JP4474836B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示部において複数の識別情報を変動表示可能な可変表示装置を備えた遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、可変表示装置を備えた遊技機が知られている。可変表示装置の表示部には、識別情報が表示されるようになっており、変動表示される識別情報が特定の態様で確定停止表示されることで、遊技者に有利な状態が付与されるようになっている。ここで、表示部に識別情報のみが表示され、識別情報以外の領域に何ら表示がなされないとすると、味気ないものとなってしまう。このため、一般には、識別情報以外の領域には、背景画像が表示されるようになっている。
【0003】
かかる遊技機にあっては、遊技に直接関連するのは、背景画像よりもむしろ識別情報の方である。このため、従来では、識別情報は、背景画像の手前側において優先して表示されるのが一般的となっている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−254293号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来技術では、折角背景画像に趣向を凝らしたとしても、当該背景画像の手前側において識別情報が表示されてしまうと、当該背景画像を視認しづらくなってしまうおそれがある。そのため、背景画像の意味内容が理解しにくく、却って興趣を阻害してしまうおそれがある。特に、識別情報が変動表示される最中は、背景画像をより視認しにくい傾向にある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、識別情報の変動表示以外の点においても興趣の飛躍的な向上を図ることの可能な遊技機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために有効な手段を以下に示す。なお、必要に応じてその作用効果等についても説明する。
【0008】
本発明に係る遊技機は、
遊技球を発射する発射装置と、
前記発射装置により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域に設けられた作動口と、
表示部において背景画像を表示するとともに、前記作動口に遊技球が入球することに基づき、前記背景画像の手前側に重なるようにして所定の変動表示領域にて複数の識別情報を変動表示可能な可変表示装置と、
前記識別情報の変動表示中に新たな遊技球が前記作動口に入球した場合には、その分の変動表示が、その時点で行われている変動表示が終了した後に行われるよう、当該変動表示を待機させる保留手段とを備え、
前記識別情報が特定の態様で停止表示された場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機であって、
前記背景画像に含まれる特別表示対象を、前記変動表示領域から逸脱した位置に配置表示することで視認可能とするとともに、当該特別表示対象の表示態様を複数通りの表示態様に所定順序で循環的に変更可能とし、
前記識別情報の変動表示の最中に、前記特別表示対象の表示態様の変更タイミングが到来した場合には、当該識別情報の変動表示が完了するまではその変更を禁止して、当該変動表示が完了した後、当該特別表示対象の表示態様の変更を許容する禁止手段と、
前記識別情報の変動表示が特別なものである場合には、変動表示中であっても、前記特別表示対象の表示態様の変更を許容する変更許容手段とを備えたことをその要旨としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
手段1.表示部において背景画像を表示するとともに、複数の識別情報を変動表示可能な可変表示装置を備えた遊技機であって、
前記背景画像には、少なくとも表示態様を変更可能な特別表示対象が含まれるよう構成するとともに、当該特別表示対象の大部分或いは全体を常時或いはほぼ常時視認可能としたことを特徴とする遊技機。
【0010】
手段1によれば、可変表示装置の表示部において背景画像が表示されるとともに、複数の識別情報が変動表示される。かかる遊技機にあって、背景画像には、少なくとも特別表示対象が含まれる。当該特別表示対象は、その表示態様が変更させられるのであるが、かかる特別表示対象の大部分或いは全体を遊技者は常時或いはほぼ常時視認することができる。このため、表示態様が変更させられた場合においても、遊技者はその変更に気付きやすく、その変更に気付いた遊技者は面白味を覚える。従って、識別情報等によって背景画像が遮られてしまうおそれのあった従来技術とは異なり、背景画像等において興趣の飛躍的な向上を図ることが可能となる。なお、「常時或いはほぼ常時視認可能」とあるのは、「少なくとも背景画像が表示されている或いはされうる期間中において常時或いはほぼ常時視認可能」であることを指し、全く別の画像(例えば大当たり時における大当たり画像や、スーパーリーチ等の特殊な演出画像)等が表示されている期間を除く趣旨である(以下、各手段において同様)。
【0011】
手段2.表示部において背景画像を表示するとともに、背景画像の手前側に重なるようにして複数の識別情報を変動表示可能な可変表示装置を備えた遊技機であって、
前記背景画像には、少なくとも表示態様を変更可能な特別表示対象が含まれるよう構成するとともに、当該特別表示対象の大部分或いは全体を前記識別情報により阻害されない位置に配置表示することで、常時或いはほぼ常時視認可能としたことを特徴とする遊技機。
【0012】
手段2によれば、可変表示装置の表示部において背景画像が表示されるとともに、その手前側に重なるようにして複数の識別情報が変動表示される。かかる遊技機にあって、背景画像には、少なくとも特別表示対象が含まれる。当該特別表示対象は、その表示態様が変更させられるのであるが、かかる特別表示対象の大部分或いは全体は、識別情報により阻害されない位置に配置表示される。このため、遊技者は常時或いはほぼ常時特別表示対象を視認することができる。このため、表示態様が変更させられた場合においても、遊技者はその変更に気付きやすく、その変更に気付いた遊技者は面白味を覚える。従って、識別情報等によって背景画像が遮られてしまうおそれのあった従来技術とは異なり、背景画像等において興趣の飛躍的な向上を図ることが可能となる。
【0013】
手段3.表示部において背景画像を表示するとともに、背景画像の手前側に重なるようにして所定の変動表示領域にて複数の識別情報を変動表示可能な可変表示装置を備えた遊技機であって、
前記背景画像には、少なくとも表示態様を変更可能な特別表示対象が含まれるよう構成するとともに、当該特別表示対象の大部分或いは全体を、前記変動表示領域から逸脱した位置に配置表示することで、常時或いはほぼ常時視認可能としたことを特徴とする遊技機。
【0014】
手段3によれば、可変表示装置の表示部において背景画像が表示されるとともに、その手前側に重なるようにして所定の変動表示領域にて複数の識別情報が変動表示される。かかる遊技機にあって、背景画像には、少なくとも特別表示対象が含まれる。当該特別表示対象は、その表示態様が変更させられるのであるが、かかる特別表示対象の大部分或いは全体が、変動表示領域から逸脱した位置に配置表示されることで、その表示が識別情報によって阻害されにくい。従って、遊技者は常時或いはほぼ常時特別表示対象を視認することができる。このため、表示態様が変更させられた場合においても、遊技者はその変更に気付きやすく、その変更に気付いた遊技者は面白味を覚える。従って、識別情報等によって背景画像が遮られてしまうおそれのあった従来技術とは異なり、背景画像等において興趣の飛躍的な向上を図ることが可能となる。
【0015】
手段4.前記特別表示対象の表示態様が、定期的或いはほぼ定期的に変更されるよう構成したことを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の遊技機。
【0016】
手段4のように、特別表示対象の表示態様が定期的或いはほぼ定期的に変更される場合には、遊技者は次に変更させられる特別表示対象の表示態様を予測したりそのタイミングを見計らったりすることができる。かかる意味で、演出の重点が識別情報の変動表示に偏り気味であった昨今にあって、より背景画像に興味を抱かせることができる。
【0017】
手段5.前記特別表示対象の表示態様が、不定期的に変更されるよう構成したことを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の遊技機。
【0018】
手段5のように、特別表示対象の表示態様が不定期的に変更される場合には、遊技者にとって変更のタイミングを予測したり把握したりしづらいものとなる。そのため、実際に変更させられたときに、その変更に驚きを覚えたり、予測したタイミング通りに変更されたときに、喜びを覚えたりする。かかる意味で、演出の重点が識別情報の変動表示に偏り気味であった昨今にあって、より背景画像に興味を抱かせることができる。
【0019】
手段6.前記複数の識別情報の変動表示が完了するまでは、少なくとも前記特別表示対象の表示態様の変更を禁止するよう構成したことを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の遊技機。
【0020】
手段6によれば、複数の識別情報の変動表示が完了するまでは、少なくとも特別表示対象の表示態様の変更が禁止される。ここで、識別情報の変動表示の最中に特別表示対象の表示対象が変更させられてしまうと、実際には今後の演出に何らの影響がない場合であるにもかかわらず、遊技者は、今後の演出に何らかの影響があるのではないか(例えばリーチ状態等の期待度の高い状態になるのではないか)と誤解してしまうおそれがある。これに対し、本手段によれば、識別情報の変動表示が完了してから、特別表示対象等の表示態様の変更が許容されるため、そのような誤解が生じるのを防止できる。また、識別情報の変動表示について何らかの演出が行われるような場合には、当該演出を待ってから特別表示対象等の表示態様を変更させればよいため、制御が複雑に絡みあってしまうという不具合を払拭できる。なお、「前記複数の識別情報を変動表示が完了するまでは、少なくとも前記特別表示対象の表示態様の変更を禁止する」に代えて、「前記複数の識別情報を変動表示が完了し、次の変動表示が開始されるまでの間でのみ、少なくとも前記特別表示対象の表示態様の変更を許容する」こととしてもよいし、「前記複数の識別情報を変動表示の最中に、少なくとも前記特別表示対象の表示態様の変更タイミングが到来した場合でも、前記複数の識別情報の変動表示が完了するまではその変更を禁止する」こととしてもよいし、「前記特別表示対象の表示態様の変更の条件として、複数通り設定されている」こととしてもよいし、「前記特別表示対象の表示態様の変更の条件として、所定の表示態様での前記特別表示対象の表示時間が所定時間経過すること以外に、別の条件(例えば識別情報の変動表示が完了すること)が設定されていること」としてもよい。
