JP4475517B2 - プラスチック廃材の再資源化方法、プラスチック成形体の製造方法およびプラスチック成形体、ならびにプラスチック再資源化装置 - Google Patents

プラスチック廃材の再資源化方法、プラスチック成形体の製造方法およびプラスチック成形体、ならびにプラスチック再資源化装置 Download PDF

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Description

本発明は、プラスチック廃材の再資源化方法に関し、より詳しくは、プラスチック廃材をプラズマ洗浄する工程を備えたプラスチック廃材の再資源化方法に関する。また本発明は、前記の再資源化方法によるプラスチック成形体の製造方法にも関する。さらに本発明は、前記の再資源化方法により得られるプラスチック成形体にも関する。またさらに本発明は、プラスチック再資源化装置にも関する。
近年、わが国では所得水準の向上に伴い、エアコンディショナ(本明細書においては、「エアコン」と呼称する。)、テレビジョン受信機(本明細書においては、「テレビ」と呼称する。)、冷蔵庫、洗濯機などの家電製品、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサなどの情報機器、プリンタ、ファックスなどの事務用機器、その他の各種の家具、文具、玩具などが、一般家庭に高い普及率で備えられるようになっており、家庭生活における利便性は飛躍的に向上しつつある。その結果、これらの家電製品をはじめとする製品の廃棄量も年々増加する傾向にある。従来は、これらの家電製品をはじめとする製品の廃棄物の再資源化は、鉄くずの回収ルートを通して行われる場合が多かった。
しかし近年では、家電製品をはじめとする各種製品の部材の構成材料が変化し、鉄をはじめとする金属からなる部材が減少してプラスチックからなる部材の割合が増加する傾向にある。プラスチックは、鉄をはじめとする金属よりもデザインの自由度が大きく、構成成分の調製や添加剤の使用などにより金属では実現の難しい種々の特性を付与することができ、軽量であり耐久性が高いことなどの多くの利点を有するためである。
近年の家電製品をはじめとする各種製品の廃棄物は、各種構成部材の材質構成が複雑化しており、鉄や銅をはじめとする有価金属からなる部材の割合が少なく、有価性が低くかつ従来の処理方法では多大の手間と経費がかかるプラスチック部材の割合が多くなっており、従来の鉄くずの回収ルートではこのような廃棄物を再資源化しても採算がとれないため、対応が難しい状況になりつつある。そして、これらのプラスチック部材は、原油などの埋蔵化石燃料を基礎原料として合成されるものが多く、資源の有効活用の観点から、これらの熱可塑性樹脂組成物からなる部材を備えた部品の再資源化の推進が近年強く要求されてきている。
また、原油などの埋蔵化石燃料の燃焼による二酸化炭素および硫黄酸化物の放出による地球温暖化、酸性雨といった環境破壊や、塩素化合物を含むプラスチックの焼却処理によるダイオキシンの生成、飛散といった環境汚染、さらには嵩の大きいプラスチック廃材の増大によるゴミ埋立処理場の不足といった問題を抑制するという観点からも、これらのプラスチック廃材の再資源化が重要かつ緊急の課題となってきつつある。
なお、本明細書においては、プラスチックからなる部材を「プラスチック部材」と呼称する。また、本明細書においては、プラスチック部材を備えた製品を「プラスチック製品」と呼称する。さらに、本明細書においては、プラスチック製品の廃棄物(廃材)を「プラスチック廃材」とも呼称する。
ここで、前記の状況を受けて、2001年4月に家電リサイクル法が施行された。ここで、家電リサイクル法においては、2002年1月現在においては、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機の家電4品目のリサイクルが義務付けられ、また、それぞれの製品の再商品化率については、エアコン60%以上、テレビ55%以上、冷蔵庫50%以上、洗濯機50%以上の法定基準値が定められている。
そして、前記の家電リサイクル法の施行を受けて、プラスチック廃材の回収は進みつつあるが、このようにして回収されたプラスチック廃材の再資源化方法としては、プラスチック廃材を燃料として使用するという、いわゆるサーマルリサイクルに関する方法が従来から多く活用されている。しかし、このような方法によれば、プラスチック廃材のサーマルリサイクルによる再資源化は可能であるが、燃焼による炭酸ガスの発生などの問題があるため、社会的要請に十分に沿った方法であるとはいえない。
そこで、こうして回収されたプラスチック廃材から、たとえば手解体などの方法により、プラスチックの系統ごとにプラスチック部材を分離して、それらのプラスチック部材を再度、製品の部材またはその原料に加工して使用するプラスチック廃材の再資源化方法が提案されている。このような再資源化方法は、前記のサーマルリサイクルと対比して、マテリアルリサイクルと記載される。
そして、前記のようにしてプラスチックの系統ごとに分離されたプラスチック部材の中でも、プラスチックからなる部材(本明細書において、「プラスチック部材」とも記載する)は、加熱溶融して再度成形することにより比較的容易にマテリアルリサイクルすることが可能である。
そのため、現在、プラスチック廃材のマテリアルリサイクルの比率を高めるために、プラスチック廃材のマテリアルリサイクルによる再資源化方法の研究開発が、各方面で多大な努力を払って行われている。
しかしながら、プラスチック廃材、特に家電製品や事務用機器などに使用されているプラスチック廃材は、厳しい環境で長期間使用されることが多いため、廃材となった時点で既に特性が低下しており、変色または退色などの外観上の特性の低下だけでなく、強度、柔軟性などの物性も低下した耐久性に乏しい材料になっていることが多い。
そのため、プラスチック廃材は、要求特性の高いプラスチック部材に用いられるプラスチックのバージン材料の代替用途ではなく、要求特性の低いプラスチック部材の原料として用いられることが多い。
そして、現在のところ、プラスチック廃材のマテリアルリサイクルとしては、このようなカスケードリサイクルが主流となっている。そのため、プラスチック廃材から再生されるプラスチック成形体の用途が限られてしまい、サーマルリサイクルされている熱可塑性樹脂組成物廃材が大量にあるということが問題となっている。
ここで、本明細書において、バージン材料とは、未使用の樹脂組成物のことを意味するものとする。また、本明細書において、特性の低下したプラスチック廃材を、要求特性の高いプラスチック部材に用いられるプラスチックのバージン材料の代替用途ではなく、要求特性の低いプラスチック部材の原料として用いることを、「カスケードリサイクル」と呼称するものとする。
このような問題を克服するため、前記のプラスチック廃材からのマテリアルリサイクルにより得られるプラスチック成形体の特性を向上させ、要求特性の高いプラスチック部材としても使用可能な水準に到達させるべく、多くの研究開発努力がなされている。
たとえば、プラスチック廃材(マテリアルリサイクル材料)にバージン材料を混合することによって特性を保持する方法が、数多く提案されている(たとえば、特許文献1を参照。)。
しかしながら、このようなマテリアルリサイクル方法においては、バージン材料の混合に伴い物性は向上するものの、物性が低下したプラスチック廃材を混合する限り、バージン材料と同等の物性に回復するのは不可能である。また、バージン材料の物性に近似させるためには、プラスチック廃材よりも多量のバージン材料を混合する必要がある場合が多く、資源循環型社会に対応しているとは言い難いものである。また、物性が低下していないプラスチック廃材であっても、長期間の使用により寿命は大きく低下しており、再利用した際、長期信頼性に問題がある。
一方で、使用済み製品の構成部品と劣化度に基づいてリサイクルの方策を決定し、再資源化するリサイクルシステムについての技術も開示されている(たとえば、特許文献2を参照。)。
しかしながら、このリサイクルシステムにおいては、方策を決定する判断基準である劣化度は、バージン材料との比較によって判定可能な物性に基づくものであり、回収された廃材の初期の特性が既知の場合のみに有効となる。しかし、実際に回収される廃材は膨大な数量であり、これらのひとつひとつの初期特性を把握し、さらには廃材の特性とその初期特性を逐一比較するには膨大な時間と処理能力が必要であり、現実的にはこのようなリサイクルシステムの実現には困難が伴い、またコスト的に不利であるという問題がある。
また、廃材となる製品の内部で使用される部品は、外観に使用される部品に比べて、光などの影響を受けにくいため、見かけ上の劣化度が低く、物性値の有意な差として劣化の進み具合が顕れない場合もある。したがって、このようなリサイクルシステムにおいては、廃材の材料組成の識別は可能であっても、劣化度でもって材料の振り分けを行うことは困難であるという問題もある。
さらに、プラスチック廃材には長期間の使用によって、砂、ホコリ、オイルなどの異物が付着しており、これらの異物がプラスチック成形体に混入すると、強度の低下や長期信頼性の低下の原因になる。したがって、プラスチック廃材(マテリアルリサイクル材料)を要求特性の高いプラスチック部材としても使用可能な水準に到達させるには、通常は、水による洗浄が行われている。
一方、塗装、ホットスタンプなどの表面加飾処理を施したプラスチック成形品の廃材においても、塗装などの小片がプラスチック成形品の中に混入すると、物性が低下するため、アルカリ性の洗浄液で塗装膜を溶解し除去する方法などが採られている。
しかしながら、前記のような方法でプラスチック廃材を洗浄すると、大量の水を使用するほか、プラスチック廃材の表面に残留する水を乾燥させるためのエネルギ、洗浄排水の処理なども必要であり、水による洗浄工程を備えたプラスチック廃材の再資源化方法は、環境に与える影響は大きいという問題がある。
なお、IC産業や電子部品分野においては、半導体ウエハや電子部品の表面処理技術として、プラズマ生成用ガスを供給すると共に、大気圧近傍の圧力下でプラズマを生成し、その際生成されたガスの活性種により表面の酸化や還元を行う装置が開示されている(たとえば、特許文献3、4を参照。)
特開2000−159900号公報 特開平7−24437号公報 特開平8−78529号公報 特開2002−1253号公報
前記のように、市場から回収されたプラスチック廃材から、プラスチック廃材を主原料とするマテリアルリサイクルにより、再利用が可能であり、用途が広く、プラスチック部材またはその原料としても使用可能な特性を有するプラスチック成形体を得ることのできる、効率的かつ水を使用しないプラスチック廃材の再資源化方法の開発が強く望まれているにもかかわらず、そのような再資源化方法は未だ公知となっていないのが現状である。
一方、IC産業においては、水を使用しない洗浄技術が採用されているが、いずれの公報も電子部品などの表面の金属酸化物を還元洗浄する装置であり、廃材プラスチックの再生への適用の視点はなく、この分野への適用については機能、性能ともに十分ではない。
前記の現状に基づき、本発明の課題は、プラスチック廃材から、プラスチック廃材を主原料とするマテリアルリサイクルにより、高品位な特性を有するプラスチック成形体を得ることができ、サーマルリサイクルされるプラスチック廃材を低減することができる、効率的なプラスチック廃材の再資源化方法を提供することである。
