例えば照明機器等の負荷機器をオンオフ制御する場合、分電盤から負荷機器までの間の電力線に片切りスイッチ等のスイッチを設けることによってオンオフ制御することが可能である。しかしながら、負荷機器の個数が多くなると、電力線を多数引き回す必要があり、施工性及び保守管理性等が悪くなる。また、複数の照明機器を1つのグループに纏めてオンオフ制御するグループ制御や、グループ単位で所定のパターンで制御するパターン制御等の制御を行うことに対しても好ましくない。そのため、分電盤と負荷機器との間に、リレーと、監視制御子機と、監視制御親機と、操作スイッチとを設けた監視制御システムが開発されており、例えば、非特許文献1や特許文献1に開示されている。
図8は、非特許文献1に係る照明監視制御システムの構成を示すブロック図である。図8において、この照明監視制御システム500は、負荷機器の一例である1又は複数の照明機器501と、照明機器501に対応して設けられたリモコンリレー502と、1又は複数のターミナルユニット(以下、「T/U」と略記する。)503と、伝送ユニット504と、スイッチユニット505とを備えて構成され、T/U503と伝送ユニット504とスイッチユニット505とは、共通な一対の信号線から成る通信線506によって互いに通信可能に接続されている。図8に示す例では、8個の照明機器501−1〜501−8が示されており、これに応じて8個のリモコンリレー502−1〜502−8が備えられている。ここで、本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
リモコンリレー502は、T/U503の制御によって電力線から照明機器501へ供給される電力をオンオフすると共に、そのオンオフの動作状態(オンオフ状態)を照明機器501の点消灯の動作状態(点消灯状態)としてT/U503へ出力するリレーである。
T/U503は、通信線506を介して伝送ユニット504から受信した信号に応じてリモコンリレー502を個別にオンオフ制御すると共にリモコンリレー502のオンオフ状態(言い換えれば、照明機器501の点消灯状態)を通信線506を介して伝送ユニット504に送信する監視制御子機である。T/U503は、1又は複数のリモコンリレー502を駆動可能に構成されており、図8に示す例では、1個のT/U503が4個のリモコンリレー504を駆動可能であることから、この照明監視制御システム500は、リモコンリレー501−1〜501−4を駆動するT/U503−1と、リモコンリレー501−5〜501−8を駆動するT/U503−2とを備えている。
スイッチユニット505は、操作者によって操作(オンオフ操作)等が行われると共に照明機器501の点消灯状態を表示する操作表示端末であり、例えば、操作者の操作を受付ける1又は複数(図8では8個)のスイッチSW(SW−1〜SW−8)と、スイッチSWに近接して設けられ、点消灯状態を表示する例えば発光ダイオード等の発光素子を備える表示部DS(DS−1〜DS−8)とを備えて構成される。そして、各スイッチSWには、スイッチSWのアドレス(スイッチアドレス)がそれぞれ割り付けられており、スイッチSWが操作されると当該操作が為された旨の通知(スイッチ状態)及び自機のアドレスとを含む信号を通信線506を介して伝送ユニット504に送信するようにされており、各スイッチSWによって、各照明機器501を個別に制御したり、グループ制御したり、パターン制御したりというような多様な制御が可能になっている。
伝送ユニット504は、スイッチユニット505から通信線506を介して送信されたスイッチSWのスイッチ状態を示す信号に応じてT/U503及びリモコンリレー502を介して照明機器501の通電を制御すると共に照明機器501のオンオフ状態を監視する監視制御親機である。伝送ユニット504は、スイッチユニット505の各スイッチSWのスイッチアドレスと、各照明機器501に割り付けられた照明機器501のアドレス(負荷アドレス)とを対応付ける対応テーブル、及び、リモコンリレー502のオンオフ状態(照明機器501の点消灯状態)を示す動作状態テーブルを記憶している。スイッチユニット505のスイッチSWが操作者によって操作され当該スイッチ状態及びスイッチアドレスを含む信号を受信すると、伝送ユニット504は、スイッチアドレスに基づいて対応テーブルから制御対象の1又は複数の照明機器501を検索し、この検索した照明機器501の現在の動作状態を動作状態テーブルから検索し、そして、この照明機器501を現在の動作状態とは逆の動作状態となるようにこの照明機器501に対応するリモコンリレー502をオンオフ制御することによって照明機器501の通電を制御する。
負荷アドレスは、例えば、T/U503に割り当てられた番号(負荷チャンネル)と、リモコンリレー502を接続するT/U503の接続端子(接続ポート)に割り当てられた番号(負荷ナンバー)とから構成されている。例えば、T/U503−1の負荷チャンネルが「00」で照明機器501−1の通電を制御するリモコンリレー501−1が接続される接続端子の負荷ナンバーが「01」にされている場合には、照明機器501−1の負荷アドレスは、「0001」である。