【0021】
手段7.前記複数の識別情報の変動表示が特別なものである場合には、変動表示中であっても、少なくとも前記特別表示対象の表示態様の変更を許容するよう構成したことを特徴とする手段6に記載の遊技機。なお、「少なくとも前記特別表示対象の表示態様の変更を許容する」に代えて、「少なくとも前記特別表示対象の表示態様の変更を、所定のタイミングで実行する」よう構成したてもよい。
【0022】
手段7によれば、原則として識別情報の変動表示が完了するまでは、少なくとも特別表示対象の表示態様の変更が禁止されるが、該変動表示が特別なものである場合には、変動表示中であっても特別表示対象の表示態様の変更が許容される。この場合、変動表示が特別なもの、例えば、特別表示対象の表示態様の変更が行われたとしても支障がないようなもの(より詳しくはスーパーリーチ演出における発展演出が行われるようなもの)の場合には、特別表示対象の表示対象が変更させられても、遊技者の誤解という問題が生じにくい。むしろ、興趣の向上を図ることができる。
【0023】
手段8.前記複数の識別情報の変動表示が特別なもの以外の場合には、少なくとも前記特別表示対象の表示態様の変更を禁止するよう構成したことを特徴とする手段1乃至7のいずれかに記載の遊技機。
【0024】
手段8によれば、手段7とほぼ同様の作用効果が奏される。
【0025】
手段9.前記特別表示対象の表示態様が変更させられる場合には、前記背景画像全体の表示態様も変更させられるよう構成したことを特徴とする手段1乃至8のいずれかに記載の遊技機。
【0026】
手段9によれば、特別表示対象の表示態様が変更させられる場合には、前記背景画像全体の表示態様も変更させられる。このため、表示態様の変更にストーリ性、説得性を付与しやすく、また違和感を払拭することもできる。さらに、特別表示対象以外の他の背景画像の表示態様が視認しづらい場合であっても、特別表示対象の表示態様の変化に伴って変更させられる他の背景画像の表示態様の変化に気付いた遊技者は面白味を抱き、喜びを覚えたりする。その結果、より一層の興趣の向上を図ることができる。
【0027】
手段10.前記特別表示対象の表示態様として、複数通り設定され、それらのうちいずれかに切換表示されるよう構成したことを特徴とする手段1乃至9のいずれかに記載の遊技機。
【0028】
手段10によれば、前記特別表示対象の表示態様が、複数通り設定されているうちのいずれかに切換表示される。このため、表示態様が徐々に変更されるような場合に比べて、表示態様の変更に比較的気付きやすいものとなる。
【0029】
手段11.前記特別表示対象の表示態様として、複数通り設定され、循環的に切換表示されるよう構成したことを特徴とする手段1乃至10のいずれかに記載の遊技機。
【0030】
手段11によれば、周期的に表示態様が順次切り換えられる。そのため、次なる表示態様を予測しやすく、ストーリ性を付与しやすい。
【0031】
手段12.前記特別表示対象は、静的特性を有するものであることを特徴とする手段1乃至11のいずれかに記載の遊技機。
【0032】
手段12のように、特別表示対象が静的特性を有するものである場合、その表示態様が変更させられたとしても、その変更は比較的地味なものとなり、気づかれにくい傾向にある。この点、上記各作用効果が奏されることで(常時或いはほぼ常時特別表示対象を視認することができることで)、地味な変更であっても遊技者はその変更に気付きやすく、かかる意味で、興趣のさらなる向上が図られやすい。ここで、「静的特性を有するもの」とあるのは、「動かないもの」「静止物」等の文言にも置き換え可能であるが、要するに、外形に変化がないもの又はさほどないものが主として挙げられる。
【0033】
手段13.前記特別表示対象は、可動性を有するものであることを特徴とする手段1乃至11のいずれかに記載の遊技機。
【0034】
手段13のように、特別表示対象が可動性を有するものである場合、その表示態様が変更させられると、その変更は比較的派手なものとなりやすく、識別情報や他の表示対象と絡めた演出表示等を行うことで、より一層の厚みを持たせることができる。
【0035】
手段14.複数のレイヤにより構成される表示画像を表示可能な表示部において、背景画像を表示するとともに、複数の図柄画像を変動表示可能な可変表示装置を備えた遊技機であって、
前記可変表示装置は、前記複数のレイヤを設定するレイヤ設定手段と、
前記複数のレイヤに対応した画面構成情報を生成する画面構成情報生成手段と、
前記各レイヤとして表示する表示範囲を各レイヤ毎に前記画面構成情報に設定する範囲設定手段と、
前記背景画像及び図柄画像を構成する各種画像データを記憶する画像データ記憶手段と、
前記各レイヤの表示範囲に対応した前記画面構成情報及び前記画像データに基づいて表示画像を生成する画像生成手段と、
前記背景画像を構成する特別表示対象の前記表示部における表示範囲と、前記図柄画像の前記表示部における変動表示範囲とが非重畳配置又は略非重畳配置となるように、前記画面構成情報において前記特別表示対象を含むレイヤの表示範囲の設定位置、及び、前記図柄画像を含むレイヤの表示範囲の設定位置を画定する設定位置画定手段とを備えたことを特徴とする遊技機。
【0036】
上記手段14によれば、可変表示装置の表示部において変動表示される図柄画像に遮られることなく、背景画像を構成する特別表示対象の大部分或いは全体を遊技者は常時或いはほぼ常時視認することができる。このため、例えば背景画像(特に特別表示対象)の表示態様が変更された場合においても、遊技者はその変更に気付きやすく、その変更に気付いた遊技者は面白味を覚える。従って、図柄画像等によって背景画像が遮られてしまうおそれのあった従来技術とは異なり、背景画像等において興趣の飛躍的な向上を図ることが可能となる。なお、「前記背景画像を構成する特別表示対象の前記表示部における表示範囲と、前記図柄画像の前記表示部における変動表示範囲とが非重畳配置又は略非重畳配置となるように」とあるのは、前記背景画像を構成する特別表示対象の前記表示部における表示範囲と、前記図柄画像の前記表示部における変動表示範囲とが重ならない又はほぼ重ならないことを意味している。
【0037】
手段15.前記画像データ記憶手段は、前記特別表示対象に対応する複数種の特別表示対象用画像データを記憶し、
前記画面構成情報生成手段は、前記複数種の特別表示対象用画像データを定期的或いはほぼ定期的に切換設定する画面構成情報を生成することを特徴とする手段14に記載の遊技機。
【0038】
上記手段15によれば、表示部における特別表示対象の表示態様が、定期的或いはほぼ定期的に変更される。従って、遊技者は次に変更させられる特別表示対象の表示態様を予測したりそのタイミングを見計らったりすることができる。かかる意味で、演出の重点が図柄画像の変動表示に偏り気味であった昨今にあって、より背景画像に興味を抱かせることができる。また、「前記複数種の特別表示対象用画像データを定期的或いはほぼ定期的に切換設定する」のに代えて、「前記複数種の特別表示対象用画像データを不定期的に切換設定する」構成とすれば、遊技者にとって変更のタイミングを予測したり把握したりしづらいものとなる。そのため、実際に変更させられたときに、その変更に驚きを覚えたり、予測したタイミング通りに変更されたときに、喜びを覚えたりする。
【0039】
手段16.前記画面構成情報生成手段は、前記複数種の特別表示対象用画像データが特定の順序で循環的に切換設定される画面構成情報を生成することを特徴とする手段15に記載の遊技機。
【0040】
手段16によれば、周期的に表示態様が順次切り換えられる。そのため、次なる表示態様を予測しやすく、ストーリ性を付与しやすい。
【0041】
手段17.前記図柄画像の変動開始に関する変動開始指示及び変動完了に関する変動完了指示を出力する変動制御手段と、
前記変動開始指示及び変動完了指示の入力に基づき、前記図柄画像の変動表示中であるか否かを判別する変動状況判別手段と、
前記変動状況判別手段の判別により前記図柄画像の変動表示中であるとの判別結果が得られた場合において、前記複数種の特別表示対象用画像データを切換設定するタイミングを前記図柄画像の変動完了まで遅延させるよう前記画面構成情報生成手段を制御する遅延制御手段とを備えたことを特徴とする手段15又は16に記載の遊技機。
【0042】
上記手段17によれば、複数の図柄画像の変動表示が完了するまでは、少なくとも特別表示対象の表示態様の変更が遅延される。ここで、図柄画像の変動表示の最中に特別表示対象の表示対象が変更させられてしまうと、実際には今後の演出に何らの影響がない場合であるにもかかわらず、遊技者は、今後の演出に何らかの影響があるのではないか(例えばリーチ状態等の期待度の高い状態になるのではないか)と誤解してしまうおそれがある。これに対し、本手段によれば、図柄画像の変動表示が完了してから、特別表示対象等の表示態様の変更が許容されるため、そのような誤解が生じるのを防止できる。また、図柄画像の変動表示について何らかの演出が行われるような場合には、当該演出を待ってから特別表示対象等の表示態様を変更させればよいため、制御が複雑に絡みあってしまうという不具合を払拭できる。
【0043】
手段18.前記図柄画像の変動パターン情報を複数種記憶する変動パターン情報記憶手段と、
特定契機条件の成立に基づき、前記複数種の変動パターン情報の中から所定の変動パターン情報を選出する変動パターン情報選出手段と、
前記変動パターン選出手段によって選出された変動パターン情報が特定の変動パターン情報である場合には、前記変動状況判別手段によって前記図柄画像の変動表示中であるとの判別結果が得られた場合でも、前記複数種の特別表示対象用画像データを切換設定するよう前記画面構成情報生成手段を制御する切換許可制御手段とを備えたことを特徴とする手段17に記載の遊技機。
【0044】
上記手段18によれば、原則として図柄画像の変動表示が完了するまでは、少なくとも特別表示対象の表示態様の変更が禁止されるが、該変動表示が特別なものである場合には、変動表示中であっても特別表示対象の表示態様の変更が許容される。この場合、変動表示が特別なもの、例えば、特別表示対象の表示態様の変更が行われたとしても支障がないようなもの(より詳しくはスーパーリーチ演出における発展演出が行われるようなもの)の場合には、特別表示対象の表示対象が変更させられても、遊技者の誤解という問題が生じにくい。むしろ、興趣の向上を図ることができる。
【0045】
