JP4475378B2 - 燃料電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電気化学的な反応を利用して発電する、例えば電気自動車等で使用される燃料電池に関し、特に電解質膜のイオン導電度が水分含有量により変化する固体高分子型燃料電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の燃料電池は、水分を含むことによりイオン導電性が発揮される電解質膜を燃料電極および酸化剤電極により挟持してなる単電池(単セル)と、酸化剤流体を流通させる酸化剤流路が一面側に形成された第1セパレータ板と、燃料流体を流通させる燃料流路が一面側に形成され、冷却水を流通させる冷却水流路が他面側に形成された第2セパレータ板とを備えている。そして、従来の燃料電池は、第1セパレータ板がその一面側を酸化剤電極に向けて配設され、かつ、第2セパレータ板がその一面側を燃料電極に向けて配設されてなる積層体を複数積層して構成されている。
従来の燃料電池は、酸化剤流体としての空気が酸化剤流路に供給され、燃料流体としての水素ガスが燃料流路に供給される。そして、水素は燃料電極上で電気化学反応によりプロトンとなる。この燃料電極上で生成されたプロトンは、水を伴って電解質膜中を酸化剤電極まで移動し、酸化剤電極上で酸素と反応して水を生成する。
【0003】
従来の燃料電池では、単セルに反応ガスを供給し続けることで反応が継続する。この時、この反応で重要な役割を果たす電解質膜のイオン導電性は、膜の水分含有量にほぼ比例し、かつ、電解質膜の水分含水量は、雰囲気ガスの湿度に依存することが知られている。(例えば、非特許文献1参照)しかし、反応ガスを加湿して運転した場合、ガス流路の下流付近でガス中の水蒸気量が飽和水蒸気圧以上に増加し結露してしまうことになる。
そこで、ガス流路を蛇腹状に形成して流路長を長くし、ガス流速を増加させて、生成した水を効果的に排出させるようにセパレータ板の流路をデザインしていた。(例えば、特許文献1参照)
【0004】
しかし、反応ガスの加湿には大きなエネルギーが必要となり、例えばセル温度80℃に対して飽和するまで供給ガスを加湿しようとすると、空気の加湿に必要な熱量は燃料電池の発電量を超える熱量(1.4倍)が必要となり、廃熱の有効利用を阻害するだけでなく、余分なエネルギーを消費し、コジェネ発電の効率を引き下げる恐れがあった。そのため、供給ガスの加湿量を抑制して運転できる燃料電池が求められる。
【0005】
しかし、酸化剤流路に乾燥した空気を供給した場合、酸化剤流路の上流域では電解質膜が乾燥し、電池反応は生成水により湿潤となった下流域に集中してしまい、十分な電池特性を発揮できなくなるという新たな不具合が生じる。
そこで、流路途中から領域を分割し、分割された各領域に並行流路を単純に折り返すように形成して酸化剤流路を構成し、面内へのガスの分配を均一化させるようにしている。(例えば、特許文献2参照)
【0006】
【非特許文献1】
「J. Electrochem. Soc.」140(1993), pp1041-1047 "Water Uptake by and Transport Through Nafion 117 Membranes"
【特許文献1】
特開平3−206763号公報
【特許文献2】
特開2000−311696号公報(図3)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、特開2000−311696号公報に示された従来の燃料電池では、乾燥した上流域と湿潤した下流域とが、分割された各領域内でも、分割された領域間でも離れており、流路形成領域を分割することによるガス組成の均一化は実現されなかった。その結果、乾燥領域の上流側への集中と湿潤領域の下流側への集中とが十分に解消されず、反応分が不均一となり、十分な特性が発揮できない、という不具合があった。
【0008】
この発明は、上記の題を解消するためになされたもので、湿度の低い反応ガスを供給しても、運転中に生成した水分により湿潤となった下流域の水分を乾燥した上流域にスムーズに移動させ、反応分布を均一として、長期に渡って高電圧・高出力が得られる燃料電池を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る燃料電池は、酸化剤流路は、酸化剤供給口から酸化剤排出口に至るように形成された並行した複数の酸化剤流路溝からなる複数の流路群から構成され、複数の流路群は、折り返して走行し、第1セパレータ板の一面はそれぞれの流路群の走行する領域で複数に分割されており、該分割された領域の境界部分の少なくとも一部で、一方の流路群の酸化剤流路溝の上流側が他方の流路群の酸化剤流路溝の下流側に接するように構成され、さらに、第1セパレータ板の表面の分割された領域の境界部分を跨いで、一方の流路群の酸化剤流路溝の上流側と他方の流路群の酸化剤流路溝の下流側との隣接部分のみが他の部分より親水性が高いものである。
【0011】
また、酸化剤供給口と酸化剤排出口との複数対が第1セパレータ板に形成され、酸化剤流路は、各対の酸化剤供給口から酸化剤排出口に直線的に至るように第1セパレータ板の一面に形成された並行した複数の酸化剤流路溝からなる複数の流路群から構成され、さらに、複数の流路群は、隣接する流路群の酸化剤流体の流れ方向が互いに逆向きとなるように、酸化剤流体の流れ方向と直交する方向に隣接して配列され、第1セパレータ板の表面の隣接する流路群の境界部分を跨いで、一方の流路群の酸化剤流路溝の上流側と他方の流路群の酸化剤流路溝の下流側との隣接部分のみが他の部分より親水性が高いものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図について説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る燃料電池の構成を説明する側面図、図2はこの発明の実施の形態1に係る燃料電池の単セルの構成を説明する断面図、図3はこの発明の実施の形態1に係る燃料電池の第1セパレータ板の酸化剤流路面を示す平面図、図4はこの発明の実施の形態1に係る燃料電池の第1セパレータ板を示す要部断面図、図5はこの発明の実施の形態1に係る燃料電池の第2セパレータ板の燃料流路面を示す平面図、図6はこの発明の実施の形態1に係る燃料電池の第2セパレータ板の冷却水流路面を示す平面図、図7は比較例としての第1セパレータ板の酸化剤流路面を示す平面図である。
【0013】
第1セパレータ板1は、図3に示されるように、カーボン等の導電性材料を矩形平板状に作製されたもので、酸化剤供給口20、燃料排出口23および冷却水供給口24が水平方向(図3中左右方向)の1辺に穿設され、酸化剤排出口21、燃料供給口22および冷却水排出口25が水平方向の相対する1辺に穿設されている。そして、酸化剤流路30が、第1セパレータ板1の主面の電極支持部(水平方向に幅18cm、鉛直方向(図3中上下方向)に高さ8cmの長方形の電極に対応する領域)に酸化剤供給口20から酸化剤排出口21に至るように形成されている。この酸化剤流路30は、16本の酸化剤流路溝30a〜30pから構成されている。そして、第1セパレータ板1の主面の電極支持部は、水平方向に領域α、β、γ、δに4分割されている。
