JP4475073B2 - 放電灯点灯装置およびそれを用いる照明器具 - Google Patents

放電灯点灯装置およびそれを用いる照明器具 Download PDF

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Description

本発明は、インバータを用いて放電灯を高周波点灯させ、特に蛍光灯の明暗調節のためにフィードバック制御を行い、放電灯を所望の調光レベルへ調光させる放電灯点灯装置およびそれを用いる照明器具に関する。
従来から、放電灯を所望の調光レベルへ調光させるために、たとえば特許文献1や2で示されるように、フィードバック制御が行われている。図7は、従来の放電灯点灯装置101の概略的構成を示すブロック図である。この放電灯点灯装置101では、高周波電源102が放電灯103に高周波電圧を印加して高周波点灯させており、その点灯状態を検出部104で検出し、比較部105においてその検出結果と所望の調光信号V1とを比較し、制御部106がそれらの差に応じて高周波電源102から放電灯103に供給される電力の調整を行う。
特開平9−82485号公報 特表平11−509966号公報
一方、この種の調光機能を有する放電灯点灯装置としては、低光束域まで(例えば、アーク放電領域からグロー放電領域まで)調光を行うものがある。その場合、調光時の放電灯のインピーダンスは定格出力時の100倍以上となる。また、放電灯の周囲温度が低い場合は、より高インピーダンスとなり、ランプのちらつき、立ち消えを招く。しかしながら、上述のような従来例によるフィードバック制御は、この種の放電灯のちらつき、立ち消えを抑制する有効な手段であることは周知の事実であるが、放電灯に至る配線に無視し得ない浮遊静電容量が存在している場合、かつ放電灯のインピーダンスが高い場合には、放電灯に流れるべき電流の一部が前記浮遊静電容量を介して、漏れ電流として器具や放電灯の線間を流れることになり、精度よくランプ電流を検出することはできないという問題がある。以下に、この点について詳述する。
前記漏れ電流は、先ず第1には、図8で示すように、放電灯103に至る配線107,108から放電灯103に流れるべき電流が、浮遊静電容量109,110を介して、器具などに漏れることによって生じる。この場合、電流計111,112によって放電灯点灯装置101の出力の高電位側(非接地側)と低電位側(接地側)との電流値をそれぞれ測定すると、図9で示すように、測定値が異なることになる。すなわち、高電位側の配線107の浮遊静電容量109に加わる電圧が、低電位側の配線108の浮遊静電容量110に加わる電圧よりも高く、低電位側は高電位側よりも漏れ電流が少なくなる。したがって、低電位側の配線108の電流を検出する検出部104は、実際のランプ電流よりも多くの電流を検出していることになる。
第2には、前記漏れ電流は、図10で示すように、配線107,108間の浮遊静電容量113を介して電流が流れることによって生じる。この場合は、放電灯103のインピーダンスが高くなる程、より多くの漏れ電流が流れることになる。したがって、図11に示されるように、調光信号V1に対して、放電灯103のインピーダンスが大きい領域では、理想(実線)よりもランプ電流が少なく制御される(点線)。この実線と点線の差は、周囲温度や放電灯103の特性のばらつきによって大きく異なるので、放電灯103の低光束調光時においては、立ち消え・チラツキの大きな原因となる。
また、前記配線107,108間の浮遊静電容量113による漏れ電流は、配線107,108が長くなる程多くなり、高圧側の配線107と低圧側の配線108とが束ねられていても多くなる。これによってもまた、検出部104は、実際のランプ電流よりも多くの電流を検出していることになる。
以上のように従来の放電灯点灯装置101では、検出部104において、実際のランプ電流の増減と、検出部104で検出される電流の増減とが異なり、精度よくランプ電流を検出することはできない。周囲温度や放電灯103のばらつきによって漏れ電流量が異なる上に、さらにこのように実際のランプ電流と検出電流値とが異なると、所望の光出力(ランプ電力)を実現できなくなるだけでなく、実際のランプ電流より多い電流量を検出している場合は、立ち消え・ちらつきの原因となる。