手段19.手段1乃至18のいずれかにおいて、遊技機はパチンコ遊技機であること。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては、操作ハンドルを備えていてそのハンドル操作に応じて遊技球を所定の遊技領域に発射させ、遊技球が遊技領域内の所定の位置に配置された作動口に入賞することを必要条件として可変表示装置において変動表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されることが挙げられる。また、識別情報が特定の態様で確定停止された場合に特別遊技状態が発生可能であり、特別遊技状態発生時には遊技領域内の所定の位置に配置された可変入賞装置が所定の態様で開放されて遊技球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへの書き込み等も含む)が付与されることが挙げられる。
【0046】
手段20.手段1乃至18のいずれかにおいて、遊技機は回胴式遊技機であること。ここで、回胴式遊技機の構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列(具体的にはリールであり、識別情報はリールに付されたシンボルである)を変動表示(具体的にはリールの回動である)した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して或いは所定時間経過することにより識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報である場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段を備えた回胴式遊技機」となる。なお、回胴式遊技機にあっては、前記リール等を具備する可変表示手段を可変表示装置として捉えてもよいし、前記リールとは別途設けられ、前記識別情報に対応する(疑似的な対応であってもよい)識別情報を表示可能な表示装置(例えば液晶表示装置)をここにいう可変表示装置として捉えてもよい。なお、この場合、可変表示装置は、遊技機本体を画定する本体ボックスに設置される。
【0047】
手段21.手段1乃至18のいずれかにおいて、遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させた遊技機であること。中でも、前記融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列(具体的にはリールであり、識別情報はリールに付されたシンボルである)を変動表示(具体的にはリールの回動である)した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して或いは所定時間経過することにより識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として遊技球を使用するとともに、前記識別情報の変動開始に際しては所定数の遊技球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの遊技球が払い出されるよう構成されてなる遊技機」となる。なお、かかる遊技機にあっては、前記リール等を具備する可変表示手段を可変表示装置として捉えてもよいし、前記リールとは別途設けられ、前記識別情報に対応する(疑似的な対応であってもよい)識別情報を表示可能な表示装置(例えば液晶表示装置)をここにいう可変表示装置として捉えてもよい。
【0048】
〔第1の実施の形態〕
以下に、遊技機としてパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を具体化した一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0049】
図1に示すように、パチンコ機1は、外枠2と、その前部に設けられた前面枠3とを備えている。前面枠3は外枠2の一側部にて開閉可能に装着されている。前面枠3の前面側には、ガラス扉枠4が開閉自在に設けられているとともに、ガラス扉枠4の下側において遊技球B(図2参照)を貯留するための上皿5が、上皿5の下方位置において同じく遊技球Bを貯留するための下皿6がそれぞれ設けられている。
【0050】
前面枠3の前面側の下皿6側方には操作手段としてのハンドル7が設けられており、ハンドル7は図示しない遊技球発射装置に連結されている。また、前面枠3の後側(ガラス扉枠4の奥、外枠2の内側)には、遊技盤8(図2参照)が着脱可能に装着されており、前記遊技球発射装置はこの遊技盤8の上部に向けて遊技球Bを発射する。なお、該遊技球発射装置は、発射制御基板140(図3参照)により制御される。
【0051】
さらに、前面枠3内部(上皿5の側方)には、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を音声にて報知するためのスピーカ9が埋設されている。なお、スピーカ9は、音声制御基板130(図3参照)により制御される。
【0052】
さて、図2に示すように、遊技盤8には、内レール10a及び外レール10bが設けられており、前記遊技球発射装置によって発射された遊技球Bは内レール10a及び外レール10bに沿って遊技盤8の上部に案内される。
【0053】
遊技盤8の下部には、作動口11及び大入賞口12が設けられている。作動口11は遊技球B用の通路を備えるとともに、その通路入口には羽根13が開閉可能に支持されている。大入賞口12の奥にはシーソー14が設けられているとともに、その右側にはVゾーン15が、左側には入賞通路16がそれぞれ設けられている(左右逆でもよい)。つまり、大入賞口12に遊技球Bが入賞した場合、この遊技球Bはシーソー14によってVゾーン15又は入賞通路16のどちらかへ転がるように振り分けられ、Vゾーン15又は入賞通路16のどちらかを通って導出されるような構成となっている。
【0054】
大入賞口12の前部には、大入賞口12を開閉するシャッタ17が設けられている。シャッタ17は大入賞口12の側部に設けられた大入賞口用ソレノイド18により作動させられる。詳しくは、大入賞口ソレノイド18が励磁状態となることにより、シャッタ17が略水平に傾き、大入賞口12が開かれる。また、大入賞口ソレノイド18が非励磁状態となることにより、シャッタ17が略垂直状態となり、大入賞口12は閉鎖されるようになっている。
【0055】
さらに、大入賞口12の一側部には、シーソー用ソレノイド19が設けられている。通常、シーソー用ソレノイド19は非励磁状態となっており、この状態におけるシーソー14はVゾーン15の方へ傾いた状態となっている。つまり、遊技球BがVゾーン15を通過していくような傾きとなっている。また、シーソー用ソレノイド19が励磁状態となることにより、シーソー14は遊技球Bを入賞通路16に通過させるような傾きとなる。なお、本実施の形態では、シャッタ17の開状態において遊技球Bが1つでもVゾーン15を通過した場合には、シーソー用ソレノイド19が励磁状態となり、シャッタ17が閉じられた場合には、シーソー用ソレノイド19が非励磁状態となるように構成されている。
【0056】
遊技盤8の中央部分には、可変表示装置としての特別図柄表示装置20が組込まれている。特別図柄表示装置20は、対角線の長さが約7インチ(約17cm)の液晶ディスプレイ(LCD)よりなる表示部20aを備えており、複数の図柄列を表示することができるようになっている。本実施の形態において、これらの図柄列としては左図柄列21、中図柄列22及び右図柄列23の3つの図柄列(識別情報列)が挙げられる(図5(a)参照)。しかし、3つの図柄列に限らず、それ以外の数の図柄列が表示されることとしてもよい。
【0057】
さらに、特別図柄表示装置20の表示部20aでは、遊技球Bの作動口11への入賞に基づいて、各図柄列21〜23の図柄変動表示(本実施の形態においては、スクロール変動表示)が行われるような構成となっている。また、この変動表示中に新たな遊技球Bが作動口11に入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施の形態では保留最大回数が4回に設定されている。しかし、保留最大回数は、これに限られるものではない。
【0058】
表示部20aの上方には、前述したような図柄の変動表示の保留回数を示す発光ダイオード(LED)からなる保留ランプ24a,24b,24c,24dが組み込まれている。保留ランプ24a〜24dの数は、前述した保留最大回数と同じ(この場合4個)となっている。保留ランプ24a〜24dは、変動表示の保留毎に点灯させられ、その保留に対応した変動表示の実行に伴い消灯させられる。
【0059】
特別図柄表示装置20の上部には、普通図柄表示装置31が併設されている。普通図柄表示装置31は、発光ダイオード(LED)よりなる4つの保留ランプ32と、普通図柄表示部たるLEDよりなる7セグ表示部33とを有している。また、特別図柄表示装置20の左右両側方には、一対の通過ゲート34が配設されており、同通過ゲート34を遊技球Bが通過すると普通図柄表示装置31が作動するような構成となっている。本実施の形態における普通図柄表示装置31は、「0」から「9」までの数字を可変表示して7セグ表示部33にセグメント表示させる。その数字が所定値(本実施の形態では「7」)で停止した場合に、作動口11の羽根13を所定秒数開放させるようになっている。普通図柄表示装置31は、遊技球Bの通過ゲート34の通過回数を4回まで記憶することができ、保留ランプ32でその保留数を表示する。従って、4つの保留ランプ32が点灯している状態で、遊技球Bが通過ゲート34を通過してもカウントされないようになっている。また、保留ランプ32が点灯している限り、遊技球Bが通過ゲート34を通過しなくとも保留数に応じた回数だけ普通図柄表示装置31は作動するようになっている。
【0060】
さらに、パチンコ機1の複数箇所には、遊技効果を高めるための他の図示しない各種演出用ランプや電飾部材が取付けられている。これらの演出用ランプや電飾部材等(以下単に「ランプ」と称する)の点灯状態(消灯、点灯、点滅等)は、遊技の進行に応じて適宜変えられるようになっている。なお、これらランプは、ランプ制御基板120(図3参照)により制御される。
【0061】
また、遊技盤8には、遊技者の操作に応じて変化するパチンコ機1の遊技状態を検出するためのスルースイッチ40、作動口用スイッチ41、Vゾーン用スイッチ42及びカウントスイッチ43等がそれぞれ取付けられている。スルースイッチ40は、遊技球Bの通過ゲート34の通過を検出するものであり、作動口用スイッチ41は、遊技球Bの作動口11への入賞を検出するものであり、Vゾーン用スイッチ42は、遊技球Bの大入賞口12のうちのVゾーン15への入賞を検出するものであり、カウントスイッチ43は、遊技球Bの大入賞口12への入賞を検出するものである。
【0062】
さて、本実施の形態では、各スイッチ40〜43の検出結果に基づき、各ソレノイド18,19、特別図柄表示装置20(表示部20a)、各保留ランプ24a〜24d、スピーカ9、普通図柄表示装置31(保留ランプ32及び7セグ表示部33)、羽根13等をそれぞれ駆動制御するため制御装置(主基板)50が設けられている。