また、本発明の課題は、より詳しくは、水を使用することなくプラスチック廃材から、プラスチック廃材を主原料とするマテリアルリサイクルにより、高品位な特性を有するプラスチック成形体を得ることができ、サーマルリサイクルされるプラスチック廃材を低減することができる、環境に与える影響の小さいプラスチック廃材の再資源化方法を提供することである。
また、本発明の別の課題は、プラスチック廃材から、プラスチック廃材を主原料とするマテリアルリサイクルにより、高品位な特性を有するプラスチック成形体の製造方法を提供することである。
さらに、本発明の他のもう1つの課題は、プラスチック廃材を主原料とするマテリアルリサイクルにより得られる、高品位な特性を有するプラスチック成形体を提供することである。
本発明は、前記の課題を解決するには、プラスチック廃材の表面をプラズマで洗浄し、プラスチック成形体を得ればよいとの着想を得、そのようなプラスチック廃材の再資源化方法を開発すべく、多くの種類のプラスチック廃材から得られる原料ペレット状のプラスチック成形体を調製し、物性についての実験を行い、鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下のとおりである。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法は、プラスチック廃材をプラズマ洗浄する工程を含むことを特徴とする。
ここにおいて、プラズマ洗浄後のプラスチック廃材を加熱溶融する工程と、加熱溶融された前記プラスチック廃材を成形してプラスチック成形体を得る工程とをさらに含むことが好ましい。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法において、プラズマ洗浄に供する被洗浄物が、プラスチック廃材の付着物、および/または、プラスチック廃材に施された表面加飾膜であるのが、好ましい。
本発明における前記プラスチック廃材に施された表面加飾膜は、アクリル系樹脂またはアクリル−ウレタン系樹脂で形成されたものであるのが、好ましい。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法において、300nm〜800nmの範囲内に吸収ピークを有するラジカルの活性種を用いるか、または、ラジカルの活性種として、OH、O、HO2から選ばれる少なくともいずれかを用いることがより好ましい。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法においては、被処理物のプラズマへの曝露時間を3〜60秒とすることが好ましい。
本発明はまた、上述した本発明のプラスチック廃材の再資源化方法によりプラスチック成形体を得る、プラスチック成形体の製造方法をも提供する。ここにおいて、プラスチック成形体はペレット状の形状を有するのが、好ましい。
本発明はさらに、上述した本発明のプラスチック廃材の再資源化方法により得られたプラスチック成形体をも提供する。ここにおいて、プラスチック成形体はペレット状の形状を有するのが、好ましい。
さらに本発明は、プラスチック廃材の付着物、および/または、プラスチック廃材に施された表面加飾膜を被洗浄物とする洗浄手段として、一定濃度のラジカルを生成するプラズマ発生装置を備える、プラスチック廃材の再資源化装置をも提供する。
本発明のプラスチック廃材の再資源化装置は、前記プラズマ発生装置が生成するラジカルの濃度を観測するプラズマ観測手段と、前記プラズマ発生装置に供給される原料ガスの流量を制御するガス流量制御手段とをさらに備え、プラズマ観測手段によって観測された前記ラジカル濃度をもとに原料ガスの流量をフィードバック制御することにより、当該ラジカル濃度を一定濃度に保持することが、好ましい。
また本発明のプラスチック廃材の再資源化装置は、前記プラズマ発生装置が生成するラジカルの濃度を観測するプラズマ観測手段と、前記プラズマ発生装置の電源の周波数を制御する周波数制御手段とをさらに備え、プラズマ観測手段によって観測された前記ラジカル濃度をもとに前記電源の周波数をフィードバック制御することにより、当該ラジカル濃度を一定濃度に保持することが、好ましい。
本発明のプラスチック廃材の再資源化装置は、以下の(a)または(b)を画像情報処理にて算出する光学的検出装置をプラズマ観測手段としてさらに備え、当該光学的検出装置からの出力を前記プラズマ発生装置の電源の出力制御、および/または、処理終了の判定に供することが好ましい。
(a)前記プラズマ発生装置から発生するプラズマジェットに起因する波長スペクトルの変化、
(b)プラスチック廃材の付着物および/またはプラスチック廃材に施された表面加飾膜に起因する波長スペクトルの変化。
さらに本発明のプラスチック廃材の再資源化装置は、被処理物上のプラズマ処理領域における気体温度、および/または、被処理物の表面温度を測定する温度検出装置をプラズマ観測手段としてさらに備え、当該温度検出装置からの出力を前記プラズマ発生装置の電源の出力制御、および/または、原料ガスの流量の制御に供することが好ましい。
また本発明のプラスチック廃材の再資源化装置の、被処理物と前記プラズマ発生装置におけるプラズマジェットの先端との距離を2〜30mmとしたものであることが好ましい。
さらに本発明のプラスチック廃材の再資源化装置においては、被処理物上のプラズマ処理領域における二次元的な温度分布を検出可能な温度検出装置をプラズマ観測手段としてさらに備え、当該温度検出装置からの出力を、前記被処理物と前記プラズマジェットの先端との距離、および/または、プラズマジェットの大きさの制御に供することが、好ましい。
また本発明のプラスチック廃材の再資源化装置は、以下の(a)または(b)を画像情報処理にて算出する光学的検出装置をプラズマ観測手段としてさらに備え、当該光学的検出装置からの出力を、前記被処理物と前記プラズマジェットの先端との距離、および/または、プラズマジェットの大きさの制御に供することが、好ましい。
(a)前記プラズマ発生装置から発生するプラズマジェットに起因する波長スペクトルの変化、
(b)プラスチック廃材の付着物および/またはプラスチック廃材に施された表面加飾膜に起因する波長スペクトルの変化。
本発明は、プラスチック廃材をプラズマ洗浄する工程を含むプラスチック廃材の再資源化方法である。本発明によれば、プラズマ処理にてプラスチック廃材の洗浄処理を行うので、プラスチック廃材の付着物、および/または、プラスチック廃材に施された表面加飾膜を除去するために、従来の洗剤や有機溶媒を用いた場合とは異なり環境に負荷を与える物質を使用することがない。さらに、プラズマ洗浄によれば水を使用することもないので乾燥などにエネルギが不要であり地球にやさしい技術で、持続可能な環境を維持するための材料リサイクルを実現することができる。このように本発明によれば、プラスチック廃材から、プラスチック廃材を主原料とするマテリアルリサイクルにより、多様な用途に適用可能な高品質のプラスチック成形体を得ることができ、サーマルリサイクルされるプラスチック廃材を低減することができる、効率的なプラスチック廃材の再資源化方法を提供することができる。
また本発明は、プラスチック廃材から、プラスチック廃材を主原料とするマテリアルリサイクルにより、多様な用途に適用可能な高品質のプラスチック成形体およびその製造方法も提供することができる。
さらに本発明のプラスチック廃材の再資源化装置は、洗浄手段として、一定濃度のラジカルを生成することができるプラズマ発生装置を備えるものであるので、上述した本発明のプラスチック廃材の再資源化方法を実施するのに特に好適に使用することができる装置を提供することができる。
以下、実施の形態を示して本発明をより詳細に説明する。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法は、プラスチック廃材をプラズマ洗浄する工程を含むことを特徴とする。かかる本発明によれば、プラスチック廃材から、プラスチック廃材を主原料とするマテリアルリサイクルにより、多様な用途に適用可能な高品質のプラスチック成形体を得ることができ、サーマルリサイクルされるプラスチック廃材を低減することができる効率的なプラスチック廃材の再資源化方法を提供することができる。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法に供されるプラスチック廃材としては、エアコン、テレビ、冷蔵庫および洗濯機よりなる群から選ばれる製品の廃棄物からのものであることが推奨される。ここで、使用済み製品として廃棄されたエアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機(本明細書において、「家電4品目」とも呼称する)から回収されたプラスチック部材の付着物、表面加飾膜の組成を解析した結果について、表1を用いて説明する。表1には、家電4品目から回収されたプラスチック部材の付着物、表面加飾膜の組成の代表的な一例を示す。
Figure 0004475517
表1から明らかなように、家電4品目から回収されたプラスチック廃材における付着物としては、たとえば、シリカ、炭酸カルシウム、酸化鉄などの無機物質のほか、洗剤、鉱油などの有機物質が挙げられる。一方、プラスチック廃材に施された表面加飾膜としては、アクリル系樹脂またはアクリル−ウレタン系樹脂が挙げられる。
よって、家電4品目から回収されたプラスチック廃材において、マテリアルリサイクルに供するプラスチックの基材と、マテリアルリサイクルをする際に除去を必要とする表面付着物や表面加飾膜の組成は化学構造的に異なっており、プラズマにより生成するラジカルなどで除去することが可能である。
ここで、本明細書において、プラスチックと呼称する際には、狭義のプラスチックのみを示すのではなく、熱可塑性エラストマー組成物や高分子組成物なども含む広い意味でのプラスチックを示すものとする。
図1は、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法の一例を示すフローチャートである。以下、図1を本発明のプラスチック廃材の再資源化方法の具体例として参照しながら、詳細に説明する。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法においては、まず、図1に示すように家庭などから廃棄された使用済みの家電4品目を回収する(ステップ101)。そして、該家電4品目の廃棄物を従来公知の適宜の手法にて解体(手解体)して、コンプレッサ、熱交換器などの大型の金属部品や、洗濯機の水槽、冷蔵庫の野菜ケースなどの大型のプラスチック成形品を部品ごとに回収する(ステップ102)。
なお、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法では、手解体工程(ステップ102)において、プラスチック廃材を選択的に回収し得ることが好ましい。このため、ステップ102では、廃棄された製品を構成するプラスチック廃材に記載および/または添付された標章を認識することにより、同一系統のプラスチックを選択的に回収することが好ましい。
