JP4476425B2 - 超電導コイル装置 - Google Patents

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    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

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  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テープ状の超電導線材を巻回してコイルに形成する際、引張り強度を高めた超電導コイル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、超電導コイル装置は、金属系超電導線材であれ、酸化物超電導線材であれ、その線材をコイル状に巻回する場合、巻き始めと巻き終りに、例えば銅板等の常電導金属に接続する、いわゆる電極部を備えている。この電極部を通じて超電導コイル装置には、電源から電流が供給されるようになっている。
【0003】
この超電導コイル装置は、変圧器、限流器等の静止形電力機器のコイル用として多く適用されているが、コイルを作製するにあたって図12に示す手順が採られていた。
【0004】
超電導コイル装置は、例えば銅板製の電極部1にテープ状の超電導線材2を半田付した後、その超電導線材2に張力を加えながら円筒状の巻枠3の周方向に沿ってソレノイド状に巻回し、コイルを作製していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図12で示した超電導線材2の巻回手順を採る従来の超電導コイル装置では、いくつかの不具合、不都合な問題点があった。
【0006】
超電導コイル装置は、超電導線材2を巻枠3の周方向に沿って巻回し、コイルを作製するにあたり、当初、電極部1に半田付を施工してから超電導線材2を巻回するため、巻き始めの部分にほとんど張力が働いていないかあるいは張力が過度に働きすぎている等張力に過不足が生じていた。このため、コイルには、長年の使用の結果、変形または亀裂等の機械的劣化を生じさせることがあった。
【0007】
また、超電導線材2の巻き始めの部分に張力の過不足が生じていると、超電導コイル装置は、例えば臨界電流やn値(電流・電圧の立ち上り傾斜等)の指標が低くなり、性能劣化を引き起す要因にもなっていた。
【0008】
このように、従来の超電導コイル装置には、いくつかの問題点があり、長年使用していても品質の保証をより長く維持させる新たなコイルの実現が望まれていた。
【0009】
本発明は、このような事情に基づいてなされたもので、超電導線材を巻回してコイルを作製するにあたり、超電導線材に張力を加えながら電極部に半田付けを施工して超電導線材に過不足なく均一に引張り応力を与え、長年実施していても良好な品質を長く維持させる超電導コイル装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る超電導コイル装置は、上記目的を達成するために、請求項1に記載したように、巻枠の周方向に沿って巻回させた超電導線材と、この超電導線材に固着させた電極部とを備えた超電導コイル装置において、上記超電導線材は、上記巻枠に設けた固定板に固着手段で固着させるとともに、上記電極部に固着手段で固着させる際、張力を加えながら固着させた後、上記固定板から上記電極部までを切断し、さらに上記固定板を上記巻枠から取り除いたものである。
【0012】
また、本発明に係る超電導コイル装置は、上記目的を達成するために、請求項に記載したように、電極部に超電導線材を固着させる固着手段は、半田であることを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明に係る超電導コイル装置は、上記目的を達成するために、請求項に記載したように、固定板に超電導線材を固着させる固着手段は、半田およびエポキシ接着剤のうち、いずれか一方であることを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明に係る超電導コイル装置は、上記目的を達成するために、請求項に記載したように、超電導線材は、複数本の超電導線材を半田部で固着させて巻枠の周方向に沿って巻回させたものである。