本発明の目的は、放電灯の点灯状態を検出してフィードバック制御を行い、調光点灯を行うにあたって、精度よくフィードバック制御を行うことができる放電灯点灯装置およびそれを用いる照明器具を提供することである。
本発明の放電灯点灯装置は、インバータを用いて放電灯を高周波点灯させ、その放電灯に流れる電流を検出手段で検出し、前記インバータのスイッチングを制御する制御手段へフィードバックすることで、所望とする調光レベルで放電灯を点灯させるようにした放電灯点灯装置において、前記検出手段として、前記インバータの後段の共振回路と、前記放電灯との間にはセンタータップ形の出力トランスが設けられ、前記センタータップ形の出力トランスにおける2次巻線とは逆極性の3次巻線と、誤差電流打ち消し用コンデンサとの直列回路から成り、前記検出手段の検出電流から、放電灯までの配線間の浮遊静電容量によって生じる誤差電流を相殺する誤差電流打ち消し手段を有することを特徴とする。
また、本発明の放電灯点灯装置は、インバータを用いて放電灯を高周波点灯させ、その放電灯に流れる電流を検出手段で検出し、前記インバータのスイッチングを制御する制御手段へフィードバックすることで、所望とする調光レベルで放電灯を点灯させるようにした放電灯点灯装置において、前記検出手段として、前記インバータの後段の共振回路と、前記放電灯との間にはセンタータップ形の出力トランスが設けられ、前記センタータップ形の出力トランスにおける2次巻線とは逆極性の3次巻線と、誤差電流打ち消し用コンデンサと、インダクタとコンデンサとから成る並列共振回路との直列回路から成り、前記検出手段の検出電流から、放電灯までの配線間の浮遊静電容量によって生じる誤差電流を相殺する誤差電流打ち消し手段を有することを特徴とする。
さらにまた、本発明の放電灯点灯装置は、インバータを用いて放電灯を高周波点灯させ、その放電灯に流れる電流を検出手段で検出し、前記インバータのスイッチングを制御する制御手段へフィードバックすることで、所望とする調光レベルで放電灯を点灯させるようにした放電灯点灯装置において、前記検出手段として、前記インバータの後段の共振回路と、前記放電灯との間にはセンタータップ形の出力トランスが設けられ、前記センタータップ形の出力トランスにおける2次巻線とは逆極性の3次巻線と、誤差電流打ち消し用コンデンサと、サーミスタとの直列回路から成り、前記検出手段の検出電流から、放電灯までの配線間の浮遊静電容量によって生じる誤差電流を相殺する誤差電流打ち消し手段を有することを特徴とする。
上記の構成によれば、蛍光灯などの放電灯をインバータを用いて高周波点灯させる放電灯点灯装置において、調光制御を行うにあたって、制御手段へフィードバックする電流値を検出手段で検出する際に、誤差電流打ち消し手段は、放電灯までの配線間の浮遊静電容量によって生じる誤差電流に対応する電流を作成し、相殺する。
したがって、放電灯の周囲温度低温時やランプ電流が小さい調光下限時などにおいて、前記浮遊静電容量によって無視し得ない誤差電流が生じても、前記検出手段で検出される電流値が不所望に大きくなってしまうことはなく、ランプ電流のみを精度良く検出することができる。これによって、チラツキ、立ち消えがなく、深い調光を行うことができるフィードバック制御を行うことができる。
また、前記インバータの後段の共振回路と、前記放電灯との間に、前記検出手段としてセンタータップ形の出力トランスが設けられることで、グランドに対して、放電灯両端の実効値電圧を等しくすることができ、前記放電灯の両端子への配線と放電灯点灯装置のグランドとの間に生じる浮遊静電容量を略等しくすることができる。これによってもまた、前記検出手段ではランプ電流のみを精度良く検出することができ、チラツキ、立ち消えがなく、深い調光を行うことができるフィードバック制御を行うことができる。
さらにまた、前記誤差電流打ち消し手段、前記センタータップ形の出力トランスにおける2次巻線とは逆極性の3次巻線と、誤差電流打ち消し用コンデンサとの直列回路から成り、前記誤差電流打ち消し用コンデンサの容量を、放電灯インピーダンスが最も大きく、浮遊静電容量が最も大きい状態(ランプ線長などで影響される)で決定することで、検出手段において、より精度良くランプ電流のみを検出することができる。
さらにまた、本発明の放電灯点灯装置は、調光レベルに応じて、前記誤差電流打ち消し用コンデンサの容量を変化させる手段をさらに備えることが好ましい。
