JP4476657B2 - ポリメチルアルミノキサン調製物、その製造方法、重合触媒およびオレフィン類の重合方法 - Google Patents

ポリメチルアルミノキサン調製物、その製造方法、重合触媒およびオレフィン類の重合方法 Download PDF

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Description

本発明は、オレフィン類の重合触媒に用いられるポリメチルアルミノキサン調製物、その製造方法、ポリメチルアルミノキサン調製物を触媒成分として用いる重合触媒およびオレフィン類の重合方法に関するものである。
アルミノキサンは一般に有機アルミニウム化合物の部分加水分解反応により調製される縮合生成物であり、オレフィン重合体の製造において、主触媒となる遷移金属化合物を効率的に活性化する助触媒成分として有用であることが知られている。原料の有機アルミニウム化合物としてトリメチルアルミニウムを用いたポリメチルアルミノキサン調製物が、特に優れた助触媒性能を示すことは広く知られている。これらの例として、(特許文献1)、(特許文献2)、(特許文献3)、(特許文献4)、(特許文献5)、(特許文献6)などを挙げることが出来る。
これまでに、ポリメチルアルミノキサン調製物の製造に関して、多くの提案がなされている。まず、硫酸銅や硫酸アルミニウムなどの結晶水を有する無機塩を用いて、水とトリアルキルアルミニウムの反応を制御しようとする提案を挙げることが出来る。これらの例として、(特許文献7)、(特許文献8)、(特許文献9)、(特許文献10)などを挙げることが出来る。これらの提案では、結晶水を効率よく利用するために、固体状の無機塩を十分微細な粒子に粉砕しなければならず、また長い反応時間を必要とする。さらに、生成したポリメチルアルミノキサン調製物が、先に挙げた無機塩へ多量に吸着されるため、大きな収率低下を引き起こしてしまう。
水を不活性溶媒中へ微分散させ、これを不活性溶媒に溶解希釈したトリメチルアルミニウムに添加するポリメチルアルミノキサン調製物の製造方法が提案されている。これらの例として、(特許文献11)、(特許文献12)、(特許文献13)、(特許文献14)、(特許文献15)などを挙げることが出来る。しかし、水とトリメチルアルミニウムの反応においては、過度に加水分解を受けたトリメチルアルミニウムの形態としての固形物やゲル状物の生成を避けることが出来ず、アルミニウムに基づく反応収率の低下をもたらす。また、極めて低濃度で加水分解反応を実施し、かつ、トリアルキルアルミニウムの加水分解度を低く押さえることにより、固形物やゲル状物の生成を抑制しようとする提案も見受けられる。しかし、このような調整法は、ポリメチルアルミノキサン調製物の著しい生成効率悪化をもたらす。
T.Moleらは、三級アルコール類、ケトン類およびカルボン酸類などの含酸素化合物とトリメチルアルミニウムの反応により生成するアルミニウムアルコキサイド化合物の熱分解反応により、ポリメチルアルミノキサン調製物が生成することを報告している。これら報文の例として、(非特許文献1)、(非特許文献2)、(非特許文献3)などを挙げることが出来る。このように調製されるメチルアルミノキサン調製物は、(非特許文4)において、オレフィン類の重合主触媒としての遷移金属錯体の助触媒として適するものではないと記述されており、有用なポリメチルアルミノキサン調製法とは認識されていなかった。
G.M.Smithらは、トリアルキルアルミニウムを炭素-酸素結合を含む有機化合物で処理して形成されるポリメチルアルミノキサンの前駆体を非加水分解的転化することにより、本質的にトリメチルアルミニウムを含まないポリメチルアルミノキサン調製物を得ることが出来、ここで生成するポリメチルアルミノキサン調製物は触媒的に有用なものであると(特許文献7)において述べている。非加水分解的転化とは、通常は熱的な分解反応を意味している。この熱分解反応は、ポリメチルアルミノキサン調製物などのルイス酸の添加によって促進され、熱分解時間を減少させることが出来ることが記述されている。これらに関する報文例として、(特許文献16)および(非特許文献5)などを挙げることが出来る。(非特許文献5)には、熱分解触媒として、ポリメチルアルミノキサン調製物と塩化アルミニウムが優れた触媒作用を示すことが示されている。しかし、非加水分解的手法により調製されるポリメチルアルミノキサン調製物を、オレフィン類の重合触媒成分として使用する場合、塩化アルミニウムなどのハロゲン含有アルキルアルミの使用は直接的な重合活性低下の原因となる。また、ポリメチルアルミノキサン調製物を熱分解触媒に用いる手法は、実際のポリメチルアルミノキサン調製物製造における制約のひとつとなり得る。例えば、ポリメチルアルミノキサン調製物は、本質的に原料トリメチルアルミニウムを含んでいるため、トリメチルアルミニウムと含酸素化合物の量比を設定する場合に、添加するポリメチルアルミノキサン調製物の組成および量によって、設定値がずれるという問題点を指摘することが出来る。したがって、熱分解触媒として現在までに知られている化合物は、工業的なポリメチルアルミノキサン調製物製造を考慮した場合、好ましいものではない。
S.A.Sangokoyaらは(特許文献17)において、触媒量の水を添加することにより、上述したポリメチルアルミノキサン前駆体の非加水分解的転化が促進されることを報告している。この提案は、熱分解触媒としてのポリメチルアルミノキサン添加の引き起こす問題点を一部解決する。しかし、非加水分解によるポリメチルアルミノキサン調製処方を採用しながら、水の添加量が過剰であった場合には、ゲル状物が生成し収率低下をもたらす。
特開昭58-19309号公報 特開昭60-35005号公報 特開昭62-234009号公報 特開昭63-234009号公報 特開昭64-66214号公報 特開平1-207355号公報 米国特許第4404344号明細書 米国特許第4544762号明細書 米国特許第4665208号明細書 特開平1-258686号公報 米国特許第4730071号明細書 米国特許4730072号明細書 特開平2-219805号公報 米国特許第5103031号明細書 特開平4-235990号公報 WO 97/23288号パンフレット 米国特許第6013820号明細書 オーストラリアン ジャーナル オブ ケミストリー(Australian Journal of Chemistry) 27, 1639 (1974) オーストラリアン ジャーナル オブ ケミストリー(Australian Journal of Chemistry) 27, 1655 (1974) オーストラリアン ジャーナル オブ ケミストリー(Australian Journal of Chemistry) 27, 1665 (1974) コンプリヘンシブ オルガノメタリック ケミストリー ツー(Comprehensive Organometallic Chemistry II) 1, 452 (1995) オルガノメタリクス (Organometallics) 20, 5162 (2001)
本発明が解決しようとする課題は、良好な収率で、かつ、優れた保存安定性を示すポリメチルアルミノキサン調製物を提供すると共に、このポリメチルアルミノキサン調製物と遷移金属化合物を用いて品質の良好なオレフィン系重合体を、工業的に効率よく、しかも安価に製造する方法を提供するものである。
