸透作用のバランスが好ましくない成分も含むため、これを適度に抑制する必要がある。また、E270は一般的な軽油の範疇としてはやや軽質な留分を表す指標であるため、この値を極めて大きくとることは軽油組成物としての耐ゴム部材性能を向上させることに繋がるものの、エンジン性能における燃費や出力といった燃料トータルでの品質設計上に支障を及ぼす結果にも繋がってしまうため、この値は燃料トータルの性能面からの範囲制約を受けることが分かった。そこでさらに研究を進めた結果、E270が式(2)を具備し、過度の軽質留分を表す指標である200℃における留出量(E200)が、式(1)を具備し、E270とE200が式(3)の関係を具備し、かつE270と芳香族分含有量が式(4)に示す関係を具備する場合に、上記課題が解決できることが判明したものである。
本発明の軽油組成物の硫黄分含有量は、10質量ppm以下であることが必要であり、好ましくは7質量ppm以下、より好ましくは5質量ppm以下である。当該硫黄分含有量が10質量ppmを超えると、PM排出量の増加及び特に排出ガス後処理装置を装着したエンジンにおける環境負荷の低減効果が不十分となる。なお、ここでいう硫黄分含有量とは、JIS K 2541「硫黄分試験方法」により測定される、軽油組成物全量を基準とした硫黄分の含有量を意味する。
本発明の軽油組成物の芳香族分含有量は、PM排出量低減並びに環境負荷の低減の観点から、18容量%以下であることが必要であり、好ましくは15容量%以下、より好ましくは12容量%以下、さらに好ましくは10容量%以下である。なお、ここでいう芳香族分含有量は、社団法人石油学会により発行されている石油学会誌JPI−5S−49−97「炭化水素タイプ試験法−高速液体クロマトグラフ法」に準拠され測定された芳香族分含有量の容量百分率(容量%)を意味する。
本発明の軽油組成物の留出温度200℃における留出量(E200)は10容量%以上(10容量%は除く)40容量%以下であることが必要である。E200成分は溶解作用と浸透作用のバランスを取り得る構成成分であり、軽質留分が少なくなることに伴う溶解性能と浸透性能のバランス悪化防止の観点から10容量%以上(10容量%は除く)が必要であり、12容量%以上がより好ましく、15容量%以上がさらに好ましい。一方、軽質留分が多くなることに伴う溶解性能と浸透性能のバランス悪化防止の観点から40容量%以下であることが必要であり、35容量%以下が好ましく、30容量%以下がさらに好ましい。
本発明の軽油組成物の留出温度270℃における留出量(E270)は30容量%以上90容量%以下であることが必要である。E270成分は溶解作用と浸透作用のバランスを取り得る主構成成分であるため、30容量%以上が必要であり、35容量%以上が好ましく、40容量%以上がより好ましい。一方、燃費や出力性能の悪化抑制の観点から90容量%以下であることが必要であり、85容量%以下が好ましく、80容量%以下がより好ましい。
なお、ここでいうE200(容量%)およびE270(容量%)は、JIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法」に準拠した方法により測定される留出量を意味する。
本発明の軽油組成物は、0.2≦E200/E270≦0.5を満たすことが必要である。上述の通り、E270は非常に軽質な留分、すなわち溶解作用と浸透作用のバランスが好ましくない成分(E200)も含んでいるため、これを適する範囲に制御する必要がある。しかしながら、E200が極端に少ないとゴム部材影響のバランスが崩れ、また燃料トータルの性能、特に燃焼時の蒸発性能の悪化に伴う排ガスの性能の悪化に繋がるため、従って、E200/E270は0.2以上であることが必要であり、0.22以上が好ましく、0.25以上がより好ましい。一方、過度の軽質化による性能悪化回避の観点から、0.5以下であることが必要であり、0.47以下が好ましく、0.45以下がより好ましい。
本発明の軽油組成物は、4≦0.06×E270+0.27×AROM≦10を満たすことが必要である。以降、「0.06×E270+0.27×AROM」の値をゴム部材指標と称する。ゴム部材指標は、上述の通り、ゴム部材の体積変化について燃料の溶解作用と浸透作用のバランスを図った実験的結果に基づく無次元指標である。そのため、E270にかかる係数0.06及びAROM(芳香族分含有量)にかかる係数0.27は「1/容量%」の単位を有している。
ゴム部材指標の値が小さい場合にはゴム部材が大幅に収縮する可能性が高いため、収縮による燃料リーク防止の観点から4以上であることが必要であり、5以上が好ましく、6以上がより好ましい。また、ゴム部材指標の値が大きい場合にはゴム部材が大幅に膨張する可能性及びゴム部材の弾性低下を引き起こす可能性が高いため、これを抑制する観点から10以下であることが必要であり、9.5以下であることが好ましく、9以下であることがより好ましい。
本発明の軽油組成物の15℃における密度は、燃料消費率及び加速性の点から780kg/m3以上であることが好ましく、より好ましくは785kg/m3以上であり、さらに好ましくは790kg/m3以上である。また、当該密度は、排出ガス中のPM濃度低下の点から、840kg/m3以下であることが好ましく、より好ましくは835kg/m3以下、さらに好ましくは830kg/m3以下である。なお、ここでいう密度とは、JIS K 2249「原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・容量換算表」により測定される密度を意味する。
