JP4477095B1 - 無励磁作動形電磁ブレーキのばね式手動解放機構 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の手動解放機構は、主として、解放ボルト10、解放ピン12、解放ばね14、解放ばね用ホルダ16から構成される。解放ボルト10は、ブラケット20の貫通孔20aに設けられる。解放ばね用ホルダ16は、ブラケット20に固定されたブレーキカバー36の反ブラケット側内部に取付けられる。解放ばね14は、解放ばね用ホルダ16に収納される。解放ボルト10と解放ピン12は、同軸上に配置される。このような構成により、解放ボルトをねじ込んだり緩めたりするだけで、ブレーキの作動、手動解放を行うことができる。
【選択図】図1
Description
特許文献2の発明は、電磁コイルを装着したブレーキヨークを保持するブラケットに、軸方向に貫通する貫通孔を設けている。貫通孔にはブレーキ解除用ねじと弾性部材を挿通させ、ブレーキ手動解放時は、ブレーキ解除用ねじを締めることで、ねじの一端が磁性板に螺合し、磁性板をブレーキディスクから離間させる。また、ブレーキ解除用ねじの一端が磁性板に螺合していないときは、ねじの他端が弾性部材によって、貫通孔の開口部付近まで押し出される。貫通孔の開口部の一部を覆うストッパーを設けることで、ねじの移動範囲が制限されるため、ブレーキの手動解放の有無を容易に認識することができる、とされている。
特許文献2の発明は、ねじと磁性板のねじ孔が螺合しているか否かを目視確認しながらねじ込むことができないため、ねじのねじ込み過ぎや、無理に螺合させようとした結果、ねじや磁性板の破損及び変形を招く危険性がある。また、ねじは、常に貫通孔の中にあるため、一見して手動解放の有無を判別することは困難である。さらに、ブレーキ手動解放時以外は、ねじや弾性部材は固定されていないため、モータ回転中に、ブラケット内でねじや弾性部材が振動することで、異音や衝突音が発生し各部品を破損する可能性がある上、誤ってねじと磁性板が螺合され、手動解放状態となる恐れがある。
前記無励磁作動形電磁ブレーキは、前記ブラケット又は前記ブレーキカバーの貫通雌ねじ孔に螺合された解放ボルト、根元部、鍔部、及び先端部からなる解放ピン、解放ばね、及び前記ブレーキカバー又は前記ブラケットに取付けられた解放ばね用ホルダを有し、
前記解放ばねは、解放ばね用ホルダに収納され、
前記アーマチュアには、前記解放ピンの前記先端部を挿通させる孔又は凹部が設けられ、
前記解放ばねは無励磁作動時に締め込まれた前記解放ボルト及び解放ピンにより圧縮されており、前記解放ボルトが緩められることにより、前記制動ばねの弾性反発力よりも大きく設定された弾性反発力により前記解放ピンが押し出され、前記解放ピンの前記鍔部が前記アーマチュアを押圧してブレーキが手動解放されることを特徴とする無励磁作動形電磁ブレーキのばね式手動解放機構により前記課題を解決した。
なお、請求項2のように、ブラケットに座繰りを設け、ブレーキを作動させるために解放ボルトをねじ込んだ時に、解放ボルトの頭部が当該座繰りに収納されるようにすれば、ブレーキ作動状態か手動解放状態であるかの判別がよりし易くなる。
1.ブレーキの作動、手動解放によってボルトを使い分けなくてよい。
2.手動解放時は、解放ボルトがブラケット又はブレーキカバーから離間しているため、ブレーキが手動解放状態か否かの判別が容易である。
3.解放ボルトは、常にブラケット又はブレーキカバーの貫通雌ねじ孔にあるため、ブラケット又はブレーキカバーと解放ボルトが螺合しているか否かを確認しながら作業をする必要がない。従って、解放ボルトと貫通雌ねじ孔の螺合不良により、解放ボルトを無理にねじ込んだ結果生じる、解放ボルト、ブラケットやブレーキカバーの破損を防ぐことができる。