ここで、廃棄された製品を構成するプラスチック廃材に記載および/または添付された標章の認識方法は、肉眼による方法であっても、自動認識装置によるものであってもよい。この廃棄された製品を構成するプラスチック廃材に記載および/または添付された標章としては、特に限定するものではないが、肉眼または自動認識装置により容易に認識して自他の識別機能を発揮するものであればよく、たとえば、特定の図形、特定の数値、特定の記号、特定の文字、特定の模様、特定の色彩、特定のバーコード、またはそれらの組み合わせなどが挙げられる。さらに、この標章は、平面状のものであっても立体状のものであってもよく、廃棄された製品に直接記載されてもよく、シール状の用紙に記載して廃棄された製品に添付してもよい。あるいは、たとえば紫外線などの照射により発色するような特殊なインキで記載されたものであってもよい。この標章の製品への記載および/または添付の時期は、該商品の製造段階、出荷段階、販売段階、廃棄段階、回収段階などのいずれの段階であってもよいが、特に製造段階または出荷段階において記載および/または添付されることが好ましい。さらに、この標章を肉眼または自動認識装置により認識することにより、容易に製品を構成するプラスチックの組成が読み取れることが好ましい。
次に、大型金属部材などが回収された家電4品目の廃棄物の残りの部材を、たとえば衝撃式破砕装置やせん断式破砕装置などの大型破砕機で粗破砕する(ステップ103)。ステップ103における破砕物の粒径は、特に制限されるものではないが、10mm以上であるのが好ましく、40mm以上であることがより好ましい。また、破砕物の粒径は80mm以下であることが好ましく、60mm以下であることがより好ましい。破砕物の粒径が10mm未満または80mmを越える場合には、次工程での金属の選別精度が低下するという傾向があり、さらに粒径が10mm未満の場合には、破砕に長時間を要するため、プラスチックが溶融あるいは熱酸化劣化を起こすという傾向があり、また、粒径が80mmを越えると、嵩比重が小さくなり以後の工程での作業性に悪影響を及ぼすという傾向がある。具体的には、粒径が60mm程度となるように破砕するのが特に好ましい。なお、コンプレッサ、熱交換器をはじめとする大型の金属部材などの破砕が困難な部材は、予め分解してプラスチック部材を含む廃棄物から取り外しておいてもよい。
続いて、該家電4品目の廃棄物の破砕物を、鉄、銅、アルミニウムなどで形成された金属系破砕物とプラスチック系破砕物に選別する(ステップ104)。当該ステップにおける破砕された廃棄物を金属系破砕物とプラスチック系破砕物との選別には、たとえば、鉄の選別に適した磁力を用いた選別装置、アルミニウムや銅の選別に適した渦電流を用いた選別装置、粒度を均一にしてふるいにかけるトロンメル装置などを好適に用いることができる。
次に、金属系破砕物を選別(ステップ104)した後のプラスチック系破砕物より、低嵩比重破砕物をさらに選別することが好ましい(ステップ105)。ここで、低嵩比重破砕物とは、嵩比重が0.3以下の破砕物を意味する。低嵩比重破砕物の具体例としては、ポリウレタン系断熱材の破砕物や発泡スチロール系の破砕物などが挙げられる。この低嵩比重破砕物は、たとえば風力を用いた選別装置や、振動ふるいを用いた装置により選別することができる。なお、破砕された廃棄物を金属系破砕物とプラスチック系破砕物と低嵩比重破砕物とに選別する際に、風力による選別、磁力による選別、渦電流による選別を行う場合には、その順序は特に特に制限するものではないが、選別の効率の観点からは、まず磁力により鉄系金属破砕物を分離し、次いで渦電流によりアルミニウム系金属や銅系金属の破砕物を選別し、続いて風力により低嵩比重破砕物を選別し、残った混合プラスチック系の破砕物を、以下のステップに供することが好ましい。
前記で得られた混合プラスチック系の破砕物は、微破砕工程(ステップ201)に供される。この微破砕は、たとえば、せん断式破砕装置を用いて行うことができる(微破砕後のものを、以下「微破砕物」と呼ぶ。)。微破砕物の大きさに特に制限はないが、5mm以上であることが好ましく、特に8mm以上であることがより好ましい。また、この粒径は30mm以下であることが好ましく、特に20mm以下であることが好ましい。この粒径が5mm未満の場合には、破砕に長時間を要するためプラスチックが溶融あるいは熱酸化劣化を起こすという傾向があり、この粒径が30mmを越えると、加熱成形工程での作業性に悪影響を及ぼすという傾向があるためである。
なお、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法においては、手解体(ステップ102)により回収された水槽、冷蔵庫の野菜ケースなどの大型のプラスチック成形品を、上述したステップ103〜ステップ105のステップを経ることなく、そのまま微破砕工程(ステップ201)に供するようにしてもよい。
続いて、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法において特徴的なステップであるプラズマ洗浄のステップを行う(ステップ202)。ここで、プラズマ洗浄に用いる放電方式・プラズマ発生方法は公知のもので、特に制限されるものではない。本発明のプラスチック廃材の再資源化方法によれば、プラズマ処理にてプラスチック廃材の洗浄処理を行うので、プラスチック廃材の付着物、および/または、プラスチック廃材に施された表面加飾膜を除去するために、従来の洗剤や有機溶媒を用いた場合とは異なり環境に負荷を与える物質を使用することがない。さらに、プラズマ洗浄によれば水を使用することもないので乾燥などにエネルギが不要であり地球にやさしい技術で、持続可能な環境を維持するための材料リサイクルを実現することができる。このように本発明によれば、プラスチック廃材から、プラスチック廃材を主原料とするマテリアルリサイクルにより、多様な用途に適用可能な高品質のプラスチック成形体を得ることができ、サーマルリサイクルされるプラスチック廃材を低減することができる、効率的なプラスチック廃材の再資源化方法を提供することができる。
図2は、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法におけるプラズマ洗浄工程に用いられる装置2の一例を模式的に示す図である。図2に示す例のプラズマ発生装置2は、円筒状金属で形成されたA電極と、その対となる金属棒状または線状のB電極とが、一定の間隔をあけ、その間にB電極に密着して内側から覆う円筒状の誘電体7を介在させるように配置された構成のトーチ3を備えるように実現される。そして、A電極およびB電極に電源4が電気的に接続され、また、A電極と誘電体との間には、原料ガスを供給するためのガス供給路8が形成される。
図2に示すプラズマ発生装置2において、まず、トーチ3内のガス供給路8に原料ガスを供給しつつ、電源4からA電極およびB電極に電圧を印加する。電源4は、空気や水蒸気およびその他の気体を活性化し得る電源であれば、直流、交流、パルスのいずれでもよいが、好ましくはパルス電源を使用する(電源4による出力の好ましい諸条件については後述する。)。電源4よりA電極およびB電極にある値以上の電圧が印加されると、A電極6およびB電極5の対向する部分で放電を生じるが、図2に例示する誘電体バリア放電の場合、片方の電極(すなわちB電極)の内側が誘電体7で覆われているため、放電箇所が集中することなく、誘電体7のある領域に応じ広く分布した放電が生じ、大きなプラズマ領域を得ることができるという利点がある。なお、上述した誘電体バリア放電はあくまで一例であって、他にコロナ放電やアーク放電など種々の放電発生方式、あるいはそれらの組み合わせを有する従来公知の適宜のプラズマ発生装置が本発明に適用可能であることは勿論である。
ここで、放電によってガス供給路から入ってくるガスの成分が高速に加速された電子との衝突により、電離・解離・励起され、ガスの成分に起因する各種のイオンやラジカルが生成する。これらのラジカルがプラスチック廃材の付着物および/または表面加飾膜に作用し、その分子を切断、分解し、プラスチック廃材の表面を洗浄する。
プラズマ洗浄において、重要な働きをもつ活性種はOラジカル、OHラジカル(およびHO2ラジカル)である。これらのラジカルは分光測定において、波長スペクトル200〜1200nmにおいて観測される。本発明におけるプラズマ洗浄には、300nm〜800nmの範囲内に吸収ピークを有するラジカルの活性種を用いることが好ましい。この範囲内に吸収ピークを有するラジカルの活性種としては、N2(300〜400nm)、N(746nm)およびO(777nm)が挙げられる(実験例にて後述する。)。これらのラジカルの活性種は、原料ガスとして酸素ガスおよび窒素ガスを用いることによって発生させることができる。これらのラジカルの活性種を用いた場合(すなわち、原料ガスに酸素ガスおよび窒素ガスを用いた場合)には、Oラジカルは、半導体のプラズマ処理などにおいてエッチング種として働くことが報告されており、本発明においても表面加飾膜のエッチングや、高分子側鎖、主鎖の切断といった効果が特に期待できる。これがOラジカルの(酸素ガスを原料ガスに使用することの)利点である。また、窒素ガスを利用することの利点は、窒素の振動励起種(N2 *−:300〜400nm)の約8割以上が酸素分子と衝突し、Oラジカルの生成に貢献できるという点にある。
また本発明におけるプラズマ洗浄には、ラジカルの活性種として、OH、O、HO2から選ばれる少なくともいずれかを用いるのも好ましい。これらのラジカルの活性種は、原料ガスとして酸素ガスおよび空気を用いることによって発生させることができる。これらのラジカルの活性種を用いた場合(すなわち、原料ガスに酸素ガスおよび空気を用いた場合)には、大気中に含まれる水蒸気がOHラジカル、HO2ラジカルの原料となり、これらの活性種は高い酸化力をもち、洗浄においてOラジカルと同様の効果が期待できるという利点がある。
また本発明のプラスチック廃材の再資源化方法において、被処理物のプラズマへの曝露時間は3〜60秒であるのが好ましく、5〜15秒であるのがより好ましい。この曝露時間が3秒未満であると、プラズマ洗浄処理が十分に行われない、表面加飾膜を十分に除去することができないなどの傾向にあるためである。また曝露時間が60秒を超えると、プラスチック廃材の表面まで損われてしまう、母材の酸化が進み、また母材のエッチング量が大きいために、リサイクル材料の物性が低下する傾向にあるためである。
そして、プラズマ洗浄により表面を清浄化されたプラスチック廃材を、下記のプラスチックの成形ステップに移すことが好ましい。具体的には、プラスチック廃材の表面を清浄化した後、回転式混合機で均一に攪拌する(ステップ203)。さらに、加熱溶融した後に成形して(ステップ204)、ペレット状のプラスチック成形体とする(ステップ205)。そして、このペレット状のプラスチック成形体を射出成形機に投入しプラスチック部材を作製する(ステップ206)。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法は、図1に示した各工程の全てを備える必要はなく、プラズマ洗浄する工程を少なくとも含んでいれば、本発明の範囲に包含される。また、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法には、図1に示されていないステップが必要により付加、あるいは削除されていても構わない。また上述したように、プラズマ洗浄後のプラスチック廃材を加熱溶融する工程と、加熱溶融された前記プラスチック廃材を成形してプラスチック成形体を得る工程とをさらに含むことが、好ましい。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法は、系統別に分離されたプラスチックを特定の形状に成形するステップを含むことが好ましい。プラスチックの成形ステップにおいては、系統別に分離されたプラスチックの中でも、プラスチックを溶融した後、特定の形状に成形することにより、マテリアルリサイクルを行うことが好ましい。