【0014】
そして、4本の酸化剤流路溝30a〜30dが、並行して酸化剤供給口20から水平に領域αまで延び、領域α内で鉛直方向に蛇行し、その後水平に延びて酸化剤排出口21に至るように形成されている。また、4本の酸化剤流路溝30e〜30hが、並行して酸化剤供給口20から水平に領域βまで延び、領域β内で鉛直方向に蛇行し、その後水平に延びて酸化剤排出口21に至るように形成されている。さらに、4本の酸化剤流路溝30i〜30lが、並行して酸化剤供給口20から水平に領域γまで延び、領域γ内で鉛直方向に蛇行し、その後水平に延びて酸化剤排出口21に至るように形成されている。さらにまた、4本の酸化剤流路溝30m〜30pが、並行して酸化剤供給口20から水平に領域δまで延び、領域δ内で鉛直方向に蛇行し、その後水平に延びて酸化剤排出口21に至るように形成されている。
【0015】
このように構成された酸化剤流路30においては、酸化剤流路溝30dの上流側と酸化剤流路溝30eの下流側とが領域αと領域βとの境界(ゾーン40a)で隣接し、酸化剤流路溝30hの上流側と酸化剤流路溝30iの下流側とが領域βと領域γとの境界(ゾーン40b)で隣接し、酸化剤流路溝30lの上流側と酸化剤流路溝30mの下流側とが領域γと領域δとの境界(ゾーン40c)で隣接している。ここで、各酸化剤流路溝の上流側とは、溝長さを均等に2等分した酸化剤供給口20側の部分に対応し、各酸化剤流路溝の下流側とは、溝長さを均等に2等分した酸化剤排出口21側の部分に対応している。
【0016】
また、例えば酸化チタン薄膜を形成する親水化処理が第1セパレータ板1に施され、図4に示されるように、親水性部材としての親水化処理層13が第1セパレータ板1のゾーン40a、40b、40cに対応する各領域の表面に形成されている。
【0017】
第2セパレータ板2は、図5および図6に示されるように、カーボン等の導電性材料を矩形平板状に作製されたもので、酸化剤供給口20、燃料排出口23および冷却水供給口24が水平方向(図5中左右方向)の1辺に穿設され、酸化剤排出口21、燃料供給口22および冷却水排出口25が水平方向の相対する1辺に穿設されている。そして、7本の燃料流路溝31a〜31gが、第2セパレータ板2の主面の電極支持部(水平方向に幅18cm、鉛直方向(図5中上下方向)に高さ8cmの長方形の電極に対応する領域)に燃料供給口22から燃料排出口23に至るように蛇腹状に形成され、燃料流路31を構成している。また、4本の冷却水流路溝32a〜32eが、第2セパレータ板2の他面に冷却水供給口24から冷却水排出口25に至るように蛇腹状に形成され、冷却水流路32を構成している。
【0018】
そして、単セル8は、図2に示されるように、酸化剤電極3および燃料電極4で電解質膜5を挟持し、さらにガス拡散層6、7をそれぞれ酸化剤電極3および燃料電極4上に配設して構成されている。なお、酸化剤電極3および燃料電極4は、例えばカーボンと白金とからなる触媒層で構成され、水平方向に幅18cm、鉛直方向に高さ8cmのほぼ100cmの有効面積を有している。
また、電解質膜5は、例えば固体高分子電解質膜が用いられ、具体的には、ナフィオン(デュポン社の登録商標)、アシプレックス(旭化成(株)の登録商標)、フレミオン(旭硝子(株)の登録商標)が用いられる。そして、電解質膜5は、酸化剤電極3および燃料電極4より大形の矩形状に形成され、図示していないが、酸化剤供給口20、燃料排出口23および冷却水供給口24が水平方向の1辺に穿設され、酸化剤排出口21、燃料供給口22および冷却水排出口25が水平方向の相対する1辺に穿設されている。
また、ガス拡散層6、7は、酸化剤電極3および燃料電極4と同等の長方形平面形状をし、例えば厚さ0.3mm、空孔率85%のカーボンペーパが用いられている。
【0019】
そして、酸化剤流路30を酸化剤電極3に面するように第1セパレータ板1を単セル8に重ね合わせ、かつ、燃料流路31を燃料電極4に面するように第2セパレータ板2を単セル8に重ね合わせてなる積層体を70枚積層してスタック9が構成される。また、一対の集電端子10がスタック9の両端に配設され、一対の端板11が集電端子10の外側に配設され、締め付け一体化されて、燃料電池12が構成される。
この燃料電池12では、酸化剤供給口20、酸化剤排出口21、燃料供給口22、燃料排出口23、冷却水供給口24および冷却水排出口25が、それぞれ積層方向(水平方向)に連通している。
【0020】
つぎに、この実施の形態1の動作について説明する。
燃料流体としての水素ガスが端板11から燃料供給口22に導入され、各第2セパレータ板2の燃料流路31を流通して燃料排出口23に至り、端板11を介して排出される。そして、水素ガスは、燃料流路31を流通する際に、ガス拡散層7内を通って燃料電極4に供給される。一方、酸化剤流体としての空気が端板11から酸化剤供給口20に導入され、各第1セパレータ板1の酸化剤流路30を流通して酸化剤排出口21に至り、端板11を介して排出される。そして、空気は、酸化剤流路30を流通する際に、ガス拡散層6内を通って酸化剤電極3に供給される。
そして、燃料電極4上において、水素が酸化され、プロトンと電子とが生成される。一方、酸化剤電極3上において、燃料電極4で生成されたプロトンが電解質膜5中を移動して酸化剤電極3に到達し、空気中の酸素および外部回路を介して酸化剤電極3に供給された電子と反応し、水が生成される。そして、この化学反応で生成された電子を外部回路により電流として取り出すことになる。
さらに、冷却水が、端板11を介して冷却水供給口24に供給され、各第2セパレータ板2の冷却水流路32を流通して冷却水排出口25に至り、端板11を介して排出される。これにより、燃料電池12が所定温度に冷却される。
【0021】
ここで、この実施の形態1による燃料電池12を用いて発電運転した結果について述べる。
まず、冷却水を冷却水流路32に流通させ、燃料電池12の温度を80℃に維持した。そして、酸化剤供給口20から露点65℃の空気を利用率50%相当の流量で流し、COを20ppm含有する改質模擬ガス(水素:75%、CO:残り)を燃料として燃料供給口22から燃料利用率80%相当の流量で流して発電運転を実施した。
この時、酸化剤流路31の酸化剤供給口20近傍(酸化剤入口部)の相対湿度は53%であり、酸化剤流路31の酸化剤排出口21近傍(酸化剤出口部)の相対湿度は80%に達した。そして、電流密度250mA/cmでのセル電圧は初期で750mVであり、5時間運転を継続した時点でも740mV以上を維持していた。
【0022】