【0063】
主基板50は、主たる制御を司るためのものであって、読み出し専用メモリ(ROM)、中央処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)等を備えている。ROMは所定の制御プログラムや初期データを予め記憶しており、CPUはROMの制御プログラム等に従って各種演算処理を実行する。RAMはCPUによる演算結果を図柄乱数バッファ、図柄乱数エリア、停止図柄エリア等に一時的に記憶する。なお、主基板50はパチンコ機1の裏側の図示しない基板ボックス内に封印された状態で装着されている。
【0064】
また、RAMは、後述する特別遊技状態としての大当たり状態の発生を決定するための乱数カウンタをも備えている。この乱数カウンタは、乱数更新処理により、所定(例えば「0」〜「299」)の範囲で、例えば2ms毎に、1カウントずつ更新される。本実施の形態では、遊技球Bが作動口11に入賞し、それが作動口用スイッチ41にて検出されたときに(保留最大回数時は除く)、前記乱数カウンタの値が所定値、例えば「7」であった場合に、大当たり状態が発生させられるようになっている。
【0065】
上記CPU、ROM及びRAMは、バスラインを介して互いに接続されている。図3のブロック図に示すように、バスラインは、主基板50のインターフェイス50aにも接続されており、インターフェイス50aは、コネクタ及びケーブル等を介して表示制御基板110のインターフェイス61や他の装置と接続されている。また、インターフェイス50aは、コネクタ及びケーブル等を介して作動口スイッチ41等の各種センサに接続されている。すなわち、主基板50は、作動口スイッチ41等からインターフェイス50aを介して入賞信号等を入力するとともに、インターフェイス50aを介して表示制御基板110や他の入出力装置(他の制御基板を含む)へ制御データ等の各種動作コマンドを出力し、各ソレノイド等の各種アクチュエータ及び各制御基板を制御する。
【0066】
さて、本実施の形態では、特別図柄表示装置20の表示部20aにおける各種表示制御は、主たる制御を行う主基板50ではなく、主として特別図柄表示装置20の表示制御基板110において行われるように構成されている。なお、表示制御基板110は、特別図柄表示装置20に組み込まれた状態となっている。
【0067】
さらに、本実施の形態においては、各種(演出用の)ランプの点灯、点滅制御については、主としてランプ制御基板120において行われ、スピーカ9から発せられる音声の制御については、主として音声制御基板130において行われる。また、前記遊技球発射装置における遊技球Bの発射制御についても、主基板50ではなく、発射制御基板140において行われるような構成となっている。
【0068】
ここで、本実施の形態における主として表示制御を行う表示制御基板110等の電気的構成について、図3のブロック図に従って説明する。同図に示すように、表示制御基板110は、主基板50から送られてくるコマンドを順次受信するインターフェイス61と、プログラムROM62に記憶された制御プログラム及び各種の情報に基づいて、各種遊技状態(通常変動やリーチ演出や大当たり報知等)において表示される表示画像の画面構成情報を生成するCPU63と、CPU63での処理結果等を一時的に記憶するワークRAM64と、CPU63で生成された画面構成情報を記憶するビデオRAM65と、ビデオRAM65に記憶された画面構成情報に基づいて画像データROM66から画像データを取り出し、そのデータを画面構成情報に書き込むことにより各種遊技状態における表示画像を生成するVDP67とを備えている。そして、生成された表示画像は表示部(液晶ディスプレイ)20aへ出力される。
【0069】
インターフェイス61は、主基板50から送信されてくるコマンド(指令)を受信する。また、それらのコマンドは、CPU63によってワークRAM64に設けられたコマンドバッファ領域64aに記憶される。
【0070】
CPU63は、プログラムROM62に記憶された制御プログラムに従って動作する。具体的には、前記コマンドを監視して、該コマンドに応じたタスクを生成し、ワークRAM64に記憶する。そのタスクを実行することで、ワークRAM64内に各種遊技状態(通常変動やリーチ演出や大当たり報知等)において表示される表示画像の画面構成情報を生成し、この画面構成情報をビデオRAM65に書き込む。なお、画面構成情報は、表示部(液晶ディスプレイ)20aの垂直操作信号(VSYNC)ごとに生成される。
【0071】
ワークRAM64には、主基板50からのコマンドを記憶するための前記コマンドバッファ領域64aをはじめ、生成されたタスクが記憶されるタスクバッファ領域64bや、画像構成情報(通常変動時やリーチ状態時の図柄画像の指示や、その配置位置や表示優先順位等)を一括してビデオRAM65に書き込むために各種情報が記憶されるスプライトチェーン領域64cが設定される。
【0072】
ビデオRAM65は、前記画像構成情報を記憶するとともに、VDP67で生成される表示画像のデータを記憶するメモリである。ビデオRAM65には、表示部20aに表示される一画面分の表示画像のデータを記憶する記憶領域である第1フレームメモリ65aと第2フレームメモリ65bが設けられており、CPU63が生成した画像構成情報並びにVDP67で生成される表示画像のデータを交互に記憶することができるような構成となっている。
【0073】
画像データROM66は、表示部20aに表示される図柄や背景画像等の各種画像データを記憶するメモリである。前記画像データには、図柄や背景画像等の例えば形状、サイズ、模様、配色、色調等を定めた図柄や背景画像等を生成するために必要な各種情報が含まれている。
【0074】
VDP67は、表示画像の画像生成処理を行う画像データプロセッサである。つまり、VDP67は、ビデオRAM65に記憶された画像構成情報に基づいて、画像データROM66に記憶されている画像データを読み出し、前記画像データに含まれる情報を前記画像構成情報に書き込むことにより、表示部20aに表示可能な表示画像を生成する。そして、生成した表示画像を表示部20aに出力する。
【0075】
さらに詳しくは、図4に示すように、VDP67は、CPU63から送られてくる各種コマンドやデータを受信するインターフェイス67aと、インターフェイス67aから送られる各種コマンドやデータに基づいてビデオRAM65に記憶された画像構成情報を読み出し、該画像構成情報に基づいて表示画像を生成する画像生成部67bと、表示画像のカラー情報を格納するパレットRAM67cとから構成されている。
【0076】
インターフェイス67aから各種コマンドやデータを受け取った画像生成部67bは、ビデオRAM65の第1フレームメモリ65a又は第2フレームメモリ65bに記憶された画像構成情報を読み出す。その画像構成情報に基づいて画像データROM66から画像データを読み出し、前記画像データに含まれる各種情報を該画像構成情報に書き込む。同時に、前記画像データに対応するカラー情報をパレットRAM67cから取得し、前記画像構成情報に書き込む。これにより、カラー情報に基づく配色を施した表示画像が生成される。
【0077】
同時に、画像生成部67bは、前記書き込みが行われていない第1フレームメモリ65a又は第2フレームメモリ65bに記憶されている表示画像のデータを読み出し、表示部(液晶ディスプレイ)20aに出力する。この際、表示画像のデータはRGB信号で出力され、このRGB信号に基づいて、色調(色、彩度、輝度、コントラストなど)等が制御されて表示部(液晶ディスプレイ)20aに表示される。また、表示画像のデータが出力され、何もデータが記憶されていない第1フレームメモリ65a又は第2フレームメモリ65bには、新たな画像構成情報が書き込まれる。なお、画像生成部67bにおいて生成される表示画像は、図柄及び背景画像用等の複数のレイヤによって構成されており、これらを重ね合わせ、1画面分の表示画像として生成している。
【0078】
パレットRAM67cは、複数種類のカラー情報を設定した複数種類のカラーパレットを保持しており、画像データに含まれるカラー情報に応じたカラーパレットを画像生成部67bに与えるものである。ここで、カラーパレットを与えるとは、例えば、パレットRAM67cに格納されたカラーパレットの格納アドレスを画像生成部67bに与えることを意味している。なお、カラー情報は、原色例えば赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の基本色情報を組み合わせた配合割合等によって、定められているものである。
【0079】
ここで、特別図柄表示装置20の表示部20aにおいて、遊技状態中等に表示される表示画像の構成について具体的に説明するとともに、その表示態様を基に大当たり状態、リーチ状態、外れ状態等についても説明する。
【0080】
図5(a),(b)に示すように、特別図柄表示装置20の表示部20aには背景画像BGが表示され、その前側に位置するように、各図柄列21〜23が表示されるようになっている。各図柄列21〜23は、それぞれ複数種類かつ複数個の識別情報としての図柄70A〜70H及び外れ図柄70Iによって構成されている。外れ図柄70Iを除く各図柄70A〜70Hは、それぞれ凧の絵と「一」〜「八」の数字等との組合せによって構成されている(なお、図では、図柄70A等については直接的には記されてはいないが、例えば図柄70Aについては凧の絵と「一」の数字と絵との組み合わせによって構成されている。また、例えば図柄70Bについては、凧の絵と「二」の数字との組み合わせによって構成されている。)。勿論、各種絵柄、各種文字のみ、或いは、数字や文字に各種絵柄が組合わさったものを図柄として使用してもよい。これらの図柄70A〜70Hは、左図柄列21については昇順に、中、右図柄列22,23については降順にそれぞれ配列されている(順序は特に限定されるものではない)。これらの図柄70A〜70Hは、特別遊技図柄としての大当たり図柄、外れリーチ図柄及び外れ図柄のいずれかになりうる(これらについては後述する)。
【0081】
また、外れ図柄70Iは「羽根」のマークによって構成されており、前記図柄70A〜70H間に配置される。さらに、当該外れ図柄70Iは、その名のとおり、大当たり図柄になることはなく、外れ図柄にのみなりうる。
【0082】
各々の図柄列21〜23においては、表示される図柄70A〜70H,70Iが、原則として所定の表示領域において下から上方向へと移動するかのごとく表示される。より詳しくは、凧が、上昇しているかの如く変動表示される。また、左図柄列21の側方には、原則として、キャラクタGCが表示されるようになっている。なお、各図柄列21〜23において、図柄70A〜70Iの配列順序をランダムに変更し変動表示させたり、図柄70A〜70Iの数を適宜増減させたり、1つの図柄列例えば左図柄列21に同じ図柄例えば図柄70Aを複数個表示したり、図柄70A〜70Iの変動表示態様、例えばスクロール変動表示や差換変動表示等を適宜変更したりしてもよい。