4.解放ボルトはアーマチュアと接しておらず、剛性が高いブラケット又はブレーキカバーにねじ込まれているためねじ込み過ぎによりアーマチュアを変形させることがない。
5.ブレーキ作動中は、解放ボルトがブラケット又はブレーキカバーの貫通雌ねじ孔にねじ込まれ、固定されているため、装置の振動により、解放ボルトが緩むことはなく、誤ってブレーキが手動解放される恐れがない。
6.ブレーキの作動時には解放ボルトがブラケット又はブレーキカバーに完全にねじ込まれているため、装置の密封度が向上し、屋外使用も可能となる。
図1の(a)は、本発明の第1実施形態の無励磁作動形電磁ブレーキの手動解放機構を具えた無励磁作動形電磁ブレーキBの作動時の状態を示した縦断面図、(b)は、X−X線での縦断面図、(c)は、Y−Y線での縦断面図である。
本発明の手動解放機構は、主として、解放ボルト10、解放ピン12、解放ばね14、解放ばね用ホルダ16から構成される。
解放ボルト10は、ブラケット20の貫通雌ねじ孔20aに螺合される。解放ばね用ホルダ16は、ブラケット20に固定されたブレーキカバー36の反ブラケット側内部に取付けられる。解放ばね14は、解放ばね用ホルダ16に収納される。解放ピン12の根元部12aは、解放ばね14に挿入され、鍔部12b及び先端部12cは、解放ばね14から突出している。アーマチュア22には、解放ピン12の先端部12cを挿通させる孔18が設けられる(図1(b)参照)。解放ボルト10と解放ピン12は、解放ボルト10をねじ込んだ際、解放ピン12の先端部12cに解放ボルト10が接するよう、同軸上に配置される。
なお、本発明の手動解放機構は、図示したブレーキに限定されるものではなく、例えば、摩擦板と制動板は一体化され、回転軸とともに回転するブレーキでも使用可能である。
また、手動解放機構を複数設ける場合、等間隔に配置しなくてもよいが、等間隔に配置すると(図1(b)、図5(a)(b)参照)、ブレーキBの手動解放時に、アーマチュア22とヨーク32の間に隙間が生じることなく、アーマチュア22がヨーク32に当接されるため、手動解放を確実に行うことができる。
これにより、摩擦板24がアーマチュア22と制動板26に挟まれ、ブレーキBは作動状態となる(図1(c)参照)。
なお、制動ばね34の弾性反発力は、解放ばね14の弾性反発力よりも小さく設定されるが、ブレーキ作動状態においては、解放ばね14の弾性反発力は、解放ピン12の鍔部12b、ひいては、解放ボルト10により受け止められているので、解放ばね14の弾性反発力により、ブレーキBが誤って解放されることはない。
このG5の値が増大し、G3=0となると、ブレーキ作動時にも拘らず、解放ピン12がアーマチュア22をヨーク32側に押し込み手動解放状態になってしまう危険がある。従って、常に、G3>0であることが必要である。
ブレーキBを手動解放する場合は、解放ボルト10を緩め、解放ボルト10の頭部をブラケット20から離間させる。前述したとおり、解放ばね14の弾性反発力は、制動ばね34の弾性反発力よりも大きく設定されている。従って、解放ボルト10による押圧から解放されると、解放ばね14の弾性反発力により解放ピン12が、制動ばね34の弾性反発力に抗して、ブラケット20側に押し出される。これにより、鍔部12bがアーマチュア22をヨーク32に当接させるまで押し出し、アーマチュア22と摩擦板24が離間する。このとき、図2におけるG1は、図1(a)におけるG3よりも大きくなければならない。
仮に、図2におけるG1が、図1(a)におけるG3以下であると、アーマチュア22をヨーク32に押し出しても、アーマチュア22と摩擦板24を離間させることができないためである。かくして、アーマチュア22と摩擦板24が離間すると、アーマチュア22と制動板26による摩擦板24への制動力が発生しなくなるため、ブレーキBは解放状態となる。
