JP6198562B2 - マイクロ波を用いたメチルアルミノキサン組成物の製造方法 - Google Patents
マイクロ波を用いたメチルアルミノキサン組成物の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6198562B2 JP6198562B2 JP2013213844A JP2013213844A JP6198562B2 JP 6198562 B2 JP6198562 B2 JP 6198562B2 JP 2013213844 A JP2013213844 A JP 2013213844A JP 2013213844 A JP2013213844 A JP 2013213844A JP 6198562 B2 JP6198562 B2 JP 6198562B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- methylaluminoxane
- composition
- trimethylaluminum
- methylaluminoxane composition
- precursor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Description
[1]
トリメチルアルミニウムと有機カルボン酸化合物とを反応させてメチルアルミノキサン前駆体を調製し、次いで得られたメチルアルミノキサン前駆体を熱分解してメチルアルミノキサン組成物を製造する方法において、前記熱分解はメチルアルミノキサン前駆体にマイクロ波を照射することで行う、前記アルミノキサン組成物の製造方法。
[2]
前記メチルアルミノキサン前駆体の調製及びメチルアルミノキサン前駆体を熱分解は、有機溶媒中で行い、かつメチルアルミノキサン前駆体の熱分解は100℃以上の温度で行う[1]に記載の製造方法。
[3]
メチルアルミノキサン前駆体に対するマイクロ波の照射は、メチルアルミノキサン前駆体が所定温度に加熱されるように連続的または断続的に行う[1]または[2]に記載の製造方法。
[4]
メチルアルミノキサン前駆体に対するマイクロ波照射後に、得られた熱分解物は、放冷または強制冷却される[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]
メチルアルミノキサン前駆体のマイクロ波照射は、密閉耐圧容器中にて行われる[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]
メチルアルミノキサン前駆体のマイクロ波照射は、フロー型反応器中にて行われる[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[7]
有機カルボン酸化合物が、安息香酸、フタル酸及びトルイル酸から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物である[1]〜[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8]
マイクロ波照射されるメチルアルミノキサン前駆体は、メチルアルミノキサン前駆体調製用原料として用いたトリメチルアルミニウムと有機カルボン酸化合物及び有機溶媒以外の成分を含まない、[2]〜[7]のいずれかに記載の製造方法。
[9]
有機カルボン酸化合物中の酸素原子モル数に対するトリメチルアルミニウムのアルミニウムのモル数の比[Al]/[O]が1.1〜1.8の範囲であり、
反応生成物中のメチルアルミノキサンに由来するメチル基及びトリメチルアルミニウムに由来するメチル基の合計量に対するトリメチルアルミニウムに由来するメチル基のモル分率Me(TMAL)が下記式を満足する(但し、k≦63)[1]〜[7]のいずれかに記載の製造方法。
Me(TMAL)=k×[Al]/[O]−64.66
[10]
メチルアルミノキサン、トリメチルアルミニウムを含有し、かつ
メチルアルミノキサンに由来するメチル基及びトリメチルアルミニウムに由来するメチル基の合計量に対するトリメチルアルミニウムに由来するメチル基のモル分率Me(TMAL)が下記式を満足する(但し、k≦63)メチルアルミノキサン組成物(但し、メチルアルミノキサン組成物のモル数の比[Al]/[O]は1.1〜1.8の範囲である。)。
Me(TMAL)=k×[Al]/[O]−64.66
[11]
有機カルボン酸化合物及び/または有機溶媒をさらに含有する[10]に記載のメチルアルミノキサン組成物。
[12]
固体状である[10]に記載のメチルアルミノキサン組成物。