【0083】
さて、上述したように変動表示される各図柄列21〜23の各図柄70A〜70Iは、所定時間経過後、表示部20aの大当たりライン上に停止表示(確定停止表示)される。このとき、大当たり図柄、外れリーチ図柄、外れ図柄の中から1つが選択された上で、前記大当たりライン上に停止表示される。なお、停止図柄とは、各図柄列21〜23が図柄変動を停止したときに確定表示される図柄である。また、本実施の形態では、図柄変動は、左図柄列21、右図柄列23、中図柄列22の順に停止させられる。
【0084】
次に、遊技者に有利な特別遊技状態としての大当たり状態について説明する。図5(a)は、表示部20aにおける大当たり状態発生時の画面を示す図である。同図に示すように、大当たり図柄は、通常遊技状態からリーチ遊技状態(リーチ状態)を経た後、遊技者に有利な特別遊技状態としての大当たり状態を発生させるための図柄である。詳しくは、全ての図柄列21〜23の変動が停止させられたとき、表示されている図柄70A〜70Hの組合せが、予め定められた大当たりの組合せ、すなわち、同一種類の図柄70A〜70Hが大当たりラインに沿って並んでいるときの同図柄70A〜70Hの組合せとなる場合がある。この組合せを構成する図柄が「大当たり図柄」である。
【0085】
本実施の形態では、上中下の横ライン及び斜めの2本のラインによって大当たりラインが構成されている(5ラインと称される)。大当たりの組合せが成立すると、特別電動役物が作動し(大入賞口4が開かれ)、遊技者にとって有利な大当たり状態の到来、すなわち、より多くの景品球を獲得することが可能となる。(例えば図5(a)では右上がりの斜めのラインにおいて「七」「七」「七」の図柄70Gが揃って停止表示されている)。
【0086】
本実施の形態では、一旦大当たり状態が発生すると、大入賞口12の開放後、(1)遊技球Bが大入賞口12への10個入賞すること、(2)約29.5秒が経過すること、のいずれか一方の条件が満たされた時点で大入賞口12が閉鎖される。この大入賞口12の開閉のサイクルが遊技球BのVゾーン15への入賞を条件に最大で所定回数(例えば16回:16ラウンド)繰り返されることとなる。
【0087】
また、リーチ状態とは、大当たり直前の状態をいう(もちろん大当たり状態に至らない場合もある)。図5(b)に示すように、本実施の形態におけるリーチ状態には、右図柄列23の図柄変動が、前記大当たりライン上において左図柄列21の停止図柄と同一種類の図柄で停止する状態が含まれる。同図においては、中央の大当たりライン上において左右の図柄列21,23が「七」の図柄70Gで停止表示されており、中図柄列22が未だ変動中である場合が例示されている。
【0088】
上記のリーチ状態には、中図柄列22の図柄変動が、最終的に左・右両図柄列21,23の停止図柄と同一種類の図柄(大当たり図柄)で停止して大当たり状態になるもの以外にも、異なる種類の図柄(これを「外れリーチ図柄」という)で停止して、大当たり状態とならないもの(以下、「外れリーチ状態」という)が含まれる。さらには、中図柄列22の図柄変動が一旦停止した後(停止しなくてもよい)、全図柄列(或いは一部の図柄列)が変動し、その後全図柄列21〜23の図柄70A〜70Hが停止するような場合(再変動リーチ、全回転リーチとも称される)も含まれる。
【0089】
上記リーチ状態において、リーチパターンとしては、中図柄列22の図柄70A〜70Hが通常変動時と同様に単にスクロールする「ノーマルリーチ」の外に、種々のリーチパターンが設定されている。これらリーチパターンのうち、「ノーマルリーチ」以外のリーチパターンは、いわゆる「スーパーリーチ」と称されるものである。「スーパーリーチ」の動作が開始された場合には、「ノーマルリーチ」の場合に比べて、大当たり状態が発生する期待値(大当たり期待値)が高くなるようになっている。また、「スーパーリーチ」においても、各リーチパターンによって大当たり期待値が異なったものとなっていることとしてもよい。さらに、「スーパーリーチ」よりも大当たり期待値の高い「スペシャルリーチ」や「プレミアムリーチ」と称されるリーチパターンを用意することとしてもよい。
【0090】
本実施の形態では、「スーパーリーチ」として、例えばキャラクタGCがまといを振り回すとともに、凧の図柄70A〜70Iがまといの図柄に切り換えられる「まといリーチ」、前記キャラクタGCとは別の悪人キャラクタが表示される「悪人リーチ」等が設定されている。なお、本実施の形態では一旦リーチ状態が発生させられた後、所定時間「ノーマルリーチ」での演出表示が行われた後、所定のタイミングでその表示態様が切り換えられた上で上記各「スーパーリーチ」の演出が行われるようになっている。もちろん、いきなり「スーパーリーチ」の演出が行われる場合があってもよい。
【0091】
次に、上記のように構成されたパチンコ機1における各制御部の作用及び効果について説明する。
【0092】
まず、作動口用スイッチ41からの検出信号に基づき、遊技球Bが作動口11へ入賞した旨が主基板50によって認識された場合の制御処理について説明する。
【0093】
主基板50が遊技球Bが作動口11へ入賞した旨を検出した場合、そのことに基づいて、主基板50は、対応する保留ランプ24a〜24d(例えば、それまで2つの保留ランプ24a及び24bの2つの保留ランプが点灯されていた場合には3つ目の保留ランプ24c)を点灯させ、保留カウンタの値を「1」ずつインクリメントする。但し、保留ランプ24a〜24dが全て点灯している場合は除かれる。
【0094】
また、主基板50は、内部乱数カウンタ、大当たり図柄カウンタ、外れリーチ図柄カウンタ、外れ図柄カウンタ等の各カウンタの値を各乱数エリアに格納する。そして、所定のタイミングにおいて対応する保留ランプ24a〜24dを消灯させるとともに、保留カウンタの値をデクリメントし、各エリア等に格納されたデータに基づき図柄変動を実行する。
【0095】
このとき、主基板50は、当該変動に際し、指令としてのコマンドを特別図柄表示装置20の表示制御基板110をはじめ、ランプ制御基板120、音声制御基板130等へと出力(送信)する。さて、当該コマンドには、(1)変動開始から所定時間後に図柄70A〜70Iを確定表示させる旨の時間情報及び各リーチパターンに代表される変動パターンからなるパターン情報、並びに、(2)いかなる図柄70A〜70Iで確定表示させるかという図柄情報が含まれる。ここで、図柄情報としては、大当たり図柄、外れリーチ図柄、外れ図柄が含まれ、これらは、上述した内部乱数カウンタ、大当たり図柄カウンタ、外れリーチ図柄カウンタ、外れ図柄カウンタ等に基づいて決定されるものである。
【0096】
本実施の形態における上記コマンドは、2バイト構成からなっており、順次連続的に表示制御基板110等へと送信される。2バイト構成からなるコマンドのうち、先頭の1バイト目は、これからいかなる情報が送信されてくるかというキーワード情報によって構成されている。また、後半の1バイトは、具体的な指示内容に該当するパターンコード等の内容情報によって構成されている。
【0097】
例えば、本実施の形態において、まず最初に送信されるコマンドはパターン情報である。この場合、1バイト目は、これからパターン情報(時間情報及び変動パターンを示唆する)が送信される旨のキーワード情報により構成され、2バイト目は、「00」、「01」等のパターンコード情報により構成されている。ここで、「00」、「01」等のパターンコード情報は、図柄の変動時間を例えば「10秒」とする、或いは、「30秒」とするといった内容を示唆する時間情報と、どのような変動パターン(又は変動パターン群のうちいずれか)を実行するといった変動パターンを示唆する情報とからなる。
【0098】
続いて送信されるのは図柄情報である。すなわち、本実施の形態のように左→右→中の順に3つの図柄列21〜23の図柄が確定させられる場合においては、まず、パターン情報に続いて2番目に送信されるコマンドたる図柄情報として、1バイト目は、これから左図柄列21の図柄情報が送信される旨のキーワード情報により構成され、2バイト目は、確定表示される図柄を示唆するパターンコード情報により構成されている。また、3番目に送信されるコマンドたる図柄情報として、1バイト目は、これから右図柄列23の図柄情報が送信される旨のキーワード情報により構成され、2バイト目は、確定表示される図柄を示唆するパターンコード情報により構成されている。併せて、4番目に送信されるコマンドたる図柄情報として、1バイト目は、これから中図柄列22の図柄情報が送信される旨のキーワード情報により構成され、2バイト目は、確定表示される図柄を示唆するパターンコード情報により構成されている。このように、確定図柄に関する3つの表示情報がたて続けに送信される。すなわち、1回の図柄変動に際して、2バイト構成からなるデータが1バイトずつ送信されることにより、合計8(1×2+3×2)回のデータ送信が行われることとなる。
【0099】
なお、上記実施の形態では、左、右、中の各図柄列21〜23に対応した図柄情報が送信されることとなっているが、例えば8つの図柄を確定表示させる必要がある場合には、1×2+8×2=18回のデータ送信が行われるといった具合に、図柄数を適宜変更した場合であっても適用することができる。
【0100】
なお、本実施の形態では、コマンド(一群のコマンド)が、表示制御基板110に対してのみならず、ランプ制御基板120、音声制御基板130にも同期して出力されるようになっている(厳密な意味で全く同時でなくてよい)。勿論、このときに出力されるコマンドは、表示制御基板110に出力されるコマンドに対応したものであることが望ましい(場合によっては対応していなくてもよい)。これに対し、図柄変動に関する一群のコマンド(1回の図柄変動に際して送られてくるデータ群)を受信した表示制御基板110は、特別図柄表示装置20の表示部20aで表示する表示画像を順次生成する。
【0101】
さらに、表示制御基板110は、当該コマンドに基づき図柄変動を開始するとともに、変動停止に至るまでの間、前記変動パターンに基づく種々の演出を行う。当該演出としては、例えばリーチ演出が主として挙げられる。
【0102】
すなわち、上記コマンドのうち、パターン情報に基づき、表示制御基板110のCPU63は、テーブルを参酌して、上述した各変動パターンの中から所定のパターンを選択決定するとともに、当該決定したパターンに基づく演出を、変動開始から確定表示までの間、別途設定された時間データの秒数分だけ実行する。さらにその後、主基板50側のCPUは、自身が有するタイマに基づき、前記所定時間に応じたタイミングで、表示制御基板110に対し、確定コマンドを出力する。
【0103】