本発明者らは、上記従来技術の問題点を解決するため鋭意研究を続けた結果、トリメチルアルミニウムと特定の含酸素有機化合物との反応により調製されるアルミニウム-酸素-炭素結合を有するアルキルアルミニウム化合物の熱分解反応により調製されるポリメチルアルミノキサン調製物により上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は以下の要旨にかかるものである。
(1) トリメチルアルミニウムと含酸素有機化合物との反応により形成されるアルミニウム-酸素-炭素結合を有するアルキルアルミニウム化合物の熱分解反応により生成されるポリメチルアルミノキサン調製物において、
(i) トリメチルアルミニウムと反応する含酸素有機化合物が、一般式(I)
R1-(COOH)n (I)
(式中R1は、C1〜C20の直鎖あるいは分岐したアルキル基、アルケニル基またはアリール基の炭化水素基を表し、nは1〜5の整数を表す。)
で表される脂肪族または芳香族カルボン酸であり、
(ii) 生成したポリメチルアルミノキサン調製物中に存在するメチル基の総モル数に対するトリメチルアルミニウムに由来するメチル基のモル分率が26mol%以下(ただし、0mol%を除く)
(iii) 生成したポリメチルアルミノキサン調製物の40℃における粘度が2.1×10-3Pa・sec以下
であることを特徴とするポリメチルアルミノキサン調製物。
(2) 前記一般式(I)で表される含酸素有機化合物が安息香酸である(1)項に記載のポリメチルアルミノキサン調製物。
(3) 前記一般式(I)で表される含酸素有機化合物がトルイル酸である(1)項に記載のポリメチルアルミノキサン調製物。
(4) トリメチルアルミニウムと一般式(I)
R1-(COOH)n (I)
(式中R1は、C1〜C20の直鎖あるいは分岐したアルキル基、アルケニル基またはアリール基の炭化水素基を表し、nは1〜5の整数を表す。)
で表される含酸素有機化合物とを反応させてアルミニウム-酸素-炭素結合を有するアルキルアルミニウム化合物を形成し、該アルキルアルミニウム化合物を熱分解することを特徴とし、メチル基の総モル数に対するトリメチルアルミニウムに由来するメチル基のモル分率が26mol%以下(ただし、0mol%を除く)で、40℃における粘度が2.1×10-3Pa・sec以下であるポリメチルアルミノキサン調製物を製造する方法において、トリメチルアルミニウムのモル数と前記一般式(I)で表される含酸素化合物中の酸素のモル数の比が、1.25〜 1.40 : 1の範囲にあることを特徴とするポリメチルアルミノキサン調製物の製造方法。
(5) 前記ポリメチルアルミノキサン調製物を製造する場合において、ルイス酸化合物の不存在下に熱分解することを特徴とする(4)項に記載のポリメチルアルミノキサン調製物の製造方法。
(6) 前記一般式(I)で表される含酸素有機化合物が、安息香酸である(4)項ないし(5)項のいずれか1項に記載のポリメチルアルミノキサン調製物の製造方法。
(7) 前記一般式(I)で表される含酸素有機化合物が、トルイル酸である(4)項ないし(5)項のいずれか1項に記載のポリメチルアルミノキサン調製物の製造方法。
(8) 一般式(II)
MR5R6R7R8 (II)
(式中、Mは遷移金属元素を示し、R5, R6 , R7, R8は一緒になってシクロアルカジエニル骨格を有する有機基、アルキル基、アルコシキ基、アリーロキシ基、アルキルシリル基、アルキルアミド基、アルキルイミド基、アルキルアミノ基、アルキルイミノ基またはハロゲン原子を示す。)
で表される遷移金属化合物と(1)項ないし(3)項のいずれか1項に記載のポリメチルアルミノキサン調製物を触媒成分とすることを特徴とするオレフィン類の重合触媒。
(9) (8)項に記載の重合触媒を用いたオレフィン類の重合方法。
すなわち、本発明は、トリメチルアルミニウムと特定の含酸素有機化合物との反応により調製されるアルミニウム-酸素-炭素結合を有するアルキルアルミニウム化合物の熱分解反応により調製されるポリメチルアルミノキサン調製物であって、含酸素有機化合物がカルボン酸であり、調製されたポリメチルアルミノキサン調製物溶液の粘度が2.2×10-3Pa・sec以下であるポリメチルアルミノキサン調製物、その製造方法、それと任意の遷移金属化合物からなるオレフィン類の重合触媒触媒およびオレフィン類の重合方法に関するものである。
本発明のポリメチルアルミノキサン調製物は、溶液粘度が低いため取り扱いやすく、冷蔵保存することなく長期間安定性を保持することが出来る。これと遷移金属化合物とを組合せて調製したオレフィン重合触媒は、重合活性が高くかつ安定した活性を示す。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明におけるポリメチルアルミノキサン調製物は、目的物であるポリメチルアルミノキサン以外に、未反応原料であるトリメチルアルミニウムを含む組成物(本発明では、「ポリメチルアルミノキサン調製物」と総称する)である。
本発明におけるポリメチルアルミノキサンとは、一般式(III)
-[(Me)Al-O]m- (III)
(式中、mは1〜60の整数を示す。) で表される単位からなる化合物と推定される。本発明におけるポリメチルアルミノキサンとは、上記単位を含むものであれば、鎖状構造であっても環状構造であってもよい。
これまでに提案されているポリメチルアルミノキサン調製物を得る多くの提案は、加水分解法によるものである。この場合、反応液中のアルミニウム濃度を低くし、かつ原料トリメチルアルミニウムに対する水の投入量を低く押さえなければ、アルミニウム回収率が大きく低下する。また、トリメチルアルミニウムはメタロセン触媒をはじめとする遷移金属錯体の活性化剤として作用しないため、ポリメチルアルミノキサン調製物中に残存するトリメチルアルミニウム量を制御することは重要な課題である。
したがって、アルミニウム-酸素-炭素結合を有するアルミニウム化合物の熱分解反応によりポリメチルアルミノキサン調製物を得るほとんどの文献においては、定量的な反応収率でポリメチルアルミノキサン調製物が得られるという点とポリメチルアルミノキサン調製物中のトリメチルアルミニウム量の制御可能な点に力点が置かれていた。
しかし、ポリメチルアルミノキサン調製物は、保存中に自己会合し、溶媒に不溶なゲル状物を生成するため、トリメチルアルミニウム含量やアルミニウム回収率と同様にポリメチルアルミノキサンの安定性向上は重要な課題である。一般に、このゲル状物の生成現象はポリメチルアルミノキサン溶液の濃度が高いほど、またポリメチルアルミノキサン調製物中のトリメチルアルミニウム量が少ないほど起こりやすい。また、この現象はポリメチルアルミノキサンの保存温度にも依存し、保存温度が低い方が長期間の保存安定性を示すことが知られている。
これまでの先行技術では、多くの含酸素化合物の使用例についての記述があるが、どのような含酸素化合物が保存安定性に優れたポリメチルアルミノキサン調製物を与えるのかという情報を得ることは出来ない。我々は、長期間の保存安定性に優れたポリメチルアルミノキサン調製物に適した含酸素化合物が存在するものと推定し、数多くの含酸素化合物の内で、特定のカルボン酸化合物が保存安定性に優れたポリメチルアルミノキサン調製物を与えることを見出した。