本発明は、トリメチルアルミニウムと有機カルボン酸化合物とを反応させてメチルアルミノキサン前駆体を調製し、次いで得られたメチルアルミノキサン前駆体を熱分解してメチルアルミノキサン組成物を製造する方法において、前記熱分解はメチルアルミノキサン前駆体にマイクロ波を照射することで行う、前記アルミノキサン組成物の製造方法に関する。
トリメチルアルミニウムと有機カルボン酸化合物とを反応させてメチルアルミノキサン前駆体を調製する。この反応によるメチルアルミノキサン前駆体の調製は、所定量のトリメチルアルミニウムと有機カルボン酸化合物とを有機溶媒中で混合することが行うことができる。
前記で調製したメチルアルミノキサン前駆体は、熱分解してメチルアルミノキサン組成物を得る。熱分解はメチルアルミノキサン前駆体にマイクロ波を照射することで行う。用いるマイクロ波の周波数は特に制限がないが、例えば、1GHz〜300GHzの範囲の周波数を有するマイクロ波を用いることができ、通常は2.45GHzのマイクロ波を用いる。また、マイクロ波の照射方法には特に制限がなく、所望の加熱温度に制御できる範囲での連続的な照射または間欠的な照射またはその両者を組み合わせて行うことができる。
−[(Me)Al−O]n− (I)
Me(TMAL)=k×[Al]/[O]−64.66
kは定数であり、保存安定性が良好で、かつフィン重合のための助触媒として高い活性を発現するメチルアルミノキサン組成物を得るという観点から好ましくはk≦63、より好ましくはk≦62、さらに好ましくはk≦61である。kは小さいほど好ましいが、下限は、例えば、実質的には50である。但し、この値に限定される意図ではない。
Me(TMAL)=k×[Al]/[O]−64.66
kは定数であり、保存安定性が良好で、かつフィン重合のための助触媒として高い活性を発現するメチルアルミノキサン組成物を得るという観点から好ましくはk≦63、より好ましくはk≦62、さらに好ましくはk≦61である。下限は、例えば、実質的には50である。kは小さいほど好ましい。前述のように、従来法では、上記式中のkは65.4である。それに対して、本発明のメチルアルミノキサン組成物ではk≦63、より好ましくはk≦62、さらに好ましくはk≦61であり、kが小さいメチルアルミノキサン組成物は、メチル基のモル分率Me(TMAL)が相対的に低く、保存安定性が良好で、かつフィン重合のための助触媒として高い活性を発現するメチルアルミノキサン組成物である。
本発明の製造方法で得られたメチルアルミノキサン組成物及び本発明のメチルアルミノキサン組成物は、既存の遷移金属化合物と組み合わせて重合触媒調製に用いることができる。遷移金属化合物は、オレフィン重合用触媒として知られている公知の遷移金属化合物を用いることが出来る。このような遷移金属化合物は、例えば一般式(II)で表すことができる。
MR5R6R7R8 (II)
(式中、Mは遷移金属元素を示し、R5, R6 , R7, R8は一緒になってシクロアルカジエニル骨格を有する有機基、アルキル基、アルコシキ基、アリーロキシ基、アルキルシリル基、アルキルアミド基、アルキルイミド基、アルキルアミノ基、アルキルイミノ基、ハロゲン原子を示す。)
(1)アルミニウム含量
メチルアルミノキサン組成物のアルミニウム含量は、基本的に0.5Nの硫酸水溶液で加水分解した溶液に過剰量のエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムを加えた後に、ジチゾンを指示薬とし硫酸亜鉛で逆滴定することにより求めた。測定濃度が希薄な場合は、原子吸光分析法を用いて測定を行った。
メチルアルミノキサン組成物中のそれぞれの成分のモル分率は、メチルアルミノキサン組成物の1H−NMR測定により、それぞれの成分に帰属される面積比から求めた。以下にメチルアルミノキサン組成物の具体的なMe(MAO),Me(TMAL)のモル分率の求め方を例示する。メチルアルミノキサン化合物に由来するメチル基のモル分率をMe(MAO)と表す。トリメチルアルミニウムに由来するメチル基のモル分率をMe(TMAL)と表す。ここで求めたMe(TMAL)は、メチルアルミノキサン組成物中のトリメチルアルミニウム残留量の指標としての意味を有する。
(i)−0.3ppmから−1.2ppm程度に現われるトリメチルアルミニウムを含むメチルアルミノキサン化合物のMe基ピークの全体の積分値を求め、これをI(メチルアルミノキサン)とする。
(ii)−1.1ppm付近のTMALに由来するMe基ピークを接線−1により切り出し、その積分値I(TMAL−Me)を求める。