また、比較例としての燃料電池を用いて同一運転条件で発電運転した結果について述べる。なお、比較例としての燃料電池は、第1セパレータ板1に代えて図7に示される第1セパレータ板50を用いている点を除いて、燃料電池12と同様に構成されている。この第1セパレータ板50は、酸化剤流路溝のデザインが異なる点および親水化処理が施されていない点を除いて、第1セパレータ板1と同様に構成されている。
つまり、この第1セパレータ板50は、図7に示されるように、4本の酸化剤流路溝30a〜30dが、並行して酸化剤供給口20から水平に領域αまで延び、領域α内で水平方向に蛇行し、その後水平に延びて酸化剤排出口21に至るように形成されている。また、4本の酸化剤流路溝30e〜30hが、並行して酸化剤供給口20から水平に領域βまで延び、領域β内で水平方向に蛇行し、その後水平に延びて酸化剤排出口21に至るように形成されている。さらに、4本の酸化剤流路溝30i〜30lが、並行して酸化剤供給口20から水平に領域γまで延び、領域γ内で水平方向に蛇行し、その後水平に延びて酸化剤排出口21に至るように形成されている。さらにまた、4本の酸化剤流路溝30m〜30pが、並行して酸化剤供給口20から水平に領域δまで延び、領域δ内で水平方向に蛇行し、その後水平に延びて酸化剤排出口21に至るように形成されている。
この比較例としての燃料電池においては、電流密度250mA/cmでのセル電圧は初期で750mVであったが、5時間運転を継続した時点ではほぼ700mVまで低下していた。
【0023】
これらの燃料電池の発電運転において、空気の上流側に相当する領域では、電解質膜5が乾燥してそのイオン抵抗が増大し、空気の下流側に相当する領域では、生成水により電解質膜5の水分含有量が増加し、そのイオン抵抗が減少することになる。
【0024】
この実施の形態1では、乾燥状態の酸化剤流路溝30dの上流側と湿潤状態の酸化剤流路溝30eの下流側とがゾーン40aで隣接している。そこで、ゾーン40aにおいて、酸化剤流路溝30eの下流側の水分が、酸化剤流路溝30dに移動し、酸化剤流路溝30dの上流側の水分が増加する。そして、酸化剤流路溝30dの上流側に移動した水分は、隣接する酸化剤流路溝30cに移動し、さらに隣接する酸化剤流路溝30bに移動する。一方、酸化剤流路溝30eの下流側には、隣接する酸化剤流路溝30fの水分が移動し、酸化剤流路溝30eの水分が補給される。さらに、隣接する酸化剤流路溝30gの水分が酸化剤流路溝30fに移動し、水分の補給がなされる。この時、ゾーン40aの領域に親水化処理膜13が形成されているので、隣接する酸化剤流路溝間の水分の移動が親水化処理膜13を介してスムーズに行われる。これにより、湿潤な下流側の水分が乾燥した上流側に移動し、上流側と下流側との乾湿差が緩和される。
同様に、ゾーン40b、40cにおいても、湿潤な下流側の水分が乾燥した上流側に移動し、上流側と下流側との乾湿差が緩和される。
その結果、連続運転しても、電解質膜5の湿潤状態が均一化され、反応分布が均一化されるので、5時間運転を継続した時点でもセル電圧が740mV以上を維持していたもの、と推考される。
【0025】
一方、比較例の燃料電池では、ゾーン40aにおいて、酸化剤流路溝30dの上流側と酸化剤流路溝30eの上流側とが隣接し、酸化剤流路30dの下流側と酸化剤流路溝30eの下流側とが隣接している。つまり、ゾーン40aにおいては、酸化剤流路溝30dと酸化剤流路溝30eとの同程度の湿度を有する部分が隣接している。また、ゾーン40b、40cにおいても、酸化剤流路溝の同程度の湿度を有する部分が隣接している。そこで、実施の形態1の燃料電池12における隣接する酸化剤流路溝間の水分の移動が行われず、酸化剤流路30の上流側は乾燥状態のままとなり、下流側は湿潤状態のままとなってしまう。その結果、酸化剤流路30の上流側では、電解質膜5が乾燥してそのイオン抵抗が増大し、一方酸化剤流路30の下流側では、生成水により電解質膜5の水分含有量が増加し、そのイオン抵抗が減少し、反応分布が不均一になり、反応が下流域に集中してしまい、連続運転の結果、セル電圧が著しく低下したものと推考される。
【0026】
このように、実施の形態1によれば、酸化剤流路溝30dの上流側と酸化剤流路溝30eの下流側とが領域αと領域βとの境界(ゾーン40a)で隣接し、酸化剤流路溝30hの上流側と酸化剤流路溝30iの下流側とが領域βと領域γとの境界(ゾーン40b)で隣接し、酸化剤流路溝30lの上流側と酸化剤流路溝30mの下流側とが領域γと領域δとの境界(ゾーン40c)で隣接するように酸化剤流路30がデザインされているので、湿潤状態の酸化剤流路30の下流側の水分が乾燥状態の酸化剤流路30の上流側に移動し、電解質膜5の湿潤状態が均一化される。さらに、親水化処理膜13が、各ゾーン40a、40b、40cに対応する第1セパレータ板1の領域に形成されているので、湿潤状態の酸化剤流路30の下流側の水分が親水化処理膜13を介して乾燥状態の酸化剤流路30の上流側に移動しやすくなり、電解質膜5の湿潤状態が速やかに均一化される。その結果、反応分布が均一となり、連続運転しても高電圧・高出力が維持される燃料電池を実現できる。
【0027】
なお、上記実施の形態1では、冷却水流路32を第2セパレータ板2の他面に形成するものとしているが、冷却水流路32を第1セパレータ1の他面に形成するようにしてもよい。
また、上記実施の形態1では、第1セパレータ板1の主面の電極支持部が水平方向に4つの領域α、β、γ、δに分割されているものとしているが、該電極支持部は必ずしも4つの領域に分割されている必要はなく、複数の領域に分割されていればよい。
【0028】
実施の形態2.
図8はこの発明の実施の形態2に係る燃料電池の第1セパレータ板を示す要部断面図である。
この実施の形態2では、図8に示すように、撥水処理が第1セパレータ板1Aの酸化剤流路形成面に施され、撥水処理膜14が第1セパレータ板1Aの酸化剤流路形成面のゾーン40a、40b、40c以外の領域に形成されている。ここでは、撥水処理は、FEP(フッ化エチレンプロピレン)樹脂をコーティングして行われている。
なお、第1セパレータ板1Aは、撥水処理膜14が形成されている点を除いて、セパレータ板1と同様に構成されている。そして、第1セパレータ板1に代えて第1セパレータ板1Aを用いている点を除いて、上記実施の形態1と同様に構成されている。
【0029】
従って、この実施の形態2においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。さらに、この実施の形態2によれば、撥水処理膜14が第1セパレータ板1Aの酸化剤流路形成面のゾーン40a、40b、40cを除く領域に形成されているので、酸化剤流路30内で結露した水分は、撥水処理膜14の表面を空気の流れにより移動し、親水化処理膜13に触れると直ちに液膜化するので、隣接する酸化剤流路溝間の水分の移動が促進される。その結果、水分分布が均一化され、特性の安定性を維持することができる。
【0030】
実施の形態3.