一方、表示制御基板110のCPU63は前記一旦停止からさらに所定時間後において(時間情報に基づく変動を完了した時点で)、前記図柄情報に応じた図柄70A〜70Iを確定停止表示させる。このとき、結果的に前記出力された確定コマンドに同期して、図柄70A〜70Iが確定表示させられることとなる。同様に、ランプ制御基板120、音声制御基板130の各CPUも、前記タイミングにおいて、ランプ演出、音声演出を確定停止させる。
【0104】
なお、本実施の形態では、変動パターンに関し、リーチ演出以外の演出に関しても、上記と同様に変動パターン情報に盛り込まれた上で制御が行われる。リーチ演出以外の演出としては、前述したすべり変動をはじめとして、再変動、リーチ予告、スーパーリーチ予告、大当たり予告、本実施の形態特有の「背景切換」等の演出が挙げられる。なお、「予告」とあるのは、演出によって、所定の遊技状態が発生しやすくなることを示唆可能であればよい、或いは、演出によって所定の遊技状態の発生率に影響が生じるという趣旨であって、所定の遊技状態が発生しない場合があっても差し支えない(示唆)。このように、本実施の形態では、主基板50によって主たる制御が司られ、該主基板50からのコマンドに基づいて、表示制御基板110等によって表示制御等が司られることとなっている。これにより、主基板50の負担軽減が図られている。
【0105】
次に、本実施の形態の特徴について説明する。図柄70A〜70Iの非変動時や、通常変動時等においては、上述したように、図柄70A〜70Iの奥側において背景画像BGが表示される。図6等に示すように、背景画像BGには、表示対象としての屋根YNや山MT等が含まれるほか、特別表示対象としての桜の木CTが含まれる。本実施の形態では、屋根YNや山MT等は、図柄70A〜70Iの表示領域(図柄視認領域)と重なり合うため(図5(a)等参照)、常時視認することが困難となっている。これに対し、桜の木CTは、その大部分が図柄視認領域から外れた位置に表示されるため、前記背景画像BGが表示されている間は、常時その態様を視認することができるようになっている。
【0106】
また、本実施の形態では、主基板50から表示制御基板110に出力されるコマンドに基づいて、表示制御基板110側では、背景画像BGを適宜切り換えるようになっている。すなわち、図6〜図9に示すように、春・夏・秋・冬を彩った背景画像BGが表示される。特に、図6に示すように、春の背景画像BGが表示されるに際しては、前記桜の木CTが花を満開に咲かせた態様で表示される。また、図7に示すように、夏の背景画像BGが表示されるに際しては、前記桜の木CTは、緑色の葉が繁った態様で表示される。さらに、図8に示すように、秋の背景画像BGが表示されるに際しては、前記桜の木CTは、葉の色が茶色となった態様で表示される。そして、図9に示すように、冬の背景画像BGが表示されるに際しては、前記桜の木CTは、枝がむき出しになった態様で表示される。
【0107】
上記桜の木CTをはじめとする背景画像BGの各態様は、原則として所定時間毎に切り換えられる(変更される)ようになっている。より詳しくは、図10(a)に示すように、基本的には、春の背景画像BGが表示されている時間として所定時間T1が設定されており、その後、夏の背景画像BGに切り換えられる。当該夏の背景画像BGが表示されている時間として所定時間T2が設定されており、その後、秋の背景画像BGに切り換えられる。秋の背景画像BGが表示されている時間として所定時間T3が設定されており、その後、冬の背景画像BGに切り換えられる。さらに、冬の背景画像BGが表示されている時間として所定時間T4が設定されており、その後、春の背景画像BGに切り換えられる。
【0108】
但し、本実施の形態では、各所定時間T1〜T4が経過した場合であっても、すぐには次の背景画像BGに切り換えられない場合がある。例えば、春の背景画像BGが表示されている設定時間たる所定時間T1が経過した場合であっても、そのときに、図柄70A〜70Iの変動表示が行われている場合には、その変動表示が完了するまで、つまり、図柄70A〜70Iが確定停止表示されるまでは、切換が禁止され、当該春の背景画像BGが表示され続けるようになっている。これにより、例えば春の背景画像BGが表示されている時間が、結果として所定時間T1に変動残余時間δtを加算した時間となることが起こりうる(夏、秋、冬の各背景画像BGにおいても同様)。
【0109】
以上詳述したように、本実施の形態によれば、背景画像BGに、特別表示対象としての桜の木CTを表示することとし、当該桜の木CTを含む背景画像BGの表示態様が変更させられる。ここで、桜の木CTに関しては、その大部分が図柄70A〜70Iの表示される変動表示領域から逸脱した位置に表示される。このため、その表示が図柄70A〜70Iによって阻害されにくい。従って、遊技者は、他の表示対象たる山MTや屋根YN等とは異なり、ほぼ常時、桜の木CTを視認することができる。このため、背景画像BGの表示態様が春→夏→秋→冬→・・の順で切り換えられた場合において、遊技者はその変更に気付きやすく、その変更に気付いた遊技者は一種独特の面白味を覚える。従って、図柄等によって背景画像BGが遮られてしまうおそれのあった従来技術とは異なり、背景画像BG等において興趣の飛躍的な向上を図ることが可能となる。
【0110】
特に、桜の木CTを含む背景画像BGの表示態様が、ほぼ定期的に切り換えられるため、遊技者は次に変更させられる表示態様(例えば季節、風景)を予測したりそのタイミングを見計らったりすることができる。かかる意味で、演出の重点が図柄の変動表示等に偏り気味であった昨今にあって、より背景画像BGに興味を抱かせることができる。
【0111】
また、本実施の形態では、図柄70A〜70Iの変動表示が行われている最中に背景画像BGの切換タイミングが到来した場合であっても、切換が禁止され、変動表示が完了してから切換が行われる。ここで、図柄70A〜70Iの変動表示の最中に背景画像BGの表示対象が変更させられてしまうと、遊技者は、今後の演出に何らかの影響があるのではないか(例えばリーチ状態等の期待度の高い状態になるのではないか)と誤解してしまうおそれがある。これに対し、本実施の形態では、図柄70A〜70Iの変動表示が完了してから、背景画像BGの表示態様の切換が許容されるため、そのような誤解が生じるのを防止できる。また、図柄70A〜70Iの変動表示について、リーチ演出、リーチ予告演出等の何らかの演出が行われるような場合には、当該演出を待ってから背景画像BGの表示態様を切換えればよいため、制御が複雑に絡みあってしまうという不具合を払拭でき、制御内容の簡素化を図ることができる。その結果、主基板50や表示制御基板110の負担軽減を図ることができる。
【0112】
さらに、本実施の形態では、四季の変化を醸し出すべく、桜の木CTのみならず背景画像BG全体の表示態様も切換えられるので、表示態様の変更にストーリ性、説得性を付与しやすく、また違和感を払拭することもできる。さらに、桜の木CT以外の他の表示対象(例えば山MT)の表示態様が視認しづらい場合であっても、桜の木CTの表示態様の変化に伴って切換えられる他の表示対象の表示態様の変化(例えば山MTの色の変化や雲の態様の変化)に気付いた遊技者は面白味を抱き、喜びを覚えたりする。その結果、より一層の興趣の向上を図ることができる。
【0113】
併せて、本実施の形態のように、特別表示対象として動かない(静的特性を有する)桜の木CTを採用した場合、その表示態様の変化は比較的地味ではあるが、上記作用により、遊技者はその変化に気付きやすく、かかる意味で、興趣のさらなる向上が図られやすい。
【0114】
加えて、図柄70A〜70Iの変動表示が行われている最中に背景画像BGの切換タイミングが到来した場合であっても、変動表示が完了してから切換が行われるため、個々のパチンコ機1の表示部20aに表示される背景画像は、各パチンコ機1同士でそれぞれ異なったものとなる。その結果、遊技者は、他のパチンコ機1の背景画像と自身のパチンコ機のそれとを比較してみたりすることができ、ひいては単調感を払拭することができる。
【0115】
〔第2の実施の形態〕
本実施の形態では、表示制御基板110における表示制御処理についてより詳しく説明する。なお、上記第1の実施の形態と同一構成部分については同一の符号を付しその詳細な説明は省略する。なお、CPU63が、本実施の形態におけるレイヤ設定手段,画面構成情報生成手段,範囲設定手段,設定位置画定手段,変動状況判別手段,遅延制御手段,切換許可制御手段を構成する。また、画像データROM66が、本実施の形態における画像データ記憶手段を構成し、後述する特別表示対象としての桜の木CTに対応する複数種の特別表示対象用画像データ(春・夏・秋・冬用の画像データ)を記憶している。VDP67が、本実施の形態における画像生成手段を構成する。
【0116】
表示部20aに表示される表示画像は、表示される優先順位に応じて複数のレイヤに分かれている。本実施の形態ではレイヤL1,L2,L3,L4(図11参照)が設定されている。図11はレイヤL1〜L4を説明するための概念図である。これらレイヤL1〜L4にそれぞれ各種画像を配置し、レイヤL1〜L4を重ね合わせることにより1画面の表示画像として表示される。そして、特別図柄表示装置20は、垂直走査信号ごと(例えば、1/60秒ごと)に表示画像を表示部20aに順次表示することにより、図柄変動や背景変化等の表示態様を実現する。
【0117】
具体的には、優先順位の最も低い第1レイヤL1には、背景画像を構成する表示対象としての屋根YNや山MT等の背景構成画像が配置される。優先順位が次に低い第2レイヤL2には、背景画像を構成する特別表示対象としての桜の木CT等の背景構成画像が配置される。優先順位が2番目に高い第3レイヤL3には、キャラクタGC等のキャラクタ画像が配置される。優先順位が最も高い第4レイヤL4には、図柄70A〜70I等の図柄画像が配置される。そして、これらレイヤL1〜L4の優先順位の低いものから順番に重ねて表示することで、表示部20aには図5(a)等に示すような表示画像が表示される。ここで、第2レイヤL2が本実施の形態における特別表示対象を含むレイヤを構成し、第4レイヤL4が本実施の形態における図柄画像を含むレイヤを構成する。
【0118】
次に、図12に示すフローチャートを参照しながら表示制御処理について説明する。
【0119】
まず始めにステップU1においてタスク生成処理が行われる。詳しくは、CPU63は、自身の有するタイマに基づいて所定時間毎に発生する制御指令や主基板50から受信したコマンド等により、プログラムROM62内の制御プログラムに従って、ワークRAM64にタスクバッファ領域64bおよびスプライトチェーン領域64cを設定する。さらに、CPU63は、前記制御指令等に応じた親タスクをタスクバッファ領域64b内に生成するとともに、この親タスクを実行することでプログラムROM62内の各種個別の処理プログラムを実行するための複数個の子タスクを生成する。なお、タスクバッファ領域64bおよびスプライトチェーン領域64cは予め設定しておくこともできる。
【0120】