(iii)(ii)で求めたそれぞれの積分値を、(i)で求めた積分値 I(メチルアルミノキサン)から引くと、トリメチルアルミニウムを含まないメチルアルミノキサン化合物のみのMe−基の積分値I(MAO−Me)を求めることができる。I(TMAL−Me)およびI(MAO−Me)をI(メチルアルミノキサン)で割って規格化すると、Me(MAO,Me(TMAL)のモル分率を求めることが出来る。
また、メチルアルミノキサン組成物の分析サンプルは、メチルアルミノキサン組成物の約0.05mlに対しd8−THFを約0.5ml添加することにより調製した。
(1)メチルアルミノキサン組成物の合成
安息香酸(1.99g, 16.3mmol)を100ml 二口フラスコに入れ真空乾燥した。フラスコを氷浴で冷やしながら、TMALトルエン溶液(20ml,44.4mmol)を窒素雰囲気下ゆっくりと滴下した後、後室温に戻し1時間撹拌した。この溶液を前駆体溶液として加熱反応に使用([Al]/[O]=1.36)。氷浴で冷却中の反応容器内は白色固体の懸濁液であり、室温での撹拌により無色透明の溶液。溶液のNMR から安息香酸の消費を確認。グローブボックス中で、前駆体溶液(3ml)を耐圧ガラスチューブにはかり取り、セプタムキャップ後、グローブボックスから取り出した。その後、マイクロ波照射装置にセットし、10分間のマイクロ波加熱を行った。マイクロ波照射は、反応温度が140℃となるようにプログラムした。得られた反応液は透明な液体で、着色や不溶性固体の存在は認められなかった。(図3)
得られたメチルアルミノキサン組成物の溶液をd8−THF溶媒を用いて1H−NMR測定を行ったところ、Me(TMAL)値は19.2mol%であった。この液のAl濃度測定より求めた収率は100%であった。
攪拌装置を有する500mlのフラスコにトルエン250mlを導入し、これにAl原子基準で0.16gのメチルアルミノキサン組成物のトルエン溶液を加えた。次いで、Al/Zrモル比5000となるようにジシクロペンタジエニルジルコニウムクロライドを加え、40℃でエチレンガスを吹き込んだ。重合系内の圧力は1気圧で、重合時間は10minとした。重合停止は酸性メタノールを添加することにより行い、生成したポリエチレンを濾取、減圧乾燥後に重量測定することで重合活性を求めたところ、65×106g−PE/mol−Zr・atm・hrであった。
得られたメチルアルミノキサン組成物をガラス製サンプル瓶中で室温下に保管したところ、25日後にゲル状物のガラス壁への付着を認めた。
(1)メチルアルミノキサン組成物の合成
マイクロ波照射による加熱温度の設定値を120℃にプログラムしたこと以外は、実施例1と同様にしてメチルアルミノキサン組成物合成検討を行った。得られた反応液を1H−NMR測定したところ、反応中間体の残留が確認され、十分にメチルアルミノキサン組成物へ変換されていなかった。(図3)そこで、更にマイクロ波照射による120℃の加熱を30分間行ったところ、メチルアルミノキサン組成物の形成が完結しており、得られた反応液は透明な液体であった。
得られたメチルアルミノキサン組成物の溶液を実施例1(3)記載の方法と同様に1H−NMR測定を行ったところ、Me(TMAL)値は19.5mol%であった。この液のAl濃度測定より求めた収率は100%であった。
得られたメチルアルミノキサン組成物の溶液を実施例1(3)記載の方法と同様にエチレン重合を行ったところ、その重合活性は64×106g−PE/mol−Zr・atm・hrであった。
(1)メチルアルミノキサン組成物の合成
安息香酸量を調整して[Al]/[O]比を1.75とし、マイクロ波照射による加熱温度の設定値を120℃にプログラムしたこと以外は、実施例1と同様にメチルアルミノキサン組成物合成を行った。得られた反応液は透明な液体で、着色や不溶性固体の存在は認められなかった。(図4)
得られたメチルアルミノキサン組成物の溶液をd8−THF溶媒を用いて1H−NMR測定を行ったところ、Me(TMAL)値は43.2mol%であった。この液のAl濃度測定より求めた全工程の収率は100%であった。
実施例1(3)記載の方法と同様にエチレン重合を行ったところ、その重合活性は41×106g−PE/mol−Zr・atm・hrであった。
(1)メチルアルミノキサン組成物の合成
マイクロ波照射による加熱温度の設定値を100℃にプログラムしたこと以外は、実施例3と同様にメチルアルミノキサン組成物合成を行った。得られた反応液は透明な液体で、着色や不溶性固体の存在は認められなかった。(図4)
得られたメチルアルミノキサン組成物の溶液をd8−THF溶媒を用いて1H−NMR測定を行ったところ、Me(TMAL)値は42.5mol%であった。この液のAl濃度測定より求めた全工程の収率は100%であった。
実施例1(3)記載の方法と同様にエチレン重合を行ったところ、その重合活性は42×106g−PE/mol−Zr・atm・hrであった。