図9はこの発明の実施の形態3に係る燃料電池の第1セパレータ板の酸化剤流路面を示す平面図である。
図9において、第1セパレータ板1Bの主面の電極支持部(水平方向(図9の左右方向)に幅18cm、鉛直方向(図9中上下方向)に高さ8cmの長方形の電極に対応する領域)が、畝34a〜34eにより、鉛直方向に領域α、β、γ、δに4分割されている。そして、複数の畝35が各領域α、β、γ、δ内に空気の流れ方向延びるように形成され、酸化剤流路溝33a〜33dを構成している。
そして、各酸化剤流路溝33a〜33dは、酸化剤供給口20から各領域α、β、γ、δまで延び、各領域α、β、γ、δ内で水平方向に蛇行し、その後酸化剤排出口21に至るように形成されている。
また、各畝35は、ガス拡散層6を支持する機能を有するとともに、空気の流れを誘導し、各酸化剤流路溝33a〜33d内に略並行した複数の流路溝を形成する。
さらに、親水化処理膜13が、第1セパレータ板1Bの酸化剤流路形成面の各ゾーン40a、40b、40cに対応する領域に形成されている。
【0031】
このように構成された酸化剤流路33においては、酸化剤流路溝33aの下流側と酸化剤流路溝30bの上流側とが領域αと領域βとの境界(ゾーン40a)で隣接し、酸化剤流路溝30bの下流側と酸化剤流路溝30cの上流側とが領域βと領域γとの境界(ゾーン40b)で隣接し、酸化剤流路溝30cの下流側と酸化剤流路溝30dの上流側とが領域γと領域δとの境界(ゾーン40c)で隣接している。
なお、この実施の形態3では、第1セパレータ板1に代えて第1セパレータ板1Bを用いている点を除いて、上記実施の形態1と同様に構成されている。また、第1セパレータ板1Bは、酸化剤流路30に代えて酸化剤流路溝33a〜33dからなる酸化剤流路33が形成されている点を除いて、実施の形態1の第1セパレータ板1と同様に構成されている。
【0032】
この実施の形態3においても、酸化剤流路溝33aの下流側と酸化剤流路溝30bの上流側とが領域αと領域βとの境界(ゾーン40a)で隣接し、酸化剤流路溝30bの下流側と酸化剤流路溝30cの上流側とが領域βと領域γとの境界(ゾーン40b)で隣接し、酸化剤流路溝30cの下流側と酸化剤流路溝30dの上流側とが領域γと領域δとの境界(ゾーン40c)で隣接するように酸化剤流路33がデザインされているので、湿潤状態の酸化剤流路33の下流側の水分が乾燥状態の酸化剤流路33の上流側に移動し、電解質膜5の湿潤状態が均一化される。さらに、親水化処理膜13が、各ゾーン40a、40b、40cに対応する第1セパレータ板1Bの領域に形成されているので、湿潤状態の酸化剤流路33の下流側の水分が親水化処理膜13を介して乾燥状態の酸化剤流路33の上流側に移動しやすくなり、電解質膜5の湿潤状態が速やかに均一化される。その結果、上記実施の形態1と同様に、反応分布が均一となり、連続運転しても高電圧・高出力が維持される燃料電池を実現できる。
【0033】
ここで、この実施の形態3による燃料電池を用いて発電運転した結果について述べる。
まず、冷却水を冷却水流路32に流通させ、燃料電池12の温度を80℃に維持した。そして、酸化剤供給口20から露点65℃の空気を利用率50%相当の流量で流し、COを20ppm含有する改質模擬ガス(水素:75%、CO:残り)を燃料として燃料供給口22から燃料利用率80%相当の流量で流して発電運転を実施した。
この時、酸化剤流路33の酸化剤供給口20近傍(酸化剤入口部)の相対湿度は53%であり、酸化剤流路33の酸化剤排出口21近傍(酸化剤出口部)の相対湿度は80%に達した。そして、電流密度250mA/cmでのセル電圧は初期で740mVであり、5時間運転を継続した時点でも730mV以上を維持する結果が得られた。
【0034】
この実施の形態3では、得られるセル電圧が上記実施の形態1に比べて低かった。これは、実施の形態3では、畝35を各領域α、β、γ、δ内に空気の流れ方向に延びるように形成して各酸化剤流路溝33a〜33dが形成されているので、酸化剤流路溝33a〜33dの流路断面積が上記実施の形態1における酸化剤流路溝30a〜30pに比べて大きくなっており、酸化剤流路33内を流れる空気の流速が遅くなったためと推考される。
【0035】
実施の形態4.
図10はこの発明の実施の形態4に係る燃料電池の第1セパレータ板の酸化剤流路形成面を示す平面図である。
図10において、第1セパレータ板1Cの主面の電極支持部(水平方向(図10の左右方向)に幅18cm、鉛直方向(図10中上下方向)に高さ8cmの長方形の電極に対応する領域)が、鉛直方向に領域α、β、γ、δに4分割されている。
【0036】
そして、4本の酸化剤流路溝36a〜36dが、並行して酸化剤供給口20から領域αまで延び、領域α内で水平方向に蛇行し、その後酸化剤排出口21に至るように形成されている。また、4本の酸化剤流路溝36e〜36hが、並行して酸化剤供給口20から領域βまで延び、領域β内で水平方向に蛇行し、その後酸化剤排出口21に至るように形成されている。さらに、4本の酸化剤流路溝36i〜36lが、並行して酸化剤供給口20から領域γまで延び、領域γ内で水平方向に蛇行し、その後酸化剤排出口21に至るように形成されている。さらにまた、4本の酸化剤流路溝36m〜36pが、並行して酸化剤供給口20から領域δまで延び、領域δ内で水平方向に蛇行し、その後水平に延びて酸化剤排出口21に至るように形成されている。
さらに、親水化処理膜13が、第1セパレータ板1Cの酸化剤流路形成面の各ゾーン40a、40b、40cに対応する領域に形成されている。
なお、この実施の形態4では、第1セパレータ板1に代えて第1セパレータ板1Cを用いている点を除いて、上記実施の形態1と同様に構成されている。また、第1セパレータ板1Cは、酸化剤流路30に代えて酸化剤流路溝36a〜36pからなる酸化剤流路36を形成している点を除いて、第1セパレータ板1と同様に構成されている。
【0037】
この実施の形態4においても、酸化剤流路溝36dの下流側と酸化剤流路溝36eの上流側とが領域αと領域βとの境界(ゾーン40a)で隣接し、酸化剤流路溝36hの下流側と酸化剤流路溝36iの上流側とが領域βと領域γとの境界(ゾーン40b)で隣接し、酸化剤流路溝36lの下流側と酸化剤流路溝36mの上流側とが領域γと領域δとの境界(ゾーン40c)で隣接するように酸化剤流路36がデザインされているので、湿潤状態の酸化剤流路36の下流側の水分が乾燥状態の酸化剤流路36の上流側に移動し、電解質膜5の湿潤状態が均一化される。さらに、親水化処理膜13が、各ゾーン40a、40b、40cに対応する第1セパレータ板1Cの領域に形成されているので、湿潤状態の酸化剤流路36の下流側の水分が親水化処理膜13を介して乾燥状態の酸化剤流路36の上流側に移動しやすくなり、電解質膜5の湿潤状態が速やかに均一化される。その結果、上記実施の形態1と同様に、反応分布が均一となり、連続運転しても高電圧・高出力が維持される燃料電池を実現できる。
【0038】
ここで、この実施の形態4による燃料電池を用いて発電運転した結果について述べる。
まず、冷却水を冷却水流路32に流通させ、燃料電池12の温度を80℃に維持した。そして、酸化剤供給口20から露点65℃の空気を利用率50%相当の流量で流し、COを20ppm含有する改質模擬ガス(水素:75%、CO:残り)を燃料として燃料供給口22から燃料利用率80%相当の流量で流して発電運転を実施した。
この時、酸化剤流路36の酸化剤供給口20近傍(酸化剤入口部)の相対湿度は53%であり、酸化剤流路36の酸化剤排出口21近傍(酸化剤出口部)の相対湿度は80%に達した。そして、電流密度250mA/cmでのセル電圧は初期で750mVであり、5時間運転を継続した時点でも740mV以上を維持し、上記実施の形態1と同等の結果が得られた。
