JP4475781B2 - 基板処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハ、液晶表示器のガラス基板、フォトマスク用のガラス基板、光ディスク用の基板等(以下、単に基板と称する)を処理液により表面処理する基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の基板処理装置として、例えば、図9に示すようなものがある。この装置は、純水と所望の薬液とを混合することで生成される複数種類の処理液、または、純水のみからなる処理液を、順次に切り換えて処理槽100に供給し、この処理槽100の処理液内に基板Wを浸漬してこの基板Wに表面処理を施すものである。具体的には、処理槽100に連通接続された処理液供給ライン110にインラインミキシングバルブ120が設けられており、このインラインミキシングバルブ120に所望の薬液を注入し、所定濃度に調整した処理液を処理槽100に供給し、この処理槽100の処理液内に基板Wを浸漬してこの基板Wを表面処理するようにしている。
【0003】
また、この装置は、処理槽100の処理液内に基板Wを浸漬して表面処理した後に、基板Wを処理液から引き上げるように構成されている。処理槽100の処理液液面に粉塵(パーティクル)が浮遊していると、基板Wの引き上げ時にこのパーティクルが基板に対して付着するので好ましくない。従って、従来装置では、処理液液面に浮遊するパーティクル及び表面処理によって発生する汚染物質を排出するために、オーバーフロー方式で基板処理を施している。すなわち、基板Wの表面処理中には、処理槽100の底部から処理液が供給され、処理槽100の上部から溢れ出る処理液をオーバーフロー槽130を介して排出するようにして、基板Wを処理液内に浸漬して表面処理を施している。このオーバーフロー槽130から排出される処理液とともに処理槽100内の処理液液面に浮遊するパーティクル及び汚染物質が効率よく排出される。
【0004】
ところで、この種の基板処理装置では、複数種類の薬液(処理液)で順次に基板を処理する場合がある。このような場合、例えば、薬液A、純水(処理液の1つ)、薬液B(薬液Aと異なる薬液)、純水、薬液C(薬液A,Bと異なる薬液)、純水、…の順で処理される。各処理液による基板処理はオーバーフロー方式で行われる。
【0005】
このような各処理液を個別の処理槽で行う場合には、各処理液での基板処理後に次の処理液で基板処理を行うために異なる処理槽の間で基板を搬送しなければならず、この搬送の際に、基板と大気とが接触して大気内に浮遊するパーティクルが基板に付着するという不都合があった。
【0006】
そこで、この装置は、このような各処理液による基板処理を単一の処理槽100で行い、基板Wと大気とが接触しないように処理槽100内の処理液を、ある処理液(第1処理液とする)から次の処理液(第2処理液とする)に置換するように構成されている。
【0007】
なお、処理槽100からオーバーフロー槽130を介して排出された処理液は、工場レベルの大掛かりな廃液処理設備200に送出される。廃液処理設備200は、この処理槽100から排出された処理液を廃液処理して原料水(1次純水)を得ている。そして、工場レベルの大掛かりな純水処理設備210によって、廃液処理設備200からの1次純水を処理して超純水を得ている。このようにして得られた超純水は、インラインミキシングバルブ120へ供給されるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、処理槽100の処理液内に基板Wを浸漬して表面処理する際には、基板Wを表面処理するために使用される処理液が、処理槽100の底部から供給され、処理槽100の上部から溢れ出すように排出されて廃液されるようになっているので、処理液の使用量が非常に多いという問題がある。
【0009】
また、処理槽100内の第1処理液を第2処理液に置換する際には、第2処理液を処理槽100の底部から供給し、処理槽100内の第1処理液を処理槽100の上部から溢れ出すように排出させて廃液するようにして置換しているので、処理槽100内の処理液が第1処理液から第2処理液に完全に置換されるまでの第2処理液の使用量(供給量)は、例えば、処理槽100の容量の3〜10倍程度が必要であり、処理槽100内の処理液の置換にも処理液の使用量が非常に多くなってしまうという問題もある。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、処理液の使用量を低減できる基板処理装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の基板処理装置は、処理液により基板を表面処理するための処理部を備えた基板処理装置において、前記処理部の処理液を排出する排出管と、前記排出管で排出された処理液から純水を生成する純水生成手段と、前記純水生成手段で生成された純水を出力する第1純水出力管と、前記第1純水出力管からの純水を前記処理部に供給する供給管とを有し、前記処理部から排出された処理液から純水を生成して当該処理部に純水を供給するための純水循環路と、前記純水生成手段で生成された純水を前記第1純水出力管とは別に出力する第2純水出力管と、前記第2純水出力管に連通され且つ当該第2純水出力管からの純水から電解イオン水を生成する電解イオン水生成手段と、前記電解イオン水生成手段で生成された電解イオン水にガスを溶解させるガス溶解手段とを有し、前記ガス溶解手段でガスが電解イオン水に溶解された処理液を前記供給管を通じて前記処理部に供給するための処理液循環路と、前記純水循環路及び前記処理液循環路とは別の循環路であって、前記処理部から前記排出管を介して排出される処理液または純水を前記供給管を通じて再び前記処理部に供給するように循環させるための再供給循環路と、を備えたことを特徴とするものである。
【0015】