(1)メチルアルミノキサン組成物の合成
安息香酸量を調整して[Al]/[O]比を1.50とし、マイクロ波照射による加熱温度の設定値を120℃にプログラムしたこと以外は、実施例1と同様にメチルアルミノキサン組成物合成を行った。得られた反応液を1H−NMR測定したところ、反応中間体の残留が確認され、十分にメチルアルミノキサン組成物へ変換されていなかった。(図5)そこで、更にマイクロ波照射による120℃の加熱を30分間行ったところ、メチルアルミノキサン組成物の形成が完結しており、得られた反応液は透明な液体であった。
得られたメチルアルミノキサン組成物の溶液をd8−THF溶媒を用いて1H−NMR測定を行ったところ、Me(TMAL)値は30.4mol%であった。この液のAl濃度測定より求めた全工程の収率は100%であった。
実施例1(3)記載の方法と同様にエチレン重合を行ったところ、その重合活性は56.3×106g−PE/mol−Zr・atm・hrであった。
(1)メチルアルミノキサン組成物の合成
安息香酸量を調整して[Al]/[O]比を1.50とし、マイクロ波照射による加熱温度の設定値を130℃にプログラムしたこと以外は、実施例1と同様にメチルアルミノキサン組成物合成を行った。得られた反応液を1H−NMR測定したところ、反応中間体の残留が確認され、十分にメチルアルミノキサン組成物へ変換されていなかった。(図5)そこで、更にマイクロ波照射による130℃の加熱を10分間行ったところ、メチルアルミノキサン組成物の形成が完結しており、得られた反応液は透明な液体であった。(図5)
得られたメチルアルミノキサン組成物の溶液をd8−THF溶媒を用いて1H−NMR測定を行ったところ、Me(TMAL)値は30.0mol%であった。この液のAl濃度測定より求めた全工程の収率は100%であった。
実施例1(3)記載の方法と同様にエチレン重合を行ったところ、その重合活性は56×106g−PE/mol−Zr・atm・hrであった。
(1)メチルアルミノキサン組成物の合成
安息香酸量を調整して[Al]/[O]比を1.50とし、マイクロ波照射による加熱時間を5分間にプログラムしたこと以外は、実施例1と同様にメチルアルミノキサン組成物合成を行った。得られた反応液を1H−NMR測定したところ、メチルアルミノキサン組成物の形成が完結しており、得られた反応液は透明な液体であった。(図5)
得られたメチルアルミノキサン組成物の溶液をd8−THF溶媒を用いて1H−NMR測定を行ったところ、Me(TMAL)値は29.5mol%であった。この液のAl濃度測定より求めた全工程の収率は100%であった。
実施例1(3)記載の方法と同様にエチレン重合を行ったところ、その重合活性は58×106g−PE/mol−Zr・atm・hrであった。
(1)メチルアルミノキサン組成物の合成
マイクロ波照射による加熱温度の設定値を150℃にプログラムし、マイクロ波照射による加熱時間を3分間にプログラムしたこと以外は、実施例4と同様にメチルアルミノキサン組成物合成を行った。得られた反応液は透明な液体で、着色や不溶性固体の存在は認められなかった。(図5)
得られたメチルアルミノキサン組成物の溶液をd8−THF溶媒を用いて1H−NMR測定を行ったところ、Me(TMAL)値は30.2mol%であった。この液のAl濃度測定より求めた全工程の収率は100%であった。
実施例1(3)記載の方法と同様にエチレン重合を行ったところ、その重合活性は57×106g−PE/mol−Zr・atm・hrであった。
(1)メチルアルミノキサン組成物の合成
図1に示したフロー型反応器を用いた。フロー型反応器は内径0.8mmのテフロンチューブであり、シリンジポンプにてメチルアルミノキサン前駆体のトルエン溶液を流速0.5mL/minで送液した。マイクロ波照射部での滞留時間は10分間となるようにした。
得られたメチルアルミノキサン組成物の溶液をd8−THF溶媒を用いて1H−NMR測定を行ったところ、Me(TMAL)値は19.5mol%であった。この液のAl濃度測定より求めた全工程の収率は100%であった。
実施例1(3)記載の方法と同様にエチレン重合を行ったところ、その重合活性は66×106g−PE/mol−Zr・atm・hrであった。
得られたメチルアルミノキサン組成物を実施例1と同様な条件下に保存したところ、52日後にゲル状物の反応器壁への付着を認めた。
(1)メチルアルミノキサン組成物の合成