また、先行技術では、熱分解温度の高低により、ポリメチルアルミノキサン調製物の保存安定性に大きな影響を与えることが示されている。低い温度で調製されたポリメチルアルミノキサン調製物は、溶液粘性が低く、高い保存安定性が期待されるとの記述を認めることが出来る。しかし、溶液粘性と保存安定性の関係を詳細に検討した先行技術は全く認められない。
本発明では、特定の含酸素化合物を用いた場合に、溶液粘度と保存安定性の間に、先行文献から予想することの出来ない、保存安定性が特異的に変化する臨界粘度が存在することを見出した。
具体的には、さまざまな条件下にカルボン酸化合物を用いてポリメチルアルミノキサン調製物を調製し、その溶液粘度と保存安定性の関係を詳細に検討したところ、40℃における粘度が2.1×10-3Pa・secよりも小さいポリメチルアルミノキサン調製物の溶液では、室温下に90日程度の期間、ゲル状物の生成のない保存安定性に優れたポリメチルアルミノキサン調製物であることを見出した。
上述した溶液粘度が2.1×10-3Pa・secを上回る場合には、数日程度でゲル状物の堆積が認められ、著しく保存安定性の低下したポリメチルアルミノキサン調製物となる。
また、先行技術において、アルミニウム-酸素-炭素結合を有するアルキルアルミニウム化合物の熱分解反応の触媒として、溶液状あるいは固体状のポリメチルアルミノキサン調製物が有効であるとの記述が認められるが、その悪影響については全く記述が認められない。我々は、ポリメチルアルミノキサン調製物の添加により、生成するポリメチルアルミノキサン調製物の保存安定性が低下することも見出した。
また、ポリメチルアルミノキサン調製物は、100℃程度以上の高温に長時間さらされると、ゲル状物生成が著しく促進されることが知られている。したがって、高いアルミニウム回収率と高い保存安定性を示すポリメチルアルミノキサン調製物は、熱分解反応をゲル状物の生成を引起さない温度および反応時間で完結させなければならない。
このような観点から、熱分解の反応速度を上昇させるために添加するポリメチルアルミノキサンを必要とせず、ゲル状物の生成を引起さない条件で反応が完結する反応系の検討を詳細に行ったところ、含酸素有機化合物としてカルボン酸化合物を利用した場合に、ポリメチルアルミノキサンを添加することなく、低温かつ短時間でポリメチルアルミノキサン生成反応が進行することを見出し、本発明を完成するにいたった。
このように調製されたポリメチルアルミノキサン調製物は、均一系重合触媒を用いた場合においても、シリカなどの微粒子担体上へ遷移金属触媒と共に担持された固体触媒とした場合においても、オレフィン重合のための助触媒として高い活性を発現する。
本発明におけるポリメチルアルミノキサン調製物は、任意の不活性炭化水素化合物を溶媒として用いることができる。不活性炭化水素化合物としては、例えばn-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン、イソオクタンおよび精製ケロシンなどの飽和炭化水素化合物、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロヘプタンなどの環状脂肪族炭化水素化合物、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレンなどの芳香族炭化水素化合物が挙げられる。これらの化合物の中で、好ましいものはn-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンおよびトルエンである。
熱分解反応によりポリメチルアルミノキサンを与えるアルミニウム-酸素-炭素結合を有するアルキルアルミニウム化合物は、トリメチルアルミニウムと含酸素化合物の反応により調製される。ここで用いられる含酸素化合物とは、前記一般式(I)で示されるようなCOOH基を有するカルボン酸化合物である。ポリメチルアルミノキサンの調製に当たっては、これらを単独あるいは複数の化合物を用いることも可能である。前記一般式(I)で示される含酸素化合物を具体的に例示すると、例えば蟻酸、酢酸、プロピオン酸、正酪酸、正吉草酸、正カプロン酸、正エナント酸、正カプリル酸、正ペラルゴン酸、正カプリン酸、正ラウリン酸、正ミリスチン酸、正ステアリン酸、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、安息香酸、フタル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、トルイル酸、などを挙げることが出来る。この中で好ましいものは、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、フタル酸、トルイル酸、マロン酸である。
ポリメチルアルミノキサン調製物の合成に用いるトリメチルアルミニウムと含酸素有機化合物の酸素原子のモル比は、ポリメチルアルミノキサンの用途により、またトリメチルアルミニウム残量の制御を目的として、任意に設定することができる。前記一般式(I)で示される含酸素有機化合物の酸素原子に対するトリメチルアルミニウムのモル量は、0.5 〜3.0 : 1の範囲で任意に設定することができる。好ましくは1.0〜 1.7 : 1の範囲であり、さらに好ましくは1.25〜1.4 : 1の範囲である。
トリメチルアルミニウムと含酸素有機化合物の酸素原子のモル比が1.25を下回る場合、ポリメチルアルミノキサン調製物の粘度が高くなり、保存安定性の著しい低下を示す。一方、トリメチルアルミニウムと含酸素有機化合物の酸素原子のモル比が1.40を上回る場合にはポリメチルアルミノキサン調製物の粘度が低く抑えられ、保存安定性が向上するが、オレフィン重合活性の顕著な低下を引起すため、オレフィン重合助触媒としての性能を損なってしまう。
トリメチルアルミニウムと含酸素化合物の熱分解反応によって得られたポリメチルアルミニウム調製物に存在するメチル基の総モル数に対するアルミノキサン部に由来するメチル基のモル分率が26mol%を上回る場合、ポリメチルアルミノキサン調製物を用いたオレフィン重合における活性低下を引き起こすため、オレフィン重合助触媒としての性能を損なってしまう。
ポリメチルアルミノキサン調製物の前駆体であるアルミニウム-酸素-炭素結合を有するアルミニウム化合物の熱分解温度は、- 10 〜 200℃の間の任意の温度で実施することができる。好ましくは 30℃〜150℃であり、さらに好ましくは40℃〜80℃である。
ポリメチルアルミノキサン調製物の前駆体であるアルミニウム-酸素-炭素結合を有するアルミニウム熱分解化合物の反応速度は、ルイス酸の添加により促進されることが知られている。一般には、あらかじめ形成されたポリメチルアルミノキサンが用いられている。我々は、熱分解反応の触媒としてポリメチルアルミノキサンの添加量の影響について検討したところ、ポリメチルアルミノキサンの添加量により、熱分解で生成したポリメチルアルミノキサンの安定性に違いがあることを見出した。さらに、水を酸素源に用いて合成した加水分解法ポリメチルアルミノキサンと熱分解法により調製したポリメチルアルミノキサンを熱分解触媒に用い比較検討したところ、熱分解法ポリメチルアルミノキサンを用いた場合に、ポリメチルアルミノキサンの安定性が著しく低下することを見出した。上記の知見は、熱分解法によるポリメチルアルミノキサン調製時に添加するポリメチルアルミノキサン触媒は、生成ポリメチルアルミノキサンの安定性に悪影響を及ぼした結果と理解することが出来る。