マテリアルリサイクルされるプラスチックの具体例としては、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリカーボネート系、ポリメチルメタクリレート系などのプラスチックが挙げられる。これらの中でも、ポリエチレン系やポリプロピレン系などのポリオレフィン系プラスチック、およびポリスチレン系、ABS系などのポリスチレン系プラスチックは、下記の表2に示されるように、他のプラスチックに比べて加工性、経済性などの点で優れているので、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法において好適にマテリアルリサイクルすることが可能である。
Figure 0004475517
ここで、表2における主要なプラスチックの特性は、下記の基準に従って評価されたものである。
○:優れている
△:どちらともいえない
×:劣る
なお、プラスチックの成形ステップにおいては、プラスチックを加熱して溶融することにより、マテリアルリサイクルすることが望ましい。
ここで、プラスチックの融点をT℃とすると、加熱成形時の加熱温度はT℃以上であることが好ましく、特に(T+10)℃以上であることがより好ましい。また、加熱成形時の加熱温度は(T+120)℃以下であることが好ましく、特に(T+80)℃以下であることがより好ましい。加熱成形時の加熱温度がT℃未満の場合には、該熱可塑性樹脂組成物が十分に溶融しないために成形し難いという傾向にあるためであり、また、加熱成形時の加熱温度が(T+120)℃を越えると、該熱可塑性樹脂組成物が熱劣化してしまう傾向にあるためである。加熱成形に用いる装置としては、特に制限されるものではないが、たとえば、単軸押出成形機あるいは多軸式押出成形機などの押出成形機が挙げられる。
本発明はまた、上述したプラスチック廃材の再資源化方法を用いたプラスチック成形体の製造方法、ならびに当該方法にて製造されたプラスチック成形体をも提供する。
本発明のプラスチック成形体は、その形状に特に制限はなく、ペレット状、シート状、フィルム状、パイプ状などのいずれの形態であってもよく、押出成形機の種類、使用の態様あるいは求められる特性などから適宜決定すればよい。シート、フィルム、射出成形体などの各種成形体に成形する原料として汎用性のあること、取り扱いが容易であることから、プラスチック成形体は、ペレット状であるのが好ましい。
プラスチック成形体をペレット状とする場合、その粒径は特に制限されるものではないが、1mm以上が好ましく、特に2mm以上がより好ましい。ペレットの粒径が1mm未満の場合には、浮遊するため作業性が低下するという傾向があるためである。またペレットの粒径は、8mm以下が好ましく、特に5mm以下がより好ましい。ペレットの粒径が8mmを越えると、成形機のシリンダー内で充分に溶融しないため均一混練されないという傾向があるためである。
さらに、本発明のプラスチック成形体には、熱安定剤や光安定剤、帯電防止剤、滑剤、フィラー、銅害防止剤、抗菌剤、着色剤などの添加剤を、必要により、本発明の効果を害しない範囲の量で添加してもよい。
さらに、本発明は、上述したプラスチック廃材の再資源化方法を用いたプラスチック部材の製造方法、ならびに当該方法にて製造されたプラスチック部材をも提供する。本発明のプラスチック部材は、特に制限されるものではないが、エアコン、テレビ、冷蔵庫および洗濯機よりなる群から選ばれる製品に用いられることが好ましい。本発明のプラスチック部材は、前記の本発明のプラスチックから、射出成形などの方法を用いて成形することができる。このとき用いる射出成形機としては、特に限定するものではないが、たとえばスクリュインライン式射出成形機、プランジャ式射出成形機などが挙げられる。
本発明のプラスチック部材の成形の工程をより簡略化するために、ペレット状などの形状を有する前記プラスチック成形体を作製することなく、破砕したプラスチック廃材を射出成形機にそのまま投入し、プラスチック部材を直接作製しても構わない。
また、本発明のプラスチック部材は、熱安定剤や光安定剤、帯電防止剤、滑剤、フィラー、銅害防止剤、抗菌剤、着色剤などの添加剤を、必要により、本発明の効果を害しない範囲の量で添加した上で成形して作成してもよい。これらの添加物を添加する工程としては、押出成形機または破砕したプラスチック廃材の投入時が好ましい
ここで、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法に使用するプラズマ発生の技術は、IC産業や電子部品産業の分野で実用化が進んでいる物質の分解や改質に関する技術を、産業廃棄物再資源化の分野に応用しようとするものである。着目する廃プラスチックなどに付着する塗料の多くは有機物で形成されているが、その分子が切断されたり、他の気体または液体物質に分解されることになる。このような着眼は、従来にはなかったものである。
図3は、本発明の好ましい一例のプラスチック廃材の再資源化装置1を模式的に示す図である。本発明は、上述した本発明のプラスチック廃材の再資源化方法に好適に用いることができる装置をも提供する。かかる本発明のプラスチック廃材の再資源化装置1は、プラスチック廃材の付着物、および/または、プラスチック廃材に施された表面加飾膜を被洗浄物とする洗浄手段として、一定濃度のラジカルを生成するプラズマ発生装置2を備えることを特徴とする。
本発明のプラスチック廃材の再資源化装置1におけるプラズマ発生装置2は、図3に示すように、トーチ3と、トーチ3に放電エネルギを供給する電源4と、トーチ3に所定の原料ガスを供給するガスボンベ11a,11bと、トーチ3に供給する原料ガスの流量を所定量に調整するガス弁12a,12bと、被処理物13を収容する反応炉14とを基本的に備える。
本発明におけるプラズマ発生装置2には、従来公知の適宜のものを特に制限なく用いることができるが、たとえば、上述して参照した図2に示すように、円筒状金属で形成されたA電極と、その対となる金属棒状または線状のB電極とが、一定の間隔をあけ、その間に円筒状の誘電体7を介在させるように配置された構成のトーチ3を備えるように実現される。A電極、B電極としては、プラズマ発生装置に用いられてきた従来公知ものを特に制限なく用いることができ、たとえば負極であるA電極にはタングステン製電極、B電極にはSUS製電極を用いることができる。また誘電体7としては、たとえば石英ガラスチューブを用いることができる。A電極6およびB電極には、電源4が電気的に接続され、また、A電極と誘電体との間には、ガス弁12a,12bを介してガスボンベ11a,11bに気密状に連通するガス供給路8が形成される。
なお、本発明におけるA電極とB電極との間の距離は、特に制限されるものではないが、1〜4mmの範囲内であるのが好ましく、2〜3mmの範囲内であるのがより好ましい。前記電極間距離が1mm未満であると、ガスの流速が増加して、ガスが放電領域を通過する時間が減少するため、プラズマ中の活性種発生量が減少する、また、ストリーマー状放電が発生して放電が不均一になったり、放電領域が狭くなり有効なラジカルの発生が効率的に行えない傾向にあるためである。また、前記電極間距離が4mmを超えると、放電が発生しにくく、また放電が局所的に生じる可能性があり、十分な量の有効なラジカル発生が得られ難くなる傾向にあるためである。
プラズマ発生装置2によるプラズマ発生は、まず、ガスボンベ11a,11bよりガス弁12a,12bを介してトーチ3内のガス供給路8に原料ガスを供給しつつ、電源4からA電極およびB電極に電圧を印加することによって、プラズマジェット9を形成させる。電源4としては、原料ガスとなる酸素ガスや窒素ガス、空気などの気体を活性化し得る電源であれば、直流、交流、パルスのいずれでもよいが、好ましくはパルス電源を使用する。図4(a)、図4(b)は、本発明における電源4の出力電圧波形の一例を示すグラフ(図4(a)は図4(b)の一部を拡大して示している)であり、図4(a)に示すような波形を示す電圧を印加することが好ましい。電圧、電源、周波数なども原料ガスとなる酸素ガスや窒素ガス、空気などの気体を活性化し得る条件であればよく、これは放電場の雰囲気成分、温度などにより異なる。
図4(a)に示す例では、たとえば、電圧値V+,V−がピーク値で2〜15kV(好ましくは3〜5kV)であり、パルスの立ち上がり時間Tupおよび立ち下がり時間Tdownが数nsec〜10μsec(好ましくは3μsec以下)であり、パルス幅Tw+,Tw−が1〜3μsec(好ましくは2μsec)であり、周波数Tfが1〜100kHz(好ましくは3〜5kHz)、電源4の出力が200〜500W(好ましくは300〜400W)である場合が挙げられる。これらの各値は、プラズマ処理しようとする付着物および/または表面加飾膜の種類や厚みや付着強度、供給するガスの成分などにより、それぞれ前記範囲内で最適となるように適宜調整される。また上述した電源4からの出力の好適な範囲には、被処理物に応じたトーチ3の大きさとそれに伴うプラズマジェット9の大きさ、それに伴うガスの流量、A電極6、B電極5の温度上昇のガス流での自己冷却などに関係する。また、図4(b)に示される間欠周波数については、デューティ比50%として、50Hz〜数kHzの範囲から選択するのが一般的であるが、処理時間や電極温度上昇やガス流量などと関連し、処理時間が10秒程度である場合には、簡便な連続するのが好ましい。以上のような条件設定により、ストリーマー放電にならない均質なグロー放電により、所定の有効なラジカルを効率的・効果的に発生させることができる。
本発明におけるプラズマ発生装置2においては、上述したように選ばれるある値以上の電圧がA電極およびB電極に印加されると、A電極6およびB電極5の対向する部分で放電を生じるが、図2に例示する誘電体バリア放電の場合、片方の電極(すなわちB電極)の内側が誘電体7で覆われているため、放電箇所が集中することなく、誘電体7のある領域に応じ広く分布した放電が生じ、大きなプラズマ領域を得ることができるという利点があることは上述したとおりである。
プラズマ発生においては、放電によりプラズマが発生し、そのプラズマには雰囲気ガス、ガス供給路8から入ってくるガスの成分に起因する各種のイオンやラジカルが含まれることがよく知られている。本発明のプラズマ発生装置2に供給される原料ガスとしては、たとえば、酸素ガス、窒素ガス、空気、水蒸気、ヘリウムガス、アルゴン、二酸化炭素などから選ばれる少なくともいずれかが挙げられる。なお、図2および図3に示す例では、たとえば、ガスボンベ11aより酸素ガスを、ガスボンベ11bより窒素ガスを供給してなる例を示す。原料ガスの1つに空気を用いる場合には、送風機を用いて供給するようにしてもよい。
ここで、プラスチック廃材の付着物を除去するのに有効なラジカルは種々存在するが、有毒であったり高価なものは避けるべきであり、空気そのものを原料ガスとして用いるのが好ましいが、プラズマ処理領域における酸素ラジカル濃度を上げるために、空気に少量の酸素ガスを付加するか、あるいは、水蒸気を付加するのが好ましい。なお、水蒸気を付加する方法は、酸素ガスを付加する方法と比較して簡便であり、より好適である。なお、原料ガスに含まれる水分や、積極的に付加した水蒸気や酸素の量を供給段階で制御するよりは、プラズマ観測手段の出力データから判断し、電源の周波数を変化させるように制御してプラズマ処理領域における酸素ラジカル濃度を調整する(後述する本発明の装置の第2の態様など)ことが、好ましい。すなわち、大気ガスそのものを原料ガスにすることが経済的で安全であるが、湿度の変化が、プラズマ領域の酸素ラジカル濃度の変化として現れてくることは好ましくなく、これを適正に保つため、後述するような電源周波数の制御や水蒸気の追加や酸素ガスの追加などを行うことが好ましい。