本発明の軽油組成物における芳香族分のうち2環以上の芳香族分含有量は2容量%以下であることが好ましく、より好ましくは1容量%以下、さらに好ましくは0.5容量%以下である。当該2環以上の芳香族分含有量が2容量%を超えると、排ガス中のNOx、PM排出量が増加し、環境負荷の低減効果が不十分となる。なお、ここでいう2環以上の芳香族分含有量は、社団法人石油学会により発行されている石油学会誌JPI−5S−49−97「炭化水素タイプ試験法−高速液体クロマトグラフ法」に準拠され測定された2環以上の芳香族分含有量の容量百分率(容量%)を意味する。
本発明の軽油組成物の30℃における動粘度は2mm2/s以上であることが好ましく、より好ましくは2.2mm2/s以上、さらに好ましくは2.4mm2/s以上である。当該動粘度が2mm2/sに満たない場合は、燃料噴射ポンプ側の燃料噴射時期制御が困難となる傾向にあり、また燃料噴射ポンプの各部における潤滑性が損なわれる恐れがある。また、当該動粘度は、好ましくは5mm2/s以下、より好ましくは4.5mm2/s以下、さらに好ましくは4mm2/s以下である。当該動粘度が5mm2/sを超えると、噴射システム内部の抵抗増加により、噴射系が不安定化して、排出ガス中のNOx、PMの濃度が高くなる傾向がある。なお、ここでいう動粘度とは、JIS K 2283「原油及び石油製品−動粘度試験方法及び粘度指数算出方法」により測定される動粘度を意味する。
本発明の軽油組成物における10%留出温度には特に制限はないが、230℃以下であることが好ましく、より好ましくは220℃以下、さらに好ましくは210℃以下である。10%留出温度が前記上限値を超えると、排ガス性能が悪化する傾向にある。また、10%留出温度は160℃以上であることが好ましく、より好ましくは170℃以上、さらに好ましくは180℃以上である。10%留出温度が前記下限値に満たないと、エンジン出力や高温時の始動性が悪化する傾向にある。なお、ここでいう10%留出温度とは、全てJIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法」により測定される値を意味する。
本発明の軽油組成物の90%留出温度(T90)は280℃以上であることが好ましく、より好ましくは290℃以上、さらに好ましくは300℃以上である。T90が280℃に満たないとエンジンの燃費や出力の悪化、またゴム部材への影響抑制効果が不十分となる傾向にある。一方、PMや微小粒子の排出量の抑制の観点から、好ましくは340℃以下、より好ましくは335℃以下、さらに好ましくは330℃以下である。なお、ここでいう90%留出温度とは、JIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法」により測定される値を意味する。
本発明の軽油組成物のセタン価は、排出ガス中のNOx、PM及びアルデヒド類の濃度を低く抑える点から52以上であることが好ましく、より好ましくは54以上である。なお、ここでいうセタン価とは、JIS K 2280「石油製品−燃料油−オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数算出方法」の「7.セタン価試験方法」に準拠して測定されるセタン価を意味する。
本発明の軽油組成物におけるセタン指数には特に制限はないが、48以上であることが好ましい。セタン指数が48に満たない場合には、排出ガス中のPM、アルデヒド類、あるいはさらにNOxの濃度が高くなる傾向にある。また、同様の理由により、セタン指数は50以上であることがより好ましく、52以上であることがさらに好ましい。なお、本発明でいうセタン指数とは、JIS K 2280「石油製品−燃料油−オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数算出方法」の「8.4変数方程式を用いたセタン指数の算出方法」によって算出される価を意味する。ここで、上記JIS規格におけるセタン指数は、一般的にはセタン価向上剤を添加していない軽油に対して適用されるが、本発明ではセタン価向上剤を添加した軽油組成物についても上記「8.4変数方程式を用いたセタン指数の算出方法」を適用し、当該算出方法により算出される値をセタン指数として表す。
本発明の軽油組成物の潤滑性能は、HFRR摩耗痕径(WS1.4)を指標として表すことができる。本発明の軽油組成物のHFRR摩耗痕径は400μm以下であることが好ましく、より好ましくは390μm以下、さらに好ましくは380μm以下である。HFRR摩耗痕径が400μmを超える場合は、特に分配型噴射ポンプを搭載したディーゼルエンジンにおいて、運転中のポンプの駆動トルク増、ポンプ各部の摩耗増を引き起こし、排ガス性能、微小粒子性能の悪化のみならずエンジン自体が破壊される恐れがある。また、高圧噴射が可能な電子制御式燃料噴射ポンプにおいても、摺動面等の摩耗が懸念される。なお、ここでいうHFRR摩耗痕径とは、社団法人石油学会から発行されている石油学会規格JPI−5S−50−98「軽油−潤滑性試験方法」により測定される値を意味する。