上記の構成によれば、たとえば誤差電流打ち消し用コンデンサを複数個の並列コンデンサに分割形成し、それぞれに直列に設けたスイッチを調光レベルが深くなる程オンしてゆくことによって、浮遊静電容量の影響が大きくなるに従い、前記3次巻線に流れる電流を増加することができ、より正確にランプ電流を検出することができる。
また、前記誤差電流打ち消し手段、前記センタータップ形の出力トランスにおける2次巻線とは逆極性の3次巻線と、誤差電流打ち消し用コンデンサと、インダクタとコンデンサとから成る並列共振回路との直列回路から成ることで、前記並列共振回路、インバータのスイッチング周波数の変化によって調光レベルが深くなる、すなわち浮遊静電容量の影響が大きくなるに従い、前記3次巻線に流れる電流を増加するので、簡単な構成で、より正確にランプ電流を検出することができる。
さらにまた、前記誤差電流打ち消し手段、前記センタータップ形の出力トランスにおける2次巻線とは逆極性の3次巻線と、誤差電流打ち消し用コンデンサと、サーミスタとの直列回路から成ることで、前記サーミスタ、周囲温度の変化による浮遊静電容量に流れる電流量の増減に対応しても、より正確にランプ電流を検出することができる。
また、本発明の放電灯点灯装置は、前記誤差電流打ち消し手段、前記センタータップ形の出力トランスにおける2次巻線とは逆極性の3次巻線と、誤差電流打ち消し用コンデンサと、調光下限時に前記浮遊静電容量を流れる誤差電流とランプ電流との合成電流と、該誤差電流打ち消し手段を流れる電流との位相差を180°ずらす位相補正手段との直列回路から成ることで、さらに精度良くランプ電流のみを検出することができる。
さらにまた、本発明の照明器具は、前記の放電灯点灯装置を用いることを特徴とする。
したがって、チラツキ、立ち消えがなく、深い調光を行うことができるフィードバック制御を行うことができる。
本発明の放電灯点灯装置およびそれを用いる照明器具は、以上のように、蛍光灯などの放電灯をインバータを用いて高周波点灯させる放電灯点灯装置において、調光制御を行うにあたって、制御手段へフィードバックする電流値を検出手段で検出する際に、誤差電流打ち消し手段は、放電灯までの配線間の浮遊静電容量によって生じる誤差電流に対応する電流を作成し、相殺する。
それゆえ、放電灯の周囲温度低温時やランプ電流が小さい調光下限時などにおいて、前記浮遊静電容量によって無視し得ない誤差電流が生じても、前記検出手段で検出される電流値が不所望に大きくなってしまうことはなく、ランプ電流のみを精度良く検出することができる。これによって、チラツキ、立ち消えがなく、深い調光を行うことができるフィードバック制御を行うことができる。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の第1の形態に係る放電灯点灯装置1の電気的構成を示すブロック図である。この放電灯点灯装置1は、大略的に、直流電源2と、インバータ3と、共振回路4と、センタータップトランス5と、ランプ電流検出回路6と、調光器7と、ランプ電流フィードバック回路8と、2つの制御回路9,10と、誤差電流打ち消し回路11とを備えて構成される。
前記直流電源2は、商用電源12の交流電圧VSから一定の直流電圧VDCを作成するものであり、商用交流をダイオードブリッジDB1によって全波整流し、その直流の脈流を昇圧チョッパ回路によって昇圧する。昇圧チョッパ回路は、インダクタL2、スイッチング素子Q3、ダイオードD1および平滑コンデンサC3を備えて成り、前記ダイオードブリッジDB1からの脈流を、インダクタL2およびスイッチング素子Q3の直列回路によってスイッチングし、ダイオードD1および平滑コンデンサC3によって整流することで昇圧する。前記スイッチング素子Q3のゲートは制御回路10によって制御され、前記直流電圧VDCが予め定める一定値となるように制御される。前記直流電圧VDCの範囲は、
VS(peak)≦VDC
となる。ここで、VS(peak)は、交流電圧VSのピーク値を示しており、前記商用電源12の実効値が100Vであれば約141V、200Vであれば約282Vとなる。
前記直流電源2からの直流電圧VDCは、インバータ3に入力され、スイッチング素子Q1,Q2によってスイッチングされる。前記スイッチング素子Q1,Q2は、相互に直列に接続され、その直列回路が直流電源2の出力となる平滑コンデンサC3に並列に接続される。これらのスイッチング素子Q1,Q2は、パルス幅変調制御ICから成る制御回路9によって、高周波で相反駆動され、かつ所望調光レベルに応じてスイッチング周波数および/またはデューティが変化される。以下の説明では、調光レベルに応じてスイッチング周波数を変化するものとする。前記スイッチング素子Q1,Q2の接続点からは、直流カットコンデンサCDCによって、直流成分が除去された交流電圧が出力される。
前記直流カットコンデンサCDCからの出力は、インダクタL1とコンデンサC1とのLC直列共振回路から成る共振回路4を介して、センタータップトランス5の1次巻線N1に入力される。センタータップトランス5の2次巻線N2において、センタータップはグランドに接続され、一方の端子は直流カットコンデンサCDを介して放電灯Laの一方の端子に接続され、他方の端子はカレントトランスCTの1次巻線N11を介して放電灯Laの他方の端子に接続され、こうして放電灯Laの両端子は実効電圧がグランドから等しくなるように駆動される。
検出手段である前記カレントトランスCTは、ダイオードブリッジDB2および抵抗R1とともに、ランプ電流検出回路6を構成している。前記カレントトランスCTの2次巻線N12からは、ランプ電流に対応した交流電流が誘起され、その交流電流はダイオードブリッジDB2において全波整流され、抵抗R1によって電圧値に変換されて、ランプ電流信号VLとしてランプ電流フィードバック回路8に入力される。
前記ランプ電流フィードバック回路8は、基準電圧源13と、帰還制御回路14とを備えて構成され、前記ランプ電流信号VLは、入力抵抗R−を介して、帰還制御回路14のオペアンプOPの負入力端に入力される。前記オペアンプOPの正入力端には、入力抵抗R+を介して、前記基準電圧源13から基準電圧Vlaが入力される。前記基準電圧Vlaは、調光器7からの調光信号CTLによって設定される。オペアンプOPは、前記ランプ電流信号VLと基準電圧Vlaとを比較し、その差分を増幅して、調光制御信号VCTLとして前記制御回路9へ出力するとともに、その出力は、相互に並列の帰還抵抗RPおよび帰還コンデンサCIを介して負帰還されている。したがって、オペアンプOPのゲインは、入力抵抗R−、帰還抵抗RPおよび帰還コンデンサCIの比例積分ゲインで決定され、さらに帰還抵抗RPおよび帰還コンデンサCIはカットオフ周波数を決定しており、低周波のリップルを低減している。
このように構成されるランプ電流フィードバック回路8の概略動作は、以下の通りである。ランプ電流信号VLが基準電圧Vlaより低くなり、制御回路9に帰還制御回路14から+の調光制御信号VCTLが入力されると、制御回路9はスイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数を低下させて、光出力(ランプ電流)を増加させる。これに対して、ランプ電流信号VLが基準電圧Vlaより高くなり、制御回路9に帰還制御回路14から−の調光制御信号VCTLが入力されると、制御回路9はスイッチング周波数を増加させて、光出力を低下させる。このようにして、インバータ3のスイッチング周波数が制御回路9によって制御されることで、調光器7からの調光信号CTLに応じて、放電灯Laの調光点灯が行われる。
そして注目すべきは、この放電灯点灯装置1では、前記センタータップトランス5には、2次巻線N2とは逆極性の3次巻線N3が設けられ、その3次巻線N3の誘起電圧は、誤差電流打ち消し用コンデンサCnを介して、カレントトランスCTの1次巻線N11側にフィードバックされることである。前記3次巻線N3、誤差電流打ち消し用コンデンサCnおよびカレントトランスCTは、誤差電流打ち消し手段である誤差電流打ち消し回路11を構成している。図1において、放電灯Laと並列に接続されているコンデンサCSは、該放電灯点灯装置1から放電灯Laに至る配線間に存在する浮遊静電容量を示している。
上述のように構成される放電灯点灯装置1において、カレントトランスCTで検出され、帰還制御回路14へ出力されるランプ電流信号VLは、ランプ電流と浮遊静電容量CSによる電流との合成電流となるが、本実施例では、センタータップトランス5の3次巻線N3が2次巻線N2とは逆極性であるので、前記誤差電流打ち消し用コンデンサCnを介して流れる電流は、前記合成電流を打ち消す方向に流れる。ここで、誤差電流打ち消し用コンデンサCnの値は、下記の式によって求められる。
調光下限時、すなわち最もランプインピーダンスが大きな状態で浮遊静電容量CSに流れる電流I1は、
I1=2・π・f・CS・Vla
となる。ただし、fは調光下限時の周波数であり、Vlaは調光下限時のランプ電圧である。一方、誤差電流打ち消し用コンデンサCnに流れる電流I2は、
I2=2・π・f・Cn・E3
となる。ただし、E3は、3次巻線N3によって発生する電圧である。したがって、I1=I2とすると、
Cn=(Vla/E3)CS
となる。
ここで、重要な点は、ランプインピーダンスが最も大きく、浮遊静電容量CSが最も大きい状態(ランプ配線長などで影響される)で誤差電流打ち消し用コンデンサCnを決定すべきことである。定格出力時など、浮遊静電容量CSの影響が少ない場合でもこの誤差電流打ち消し用コンデンサCnが作用してしまうけれども、そのようにランプインピーダンスが低い状態では、浮遊静電容量CSに電流が殆ど流れず、ランプ電流検出回路6で実際のランプ電流よりも低い値をランプ電流信号VLとして出力しても、立ち消えやチラツキへの影響はない。すなわち、帰還制御回路14は、本来の出力よりも増加させる方向に働くので、浮遊静電容量CSに流れる電流分を打ち消すことができる。
また、誤差電流打ち消し用コンデンサCnは周波数特性を有し、定格出力時にはインバータ3のスイッチング周波数が低くなるので、該誤差電流打ち消し用コンデンサCnのインピーダンス成分が高くなり、3次巻線N3に流れる電流は調光時よりも少なくなる。このようにして、ランプ出力が高い程、誤差電流打ち消し回路11の影響は少なくなる。
以上のように、誤差電流打ち消し回路11を設けることで、配線間の浮遊静電容量CSに流れる誤差電流を相殺し、ランプ電流のみをカレントトランスCTで精度良く検出することができる。これによって、チラツキ、立ち消えがなく、深い調光を行うことができるフィードバック制御を行うことができる。
また、インバータ3の後段の共振回路4と、放電灯Laとの間には、センタータップトランス5を設けるので、該放電灯点灯装置1のグランドに対して、放電灯Laの両端の実効値電圧を等しくすることができ、該放電灯Laの両端子への配線と放電灯点灯装置1のグランドとの間に生じる浮遊静電容量を略等しくすることができる。これによってもまた、前記カレントトランスCTではランプ電流のみを精度良く検出することができ、チラツキ、立ち消えがなく、深い調光を行うことができるフィードバック制御を行うことができる。
なお、前記センタータップトランス5に代えて、絶縁形の出力トランスを用いても、放電灯点灯装置1のグランドに対して、放電灯Laの両端の実効値電圧を等しくすることができる。
[実施の形態2]
図2は、本発明の実施の第2の形態に係る放電灯点灯装置21の電気的構成を示すブロック図である。この放電灯点灯装置21は、前述の放電灯点灯装置1に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して示し、その説明を省略する。注目すべきは、この放電灯点灯装置21では、誤差電流打ち消し回路22の誤差電流打ち消し用コンデンサが複数(図2ではCn1,Cn2の2つ)の並列コンデンサに分割されており、それらが調光器7からの調光信号CTLによってオン/オフ駆動されるスイッチSW1,SW2によって選択的に前記センタータップトランス5の3次巻線N3とカレントトランスCTの1次巻線N11との間に接続されることである。
前記調光信号CTLが100%出力を表す定格出力時には、上述のように、ランプインピーダンスが低く、殆ど浮遊静電容量CSに漏れ電流が流れることがないので、カレントトランスCTは正確にランプ電流を検出することができ、前記スイッチSW1,SW2はオフされている。調光レベルが深くなる、すなわちランプインピーダンスが増加すると、それに応じて、前記スイッチSW1,SW2は順にオンされてゆき、こうして浮遊静電容量CSの影響が大きくなるに従い、3次巻線N3に流れる電流が増加されてゆく。前記誤差電流打ち消し用コンデンサCn1,Cn2の容量やスイッチSW1,SW2をオンする調光レベルは、点灯されるランプLaの特性に応じて適切な値に定められる。
このように前記誤差電流打ち消し用コンデンサCnの容量を調光レベルに応じて変化させることで、より正確にランプ電流を検出することができる。
[実施の形態3]
図3は、本発明の実施の第3の形態に係る放電灯点灯装置31の電気的構成を示すブロック図である。この放電灯点灯装置31は、前述の放電灯点灯装置1に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して示し、その説明を省略する。注目すべきは、この放電灯点灯装置31では、誤差電流打ち消し回路32の誤差電流打ち消し用コンデンサCnに直列に、インダクタLkとコンデンサCkとの並列共振回路が接続されていることである。並列共振回路の共振周波数は、ランプ定格出力時のインバータ3のスイッチング周波数付近に設定されている。
定格出力時は、前記並列共振回路のインピーダンスは非常に高く、前記センタータップトランス5の3次巻線N3には、殆ど電流は流れない。調光レベルが深くなるに従い、インバータ3のスイッチング周波数が並列共振回路の共振周波数から離れるので、誤差電流打ち消し回路32は、3次巻線N3に流れる電流を増加してゆき、浮遊静電容量CSに流れる電流を打ち消す作用を強めることができる。
このように構成することで、前記の放電灯点灯装置21のようにスイッチSW1,SW2を用いることなく、誤差電流打ち消し回路32を最適に動作させ、簡単な構成で低コストに、ランプ電流をより正確に検出することができる。なお、並列共振回路だけでなく、直列共振回路やそれらの組合わせによって、さらに正確なランプ電流検出が可能であることは言うまでもない。
[実施の形態4]
図4は、本発明の実施の第4の形態に係る放電灯点灯装置41の電気的構成を示すブロック図である。この放電灯点灯装置41も、前述の放電灯点灯装置1に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して示す。注目すべきは、この放電灯点灯装置41では、誤差電流打ち消し回路42の誤差電流打ち消し用コンデンサCnに直列に、サーミスタRthが接続されていることである。このサーミスタRthは、PTCサーミスタであり、室温以下では抵抗値は低いが、高温時には抵抗値が高くなり、3次巻線N3に流れる電流を制限する。
したがって、放電灯Laが定格出力であったり、器具の周囲温度が一定温度以上である場合は、誤差電流打ち消し回路42は動作しないことになる。これに対して、浮遊静電容量CSの影響が大きくなる、調光下限時や周囲温度が低い場合は、誤差電流打ち消し回路42が動作することになる。
このように構成することで、周囲温度による浮遊静電容量CSの影響にも対応した放電灯点灯装置を実現することができる。
[実施の形態5]
図5は、本発明の実施の第5の形態に係る放電灯点灯装置51の電気的構成を示すブロック図である。この放電灯点灯装置51も、前述の放電灯点灯装置1に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して示す。注目すべきは、この放電灯点灯装置51では、誤差電流打ち消し回路52の誤差電流打ち消し用コンデンサCnに直列に、電流位相補正用インピーダンスZが接続されていることである。位相補正手段であるこの電流位相補正用インピーダンスZによって、ランプ電流と浮遊静電容量CSを流れる電流との合成電流と、3次巻線N3に流れる電流との位相が、相互に180°ずれることになる。
これまでの放電灯点灯装置1,21,31,41では、ランプ電流と浮遊静電容量CSとを流れる電流との合成電流と、3次巻線N3に流れる電流との調光下限(ランプインピーダンスが最大時)での実効値を等しくすることが示されていたが、実際は図6(a)で示すように、回路内のC成分やL成分、或いはスイッチング周波数の変化によって、位相が相互に180°ずれていない場合がある。そこで前記電流位相補正用インピーダンスZにインダクタンスを用いることで、図6(b)で示すように、3次巻線N3に流れる電流の位相をさらに90°遅らせ、ランプ電流と浮遊静電容量CSを流れる電流との合成電流と、3次巻線N3に流れる電流との位相を180°ずらすようにしている。
このように電流位相を補正することで、調光下限での真のランプ電流を検出することができる。電流位相補正用インピーダンスZとしては、前記の位相遅れ用のインダクタや、位相進み用のコンデンサを用いることができる。