通信線506を伝送する上記信号について説明すると、伝送ユニット504からT/U503及びスイッチユニット505へ送信される信号は、例えば、図9(A)に示すように、信号送出開始を示すスタートパルス信号STと、信号モードを示すモードデータ信号MDと、各T/U503及びスイッチユニット505を呼出す8ビットのアドレスデータ信号ADと、負荷機器を制御するための制御データ信号CDと、誤り制御のためのチェックサムデータ信号CSと、T/U503及びスイッチユニット505からの返信待機信号WTとを備えて構成されている±24Vの交流の時分割多重信号であり、パルス幅変調によってデータが伝送されるようになっている。
一方、各T/U503およびスイッチユニット505では、通信線506を介して伝送された上記信号のアドレスデータ信号ADと自機に予め設定されているアドレスとを比較し、一致する場合にその信号の制御データ信号CDを取込むと共に、返送待機信号WTの期間に、スイッチ状態、監視データ、負荷動作確認データなどの監視データ信号を、通信線506間に低抵抗を接続して得られる電流モードの信号で返信する。このような動作を、予め定める周期毎に各スイッチユニット505及びT/U503に対して行っている。また、スイッチユニット505やT/U503から送信すべきデータが生じると、スイッチユニット505やT/U503は、図9(B)で示すように、スタートパルス信号STに同期した割り込み信号Viを伝送ユニット504に送信する。伝送ユニット504では、この割込み信号Viを受信すると、モードデータ信号MDをアドレス確認モードに設定した信号を通信線506に送信することにより、この割り込み信号Viを発生させた端末(スイッチユニット505やT/U503)を検出してアクセスし、監視データ信号を返信させる。
一方、特許文献1には、このような照明監視制御システムに好適なリモコンリレー等が開示されている。図10は、特許文献1に係る遠隔監視制御システムの構成を示す回路図である。図10において、特許文献1に係る遠隔監視制御システム1000に用いられるリモコンリレー1013は、信号線1004で中央制御装置(不図示)と接続された制御用端末器1003によってオンオフ駆動される。制御用端末器1003は、アドレス設定部1014によって固有アドレスデータが設定されており、信号線1004を介して受信された信号のアドレスと自機の固有アドレスとが一致した場合に、その信号の制御データ信号を取り込み、この制御データ信号に基づいてリモコンリレー1013を駆動する。
リモコンリレー1013は、交流電源ACを降圧トランスTで降圧した電圧を電源として動作し、励磁コイルLに流れる電流方向に応じて主接点(不図示)の切換えを行う。このリモコンリレー1013は、SCRQ1、Q2の何れかの導通によって励磁コイルLに励磁電流が流れ、これらSCRQ1、Q2の導通制御は、制御用端末器1003の出力に応じて動作するドライバ1016によって行われる。また、励磁コイルLに流れる電流方向の規制は、励磁コイルLに直列に接続された補助接点rと、この補助接点rの切換えに応じて励磁コイルLに流れる電流方向を一方向に規制するダイオードD1、D2とで行っている。ダイオードD1、D2は、電流方向において互いに逆向きで補助接点rと接続される。
そして、リモコンリレー1013は、SCRQ1、Q2と並列にオン動作表示用のホトカプラPC1及びオフ動作表示用のホトカプラPC2が接続されており、ホトカプラPC2の発光ダイオードLD2は、ホトカプラPC1の発光ダイオードLD1と逆向きに接続されている。
ここで、このリモコンリレー1013では、ダイオードD1側に補助接点rが切り換わった場合に主接点がオン状態としてあり、ダイオードD2側に補助接点rが切り換わった場合に主接点がオフ状態としてある。このため、補助接点rがダイオードD1側に切り換わった場合に、発光ダイオードLD1が点灯され、この点灯により、リモコンリレー1013のオン動作表示が為され、そして、ホトトランジスタPT1の導通によってリモコンリレー1013がオンしていることを示す動作信号が制御用端末器1003に返信される。一方、補助接点rがダイオードD2側に切り換わった場合に、発光ダイオードLD2が点灯され、この点灯により、リモコンリレー1013のオフ動作表示が為される。
また、ホトカプラPC1、PC2の出力は、オア回路1017を介して制御用端末器1003の信号処理部1015に入力される。このため、リモコンリレー1013が正常動作している場合には、補助接点rの切換えに応じて発光ダイオードLD1又は発光ダイオードLD2の何れかが発光するため、オア回路1017から動作信号が信号処理部1015に入力されるが、リモコンリレー1013が故障している場合には、発光ダイオードLD1及び発光ダイオードLD2の何れも消灯するため、オア回路1017から動作信号が信号処理部1015に入力されない。これによって制御用端末器1003は、リモコンリレー1013におけるコイル断線や補助接点rの接触不良等の異常を認識することができる。
この特許文献1に開示のリモコンリレー1013は、図10に破線で示すホトカプラPC2及びオア回路1017を備えない特許文献1に対する従来のリモコンリレーにおいて、ホトカプラCP1でリモコンリレーのオンオフ表示が為されるがリモコンリレーの異常の場合にはホトカプラPC1の発光ダイオードLD1がオフの場合と同様に消灯するので、リモコンリレーのオフ状態と異常とを区別することができない、あるいは、制御用端末器1003がリモコンリレー1013の異常を認識できないという問題点を解決するために、リモコンリレーのオフ動作表示用のホトカプラPC2と、異常を制御用端末器1003が認識するためのオア回路1017とが設けられたものである。