本発明の軽油組成物における目詰まり点には特に制限はないが、ディーゼル車のプレフィルタ閉塞防止の点から−10℃以下であることが好ましく、−12.5℃以下であることがより好ましく、−15℃以下であることがさらに好ましい。ここで目詰まり点とはJIS K 2288「軽油−目詰まり点試験方法」により測定される目詰まり点を指す。
本発明の軽油組成物における流動点には特に制限はないが、低温始動性ないしは低温運転性の観点、並びに電子制御式燃料噴射ポンプにおける噴射性能維持の観点から−10℃以下であることが好ましく、−12℃以下であることがより好ましく、―15℃以下であることがさらに好ましく、−20℃以下であることが最も好ましい。ここで流動点とは、JIS K 2269「原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法」により測定される流動点を意味する。
本発明の軽油組成物における灰分の含有量には特に制限はないが、0.01質量%未満であることが好ましい。灰分の含有量が前記上限値を超えると、エンジンでの燃焼過程中に灰分がPMの核となり、PM全体の量及びナノ粒子の量が増加してしまう。また、灰分のまま排出された場合であっても、灰分が排ガス後処理装置に堆積してしまい、後処理装置の性能低下を招いてしまうことがある。さらには、燃料噴射系に対する悪影響も考えられる。なお、ここでいう灰分とは、JIS K 2272「原油及び石油製品の灰分並びに硫酸灰分試験方法」によって測定される値を意味する。
本発明の軽油組成物における水分の含有量には特に制限はないが、200質量ppm以下であることが好ましく、150質量ppm以下がより好ましく、120質量ppm以下がさらに好ましく、100質量ppm以下が最も好ましい。水分が前記上限値を超えると、アイシング現象による低温始動性の悪化や出力の低下に繋がってしまう。なお、ここでいう水分とは、JIS K 2275「原油及び石油製品水分試験方法」によって測定される値を意味する。
本発明の軽油組成物における酸化安定性試験後の全不溶解分には特に制限はないが、貯蔵安定性の点から2.0mg/100mL以下であることが好ましく、1.0mg/100mL以下であることがより好ましく、0.5mg/100mL以下であることがさらに好ましく、0.3mg/100mL以下であることが特に好ましく、0.1mg/100mL以下であることが最も好ましい。なお、ここでいう酸化安定性試験とは、ASTM D2274−94に準拠して、95℃、酸素バブリング下、16時間の条件で実施するものである。また、ここでいう酸化安定性試験後の全不溶解分とは、前記酸化安定性試験に準拠して測定される値を意味する。
本発明の軽油組成物における酸化安定性試験後の過酸化物価には特に制限はないが、貯蔵安定性、部材への適合性の点から30質量ppm以下であることが好ましく、より好ましくは20質量ppm以下、さらに好ましくは10質量ppm以下、最も好ましくは5質量ppm以下である。なお、ここでいう過酸化物価とは石油学会規格JPI−5S−46−96に準拠して測定される値を意味する。なお、本発明の軽油組成物には、全不溶解分や過酸化物価を低減するために、酸化防止剤や金属不活性剤等の添加剤を適宜添加することができる。
本発明における軽油組成物における導電率は特に限定されないが、安全性の点から50pS/m以上であることが好ましい。本発明の軽油組成物には、導電率を改善するために、適宜帯電防止剤等を添加することができる。なお、ここでいう導電率とは、JIS K 2276「石油製品−航空燃料油試験方法」に準拠して測定される値を意味する。
本発明の軽油組成物を使用する燃料供給装置とは、燃料タンク、燃料フィルタ、燃料噴射ポンプ、燃料噴射ノズル、燃料リターン部、サクション部、及びこれらを繋ぐ配管等から構成される、エンジンにおける燃料存在個所全般を示す。このうち、一般にゴム部材を使用している部分は、シール部におけるOリング及びガスケット、フレキシブルに繋ぐ必要がある部分の燃料配管等が挙げられるが、特に問題となりやすい個所は燃料噴射系、すなわち燃料噴射ポンプ内のシール部及び燃料噴射ノズルのシール部に使用されているゴム部材とされている。これは、どの噴射ポンプ、噴射ノズルにおいても、ポンプやノズル内部の燃料を外部に漏らさないようシール部が存在し、その部分は「金属−ゴム部材−金属」というゴム部材の弾性に依存したOリングやガスケット構造になっているものが多い。具体的には、燃料圧送の役を担っているプランジャ摺動部分のシール、噴射ポンプ外殻(ハウジング)と内部部品との間のシール等が挙げられる。上述のシール部は燃料とゴム部材が直接接触し、かつ運転条件や季節等に依存するものの、60℃以上の熱を高頻度で受ける個所でもある。