本発明の装置1において、原料ガスの供給量については特に制限されるものではないが、総ガス流量が10〜50リットル/分であるのが好ましく、20〜30リットル/分であるのがより好ましい。原料ガスの総ガス流量が10リットル/分未満であると、電極が熱をもち、装置の故障につながる可能性があるためであり、また、50リットル/分を超えると、ガスが放電領域を通過する時間が減少し、十分な活性種発生量が期待できない可能性があり、またガスの大量利用は経済的な面でも問題があるためである。
ここで、本発明のプラスチック廃材の再資源化装置1の特徴は、上述したプラズマ発生装置2が一定濃度のラジカルを生成するように調整されたものであることである。実験例にて後述するように、本発明者らは、プラスチック廃材の付着物および/またはプラスチック廃材に施された表面加飾膜の除去率は、原料ガスにおける酸素濃度を0%〜50%の間で変化させると、酸素濃度が高いほど除去が進むことを見出した(図12を参照)。その一方で、本発明者らは、原料ガスにおける酸素濃度が50%を超えると、前記付着物および/または表面加飾膜の除去が進むと同時にプラスチック廃材自体の表面の酸化も進行してしまい、プラスチック廃材の再利用には好ましくないものとなってしまうことも確認した。したがって、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法に用いる装置としては、このプラズマ発生装置が生成するラジカルが一定の濃度に調整されるように実現されることが重要である。かかる特徴を実現するため、本発明の装置1は、図3に示すように、プラズマ観測手段16と、制御手段17とをさらに備え、具体的に以下の各態様にて好ましく実現され得る。
〔1〕第1の態様
本発明の装置1の第1の態様としては、プラズマ観測手段16がプラズマ発生装置が生成するラジカルの濃度を観測する機能を有する手段(具体的には、レーザ誘起分光法を利用した発光分析装置や、質量分析装置、分子線(molecular−beam)法を利用した装置など)で実現され、プラズマ発生装置2に供給される原料ガスの流量を制御するガス流量制御手段(具体的には、図3に示すようなガス弁12a,12b)をさらに備える場合が例示される。実験例にて後述するように、本発明者らは、原料ガスにおける酸素ガスの濃度を上げることによって、プラズマジェット中の酸素ラジカル濃度を上げることができることを見出した(図11を参照)。本発明の装置1の第1の態様は、かかる知見に基づきなされたものであり、プラズマ観測手段16によって観測されたラジカル濃度(たとえば酸素ラジカル濃度)をもとに、制御手段17およびガス流量制御手段によって原料ガスの流量を、上述した好ましい範囲内となるようにフィードバック制御することによって、当該ラジカル濃度を一定に保持するように実現するものである。
〔2〕第2の態様
本発明の装置1の第2の態様としては、プラズマ観測手段16が前記と同様にプラズマ発生装置が生成するラジカルの濃度を観測する機能を有する手段で実現され、前記プラズマ発生装置2の電源4の周波数を制御する周波数制御手段(図示せず)をさらに備える場合が例示される。実験例にて後述するように、本発明者らは、図4に示した電源4からの出力電圧におけるパルス周波数を高くすることで、プラズマジェット9における酸素ラジカル濃度を上げることができることを見出した(図15を参照)。本発明の装置1の第2の態様は、かかる知見に基づきなされたものであり、プラズマ観測手段16によって観測されたラジカル濃度(たとえば酸素ラジカル濃度)をもとに、制御手段17および周波数制御手段によって前記電源の周波数をフィードバック制御することにより、当該ラジカル濃度を一定に保持するように実現するものである。
〔3〕第3の態様
また本発明の装置1の第3の態様としては、プラズマ観測手段16が(a)前記プラズマ発生装置から発生するプラズマジェットに起因する波長スペクトル(可視光や赤外画像の色調や濃淡)の変化、または、(b)プラスチック廃材の付着物および/またはプラスチック廃材に施された表面加飾膜に起因する波長スペクトル(可視光や赤外光画像の色調や濃淡)の変化、を画像情報処理にて算出する光学的検出装置(たとえば、CCDカメラ、受光素子、色差計、光沢計など)で実現される場合が例示される。なお、かかる第3の態様は、上述した第1の態様または第2の態様と組み合わされて実現されても勿論よい。すなわち、プラズマ観測手段16が、プラズマ発生装置が生成するラジカルの濃度を観測する機能を有する手段(発光分析装置など)と、前記光学的検出装置とで実現され、ガス流量制御手段または周波数制御手段を備えるように実現されてもよい。
具体的に説明すると、この第3の態様では、プラズマ観測手段16により、たとえば、前記プラズマ発生装置2から発生するプラズマジェットに起因する波長スペクトルの変化を観測する。すなわち、プラスチック廃材上に付着物および/または表面加飾膜が存在する時点と、プラズマ洗浄により付着物および/または表面加飾膜がプラスチック廃材から除去された時点とでは、プラズマにより発生するラジカル種が異なるため、プラズマジェットに起因する波長スペクトルは異なるものとなる。したがって、このプラズマジェットに起因する波長スペクトルの変化は、プラスチック廃材上に付着物および/または表面加飾膜が除去されたか否かの判断基準とすることができる。
あるいは、第3の態様においては、プラズマ観測手段16により、たとえば、プラスチック廃材の付着物および/またはプラスチック廃材に施された表面加飾膜に起因する波長スペクトルの変化を観測する。すなわち、プラスチック廃材上に付着物および/または表面加飾膜が存在する時点では、当該付着物および/または表面加飾膜に起因する波長スペクトルが観測されるが、プラズマ洗浄により付着物および/または表面加飾膜がプラスチック廃材から除去された時点では、この付着物および/または表面加飾膜が除去された後のプラスチック廃材自体の表面に起因する波長スペクトルが観測される。したがって、このプラスチック廃材の付着物および/またはプラスチック廃材に施された表面加飾膜に起因する波長スペクトルの変化についても、プラスチック廃材上に付着物および/または表面加飾膜が除去されたか否かの判断基準とすることができる。このプラスチック廃材の付着物および/またはプラスチック廃材に施された表面加飾膜に起因する波長スペクトルの変化は、被処理物において付着物および/または表面加飾膜が存在する領域と存在しない領域(プラスチック廃材自体の表面領域)とにそれぞれ起因する波長スペクトルを観測して比較するようにしてもよいし、また、被処理物において付着物および/または表面加飾膜が存在する領域に起因する波長スペクトルの変化自体を観測するようにしてもよい。
この本発明の装置1の第3の態様では、前記(a),(b)のうちの少なくともいずれかの変化を光学的検出装置で実現されるプラズマ観測手段16にて観測し、この変化を画像情報処理にて算出してなる出力を、前記プラズマ発生装置の電源の出力制御、および/または、処理終了の判定に供する。ここで、前記「電源の出力制御」は、上述した第2の態様における電源が出力する周波数の制御のほか、電源の入力電圧の制御による出力制御、間欠周波数の制御による出力制御などの制御も包含する。
以下、上述した光学的検出装置を用いた観測について、被処理物において付着物および/または表面加飾膜が存在する領域に起因する波長スペクトルの変化自体を観測する場合を一例として挙げて、より具体的に説明する。図5および図6は、光学的検出装置を用いた観測の原理を説明するための図である。たとえば、表面加飾膜が施されたプラスチック廃材が、図5(a)に示すような自然色のプラスチック基材に赤色の塗料が塗られたテレビキャビネットであった場合、プラズマ洗浄に際しては、図5(b)に示すように破砕された被処理物がランダムに配置されることになる。
このような被処理物について、図6に示すように、CCDカメラでとらえた二次元画像を、被処理物1個あたり複数の画素となるように設定された所定数の画素に分け、カメラ出力をRGB(赤、緑、青)の強度ごとにデジタル化し、二次元かつ時系列的にデジタルデータとして、制御手段17のメモリに取り込んでいく。この動作においては、色だけでなく、被処理物の端部がエッジとして捕えられ、色調変化を捕える際のノイズとなり得る要素が幾つか考えられるが、これはエッジ除去などの画像処理技術を用いて除去したり、平均化するなどの手法を前処理として適用することで、前記ノイズを減少させることが可能である。たとえば、被処理物の大きさに由来する空間周波数を考慮し、空間的な急激な色調の変化部分はエッジを意味するものとして、当該部分のデータをその前後の空間のデータで置き換えるなどすることができる。なお、これらの手法は公知である。
プラズマ処理開始後t1の時点を示す図6(b)は、R出力のデータをメモリの番地順に収納した場合のデータを示し、プラズマ処理開始時t0の時点である図6(a)の被処理物の配置と併せて模式的に示す。R値をたとえば、0〜256までに当てはめ、数字が大きいほど赤色が強くなるように対応させる。図6(a),(b)に示すように、処理の開始時から途中・終了と時間が経過するに伴って、それぞれの画素データのR値が低くなっていく。そして、制御手段17において、R値が特定の値以下となった時点で処理終了と判断させることができる。処理終了の判定基準となるR値は、必ずしも0である必要はなく、プラスチック廃材の再資源化において求められる品質に応じて、処理費用やプラスチック母材へのダメージなどを勘案して決められる。たとえば、R値が16以下となった時点で処理終了の判定をするように設定することが可能である。
また図6(c)は、画像の前処理を行わなかった場合を示している。図6(c)における短い縦線は、赤色の塗料が取れた状態の被処理物を観測しているにも関わらず、被処理物の端部(エッジ)の影がR出力として検出されている。このように、上述した前処理は必ずしも必須ではなく、終了判定において、メモリ値の平均化や多数決などの方法を適用することもできる。
なお、図6では、被処理物は全て塗料面が同一方向を向いて示されているが、裏向きになっている場合があっても問題はない。すなわち、色調データの総合的な平均値が処理領域の処理の進行状態を示すと考えて、前記と同様の判定ができる。
なお、前記光学的検出装置に換えて、前記変化の観測を肉眼で行うようにしてもよい。すなわち、プラズマジェットに起因する波長スペクトルの変化やプラスチック廃材の付着物および/またはプラスチック廃材に施された表面加飾膜に起因する波長スペクトルの変化は、その色調の違いとして肉眼で観察することが可能である。したがって、たとえばプラズマジェットや被処理物表面の色調の変化より、コントラストや色差や3原色の変化などを判定基準とし、所定の値に到達したことをもって、前記プラズマ発生装置の電源の出力制御、および/または、処理終了の判定を作業者によって制御するようにしてもよい。前記判定基準としては、具体的には、プラスチック廃材表面の色が黒色であり、当該プラスチック廃材の表面に設けられた表面加飾膜(たとえばアクリル系樹脂で形成)の色が銀色である場合に、被処理物のプラズマ処理領域の色が銀色から黒色に変化する時点を、肉眼により観測する場合が例示される。
〔4〕第4の態様