なお、図10に示す制御用端末器1003が図8に示すT/U503に相当し、図10に示すリモコンリレー1013が図8に示すリモコンリレー502に相当し、図10に示す信号線1004が図8に示す通信線506に相当し、そして、図10に不図示の上記中央制御装置が図8に示す伝送ユニット504に相当している。
「多重伝送 フル2線式リモコン」、松下電工株式会社、2004年5月、WWCT1B186、p16、p48
特開平2−188096号公報
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
(実施形態の構成)
図1は、実施形態に係る監視制御システムの構成を示す図である。図2は、実施形態に係る監視制御システムに用いられる監視制御装置の電気的な構成を示すブロック図である。図3は、実施形態に係る監視制御システムに用いられる監視制御装置の外観斜視図である。図4は、リレー制御目標テーブルの構成を示す図である。
図1において、実施形態に係る監視制御システム1は、制御装置の一例である監視制御装置11と、リレーの一例である1又は複数のリモコンリレー12と、負荷機器の一例である1又は複数の照明機器501と、操作端末器の一例であるスイッチユニット505とを備えて構成され、監視制御装置11とスイッチユニット505とは、一対の信号線から成る通信線506によって互いに通信可能に接続されている。この図1に示す例では、7個の照明機器501−1〜501−7が監視制御システム1に備えられており、これに応じて7個のリモコンリレー12−1〜12−7が監視制御装置11に装着されている。また、リモコンリレー12−8によってリモコンリレー12を監視制御装置11に装着する様子が示されている。なお、この実施形態において、背景技術に係る構成と同様の構成は、同一の符号を付しており、その説明を省略する。
監視制御装置11は、スイッチユニット505から通信線506を介して送信されたスイッチSWの監視データ信号に応じてリモコンリレー12を個別にオンオフ制御することによりリモコンリレー12を介して照明機器501の通電を制御すると共に、リモコンリレー12の存在の有無やそのコイル断線や補助接点rの接触不良等の異常やそのオンオフの動作状態(オンオフ状態)(言い換えれば、照明機器501の点消灯の動作状態(点消灯状態))等のリモコンリレー12の状態を個別に監視する装置である。監視制御装置11は、言わば、少なくとも背景技術に係る伝送ユニット504の機能とT/U503の機能とを兼ね備えた装置となっている。そのため、背景技術に係る伝送ユニット504及びT/U503を用いた監視制御システム500よりも本発明に係る監視制御装置11を用いた監視制御システム1の方が設置面積を要せず設置場所の自由度が向上している。また、伝送ユニット504とT/U503との間の通信線506や伝送ユニット及びT/Uへの個別の電力線を配線する必要がないので、本発明に係る監視制御システム1の方がより簡単に施工することができ、また、配線ミスも抑制される等の施工性が向上している。
このような監視制御装置11の電気的な構成は、例えば、図2に示すように、受電端子部21と、電源部22と、電圧検出部23と、リレー制御用電源部24と、送受信部25と、通信端子部26と、1又は複数のリレー処理部27と、制御部28とを備えて構成される。
受電端子部21は、電力の供給を受けるべく、電力線を接続するための端子であり、3個の端子21−1〜21−3を備えて構成される。電源部22は、不図示の電源スイッチのオンオフに応じて受電端子部21から電圧の供給を受け、この受電端子部21を介して供給された電圧を整流及び降圧することによって5Vや24V等の予め定める低電圧に安定化させて、リレー制御用電源部24、送受信部25及び制御部28等の監視制御装置11における電力を必要とする各部に供給する回路である。電圧検出部23は、電源部22から制御部28へ供給される電圧値を検出する回路である。リレー制御用電源部24は、電源部22から供給された電圧をリモコンリレー12を制御するために必要な電圧値に安定化させてリレー処理部27を介してリモコンリレー12に供給する回路である。
送受信部25は、一対の信号線から成る通信線506を介してスイッチユニット505と通信を行う回路であり、制御部28からのデータに基づいて本監視制御システム1の通信プロトコルに従った信号を生成して通信線506へ送出すると共に通信線506からの信号を制御部28が処理可能な形式のデータに変換する。
監視制御装置11とスイッチユニット505との間の通信における上記信号は、図9に示す背景技術の信号と同様である。即ち、監視制御装置11からスイッチユニット505へ送信される信号は、図9(A)に示すように、スタートパルス信号STと、モードデータ信号MDと、アドレスデータ信号ADと、制御データ信号CDと、チェックサムデータ信号CSと、スイッチユニット505からの返信待機信号WTとを備えて構成されている±24Vの交流の時分割多重信号であり、パルス幅変調によってデータが伝送されるようになっている。一方、各スイッチユニット505では、通信線506を介して伝送された上記信号のアドレスデータ信号ADと自機に予め設定されているアドレス(スイッチアドレス)とを比較し、一致する場合にその信号の制御データ信号CDを取込むと共に、返送待機信号WTの期間に、スイッチ状態、監視データ、負荷動作確認データなどの監視データ信号を、通信線506間に低抵抗を接続して得られる電流モードの信号で返信する。送受信部25は、制御部28の制御に基づいてこのような動作を、予め定める周期毎に各スイッチユニット505に対して行っている。また、スイッチユニット505から送信すべきデータが生じると、スイッチユニット505は、図9(B)で示すように、スタートパルス信号STに同期した割り込み信号Viを監視制御装置11に送信する。監視制御装置11は、この割込み信号Viを受信すると、モードデータ信号MDをアドレス確認モードに設定した信号を通信線506に送信することにより、この割り込み信号Viを発生させたスイッチユニット505を検出してアクセスし、監視データ信号を返信させる。