ここでいう燃料噴射ポンプとは、燃料を高圧かつ微粒化してエンジン燃焼室内に噴射するための燃料加圧供給装置であるが、本発明の軽油組成物が使用される燃料噴射ポンプはその種類等を特に限定するものではない。現在使用されている噴射ポンプは、分配型噴射ポンプ、列型噴射ポンプ、コモンレール式噴射システム、ユニットインジェクタ等に区分される。分配型噴射ポンプは主として小型のエンジンに装着されており、1つのプランジャ(燃料圧送の役を担っている部品)で複数の気筒に燃料を供給するものである。列型噴射ポンプは主として大型のエンジンに装着されており、気筒数と同数のプランジャを一列に配置したものである。分配型及び列型噴射ポンプとも、現在は電子制御式になっているものが主流である。コモンレール式燃料噴射システムは、サプライポンプにより加圧された燃料をコモンレールと称する圧力容器内に溜め込み、電磁弁を有する噴射ポンプとの連携により、任意の噴射圧力を任意のエンジン条件で達成できる噴射システムである。このシステムは、対排出ガス、出力及び燃費の点で自由度が高い噴射システムであるため、将来型エンジンに積極的に搭載されつつあるシステムである。ユニットインジェクタは噴射ポンプと噴射ノズルが一体型となったものであり、ノズルの駆動をカムにより直接行う構造であるため、高い噴射圧力を発することができる。噴射ノズルは噴射ポンプの特性に応じて、エンジンメーカの燃焼デザインに沿って選択されている。一般的には、ホールノズル、ピントルノズルが使用されているが、コモンレール式燃料噴射システムのように電磁弁との連動による電子制御式ノズルも使用されている。
本発明の軽油組成物が使用される燃料供給装置に用いられるゴムの種類は、燃料供給装置への使用に適するとされている耐油性ゴム組成物であれば、その組成となるゴム成分及び充填剤、ゴム用配合剤等の種類、配合量は特に限定されるものではない。
かかるゴム成分としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素化NBR(HNBR)、フッ素ゴム(FKM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム(ACM)、ウレタンゴム(U)などが挙げられ、これらは単独または2種類以上併用して用いることができる。
ここで、NRとは天然植物から得られるゴム状の高分子化合物で、主成分は1,4−シスイソプレンポリマーである。IRとは合成天然ゴムとも呼ばれ、主成分は1,4−シスイソプレンポリマーである。SBRとはスチレン−ブタジエン共重合体で、スチレン含有量は15〜50モル%が一般的である。BRとはIRと類似の合成により得られるブタジエンゴムの総称であり、重合法によってシス1,4−結合が主成分となり、トランス1,4−結合が主成分となるが、一部1,2−結合が存在することもある。IIRとはイソブチレンを主成分とし、イソブレンを0.5〜3モル%含有するポリマーである。EPMとはエチレン−プロピレン共重合体で、エチレン含有量は50〜80モル%が一般的であり、加硫化のためにジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、エチリデンノルボーネン等を第3モノマーとして5〜10モル%含有することがある。NBRとはアクリロニトリル−ブタジエン共重合体で、アクリロニトリル含有量は15〜50モル%が一般的である。HNBRとはNBR主鎖に残存する炭素−炭素二重結合を水素化したゴムであり、NBRより耐熱性、耐化学薬品性に優れている。FKMとはフッ素ゴムの代表、フッ化ビニリデンと6フッ化プロピレンとの共重合体であり、フッ化ビニリデン含有量は20〜80モル%が一般的であり、フッ化ビニリデンと6フッ化プロピレンに加え、4フッ化エチレン(20〜40モル%)をモノマー原料とする場合もある。CRとはクロロプレンを主原料とするポリマーである。ACMとはアクリル酸エチルや他のアクリル酸エステルと、アクリロニトリルまたは加硫を可能とする他のモノマーとの共重合体である。ウレタンゴム(U)とは主鎖がエステル結合のポリエステルウレタンゴム(AU)と主鎖がエーテル結合のポリエーテルウレタンゴム(EU)に大別できる。
このうち、特に燃料供給装置に使用される耐油性があるゴムとしては、NBR、HNBR、FKMが一般的に挙げられる。
また、上記ゴム成分以外にもシリカ等の充填剤、イオウ、有機無機イオウ化合物、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等の加硫剤、アルデヒド、アミン、アンモニア等の加硫促進剤、脂肪酸等の加硫促進助剤、フェノール誘導体、芳香族アミン等の老化防止剤、アロマ油、スピンドル油等の軟化剤、カーボンブラック等、通常配合される適当量の配合剤を適宜配合し、性能向上を図ったゴム部材も使用することができる。
本発明の軽油組成物は、従来周知の任意の方法で得た1種又は2種以上の軽油基材及び灯油基材を用いて調製することができる。この場合、調製後の組成物が所定の性状を満たすように基材を選択し、また配合量を調整することができるが、本軽油組成物は低硫黄分であるため、配合する灯、軽油基材は自ずと、軽油組成物の硫黄分が10質量ppm以下、もしくは配合する基材間での硫黄分バランスを鑑みて10質量ppmを大きく越えない範囲になるよう脱硫処理を行ったものとなる。
軽油基材としては、具体的には例えば、原油の常圧蒸留装置から得られる直留軽油や常圧蒸留装置から得られる直留重質油・残査油を減圧蒸留装置にかけて得られる減圧軽油に水素化脱硫処理を施した脱硫軽油、脱硫又は未脱硫の減圧軽油・減圧重質軽油・脱硫重油を接触分解して得られる接触分解軽油、直留軽油・減圧軽油・脱硫軽油・接触分解軽油を水素化精製して得られる水素化精製軽油、直留軽油・減圧軽油・接触分解軽油・脱硫軽油をさらに通常の水素化脱硫より苛酷な条件で一段階又は多段階で水素化脱硫して得られる深度脱硫軽油、脱硫軽油・水素化精製軽油・深度脱硫軽油をさらに水素化精製処理することにより得られる高度水素化精製軽油、直留軽油・減圧軽油・接触分解軽油・水素化精製軽油・水素化脱硫軽油・深度水素化軽油を水素化分解して得られる水素化分解軽油、天然ガス・アスファルト・石炭などを原料にして合成される合成軽油等が挙げられる。