本発明の装置1の第4の態様としては、プラズマ観測手段16が、被処理物上のプラズマ処理領域における気体温度、および/または、被処理物の表面温度を測定する温度検出装置(具体的には、放射温度計、熱電対、サーミスタ、主要ガスの回転温度を分光によって求める方法を利用した装置など)にて実現される場合が例示される。すなわち、プラスチック廃材上に付着物および/または表面加飾膜が存在する時点と、プラズマ洗浄により付着物および/または表面加飾膜がプラスチック廃材から除去された時点とでは、プラズマ処理領域における気体温度や被処理物の表面温度の変化が観測される。したがって、このプラズマ処理領域における気体温度および/または被処理物の表面温度の変化についても、プラスチック廃材上に付着物および/または表面加飾膜が除去されたか否かの判断基準とすることができる。
かかる第4の態様では、たとえば、上述したガス流量制御手段または周波数制御手段をさらに備えるように実現され、温度検出装置からの出力を前記プラズマ発生装置の電源の出力制御(たとえば上述した周波数制御)、および/または、原料ガスの流量の制御に供する。なお、かかる第4の態様は、上述した第1の態様〜第3の態様から選ばれる少なくともいずれかと組み合わされて実現されても勿論よい。すなわち、プラズマ観測手段16が、プラズマ発生装置が生成するラジカルの濃度を観測する機能を有する手段(発光分析装置など)、および/または、前記光学的検出装置と、上述した温度検出装置とで実現され、ガス流量制御手段または周波数制御手段を備えるように実現されてもよい。
〔5〕第5の態様
本発明の装置1の第5の態様としては、プラズマ観測手段16が、被処理物上のプラズマ処理領域における二次元的な温度分布を検出可能な温度検出装置(具体的には、温度分布を検出可能な放射温度計、熱画像装置、複数の熱電対やサーミスタを配置したものなど)にて実現される場合が例示される。被処理物上のプラズマ処理領域における二次元的な温度分布を観測することにより、プラズマ領域の広がりを温度分布として把握し、プラズマジェットの端部の変化を測定することができる。具体的には、当該変化は、前記二次元的な温度分布における等温度包絡線を観測することで測定する。
ここで、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法にて利用されるプラズマ洗浄は、プラズマ発生装置より発生するプラズマジェットと被処理物との間の距離の関係を調整することも重要である。被処理物の大きさとそれに相応しいトーチ2、および電極の大きさと電極の温度などに起因する最適条件を調整する要素の1つとなり得るからである。図7は、図3に示したプラスチック廃材の再資源化装置1のうち、反応炉14の部分について拡大して示す模式図である。図7に示すように、プラズマジェット9の先端と被処理物13(たとえば、基材であるプラスチック廃材19およびその上の表面加飾膜20で構成される)との間の距離Ldは、2〜30mmの範囲内であるのが好ましく、7.5〜10mmの範囲内であるのがより好ましい。前記距離Ldが2mm未満であると、被処理物が熱による損傷を受ける傾向にあるためであり、距離Ldが30mmを超えると、プラズマ中に存在する活性種量が減少し、十分な処理効果が得られない傾向にあるためである。また、プラズマジェット9自体の長さLjは、15〜20mmの範囲内であるのが好ましい。
第5の態様においては、上述した温度検出装置からの出力を、前記被処理物と前記プラズマジェットの先端との距離、および/または、プラズマジェットの大きさの制御に供する。前記被処理物と前記プラズマジェットの先端との距離の制御は、プラズマジェット9自体の大きさを制御することによって行ってもよいし、プラズマジェット9の大きさを一定としたままで、被処理物13の表面に対し垂直な方向にトーチ3または被処理物13を載置したステージを変位させる機構によって制御するようにしてもよい。なお、かかる第5の態様は、上述した第1の態様〜第4の態様から選ばれる少なくともいずれかと組み合わされて実現されても勿論よい。すなわち、プラズマ観測手段16が、プラズマ発生装置が生成するラジカルの濃度を観測する機能を有する手段(発光分析装置など)、および/または、前記光学的検出装置、および/または、被処理物上のプラズマ処理領域における気体温度、および/または、被処理物の表面温度を測定する温度検出装置と、上述した被処理物上のプラズマ処理領域における二次元的な温度分布を検出可能な温度検出装置とで実現され、ガス流量制御手段または周波数制御手段を備えるように実現されてもよい。
〔6〕第6の態様
本発明の装置1の第6の態様は、プラズマ観測手段16が、上述した第3の態様と同様に、(a)前記プラズマ発生装置から発生するプラズマジェットに起因する波長スペクトル(可視光や赤外光画像の輪郭)の変化、または(b)プラスチック廃材の付着物および/またはプラスチック廃材に施された表面加飾膜に起因する波長スペクトル(可視光や赤外光画像の輪郭)の変化、を画像情報処理にて算出する光学的検出装置(たとえば、CCDカメラ、受光素子など)で実現される。そして、この光学的検出装置からの出力を、上述した第5の態様と同様に、前記被処理物と前記プラズマジェットの先端との距離、および/または、プラズマジェットの大きさの制御に供する。
第6の態様も、上述した第1の態様〜第4の態様から選ばれる少なくともいずれかと組み合わされて実現されても勿論よい。すなわち、プラズマ観測手段16が、プラズマ発生装置が生成するラジカルの濃度を観測する機能を有する手段(発光分析装置など)、および/または、被処理物上のプラズマ処理領域における気体温度、および/または、被処理物の表面温度を測定する温度検出装置と、上述した光学的検出装置とで実現され、ガス流量制御手段または周波数制御手段を備えるように実現されてもよい。
なお、本発明の装置1において、プラズマジェット9は、その中央部での温度が160〜180℃であることが好ましい。プラズマジェット9の中央部での温度が160℃未満であると、処理効率の低下が予想される傾向にあるためであり、また、プラズマジェット9の中央部での温度が180℃を超えると、プラスチックの形状変化や、熱による損傷も大きいという傾向にあるためである。さらに、本発明の装置1におけるプラズマジェット9は、その先端部での温度が100℃前後(具体的には90〜110℃の範囲内)であることが好ましい。このようなプラズマジェット9の中央部および/または先端部における温度も、上述したいずれかのプラズマ観測手段16および制御手段17によるフィードバック制御にて適宜調整することが可能である。
また、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法においては、被処理物のプラズマへの曝露時間を3〜60秒、特には5〜15秒の範囲内とするのが好ましいことを上述した。かかるプラズマへの曝露時間についても、上述したいずれかの態様におけるプラズマ観測手段16による出力や、あるいは別途制御手段17にタイマを内臓しておくなど、従来公知の適宜の手段で適宜調整することが可能である。
上述したように、本発明の装置1においては、好ましい各態様として上述したように、プラズマ観測手段16が、たとえば、以下の(1)〜(4)から選ばれる少なくともいずれかであってよい。
(1)前記プラズマ発生装置が生成するラジカルの濃度を観測する装置(具体的には、レーザ誘起分光法を利用した発光分析装置、質量分析装置、分子線法を利用した装置など)、
(2)(a)前記プラズマ発生装置から発生するプラズマジェットに起因する波長スペクトルの変化、または、(b)プラスチック廃材の付着物および/またはプラスチック廃材に施された表面加飾膜に起因する波長スペクトルの変化を画像情報処理にて算出する光学的検出装置(具体的には、CCDカメラ、受光素子など)、
(3)被処理物上のプラズマ処理領域における気体温度、および/または、被処理物の表面温度を測定する温度検出装置(具体的には、放射温度計、熱電対など)、
(4)被処理物上のプラズマ処理領域における温度分布を検出可能な温度検出装置(具体的には、放射温度計、熱画像装置、複数の熱電対やサーミスタを配置したものなど)。
そして、上述したプラズマ観測手段16からの出力をもとに、以下の(A)または(B)を制御し、さらに(C)〜(G)についても制御し得るように実現される。
(A)プラズマ発生装置2に供給される原料ガスの流量、
(B)プラズマ発生装置2の電源4の出力(たとえば、周波数、入力電圧)、
(C)処理の終了判定、
(D)被処理物13とプラズマジェット9の先端との距離、
(E)プラズマジェット9の大きさ、
(F)プラズマジェット9の中央部および/または先端部における温度、
(G)プラズマ洗浄の処理時間(処理終了の判定)。
ここで、上述した本発明の装置1の第1の態様〜第6の態様におけるプラズマ観測手段16とその出力を供する制御対象の組み合わせはあくまで好ましいものの例示であり、前記(1)〜(4)の少なくともいずれかであるプラズマ観測手段16のいずれを用いて前記(A)〜(G)のいずれを制御するように実現されてもよく、全ての組み合わせは本発明の範囲に包含される。また、適宜の設計変更も可能であり、たとえば上述した例ではともに1個ずつのトーチ3、電源4を備える場合を例示したが、トーチおよび/または電源を複数個備えた構成であっても勿論よい。
なお、本発明の装置1における制御手段17は、たとえば中央演算装置(CPU)、マイクロコンピュータなどで実現できる。プラズマ観測手段16、制御手段17、ならびに上述したガス流量制御手段や周波数制御手段などとのデータのやり取りは、測定用データ通信の標準的な規格として公知のGPIB(General Purpose Interface Bus)などで行うことができ、前記各手段にGPIB機能を搭載または付属させることによって実現され得る。
図8は、本発明のプラスチック廃材の再資源化装置1の好ましい制御方法の一例を示すフローチャートである。図3に示した構成の装置1において、まず、被処理物13が反応炉14に入れられると、電源4よりトーチ3のA電極およびB電極に電圧が印加されるとともに、ガスボンベ11a,11bより原料ガス(図8に示す例においては酸素ガスおよび窒素ガス)がガス供給路8に供給され、処理が開始される(ステップ601)。この際のガス条件や電源条件は、上述した最適な範囲内となるように好ましくは選ばれる。
次に、プラズマ観測手段16にて、被処理物13のプラズマ処理領域における酸素ラジカル濃度を測定し、当該酸素ラジカル濃度が適正なものであるか否かを制御手段17にて判定する(ステップ602)。ここで適正な酸素ラジカル濃度としては、上述した酸素ラジカル濃度の好適な範囲である10〜40%の範囲内が挙げられる。このステップにおけるプラズマ観測手段16としては、たとえば上述した発光分析装置を用いる。判定の結果、酸素ラジカル濃度が適正でない場合には、適正な範囲内の酸素ラジカル濃度となるように、プラズマ処理領域における酸素ラジカル濃度を調整する(ステップ603)。ステップ603における酸素ラジカル濃度調整は、たとえば、酸素ラジカル濃度が適正な範囲よりも低い場合には酸素ガスの流量を上げ、逆に酸素ラジカル濃度が適正な範囲よりも高い場合には酸素ガスの流量を下げることによって行うことができる。この場合、窒素ガスの濃度は、酸素ガスの濃度制御に伴って総流量(たとえば上述した好適な範囲である20〜30リットル/分)が保持されるよう適宜制御する。また、前記酸素ラジカル濃度の調整は、上述したように周波数制御手段により電源4の周波数を制御することによって行っても勿論よい。
さらに図8に示す例においては、プラズマ処理領域における酸素ラジカル濃度が適正な範囲内にあると判定された場合には、被処理物13におけるプラズマ処理領域の温度を観測し、制御手段17にて当該温度が適正な範囲内にあるか否かを判定する(ステップ604)。このステップ604では、プラズマ観測手段16として、たとえば放射温度計などの温度検出装置を用いる。ここで、このプラズマ処理領域における適正な温度範囲は、たとえば中央部で160〜180℃、先端部で90〜110℃の範囲を挙げることができる。プラズマ処理領域における温度が適正な範囲内にないと判定された場合には、適宜の公知の手段(たとえば電源4の電圧調整など)によって、プラズマ処理領域における温度が適正な範囲内となるように制御する(ステップ605)。
続いて、図8に示す例では、プラズマ処理領域における酸素ラジカル濃度および温度がそれぞれ適正な範囲内にあると判定された場合には、プラズマジェット9の大きさを観測し、制御手段にて当該プラズマジェット9の大きさが適正な範囲内にあるか否かを判定する(ステップ606)。このステップ606では、プラズマ観測手段16として、たとえばプラズマ処理領域における二次元的観測が可能な放射温度計などの温度検出装置を用いる。また、温度検出装置に換えて、CCDカメラなどの光学的検出装置をこのステップにおけるプラズマ観測手段16として用いても勿論よい。ここで、プラズマジェット9の適正な範囲の大きさは、たとえば15〜20mmの範囲を挙げることができる。プラズマジェット9の大きさが適正な範囲内にないと判定された場合には、適宜の公知の手段(たとえば原料ガスの流量調整など)によって、プラズマジェット9の大きさが適正な範囲内となるように制御する(ステップ607)。
そして、図8に示す例では、酸素ラジカル濃度、温度およびプラズマジェットの大きさがいずれも適正な範囲内にあると判定された場合には、プラズマ洗浄の処理を終了すべきか否かを判定する(ステップ608)。本発明において被処理物をプラズマに曝すのに好適な時間が3〜60秒(特には5〜15秒)であることは上述したが、この処理終了の判定を行うステップを含む制御方法を採用することで、前記範囲内の時間でのプラズマ洗浄を確実かつ効果的、効率的に行うことが可能となる。かかる判定は、制御手段17に内臓されたタイマにて、予め定められた時間(たとえば15秒の時点)を経過したか否かを判定し、当該時間を経過した時点で処理を終了する(ステップ610)。逆に予め定められた時間を未だ経過していないと判定された場合には、ステップ602に戻り、当該予め定められた時間を経過するまで酸素ラジカル濃度、温度およびプラズマジェット9の大きさがそれぞれ適正な範囲内にあるか否かの判定を行う(ステップ602〜607)。なお、上述したようにCCDカメラなどの光学的検出装置をプラズマ観測手段16として用い、その出力をこのステップ608における処理終了の判定に供するようにしても勿論よい。
上述した本発明の装置1の制御方法はあくまで一例であって、適宜のステップの追加または削除は任意で行われても勿論よいし、ステップの順序も特に制限するものではない。
なお、上述してきた本発明のプラスチック廃材の再資源化装置は、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法を実施するのに特に好適に使用するものであるが、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法は本発明の装置を必ずしも使用しなくてもよい。
以下、実施例および実験例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
まず、実施例において用いる実験材料を調製した。具体的には、使用済みの洗濯機を用いて、手解体により水槽(材質:ポリプロピレン(PP))を回収した後、破砕機を用いて10mmに破砕して破砕物を得た。続いて破砕物を、周波数4kHz、350W、空気流量30リットル/分、プラズマジェットの先端と被処理物との距離10mm、処理時間10秒という条件でプラズマにより洗浄して付着物を除去した後、スクリュー系45mmの二軸溶融混練押出機を用いて230℃で溶融混練し、ペレット状のプラスチック成形体を作製した。
続いて、これらのプラスチック成形体をそれぞれ10トン射出成形機のホッパーに投入し、成形温度230℃、金型温度40℃の射出成形条件でASTM準拠の物性測定用の試験片を作製し、以下のそれぞれの物性を測定した。
(i)引張降伏強さおよび引張破断伸び
JIS K 7113に準じて測定した。
(ii)曲げ強さおよび曲げ弾性率
JIS K 7203に準じて測定した。
(iii)アイゾット衝撃値
JIS K 7110に準じて測定した。
(iv)メルトフローレート(MFR)
JIS K 7210に準じて測定した。
併せて、表面の付着物を除去していないプラスチック廃材についても物性測定試験片を作製し、それぞれの物性を測定した。さらに、同一系統のプラスチックのバージン材料についても物性測定用試験片を作製し、それぞれの物性を測定した。
これらの測定結果を表3に示す。
Figure 0004475517
なお、表3に記載された略号のうち、「RP−PP」は微破砕処理した水槽回収材を、プラズマにより表面の付着物を洗浄し調製したポリプロピレン組成物、「R−PP」は同様の水槽回収材を、プラズマ洗浄の工程を経ることなく調製したポリプロピレン組成物、「V−PP」は未使用のポリプロピレン組成物を示すものとする。
表3から理解されるように、本実施例でプラズマ洗浄し調製したポリプロピレンの引張強度、伸び、曲げ強度、曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度、メルトフローレートの各物性測定値は、プラズマ洗浄を施していないポリプロピレンよりもかなり優れており、未使用材料とはやや異なるが、高品位の再生品が得られ、再利用の用途拡大が可能となったといえる。
<実施例2>
次に、表面加飾膜を除去した実験材料を調製した。具体的には、使用済みのテレビを用いて、手解体により塗装付きテレビキャビネット(材質:ポリスチレン(PS))を回収した後、破砕機を用いて10mmに破砕して破砕物を得た。続いて、破砕物を、周波数4kHz、350W、空気流量30リットル/分、プラズマジェットの先端と被処理物との距離10mm、処理時間10秒という条件でプラズマにより洗浄して表面加飾膜を除去した後、スクリュー系45mmの二軸溶融混練押出機を用いて230℃で溶融混練し、ペレット状のプラスチック原料を作製した。
続いて、これらのプラスチック原料をそれぞれ10トン射出成形機のホッパーに投入し、成形温度230℃、金型温度40℃の射出成形条件でASTM準拠の物性測定用の試験片を作製し、実施例1と同様にして、それぞれの物性を測定した。
併せて、表面加飾膜を除去していないプラスチック廃材についても物性測定用試験片を作製し、それぞれの物性を測定した。さらに、同一系統のプラスチックのバージン材料についても物性測定用試験片を作製し、それぞれの物性を測定した。
これらの測定結果を表4に示す。
Figure 0004475517
なお、表4に記載された略号のうち、「RP−PS」は微破砕処理した表面加飾膜付きテレビキャビネット回収材を、プラズマにより表面の表面加飾膜を除去し調製したポリスチレン組成物、「R−PS」は同様の表面加飾膜付きテレビキャビネット回収材を、プラズマ洗浄の工程を経ることなく調製したポリスチレン組成物、「V−PS」は未使用のポリスチレン組成物を示すものとする。
表4から理解されるように、プラズマ洗浄し調製したポリスチレンの引張強度、伸び、曲げ強度、曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度、メルトフローレートの各物性測定値は、プラズマ洗浄を施していないポリスチレンよりもかなり優れており、未使用材料とはやや異なるが、高品位の再生品が得られ、再利用の用途拡大が可能になったといえる。
前記の実施例1および実施例2の結果より、家電4品目に使用するプラスチック廃材をプラズマで洗浄してプラスチック成形体を得ることで再資源化が可能となり、再生品の用途を拡大できる。
たとえば、従来はプラスチック廃材の付着物の混入により物性が低下するため、マテリアルリサイクルが困難、あるいは低品位の再生品に限定されていたが、プラスチック廃材の表面をプラズマ洗浄することで、従来の水による洗浄と比較して環境負荷の少ない、簡易な方法で、高品位の再生品が得られ、ハンガーや植木鉢などの日用品雑貨への利用はもとより、家電品のプラスチック部材としても利用が可能となる。
また、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法は、該家電4品目のプラスチック廃材の再資源化方法に限定されるものではなく、プラスチックからなる部材を備えた製品であれば、どのような製品にも好適に使用可能である。
<実験例1>
図2および図3に示した本発明のプラスチック廃材の再資源化装置1を用い、ポリウレタンで表面塗装したポリスチレン板(10×10×1.5mm)をサンプルとして、プラズマ洗浄の実験を行った。装置1は、負極であるA電極としてタングステン製電極、正極であるB電極としてSUS製電極を用い、誘電体7として石英ガラスチューブ製のものを用いた(トーチ3の長さ:100mm、ノズル径:2mm、A電極−B電極間距離:2mm)。原料ガスとして空気と、酸素ガスおよび窒素ガスの混合ガスを用いた(総ガス流量:30リットル/分)。サンプルは、プラズマジェットのノズルとの間の距離が10mmとなるように配置した。電源4からの出力は、電圧値V+,V−が3.5kV、パルスの立ち上がり時間Tupおよび立ち下がり時間Tdownが1μsec、パルス幅Tw+,Tw−が2μsec、周波数Tfが5kHz、電力が350Wとなるように設定した。このような条件で、プラズマ処理を10秒間行った。なおプラズマジェットの大きさは20mmであった。
発光分析装置(OES)を用いて、プラズマ処理により発生した活性種を観測した。図9および図10は、300〜800nmの波長の範囲で観測された吸収ピークをそれぞれ示す。結果、300〜400nmの波長の範囲で、窒素(N2)を示す吸収ピークが観測され(図9)、また、746nmの波長に窒素原子(N)を示す吸収ピークおよび777nmの波長に酸素原子(O)を示す吸収ピークが観測された(図10)。また、図9および図10には示していない400〜700nmの波長の範囲には、吸収ピークは観測されなかった。
<実験例2>
次に、原料ガスにおける酸素濃度を0%、20%、50%と変化させた以外は実験例1と同様にしてプラズマ処理する実験を行った。図11は、原料ガスにおける酸素濃度とプラズマ処理領域における酸素原子と窒素原子との比(O/N比)の関係を示すグラフであり、図12は、原料ガスにおける酸素濃度と処理後のサンプルの組成比の関係を示すグラフである。図11に示すように、0〜50%の範囲内で原料ガスにおける酸素濃度を増加させることで、プラズマ処理領域におけるO/N比が増加し、また図12に示すように0〜50%の範囲内で原料ガスにおける酸素濃度を増加させるにつれて、窒素成分および無機要素(付着物)の割合が減少し、表面塗装を施していない場合のポリスチレン板に近い組成へ変化していることが分かる。なおO/N比は、発光分析装置によりプラズマ処理領域における777nmの波長での酸素原子(O)を示す吸収ピークの強度と、746nmの波長での窒素原子(N)を示す吸収ピークの強度との比として算出した。また、処理後のサンプルの組成比は、X線光電子分光法(XPS)により観測した。
また、原料ガスにおける酸素濃度を0%、20%、50%と変化させた場合のサンプル表面の化学結合の組成を、X線光電子分光法(XPS)により観測した。図13は、原料ガスにおける酸素濃度と、サンプルの化学結合の組成との関係を示すグラフである。図13に示すように、0〜50%の範囲内で原料ガスにおける酸素濃度を上げるほど、塗装膜(表面加飾膜)を形成するポリウレタン樹脂に起因するH−C−N結合およびO=C−N結合の割合が減少していることが分かる。また逆に、原料ガスにおける酸素濃度が50%を超える場合には、C−O結合の割合が急激に増加し、基材であるポリスチレン板自体の酸化が起こっていることが分かる。このことより、原料ガスにおける酸素濃度は50%以下とするのが好ましく、特に10〜40%の範囲内とするのが好ましいことが分かった。
<実験例3>
次に、電源4からの出力周波数を4kHzに固定し、電力を300、325、350、375および400Wにそれぞれ変化させた以外は実験例1と同様にしてプラズマ処理する実験を行った。図14は、電源からの出力電力とプラズマ処理領域における酸素原子と窒素原子との比(O/N比)の関係を示すグラフである。図14に示すように、300〜400Wの範囲内で電源からの出力電力を増加させることで、プラズマ処理領域におけるO/N比が増加していることが分かる。なおO/N比は、発光分析装置によりプラズマ処理領域における777nmの波長での酸素原子(O)を示す吸収ピークの強度と、746nmの波長での窒素原子(N)を示す吸収ピークの強度との比として算出した。
<実験例4>
次に、周波数を3、4、5kHzにそれぞれ変化させた以外は実験例1と同様にしてプラズマ処理する実験を行った。図15は、電源からの出力周波数とプラズマ処理領域における酸素原子と窒素原子との比(O/N比)の関係を示すグラフである。図15に示すように、3〜5kHzの範囲内で電源からの出力周波数を増加させることで、プラズマ処理領域におけるO/N比が増加していることが分かる。なおO/N比は、発光分析装置によりプラズマ処理領域における777nmの波長での酸素原子(O)を示す吸収ピークの強度と、746nmの波長での窒素原子(N)を示す吸収ピークの強度との比として算出した。
また図16は、電源4の周波数と処理後のサンプルの組成比との関係を示すグラフである。図16に示すように、3〜5kHzの範囲内で電源の周波数を増加させるにつれて、窒素成分および無機要素(付着物)の割合が減少し、表面塗装を施していない場合のポリスチレン板に近い組成へ変化していることが分かる。なお、処理後のサンプルの組成比は、X線光電子分光法(XPS)により観測した。
また、上述したように電源4からの出力周波数を変化させた場合のサンプル表面の化学結合の組成を、X線光電子分光法(XPS)により観測した。図17は、電源4の周波数と、サンプルの化学結合の組成との関係を示すグラフである。3〜5kHzの範囲内で電源4の周波数を上げるほど、塗装膜(表面加飾膜)を形成するポリウレタン樹脂に起因するH−C−N結合およびO=C−N結合の割合が減少していることが分かる。
<実験例5>
プラズマ処理の時間を1、3、5、10秒と変化させた以外は実験例1と同様にしてプラズマ処理する実験を行った。図18は、プラズマ処理の時間と処理後のサンプルの組成比との関係を示すグラフであり、図19は、プラズマ処理の時間とサンプルの化学結合の組成との関係を示すグラフである。なお、処理後のサンプルの組成比およびサンプルの化学結合の組成は、X線光電子分光法(XPS)により観測した。図18に示すように1〜10秒の範囲内でプラズマ処理の時間を増加させるにつれて、窒素成分および無機要素(付着物)の割合が減少し、表面塗装を施していない場合のポリスチレン板に近い組成へ変化していることが分かる。また図19に示すように、1〜10秒の範囲内でプラズマ処理の時間を増加させるほど、塗装膜(表面加飾膜)を形成するポリウレタン樹脂に起因するH−C−N結合およびO=C−N結合の割合が減少していることが分かる。
今回開示された実施の形態、実施例および実験例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は前記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法のステップの一例を示すフロー図である。 本発明のプラスチック廃材の再資源化方法におけるプラズマ洗浄工程に用いられる装置の一例を模式的に示す図である。 本発明の好ましい一例のプラスチック廃材の再資源化装置1を模式的に示す図である。 本発明のプラスチック廃材の再資源化装置1における電源4の出力電圧波形の一例を示すグラフであり、図4(a)は図4(b)を一部拡大して示している。 光学的検出装置を用いた観測の原理を説明するための図である。 光学的検出装置を用いた観測の原理を説明するための図である。 図3に示したプラスチック廃材の再資源化装置1のうち、反応炉14の部分について拡大して示す模式図である。 本発明のプラスチック廃材の再資源化装置1の好ましい制御方法の一例を示すフローチャートである。 実験例1において、300〜400nmの波長の範囲で観測された吸収ピークを示す図である。 実験例1において、730〜800nmの波長の範囲で観測された吸収ピークを示す図である。 実験例2において、原料ガスにおける酸素濃度とプラズマ処理領域における酸素原子と窒素原子との比(O/N比)の関係を示すグラフである。 実験例2において、原料ガスにおける酸素濃度と、処理後のサンプルの組成比の関係を示すグラフである。 実験例2において、原料ガスにおける酸素濃度と、サンプルの化学結合の組成との関係を示すグラフである。 実験例3において、電源からの出力電力とプラズマ処理領域における酸素原子と窒素原子との比(O/N比)の関係を示すグラフである。 実験例4において、電源からの出力周波数とプラズマ処理領域における酸素原子と窒素原子との比(O/N比)の関係を示すグラフである。 実験例4において、電源4の周波数と処理後のサンプルの組成比との関係を示すグラフである。 実験例4において、電源4の周波数と、サンプルの化学結合の組成との関係を示すグラフである。 実験例5において、プラズマ処理の時間と処理後のサンプルの組成比との関係を示すグラフである。 実験例5において、プラズマ処理の時間とサンプルの化学結合の組成との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 プラスチック廃材の再資源化装置、2 プラズマ発生装置、3 トーチ、4 電源、5 B電極、6 A電極、7 誘電体、8 ガス供給路、9 プラズマジェット、11a,11b ガスボンベ、12a,12b ガス弁、13 被処理物、14 反応炉、16 プラズマ観測手段、17 制御手段。

Claims (17)

  1. アクリル系樹脂またはアクリル−ウレタン系樹脂で形成された表面加飾膜が施されたプラスチック廃材をプラズマ洗浄する工程を含むことを特徴とするプラスチック廃材の再資源化方法。
  2. プラズマ洗浄後のプラスチック廃材を加熱溶融する工程と、加熱溶融された前記プラスチック廃材を成形してプラスチック成形体を得る工程とをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. プラズマ洗浄に供する被洗浄物が、プラスチック廃材の付着物を含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 300nm〜800nmの範囲内に吸収ピークを有するラジカルの活性種を用いることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. ラジカルの活性種として、OH、O、HO2から選ばれる少なくともいずれかを用いることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 被処理物のプラズマへの曝露時間を3〜60秒としたことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載のプラスチック廃材の再資源化方法によりプラスチック成形体を得る、プラスチック成形体の製造方法。
  8. 前記プラスチック成形体がペレット状の形状を有する、請求項に記載の方法。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載のプラスチック廃材の再資源化方法により得られたプラスチック成形体。
  10. 前記プラスチック成形体がペレット状の形状を有する、請求項に記載のプラスチック成形体。
  11. プラスチック廃材の付着物、および/または、プラスチック廃材に施された表面加飾膜を被洗浄物とする洗浄手段として、一定濃度のラジカルを生成するプラズマ発生装置と、 前記プラズマ発生装置が生成するラジカルの濃度を観測するプラズマ観測手段と、
    前記プラズマ発生装置に供給される原料ガスの流量を制御するガス流量制御手段とを備え、
    プラズマ観測手段によって観測された前記ラジカル濃度をもとに原料ガスの流量をフィードバック制御することにより、当該ラジカル濃度を一定濃度に保持することを特徴とするプラスチック廃材の再資源化装置。
  12. プラスチック廃材の付着物、および/または、プラスチック廃材に施された表面加飾膜を被洗浄物とする洗浄手段として、一定濃度のラジカルを生成するプラズマ発生装置と、
    前記プラズマ発生装置が生成するラジカルの濃度を観測するプラズマ観測手段と、
    前記プラズマ発生装置の電源の周波数を制御する周波数制御手段とを備え、
    プラズマ観測手段によって観測された前記ラジカル濃度をもとに前記電源の周波数をフィードバック制御することにより、当該ラジカル濃度を一定濃度に保持することを特徴とするプラスチック廃材の再資源化装置
  13. 以下の(a)または(b)を画像情報処理にて算出する光学的検出装置をプラズマ観測手段としてさらに備え、当該光学的検出装置からの出力を前記プラズマ発生装置の電源の出力制御、および/または、処理終了の判定に供することを特徴とする、請求項11または12に記載の装置。
    (a)前記プラズマ発生装置から発生するプラズマジェットに起因する波長スペクトルの変化、
    (b)プラスチック廃材の付着物および/またはプラスチック廃材に施された表面加飾膜に起因する波長スペクトルの変化。
  14. 被処理物上のプラズマ処理領域における気体温度、および/または、被処理物の表面温度を測定する温度検出装置をプラズマ観測手段としてさらに備え、当該温度検出装置からの出力を前記プラズマ発生装置の電源の出力制御、および/または、原料ガスの流量の制御に供することを特徴とする、請求項11〜13のいずれかに記載の装置。
  15. 被処理物と前記プラズマ発生装置におけるプラズマジェットの先端との距離を2〜30mmとしたことを特徴とする請求項11または12に記載の装置。
  16. 被処理物上のプラズマ処理領域における二次元的な温度分布を検出可能な温度検出装置をプラズマ観測手段としてさらに備え、当該温度検出装置からの出力を、前記被処理物と前記プラズマジェットの先端との距離、および/または、プラズマジェットの大きさの制御に供することを特徴とする請求項15に記載の装置。
  17. 以下の(a)または(b)を画像情報処理にて算出する光学的検出装置をプラズマ観測手段としてさらに備え、当該光学的検出装置からの出力を、前記被処理物と前記プラズマジェットの先端との距離、および/または、プラズマジェットの大きさの制御に供することを特徴とする請求項15に記載の装置。
    (a)前記プラズマ発生装置から発生するプラズマジェットに起因する波長スペクトルの変化、
    (b)プラスチック廃材の付着物および/またはプラスチック廃材に施された表面加飾膜に起因する波長スペクトルの変化。
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