また、請求項2に記載の基板処理装置は、請求項1に記載の基板処理装置において、前記電解イオン水生成手段は、純水から電解イオン水としての酸化還元電位の異なる水素水と酸素水とを生成する生成部と、前記生成部で生成された水素水と酸素水のいずれか一方を前記ガス溶解手段に供給するよう切り換える切り替え部とを備えたことを特徴とするものである。
【0016】
【作用】
請求項1に記載の発明の作用は次のとおりである。
処理部は、処理液により基板を表面処理する。純水生成手段は、処理部から排出された処理液から純水を生成する。純水循環路は、処理部から排出された処理液を純水生成手段に供給しこの純水生成手段からの純水を処理部に供給するように循環させる。したがって、処理部から排出される処理液は、廃液処分されるのではなく再利用されることになるので、処理液の使用量が低減される。
【0017】
さらに、再供給循環路は、前述の純水生成手段を介装した純水循環路とは別の経路であって、処理部から排出される処理液または純水を再び処理部に供給するように循環させる。したがって、処理部から排出される処理液または純水を再び処理部に供給するように再供給循環路によって循環させているので、処理液または純水の利用回数(有効活用率)が増加されることになり、処理液または純水の使用量がさらに低減される。
【0018】
さらに、ガス溶解手段は、処理部に供給される処理液にガスを溶解する。したがって、処理部に供給される処理液にガスが溶解されることで所望の処理液が生成され、この生成された所望の処理液でもって基板が表面処理される。
【0019】
さらに、電解イオン水生成手段は、純水生成手段で生成された純水から電解イオン水を生成してガス溶解手段に供給する。ガス溶解手段は、電解イオン水にガスを溶解する。したがって、電解イオン水にガスを溶解させることによって、処理液の酸化還元電位とpH(水素イオン指数)とを調整でき、処理に適した処理液が得られる。
【0020】
また、請求項2に記載の発明によれば、生成部は、純水から電解イオン水としての酸化還元電位の異なる水素水と酸素水とを生成する。切り替え部は、生成部で生成された水素水と酸素水のいずれか一方をガス溶解手段に供給するよう切り換える。ガス溶解手段は、供給される水素水または酸素水のいずれか一方にガスを溶解して処理部に供給する。したがって、水素水または酸素水にガスを溶解させることによって、酸化還元電位とpHとが酸あるいはアルカリ処理に適するように調整された処理液が得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。
本実施例に係る基板処理装置の概略構成について、図1を参照して説明する。図1は、本発明の実施例に係る基板処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【0022】
この基板処理装置は、大きく分けて、基板Wを処理液に浸漬してこの基板Wを表面処理するための処理槽1と、この処理槽1から排出された処理液から純水を生成する純水生成部2と、処理槽1から排出された処理液を純水生成部2に供給しこの純水生成部2で生成された純水を処理槽1に供給するように循環させるための第1の循環路3と、処理槽1に処理液を供給するための処理液供給系4となどから構成されている。なお、上述した処理槽1が本発明における処理部に相当する。以下、各部の構成を詳細に説明する。
【0023】
処理槽1の底部には、処理液注入管11が取り付けられている。処理液注入管11は、先端部が閉塞され、側面に多数の処理液噴出孔12が並設されていて、基端部から導入される処理液(後述する所望のガスを純水に溶解させた溶液、あるいは純水のみ)が各処理液噴出孔12から噴出される。各処理液噴出孔12が処理槽1内に臨むように処理液注入管11は処理槽1に取り付けられ、処理液注入管11の各処理液噴出孔12から処理槽1内に処理液が供給される。これにより、処理槽1の底部から処理液を供給することに伴い、処理槽1内の余分な処理液を槽上部から溢れ出させて排出させる。処理槽1の外周上部には、処理槽1の上部から溢れ出て排出される処理液を回収するためのオーバーフロー槽13が設けられている。
【0024】
オーバーフロー槽13の底部には、処理液を排出するための処理液排出管14が接続されている。この処理液排出管14の下流側には、第1の分岐管15が接続されている。第1の分岐管15は、オーバーフロー槽13からの処理液を2つの経路に分岐して出力するものである。第1の分岐管15の一方の出力側には第1の排出管16が接続され、第1の分岐管15の他方の出力側には第2の排出管17が接続されている。また、第1の排出管16には、この第1の排出管16を開閉する第1のバルブ18が設けられている。第2の排出管17には、この第2の排出管17を開閉する第2のバルブ19が設けられている。
【0025】
純水生成部2は、第1の排出管16の下流側に接続されており、この第1の排出管16からの処理液あるいは供給される原料水(1次純水)から超純水を生成する。ここで、この純水生成部2の構成について、図2を用いてもう少し具体的に説明する。図2は、本発明の実施例に係る純水生成部の概略構成を示すブロック図である。
【0026】
処理槽1からオーバーフローされて排出された処理液、すなわち、第1の排出管16からの処理液には、O3 水(オゾン水)や、僅かの酸あるいはアルカリなどが含まれている。純水生成部2は、このような処理液から超純水を生成するように構成されており、具体的には、貯留槽21と、UV(紫外線)光オゾン処理部22と、脱酸脱アルカリモジュール23と、脱イオンモジュール24とを備えている。また、貯留槽21の処理液を圧送するポンプ26及びフィルタ27を備えている。なお、貯留槽21は大気圧の窒素パージ槽である。
【0027】
貯留槽21は、処理槽1からの処理液、すなわち、第1の排出管16からの処理液を所定量貯留する。UV光オゾン処理部22は、貯留槽21からの処理液にUV光を照射することで、この処理液中に含まれるオゾンを分解させてこの処理液からO3 ガス(オゾンガス)を排出除去する。なお、この処理液のうちでゴミなどを含む不要な溶液は、廃液バルブ22aから必要に応じて排出される。
【0028】
脱酸脱アルカリモジュール23は、例えば、イオン交換樹脂などで構成されており、入力される処理液に存在するカチオン(陽イオン)を吸収除去するカチオン用交換樹脂23aと、入力される処理液に存在するアニオン(陰イオン)を吸収除去するアニオン用交換樹脂23bとを備えている。脱酸脱アルカリモジュール23は、UV光オゾン処理部22でオゾン除去などの処理が施された処理液を脱酸脱アルカリ処理して出力する。なお、脱酸脱アルカリ処理された酸あるいはアルカリを含む不要な溶液は、廃液バルブ23c,23dから必要に応じて排出される。
【0029】
脱イオンモジュール24は、例えば、イオン交換樹脂などで構成されており、入力される処理液に存在するカチオンを吸収除去するカチオン用交換樹脂24aと、入力される処理液に存在するアニオンを吸収除去するアニオン用交換樹脂24bとを備えている。脱イオンモジュール24は、脱酸脱アルカリモジュール23からの処理液に含まれる微量のイオンを除去して出力する。なお、脱イオン処理された微量のイオンを含む不要な溶液は、廃液バルブ24c,24dから必要に応じて排出される。
【0030】
なお、脱イオンモジュール24の入力側には、外部から原料水(一次純水)の供給を受けれるように原料水供給バルブ25も備えられている。この原料水供給バルブ25からは、本実施例装置で使用するための初期使用分の純水が供給されたり、UV光オゾン処理部22や脱酸脱アルカリモジュール23や脱イオンモジュール24で排液された排液分や蒸発分などの不足分を補充するように一次純水の供給が受けれるようになっている。なお、上述した純水生成部2が本発明における純水生成手段に相当する。
【0031】
図1に戻って、純水生成部2の出力側には、第2の分岐管31が接続されており、上述したように純水生成部2で生成された純水は第2の分岐管31によって2つの経路に分岐されて出力される。第2の分岐管31の一方の出力側には第1の純水出力管32が接続され、第2の分岐管31の他方の出力側には第2の純水出力管33が接続されている。また、第1の純水出力管32には、この第1の純水出力管32を開閉する第3のバルブ34が設けられている。第2の純水出力管33には、この第2の純水出力管33を開閉する第4のバルブ35が設けられている。第2の純水出力管33には、電解イオン水生成部5が接続されている。
【0032】
第1の純水出力管32の出力側は、四方コック36の第1入力口36aに接続されている。四方コック36の第2入力口36bは、電解イオン水生成部5からの酸素水出力管37に接続されており、四方コック36の第3入力口36cは、電解イオン水生成部5からの水素水出力管38に接続されている。四方コック36の出力口36dは出力管39に接続されている。このように、四方コック36は、第1〜第3入力口36a〜36cから供給される溶液のうちで選択指示に応じた入力口の溶液を出力口36dから選択出力するものである。
【0033】
出力管39には、この出力管39を開閉する第5のバルブ40が設けられている。第5のバルブ40は、第3の分岐管42の一方の入力側に接続されている。第3の分岐管42の出力側には、処理槽1に供給される処理液に所望のガスを溶解する溶解モジュール6が接続されている。
【0034】
溶解モジュール6には、複数種類のガスの中から所望のガスが供給されるように、第1〜第nのガス供給系61a〜61nが接続されている。各第1〜第nのガス供給系61a〜61nは、それぞれのガス供給源からのガスが供給されるガス供給管62と、ガス供給管62中のガスの通過流量を調整するガス流量調節部63と、ガス供給管62を開閉するためのガス供給バルブ64とを備えている。
【0035】
これらの第1〜第nのガス供給系61a〜61nは、連結管65によって溶解モジュール6に接続されており、複数種類のガスの中から所望のガスが供給されるようになっている。なお、この第1〜第nのガス供給系61a〜61nとしては、例えば、オゾンガス(O3 ガス)、フッ素ガス(F2 ガス)、塩素ガス(Cl2 ガス)、アンモニアガス(NH3 ガス)、炭酸ガス(CO2 ガス)、酸素ガス(O2 ガス)、水素ガス(H2 ガス)などを供給するものがある。このように処理液供給系4は、処理槽1に処理液を供給するためのものであり、各第1〜第nのガス供給系61a〜61nと、連結管65と、溶解モジュール6とから構成されている。
【0036】
ここで、溶解モジュール6の構成の構成について、図3を用いてもう少し具体的に説明する。図3(a)は本発明の実施例に係る溶解モジュールの概略構成を示す断面図であり、図3(b)は図3(a)に示した箇所Aを拡大した拡大断面図である。溶解モジュール6は、例えば、ガス供給口71とガス排出口72と処理液供給口73と処理液排出口74とを有するとともに内部が空洞である容器75と、この容器75内に設けられる複数本の中空糸76とを備えている。なお、溶解モジュール6の処理液供給口73は第3の分岐管42の出力側に接続され、溶解モジュール6の処理液排出口74は処理液供給管43に接続され、溶解モジュール6のガス供給口71は連結管65の出力側に接続され、溶解モジュール6のガス排出口72は排気バルブ77に接続されている。
【0037】
処理液供給口73から容器75内に供給された処理液は、各中空糸76の空洞部76aを介して進行していき処理液排出口74から排出されることになる。なお、各中空糸76の外周部には、オングストロームオーダーの透過孔が複数個形成されているが、各中空糸76の空洞部76aを進行する処理液がこれらの透過孔から外部の方へ漏れ出ることはないようになっている。また、ガス供給口71から容器75内に供給されたガスは、各中空糸76の外周を沿うようにして進行していきガス排出口72から排出されるものと、各中空糸76の外周を沿う際に各中空糸76の外周部の複数個の透過孔を介して中空糸76の空洞部76aに混入し処理液に溶解されるものがある。
【0038】