通信端子部26は、通信線506における一対の信号線を接続するための端子であり、そのため、2個の端子26−1、26−2を備えて構成される。
リレー処理部27は、リモコンリレー12が接続され、リモコンリレー12に関する各種処理を行うブロックである。リレー処理部27は、制御部28の制御に基づきリモコンリレー12をオンオフ駆動し、リモコンリレー12の存在の有無やその異常やそのオンオフ状態(言い換えれば、照明機器501の点消灯状態)等のリモコンリレー12の状態を検出して制御部28に通知し、そして、リモコンリレー12の各種の状態を表示する。リレー処理部27の個数は、任意であり、監視制御装置11の仕様により決定される。本実施形態の監視制御装置11は、48個のリモコンリレー12の取り扱いが可能であり、そのうち8個のリモコンリレー12を直接取り扱い可能とすべく、8個のリレー処理部27−1〜27−8を備えている。なお、残余の40個のリモコンリレー12は、監視制御装置11に不図示の増設ユニットが接続され、この増設ユニットを介して監視及び制御される。
このようなリレー処理部27は、例えば、リレー接続端子部31と、リレーオン制御部32と、リレーオフ制御部33と、リセットスイッチ部34と、交換推奨表示部35と、リレー状態監視部36と、リレー異常表示部37と、リレー存在検知部38とを備えて構成される。なお、図2には、リレー処理部27−1の構成のみが示され、リレー処理部27−2〜27−8の構成は、リレー処理部27−1の構成と同一なので、省略されている。
リレー接続端子部31は、リモコンリレー12を電気的に接続するための端子であり、リレーオン制御部32と接続するオン制御信号端子と、リレーオフ制御部33と接続するオフ制御信号端子と、リレー状態監視部36と接続するオンオフ状態監視端子と、接地されるコモン端子と、リレー存在検知部38と接続する存在検知端子とを備えて構成される。図2には、リレー処理部27−1の、オン制御信号出力端子31−11、オフ制御信号出力端子31−12、オンオフ状態監視端子31−13、コモン端子31−14及び存在検知端子31−15が示されている。
リレーオン制御部32は、制御部28の制御に基づいて、主接点を閉じてリモコンリレー12をオンに駆動するオン制御信号をオン制御信号端子を介してリモコンリレー12に出力する回路である。リモコンリレー12の主接点が閉じられることによって照明機器501に通電が為されて照明機器501が点灯する。リレーオフ制御部33は、制御部28の制御に基づいて、主接点を開いてリモコンリレー12をオフに駆動するオフ制御信号をオフ制御信号端子を介してリモコンリレー12に出力する回路である。リモコンリレー12の主接点が開かれることによって照明機器501の通電が遮断されて照明機器501が消灯する。
リセットスイッチ部34は、後述のリレー制御回数カウンタを0にリセットする回路であり、例えばタクトスイッチや押しボタンスイッチ等のスイッチとその周辺回路を備えて構成され、スイッチが操作されるとリセット信号が制御部28に出力される。交換推奨表示部35は、制御部28の制御に基づいて、リモコンリレー12を交換する推奨時期に達したことを表示するための回路であり、例えば、発光ダイオード等の発光素子及びその周辺回路を備えて構成される。
リレー状態監視部36は、リモコンリレー12のオンオフ状態を検出する回路であり、例えばリレー接続端子31のオンオフ状態監視端子と制御部28との間の信号線を抵抗素子R1を介して電源部22で生成された駆動電源Vcc(例えば5V)に接続する回路である。リレー接続端子31のオンオフ状態監視端子に接続するリモコンリレー12側の端子は、リモコンリレー12の主接点が閉じる(オンする)とリレー接続端子31のコモン端子に接続するリモコンリレー12側の端子との間における電気的な接続が開かれ、リモコンリレー12の主接点が開く(オフする)とリレー接続端子31のコモン端子に接続するリモコンリレー12側の端子との間が電気的に接続されるように構成されている。例えば、リレー接続端子部31のオンオフ状態監視端子に接続するリモコンリレー12側の端子は、リモコンリレー12の主接点の開閉に連動して閉開する接点を介してリレー接続端子部31のコモン端子に接続するリモコンリレー12側の端子に接続される。このため、リモコンリレー12の主接点が閉じてリモコンリレー12のオンオフ状態がオン状態である場合にはハイレベルの検出信号が制御部28に出力され、リモコンリレー12の主接点が開いてリモコンリレー12のオンオフ状態がオフ状態である場合にはローレベルの検出信号が制御部28に出力される。