さらに、従来熱分解触媒として用いられてきたポリメチルアルミノキサンは、正確には一般式(III)で示されるポリメチルアルミノキサンと未反応原料であるトリメチルアルミノキサンを含む組成物であるため、正確に含酸素化合物とトリメチルアルミニウムの量比を設定することが困難となった。これは、溶媒を除去した固体状アルミノキサンを用いた場合でも同様である。
また、従来熱分解触媒として用いられてきたルイス酸化合物として、塩化アルミニウムなどの化合物を挙げることができるが、ポリメチルアルミノキサンをオレフィン重合触媒の助触媒として用いるほとんどの場合において、塩化アルミニウムなどの含ハロゲン化合物は活性の低下を招くため好ましくない。
以上の知見より、いかなる熱分解触媒も使用する必要のない反応系の構築が好ましいものと考えられる。
不活性炭化水素溶媒中のポリメチルアルミノキサン調製物の濃度は、6〜40重量%の範囲で良く、好ましくは6〜30重量%であり、さらに好ましくは20〜25重量%である。
本発明のポリメチルアルミノキサン調製物は、反応後の処理を特に必要としないが、必要であれば、例えばアルミニウム濃度の調整等を目的として、減圧下に溶媒および内在する残留トリメチルアルミニウムなどの低沸点化合物を留去することも出来る。
本発明のポリメチルアルミノキサン調製物は、ポリメチルアルミノキサン調製物のルイス酸性制御、保存安定性および溶媒溶解性の更なる向上などを考慮し、有機アルミニウム化合物を初めとする有機金属化合物を、反応途中あるいは反応後に適当量混入させることができる。
本発明のポリメチルアルミノキサン調製物に適当量添加される有機アルミニウム化合物は、一般式(IV)
R9 pAlX3-p (IV)
(式中、R9は、C1〜C20の直鎖あるいは分岐したアルキル基、アルケニル基またはアリール基の炭化水素基を表し、Xは水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基またはアリロキシ基を示し、pは0<p≦3である。)で表すことができる。
一般式(IV)中のR9としては、より具体的に示すと、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、アミル基、イソアミル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、n-オクチル基、イソオクチル基などのアルキル基、フェニル基、トリル基、ペンタフルオロフェニル基などのアリール基などを挙げることができる。Xとしてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、フェノキシ基などのアリロキシ基を挙げることができる。
このような有機アルミニウム化合物の具体例として、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリ-n-ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ-n-ヘキシルアルミニウム、トリ-n-オクチルアルミニウムなどのアルキルアルミニウムを、トリフェニルアルミニウム、トリトリルアルミニウム、トリスペンタフルオロフェニルアルミニウムなどのトリアリールアルミニウムを、またジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライドなどの含ハロゲンアルキルアルミニウムを挙げることができる。また、これらのトリアルキルアルミニウムを単独あるいは組み合わせて用いることができる。ポリメチルアルミノキサン調製物へ添加される、最も好ましい有機アルミニウム化合物およびその組み合わせは、トリメチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ-n-ヘキシルアルミニウムあるいはトリ-n-オクチルアルミニウムおよびこれらを組み合わせたものである。
また、本発明のポリメチルアルミノキサンに適量添加することの出来る有機アルミニウム化合物以外の有機金属化合物としては、例えば、トリエチルホウ素、トリスペンタフルオロフェニルホウ素などのホウ素化合物、ジエチル亜鉛などの亜鉛化合物などを例示することが出来る。
ポリメチルアルミノキサン調製物に添加する有機金属化合物の量は、ポリメチルアルミノキサン調製物のアルミニウムのモル量に対する添加有機金属化合物の金属モル量で規定することができる。実際に有機金属化合物の添加する量は、重合に用いる溶媒、遷移金属触媒、重合方法などにより、最適量使用される。一般的に有機金属化合物を重合反応中に添加すると、遷移金属触媒のアルキル化、遷移金属触媒の還元、生成重合体の分子量に影響を与える連鎖移動剤などの働きをすることが知られている。しかし、添加する有機金属化合物量が多すぎると、遷移金属触媒を活性化し、その活性種を適度に安定化するポリメチルアルミノキサン量が減少し、重合反応に用いた場合に低活性をもたらす。このような観点から、ポリメチルアルミノキサン調製物のアルミニウムのモル量に対する添加有機金属化合物の金属モル量は、10 : 0.05〜10 : 5の範囲で実施されることが多く、より好ましくは10 : 0.05〜10 : 3範囲である。
本発明によるポリメチルアルミノキサン調製物は、未反応原料として内在するトリメチルアルミニウムを含有している。本発明において、ポリメチルアルミノキサン調製物中に存在するポリメチルアルミノキサンおよびトリメチルアルミニウムの量は、ポリメチルアルミノキサンおよびトリメチルアルミニウムに由来するメチル基のモル分率(それぞれ、Me(PMAO), Me(TMAL)と略記)により表現する。
ポリメチルアルミノキサン調製物中のそれぞれの成分のモル分率は、ポリメチルアルミノキサン調製物の1H-NMR測定により、それぞれの成分に帰属される面積比から求めることができる。以下に、具体的なMe(PMAO), Me(TMAL)のモル分率の求め方を例示する。
まず、重溶媒にはd8-THFを用いてポリメチルアルミノキサン調製物の1H-NMR測定を実施する。1H-NMR測定は300MHz バリアン・テクノロジーズ・ジャパン・リミテッドのGemini 2000 NMR測定装置を用い、測定温度24℃で行った。1H-NMRチャートの例を図1に示す。
(i) -0.3ppmから-1.2ppm程度に現われるトリメチルアルミノキサンを含むポリメチルアルミノキサン調製物のMe基ピークの全体の積分値を求め、これをI(ポリメチルアルミノキサン調製物)とする。
(ii) -1.1ppm付近のTMALに由来するMe基ピークを接線-1により切り出し、その積分値 I(TMAL-Me)を求める。
(iii) (ii)で求めたそれぞれの積分値を、(i)で求めた積分値 I(ポリメチルアルミノキサン調製物)から引くと、トリメチルアルミニウムを含まないポリメチルアルミノキサンのみのMe-基の積分値I(PMAO-Me)を求めることができる。I(TMAL-Me)およびI(PMAO-Me)をI(ポリメチルアルミノキサン調製物)で割って規格化すると、Me(PMAO), Me(TMAL)のモル分率を求めることが出来る。