このようにして、ガス供給口71に供給されるガスは、処理液供給口73から供給される処理液に溶解されることになり、このガスの溶解した処理液は、処理液排出口74から排出されて、処理液供給管43に出力されることになる。なお、ガス供給口71を処理液供給口73とし、ガス排出口72を処理液排出口74とし、処理液供給口73をガス供給口71とし、処理液排出口74をガス排出口72として、ガスと処理液のラインを入れ換えるようにしても、ガスの溶解した処理液を得ることができる。
【0039】
処理液供給管43には、フィルタ44が備えられている。このフィルタ44は、供給される処理液に含まれるゴミなどを処理槽1に供給しないように濾過するためのものである。このフィルタ44は、図4に示すように、処理液が供給される入力部44aと、処理液に含まれるゴミなどを濾過するフィルタメディア44bと、濾過された処理液を排出する出力部44cと、入力部44aにおけるガスを排出するためのガス抜き部44dとを備えている。入力部44aに供給される処理液は、必ずフィルタメディア44bで濾過されるようになっており、フィルタメディア44bを介した処理液が出力部44cから排出されるようになっている。このようにフィルタ44で濾過された処理液が、処理槽1の処理液注入管11に供給され処理槽1内に供給される。
【0040】
また、処理液供給管43の管内には、この管内を流れる処理液に含まれるガスの濃度を測定するセンサ(図示省略)が備えられている。処理液供給管43の管内を流れる処理液のガス濃度値がこのセンサによって測定され、処理液のガス濃度が所定値になるように対応するガス流量調節部63での通過ガス量を調節して、処理液に溶解するガス量を調節するように制御されている。
【0041】
なお、第1の循環路3は、上述したように、処理槽1から排出された処理液を純水生成部2に供給しこの純水生成部2で生成された純水を処理槽1に供給するように循環させるためのものであり、具体的には、処理液排出管14と、第1の分岐管15と、第1のバルブ18と、第1の排出管16と、第2の分岐管31と、第1の純水出力管32と、第3のバルブ34と、四方コック36と、出力管39と、第5のバルブ40と、第3の分岐管42と、処理液供給管43となどから構成されている。
【0042】
続いて、電解イオン水生成部5の構成について、図5を用いて説明する。図5は、本発明の実施例に係る電解イオン水生成部の概略構成を示すブロック図である。電解イオン水生成部5は、例えば、超純水から電解イオン水(酸化還元電位の異なる水素水と酸素水)を生成する電解セル51と、電解セル51で生成された電解イオン水から分離された不要なガスを排気するための気液分離塔52a,52bと、電解セル51で生成された電解イオン水から不要な溶液を排出するためのフィルタ部53a,53bとを備えている。
【0043】
電解セル51は、隔膜としてのイオン交換膜によって容器57をアノード室54,カソード室55及び中間室56に仕切るようにして構成されており、各室にはそれぞれ純水の導入口が備えられており、各室にはそれぞれ溶液の排出口が備えられている。また、アノード室54には陽極54aが設けられ、カソード室55には陰極55aが設けられ、中間室56の中には水の解離を促進させるイオン交換樹脂が充填されている。このイオン交換樹脂の表面で生じたH+ やOH- は、アノード室54内の陽極54aとカソード室55の陰極55aまで拡散し、これらの電極表面で電子の授受を行うため、効率よく水の電気分解を行うことができる。
【0044】
各室の導入口にそれぞれ純水を供給し、アノード室54の陽極54aとカソード室55の陰極55aの間に直流電圧を印加すると、アノード室54からは図6に示すような酸化還元電位の高い酸素水が得られ、カソード室55からは図6に示すような酸化還元電位の低い水素水が得られる。
【0045】
アノード室54からの酸素水は、気液分離塔52aに供給される。気液分離塔52aは、酸素水から分離された不要なガスを排気し、酸素水をフィルタ部53aに出力する。フィルタ部53aは、気液分離塔52aからの酸素水から不要な溶液を排出して酸素水出力管37に出力される。なお、酸素水出力管37は、四方コック36の第2入力口36bに接続されている。酸素水出力管37には、この酸素水出力管37を開閉するための第7のバルブ45が設けられている。
【0046】
カソード室55からの水素水は、気液分離塔52bに供給される。気液分離塔52bは、水素水から分離された不要なガスを排気し、水素水をフィルタ部53bに出力する。フィルタ部53bは、気液分離塔52bからの水素水から不要な溶液を排出して水素水出力管38に出力される。なお、水素水出力管38は、四方コック36の第3入力口36cに接続されている。水素水出力管38には、この水素水出力管38を開閉するための第8のバルブ46が設けられている。
【0047】
なお、上述した電解イオン水生成部5が本発明における電解イオン水生成手段に相当し、上述した電解セル51が本発明における生成部に相当し、上述した第7,第8のバルブ45,46と四方コック36が本発明における切り替え部に相当する。
【0048】
図1に示すように、本実施例装置には、前述の第1の循環路3とは別に、処理槽1から排出される処理液を再び処理槽1に供給するように循環させるための第2の循環路7が備えられている。第2の循環路7は、処理液排出管14と、第1の分岐管15と、第2の排出管17と、第2のバルブ19と、ポンプ20と、第6のバルブ41と、第3の分岐管42と、溶解モジュール6と、処理液供給管43となどを備えている。なお、処理液排出管14と溶解モジュール6と処理液供給管43とは、第1の循環路3と第2の循環路7との共通経路となっている。ポンプ20は、処理槽1から溢れ出されたオーバーフロー槽13の処理液を、再び処理槽1に供給するように第2の循環路7を循環させるものである。
【0049】
次に上記のように構成された基板処理装置の基板処理動作について、図7のフローチャートを参照しながら説明する。
【0050】
まず、基板処理を開始する前に初期処理を実行する(ステップS1)。この初期処理は、初期使用分の原料水(1次純水)を純水生成部2に供給して、第1の循環路3に純水を満たすようにするものである。
【0051】
すなわち、原料水供給バルブ25を開いて純水生成部2の脱イオンモジュール24に1次純水が供給される。脱イオンモジュール24は、原料水供給バルブ25から供給される1次純水に含まれる微量のイオンを除去して超純水を生成して第2の分岐管31に出力する。第1の純水出力管32の第3のバルブ34を開き、第2の純水出力管33の第4のバルブ35を閉じた状態にし、この超純水を第1の純水出力管32に供給して四方コック36を介して出力管39に供給する。
【0052】
第5のバルブ40を開き、第6のバルブ41を閉じた状態にし、第5のバルブ40,第3の分岐管42,溶解モジュール6,処理液供給管43,処理液注入管11を介して、超純水が処理槽1の底部の方から供給される。処理槽1の上部から溢れ出た超純水はオーバーフロー槽13に供給され、処理液排出管14を介して、第1の分岐管15に供給される。第1のバルブ18を開き、第2のバルブ19を閉じた状態にし、第1の排出管16に超純水が供給され、純水生成部2の貯留槽21に所定量の純水が貯留されると、原料水供給バルブ25からの1次純水の供給が停止される。
【0053】
次に、第1の循環路3から第2の循環路7に切り換えて、超純水の第2の循環路7への循環を開始させる(ステップS2)。すなわち、第2の排出管17に超純水が供給されるように第2のバルブ19を開き、第1のバルブ18を閉じた状態にする。第6のバルブ41を開き、第5のバルブ40を閉じた状態にしてポンプ20を駆動させて、第2の循環路7(第2の排出管17,溶解モジュール6,処理液供給管43,処理液注入管11,処理槽1,オーバーフロー槽13,処理液排出管14の順路)に超純水を循環させる。
【0054】
次に、処理しようとする基板Wの処理槽1内への投入を行う(ステップS3)。すなわち、処理しようとする基板Wを処理槽1内の超純水中に浸漬する。
【0055】
次に、ポンプ20の駆動を停止させて、第2の循環路7の超純水の循環を停止する(ステップS4)。
【0056】
次に、いわゆるRCA洗浄における強アルカリ性のSC−1液(NH4 OH/H2 O2 /H2 O;アンモニア:過酸化水素水:水を所定の配合比で配合された洗浄液)による洗浄処理に相当する基板処理(以下、SC−1処理と呼ぶ。)を行う(ステップS5,S6)。
【0057】
すなわち、第4のバルブ35を開き、第3のバルブ34を閉じた状態にし、純水生成部2で生成された超純水を、第2の純水出力管33を介して電解イオン水生成部5に供給する。電解イオン水生成部5の電解セル51は、次のようにして電解イオン水(酸素水,水素水)を生成する(図5参照)。電解セル51の各室の導入口にそれぞれ超純水が供給され、アノード室54の陽極54aとカソード室55の陰極55aの間に直流電圧が印加されると、アノード室54からは図6に示すような酸化還元電位の高い酸素水が得られ、カソード室55からは図6に示すような酸化還元電位の低い水素水が得られ、この酸素水や水素水はそれぞれの気液分離塔52a,52bにおいて不要なガスが分離される。第8のバルブ46を開き、第7のバルブ45を閉じた状態にして、気液分離塔52bを介して水素水を水素水出力管38,四方コック36を介して出力管39に供給する。第5のバルブ40を開き、第6のバルブ41を閉じた状態にして、水素水を溶解モジュール6,処理液供給管43,処理液注入管11を介して処理槽1の底部から処理槽1内に供給する。
【0058】
処理槽1の上部から溢れ出た水素水はオーバーフロー槽13に供給され、処理液排出管14を介して、第1の分岐管15に供給される。第1のバルブ18を開き第2のバルブ19を閉じた状態にし、水素水が第1の排出管16を介して純水生成部2の貯留槽21に供給される。純水生成部2は、前述したように、処理液から超純水を生成して電解イオン水生成部5に供給する。このようにして処理槽1の処理液を水素水に置換する(ステップS5)。
【0059】
次に、第1の循環路3から第2の循環路7に切り換えて、水素水を第2の循環路7に循環させるようにするとともに、溶解モジュール6にアンモニアガス(NH3 ガス)を供給し、水素水にアンモニアガスを溶解させる。このように、アンモニアガスを溶解させた水素水は、図6に示すように、酸化還元電位がさらに低下するとともに強アルカリ性を示す処理液となる。このアンモニアガスを溶解させた水素水は、SC−1液の酸化還元電位とpHと同じになっている。この強アルカリ性の処理液は、処理液供給管43,処理液注入管11を介して処理槽1の底部から処理槽1内に供給される。
【0060】
処理槽1の上部から溢れ出た強アルカリ性の処理液はオーバーフロー槽13に供給され、処理液排出管14を介して、第1の分岐管15に供給される。第2,第6のバルブ19,41が開かれ、第1,第5のバルブ18,40が閉じられており、ポンプ20の駆動によって強アルカリ性の処理液が第2の循環路7を循環し、SC−1処理が所定時間施される(ステップS6)。
【0061】
なお、水素水中のアンモニアガスの濃度は、処理液供給管43内のセンサで測定されており、所定値となるようにアンモニアガスの溶解モジュール6への供給量が調整されている。このSC−1処理によって、基板Wの有機性の汚れ及び基板Wに付着しているパーティクルなどが除去される。なお、このステップS5及びステップS6は、同時に行ってもよい。
【0062】
次に、前述のステップS6におけるSC−1処理が所定時間施されると、このSC−1処理を終了する(ステップS7)。すなわち、ポンプ20の駆動を停止させて第2の循環路7の超純水の循環を停止し、溶解モジュール6へのアンモニアガスの供給を停止し、第4のバルブ35を閉じて電解イオン水生成部5への超純水の供給を停止し、第8のバルブ46を閉じて電解イオン水生成部5からの水素水の四方コック36への供給を停止する。
【0063】
次に、超純水を生成して処理槽1に供給しこの超純水で基板Wをリンス処理する(ステップS8)。すなわち、第1,第3,第5のバルブ18,34,40を開き、第2,第4,第6のバルブ19,35,41を閉じた状態にし、純水生成部2で生成される超純水を、第1の純水出力管32,四方コック36,出力管39,溶解モジュール6,処理液供給管43,処理液注入管11を介して処理槽1に供給し、処理槽1の処理液を処理槽1の上部から溢れ出させるようにして、処理槽1の処理液を超純水に置換していく。溢れ出た処理液はオーバーフロー槽13で回収され、処理液排出管14,第1の排出管16を介して純水生成部2に供給される。この処理液排出管14には、例えば、処理槽1から排出された処理液の比抵抗値を測定するための比抵抗計が備えられており、処理槽1からの処理液の比抵抗値が規定値に到達したことを比抵抗計によって検出されると、リンス処理を終了する。
【0064】
次に、いわゆるRCA洗浄における強酸性のSC−2液(HCl/H2 O2 /H2 O;塩酸:過酸化水素水:水を所定の配合比で配合された洗浄液)による洗浄処理に相当する基板処理(以下、SC−2処理と呼ぶ。)を行う(ステップS9,S10)。
【0065】
すなわち、第4のバルブ35を開き、第3のバルブ34を閉じた状態にし、純水生成部2で生成された超純水を、第2の純水出力管33を介して電解イオン水生成部5に供給する。電解イオン水生成部5の電解セル51は、次のようにして電解イオン水(酸素水,水素水)を生成する。電解セル51の各室の導入口にそれぞれ超純水が供給され、アノード室54の陽極54aとカソード室55の陰極55aの間に直流電圧が印加されると、アノード室54からは図6に示すような酸化還元電位の高い酸素水が得られ、カソード室55からは図6に示すような酸化還元電位の低い水素水が得られ、この酸素水や水素水はそれぞれの気液分離塔52a,52bにおいて不要なガスが分離される。第7のバルブ45を開き、第8のバルブ46を閉じた状態にして、気液分離塔52aを介して酸素水を酸素水出力管37,四方コック36を介して出力管39に供給する。第5のバルブ40を開き、第6のバルブ41を閉じた状態にして、酸素水を溶解モジュール6,処理液供給管43,処理液注入管11を介して処理槽1の底部から処理槽1内に供給する。
【0066】
処理槽1の上部から溢れ出た酸素水はオーバーフロー槽13に供給され、処理液排出管14を介して、第1の分岐管15に供給される。第1のバルブ18を開き、第2のバルブ19を閉じた状態にし、酸素水が第1の排出管16を介して純水生成部2の貯留槽21に供給される。純水生成部2は、前述したように、処理液から超純水を生成して電解イオン水生成部5に供給する。このようにして処理槽1の処理液を酸素水に置換する(ステップS9)。
【0067】
次に、第1の循環路3から第2の循環路7に切り換えて、酸素水を第2の循環路7に循環させるようにするとともに、溶解モジュール6に塩素ガス(HClガス)を供給し、酸素水に塩素ガスを溶解させる。このように、塩素ガスを溶解させた酸素水は、図6に示すように、酸化還元電位がさらに上昇するとともに強酸性を示す処理液となる。この塩素ガスを溶解させた酸素水は、SC−2液の酸化還元電位とpHと同じになっている。この強酸性の処理液は、処理液供給管43,処理液注入管11を介して処理槽1の底部から処理槽1内に供給される。
【0068】
処理槽1の上部から溢れ出た強酸性の処理液はオーバーフロー槽13に供給され、処理液排出管14を介して、第1の分岐管15に供給される。第2,第6のバルブ19,41が開かれ、第1,第5のバルブ18,40が閉じられており、ポンプ20の駆動によって強酸性の処理液が第2の循環路7を循環し、SC−2処理が所定時間施される(ステップS10)。
【0069】
なお、酸素水中の塩素ガスの濃度は、処理液供給管43内のセンサで測定されており、所定値となるように塩素ガスの溶解モジュール6への供給量が調整されている。このSC−2処理によって、基板Wの表面金属不純物などが除去される。なお、このステップS8及びステップS9は、同時に行ってもよい。
【0070】
次に、前述のステップS10におけるSC−2処理が所定時間施されると、このSC−2処理を終了する(ステップS11)。すなわち、ポンプ20の駆動を停止させて第2の循環路7の超純水の循環を停止し、溶解モジュール6への塩素ガスの供給を停止し、第4のバルブ35を閉じて電解イオン水生成部5への超純水の供給を停止し、第8のバルブ46を閉じて電解イオン水生成部5からの水素水の四方コック36への供給を停止する。
【0071】
次に、基板Wを超純水でリンス処理する(ステップS12)。すなわち、第1,第3,第5のバルブ18,34,40を開き、第2,第4,第6のバルブ19,35,41を閉じた状態にし、純水生成部2で生成される超純水を、第1の純水出力管32,四方コック36,出力管39,溶解モジュール6,処理液供給管43,処理液注入管11を介して処理槽1に供給し、処理槽1の処理液を処理槽1の上部から溢れ出させるようにして、処理槽1の処理液を超純水に置換していく。溢れ出た処理液はオーバーフロー槽13で回収され処理液排出管14,第1の排出管16を介して純水生成部2に供給される。処理槽1からの処理液の比抵抗値が規定値に到達したことを比抵抗計によって検出されると、リンス処理を終了する。
【0072】
このように、基板Wのリンス処理が終了すると、処理槽1の超純水中に浸漬されている基板Wを処理槽1から取り出す(ステップS13)。処理待ちの基板がある場合には、ステップS2に戻り前述と同様にして処理を行い、処理待ちの基板がない場合には、基板処理を終了する。
【0073】
したがって、処理槽1から排出された処理液から純水を生成する純水生成部2と、処理槽1から排出された処理液を純水生成部2に供給しこの純水生成部2で生成された純水を処理槽1に供給するように循環させるための第1の循環路3とを備えているので、処理槽1から排出される処理液を、廃液処分するのではなくこの処理液から純水を生成して処理槽1に供給して再利用することができ、処理液の使用量を低減できる。
【0074】
また、第1の循環路3とは別に、処理槽1から排出される処理液を再び処理槽1に供給するように循環させるための第2の循環路7を備えているので、処理槽1から排出される処理液を再び処理槽1に供給するように循環させることで処理液の利用回数(有効活用率)を増加させることができ、処理液の使用量をさらに低減できる。具体的には、処理液の使用量を、第2の循環路7を循環させる程度(例えば、処理槽1の充填容積)の量にまで低減することができる。
【0075】
また、処理槽1に供給される処理液に所望のガスを溶解する溶解モジュール6を備えているので、処理槽1に供給される処理液に所望のガスを溶解することで所望の処理液を生成することができ、この生成された所望の処理液でもって基板Wを表面処理することができる。具体的には、純水あるいは電解イオン水にガスを溶解して低濃度の処理液を生成しているので、この処理液を純水生成の原料水として利用でき、工場レベルの大掛かりな廃液処理設備などを介することなく純水生成部2に直接に処理液を供給できる。したがって、純水の製造コスト、純水使用量を大幅に低減できる。
【0076】
また、純水生成部2で生成された純水から電解イオン水を生成して溶解モジュール6に供給する電解イオン水生成部5を備えているので、電解イオン水に所望のガスを溶解させることによって、処理液の酸化還元電位とpHとを調整でき、処理に適した処理液を得ることができる。
【0077】
また、電解イオン水生成部5は、純水から電解イオン水としての酸化還元電位の異なる水素水と酸素水とを生成する電解セル51と、電解セル51で生成された水素水と酸素水のいずれか一方を溶解モジュール6に供給するよう切り換えるための第7,第8のバルブ45,46と四方コック36とを備えているので、水素水または酸素水に所望のガスを溶解させることによって、酸化還元電位とpHとを酸あるいはアルカリ処理に適するように調整した処理液を得ることができる。具体的には、水素水あるいは酸素水に所望のガスを少量溶解させるだけで、酸化還元電位とpHとを酸あるいはアルカリ処理に適する所望の値に調整することがきるので、ガス使用量を低減でき処理液の使用量を低減でき、従来のような高濃度の薬液を不要にできる。また、この処理液は低濃度であるので、この処理液の純水への置換を迅速に行うことができ、リンス時に使用する純水の使用量を大幅に低減できる。
【0078】
なお、本発明は以下のように変形実施することも可能である。
<変形例>
(1)上述した実施例では、ガス溶解手段として溶解モジュール6を採用しているが、図8(a)に示すようなバブリングタンクや図8(b)に示すようなエジェクタなどを採用しても良い。
【0079】
図8(a)に示すように、バブリングタンクは、例えば、内部が空洞である容器81と、この容器81の上部に設けられ容器81内に純水を供給するための純水供給管82と、容器81の下側に複数個形成され所望のガスの供給を受けるガス供給孔83と、ガスの溶解した純水を出力する出力口84とを備えている。なお、容器81の上部には、不要なガスを排気するための排気系85が設けられている。このバブリングタンクは、容器81内の純水に所望のガスを送り込むことによって、純水中にガスを溶解させており、純水に所望のガスを溶解させた処理液が出力口84から出力されるようになっている。このようにバブリングタンクによっても、純水に所望のガスを溶解させた処理液を生成することができる。
【0080】
また、図8(b)に示すように、エジェクタは、例えば、所望のガスが供給されるガス供給口91と流体を排出する排出口92とが設けられ内部が空洞である容器93を備えている。この容器93は、一部の内径が他の内径より狭くなっている絞り部94を有している。この容器93内に純水を供給する純水供給管95が、容器93内の絞り部94の付近まで差し込まれている。このエジェクタは、供給される純水の高速の流れによってガスが引き込まれて純水中に溶解し排出口92から排出されるようになっている。
【0081】
(2)上述した実施例では、処理槽1をオーバーフロー方式のものとしているが、基板Wに処理液をシャワー状に供給しながら、処理槽に元々あった溶液を急速排出したり、急速排水を止めて処理液を貯留することを1度ないし複数回行うことで処理槽内を処理液に置換するクイックダンプ方式のものとした場合であっても良い。
【0082】
(3)上述した実施例では、リンス処理時の処理槽1からの処理液の比抵抗値を比抵抗計で測定しその処理液の比抵抗値が規定値に到達したことを検出するとリンス処理を終了するようにしているが、経験的に求めた所定時間だけ一律にリンス処理を行うようにして処理槽1からの処理液の比抵抗値を測定しないようにしても良い。
【0083】
(4)上述した実施例では、SC−1処理あるいはSC−2処理による基板洗浄処理についてのみ説明しているが、次に説明する第1〜第3の基板処理をSC−1処理あるいはSC−2処理による洗浄処理の前後に適宜実施しても良い。
【0084】
第1の基板処理としては、例えば、DHF液(フッ酸水溶液)による洗浄処理に相当する基板処理がある。この第1の基板処理は、フッ素ガス(F2 ガス)を溶解モジュール6に供給して超純水に溶解させてDHF液(フッ酸水溶液)に相当する処理液を生成し、この処理液でもって処理槽1内の基板Wの自然酸化膜を除去するものである。
【0085】
第2の基板処理としては、例えば、超純水あるいは電解イオン水にオゾンガスを溶解させて処理液を生成し、この処理液でもって処理槽1内の基板W上の有機物やポリマー(重合体)を除去するものがある。また、この基板処理によって、基板Wの表面を親水化することもできる。
【0086】
第3の基板処理としては、例えば、超純水あるいは電解イオン水に炭酸ガス(CO2 ガス)を溶解させて処理液を生成し、この処理液でもって処理槽1内の基板W表面をわずかに親水化したり基板Wの帯電防止を図ったりするものがある。
【0087】
(5)上述した実施例では、電解イオン水生成部5で超純水を電気分解して電解イオン水としての水素水,酸素水を生成しているが、この電解イオン水生成部5に替えて溶解モジュールやバブリングタンクやエジェクタのいずれかを設けこれに水素ガスあるいは酸素ガスを供給することによっても、純水に水素ガスあるいは酸素ガスを溶解させた水素水,酸素水を生成することもできる。
【0088】
(6)上述した実施例装置において、所望のガスが溶解された処理液に超音波を照射する超音波照射手段を設けた場合では、新たな成分を含む処理液を生成することができる。例えば、酸素ガスが溶解された処理液に超音波を照射すると過酸化水素水を生成でき、窒素ガスが溶解された処理液に超音波を照射すると硝酸などを生成できる。
【0089】
(7)上述した実施例では、処理部を複数枚の基板を一括して処理するバッチ処理のものとしているが、処理部を基板を1枚ずつ処理する枚葉処理のものとする場合にも適用できる。
【0090】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1に記載の発明によれば、処理部の処理液を排出する排出管と、この排出管で排出された処理液から純水を生成する純水生成手段と、この純水生成手段で生成された純水を出力する第1純水出力管と、この第1純水出力管からの純水を処理部に供給する供給管とを有し、処理部から排出された処理液から純水を生成して当該処理部に純水を供給するための純水循環路とを備えているので、処理部から排出される処理液を、廃液処分するのではなく再利用することができ、処理液の使用量を低減できる。
【0091】
さらに、純水循環路及び処理液循環路とは別の循環路であって、処理部から排出管を介して排出される処理液または純水を供給管を通じて再び処理部に供給するように循環させるための再供給循環路を備えているので、処理部から排出される処理液または純水を再び処理部に供給するように循環させることで処理液または純水の利用回数(有効活用率)を増加させることができ、処理液または純水の使用量をさらに低減できる。
【0092】
さらに、処理部に供給される処理液にガスを溶解するガス溶解手段を備えているので、処理部に供給される処理液にガスを溶解することで所望の処理液を生成することができ、この生成された所望の処理液でもって基板を表面処理することができる。
【0093】
さらに、純水生成手段で生成された純水から電解イオン水を生成してガス溶解手段に供給する電解イオン水生成手段を備えているので、電解イオン水にガスを溶解させることによって、処理液の酸化還元電位とpHとを調整でき、処理に適した処理液を得ることができる。
【0094】
また、請求項2に記載の発明によれば、電解イオン水生成手段は、純水から電解イオン水としての酸化還元電位の異なる水素水と酸素水とを生成する生成部と、生成部で生成された水素水と酸素水のいずれか一方をガス溶解手段に供給するよう切り換える切り替え部とを備えているので、水素水または酸素水に所望のガスを溶解させることによって、酸化還元電位とpHとを酸あるいはアルカリ処理に適するように調整した処理液を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る基板処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例に係る純水生成部の概略構成を示すブロック図である。
【図3】(a)は本発明の実施例に係る溶解モジュールの概略構成を示す断面図であり、(b)は(a)に示した箇所Aを拡大した拡大断面図である。
【図4】本発明の実施例に係るフィルタの構成を示す断面図である。
【図5】本発明の実施例に係る電解イオン水生成部の概略構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施例装置で生成される処理液の酸化還元電位とpHとを示す特性図である。
【図7】本発明の実施例に係る基板処理装置の基板処理動作を示すフローチャート図である。
【図8】(a)はバブリングタンクの構成を示す断面図であり、(b)はエジェクタの構成を示す断面図である。
【図9】従来例に係る基板処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 … 処理槽(処理部)
2 … 純水生成部(純水生成手段)
3 … 第1の循環路(循環路)
5 … 電解イオン水生成部(電解イオン水生成手段)
6 … 溶解モジュール(ガス溶解手段)
7 … 第2の循環路
36 … 四方コック(切り替え部)
45 … 第7のバルブ(切り替え部)
46 … 第8のバルブ(切り替え部)
51 … 電解セル(生成部)
W … 基板
Claims (2)
- 処理液により基板を表面処理するための処理部を備えた基板処理装置において、
前記処理部の処理液を排出する排出管と、前記排出管で排出された処理液から純水を生成する純水生成手段と、前記純水生成手段で生成された純水を出力する第1純水出力管と、前記第1純水出力管からの純水を前記処理部に供給する供給管とを有し、前記処理部から排出された処理液から純水を生成して当該処理部に純水を供給するための純水循環路と、
前記純水生成手段で生成された純水を前記第1純水出力管とは別に出力する第2純水出力管と、前記第2純水出力管に連通され且つ当該第2純水出力管からの純水から電解イオン水を生成する電解イオン水生成手段と、前記電解イオン水生成手段で生成された電解イオン水にガスを溶解させるガス溶解手段とを有し、前記ガス溶解手段でガスが電解イオン水に溶解された処理液を前記供給管を通じて前記処理部に供給するための処理液循環路と、
前記純水循環路及び前記処理液循環路とは別の循環路であって、前記処理部から前記排出管を介して排出される処理液または純水を前記供給管を通じて再び前記処理部に供給するように循環させるための再供給循環路と、
を備えたことを特徴とする基板処理装置。 - 請求項1に記載の基板処理装置において、
前記電解イオン水生成手段は、
純水から電解イオン水としての酸化還元電位の異なる水素水と酸素水とを生成する生成部と、
前記生成部で生成された水素水と酸素水のいずれか一方を前記ガス溶解手段に供給するよう切り換える切り替え部と
を備えたことを特徴とする基板処理装置。
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