マイクロ波を使用せず、140℃に設定したオイルバスに前駆体溶液を入れた耐圧ガラスチューブに浸けて加熱を、実施例1と同様にしてメチルアルミノキサン組成物合成検討を行った。得られた反応液を1H−NMR測定したところ、反応中間体の残留が確認され、十分にメチルアルミノキサン組成物へ変換されていなかった。そこで、更に140℃のオイルバス加熱を分間行ったところ、メチルアルミノキサン組成物の形成が完結しており、得られた反応液は透明な液体であった。
得られたメチルアルミノキサン組成物の溶液をd8−THF溶媒を用いて1H−NMR測定を行ったところ、Me(TMAL)値は24.0mol%であった。この液のAl濃度測定より求めた収率は100%であった。
得られたメチルアルミノキサン組成物の溶液を実施例1(3)記載の方法と同様にエチレン重合を行ったところ、その重合活性は60×106g−PE/mol−Zr・atm・hrであった。
得られたメチルアルミノキサン組成物をガラス製サンプル瓶中で室温下に保管したところ、15日後にゲル状物のガラス壁への付着を認めた。
(1)メチルアルミノキサン組成物の合成
マイクロ波を使用せず、100℃に設定したオイルバスに前駆体溶液を入れた耐圧ガラスチューブに浸けて加熱を、実施例3と同様にしてメチルアルミノキサン組成物合成検討を行った。得られた反応液を1H−NMR測定したところ、反応中間体の残留が確認され、十分にメチルアルミノキサン組成物へ変換されていなかった。そこで、更に100℃のオイルバス加熱を60分間行ったところ、メチルアルミノキサン組成物の形成が完結しており、得られた反応液は透明な液体であった。
得られたメチルアルミノキサン組成物の溶液をd8−THF溶媒を用いて1H−NMR測定を行ったところ、Me(TMAL)値は49.2mol%であった。この液のAl濃度測定より求めた収率は100%であった。
得られたメチルアルミノキサン組成物の溶液を実施例1(3)記載の方法と同様にエチレン重合を行ったところ、その重合活性は38×106g−PE/mol−Zr・atm・hrであった。
(1)メチルアルミノキサン組成物の合成
安息香酸量を調整して[Al]/[O]比を1.50としたこと以外は、実施例7と同様にメチルアルミノキサン組成物合成を行った。得られた反応液を1H−NMR測定したところ、反応中間体の残留が確認され、十分にメチルアルミノキサン組成物へ変換されていなかった。そこで、更に100℃のオイルバス加熱を60分間行ったところ、メチルアルミノキサン組成物の形成が完結しており、得られた反応液は透明な液体であった。
得られたメチルアルミノキサン組成物の溶液をd8−THF溶媒を用いて1H−NMR測定を行ったところ、Me(TMAL)値は33.4mol%であった。この液のAl濃度測定より求めた全工程の収率は100%であった。
実施例1(3)記載の方法と同様にエチレン重合を行ったところ、その重合活性は56×106g−PE/mol−Zr・atm・hrであった。
(1)メチルアルミノキサン組成物の合成
実施例1と同様に調製したメチルアルミノキサン前駆体反応液を耐圧密閉容器でない通常のガラスフラスコに還流冷却器(水冷)を付け、オイルバスにて80℃で4時間加熱し、その後60℃で6.5時間加熱することにより、メチルアルミノキサン組成物のトルエン溶液を得た。得られた溶液は、ゲル状物のない透明な液体であった。
得られたメチルアルミノキサン組成物の溶液をd8−THF溶媒を用いて1H−NMR測定を行ったところ、Me(TMAL)値は24.4mol%であった。この液のAl濃度測定より求めた全工程の収率は100%であった。また、得られた反応液のAl濃度は、9.3wt%であった。
実施例1(3)記載の方法と同様にエチレン重合を行ったところ、63×106g−PE/mol−Zr・atm・hrであった。
得られたメチルアルミノキサン組成物をガラス製サンプル瓶中で室温下に保管したところ、30日後にゲル状物のガラス壁への付着を認めた。
近似式は、Me(TMAL)=65.4×[Al]/[O]−64.66。
比較例4に相当する合成法とは、メチルアルミノキサン前駆体溶液の加熱処理に際し、全体の加熱時間の約4割を80℃で加熱し、残りを60℃加熱処理する方法を指す。
(1)メチルアルミノキサン組成物の合成
実施例1と同様に調製したメチルアルミノキサン前駆体反応液を、耐圧密閉容器でない通常のガラスフラスコに還流冷却器(水冷)を付け、オイルバスにて90℃で加熱しメチルアルミノキサン組成物のトルエン溶液を得ようとしたところ、途中で急激な反応によりリフラックスが起こり、反応制御不能となった。得られた溶液は、ゲル状物が認められる粘調性の高い液体であった。
Claims (6)
- トリメチルアルミニウムと有機カルボン酸化合物とを反応させてメチルアルミノキサン前駆体を調製し、次いで得られたメチルアルミノキサン前駆体を熱分解してメチルアルミノキサン組成物を製造する方法において、