【0039】
参考形態1
図11はこの発明の参考形態1に係る燃料電池の第1セパレータ板の酸化剤流路形成面を示す平面図である。
図11において、4本の酸化剤流路溝37a〜37dが、第1セパレータ板1Dの主面の電極支持部(水平方向(図11中左右方向)に幅18cm、鉛直方向(図11中上下方向)に高さ8cmの長方形の電極に対応する領域)に、並行して酸化剤供給口20から酸化剤排出口21に至るように形成されている。そして、4本の酸化剤流路溝37a〜37dは、電極支持部のほぼ中央部(ゾーン41)を中間点として折り返し、該中間点からそれぞれ酸化剤供給口20および酸化剤排出口21に向かって対となり、渦巻き状に電極支持部内を展開して酸化剤供給口20および酸化剤排出口21に達するように形成されている。この時、酸化剤供給口20から中間点に至る4本の酸化剤流路溝37a〜37dの形成領域と、酸化剤排出口21から中間点まで至る4本の酸化剤流路溝37a〜37dの形成領域とは互いに隣接している。そして、酸化剤流路溝37aの酸化剤供給口20から中間点に至る流路溝部分と、酸化剤流路溝37aの酸化剤排出口21から中間点に至る流路溝部分とが隣接した流路溝の対となっている。同様に、酸化剤流路溝37dの酸化剤供給口20から中間点に至る流路溝部分と、酸化剤流路溝37dの酸化剤排出口21から中間点に至る流路溝部分とが隣接した流路溝の対となっている。また、各酸化剤流路溝37a〜37dは、酸化剤供給口20から中間点に至る4本の酸化剤流路溝37a〜37dの形成領域と、酸化剤排出口21から中間点まで至る4本の酸化剤流路溝37a〜37dの形成領域との境界に関して相対する流路の出口度の和がほぼ1となっている。
さらに、親水化処理膜13が、図示していないが、酸化剤供給口20から中間点に至る4本の酸化剤流路溝37a〜37dの形成領域と、酸化剤排出口21から中間点まで至る4本の酸化剤流路溝37a〜37dの形成領域との境界に対応する第1セパレータ板1Dの酸化剤流路形成面の領域に形成されている。
【0040】
ここで、流路の出口度とは、酸化剤供給口20から流路溝のある地点までの道のりを、酸化剤供給口20から酸化剤排出口21までの流路溝の道のりで除した値である。つまり、酸化剤流路溝37aを例にとって説明すれば、酸化剤流路溝37aの中間点から上流側に距離A離れた地点と、酸化剤流路溝37aの中間点から下流側に距離A離れた地点とが、酸化剤供給口20から中間点に至る4本の酸化剤流路溝37a〜37dの形成領域と、酸化剤排出口21から中間点まで至る4本の酸化剤流路溝37a〜37dの形成領域との境界に関して相対する各酸化剤流路溝37aの2つの地点となる。そこで、酸化剤供給口20から酸化剤排出口21までの酸化剤流路溝37aの道のりをCとしたとき、酸化剤流路溝37aの中間点から上流側に距離A離れた地点の酸化剤供給口20からの道のりB1は(C/2−A)となり、酸化剤流路溝37aの中間点から下流側に距離A離れた地点の酸化剤供給口20からの道のりB2は(C/2+A)となる。それ故、酸化剤流路溝37aの中間点から上流側に距離A離れた地点における流路の出口度は(C/2−A)/Cとなり、酸化剤流路溝37aの中間点から下流側に距離A離れた地点の流路の出口度は(C/2+A)となり、両者の出口度の和が1となる。
【0041】
このように構成された酸化剤流路37においては、酸化剤流路溝37aの上流側と下流側とが隣接し、かつ、酸化剤流路溝37dの上流側と下流側とが隣接している。
なお、この参考形態1では、第1セパレータ板1に代えて第1セパレータ板1Dを用いている点を除いて、上記実施の形態1と同様に構成されている。また、第1セパレータ板1Dは、酸化剤流路30に代えて酸化剤流路37を形成している点を除いて、第1セパレータ板1と同様に構成されている。
【0042】
この参考形態1においても、酸化剤流路溝37aの上流側と下流側とが隣接し、酸化剤流路溝37dの上流側と下流側とが隣接するように酸化剤流路37がデザインされているので、湿潤状態の酸化剤流路37の下流側の水分が乾燥状態の酸化剤流路37の上流側に移動し、電解質膜5の湿潤状態が均一化される。さらに、親水化処理膜13が、酸化剤流路溝37aの上流側と下流側との隣接部位を跨ぐように、かつ、酸化剤流路溝37dの上流側と下流側との隣接部位を跨ぐように第1セパレータ板1Dに形成されているので、湿潤状態の酸化剤流路37の下流側の水分が親水化処理膜13を介して乾燥状態の酸化剤流路37の上流側に移動しやすくなり、電解質膜5の湿潤状態が速やかに均一化される。その結果、上記実施の形態1と同様に、反応分布が均一となり、連続運転しても高電圧・高出力が維持される燃料電池を実現できる。
【0043】
ここで、この参考形態1による燃料電池を用いて発電運転した結果について述べる。
まず、冷却水を冷却水流路32に流通させ、燃料電池12の温度を80℃に維持した。そして、酸化剤供給口20から露点65℃の空気を利用率50%相当の流量で流し、COを20ppm含有する改質模擬ガス(水素:75%、CO:残り)を燃料として燃料供給口22から燃料利用率80%相当の流量で流して発電運転を実施した。
この時、酸化剤流路37の酸化剤供給口20近傍(酸化剤入口部)の相対湿度は53%であり、酸化剤流路37の酸化剤排出口21近傍(酸化剤出口部)の相対湿度は80%に達した。そして、電流密度250mA/cmでのセル電圧は初期で750mVであり、5時間運転を継続した時点でも740mV以上を維持し、上記実施の形態1と同等の結果が得られた。
【0044】
参考形態2.
図12はこの発明の参考形態2に係る燃料電池の第1セパレータ板の酸化剤流路形成面を示す平面図である。
図12において、第1セパレータ板1Eは、酸化剤供給口20、酸化剤排出口21および燃料排出口23が水平方向(図12中左右方向)の1辺に穿設され、冷却水供給口25、冷却水排出口26および燃料供給口22が水平方向の相対する1辺に穿設されている。そして、酸化剤供給口20および酸化剤排出口21は、第1セパレータ板1Eの水平方向の1辺の上端側(図12中左上側)に鉛直方向(図12中上下方向)に並設されている。
【0045】
5本の酸化剤流路溝38a〜38eは、第1セパレータ板1Eの主面の電極支持部(水平方向に幅18cm、鉛直方向に高さ8cmの長方形の電極に対応する領域)に、並行して酸化剤供給口20から酸化剤排出口21に至るように形成されている。そして、5本の酸化剤流路溝38a〜38eは、電極支持部の水平方向の他辺の下端側(ゾーン42:図12中右下側)を中間点として折り返し、該中間点からそれぞれ酸化剤供給口20および酸化剤排出口21に向かって対となり、蛇行して電極支持部内を展開して酸化剤供給口20および酸化剤排出口21に達するように形成されている。この時、酸化剤供給口20から中間点に至る5本の酸化剤流路溝38a〜38eの形成領域と、酸化剤排出口21から中間点まで至る5本の酸化剤流路溝38a〜38eの形成領域とは互いに隣接している。そして、酸化剤流路溝38aの酸化剤供給口20から中間点に至る流路溝部分と、酸化剤流路溝38aの酸化剤排出口21から中間点に至る流路溝部分とが隣接した流路溝の対となっている。同様に、酸化剤流路溝38eの酸化剤供給口20から中間点に至る流路溝部分と、酸化剤流路溝38eの酸化剤排出口21から中間点に至る流路溝部分とが隣接した流路溝の対となっている。また、各酸化剤流路溝38a〜38eは、酸化剤供給口20から中間点に至る5本の酸化剤流路溝38a〜38eの形成領域と、酸化剤排出口21から中間点まで至る5本の酸化剤流路溝38a〜38eの形成領域との境界に関して相対する流路の出口度の和がほぼ1となっている。
さらに、親水化処理膜13が、図示されていないが、酸化剤供給口20から中間点に至る5本の酸化剤流路溝38a〜38eの形成領域と、酸化剤排出口21から中間点まで至る5本の酸化剤流路溝38a〜38eの形成領域との境界に対応する第1セパレータ板1Eの酸化剤流路形成面の領域に形成されている。
【0046】
このように構成された酸化剤流路38においては、酸化剤流路溝38aの上流側と下流側とが隣接し、かつ、酸化剤流路溝38eの上流側と下流側とが隣接している。
なお、この参考形態2では、第1セパレータ板1に代えて第1セパレータ板1Eを用いている点を除いて、上記実施の形態1と同様に構成されている。また、第1セパレータ板1Eは、酸化剤流路30に代えて酸化剤流路38を形成している点を除いて、第1セパレータ板1と同様に構成されている。
【0047】
この参考形態2においても、酸化剤流路溝38aの上流側と下流側とが隣接し、酸化剤流路溝38eの上流側と下流側とが隣接するように酸化剤流路38がデザインされているので、湿潤状態の酸化剤流路38の下流側の水分が乾燥状態の酸化剤流路38の上流側に移動し、電解質膜5の湿潤状態が均一化される。さらに、親水化処理膜13が、酸化剤流路溝38aの上流側と下流側との隣接部位を跨ぐように、かつ、酸化剤流路溝38eの上流側と下流側との隣接部位を跨ぐように第1セパレータ板1Eに形成されているので、湿潤状態の酸化剤流路38の下流側の水分が親水化処理膜13を介して乾燥状態の酸化剤流路38の上流側に移動しやすくなり、電解質膜5の湿潤状態が速やかに均一化される。その結果、上記実施の形態1と同様に、反応分布が均一となり、連続運転しても高電圧・高出力が維持される燃料電池を実現できる。
【0048】
ここで、この参考形態2による燃料電池を用いて発電運転した結果について述べる。
まず、冷却水を冷却水流路32に流通させ、燃料電池12の温度を80℃に維持した。そして、酸化剤供給口20から露点65℃の空気を利用率50%相当の流量で流し、COを20ppm含有する改質模擬ガス(水素:75%、CO:残り)を燃料として燃料供給口22から燃料利用率80%相当の流量で流して発電運転を実施した。
この時、酸化剤流路38の酸化剤供給口20近傍(酸化剤入口部)の相対湿度は53%であり、酸化剤流路38の酸化剤排出口21近傍(酸化剤出口部)の相対湿度は80%に達した。そして、電流密度250mA/cmでのセル電圧は初期で750mVであり、5時間運転を継続した時点でも740mV以上を維持し、上記実施の形態1と同等の結果が得られた。
【0049】
実施の形態5.
図13はこの発明の実施の形態5に係る燃料電池の第1セパレータ板の酸化剤流路形成面を示す平面図である。
図13において、第1セパレータ板1Fは、酸化剤供給口20a、酸化剤排出口21b、酸化剤供給口20cおよび酸化剤排出口21dが水平方向(図13中左右方向)の1辺に鉛直方向(図13中上下方向)に並んで穿設され、酸化剤排出口21a、酸化剤供給口20b、酸化剤排出口21cおよび酸化剤供給口20dが水平方向に相対する1辺に鉛直方向に並んで穿設されている。また、燃料供給口22、燃料排出口23、冷却水供給口25および冷却水排出口26は、図示していないが、第1セパレータ板1Fの鉛直方向に相対する2辺にそれぞれ穿設されている。
【0050】
そして、4本の酸化剤流路溝39a〜39dが、第1セパレータ板1Fの主面の電極支持部(水平方向に幅10cm、鉛直方向に高さ14cmの長方形の電極に対応する領域)に、並行して水平に酸化剤供給口20aから酸化剤排出口21aに至るように形成されている。また、4本の酸化剤流路溝39e〜39hが、第1セパレータ板1Fの主面の電極支持部に、並行して水平に酸化剤供給口20bから酸化剤排出口21bに至るように形成されている。また、4本の酸化剤流路溝39i〜39lが、第1セパレータ板1Fの主面の電極支持部に、並行して水平に酸化剤供給口20cから酸化剤排出口21cに至るように形成されている。さらに、4本の酸化剤流路溝39m〜39pが、第1セパレータ板1Fの主面の電極支持部に、並行して水平に酸化剤供給口20dから酸化剤排出口21dに至るように形成されている。
【0051】
このように構成された酸化剤流路39においては、酸化剤流路溝39a〜39dの流路溝群と、酸化剤流路溝39e〜39hの流路溝群とが空気の流れ方向を逆向きとして隣接し、酸化剤流路溝39e〜39hの流路溝群と、酸化剤流路溝39i〜39lの流路溝群とが空気の流れ方向を逆向きとして隣接し、酸化剤流路溝39i〜39lの流路溝群と、酸化剤流路溝39m〜39pの流路溝群とが空気の流れ方向を逆向きとして隣接している。そして、酸化剤流路溝39d、39h、39lの下流側が、それぞれゾーン43a、43b、43cにおいて、酸化剤流路溝39e、39i、39mの上流側と隣接し、酸化剤流路溝39d、39h、39lの上流側が、それぞれゾーン44a、44b、44cにおいて、酸化剤流路溝39e、39i、39mの下流側と隣接している。
さらに、親水化処理膜13が、図示されていないが、ゾーン43a、43b、43c、44a、44b、44cに対応する第1セパレータ板1Fの酸化剤流路形成面の領域に形成されている。
【0052】
なお、この実施の形態5では、第1セパレータ板1に代えて第1セパレータ板1Fを用いている点を除いて、上記実施の形態1と同様に構成されている。また、第1セパレータ板1Fは、酸化剤流路30に代えて酸化剤流路39を形成している点、燃料供給口22、燃料排出口23、冷却水供給口24および冷却水排出口25の形成位置を除いて、第1セパレータ板1と同様に構成されている。
【0053】
この実施の形態5においても、酸化剤流路溝39d、39h、39lの下流側がそれぞれ酸化剤流路溝39e、39i、39mの上流側と隣接し、かつ、酸化剤流路溝39d、39h、39lの上流側がそれぞれ酸化剤流路溝39e、39i、39mの下流側と隣接するように酸化剤流路39がデザインされているので、湿潤状態の酸化剤流路39の下流側の水分が乾燥状態の酸化剤流路39の上流側に移動し、電解質膜5の湿潤状態が均一化される。さらに、親水化処理膜13が、ゾーン43a、43b、43c、44a、44b、44cに対応する第1セパレータ板1Fの領域に形成されているので、湿潤状態の酸化剤流路39の下流側の水分が親水化処理膜13を介して乾燥状態の酸化剤流路39の上流側に移動しやすくなり、電解質膜5の湿潤状態が速やかに均一化される。その結果、上記実施の形態1と同様に、反応分布が均一となり、連続運転しても高電圧・高出力が維持される燃料電池を実現できる。
【0054】
ここで、この実施の形態5による燃料電池を用いて発電運転した結果について述べる。
まず、冷却水を冷却水流路32に流通させ、燃料電池12の温度を80℃に維持した。そして、酸化剤供給口20から露点65℃の空気を利用率50%相当の流量で流し、COを20ppm含有する改質模擬ガス(水素:75%、CO:残り)を燃料として燃料供給口22から燃料利用率80%相当の流量で流して発電運転を実施した。
この時、酸化剤流路39の酸化剤供給口20近傍(酸化剤入口部)の相対湿度は53%であり、酸化剤流路39の酸化剤排出口21近傍(酸化剤出口部)の相対湿度は80%に達した。そして、電流密度250mA/cmでのセル電圧は初期で750mVであり、5時間運転を継続した時点でも740mV以上を維持し、上記実施の形態1と同等の結果が得られた。
【0055】
実施の形態6.
図14はこの発明の実施の形態6に係る燃料電池の第1セパレータ板とガス拡散層との位置関係を示す分解斜視図である。
図14において、第1セパレータ板1Gは、親水化処理膜13が形成されていない点を除いて、上記実施の形態4における第1セパレータ板1Cと同様に構成されている。ガス拡散層6Aは、水平方向に幅18cm、鉛直方向に高さ8cmの長方形に形成された例えばカーボンペーパ(厚さ0.3mm、空隙率85%)で作製されている。そして、例えば酸化チタン薄膜を形成する親水化処理がガス拡散層6Aに施され、親水性部材としての親水化処理膜15がガス拡散層6Aの酸化剤電極に接する表面のゾーン40a、40b、40cに対応する領域に形成されている。さらに、例えばPTEF(ポリ4フッ化エチレン)樹脂を形成する撥水処理がガス拡散層6Aに施され、撥水処理膜16がガス拡散層6Aの酸化剤電極に接する表面のゾーン40a、40b、40cに対応する領域以外の領域に形成されている。
【0056】
なお、この実施の形態6では、第1セパレータ板1およびガス拡散層6に代えて第1セパレータ板1Gおよびガス拡散層6Aを用いている点を除いて、上記実施の形態4と同様に構成されている。
【0057】
この実施の形態6においても、上記実施の形態4と同様に、酸化剤流路溝36dの下流側と酸化剤流路溝36eの上流側とが領域αと領域βとの境界(ゾーン40a)で隣接し、酸化剤流路溝36hの下流側と酸化剤流路溝36iの上流側とが領域βと領域γとの境界(ゾーン40b)で隣接し、酸化剤流路溝36lの下流側と酸化剤流路溝36mの上流側とが領域γと領域δとの境界(ゾーン40c)で隣接するように酸化剤流路36がデザインされているので、湿潤状態の酸化剤流路36の下流側の水分が乾燥状態の酸化剤流路36の上流側に移動し、電解質膜5の湿潤状態が均一化される。
さらに、親水化処理膜15が、各ゾーン40a、40b、40cに対応するガス拡散層6Aの領域に形成されているので、水分の生成場所と移動経路とが近接することになり、湿潤状態の酸化剤流路36の下流側の水分が親水化処理膜15を介して乾燥状態の酸化剤流路36の上流側に移動しやすくなり、電解質膜5の湿潤状態が速やかに均一化される。その結果、上記実施の形態4よりもさらに反応分布が均一となり、連続運転しても高電圧・高出力が維持される燃料電池を実現できる。
【0058】
ここで、この実施の形態6による燃料電池を用いて発電運転した結果について述べる。
まず、冷却水を冷却水流路32に流通させ、燃料電池12の温度を80℃に維持した。そして、酸化剤供給口20から露点65℃の空気を利用率50%相当の流量で流し、COを20ppm含有する改質模擬ガス(水素:75%、CO:残り)を燃料として燃料供給口22から燃料利用率80%相当の流量で流して発電運転を実施した。
この時、酸化剤流路39の酸化剤供給口20近傍(酸化剤入口部)の相対湿度は53%であり、酸化剤流路39の酸化剤排出口21近傍(酸化剤出口部)の相対湿度は80%に達した。そして、電流密度250mA/cmでのセル電圧は初期で750mVであり、5時間運転を継続した時点でも740mV以上を維持し、上記実施の形態4と同等の結果が得られた。
【0059】
なお、上記実施の形態6では、上記実施の形態4による燃料電池のガス拡散層6に親水化処理および撥水処理を施すものとして説明しているが、上記実施の形態1〜3、による燃料電池のガス拡散層に適用しても同様の効果が得られる。
【0060】
実施の形態7.
上記実施の形態6では、親水化処理がガス拡散層6Aの酸化剤電極に接する表面に施されているものとしているが、この実施の形態7では、撥水処理を施すことなく、親水化処理をガス拡散層6全体に施すものとしている。
従って、上記実施の形態6と同等の効果が得られるとともに、親水化処理を施す際にマスキング等が不要となり、コストの低減が図られる。
【0061】
実施の形態8.
上記実施の形態7では、ガス拡散層6全体に親水化処理を施すものとしているが、この実施の形態8では、ガス拡散層を2層構造とし、酸化剤電極に接する側のガス拡散層に親水化処理を施し、第1セパレータ板に接する側のガス拡散層に撥水処理を施すものとしている。
この実施の形態8においても、親水化処理の際にマスキング等が不要となり、上記実施の形態7と同様に、コストの低減が図られる。
また、この実施の形態8では、ガス拡散層を2層構造とし、酸化剤電極に接する側のガス拡散層に親水化処理を施し、第1セパレータ板に接する側のガス拡散層に撥水処理を施しているので、電流密度250mA/cm2でのセル電圧が初期で755mVとなり、運転から5時間経過後でも745mV以上を維持できる燃料電池が得られる。
【0062】
実施の形態9.
上記実施の形態6では、ガス拡散層としてカーボンペーパ6Aを用いるものとしているが、この実施の形態9では、親水化処理を施した縦糸(親水性繊維)と、撥水処理を施した横糸とを用いて織り上げたカーボン織布をガス拡散層として用い、縦糸が鉛直方向に向くようにガス拡散層を配置している。
なお、他の構成は上記実施の形態6と同様に構成されている。
【0063】
従って、この実施の形態9においても、ガス拡散層の親水化処理された縦糸が、各ゾーン40a、40b、40cに対応する領域で、湿潤状態の酸化剤流路36の下流側と乾燥状態の酸化剤流路36の上流側とに跨るように位置しているので、湿潤状態の酸化剤流路36の下流側の水分が縦糸を介して乾燥状態の酸化剤流路36の上流側に移動しやすくなり、電解質膜5の湿潤状態が速やかに均一化される。さらに、親水化した繊維の方向が水を移動させたい方向と一致しており、移動を促進し、水分の均一化が容易になる。
【0064】
なお、上記実施の形態9では、上記実施の形態6のガス拡散層に代えてカーボン織布を用いるものとして説明しているが、他の実施の形態のガス拡散層に代えてカーボン織布を用いてもよいことは言うまでもないことである。この場合、親水化処理された縦糸を湿潤状態の酸化剤流路の下流側と乾燥状態の酸化剤流路の上流側とに跨るようにカーボン織布を配置すればよい。例えば、上記実施の形態1に適用する場合には、縦糸を水平方向に一致させてカーボン織布を配置することになる。
また、上記実施の形態9では、ガス拡散層を親化水処置された縦糸と撥水処理された横糸とで織り上げたカーボン織布を用いるものとしているが、親水性繊維のみを湿潤状態の酸化剤流路の下流側と乾燥状態の酸化剤流路の上流側とに跨るように配置してもよい。この場合、第1セパレータ板あるいはガス拡散層に親水性繊維収納凹部を形成し、親水性繊維を該親水性繊維収納凹部内に収納させればよい。
【0065】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように、酸化剤流路は、酸化剤供給口から酸化剤排出口に至るように形成された並行した複数の酸化剤流路溝からなる複数の流路群から構成され、複数の流路群は、折り返して走行し、第1セパレータ板の一面はそれぞれの流路群の走行する領域で複数に分割されており、該分割された領域の境界部分の少なくとも一部で、一方の流路群の酸化剤流路溝の上流側が他方の流路群の酸化剤流路溝の下流側に接するように構成され、さらに、第1セパレータ板の表面の分割された領域の境界部分を跨いで、一方の流路群の酸化剤流路溝の上流側と他方の流路群の酸化剤流路溝の下流側との隣接部分のみが他の部分より親水性が高い。そこで、運転中に生成した水分により湿潤となった下流域の水分が乾燥した上流域にスムーズに移動するので、湿度の低い反応ガスを供給しても、反応分布が均一化され、長期に渡って高電圧・高出力が得られる燃料電池を提供できる。
【0067】
また、酸化剤供給口と酸化剤排出口との複数対が第1セパレータ板に形成され、酸化剤流路は、各対の酸化剤供給口から酸化剤排出口に直線的に至るように第1セパレータ板の一面に形成された並行した複数の酸化剤流路溝からなる複数の流路群から構成され、さらに、複数の流路群は、隣接する流路群の酸化剤流体の流れ方向が互いに逆向きとなるように、酸化剤流体の流れ方向と直交する方向に隣接して配列され、第1セパレータ板の表面の隣接する流路群の境界部分を跨いで、一方の流路群の酸化剤流路溝の上流側と他方の流路群の酸化剤流路溝の下流側との隣接部分のみが他の部分より親水性が高い。そこで、運転中に生成した水分により湿潤となった下流域の水分が乾燥した上流域に移動するので、湿度の低い反応ガスを供給しても、反応分布が均一化され、長期に渡って高電圧・高出力が得られる燃料電池を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る燃料電池の構成を説明する側面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係る燃料電池の単セルの構成を説明する断面図である。
【図3】 この発明の実施の形態1に係る燃料電池の第1セパレータ板の酸化剤流路面を示す平面図である。
【図4】 この発明の実施の形態1に係る燃料電池の第1セパレータ板を示す要部断面図である。
【図5】 この発明の実施の形態1に係る燃料電池の第2セパレータ板の燃料流路面を示す平面図である。
【図6】 この発明の実施の形態1に係る燃料電池の第2セパレータ板の冷却水流路面を示す平面図である。
【図7】 比較例としての第1セパレータ板の酸化剤流路面を示す平面図である。
【図8】 この発明の実施の形態2に係る燃料電池の第1セパレータ板を示す要部断面図である。
【図9】 この発明の実施の形態3に係る燃料電池の第1セパレータ板の酸化剤流路面を示す平面図である。
【図10】 この発明の実施の形態4に係る燃料電池の第1セパレータ板の酸化剤流路形成面を示す平面図である。
【図11】 この発明の参考形態1に係る燃料電池の第1セパレータ板の酸化剤流路形成面を示す平面図である。
【図12】 この発明の参考形態2に係る燃料電池の第1セパレータ板の酸化剤流路形成面を示す平面図である。
【図13】 この発明の実施の形態5に係る燃料電池の第1セパレータ板の酸化剤流路形成面を示す平面図である。
【図14】 この発明の実施の形態6に係る燃料電池の第1セパレータ板とガス拡散層との位置関係を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1、1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G 第1セパレータ板、2 第2セパレータ板、3 酸化剤電極、4 燃料電極、5 電解質膜、6、6A ガス拡散層、8 単セル、13、15 親水化処理膜(親水性部材)、20、20a〜20d 酸化剤供給口、21、21a〜21d 酸化剤排出口、30、33、36、37、38、39 酸化剤流路、30a〜30p、33a〜33d、36a〜36p、37a〜37d、38a〜38e、39a〜39p 酸化剤流路溝、31 燃料流路、32 冷却水流路、α、β、γ、δ 領域。

Claims (5)

  1. 水分を含むことによりイオン導電性が発揮される電解質膜を燃料電極および酸化剤電極により挟持してなる単セルと、酸化剤流体を流通させる酸化剤流路が一面に形成され、該酸化剤流路を上記酸化剤電極に向けて配設される第1セパレータ板と、燃料流体を流通させる燃料流路が一面に形成され、該燃料流路を上記燃料電極に向けて配設される第2セパレータ板とを順次積層して構成され、冷却水流路が上記第1および第2セパレータ板の一方に形成されてなる燃料電池において、
    上記酸化剤流路は、酸化剤供給口から酸化剤排出口に至るように形成された並行した複数の酸化剤流路溝からなる複数の流路群から構成され、
    上記複数の流路群は、折り返して走行し、上記第1セパレータ板の一面はそれぞれの上記流路群の走行する領域で複数に分割されており、該分割された領域の境界部分の少なくとも一部で、一方の流路群の酸化剤流路溝の上流側が他方の流路群の酸化剤流路溝の下流側に接するように構成され、
    さらに、上記第1セパレータ板の表面の上記分割された領域の境界部分を跨いで、上記一方の流路群の酸化剤流路溝の上流側と上記他方の流路群の酸化剤流路溝の下流側との隣接部分のみが他の部分より親水性が高いことを特徴とする燃料電池。
  2. 水分を含むことによりイオン導電性が発揮される電解質膜を燃料電極および酸化剤電極により挟持してなる単セルと、酸化剤流体を流通させる酸化剤流路が一面に形成され、該酸化剤流路を上記酸化剤電極に向けて配設される第1セパレータ板と、燃料流体を流通させる燃料流路が一面に形成され、該燃料流路を上記燃料電極に向けて配設される第2セパレータ板とを順次積層して構成され、冷却水流路が上記第1および第2セパレータ板の一方に形成されてなる燃料電池において、
    酸化剤供給口と酸化剤排出口との複数対が上記第1セパレータ板に形成され、
    上記酸化剤流路は、各対の上記酸化剤供給口から上記酸化剤排出口に直線的に至るように上記第1セパレータ板の一面に形成された並行した複数の酸化剤流路溝からなる複数の流路群から構成され、
    さらに、上記複数の流路群は、隣接する流路群の上記酸化剤流体の流れ方向が互いに逆向きとなるように、上記酸化剤流体の流れ方向と直交する方向に隣接して配列され
    上記第1セパレータ板の表面の上記隣接する流路群の境界部分を跨いで、一方の流路群の酸化剤流路溝の上流側と他方の流路群の酸化剤流路溝の下流側との隣接部分のみが他の部分より親水性が高いことを特徴とする燃料電池。
  3. 上記第1セパレータ板の一面の1部を親水化処理して、上記第1セパレータ板の表面の上記隣接する流路群の境界部分を跨いで、一方の流路群の酸化剤流路溝の上流側と他方の流路群の酸化剤流路溝の下流側との隣接部分のみが他の部分より親水性が高くなっていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の燃料電池。
  4. 上記酸化剤電極のガス拡散層の1部を親水化処理して、上記第1セパレータ板の表面の上記隣接する流路群の境界部分を跨いで、一方の流路群の酸化剤流路溝の上流側と他方の流路群の酸化剤流路溝の下流側との隣接部分のみが他の部分より親水性が高くなっていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の燃料電池。
  5. 親水性繊維を上記酸化剤流路溝の上流側と上記酸化剤流路の下流側とを橋渡しするように平面的に配設して、上記第1セパレータ板の表面の上記隣接する流路群の境界部分を跨いで、一方の流路群の酸化剤流路溝の上流側と他方の流路群の酸化剤流路溝の下流側との隣接部分のみが他の部分より親水性が高くなっていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の燃料電池。
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