また、各タスクを生成する前段階には、主基板50から変動開始コマンド(変動開始指示)を入力したか否かを判別する判別処理が行われる。そして、この判別結果に基づき、変動開始コマンドの入力があった場合には、変動表示のための後述する図柄タスクを生成する。なお、ここで、変動開始コマンド等を出力する主基板50の処理について、主基板50の現実の構成自体に拘束されず、主基板50を機能実現手段の集合体として捉えて説明する。即ち、以下に説明する各種機能はCPUの制御下で実現される機能であり、その制御プログラムはROM(場合によってはRAM)の記憶内容に基づくものであり、その時々の必要なデータはRAMに一時的に記憶保持されることとなるが、それらのプログラム上の要件等については当業者がなし得るものであるため、個々には説明しない。主基板50は、作動口11への遊技球Bの入賞が検出され特定契機条件が成立すると、「変動パターン情報記憶手段」の機能により記憶された複数種の変動パターン情報の中から、「変動パターン情報選出手段」の機能により、各種カウンタの値に基づき所定の変動パターン情報を選出する処理を行う。続いて、主基板50は、「変動制御手段」の機能により図柄70A〜70Iの変動開始に関する変動開始コマンド(変動開始指示)を前記選出された変動パターン情報とともに表示制御基板110へ出力する。さらにその後、主基板50は、「変動制御手段」の機能により、自身が有するタイマに基づき所定のタイミングで、表示制御基板110に対し確定コマンド(変動完了指示)を出力する。
【0121】
タスクバッファ領域64bは、表示部20aに表示される各図柄画像の変動や背景画像を制御する子タスクが生成される領域である。例えば、タスクバッファ領域64bには各種アドレスが設定されており、そのうちの所定アドレスには一連の表示制御を行う親タスクが生成される。親タスクが実行されることによって、例えば背景画像BG(桜の木CT等の背景構成画像)を指定・配置する背景タスクや、図柄画像を変動させる図柄タスクや、キャラクタ画像等その他の画像を変動させるキャラクタタスクなどの複数個の子タスクが所定アドレスに生成される。これらの各子タスクはタスクチェーンで繋がれており、タスクチェーンで繋がれた順番に実行される。
【0122】
具体的には、親タスクはプログラムROM62に記憶されている処理プログラムの先頭アドレスを子タスク内に書き込む。さらに、実行する順番に各子タスクをタスクチェーンで繋げる。タスクチェーンは、実行されるタスクの最後に、次に実行されるタスクのアドレスを書き込むことで、複数個の子タスクをチェーン状に関連付けることをいう。これにより、プログラムROM62に記憶される複数個のプログラムを必要な順番に実行することが可能になる。
【0123】
以下、子タスク(背景タスク,各図柄タスク等)の実行について説明する。まず、CPU63は、タスクバッファ64b内で最初に実行するための例えば第1の子タスク内に書き込まれたプログラムROM62内のアドレスを読出し、そのアドレスに記憶されている第1プログラムを実行する。この第1プログラムの実行による実行結果(画面構成情報)を、タスクバッファ領域64bの第1の子タスク内に書き込む。さらに、次に同じ第1の子タスクが実行された場合に、異なる第2プログラムを実行させるために、第1の子タスク内の第1プログラムの先頭アドレスを、第2プログラムの先頭アドレスに書き換える。これにより、第1のタスクが次に実行された場合には、第2プログラムが実行され、その画面構成情報が第1のタスク内に書き込まれる。そして、スプライトチェーン領域64cに子タスクの開始アドレスと最終アドレスとを書き込む。
【0124】
このスプライトチェーン領域64cは、表示部20aに表示される画像の優先順位を決定するためのものである。スプライトチェーン領域64cは、レイヤL1〜L4に対応するように、表示部20aに表示される優先順位の低いものから順番に、複数のタスクアドレス領域に分割されている。例えば、第4レイヤL4のタスクアドレス領域に基づく図柄タスクによって変動される図柄画像は、第1レイヤL1のタスクアドレス領域に基づく背景構成画像(屋根YNや山MT等)よりも優先的、すなわち表示部20aの前面側に表示される。また、第2レイヤL2のタスクアドレス領域に基づく背景タスクの背景構成画像(桜の木CT等)は、第1レイヤL1のタスクアドレス領域に基づく背景タスクの背景構成画像(屋根YNや山MT等)よりも前面に表示される。各タスクアドレス領域には、その優先順位で表示するための背景構成画像を制御する背景タスクの先頭アドレスと終了アドレスとが書き込まれる。なお、後述するがスプライトチェーン領域64cは、スプライト転送の際にその優先順位の低いタスクアドレス領域から順番に実行される。すなわち、優先順位の低いタスクアドレス領域に書き込まれた子タスク内の画面構成情報から順番にビデオRAM65に送られる。そして、上記各子タスクごとに実行された情報が一括してビデオRAM65に送られることにより、表示部20aに表示するための1画面分の画面構成情報がビデオRAM65内に生成される。なお、各子タスクの各種処理は、表示部20aにおける垂直走査信号ごとに行われる。
【0125】
ステップU2において背景タスク実行処理が行われる。ここでは、まず後述するタイマ値の読取り及び背景画像更新処理が行われる。そして、その結果をふまえた上で背景タスクが実行(上述した子タスクが実行)されることによって、プログラムROM62内のプログラムが実行され、背景タスク内には、背景構成画像(桜の木CT等)が記憶された画像データROM66内のアドレスとともに、表示部20aに対する背景構成画像の配置位置が書き込まれる。そして、タスクバッファ領域64b内における背景タスクの先頭アドレスと最終アドレスとを、優先順位に応じたスプライトチェーン領域64cのタスクアドレス領域に書き込む。
【0126】
ここで、タイマ値の読取りついて説明する。背景タスク実行処理が初めて行われると、タイマ値の設定値を決定する処理が行われる。この設定値の大きさによって、各種背景画像BG(春用の背景画像BG等)を表示する所定時間(図10参照)が決定される。すなわち、背景画像BGが切換えられるタイミングが決定される。また、ここで設定された時間をカウントするタイマプログラムはプログラムROM63に記憶されている。このタイマプログラムは、表示部20aの垂直走査信号ごとに、設定値から「0」まで一定値ずつ減算、または「0」から設定値まで一定値ずつ加算することでタイマ値を順次算出するものである。この実施例ではタイマ値の最終値を設定値として、垂直走査信号ごとに「0」から設定値まで1ずつ加算させてタイマ値を順次算出させる。タイマ値の設定が一度行われると、それ以降の背景タスク実行処理ではタイマ値の読取りのみを行う。
【0127】
ステップU3において図柄タスク実行処理が行われる。図柄タスクは、各図柄70A〜70I等の図柄画像が記憶された画像データROM66のアドレス、表示部20aでのその図柄画像の配置位置の画面構成情報を、図柄タスク内に書き込む。そして、タスクバッファ領域64b内における図柄タスクの先頭アドレスと最終アドレスとを、優先順位に応じたスプライトチェーン領域64cのタスクアドレス領域に書き込む。
【0128】
ステップU4においてスプライト転送処理が行われる。CPU63は、全てのタスクのアドレスの書込みが終了すると、スプライトチェーン領域64cの優先順位の低い順番に、各タスクアドレス領域に書き込まれている先頭アドレスから最終アドレスまでの間に書き込まれている各種画面構成情報を順次ビデオRAM65に送る。ビデオRAM65は、送られてきた画面構成情報として順番に記憶する。例えば、同一領域面上で複数の画像が生成される場合には、先に送られてきた画像の上に後から送られてきた画像が上書きされ、一画面分の画面構成情報として記憶される。
【0129】
ステップU5において画像生成処理が行われる。VDP67は、ビデオRAM65に記憶された一画面分の画面構成情報に基づいて、画像データROM66から各々対応する画像データを呼び出して、表示部20aに表示するための画像を生成する。
【0130】
ステップU6において出力処理が行われる。VDP67は、生成した表示画像を表示部20aに出力する。そして、この表示画像が表示部20aに表示される。
【0131】
なお、本実施の形態では、表示部20aにおける各レイヤL1〜L4の表示範囲は、「範囲設定手段」の機能により、各レイヤL1〜L4毎に画面構成情報に設定される。そして、図5〜図9及び図13を比較して分かるように、「設定位置画定手段」の機能により、表示部20aにおける桜の木CTの表示範囲D1と、図柄70A〜70Iの変動表示範囲D2とがほぼ重ならない略非重畳配置となるように、画面構成情報において第2レイヤL2の表示範囲の設定位置、及び、第4レイヤL4の表示範囲の設定位置が画定される。つまり、桜の木CTの大部分を、図柄70A〜70Iの変動表示範囲D2からほぼ逸脱した位置(図柄70A〜70Iによってほぼ阻害されない位置)に配置表示することで、桜の木CTの大部分が遊技者に常時或いはほぼ常時視認可能となる。また、本実施の形態では、より遠近感を出すために、桜の木CTの表示範囲D1と、図柄70A〜70Iの変動表示範囲D2とが若干重なった略非重畳配置となっているが、桜の木CTの全体を遊技者により視認させ易くするために、図柄70A〜70Iの変動表示範囲D2から逸脱した位置(図柄70A〜70Iによって阻害されない位置)に配置表示するようにしてもよい。つまり、桜の木CTの表示範囲D1と、図柄70A〜70Iの変動表示範囲D2とが重ならない非重畳配置となるようにしてもよい。
【0132】
次に、ステップU2の背景タスク実行処理において画面構成情報が生成される前段階に行われる背景画像更新処理について図14のフローチャートを参照しつつより詳しく説明する。この背景画像更新処理が行われることで、背景画像BGを構成する背景構成画像(屋根YNや桜の木CT等)の画像データが定期的或いはほぼ定期的に特定の順序で循環的に切換設定される画面構成情報が生成されることとなる。
【0133】
まず、ステップS1において、上記タイマ値の読取りにより、背景画像BGの切換タイミングが到来したか否かを判別する処理が行われる。ここで切換タイミングが到来してない場合には、背景画像更新処理を終了する。
【0134】
切換タイミングが到来している場合にはステップS2へ移行し、「変動状況判別手段」の機能により、現状において図柄70A〜70Iの変動表示中であるか否かを判別する処理が行われる。詳しくは、主基板50からの変動開始コマンド及び確定コマンドの入力結果に基づき変動表示中であるか否かの判別処理を行う。ここで変動中でないとの判別結果が出された場合には、ステップS3へ移行する。
【0135】