リレー異常表示部37は、制御部28の制御に基づいて、リモコンリレー12が異常であることを表示するための回路であり、例えば、発光ダイオード等の発光素子及びその周辺回路を備えて構成される。なお、ユーザが交換推奨表示部35の点灯であるかリレー異常表示部37の点灯であるかを一目で認識することができるようにする観点から、交換推奨表示部35の点灯色とリレー異常表示部37の点灯色とが互いに異なるように構成することが好ましい。また、この観点から一方を点滅させたり、点滅パターンが互いに異なるように構成してもよい。リレー異常表示部37は、異常表示部の一例である。
リレー存在検知部38は、リモコンリレー12がリレー接続端子部31に電気的に接続され存在ているか否かを検出する回路であり、例えばリレー接続端子31の存在検知端子と制御部28との間の信号線を抵抗素子R2を介して駆動電源Vccに接続した回路である。リレー接続端子31の存在検知端子に接続するリモコンリレー12側の端子は、リレー接続端子31のコモン端子に接続するリモコンリレー12側の端子と直接又は低抵抗の抵抗素子を介して接続される。このため、リモコンリレー12がリレー接続端子部31に電気的に接続され存在ていない場合にはハイレベルの検出信号が制御部28に出力され、リモコンリレー12がリレー接続端子部31に電気的に接続され存在ている場合にはローレベルの検出信号が制御部28に出力される。このようなリレー存在検知部38を備えることにより、監視制御装置11は、リレー処理部27のリレー接続端子部31に電気的にリモコンリレー12が接続され存在しているか否かを判定することができる。
制御部28は、例えばマイクロコンピュータ及びその周辺回路を備えて構成され、監視制御装置11における各部の当該機能に応じた制御を司るもので、スイッチユニット505から通信線506を介して送信されたスイッチSWの操作通知の信号に応じてリレー処理部27によってリモコンリレー12を個別にオンオフ駆動することで照明機器501の通電を制御すると共に、リレー処理部27によってリモコンリレー12の状態を個別に監視する回路である。制御部28は、例えば、中央処理部(以下、「CPU」と略記する。)41と、記憶部42と、不揮発性記憶部43と、これらの周辺回路とを備えて構成される。
CPU41は、例えば、マイクロプロセッサ及びその周辺回路等を備えて構成され、機能的に、リレー処理部27によって後述のようにリモコンリレー12の制御を行うリレー制御処理部411と、リレー制御回数のバックアップの処理を行うバックアップ処理部412と、リレー制御回数を0にリセットする処理を行うリセット処理部413と、制御プログラムに従って監視制御装置11の各部、記憶部42及び不揮発性記憶部43の制御を当該機能に応じて行うシステム処理部414とを備える。
記憶部42は、機能的に、リレー制御目標情報を記憶するリレー制御目標情報記憶部421と、リレー制御回数情報を記憶するリレー制御回数情報記憶部422とを備え、後述のようにリモコンリレー12の制御を行うリモコンリレー制御プログラムやリレー制御回数のバックアップの処理を行うバックアップ処理プログラムやリレー制御回数を0にリセットする処理を行うリセット処理プログラム等の各種プログラム、及び、リトライの回数を計数する変数であるリトライ回数カウンタやスイッチユニット505の各スイッチSWのスイッチアドレスと各照明機器501に割り付けられた照明機器501のアドレス(負荷アドレス)とを対応付ける対応テーブル等の各種プログラムの実行に必要なデータやその実行中に生じるデータ等の各種データを記憶する。記憶部42は、例えば、CPU41の所謂ワーキングメモリとなるRAM(Random Access Memory)等の揮発性の記憶素子やROM(Read Only Memory)等の不揮発性の記憶素子等を備えて構成される。
リレー制御目標情報は、リモコンリレー12の制御目標を表す情報であり、リモコンリレー12ごとに生成される。リレー制御目標情報は、例えば図4に示すように、回路番号を登録する回路番号フィールド51と制御目標を登録する制御目標フィールド52の各フィールドを備え、リモコンリレー12ごとにレコードが生成されるリレー制御目標テーブル50で表される。回路番号は、リモコンリレー12を接続する監視制御装置11のリレー処理部27に割り当てられるアドレスとしての番号であり、負荷アドレスとなる。本実施形態では、「01」から「08」までの回路番号がリレー処理部27−1からリレー処理部27−8まで順に割り当てられている。例えば、リレー処理部27−1に接続する照明機器501−1の負荷アドレスは、リレー処理部27−1の回路番号が「01」にされているので、「01」である。リモコンリレー12の制御目標情報は、このリモコンリレー12の回路番号が回路番号フィールド51に登録され、この回路番号フィールド51に対応する制御目標フィールド52にこのリモコンリレー12の制御目標が登録されることによってリレー制御目標情報記憶部421に記憶される。
リレー制御回数情報は、リモコンリレー12を制御した回数を表す情報であり、リモコンリレー12(回路番号)ごとに生成される。リレー制御回数情報は、例えば、リモコンリレー12ごとに用意された、リモコンリレー12の制御回数を計数する変数であるリレー制御回数カウンタが用いられる。リモコンリレー12の制御回数は、オン及びオフを個別に1回と数えてもよいし、オン及びオフで1回と数えてもよいし、オンのみを数えてもよいし、オフのみを数えてもよい。この数え方に合わせて、リモコンリレー12の交換を推奨する時期を判定する閾値である交換推奨回数が決定される。リモコンリレー12には、主接点の開閉による主接点の消耗等により製品寿命があり、メーカが動作保証をしている制御回数がこの交換推奨回数に設定される。