なお、それぞれのピークの切り出し方法としては、市販のカーブフィッティングプログラムを用いる方法やベースラインコレクションを用いる方法などにより簡便に行うことが出来る。
本発明のポリメチルアルミノキサン調製物と組合わせて重合触媒調製に用いることの出来る遷移金属化合物は、オレフィン重合用触媒として知られている公知の遷移金属化合物を用いることが出来る。このような遷移金属化合物は、例えば一般式(II)
MR5R6R7R8 (II)
(式中、Mは遷移金属元素を示し、R5, R6 , R7, R8は一緒になってシクロアルカジエニル骨格を有する有機基、アルキル基、アルコシキ基、アリーロキシ基、アルキルシリル基、アルキルアミド基、アルキルイミド基、アルキルアミノ基、アルキルイミノ基、ハロゲン原子を示す。)で表すことができる。
一般式(II)中のMとしては、具体的にはチタン、ジルコニウム、ハフニウム、クロム、バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケルあるいはパラジウムであり、好ましくはチタン、ジルコニウム、クロム、鉄、ニッケルである。
前記一般式(II)において、好ましい遷移金属化合物としては、例えばシクロアルカジエニル骨格を有する配位子が1個ないし2個配位したメタロセン化合物である。シクロアルカジエニル骨格を有する配位子としては、たとえばシクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、ブチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基,ペンタメチルシクロペンタジエニル基などのアルキル置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基などを例示することができ、シクロアルカジエニル基は2価の置換アルキレン基、置換シリレン基等で架橋されていてもよい。
シクロアルカジエニル骨格を有する配位子以外の配位子は、炭素数が1〜20の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルシリル基、アミノ基、イミノ基、ハロゲン原子または水素原子である。炭素数が1〜20の炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基などを例示することができ、具体的には、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロビル基、ブチル基などが例示され、シクロアルキル基としては、シクロぺンチル基、シクロへキシル基などが例示され、アリール基としては、フェニル基、トリル基などが例示され、アラルキル基としてはべンジル基などが例示される。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが例示され、アリーロキシ基としてはフェノキシ基などが例示される。これらの基にはハロゲン原子などが置換していてもよい。アルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基などが例示される。ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が例示される。
前記一般式(II)中のMがジルコニウムである場合の、シクロアルカジエニル骨格を有する配位子を含む遷移金属化合物について、具体的に化合物を例示する。ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムモノブロミドモノハイドライド、ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウムハイドライド、ビス(シクロペンタジエニル)エチルジルコニウムハイドライド、ビス(シクロペンタジエニル)フェニルジルコニウムハイドライド、ビス(シクロペンタジエニル)べンジルジルコニウムハイドライド、ビス(シクロペンタジエニル)ネオぺンチルジルコニウムハイドライド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムモノクロリドハイドライド、ビス(インデニル)ジルコニウムモノクロリドハイドライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジブロミド、ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)エチルジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)シクロヘキシルジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)フェニルジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ベンジルジルコニウムモノクロリド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(インデニル)ジルコニウムジブロミド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジベンジル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムモノメトキシモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムモノエトキシモノクロリド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムモノエトキシモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムモノフエノキシモノクロリド、ビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
また、前記一般式(II)中のMがジルコニウムであり、シクロアルカジエニル骨格を有する配位子を少なくとも2個以上含み、かつ、この少なくとも2個のシクロアルカジエニル骨格を有する配位子がエチレン、プロピレンなどのアルキレン基、イソプロピリデン、ジフェニルメチレンなどの置換アルキレン基、シリレン基、ジメチルシリレンなどの置換シリレン基などを介して結合されている遷移金属化合物について、具体的な化合物を例示する.エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス(インデニル)ジエチルジルコニウム、エチレンビス(インデニル)ジフェニルジルコニウム、エチレンビス(インデニル)メチルジルコニウムモノクロリド、エチレンビス(インデニル)エチルジルコニウムモノクロリド、エチレンビス(インデニル)メチルジルコニウムモノブロミド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムブロミドなどを挙げることが出来る。
これらの遷移金属化合物は、均一系重合に際して、1種類のみ使用してもよいし、分子量分布調整等を目的として2種類以上を使用してもよい。また、あらかじめ固体触媒調製を行う場合に際しては、これらの遷移金属化合物を1種類のみ使用してもよいし、分子量分布調整等を目的として2種類以上を使用してもよい。
本発明のポリメチルアルミノキサン調製物を用いた均一系重合および本発明のポリメチルアルミノキサン調製物を用いた担持触媒を使用する重合は、重合形式として、溶媒を用いる溶液重合、溶媒を用いないバルク重合や気相重合等のいずれの方法においても適した性能を発揮する。また、連続重合、回分式重合のいずれの方法においても好ましい性能を発揮し、分子量調節剤としての水素なども必要に応じて用いることが出来る。
重合に用いられるモノマーについては、オレフィン系モノマーの単独およびそれらの組み合わされた共重合に用いることができるどのような化合物でも良い。具体例を示せば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-デセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどのα-オレフィン、ビスフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロペンなどのハロゲン置換オレフィン、シクロペンテン、シクロヘキセン、ノルボルネンなどの環状オレフィンが挙げられる。
ポリメチルアルミノキサン調製物の動粘度は、市販のウベローデ粘度計を用い、窒素雰囲気下、40℃に制御された恒温槽中で測定した。また、動粘度を粘度変換する場合に必要な比重は、比重計を用い40℃で測定した。
実施例
以下に本発明を実施例で詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。以下の反応は窒素ガス雰囲気下に行い、溶媒はすべて脱水および脱気して使用した。
(1) ポリメチルアルミノキサン調製物の合成
撹拌装置を有する内容積2Lのセパラブルフラスコに、トリメチルアルミニウム(以下、TMALと略称する) 240.8g(3.34mol)、トルエン160.2gを入れた。この溶液に26℃で安息香酸のトルエン溶液500.1g(安息香酸 0.49mol)をゆっくりと添加した。この反応液に、安息香酸 89.9g(0.74mol)を26℃で粉体投入し、その後50℃で加熱熟成を1時間行った。この時、TMALと安息香酸の酸素原子のモル比は、1.36 : 1であった。反応液を80℃で2時間加熱し、その後60℃で6.5時間加熱することにより、ポリメチルアルミノキサン調製物のトルエン溶液を得た。得られた溶液は、ゲル状物のない透明な液体であった。反応液回収後に行ったAl分析結果より、Al原子基準で示す反応収率は定量的なものであった。得られた反応液のAl濃度は、9.3wt%であった。得られたポリメチルアルミノキサン調製物のMe(TMAL)量を1H-NMRより求めたところ、21.4mol%であった。ウベローデ粘度計を用いて測定したポリメチルアルミノキサン溶液の粘度は1.71×10-3Pa・secであった。
得られたポリメチルアルミノキサン調製物は、25℃で90日間の保存安定性試験を実施したが、ゲル状物の生成および粘度上昇は認められなかった。
(2) エチレン重合評価
磁気撹拌装置を持つ500mlの四つ口フラスコにトルエン250mlを導入し、34℃に加熱した。これにAl原子換算で0.16gのポリメチルアルミノキサン調製物のトルエン溶液を加え、さらにAl/Zrのモル比が5000となるようにジシクロペンタジエニルジルコニウムジクロライド(Cp2ZrCl2)を加え、40℃に昇温しながらエチレンガスを吹き込んだ。10分後に、エチレンガスの供給を止め、メタノールを投入して触媒を失活させた。生成したポリエチレンを濾過乾燥し、重合活性を求めたところ69×106g-PE/mol-Zr・atm・hrであった。
(1) ポリメチルアルミノキサン調製物の合成
実施例1において、粉体投入した安息香酸量を、TMALと安息香酸の酸素原子のモル比が1.30 : 1となるように変更したことを除いては、実施例1と同様にポリメチルアルミノキサン調製物の合成を行った。得られた溶液は、ゲル状物のない透明な液体であった。反応液回収後に行ったAl分析結果より、Al原子基準で示す反応収率は定量的なものであった。得られた反応液のAl濃度は、9.4wt%であった。得られたポリメチルアルミノキサン調製物のMe(TMAL)量を1H-NMRより求めたところ、18.3mol%であった。ウベローデ粘度計を用いて測定したポリメチルアルミノキサン調製物の溶液粘度は1.93×10-3Pa・secであった。
得られたポリメチルアルミノキサン調製物は、25℃で90日間の保存安定性試験を実施したが、ゲル状物の生成および粘度上昇は認められなかった。
(2) エチレン重合評価
重合評価は実施例1記載の方法と同様に実施したところ、重合活性は72×106g-PE/mol-Zr・atm・hrであった。
(1) ポリメチルアルミノキサン調製物の合成
実施例1において、粉体投入した安息香酸量を、TMALと安息香酸の酸素原子のモル比が1.40 : 1となるように変更したことを除いては、実施例1と同様にポリメチルアルミノキサン調製物の合成を行った。得られた溶液は、ゲル状物のない透明な液体であった。反応液回収後に行ったAl分析結果より、Al原子基準で示す反応収率は定量的なものであった。得られた反応液のAl濃度は、9.4wt%であった。得られたポリメチルアルミノキサン調製物のMe(TMAL)量を1H-NMRより求めたところ、22.6mol%であった。ウベローデ粘度計を用いて測定したポリメチルアルミノキサン調製物の溶液粘度は1.60×10-3Pa・secであった。
得られたポリメチルアルミノキサン調製物は、25℃で90日間の保存安定性試験を実施したが、ゲル状物の生成および粘度上昇は認められなかった。
(2) エチレン重合評価
重合評価は実施例1記載の方法と同様に実施したところ、重合活性は70.5×106g-PE/mol-Zr・atm・hrであった。
(1) ポリメチルアルミノキサン調製物の合成
実施例1において、粉体投入した安息香酸量を、TMALと安息香酸の酸素原子のモル比が1.33 : 1となるように変更したことを除いては、実施例1と同様にポリメチルアルミノキサン調製物の合成を行った。得られた溶液は、ゲル状物のない透明な液体であった。反応液回収後に行ったAl分析結果より、Al原子基準で示す反応収率は定量的なものであった。得られた反応液のAl濃度は、9.4wt%であった。得られたポリメチルアルミノキサン調製物のMe(TMAL)量を1H-NMRより求めたところ、20.2mol%であった。ウベローデ粘度計を用いて測定したポリメチルアルミノキサン調製物の溶液粘度は1.83×10-3Pa・secであった。
得られたポリメチルアルミノキサン調製物は、25℃で90日間の保存安定性試験を実施したが、ゲル状物の生成および粘度上昇は認められなかった。
(2) エチレン重合評価
重合評価は実施例1記載の方法と同様に実施したところ、重合活性は70.5×106g-PE/mol-Zr・atm・hrであった。
(1) ポリメチルアルミノキサン調製物の合成