灯油基材としては、原油の常圧蒸留により得られる直留灯油、直留灯油を水素化精製して得られる水素化精製灯油、原油の常圧蒸留によって得られる軽油留分を分解して得られる分解灯油、直留灯油・水素化精製灯油・分解灯油をさらに水素化精製して得られる高度水素化精製灯油、天然ガス・アスファルト・石炭などを原料にして合成される合成灯油等が挙げられる。
本発明においては、所望のセタン価を有する軽油組成物を得るために、必要に応じてセタン価向上剤を適量配合してもよい。
セタン価向上剤としては、軽油のセタン価向上剤として知られる各種の化合物を任意に使用することができ、例えば、硝酸エステルや有機過酸化物等が挙げられる。これらのセタン価向上剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、上述のセタン価向上剤の中でも硝酸エステルを用いることが好ましい。かかる硝酸エステルには、2−クロロエチルナイトレート、2−エトキシエチルナイトレート、イソプロピルナイトレート、ブチルナイトレート、第一アミルナイトレート、第二アミルナイトレート、イソアミルナイトレート、第一ヘキシルナイトレート、第二ヘキシルナイトレート、n−ヘプチルナイトレート、n−オクチルナイトレート、2−エチルヘキシルナイトレート、シクロヘキシルナイトレート、エチレングリコールジナイトレートなどの種々のナイトレート等が包含されるが、特に、炭素数6〜8のアルキルナイトレートが好ましい。
セタン価向上剤の含有量は、組成物全量基準で500質量ppm以上であることが好ましく、600質量ppm以上であることがより好ましく、700質量ppm以上であることがさらに好ましく、800質量ppm以上であることが特に好ましく、900質量ppm以上であることが最も好ましい。セタン価向上剤の含有量が500質量ppmに満たない場合は、十分なセタン価向上効果が得られず、ディーゼルエンジン排出ガスのPM、アルデヒド類、さらにはNOxが十分に低減されない傾向にある。また、セタン価向上剤の含有量の上限値は特に限定されないが、軽油組成物全量基準で、1400質量ppm以下であることが好ましく、1250質量ppm以下であることがより好ましく、1100質量ppm以下であることがさらに好ましく、1000質量ppm以下であることが最も好ましい。
セタン価向上剤は、常法に従い合成したものを用いてもよく、また、市販品を用いてもよい。なお、セタン価向上剤と称して市販されているものは、セタン価向上に寄与する有効成分(すなわちセタン価向上剤自体)を適当な溶剤で希釈した状態で入手されるのが通例である。このような市販品を使用して本発明の軽油組成物を調製する場合には、軽油組成物中の当該有効成分の含有量が上述の範囲内となることが好ましい。
本発明の軽油組成物においては、上記セタン価向上剤以外の添加剤を必要に応じて適宜配合することができ、特に、潤滑性向上剤および/または清浄剤が好ましく配合される。
潤滑性向上剤としては、例えば、カルボン酸系、エステル系、アルコール系およびフェノール系の各潤滑性向上剤の1種又は2種以上が任意に使用可能である。これらの中でも、カルボン酸系及びエステル系の潤滑性向上剤が好ましい。
カルボン酸系の潤滑性向上剤としては、例えば、リノ−ル酸、オレイン酸、サリチル酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ヘキサデセン酸、及びこれらのカルボン酸の2種以上の混合物が挙げられる。
エステル系の潤滑性向上剤としては、グリセリンのカルボン酸エステルが挙げられる。カルボン酸エステルを構成するカルボン酸は、1種であっても2種以上であってもよく、その具体例としては、リノール酸、オレイン酸、サリチル酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ヘキサデセン酸等が挙げられる。
潤滑性向上剤の添加量は、組成物全量基準で35質量ppm以上であることが好ましく、50質量ppm以上であることがより好ましい。潤滑性向上剤の配合量が前記の範囲内であると、配合された潤滑性向上剤の効能を有効に引き出すことができ、例えば分配型噴射ポンプを搭載したディーゼルエンジンにおいて、運転中のポンプの駆動トルク増を抑制し、ポンプの摩耗を低減させることができる。また、配合量の上限値は、それ以上加えても添加量に見合う効果が得られないことから、組成物全量基準で150質量ppm以下であることが好ましく、105質量ppm以下であることがより好ましい。
清浄剤としては、例えば、イミド系化合物、ポリブテニルコハク酸無水物とエチレンポリアミン類とから合成されるポリブテニルコハク酸イミドなどのアルケニルコハク酸イミド、ペンタエリスリトールなどの多価アルコールとポリブテニルコハク酸無水物から合成されるポリブテニルコハク酸エステルなどのコハク酸エステル、ジアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ビニルピロリドンなどとアルキルメタクリレートとのコポリマーなどの共重合系ポリマー、カルボン酸とアミンの反応生成物等の無灰清浄剤等が挙げられる。これらの中でもアルケニルコハク酸イミド及びカルボン酸とアミンとの反応生成物が好ましい。これらの清浄剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