不揮発性記憶部43は、機能的に、リレー制御回数情報をバックアップとして記憶するバックアップリレー制御回数情報記憶部431を備え、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の書換え可能な不揮発性の記憶素子を備えて構成される。
また、このような監視制御装置11の外観は、図3に示すように、上記受電端子部21の各端子21−1〜21−3及び通信端子部26の各端子26−1、26−2を外部に露出すると共に電源部22、電圧検出部23、リレー制御用電源部24、送受信部25及び制御部28を配設した基板を内蔵する略直方体形状の本体Aが矩形の底板Cの一方辺に形成されている。この本体Aの一方端には、その上面から側面に絶縁壁G−1〜G−4が形成されており、絶縁壁G−1〜G−4の各間H−1〜H−3には受電端子部21の各端子21−1〜21−3がそれぞれ設けられている。また、本体Aの他方端には、その上面Jに通信端子部26の各端子26−1、26−2が設けられている。
そして、リレー接続端子部31の各端子31−1〜31−5を外部に露出すると共にリレー処理部27を配設した基板を内蔵する横長の略直方体形状のリレー接続部Bが本体Aの他方端から底板Cの一方側辺に沿って形成されている。リレー接続部Bの内側側面には、リレー接続端子部31の各端子31−1〜31−5が設けられた凹部Eがこの監視制御装置11に接続可能なリモコンリレー12の個数分(図3では凹部E−1〜E−8の8個)だけ形成されている。そして、リレー接続部Bの上面には、リセットスイッチ部34のスイッチが操作可能なように、交換推奨表示部35の発光素子が見えるように、及び、リレー異常表示部37の発光素子が見えるように、窓が設けられている。
底板Cの本体Aに対向する他方辺及びリレー接続部Bに対向する他方側辺は、低高な壁K1、K2がそれぞれ垂直上方に立設されている。そして、壁K2には、スリット状の係合孔Fがこの監視制御装置11に接続可能なリモコンリレー12の個数分(図3では係合孔F−1〜F−8の8個)だけ形成されている。
図1に戻って、リモコンリレー12は、監視制御装置11の制御によって電力線から照明機器501への通電をオンオフし、そのオンオフ状態を照明機器501の点消灯状態として監視制御装置11へ出力し、そして、その存在を監視制御装置11に検知可能としているリレーである。リモコンリレー12は、例えば、監視制御装置11のリモコンリレー接続端子31の各端子31−1〜31−5に電気的に接続する各端子と、端子から入力された制御信号に応じて照明機器501への通電をオンオフするリレー回路と、リレーのオンオフ状態を端子に出力する回路と、リモコンリレー接続端子31によってリモコンリレー12の存在を検知可能にしている回路と、監視制御装置11の係合孔Fに係合する係合爪とを備え、監視制御装置11に着脱可能に構成されている。
リモコンリレー12は、その端子を監視制御装置11のリレー接続端子部31の各端子31−1〜31−5に接続すると共にその係合爪を監視制御装置11の係合孔Fに係合させることで、監視制御装置11に装着される。このため、監視制御装置11とリモコンリレー12との間の配線が不要であるので、本発明に係る監視制御システム1の方がより簡単に施工することができ、また、配線ミスも抑制される等の施工性が向上している。
次に、本実施形態の動作について説明する。
(実施形態の動作)
図5は、リモコンリレーを制御する場合の監視制御装置の動作を示すフローチャートである。
例えばスイッチユニット505のスイッチSWが操作者によって操作され当該操作通知及びスイッチアドレスを含む信号が通信線506、通信端子部26及び送受信部25を介して受信されると、制御部28のCPU41におけるリレー制御処理部411は、スイッチアドレスに基づいて対応テーブルから制御対象の1又は複数の照明機器501に対応するリモコンリレー12を検索し、この検索したリモコンリレー12の現在の制御目標をリレー制御目標テーブルから検索する。そして、リレー制御処理部411は、この検索したリモコンリレー12を現在の制御目標とは逆の制御目標で制御すべくリレー処理部27によってリモコンリレー12をオンオフ駆動し、そして、この新たな制御目標を記憶部42のリレー制御目標情報421に記憶されているリレー制御目標テーブル50に登録し、記憶する(S11)。
例えば、リモコンリレー12の現在の制御目標がオンである場合には、リレー制御処理部411は、リモコンリレー12をオフに駆動すべく、当該リモコンリレー12に対応するリレー処理部27のリレーオフ制御部33に制御信号を出力すると共に、回路番号フィールド51に当該リレー処理部27の回路番号を登録するリレー制御目標テーブル50のレコードにおける制御目標フィールド52にオフを登録する。また例えば、リモコンリレー12の現在の制御目標がオフである場合には、リレー制御処理部411は、リモコンリレー12をオンに駆動すべく、当該リモコンリレー12に対応するリレー処理部27のリレーオン制御部32に制御信号を出力すると共に、回路番号フィールド51に当該リレー処理部27の回路番号を登録するリレー制御目標テーブル50のレコードにおける制御目標フィールド52にオンを登録する。