【0015】
また、本発明に係る超電導コイル装置は、上記目的を達成するために、請求項に記載したように、超電導線材は、絶縁被覆を施工していないことを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明に係る超電導コイル装置は、上記目的を達成するために、請求項に記載したように、超電導線材は、絶縁被覆を施工するとともに、電極部に固着させる部分を絶縁被覆の撚り線から剥し、丸線として電極部に固着させたものである。
【0017】
また、本発明に係る超電導コイル装置は、上記目的を達成するために、請求項に記載したように、超電導線材は、巻枠の周方向に沿って巻回させる際、パンケーキ状に形成したものである。
【0018】
また、本発明に係る超電導コイル装置は、上記目的を達成するために、請求項に記載したように、超電導線材は、巻枠の周方向に沿って巻回させる際、パンケーキ状に形成するとともに、パンケーキ状のものを軸方向に配置組み合わせてコイルとしたものである。
【0019】
また、本発明に係る超電導コイル装置は、上記目的を達成するために、請求項に記載したように、巻枠の周方向に沿って巻回させた超電導線材と、この超電導線材に固着させた電極部とを備えた超電導コイル装置において、上記超電導線材を上記巻枠に設けた固定板に固着手段で固着させるとともに、上記電極部に固着手段で固着させる際、張力を加えながら固着させた後、上記固定板から上記電極部までの上記超電導線材を切断し、さらに上記固定板を上記巻枠から取り除いて形成した第1コイルと、上記別の超電導線材を上記別の巻枠に設けた別の固定板に固着手段で固着させるとともに、上記別の電極部に固着手段で固着させる際、張力を加えながら固着させた後、上記別の固定板から上記別の電極部までの上記別の超電導線材を切断し、さらに上記別の固定板を上記別の巻枠から取り除いて形成した第2コイルと、上記第1コイルの電極部と上記第2コイルの電極部とを連結部で接続させたものである。
【0020】
また、本発明に係る超電導コイル装置は、上記目的を達成するために、請求項10に記載したように、超電導線材を巻回させる巻枠は、周方向に沿って設けた突き出し部で区画した溝部を備えたものである。
【0021】
また、本発明に係る超電導コイル装置は、上記目的を達成するために、請求項11に記載したように、第1コイルおよび第2コイルは、ともに超電導線材を巻枠の周方向に沿って巻回させる際、時計方向および反時計方向のうち、いずれか一方を選択したことを特徴とするものである。
【0022】
また、本発明に係る超電導コイル装置は、上記目的を達成するために、請求項12に記載したように、請求項1に記載の超電導線材を変圧器の一次巻線に適用するとともに、請求項に記載の超電導線材を変圧器の二次巻線に適用したものである。
【0023】
また、本発明に係る超電導コイル装置は、上記目的を達成するために、請求項13に記載したように、請求項1に記載の超電導線材を直径の異なる複数個組み合わせてコイルを作製し、限流器および永久電流スイッチのいずれかに適用したものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る超電導コイル装置の実施形態を図面および図面に付した符号を引用して説明する。
【0025】
図1は、本発明に係る超電導コイル装置の第1実施形態を説明するために用いた概念図である。なお、図1中、(a)は巻枠に対し、超電導線材の仮りの巻回始期を説明するために用いた概念図であり、(b)は巻枠に対し、超電導線材の仮りの巻回中間期を説明するために用いた概念図であり、(c)は巻枠に対し、超電導線材の実際の巻回始期を説明するために用いた概念図である。
【0026】
また、本発明に係る超電導コイル装置に適用する超電導線材は、絶縁被覆を施工していないビスマス系、具体的には(BiPb)SrCaCuOy(Bi2223)のAgシーステープで、幅3.8mm、厚み0.25mmである。
【0027】
本実施形態に係る超電導コイル装置は、コイルを作製するにあたり、図1(a)に示すように、先ず、筒状の巻枠10に設けた銅板製の固定板11にAgシースBi2223の超電導線材12の端部を半田部13で固着させるとともに、超電導線材12の中間部分が予め電極部14に当接することを予想した位置に半田位置決め部15を付し、矢印CWで示す時計方向に向って10MPaの引張り応力で超電導線材12を巻枠10の周方向に沿って巻回させる。