前記メチルアルミノキサン前駆体の調製において、有機カルボン酸化合物中の酸素原子モル数に対するトリメチルアルミニウムのアルミニウムのモル数の比[Al]/[O]が1.15〜1.4の範囲であり、かつ
前記熱分解は、フロー型反応器においてメチルアルミノキサン前駆体にマイクロ波を照射して120℃以上の温度に加熱し、加熱後に冷却器において冷却することで行い、ゲル状物を含まないメチルアルミノキサン組成物を得る、
前記アルミノキサン組成物の製造方法。 - 前記メチルアルミノキサン前駆体の調製及びメチルアルミノキサン前駆体の熱分解は、有機溶媒中で行う請求項1に記載の製造方法。
- メチルアルミノキサン前駆体のマイクロ波照射は、密閉耐圧容器中にて行われる請求項1〜2のいずれかに記載の製造方法。
- 有機カルボン酸化合物が、安息香酸、フタル酸及びトルイル酸から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- マイクロ波照射されるメチルアルミノキサン前駆体は、メチルアルミノキサン前駆体調製用原料として用いたトリメチルアルミニウムと有機カルボン酸化合物及び有機溶媒以外の成分を含まない、請求項2〜4のいずれかに記載の製造方法。
- 反応生成物中のメチルアルミノキサンに由来するメチル基及びトリメチルアルミニウムに由来するメチル基の合計量に対するトリメチルアルミニウムに由来するメチル基のモル分率Me(TMAL)が下記式を満足する(但し、k≦63)請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
Me(TMAL)=k×[Al]/[O]−64.66
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013213844A JP6198562B2 (ja) | 2013-10-11 | 2013-10-11 | マイクロ波を用いたメチルアルミノキサン組成物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013213844A JP6198562B2 (ja) | 2013-10-11 | 2013-10-11 | マイクロ波を用いたメチルアルミノキサン組成物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015074644A JP2015074644A (ja) | 2015-04-20 |
JP6198562B2 true JP6198562B2 (ja) | 2017-09-20 |
Family
ID=52999775
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013213844A Active JP6198562B2 (ja) | 2013-10-11 | 2013-10-11 | マイクロ波を用いたメチルアルミノキサン組成物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6198562B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4476657B2 (ja) * | 2004-03-22 | 2010-06-09 | 東ソー・ファインケム株式会社 | ポリメチルアルミノキサン調製物、その製造方法、重合触媒およびオレフィン類の重合方法 |
JP4997414B2 (ja) * | 2004-07-23 | 2012-08-08 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | マイクロ波加熱用容器 |
JP2010184230A (ja) * | 2009-01-15 | 2010-08-26 | Asahi Glass Co Ltd | 連続式マイクロ波反応装置および連続式マイクロ波反応システム |
-
2013
- 2013-10-11 JP JP2013213844A patent/JP6198562B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015074644A (ja) | 2015-04-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN114805656B (zh) | 制造聚烯烃产物 | |
EP1728795B1 (en) | Polymethylaluminoxane product, process for producing the same, polymerization catalyst, and method of polymerizing olefin | |