アルケニルコハク酸イミドを使用する例としては、平均分子量1000〜3000程度のアルケニルコハク酸イミドを単独使用する場合と、平均分子量700〜2000程度のアルケニルコハク酸イミドと平均分子量10000〜20000程度のアルケニルコハク酸イミドとを混合して使用する場合とがある。
カルボン酸とアミンとの反応生成物を構成するカルボン酸は1種であっても2種以上であってもよく、その具体例としては、炭素数12〜24の脂肪酸および炭素数7〜24の芳香族カルボン酸等が挙げられる。炭素数12〜24の脂肪酸には、リノール酸、オレイン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸等が含まれるが、これらに限定されるものではない。また、炭素数7〜24の芳香族カルボン酸には、安息香酸、サリチル酸等が含まれるが、これらに限定されるものではない。また、カルボン酸とアミンとの反応生成物を構成するアミンは、1種であっても2種以上であってもよい。ここで用いられるアミンとしては、オレイルアミンが代表的であるが、これに限定されるものではなく、各種アミンが使用可能である。
清浄剤の配合量は特に制限されないが、清浄剤を配合した効果、具体的には、燃料噴射ノズルの閉塞抑制効果を引き出すためには、清浄剤の配合量を組成物全量基準で30質量ppm以上とすることが好ましく、60質量ppm以上とすることがより好ましく、80質量ppm以上とすることがさらに好ましい。30質量ppmに満たない量を添加しても効果が現れない可能性がある。一方、配合量が多すぎても、それに見合う効果が期待できず、逆にディーゼルエンジン排出ガス中のNOx、PM、アルデヒド類等を増加させる恐れがあることから、清浄剤の配合量は300質量ppm以下であることが好ましく、180質量ppm以下であることがより好ましい。
なお、先のセタン価向上剤の場合と同様、潤滑性向上剤又は清浄剤と称して市販されているものは、それぞれ潤滑性向上または清浄に寄与する有効成分が適当な溶剤で希釈された状態で入手されるのが通例である。このような市販品を本発明の軽油組成物に配合する際には、軽油組成物中の当該有効成分の含有量が上述の範囲内となることが好ましい。
また、本発明の軽油組成物の性能をさらに高める目的で、後述するその他の公知の燃料油添加剤(以下、便宜上「その他の添加剤」という。)を単独で、または数種類組み合わせて添加することもできる。その他の添加剤としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アルケニルコハク酸アミドなどの低温流動性向上剤、フェノール系、アミン系などの酸化防止剤、サリチリデン誘導体などの金属不活性化剤、ポリグリコールエーテルなどの氷結防止剤、脂肪族アミン、アルケニルコハク酸エステルなどの腐食防止剤、アニオン系、カチオン系、両性系界面活性剤などの帯電防止剤、アゾ染料などの着色剤、シリコーン系などの消泡剤等が挙げられる。
その他の添加剤の添加量は任意に決めることができるが、添加剤個々の添加量は、軽油組成物全量基準でそれぞれ好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.2質量%以下である。その他の添加剤においても、各々の添加剤が意図する効果に寄与する有効成分が適当な溶剤で希釈された状態で軽油組成物に添加される場合は、軽油組成物中の当該有効成分の含有量が上述の範囲内となることが好ましい。
以上のように、本発明の軽油組成物は、特定の蒸留性状と芳香族分含有量をある特定条件の下に制御することにより、従来の軽油組成物では実現が困難であった燃料供給装置において燃料と接触する部材、特にゴム部材への悪影響を著しく抑制することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
下記の実施例1〜3及び比較例1〜3は、灯油基材および軽油基材を1種もしくは2種以上調合して製造した軽油組成物に、さらに以下に示す添加剤を配合して製造した軽油組成物である。
セタン価向上剤:2−エチルヘキシルナイトレ−ト
潤滑性向上剤:リノ−ル酸を主成分とするカルボン酸混合物
清浄剤:オレイン酸を主成分とするカルボン酸混合物とオレイルアミンとの反応生成物
低温流動性向上剤:エチレン−酢酸ビニル共重合体
(実施例1)
硫黄分10質量ppm以下を目標に製造した深度脱硫軽油基材を75容量%、硫黄分10質量ppm以下を目標に製造した水素化精製灯油基材を25容量%配合し、潤滑性向上剤を70質量ppm、低温流動性向上剤を200質量ppm、清浄剤を150質量ppm添加して軽油組成物を製造した。
(実施例2)
硫黄分1質量ppm以下かつ芳香族分含有量10容量%以下を目標に製造した水素化精製軽油基材を60容量%、硫黄分1質量ppm以下かつ芳香族分含有量10容量%以下を目標に製造した水素化精製灯油基材を40容量%配合し、潤滑性向上剤を70質量ppm、低温流動性向上剤を200質量ppm添加して軽油組成物を製造した。