【0028】
次に、超電導線材12の半田位置決め部15が図1(b)に示すように、電極部14に当接すると、本実施形態は超電導線材12に張力を加えたまま電極部14に半田部13で固着させた後、図1(c)に示すように、固定板11から電極部14までの間の超電導線材12を切断するとともに、固定板11を取り除き、電極部14に固着させた超電導線材12に初期応力を与える。
【0029】
巻回による張力と半田部13の固着力に基づく初期応力が与えられた超電導線材12は、図1(c)に示すように、実質上の巻回始期を開始し、巻枠10に対し、矢印CWで示す時計方向に向って巻回させてコイルを作製する。
【0030】
このように、本実施形態は、超電導線材12の巻回開始時、固定板11や電極部14に半田部13で溶着させて超電導線材12に予め初期応力を与えた後、電極部14の手前側から切断して実質上の巻回開始時期とし、超電導線材12の電極部14に対する巻回開始部分に局所的に断線がなく均一な応力を加えたので、長年実施していても臨界電流を高く維持させることと相まってn値も高く維持させた高品質のコイルを保証することができる。
【0031】
なお、本実施形態は、コイルを液体窒素の中に浸漬冷却し、通電したところ、臨界電流、n値ともに好成績の実験結果が認められた。
【0032】
図2は、本発明に係る超電導コイル装置の第2実施形態を説明するために用いた概念図である。なお、第1実施形態の構成部分と同一部分には同一符号を付す。
【0033】
本発明に係る超電導コイル装置に適用する超電導線材は、絶縁被覆を施工していないビスマス系、具体的にはBiSrCaCuOy(Bi2212)のAgシーステープで、幅3.8mm、厚み0.25mmである。
【0034】
本実施形態は、まず、筒状の巻枠10にAgシースBi2212の超電導線材12の端部を約2cmに亘ってエポキシ接着剤16で固着させるとともに、超電導線材12の中間部分が予め電極部14に当接することを予想した位置に半田位置決め部15を付し、矢印CWで示す時計方向に向って5MPaの引張り応力で超電導線材12を巻枠10の周方向に沿って巻回させる。
【0035】
次に、超電導線材12の半田位置決め部15が電極部14に当接すると、本実施形態は、超電導線材12に張力を加えたまま電極部14に半田部13で固着させた後、巻枠10の周方向に沿って超電導線材12を巻回させ、コイルを作製する。
【0036】
このように、本実施形態は、超電導線材12を電極部14に半田部13で固着させる際、超電導線材12の端部をエポキシ接着剤16で固着させ、超電導線材12の電極部14の当接する位置に予め適正な初期応力を与えたので、臨界電流やn値を高く維持させた高品質のコイルを保証することができる。
【0037】
なお、本実施形態は、コイルを液体窒素の中に浸漬冷却し、通電したところ、臨界流、n値ともに好成績の実験結果が認められた。
【0038】
図3は、本発明に係る超電導コイル装置の第3実施形態を説明するために用いた概念図である。なお、第1実施形態の構成部分と同一部分には同一符号を付す。
【0039】
本発明に係る超電導コイル装置に適用する超電導線材は、絶縁被覆を施工していないイットリウム系、具体的にはYBaCuOy(Y123)/XYZのハステロイ基板テープで、幅10mm、厚み0.1mmである。
【0040】
本実施形態は、まず、筒状の巻枠10に設けた銅板製の固定板11にハステロ基板テープの第1超電導線材12aと第2超電導線材12bとを2枚重ねにして半田部13で固着させるとともに、第1超電導線材12aの中間部分が予め電極部14に当接することを予想した位置に半田位置決め部15を付し、矢印CWで示す時計方向に向って1MPaの引張り応力で第1超電導線材12aおよび第2超電導線材12bを巻枠10の周方向に沿って巻回させる。なお、第1超電導線材12aと第2超電導線材12bとは、互いに半田部13で固着される。
【0041】
次に、第1超電導線材12aの半田位置決め部15が電極部14に当接すると、本実施形態は、半田部13で固着させた2枚重ねの第1超電導線材12aと第2超電導線材12bとに張力を加えたまま第1超電導線材12aを電極部14に半田部13で固着させた後、巻枠10の周方向に沿って第1超電導線材12aおよび第2超電導線材12bを巻回させ、コイルを作製する。
【0042】
このように、本実施形態は、半田部13で互いに固着させた第1超電導線材12aおよび第2超電導線材12bを電極部14に半田部13で固着させる際、2枚重ねの第1超電導線材12aおよび第2超電導線材12bのそれぞれの端部を固定板11で固着させ、第1超電導線材12aおよび第2超電導線材12bのそれぞれの電極部14の当接する位置に予め適正な初期応力を与えたので、臨界電流やn値を高く維持させた高品質のコイルを保証することができる。また、本実施形態の場合、大電流用に有効である。
【0043】
図4は、本発明に係る超電導コイル装置の第4実施形態を説明するために用いた概念図である。なお、第1実施形態の構成部分と同一部分には同一符号を付す。
【0044】
本発明に係る超電導コイル装置に適用する超電導線材は、線径0.1mmのCuNi/CuマトリックスのNbTi系の線材を3本撚り合わせ絶縁被覆したものである。
【0045】
本実施形態は、まず、超電導線材12をその端部から数十cmの長さに亘って絶縁被覆を剥し、丸線材17a,17b,17cとして巻枠10に設けた固定板11に半田部13で固着させる。また、丸線材17a,17b,17cは、その中間部分に予め電極部14が当接することを予想した位置に半田位置決め部15を付し、矢印CCWで示す反時計方向に向って1MPaの引張り応力で巻枠10の周方向に沿って巻回させる。
【0046】
次に、丸線材17a,17b,17cの半田位置決め部15が電極部14に当接すると、本実施形態は、丸線材17a,17b,17cに引張り張力を加えたまま丸線材17a,17b,17cを電極部14に半田部13で固着させた後、巻枠の周方向に沿って超電導線材12を巻回させ、コイルを作製する。
【0047】
このように、本実施形態は3本の線材を撚り合わせて絶縁被覆した超電導線材12のうち、丸線材17a,17b,17cのそれぞれの端部を固定板11に半田部13で固着させ、丸線材17a,17b,17cのそれぞれの電極部14の当接する位置に予め適正な初期応力を与えたので、臨界電流やn値を高く維持させた高品質のコイルを保証することができる。
【0048】
図5は、本発明に係る超電導コイル装置の第5実施形態を説明するために用いた概念図である。なお、第1実施形態の構成部分と同一部分には同一符号を付す。また、図5中、(a)は巻枠に対し、超電導線材の仮りの巻回始期を説明するために用いた第1コイルの概念図であり、(b)は巻枠に対し、超電導線材の仮りの巻回始期を説明するために用いた第2コイルの概念図であり、(c)は第1コイルと第2コイルとを同心的に配置して組み合わせたことを説明するために用いた概念図である。
【0049】
本発明に係る超電導コイル装置は、直径約20cmの第1コイル18aと、直径約21.4cmの第2コイル18bとを組み合わせて構成される。
【0050】
第1コイル18aは、図5(a)に示すように、筒状の巻枠10に設けた銅板製の固定板11に超電導線材12の端部を半田部13で固着させるとともに、超電導線材12の中間部分が予め電極部14に当接することを予想した位置に半田位置決め部15を付し、矢印CCWで示す反時計方向に向って張力を加えながら超電導線材12を巻枠10の周方向に沿って巻回させる。
【0051】
次に、超電導線材12の半田位置決め部15が電極14に当接すると、本実施形態は、第1実施形態と同様に、超電導線材12に張力を加えたまま電極部14に半田部13で固着させた後、固定板11から電極部14までの間の超電導線材12を切断するとともに、固定板11を取り除き、電極部14に固着させた超電導線材12に初期応力を与える。
【0052】
初期応力が与えられた超電導線材12は、再び巻枠10の周方向に沿い、矢印CCWで示す反時計方向に向って巻回させた後、ソレノイドの第1コイル18aを作製する。
【0053】
一方、第2コイル18bは、図5(b)に示すように、円筒状の巻枠10に設けた銅板製の固定板11に超電導線材12の端部を半田部13で固着させた後、第1コイル18aの作製手順と同様に、超電導線材12を電極部14に半田部13で固着させる際、初期応力を与えてから切断し、切断後の超電導線材12を矢印CWで示す時計方向に向って巻回させた後、ソレノイドの第2コイル18bを作製する。
【0054】
このようにして作製された第1コイル18aおよび第2コイル18bは、図5(c)に示すように、同心状に配置し、電極部14,14を例えば銅板等の連結部19で接続させる。
【0055】
本実施形態は、第1コイル18aと第2コイル18bとを組み合わせて超電導コイル装置を作製する際、第1コイル18aの超電導線材12を巻枠10に対し、反時計方向に向って巻回するとともに、第2コイル18bの超電導線材12を巻枠10に対し、時計方向に向って巻回し、各コイル18a,18bの電極部14,14を連結部19で接続させる一方、各コイル18a,18bの電極部14,14に超電導線材12,12を固着させる際、張力を加えながら超電導線材12,12の端部に予め適正な初期応力を与えたので、臨界電流やn値を高く維持させた高品質のコイルを保証することができる。
【0056】
図6は、本発明に係る超電導コイル装置の第6実施形態を説明するために用いた概念図である。なお、第1実施形態の構成部分と同一部分には同一符号を付す。
【0057】
本発明に係る超電導コイル装置に適用する超電導線材は、第1実施形態と同様に、絶縁被覆を施工していないビスマス系、具体的には(BiPb)SrCaCuOy(Bi2223)のAgMnシーステープで、幅3.8mm、厚み0.25mmである。
【0058】
本実施形態に係る超電導コイル装置は、図6に示すように、筒状の巻枠10に対し、AgシースBi2223の超電導線材12の端部を絶縁テープ20で固定するとともに、超電導線材12の中間部分が予め電極部14に当接することを見越した位置に半田位置決め部15を付し、矢印CCWで示した反時計方向に向って10MPaの引張応力で超電導線材12を巻枠10の周方向に沿って巻回させ、電極部14で超電導線材12を半田部13により固着させた後、再び矢印CCWで示した反時計方向に向って巻回させ、パンケーキ状の単位コイル21が作製される。
【0059】
パンケーキ状に作製した単位コイル21は、図7に示すように、電極部14の軸方向に沿って配置・組み合わせて一つのユニットコイル22が作製される。
【0060】
このように、本実施形態は、パンケーキ状の単位コイル21を電極部14の軸方向に沿って配置・組み合わせて一つのユニットコイル22を作製するにあたり、単位コイル21毎に超電導線材12を電極部14に固着させる際、引張り張力を加えながら予め適正な初期応力を与えたので、臨界電流やn値を高く維持させた高品質のコイルを保証することができる。
【0061】
なお、本実施形態は、コイルを20Kの液体窒素の中に浸漬冷却し、通電したところ臨界電流、n値ともに好成績の実験結果が認められた。
【0062】
図8は、本発明に係る超電導コイル装置の第7実施形態を説明するために用いた概念図である。なお、第1実施形態の構成部分と同一部分には同一符号を付す。
【0063】
本発明に係る超電導コイル装置に適用する超電導線材は、第1実施形態と同様に、絶縁被覆を施工していないビスマス系、具体的には(BiPb)SrCaCuOy(Bi2223)のAgシーステープで、幅3.8mm、厚み0.25mmである。
【0064】
本実施形態に係る超電導コイル装置は、図8に示すように、周方向に沿って突き出し部23,23で区画した溝部24を備えた筒状の巻枠10に、固定板11を設け、この固定板11にAgシースBi2223の超電導線材12の端部を図9に示すように、半田部13で固着させるとともに、超電導線材12の中間部分が予め電極部14に当接することを予想した位置に半田位置決め部15を付し、矢印CCWで示した反時計方向に向って10MPaの引張応力で超電導線材12を巻枠10の溝部24に沿って巻回させる。
【0065】
超電導線材12の半田位置決め部15が電極部14に当接すると、本実施形態は超電導線材12に引張り張力を加えたまま電極部14に半田部13で固着させた後、固定板11から電極部14までの間の超電導線材12を切断するとともに、固定板11を取り除き、電極部14に固着させた超電導線材12に初期応力を与える。
【0066】
巻回による引張り応力と半田部13の固着力に基づく初期応力が与えられた超電導線材12は、再び巻枠10の溝部24に沿って矢印CCWで示した反時計方向に向って巻回させてコイルを作製する。
【0067】
このように、本実施形態は、巻枠10の溝部24に沿って巻回した超電導線材12の電極部14に固着させる際、引張り張力を加えながら予め適正な初期応力を与えたので、臨界電流やn値を高く維持させた高品質のコイルを保証することができる。
【0068】
なお、本実施形態は、コイルを77.3Kの液体窒素の中に浸漬冷却し、通電したところ臨界電流、n値ともに好成績の実験結果が認められた。
【0069】
図10は、本発明に係る超電導コイル装置の第8実施形態を説明するために用いた概念図である。なお、第1実施形態および第5実施形態の構成部分と同一部分には同一符号を付す。
【0070】
本発明に係る超電導コイル装置は、変圧器に適用するもので、鉄心25に対峙する一次巻線26a,26bに、溝部24を形成した巻枠10の周方向に、矢印CWで示した時計方向に向って巻回させ、第1実施形態と同様に、電極部14に固着させる際、超電導線材12に予め初期応力を与えたコイルを使用する一方、一次巻線26a,26bの中間部分に配置した二次巻線27に、図5で示した第5実施形態の第1コイル18aと第2コイル18bとを組み合せたコイルを使用したものである。なお、第1コイル18aおよび第2コイル18bは、ともに巻枠10に溝部24が形成され、溝部24に沿って超電導線材12が巻回されている。また、一次巻線26a,26bに適用するコイルの超電導線材12の巻回方向と二次巻線27に適用するコイルの超電導線材12の巻回方向とを同一の方向であっても、また互いに逆向きの方向のいずれであってもよい。また、他の構成は第1実施形態および第5実施形態と同一なので、その説明を省略する。
【0071】
このように、本実施形態は、一次巻線26a,26bおよび二次巻線27ともに、超電導線材12に電極部14を固着させる際、超電導線材12に適正な初期応力を与えたのでn値等高い性能を保証した変圧器を実現することができる。
【0072】
図11は、本発明に係る超電導コイル装置の第9実施形態を説明するために用いた概念図である。なお、第1実施形態の構成部分と同一部分には同一符号を付す。
【0073】
本発明に係る超電導コイル装置は、限流器や永久電流スイッチに適用するもので、巻枠10に形成した溝部24に沿って超電導線材12を巻回させるとともに、その巻回手順を第1実施形態と同様に、電極部14に超電導線材12を固着させる際、超電導線材12に予め適正な初期応力を与えて作製したコイルのうち、直径の異なる単位コイル21a,21b,21c………を同心状に数個または数十個配置してユニットコイル22に形成したものである。
【0074】
このように、本実施形態は、電極部14に固着させる超電導線材12に予め適正な初期応力を与えてコイルに作製し、そのコイルを限流器等に組み込んだので、n値等性能を高く維持させて限流器等の品質を保証することができる。
【0075】
【発明の効果】
以上の説明のとおり、本発明に係る超電導コイル装置は、超電導線材を電極部に固着させ、巻枠の周方向に沿って巻回させてコイルを作製する際、電極部に固着させる超電導線材に、予め初期応力を与えて負荷を均一化させて局所的な線材の断線等を防止したので、臨界電流やn値を高く維持させた高品質のコイルを保証することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超電導コイル装置の第1実施形態を説明するために用いた概念図で、(a)は巻枠に対し、超電導線材の仮りの巻回始期を説明するために用いた概念図、(b)は巻枠に対し、超電導線材の仮りの巻回中間期を説明するために用いた概念図、(c)は巻枠に対し、超電導線材の実際の巻回始期を説明するために用いた概念図。
【図2】本発明に係る超電導コイル装置の第2実施形態を説明するために用いた概念図。
【図3】本発明に係る超電導コイル装置の第3実施形態を説明するために用いた概念図。
【図4】本発明に係る超電導コイル装置の第4実施形態を説明するために用いた概念図。
【図5】本発明に係る超電導コイル装置の第5実施形態を説明するために用いた概念図で、(a)は巻枠に対し、超電導線材の仮りの巻回始期を説明するために用いた第1コイルの概念図、(b)は巻枠に対し、超電導線材の仮りの巻回始期を説明するために用いた第2コイルの概念図、(c)は第1コイルと第2コイルとを同心的に配置して組み合わせたことを説明するために用いた概念図。
【図6】本発明に係る超電導コイル装置の第6実施形態を説明するために用いた概念図。
【図7】パンケーキ状に作製した単位コイルを電極部の軸方向に沿って配置・組み合わせたユニットコイルを説明するために用いた概念図。
【図8】本発明に係る超電導コイル装置の第7実施形態を説明するために用いた概念図。
【図9】図8のA部拡大部分断面図。
【図10】本発明に係る超電導コイル装置の第8実施形態を説明するために用いた概念図。
【図11】本発明に係る超電導コイル装置の第9実施形態を説明するために用いた概念図。
【図12】従来の超電導コイル装置を示す概念図。
【符号の説明】
1 電極部
2 超電導線材
3 巻枠
10 巻枠
11 固定板
12 超電導線材
12a 第1超電導線材
12b 第2超電導線材
13 半田部
14 電極部
15 半田位置決め部
16 エポキシ接着剤
17a,17b,17c 線材
18a 第1コイル
18b 第2コイル
19 連結部
20 絶縁テープ
21 単位コイル
22 ユニットコイル
23 突き出し部
24 溝部
25 鉄心
26a,26b 一次巻線
27 二次巻線

Claims (13)

  1. 巻枠の周方向に沿って巻回させた超電導線材と、この超電導線材に固着させた電極部とを備えた超電導コイル装置において、上記超電導線材は、上記巻枠に設けた固定板に固着手段で固着させるとともに、上記電極部に固着手段で固着させる際、張力を加えながら固着させた後、上記固定板から上記電極部までを切断し、さらに上記固定板を上記巻枠から取り除いたことを特徴とする超電導コイル装置。
  2. 電極部に超電導線材を固着させる固着手段は、半田であることを特徴とする請求項1に記載の超電導コイル装置。
  3. 固定板に超電導線材を固着させる固着手段は、半田およびエポキシ接着剤のうち、いずれか一方であることを特徴とする請求項に記載の超電導コイル装置。
  4. 超電導線材は、複数本の超電導線材を半田部で固着させて巻枠の周方向に沿って巻回させたことを特徴とする請求項1に記載の超電導コイル装置。
  5. 超電導線材は、絶縁被覆を施工していないことを特徴とする請求項1に記載の超電導コイル装置。
  6. 超電導線材は、絶縁被覆を施工するとともに、電極部に固着させる部分を絶縁被覆の撚り線から剥し、丸線として電極部に固着させたことを特徴とする請求項1に記載の超電導コイル装置。
  7. 超電導線材は、巻枠の周方向に沿って巻回させる際、パンケーキ状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の超電導コイル装置。
  8. 超電導線材は、巻枠の周方向に沿って巻回させる際、パンケーキ状に形成するとともに、パンケーキ状のものを軸方向に配置組み合わせてコイルとしたことを特徴とする請求項1に記載の超電導コイル装置。
  9. 巻枠の周方向に沿って巻回させた超電導線材と、この超電導線材に固着させた電極部とを備えた超電導コイル装置において、上記超電導線材を上記巻枠に設けた固定板に固着手段で固着させるとともに、上記電極部に固着手段で固着させる際、張力を加えながら固着させた後、上記固定板から上記電極部までの上記超電導線材を切断し、さらに上記固定板を上記巻枠から取り除いて形成した第1コイルと、上記別の超電導線材を上記別の巻枠に設けた別の固定板に固着手段で固着させるとともに、上記別の電極部に固着手段で固着させる際、張力を加えながら固着させた後、上記別の固定板から上記別の電極部までの上記別の超電導線材を切断し、さらに上記別の固定板を上記別の巻枠から取り除いて形成した第2コイルと、上記第1コイルの電極部と上記第2コイルの電極部とを連結部で接続させたことを特徴とする超電導コイル装置。
  10. 超電導線材を巻回させる巻枠は、周方向に沿って設けた突き出し部で区画した溝部を備えたことを特徴とする請求項1または9に記載の超電導コイル装置。
  11. 第1コイルおよび第2コイルは、ともに超電導線材を巻枠の周方向に沿って巻回させる際、時計方向および反時計方向のうち、いずれか一方を選択したことを特徴とする請求項に記載の超電導コイル装置。
  12. 請求項1に記載の超電導線材を変圧器の一次巻線に適用するとともに、請求項に記載の超電導線材を変圧器の二次巻線に適用したことを特徴とする超電導コイル装置。
  13. 請求項1に記載の超電導線材を直径の異なる複数個組み合わせてコイルを作製し、限流器および永久電流スイッチのいずれかに適用したことを特徴とする超電導コイル装置。
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