次に、リレー制御処理部411は、記憶部42のリレー制御回数情報記憶部422に記憶されている、処理S11で駆動したリモコンリレー12に対応するリレー制御回数カウンタを「1」だけカウンタアップし、新たなリレー制御回数を記憶する(S12)。
次に、リレー制御処理部411は、当該リモコンリレー12に対応するリレー処理部27のリレー状態監視部36の出力及びリレー存在検知部38の出力に基づいて当該リモコンリレー12の状態を取得する(S13)。リレー制御処理部411は、リレー存在検知部38の出力に基づいてリレー処理部27のリレー接続端子部31にリモコンリレー12が電気的に接続されているか否かを判定することができるので、リレー状態監視部36の出力を参照することにより、リモコンリレー12のオンオフの動作状態を正しく判定することができる。即ち、リレー存在検知部38の出力がローレベルであってリレー状態監視部36の出力がローレベルである場合には、リレー制御処理部411は、リレー接続端子部31にリモコンリレー12が電気的に接続されている場合であるから、リモコンリレー12の動作状態がオフ状態であると正確に判定することができ、また、リレー存在検知部38の出力がローレベルであってリレー状態監視部36の出力がハイレベルである場合には、リレー制御処理部411は、リレー接続端子部31にリモコンリレー12が電気的に接続されている場合であるから、リモコンリレー12の動作状態がオン状態であると正確に判定することができる。
次に、リレー制御処理部411は、この取得したリモコンリレー12のオンオフ状態と、リレー制御目標情報記憶部421のリレー制御目標テーブル50に登録されているこのリモコンリレー12に対応する制御目標と、を比較することにより、この取得したリモコンリレー12のオンオフ状態が制御目標と一致するか否かを判断する(S14)。このようにリレー制御処理部411は、異常判断部の一例として機能しており、また、リレー状態監視部36、リレー存在検知部38及びリレー制御目標情報記憶部421と共に、異常検知部の一例として機能している。
この処理S14における判断の結果、一致しない場合(No)には、リモコンリレー12の主接点が制御目標の通りに作動しなかった場合であり、リレー制御処理部411は、処理S11の制御目標で再度制御すべく、リレー処理部27によってリモコンリレー12のオンオフ制御を行ってリトライし、リレー処理部27のリレー状態監視部36の出力及びリレー存在検知部38の出力に基づいてリモコンリレー12の状態を取得する(S21)。リモコンリレー12の主接点が軽溶着している等の何らかの原因で一時的な異常(軽度の異常)がリモコンリレー12に生じて制御目標の通りに動作しなかった場合において、このようなリトライを行うことによって一時的な異常からリモコンリレー12を回復させることができ、リモコンリレー12を制御目標の通りに動作させることができる。
次に、リレー制御処理部411は、処理S21で取得したリモコンリレー12のオンオフ状態とリレー制御目標情報記憶部421のリレー制御目標テーブルにおける制御目標とを比較することにより、この取得したリモコンリレー12のオンオフ状態が制御目標と一致するか否かを判断する(S22)。
この処理S22における判断の結果、一致しない場合(No)には、リモコンリレー12の主接点が制御目標の通りに作動しなかった場合であり、リレー制御処理部411は、リトライ回数カウンタの値が予め定められたリトライ回数に達しているか否かを判定することによって、リトライの終了である否かを判断する(S23)。リトライ回数は、任意の回数でよく、仕様によって決定され、例えば、3回や4回等である。
この処理S23の判断の結果、リトライ回数カウンタがリトライ回数に達していなくてリトライの終了ではない場合(No)には、リレー制御処理部411は、リトライ回数カウンタを「1」だけカウンタアップし(S25)、さらにリトライを行うべく処理を処理S21に戻す。このように複数回のリトライを行うことによってリモコンリレー12の一時的な異常をより効果的に解消することができる。このようにリレー制御処理部411は、リトライ処理部の一例として機能している。
一方、処理S23における判断の結果、リトライ回数カウンタがリトライ回数に達していてリトライの終了である場合(Yes)には、リレー制御処理部411は、リレー異常表示部37に異常検知を表示させるべく制御信号をリレー異常表示部37に出力し(S24)、処理を終了する。リレー異常表示部37は、この制御信号により発光素子を点灯させ、主接点の溶着や内部回路の電気的な断線等のリモコンリレー12の異常を表示する。この表示によってユーザは、リモコンリレー12の異常を容易に知ることができ、リモコンリレー12を新規に交換する等の対応をとることができる。
一方、処理S14及び処理S22における判断の結果、一致する場合(Yes)には、リモコンリレー12のオンオフ動作が制御目標の通りに制御された場合であり、リレー制御処理部411は、リレー制御回数カウンタの値が予め定められた交換推奨回数以上であるか否かを判断する(S15)。
この処理S15の判断の結果、リレー制御回数カウンタの値が交換推奨回数未満である場合(No)には、リレー制御処理部411は、処理を終了し、一方、この判断の結果、リレー制御回数カウンタの値が交換推奨回数以上である場合(Yes)には、リレー制御処理部411は、交換推奨表示部35に交換推奨時期の到来を表示させるべく制御信号を交換推奨表示部35に出力し(S16)、処理を終了する。交換推奨表示部35は、この制御信号により発光素子を点灯させ、リモコンリレー12を交換する推奨時期に達したことを表示する。この表示によってユーザは、リモコンリレー12を交換すべき推奨時期になったことを知ることができ、リモコンリレー12に異常が生じる前にリモコンリレー12を新規に交換することができる。そのため、リモコンリレー12の製品寿命による監視制御システム1の不動作等のトラブルを事前に回避することができ、スイッチユニット505のスイッチSWの操作に応じて照明機器501が確実に制御され得るから、監視制御システム1の信頼性が向上し得る。このようにリレー制御処理部411及び交換推奨表示部35は、リレー交換推奨表示部の一例として機能している。
このリモコンリレー12の交換推奨時期の到来を判定するためのリレー制御回数カウンタは、監視制御装置11の電源が遮断された場合等のように制御部28が動作を停止する場合でも保持しておく必要がある。そのため、制御部28のCPU41におけるバックアップ処理部412が次のように動作している。
図6は、バックアップ処理を説明するための図であり、図6(A)は、バックアップ処理における監視制御装置の動作を示すフローチャートであり、図6(B)は、バックアップ処理のタイミングを説明するための図である。図6(B)の横軸は、時間であり、縦軸は、電圧である。
図6(A)において、制御部28のCPU41におけるバックアップ処理部412は、電圧検出部23の出力から制御部28に供給されている駆動電圧値を検出する(S31)。次に、バックアップ処理部412は、駆動電圧が降下することによって、この検出した駆動電圧値が予め定めたバックアップ閾値Vtに達したか否かを判断する(S32)。
この判断の結果、駆動電圧がバックアップ閾値Vtに達していない場合(No)には、バックアップ処理部412は、処理を処理S31に戻し、駆動電圧がバックアップ閾値Vtに達している場合(Yes)には、バックアップ処理部412は、記憶部42のリレー制御回数情報記憶部422に記憶されているリレー制御回数情報(本実施形態ではリレー制御回数カウンタ)を不揮発性記憶部43のバックアップリレー制御回数情報記憶部431に記憶してリレー制御回数カウンタのバックアップを行い(S33)、処理を処理S31に戻す。
このようにバックアップ処理部412は、電源部22から制御部28に供給される駆動電圧を常時監視しており、ユーザが電源スイッチ(不図示)をオフにした場合や電力線から供給される電圧が降下するように変動した場合等によって制御部28が動作を停止する可能性がある場合において、図6に示すように、電源部22から制御部28に供給される駆動電圧が、監視制御装置11内の容量値や抵抗値によって決まる時定数に従って降下して、動作時の電圧値V0(例えば5V)からバックアップ閾値Vtに到達すると、バックアップ処理部412が上記の処理S31、処理S32及び処理S33を実行することによって、駆動電圧値がバックアップ閾値Vtに達した時点t1からの△t時間の間に、リレー制御回数情報記憶部422のリレー制御回数情報がバックアップリレー制御回数情報記憶部431に記憶される。このため、制御部28が動作を停止する可能性がある場合に、リレー制御回数情報がバックアップされる。ここで、このように駆動電圧が降下を始めて制御部28が完全に動作を停止する前にリレー制御回数情報をバックアップすることができるように、バックアップ閾値Vtを設定する。
そして、制御部28が動作を停止して監視制御装置11の電源スイッチ(不図示)がオンされ、制御部28がその動作を開始すると、バックアップ処理部412は、不揮発性記憶部43のバックアップリレー制御回数情報記憶部431にバックアップされているリレー制御回数情報を記憶部42のリレー制御回数情報記憶部422に記憶してリストアする。これによって電源スイッチのオフ等により制御部28が動作を停止し、その後、電源スイッチのオン等により制御部28が動作を再開した場合に、リレー制御回数を正確にカウントすることができる。
一方、リモコンリレー12に回復できない異常が生じたために新規なリモコンリレー12に交換した場合には、この新規なリモコンリレー12に対して正しく交換推奨時期を表示するために、リモコンリレー12の交換推奨時期の到来を判定するためのリレー制御回数カウンタをリセットする必要がある。そのため、制御部28のCPU41におけるリセット処理部413が次のように動作している。
図7は、リセット処理における監視制御装置の動作を示すフローチャートである。ユーザがリセットスイッチ部34のスイッチを操作すると、リセットスイッチ部34は、リセット信号を制御部28に出力する。図7において、制御部28のCPU41におけるリセット処理部413は、割り込み入力によりこのリセット信号が入力されると(S41)、記憶部42のリレー制御回数情報記憶部422に記憶されている当該リセットスイッチ部34に対応するリレー制御回数情報を初期値0に設定することによってリセットする(S42)。そして、リセット処理部413は、当該リセットスイッチ部34に対応する交換推奨表示部35に制御信号を出力することによって発光素子を消灯して交換推奨表示を解消し(S43)、当該リセットスイッチ部34に対応するリレー異常表示部37に制御信号を出力することによって発光素子を消灯して異常表示を解消し(S44)、処理を終了する。このように動作することによってリレー制御回数情報が初期値0にリセットされるから、交換された新規なリモコンリレー12に対して正しく交換推奨時期を表示することができる。