なお、図2におけるG1、すなわち、解放ボルト10の移動距離は、下記の式により求められる。
G1=G2+図1(a)におけるG3+G6
手動解放時は、G2>0であるから、手動解放させるための解放ボルト10の移動距離の条件は、
G1>図1(a)におけるG3+G6
となる。G2>0の場合、解放ピン12による解放ボルト10への押圧力がなくなるため、解放ボルト10の緩めトルクが小さくなり、力を入れずに解放ボルト10を緩めることができる。これにより、手動解放状態であることが解放ボルト10の緩めトルクの変化から判別できる。
より確実に手動解放状態であることが判別できるようにするためには、解放ボルト10の移動距離を、オペレータに見えるように表示しておくことが望ましい。
図3に示すように、解放ボルト10がブラケット20に当接されていることから、ブレーキBは作動状態である。
本実施形態においては、ブラケット20に座繰り28を設けることで、ブレーキ作動状態か手動解放状態かをより判別し易くする。
つまり、作動時に、解放ボルト10を座繰り28の底面に当接するまでねじ込み、解放ボルト頭部上面がブラケット20の上面より低くなるようにし、手動解放時に、解放ボルト10の頭部の上面がブラケット20の上面と同じ高さ以上になるようにする。
このようにすることで、ブラケット20から解放ボルト10が突出しているか否かでブレーキB’の状態が把握できるため、ブラケット20の座繰り28付近を見ただけで、ブレーキB’が作動状態か手動解放状態かを判別できる。
本実施形態においては、反ブラケット側に手動解放機構を設けている。図8(b)に示すように、ブラケット側に手動解放操作をするスペースがなく、反ブラケット側に手動解放操作をするスペースがある場合は、手動解放機構を設ける場所を反ブラケット側にするのが好適である。
無励磁作動形電磁ブレーキB’’(以下、「ブレーキB’’」と略称する。)を作動状態にするには、解放ボルト10の頭部がブレーキカバー36に当接するまで、解放ボルト10をねじ込む。
ブレーキB’’の作動、手動解放及び通電解放の各状態の詳細については、第1実施形態と同様のため、説明は省略する。
なお、図示はしないが、ブレーキカバー36に座繰りを設けてもよい。
10 解放ボルト
12 解放ピン
12a 根元部
12b 鍔部
12c 先端部
14 解放ばね
16 解放ばね用ホルダ
18 孔
19 凹部
20 ブラケット
20a、20b 貫通雌ねじ孔
22 アーマチュア
24 摩擦板
26 制動板
28 座繰り
32 ヨーク
34 制動ばね
36 ブレーキカバー
Claims (2)
- ブラケットに固定されたブレーキカバー内に収納された制動ばね、摩擦板、制動板、アーマチュア及びヨークを具えた無励磁作動形電磁ブレーキにおいて、
前記無励磁作動形電磁ブレーキは、前記ブラケット又は前記ブレーキカバーの貫通雌ねじ孔に螺合された解放ボルト、根元部、鍔部、及び先端部からなる解放ピン、解放ばね、及び前記ブレーキカバー又は前記ブラケットに取付けられた解放ばね用ホルダを有し、
前記解放ばねは、解放ばね用ホルダに収納され、
前記アーマチュアには、前記解放ピンの前記先端部を挿通させる孔又は凹部が設けられ、
前記解放ばねは無励磁作動時に締め込まれた前記解放ボルト及び解放ピンにより圧縮されており、前記解放ボルトが緩められることにより、前記制動ばねの弾性反発力よりも大きく設定された弾性反発力により前記解放ピンが押し出され、前記解放ピンの前記鍔部が前記アーマチュアを押圧してブレーキが手動解放されることを特徴とする、
無励磁作動形電磁ブレーキのばね式手動解放機構。 - 前記ブラケットに座繰りが設けられ、ブレーキ作動時は、前記解放ボルトの頭部が前記座繰りに収納される、請求項1の無励磁作動形電磁ブレーキのばね式手動解放機構。
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