一方、変動中であるとの判別結果が出された場合にはステップS4へ移行し、変動開始コマンドと共に送られてきた変動パターン情報が特定の変動パターン(例えば各種「スーパーリーチ」等の変動パターン)情報であるか否かを判別する処理を行う。ここで変動パターンが特定の変動パターンでない場合には、ステップS2に戻る。つまり、背景画像BGの切換えのタイミングが到来し、そのとき図柄70A〜70Iの変動表示中であり、かつ、変動パターンが特定の変動パターンでない場合には、当該変動表示が完了するまでステップS2及びステップS3が繰り返し行われ、背景画像BGの切換えのタイミングが遅延されることとなる。一方、変動パターンが特定の変動パターンである場合には、ステップS3へ移行する。つまり、変動パターンが特定の変動パターンである場合には、図柄70A〜70Iの変動表示中である場合でも、続くステップS3における処理が行われることとなる。
【0136】
そして、ステップS3において、背景画像BGの切換設定処理を実行し、背景画像更新処理を終了する。詳しくは、このステップS3では背景画像BGを変更する画面構成情報を設定する処理が行われる。従って、背景画像BGは、切換タイミングが到来する毎に、図6〜図9に示すように、春・夏・秋・冬を彩ったものに切換えられていく。例えば、春の背景画像BGが表示されている時間として所定時間T1(図10参照)が設定されている場合には、春の背景画像BGに切換わった時点から所定時間T1経過後、夏の背景画像BGに切換えられる。また、所定時間が経過した場合であっても、そのときに、図柄70A〜70Iの変動表示が行われている場合には、「遅延制御手段」の機能により、「画面構成情報生成手段」によって背景画像BGを切換設定するタイミングを図柄70A〜70Iの変動表示完了まで遅延させる画面構成情報が生成される。従って、その変動表示が完了するまで、つまり、図柄70A〜70Iが確定停止表示されるまでは、背景画像BGの切換えが遅延され、当該変動表示中に表示されている背景画像BGが表示され続ける。これにより、例えば春の背景画像BGが表示されている時間が、結果として所定時間T1(図10参照)に変動残余時間δtを加算した時間となることが起こりうる。
【0137】
以上詳述したように、本実施の形態では、上記第1の実施の形態と同様の効果に加えて、原則として図柄70A〜70Iの変動表示が完了するまでは、少なくとも背景画像BGの表示態様の変更が遅延されるが、該変動表示が特定の変動パターンである場合には、背景画像BGの切換えのタイミングが遅延されることとなく、変動表示中であっても背景画像BGの表示態様の変更が許容される。すなわち、背景画像用画像データを切換設定する画面構成情報が生成されることが、CPU63の「切換許可制御手段」の機能により許可される。結果として、背景画像BGの変更がその後の演出に変化を与える(本実施の形態では、スーパーリーチ状態が発生する)こととなり、遊技者にとってのさらなる興趣の向上が図られる。
【0138】
尚、上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0139】
(a)上記実施の形態では、桜の木CTの表示態様がほぼ定期的に切換えられる構成となっているが、不定期的に変更されるよう構成してもよい。このように不定期的に変更される場合には、遊技者にとって変更のタイミングを予測したり把握したりしづらいものとなる。そのため、実際に変更させられたときに、その変更に驚きを覚えたり、予測したタイミング通りに変更されたときに、喜びを覚えたりする。かかる意味で、演出の重点が図柄の変動表示等に偏り気味であった昨今にあって、より背景画像BGに興味を抱かせることができる。
【0140】
(b)また、他の表示対象、例えば上記実施の形態におけるキャラクタGCの動作表示を契機として、桜の木CT(特別表示対象)の表示態様を変更させることとしてもよい。
【0141】
(c)上記実施の形態では、特別表示対象として、動かない桜の木CTを採用することとしているが、可動性を有するものを採用してもよい。このように特別表示対象が可動性を有するものである場合、その表示態様が変更させられると、その変更は比較的派手なものとなりやすく、図柄や他の表示対象と絡めた演出表示等を行うことで、より一層の厚みを持たせることができる。
【0142】
(d)主基板50からのコマンドに基づいてではなく、表示制御基板110自身が上記表示制御を行うこととしてもよい。また、主基板50のみで上記表示制御を行うこととしてもよい。
【0143】
(e)上記実施の形態のような5ラインタイプのものでなくてもよい。例えば、いわゆる2ラインタイプ(例えば上下の横方向の大当たりラインがあるもの)や、3ラインタイプ(例えば上中下の横方向の大当たりラインがあるもの)のパチンコ機であってもよい。また、1ラインタイプ(例えば1本の大当たりラインがあるもの)のものであってもよい。
【0144】
(f)特別図柄表示装置13としては、上述した液晶ディスプレイ以外にも、CRT、ドットマトリックス、LED、エレクトロルミネセンス(EL)、蛍光表示管等を用いてもよい。
【0145】
(g)上記実施の形態とは異なるタイプのパチンコ機等にも適用できる。例えば、大当たり図柄が表示された後に所定の領域に遊技球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施することも可能である。なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0146】
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、遊技球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく、所定量の遊技球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して或いは所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の遊技球が払い出されるものである。
【0147】
(h)上記実施の形態では、図柄列として、左・中・右の3つの図柄列21,22,23を採用したが、2つ以下、或いは4つ以上の図柄列により構成してもよい。また、停止順序も上記実施の形態のものに何ら限定されるものではない。
【0148】
(i)上記実施の形態では、図柄70A〜70Iの変動表示領域からほぼ逸脱する位置に桜の木CTを配置表示することとしているが、完全に逸脱する位置としてもよいし、特別表示対象を主として認識できる程度に十分に表示されるのであれば、図柄70A〜70Iの変動表示領域と若干重なりあう部分があっても差し支えない。勿論、特別表示対象が変動表示領域から完全に逸脱して、特別表示対象全体が表示されることとしてもよい。
【0149】
(j)背景画像BGや特別表示対象の表示態様が、連続的に徐変させられるタイプに具体化することとしてもよい。
【0150】
(k)上記実施の形態では特に言及していないが、背景画像の切換を契機にして、その後の演出に変化を与える(例えば必ずリーチ状態やスーパーリーチ状態が発生する)ようにしてもよい。すなわち、「特別表示対象の切換を契機に、遊技者にとって期待度の高い演出表示を行うようにした」こととしてもよい。
【0151】
(l)上記実施の形態では、背景画像の表示態様を切り換えることとしているが、特別表示対象の表示態様のみを変更することとしてもよい。
【0152】
【発明の効果】
本発明によれば、識別情報の変動表示以外の点においても興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態におけるパチンコ機を示す斜視図である。
【図2】主として遊技盤を示すパチンコ機の正面図である。
【図3】表示制御基板等の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】VDP等の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】(a)は表示部における大当たり状態発生時の図柄の表示態様の一例を示す模式図であり、(b)は表示部におけるリーチ状態時の図柄の表示態様の一例を示す模式図である。
【図6】表示部における春の背景画像を示す模式図である。
【図7】表示部における夏の背景画像を示す模式図である。
【図8】表示部における秋の背景画像を示す模式図である。
【図9】表示部における冬の背景画像を示す模式図である。
【図10】(a),(b)は、時間の経過に対する各背景画像の表示時間の関係の一例を示すタイミングチャートである。
【図11】複数のレイヤを説明するための模式図である。
【図12】表示制御処理を説明するためのフローチャート図である。
【図13】背景構成画像や図柄等の表示範囲を説明するための模式図である。
【図14】背景画像更新処理を説明するためのフローチャート図である。
【符号の説明】
1…パチンコ機、8…遊技盤、11…作動口、12…大入賞口、20…可変表示装置としての特別図柄表示装置、20a…表示部、21…左図柄列、22…中図柄列、23…右図柄列、50…主基板、63…表示制御基板のCPU、70A〜70I…識別情報としての図柄、110…表示制御基板、B…遊技球、CT…特別表示対象としての桜の木、BG…背景画像、L1〜L4…レイヤ、D1…桜の木の表示範囲、D2…図柄の変動表示範囲。
Claims (2)
- 遊技球を発射する発射装置と、
前記発射装置により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域に設けられた作動口と、
表示部において背景画像を表示するとともに、前記作動口に遊技球が入球することに基づき、前記背景画像の手前側に重なるようにして所定の変動表示領域にて複数の識別情報を変動表示可能な可変表示装置と、
前記識別情報の変動表示中に新たな遊技球が前記作動口に入球した場合には、その分の変動表示が、その時点で行われている変動表示が終了した後に行われるよう、当該変動表示を待機させる保留手段とを備え、
前記識別情報が特定の態様で停止表示された場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機であって、
前記背景画像に含まれる特別表示対象を、前記変動表示領域から逸脱した位置に配置表示することで視認可能とするとともに、当該特別表示対象の表示態様を複数通りの表示態様に所定順序で循環的に変更可能とし、
前記識別情報の変動表示の最中に、前記特別表示対象の表示態様の変更タイミングが到来した場合には、当該識別情報の変動表示が完了するまではその変更を禁止して、当該変動表示が完了した後、当該特別表示対象の表示態様の変更を許容する禁止手段と、
前記識別情報の変動表示が特別なものである場合には、変動表示中であっても、前記特別表示対象の表示態様の変更を許容する変更許容手段とを備えたことを特徴とする遊技機。 - 前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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