実施例1において、粉体投入した安息香酸量を、TMALと安息香酸の酸素原子のモル比が1.26 : 1となるように変更したことを除いては、実施例1と同様にポリメチルアルミノキサン調製物の合成を行った。得られた溶液は、ゲル状物のない透明な液体であった。反応液回収後に行ったAl分析結果より、Al原子基準で示す反応収率は定量的なものであった。得られた反応液のAl濃度は、9.3wt%であった。得られたポリメチルアルミノキサン調製物のMe(TMAL)量を1H-NMRより求めたところ、15.8mol%であった。ウベローデ粘度計を用いて測定したポリメチルアルミノキサン調製物の溶液粘度は2.02×10-3Pa・secであった。
得られたポリメチルアルミノキサン調製物を、25℃で保存安定性試験を実施したところ、80日までゲル状物の生成および粘度上昇は認められなかったが、80日経過後ゲル状物の堆積が認められた。
(2) エチレン重合評価
重合評価は実施例1記載の方法と同様に実施したところ、重合活性は71.0×106g-PE/mol-Zr・atm・hrであった。
比較例1
(1) ポリメチルアルミノキサン調製物の合成
実施例1において、粉体投入した安息香酸量を、TMALと安息香酸の酸素原子のモル比が1.23 : 1となるように変更したことを除いては、実施例1と同様にポリメチルアルミノキサン調製物の合成を行った。得られた溶液は、ゲル状物のない透明な液体であった。反応液回収後に行ったAl分析結果より、Al原子基準で示す反応収率は定量的なものであった。得られた反応液のAl濃度は、9.2wt%であった。得られたポリメチルアルミノキサン調製物のMe(TMAL)量を1H-NMRより求めたところ、13.0mol%であった。ウベローデ粘度計を用いて測定したポリメチルアルミノキサン調製物の溶液粘度は2.36×10-3Pa・secであった。
得られたポリメチルアルミノキサン調製物は、25℃の保存安定性試験を実施したところ、7日後にゲル状物の堆積が認められた。
比較例2
実施例1において、粉体投入した安息香酸量を、TMALと安息香酸の酸素原子のモル比が1.20 : 1となるように変更したことを除いては、実施例1と同様にポリメチルアルミノキサン調製物の合成を行った。得られた溶液は、ゲル状物のない透明な液体であった。反応液回収後に行ったAl分析結果より、Al原子基準で示す反応収率は定量的なものであった。得られた反応液のAl濃度は、9.3wt%であった。得られたポリメチルアルミノキサン調製物のMe(TMAL)量を1H-NMRより求めたところ、9.2mol%であった。ウベローデ粘度計を用いて測定したポリメチルアルミノキサン調製物の溶液粘度は2.76×10-3Pa・secであった。
得られたポリメチルアルミノキサン調製物は、25℃の保存安定性試験を実施したところ、3日後にゲル状物の堆積が認められた。
比較例3
(1) ポリメチルアルミノキサン調製物へのトリメチルアルミニウムの添加
比較例1において調製したポリメチルアルミノキサン調製物102.5g(Al含有量 345.5mmol, Me(TMAL)=13.0mol%)へトリメチルアルミニウム 6.1g(84.3mmol)添加し、40℃で30分間加熱を行った。得られたポリメチルアルミノキサン調製物のMe(TMAL)量を1H-NMRより求めたところ、19.8mol%であった。ウベローデ粘度計を用いて測定したポリメチルアルミノキサン調製物の溶液粘度は2.15×10-3Pa・secであった。
得られたポリメチルアルミノキサン調製物は、25℃の保存安定性試験を実施したところ、14日後にゲル状物の堆積が認められた。
比較例4
実施例1において、粉体投入した安息香酸量を、TMALと安息香酸の酸素原子のモル比が1.45 : 1となるように変更したことを除いては、実施例1と同様にポリメチルアルミノキサン調製物の合成を行った。得られた溶液は、ゲル状物のない透明な液体であった。反応液回収後に行ったAl分析結果より、Al原子基準で示す反応収率は定量的なものであった。得られた反応液のAl濃度は、9.3wt%であった。得られたポリメチルアルミノキサン調製物のMe(TMAL)量を1H-NMRより求めたところ、27.8mol%であった。ウベローデ粘度計を用いて測定したポリメチルアルミノキサン調製物の溶液粘度は1.46×10-3Pa・secであった。
得られたポリメチルアルミノキサン調製物は、25℃で90日間の保存安定性試験を実施したが、ゲル状物の生成および粘度上昇は認められなかった。
(2) エチレン重合評価
重合評価は実施例1記載の方法と同様に実施したところ、重合活性は51.0×106g-PE/mol-Zr・atm・hrと低い値を示した。
比較例5
(1) ポリメチルアルミノキサン調製物の合成
スターラーチップを入れた内容積300mlの丸底フラスコに、アセトフェノン40.85g(0.34mol)とトルエン34.8gを入れ、溶液内温を15℃とした。これに、滴下ロートに入れたTMALの60wt%TMAL溶液57.0g(TMAL 0.47mol)をゆっくりと添加した。その後、65℃で加熱熟成を1時間行った。この時、投入したTMALとアセトフェノンの酸素原子のモル比は、1.38 : 1であった。反応液に、ポリメチルアルミノキサン(Al濃度 7.21wt%)を30.3g(Al 0.081mol)投入し、さらに65℃で4時間加熱し、ポリメチルアルミノキサン調製物のトルエン溶液を得た。得られた溶液は、ゲル状物のない透明な黄色液体であった。反応液回収後に行ったAl分析結果より、Al原子基準で示す反応収率は定量的なものであった。得られた反応液のAl濃度は、9.1wt%であった。得られたポリメチルアルミノキサン調製物のMe(TMAL)量を1H-NMRより求めたところ、20.5mol%であった。ウベローデ粘度計を用いて測定したポリメチルアルミノキサン調製物の溶液粘度は2.01×10-3Pa・secであった。
得られたポリメチルアルミノキサン調製物は、25℃の保存安定性試験を実施したところ、7日後にゲル状物の堆積が認められた。
比較例6
(1) ポリメチルアルミノキサン調製物の合成
比較例1において、投入したアセトフェノン量を、TMALとアセトフェノンの酸素原子のモル比が1.34 : 1となるように変更したことを除いては、比較例1と同様にポリメチルアルミノキサン調製物の合成を行った。得られた溶液は、ゲル状物のない透明な淡黄色の液体であった。反応液回収後に行ったAl分析結果より、Al原子基準で示す反応収率は定量的なものであった。得られた反応液のAl濃度は、9.3wt%であった。得られたポリメチルアルミノキサン調製物のMe(TMAL)量を1H-NMRより求めたところ、18.2mol%であった。ウベローデ粘度計を用いて測定したポリメチルアルミノキサン調製物の溶液粘度は2.23×10-3Pa・secであった。
得られたポリメチルアルミノキサン調製物は、25℃の保存安定性試験を実施したところ、4日後にゲル状物の堆積が認められた。
比較例7
(1) ポリメチルアルミノキサン調製物の合成