(実施例3)
硫黄分1質量ppm以下かつ芳香族分含有量1容量%以下を目標に製造した高度水素化精製軽油基材を40容量%、硫黄分1質量ppm以下かつ芳香族分含有量1容量%以下を目標に製造した高度水素化精製灯油基材を60容量%配合し、潤滑性向上剤を140質量ppm、低温流動性向上剤を200質量ppm、セタン価向上剤を500質量ppm添加して軽油組成物を製造した。
(比較例1)
硫黄分50質量ppm以下を目標に製造した脱硫軽油基材を70容量%、硫黄分50質量ppm以下を目標に製造した水素化精製灯油基材を30容量%配合し、潤滑性向上剤を70質量ppm、低温流動性向上剤を200質量ppm、セタン価向上剤を500質量ppm添加して軽油組成物を製造した。
(比較例2)
天然ガスを原料に製造した合成軽油基材を80容量%、天然ガスを原料に製造した合成灯油基材を20容量%、潤滑性向上剤を70質量ppm、低温流動性向上剤を400質量ppm添加して軽油組成物を製造した。
(比較例3)
天然ガスを原料に製造した灯油留分を多く含有する合成軽油基材を100容量%、潤滑性向上剤を70質量ppm、低温流動性向上剤を400質量ppm添加して軽油組成物を製造した。
調合した軽油組成物の15℃における密度、30℃における動粘度、硫黄分含有量、蒸留性状、芳香族分含有量及び2環以上の芳香族分含有量、セタン価及びセタン指数、潤滑性評価指標である摩耗痕径、目詰まり点、流動点、灰分、酸化安定性試験後の全不溶解分、過酸化物価、導電率を測定した結果、並びに上記添加剤添加量を表1に示す。また、表1に示す測定結果を元に算出したE200/E270値及びゴム部材指標値も、表1に併せて示した。
なお、軽油組成物の性状は以下の方法により測定した。
密度(15℃)は、JIS K 2249「原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・容量換算表」により測定される15℃における密度を指す。
動粘度(30℃)は、JIS K 2283「原油及び石油製品−動粘度試験方法及び粘度指数算出方法」により測定される30℃における動粘度を指す。
硫黄分含有量は、JIS K 2541「硫黄分試験方法」により測定される軽油組成物全量基準の硫黄分の質量含有量を指す。
蒸留性状は、全てJIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法」によって測定される値である。
芳香族分含有量及び2環以上の芳香族分含有量は、社団法人石油学会により発行されている石油学会法JPI−5S−49−97「炭化水素タイプ試験方法−高速液体クロマトグラフ法」に準拠され測定された芳香族分含有量及び2環以上の芳香族分含有量の容量百分率(容量%)を意味する。
ゴム部材指標は、0.06×E270+0.27×AROMで求められる値を意味する。
セタン価は、JIS K 2280「石油製品−燃料油−オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数算出方法」の「7.セタン価試験方法」に準拠して測定されるセタン価を意味する。
セタン指数は、JIS K 2280「石油製品−燃料油−オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数算出方法」の「8.4変数方程式を用いたセタン指数の算出方法」によって算出した価を指す。なお、上記JIS規格におけるセタン指数は、セタン価向上剤を添加したものに対しては適用されないが、本発明ではセタン価向上剤を添加したもののセタン指数も、上記「8.4変数方程式を用いたセタン指数の算出方法」によって算出した値を表すものとする。
潤滑性能およびHFRR摩耗痕径(WS1.4)とは、社団法人石油学会から発行されている石油学会規格JPI−5S−50−98「軽油−潤滑性試験方法」により測定される潤滑性能を指す。
目詰まり点は、JIS K 2288「軽油−目詰まり点試験方法」により測定される目詰まり点を指す。
流動点は、JIS K 2269「原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法」により測定される流動点を指す。
灰分は、JIS K 2272「原油及び石油製品の灰分並びに硫酸灰分試験方法」によって測定される値を意味する。
酸化安定性試験後の全不溶解分とは、ASTM D2274−94に準拠して、95℃、酸素バブリング下、16時間の条件で測定される値を意味する。
酸化安定試験後の過酸化物価とは、石油学会規格JPI−5S−46−96に準拠して測定される値を意味する。
導電率とは、JIS K 2276「石油製品−航空燃料油試験方法」に準拠して測定される値を意味する。
表1に示したとおり、実施例1〜3における軽油組成物は、硫黄分含有量10質量ppm以下、全芳香族分含有量18容量%以下で、かつ以下の式(1)〜(4)を同時に満足するものである。
(1)10≦E200≦40
(2)30≦E270≦90
(3)0.2≦E200/E270≦0.5
(4)4≦0.06×E270+0.27×AROM≦10
一方、比較例1〜3の軽油組成物は、上記の硫黄分含有量、全芳香族分含有量あるいは式(1)〜(4)の条件のいずれか1つ以上を具備していない。
次に実施例1〜3及び比較例1〜3の各軽油組成物を用いて、燃料供給装置で使用されているゴム部材に対する影響を確認するため、以下に示す手順でゴム部材の浸せき試験を行った。NBRを用いた場合の結果を表2に、HNBRを用いた場合を表3に、FKMを用いた場合を表4に示す。表2〜4の結果から分かるように、実施例1〜3の軽油組成物は、比較例1〜3の軽油組成物に比べ、試験前後でのゴム部材特性変化が少なく、耐ゴム部材性能に優れた軽油組成物であることが明らかである。
さらに実施例1〜3及び比較例1〜3の各軽油組成物を用いて、燃料供給装置で実際に使用されているOリングに対する影響を確認するため、以下に示す手順でゴム部材と同様の浸せき試験を行った。結果の全てを表5に示す。表5の結果から分かるように、実施例1〜3の軽油組成物は、比較例1〜3の軽油組成物に比べ、試験前後での体積変化が少なく、耐ゴム部材性能に優れた軽油組成物であることが明らかである。
(ゴム部材浸せき試験)
JIS K 6258「加硫ゴムの浸せき試験方法」に準拠して、供試燃料を100℃に加熱、保持し、その中に供試ゴム部材を72時間浸せきさせる。浸せき前後での試験ゴム部材の体積変化、硬さ変化、引っ張り強度変化を測定し、比較、定量化する。浸せき試験方法及び試験前後の各変化量の測定方法も、JIS K 6258「加硫ゴムの浸せき試験方法」に準拠して行う。
なお、ここでは供試ゴム部材として、以下の3種を選択した。
1)NBR:Oリングとして使用する場合は、JIS B 2401の2種に相当
2)HNBR:NBRの高性能版、JIS、JASOでは規定無し
3)FKM:Oリングとして使用する場合は、JIS B 2401の4種Dに相当
供試ゴム部材は上述のJIS K 6258「加硫ゴムの浸せき試験方法」に準拠して所定の寸法を有する平板状試験片として評価した。なお、これらのゴム部材は、灯、軽油用燃料供給装置に使用される頻度が高いゴム種であり、特にそのシール方法としてはOリングとして使用される場合が多い。上述のゴム部材はOリングの原料ゴム材に相当しているが、ゴム材としての公的な定義方法が存在していないため、これらのゴム種の特性は、JIS B 2401(Oリング)にて定義した。
ゴム部材への影響の判定は、試験前後における体積、硬さ、引っ張り強度、それぞれの変化割合が±20%以上の場合を不合格(×)とし、±10%以上±20%以内の場合をボーダーライン(△)、±10%以内の場合を合格(○)とする。
(Oリング浸せき試験)
上述のゴム部材浸せき試験と同様に、JIS K 6258「加硫ゴムの浸せき試験方法」に準拠して、供試燃料を85℃に加熱、保持し、その中に供試Oリングを170時間浸せきさせる。浸せき前後での試験ゴム部材の体積変化を測定し、比較、定量化する。浸せき試験方法及び試験前後の体積変化量の測定方法も、JIS K 6258「加硫ゴムの浸せき試験方法」に準拠して行う。
なお、ここでは供試Oリングとして、以下の市販Oリング3種を選択した。
1)NBR製Oリング:NOK材料記号A122
2)HNBR製Oリング:NOK材料記号G607
3)FKM製Oリング:NOK材料記号F201
これらのOリングは、密封対象流体が燃料油である際の標準材料及び推奨材料からなるOリングであり、すべてNOK株式会社製Oリング線径φ2.4シリーズ(内径11mm)の材料違いで選択した。
ゴム部材への影響の判定も上述のゴム部材浸せき試験と同様に、試験前後における体積変化割合が±20%以上の場合を不合格(×)とし、±10%以上±20%以内の場合をボーダーライン(△)、±10%以内の場合を合格(○)とする。
Figure 0004477341
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Claims (4)

  1. 硫黄分含有量が10質量ppm以下、芳香族分含有量が18容量%以下であり、かつ下記式(1)〜(4)を満たすことを特徴とする軽油組成物。
    (1)10≦E200≦40(但し、10=E200を除く)
    (2)30≦E270≦90
    (3)0.2≦E200/E270≦0.5
    (4)4≦0.06×E270+0.27×AROM≦10
    (上記式中、E200は留出温度200℃における留出量(容量%)、E270は留出温度270℃における留出量(容量%)を示し、AROMは芳香族分含有量(容量%)を示す。)
  2. 15℃における密度が780kg/m3以上840kg/m3以下、2環以上の芳香族分含有量が2容量%以下、30℃における動粘度が2mm2/s以上5mm2/s以下、90%留出温度が280℃以上340℃以下、セタン価が52以上、HFRR摩耗痕径(WS1.4)が400μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の軽油組成物。
  3. 燃料と接触する部材にゴム部材を使用した燃料供給装置を装着したエンジンに供給することを特徴とする請求項1または2に記載の軽油組成物。
  4. ゴム部材がアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素化NBR、およびフッ素ゴムから選ばれるいずれか1種以上であることを特徴とする請求項3に記載の軽油組成物。


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