本発明の実施の第1の形態に係る放電灯点灯装置の電気的構成を示すブロック図である。 本発明の実施の第2の形態に係る放電灯点灯装置の電気的構成を示すブロック図である。 本発明の実施の第3の形態に係る放電灯点灯装置の電気的構成を示すブロック図である。 本発明の実施の第4の形態に係る放電灯点灯装置の電気的構成を示すブロック図である。 本発明の実施の第5の形態に係る放電灯点灯装置の電気的構成を示すブロック図である。 図5で示す放電灯点灯装置における誤差電流打ち消し用の電流に対する位相補正を説明するための図である。 従来の放電灯点灯装置の概略的構成を示すブロック図である。 放電灯への配線と器具との間の浮遊静電容量による漏れ電流を説明するための図である。 図8で示す漏れ電流の測定値結果の一例を示す図である。 放電灯への配線間の浮遊静電容量による漏れ電流を説明するための図である。 調光信号に対するランプ電流の変化を示すグラフである。
1,21,31,41,51 放電灯点灯装置
2 直流電源
3 インバータ
4 共振回路
5 センタータップトランス
6 ランプ電流検出回路
7 調光器
8 ランプ電流フィードバック回路
9,10 制御回路
11,22,32,42,52 誤差電流打ち消し回路
12 商用電源
13 基準電圧源
14 帰還制御回路
C1 コンデンサ
C3 平滑コンデンサ
CD,CDC 直流カットコンデンサ
CI 帰還コンデンサ
Ck コンデンサ
Cn;Cn1,Cn2 誤差電流打ち消し用コンデンサ
CS 浮遊静電容量
CT カレントトランス
D1 ダイオード
DB1,DB2 ダイオードブリッジ
L1,L2 インダクタ
La 放電灯
Lk インダクタ
OP オペアンプ
Q1〜Q3 スイッチング素子
R1 抵抗
R−,R+ 入力抵抗
RP 帰還抵抗
SW1,SW2 スイッチ
Rth サーミスタ
Z 電流位相補正用インピーダンス

Claims (4)

  1. インバータを用いて放電灯を高周波点灯させ、その放電灯に流れる電流を検出手段で検出し、前記インバータのスイッチングを制御する制御手段へフィードバックすることで、所望とする調光レベルで放電灯を点灯させるようにした放電灯点灯装置において、
    前記検出手段として、前記インバータの後段の共振回路と、前記放電灯との間にはセンタータップ形の出力トランスが設けられ、
    前記センタータップ形の出力トランスにおける2次巻線とは逆極性の3次巻線と、誤差電流打ち消し用コンデンサとの直列回路から成り、前記検出手段の検出電流から、放電灯までの配線間の浮遊静電容量によって生じる誤差電流を相殺する誤差電流打ち消し手段を有することを特徴とする放電灯点灯装置。
  2. インバータを用いて放電灯を高周波点灯させ、その放電灯に流れる電流を検出手段で検出し、前記インバータのスイッチングを制御する制御手段へフィードバックすることで、所望とする調光レベルで放電灯を点灯させるようにした放電灯点灯装置において、
    前記検出手段として、前記インバータの後段の共振回路と、前記放電灯との間にはセンタータップ形の出力トランスが設けられ、
    前記センタータップ形の出力トランスにおける2次巻線とは逆極性の3次巻線と、誤差電流打ち消し用コンデンサと、インダクタとコンデンサとから成る並列共振回路との直列回路から成り、前記検出手段の検出電流から、放電灯までの配線間の浮遊静電容量によって生じる誤差電流を相殺する誤差電流打ち消し手段を有することを特徴とする放電灯点灯装置。
  3. インバータを用いて放電灯を高周波点灯させ、その放電灯に流れる電流を検出手段で検出し、前記インバータのスイッチングを制御する制御手段へフィードバックすることで、所望とする調光レベルで放電灯を点灯させるようにした放電灯点灯装置において、
    前記検出手段として、前記インバータの後段の共振回路と、前記放電灯との間にはセンタータップ形の出力トランスが設けられ、
    前記センタータップ形の出力トランスにおける2次巻線とは逆極性の3次巻線と、誤差電流打ち消し用コンデンサと、サーミスタとの直列回路から成り、前記検出手段の検出電流から、放電灯までの配線間の浮遊静電容量によって生じる誤差電流を相殺する誤差電流打ち消し手段を有することを特徴とする放電灯点灯装置。
  4. 前記請求項1〜のいずれか1項に記載の放電灯点灯装置を用いることを特徴とする照明器具。
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