比較例5において、得られたポリメチルアルミノキサン調製物のアルミニウム濃度が7.5wt%となるように、溶液濃度を変更したこと以外は、比較例5と同様にポリメチルアルミノキサン調製物の合成を行った。得られた溶液は、ゲル状物のない透明な淡黄色の液体であった。反応液回収後に行ったAl分析結果より、Al原子基準で示す反応収率は定量的なものであった。得られた反応液のAl濃度は、7.5wt%であった。得られたポリメチルアルミノキサン調製物のMe(TMAL)量を1H-NMRより求めたところ、23.3mol%であった。ウベローデ粘度計を用いて測定したポリメチルアルミノキサン調製物の溶液粘度は1.46×10-3Pa・secであった。
得られたポリメチルアルミノキサン調製物は、25℃の保存安定性試験を実施したところ、8日後にゲル状物の堆積が認められた。
比較例8
(3) ポリメチルアルミノキサン調製物の保存安定性評価
実施例1で用いたポリメチルアルミノキサン調製物の代わりに市販のポリメチルアルミノキサン調製物を用いた以外は、実施例1の方法と同様に評価を実施した。この溶液のAl濃度は、8.3wt%であった。このポリメチルアルミノキサン調製物のMe(TMAL)量を1H-NMRより求めたところ、47.7mol%であった。ウベローデ粘度計を用いて測定したポリメチルアルミノキサン調製物の溶液粘度は0.90×10-3Pa・secであった。
得られたポリメチルアルミノキサン調製物は、25℃の保存安定性試験を実施したところ、10日後にゲル状物の堆積が認められた。
比較例9
実施例1において、トリメチルアルミニウムと安息香酸の反応生成物の熱分解時に、実施例1で生成したポリメチルアルミノキサン調製物をトリメチルアルミニウムに対して3mol%投入したこと以外は、実施例1と同様にポリメチルアルミノキサン調製物を合成した。得られた溶液は、ゲル状物のない透明な液体であった。反応液回収後に行ったAl分析結果より、Al原子基準で示す反応収率は定量的なものであった。得られた反応液のAl濃度は、9.4wt%であった。得られたポリメチルアルミノキサン調製物のMe(TMAL)量を1H-NMRより求めたところ、22.2mol%であった。ウベローデ粘度計を用いて測定したポリメチルアルミノキサン調製物の溶液粘度は1.83×10-3Pa・secであった。
得られたポリメチルアルミノキサン調製物は、25℃の保存安定性試験を実施したところ、30日後にゲル状物の堆積が認められた。
比較例10
実施例1において、酸素源として用いた安息香酸の代わりに、ベンゾフェノンを用い、Al濃度を6.3wt%に設定したこと以外は、実施例1と同様にポリメチルアルミノキサン調製物の合成を試みた。得られた反応液中には、すでにゲル状物の生成が認められた。得られた溶液のAl濃度により、Al原子基準で示す反応収率は、67%と低いものであった。
図2はポリメチルアルミノキサン調製物の25℃における保存安定性の結果を示し、縦軸にポリメチルアルミノキサン溶液の粘度を、縦軸にゲル堆積が認められるまでの日数をとっている。ここにプロットしたデータは、同じ図中で比較できるように、実施例1から5と比較例1から3のものである。この図より、ポリメチルアルミノキサン調製物の保存安定性は、溶液粘度をパラメータとして見た場合に、臨界点を有する特異なものであることがわかる。
本発明のポリメチルアルミノキサン調製物は、溶液粘度が低いため取り扱いやすく、冷蔵保存することなく長期間安定性を保持することが出来る。これと遷移金属化合物とを組合せて調製したオレフィン重合触媒は、重合活性が高くかつ安定した活性を示すので、本発明のポリメチルアルミノキサン調製物はポリオレフィンの重合用助触媒として有用である。
本発明に従い得られたポリメチルアルミノキサン調製物の1H-NMRチャートである。 ポリメチルアルミノキサン調製物の粘度と保存安定日数の関係を示したグラフである。

Claims (9)

  1. トリメチルアルミニウムと含酸素有機化合物との反応により形成されるアルミニウム-酸素-炭素結合を有するアルキルアルミニウム化合物の熱分解反応により生成されるポリメチルアルミノキサン調製物において、
    (i) トリメチルアルミニウムと反応する含酸素有機化合物が、一般式(I)
    R1-(COOH)n (I)
    (式中R1は、C1〜C20の直鎖あるいは分岐したアルキル基、アルケニル基またはアリール基の炭化水素基を表し、nは1〜5の整数を表す。)
    で表される脂肪族または芳香族カルボン酸であり、
    (ii) 生成したポリメチルアルミノキサン調製物中に存在するメチル基の総モル数に対するトリメチルアルミニウムに由来するメチル基のモル分率が26mol%以下(ただし、0mol%を除く)
    (iii) 生成したポリメチルアルミノキサン調製物の40℃における粘度が2.1×10-3Pa・sec以下
    であることを特徴とするポリメチルアルミノキサン調製物。
  2. 前記一般式(I)で表される含酸素有機化合物が安息香酸である請求項1に記載のポリメチルアルミノキサン調製物。
  3. 前記一般式(I)で表される含酸素有機化合物がトルイル酸である請求項1に記載のポリメチルアルミノキサン調製物。
  4. トリメチルアルミニウムと一般式(I)
    R1-(COOH)n (I)
    (式中R1は、C1〜C20の直鎖あるいは分岐したアルキル基、アルケニル基またはアリール基の炭化水素基を表し、nは1〜5の整数を表す。)
    で表される含酸素有機化合物とを反応させてアルミニウム-酸素-炭素結合を有するアルキルアルミニウム化合物を形成し、該アルキルアルミニウム化合物を熱分解することを特徴とし、メチル基の総モル数に対するトリメチルアルミニウムに由来するメチル基のモル分率が26mol%以下(ただし、0mol%を除く)で、40℃における粘度が2.1×10-3Pa・sec以下であるポリメチルアルミノキサン調製物を製造する方法であって、トリメチルアルミニウムのモル数と前記一般式(I)で表される含酸素化合物中の酸素のモル数の比が、1.25 〜 1.40 : 1の範囲にあることを特徴とするポリメチルアルミノキサン調製物の製造方法。
  5. 前記ポリメチルアルミノキサン調製物を製造する場合において、ルイス酸化合物の不存在下に熱分解することを特徴とする請求項4に記載のポリメチルアルミノキサン調製物の製造方法。
  6. 前記一般式(I)で表される含酸素有機化合物が、安息香酸である請求項4ないし請求項5のいずれか1項に記載のポリメチルアルミノキサン調製物の製造方法。
  7. 前記一般式(I)で表される含酸素有機化合物が、トルイル酸である請求項4ないし請求項5のいずれか1項に記載のポリメチルアルミノキサン調製物の製造方法。
  8. 一般式(II)
    MR5R6R7R8(II)
    (式中、Mは遷移金属元素を示し、R5, R6 , R7, R8は一緒になってシクロアルカジエニル骨格を有する有機基、アルキル基、アルコシキ基、アリーロキシ基、アルキルシリル基、アルキルアミド基、アルキルイミド基、アルキルアミノ基、アルキルイミノ基またはハロゲン原子を示す。)
    で表される遷移金属化合物と請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のポリメチルアルミノキサン調製物を触媒成分とすることを特徴とするオレフィン類の重合触媒。
  9. 請求項に記載の重合触媒を用いたオレフィン類の重合方法。
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