CA2604552C (en) | Catalysts for olefin polymerization | |
JP3285370B2 (ja) | ポリオレフィンの製造方法 | |
CZ42890A3 (en) | Catalyst for olefin polymerization | |
JPWO2011142400A1 (ja) | 固体状担体−ポリメチルアルミノキサン複合体、その製造方法、オレフィン類の重合触媒及びポリオレフィン類の製造方法 | |
JP2005539095A (ja) | 重合触媒活性剤及び重合プロセスでのその使用 | |
KR20180088671A (ko) | Al2O3를 함유하는 고체상태 MAO 조성물 및 그 제조 방법 | |
JP2017518267A (ja) | 重合触媒としてのiva族金属のシリルビス(ヘキサメチルインデニル)錯体 | |
JP6893279B2 (ja) | ポリプロピレンおよびその製造方法 | |
JP6198563B2 (ja) | フロー型反応管を用いたメチルアルミノキサン組成物の製造方法 | |
Yuan et al. | Achieving polydispersive HDPE by N, N, N-Co precatalysts appended with N-2, 4-bis (di (4-methoxyphenyl) methyl)-6-methylphenyl | |
KR102060639B1 (ko) | 전이금속 화합물, 이를 포함하는 촉매 조성물 및 이를 이용한 폴리올레핀의 제조방법 | |
JP6198562B2 (ja) | マイクロ波を用いたメチルアルミノキサン組成物の製造方法 | |
WO2006117983A1 (ja) | 重合触媒及び該触媒を用いるポリα-オレフィンの製造方法 | |
CN103665051B (zh) | 单茂金属化合物及其在间规聚苯乙烯催化聚合中的应用 | |
JP7274622B2 (ja) | 非対称メタロセン触媒およびそれらの使用 | |
JP2003528028A (ja) | アンサ基−4−金属ビス(μ−置換)アルミニウムメタロセン | |
CN109153743B (zh) | 固体状pmao组合物及其制造方法 | |
JP6106442B2 (ja) | プロピレン重合体の製造方法 | |
JP2020138944A (ja) | 高純度固体アルミノキサン及びその製造方法 | |
CN118126216A (zh) | 一种非茂金属催化剂及其制备方法和应用 | |
Buck | Yang et a | |
JP2004505119A (ja) | 重合用触媒組成物の調製 | |
US20020147287A1 (en) | Transition metal donor complexes and olefin polymerization process |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160714 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160722 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160722 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20161021 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170210 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170307 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20170421 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170704 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170725 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170822 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6198562 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |