JP4474089B2 - 無限移相器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、0〜360°の位相角を連続してエンドレスに可変できる無限移相器に関する。
【0002】
【従来の技術】
無限移相器は、0〜360°の位相角を連続してエンドレスに可変できる特徴があるため、スペースダイバシティ、フェーズドアレーアンテナ等の分野で広く用いられている。従来、無限移相器として導波管構造の誘電体板回転型やPINダイオードによるバランスドミキサを用いたものがある。上記導波管構造の無限移相器は、装置が大型化する上に誘電体板をサーボモータを回転させることにより移相量制御を行なっているため位相制御速度に限界があると共に寿命が短い。一方、バランスドミキサを用いて構成した無限移相器は、位相制御速度も速く、小型化も可能である。
【0003】
図5は、バランスドミキサを用いた従来の無限移相器10の構成を示したものである。無限移相器10は、90°ハイブリッド回路11、2個のバランスドミキサ(平衡変調器)12a、12b、コンバイナ13からなる移相回路14と、上記バランスドミキサ12a、12bに位相制御電圧X、Yを与える制御回路15により構成したもので、その動作原理は次の通りである。
【0004】
上記90°ハイブリッド回路11は、入力信号^Ei(^はベクトルを示す)を^Ai、^Biの信号に2分岐し、バランスドミキサ12a、12bに出力する。上記90°ハイブリッド回路11で2分された信号^Ai、^Biは互いに90°の位相差を有し、次式で表される。
【0005】
^A=(E/√2)ejω t
^B=−j(E/√2)ejω t ・・・(1)
また、バランスドミキサ12a、12bの制御端子Q、Iには、制御回路15から、移相量を制御する第1の関数に基づく位相制御電圧X、及び上記第1の関数と直交する第2の関数に基づく位相制御電圧Yを与える。例えば位相制御電圧Xとして位相制御信号θに対応したcosθのレベルの直流電圧、位相制御電圧Yとしてsinθのレベルの直流電圧を与える。
【0006】
上記バランスドミキサ12a、12bは、制御端子Q、Iに与えられた位相制御電圧X、Yにより、出力信号の振幅及び極性(0°、180°の位相)を制御する回路であり、図6に示すように位相制御電圧X=cosθ、Y=sinθに振幅が比例した信号^A、及び^Bを出力する。この出力信号^A、^Bは、下式で示される。
【0007】
^A=kcosθ ^A=(kcosθ/√2)Ejω t
^B=ksinθ ^B=(ksinθ/√2)Ejω t ・・・(2)
但し、kはバランスドミキサ12a、12bの利得を表す定数である。
【0008】
上記バランスドミキサ12a、12bの出力信号^A及び^Bは、コンバイナ13で合成されて無限移相器10の出力信号^Eとなり、次式で与えられる。
【0009】
=(^A+^B)/√2=(k/2)Ej(ω t −θ) ・・・(3)
上式から明らかなように、出力信号の位相は入力信号の位相に対してθだけ移相され、この移相角は入力信号の角周波数ωに拘わらず一定値となり、原理的に周波数特性のない移相器を実現できる。また、移相量は、バランスドミキサ12a、12bの出力信号振幅をcosθ及びsinθとなるように制御することによって得るため、どの位相角においても連続した移相を実現でき、0〜360°の位相角をエンドレスに可変できる所謂無限移相器となる。更に、(3)式よりバランスドミキサ12a、12bの利得が1の場合には、無限移相器10の損失は原理的に6dBとなる
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の無限移相器10は、QPSK(quadrature phase shift keying)変調に使用することは可能であるが、無限移相器として実際に使用するには次のような問題があった。
【0011】
すなわち、バランスドミキサ12a、12bは、ダイオードを可変減衰器として使用しているが、ダイオードの可変減衰特性が非線形のため、制御回路15から与えられるsinθ、cosθの位相制御電圧(ベクトル)と実際の位相角度情報がずれ、正確な移相量制御が困難である。
【0012】
通常、QPSKモジュレータでは、バランスドミキサにおけるダイオードの可変減衰特性が非線形とバラツキにより位相制御電圧と実際の位相角度情報がずれても、微小なため無視できる。しかし、無限移相器として使用する場合には、QPSK変調における移相角90度おきの制御とは違い、360度無限に制御しなくてはならない。そのためには、バランスドミキサ12a、12bに入力するsinθ、cosθの位相制御電圧を微小な値にすることが必要になるが、それによって更に3dB減衰し、可変減衰器としての減衰量が−25〜−35dBとなる。このためQPSK変調では位相制御電圧に対しての微小な位相角度情報のずれが、無限移相器としては無視できない値となる。
【0013】
上記のようにバランスドミキサを用いた従来の無限移相器10は、位相制御速度も速く、小型化も可能であるが、通過損失が大きくなることや、位相制御電圧に対してダイオードの可変減衰特性が非線形であるため、位相制御電圧に対する位相角度情報のずれにより正確な移相量制御が困難である等の問題があった。
【0014】
また、最近のフェーズドアレーアンテナ等には、4ビット、5ビットといったライン長をPINダイオード等でオン/オフして加算し、位相値を変化させるデジタル移相器が主であり、IC化により小型化しているが高コストとなっている。更に、デジタル移相器の場合、例えば22.5度、45度、90度、180度の固定移相器を組み合わせて構成した4ビット移相器であれば、位相角の制御には各移相器を制御するために4つの制御信号が必要であり、且つ各アンテナ素子の利得を制御することはできない。
【0015】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、通過損失が小さく、且つ正確な移相量制御が可能で安価に構成し得る無限移相器を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る無限移相器は、入力信号を90°の位相差を持つ2つの信号に分岐して出力する第1の出力端子及び第2の出力端子を備える90°ハイブリッド回路と、
前記90°ハイブリッド回路の第1の出力端子からの出力信号が入力され、該入力された信号に対して、出力の振幅及び極性を制御する第1の位相制御電圧が与えられる制御端子を備える第1のバランスドミキサと、
前記90°ハイブリッド回路の第2の出力端子からの出力信号が入力され、該入力された信号に対して、出力の振幅及び極性を制御する第2の位相制御電圧が与えられる制御端子を備える第2のバランスドミキサと、
前記第1のバランスドミキサの出力信号が入力される第1の入力端子及び前記第2のバランスドミキサの出力信号が入力される第2の入力端子を備え、前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子に入力された信号を合成して出力する出力端子を備えるコンバイナと、
前記コンバイナの出力信号を前記90°ハイブリッド回路に入力された入力信号に対し位相角度θに移相制御するために、第1の関数cosθに基づく第1の制御信号を生成すると共に、前記第1の関数cosθと直交する第2の関数sinθに基づく第2の制御信号を生成する制御回路と、
前記制御回路から出力される前記第1の制御信号を位相角度θ毎に設定された定数kに基づいて増幅器により増幅して、オフセット電圧αを加え、「k cosθ+α」を第1の位相制御電圧として前記第1のバランスドミキサの制御端子に出力する第1のオフセット回路と、
前記制御回路から出力される前記第2の制御信号を位相角度θ毎に設定された定数kに基づいて増幅器により増幅して、オフセット電圧βを加え、「k sinθ+β」を第2の位相制御電圧として前記第2のバランスドミキサの制御端子に出力する第2のオフセット回路とを具備することを特徴とする。
第2の発明は、上記第1の発明に係る無限移相器において、上記制御回路は、位相角θ毎に定数kを記憶しているテーブルを備えて、位相角θに応じて上記第1のオフセット回路の増幅器の定数k及び上記第2のオフセット回路の増幅器の定数kを設定することを特徴とする。
第3の発明に係る無限移相器は、入力信号を90°の位相差を持つ2つの信号に分岐して出力する第1の出力端子及び第2の出力端子を備える90°ハイブリッド回路と、
前記90°ハイブリッド回路の第1の出力端子からの出力信号が入力され、該入力された信号に対して、出力の振幅及び極性を制御する第1の位相制御電圧が与えられる制御端子を備える第1のバランスドミキサと、
前記90°ハイブリッド回路の第2の出力端子からの出力信号が入力され、該入力された信号に対して、出力の振幅及び極性を制御する第2の位相制御電圧が与えられる制御端子を備える第2のバランスドミキサと、
前記第1のバランスドミキサの出力信号が入力される第1の入力端子及び前記第2のバランスドミキサの出力信号が入力される第2の入力端子を備え、前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子に入力された信号を合成して出力する出力端子を備えるコンバイナと、
前記コンバイナの出力信号を前記90°ハイブリッド回路に入力された入力信号に対し位相角度θに移相制御するために、オフセット電圧α及びオフセット電圧βと、位相角度θ毎に設定されたkを定数として位相制御電圧k cosθ及び位相制御電圧k sinθを出力する演算/制御回路と、
前記演算/制御回路から出力される位相制御電圧k cosθとオフセット電圧αを加算し「k cosθ+α」を第1の位相制御電圧として前記第1のバランスドミキサの制御端子に出力する第1の加算回路と、
前記演算/制御回路から出力される位相制御電圧k sinθとオフセット電圧βを加算し「k sinθ+β」を第2の位相制御電圧として前記第2のバランスドミキサの制御端子に出力する第2の加算回路とを具備することを特徴とする。
第4の発明は、上記第3の発明に係る無限移相器において、上記第1の加算回路、第2の加算回路及び演算/制御回路がマイクロコンピュータにより構成されていることを特徴とする。
【0017】
上記の構成によれば、第1及びバランスドミキサにおける制御信号と出力信号との非線形特性に伴う位相角度情報のずれ分を第1及び第2のオフセット手段で生成したオフセット信号によって補正でき、位相制御を正確に行なうことができる。また、上記オフセット手段において、位相制御電圧の振幅値を制御することにより、無限移相器における信号の減衰を補って通過損失を小さくすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0019】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る無限移相器10Aの回路構成を示すブロック図である。本発明の第1実施形態に係る無限移相器10Aは、移相回路14のバランスドミキサ12a、12bと制御回路15との間にオフセット回路21、22を設けたものである。移相回路14及び制御回路15は、図5に示した従来の無限移相器10におけるものと同様の構成であるので、詳細な説明は省略する。
【0020】
上記オフセット回路21、22は、移相回路14の減衰量を補うための増幅器を備えると共に、バランスドミキサ12a、12bにおける位相角度情報のずれを補正する機能を備えたもので、図2に示すように構成している。
【0021】
オフセット回路21と22は同じ構成であるが、オフセット回路21には制御回路15からcosθの位相制御電圧が与えられ、オフセット回路22には制御回路15からsinθの位相制御電圧が与えられる。
【0022】
オフセット回路21、22は、cosθ、sinθの位相制御電圧を反転増幅する低雑音増幅器(LNA)31を備えている。この増幅器31は、+E(例えば+8V)、−E(例えば−8V)の電源電圧によって動作するもので、+端子が接地され、−端子に位相制御電圧が抵抗32を介して入力される。また、増幅器31の−端子には可変抵抗34により調整されたオフセット電圧が抵抗33を介して供給される。上記可変抵抗34は、固定端子の一方が抵抗35を介して+Eの電源ラインに接続され、固定端子の他方が抵抗36を介して+Eの電源ラインに接続される。更に、増幅器31の出力端子と−端子との間に負帰還用抵抗37が接続される。
【0023】
そして、オフセット回路21、22の増幅器31から出力される信号は、抵抗38を介して移相回路14におけるバランスドミキサ12a、12b(図1参照)の制御端子Q、Iに入力される。
【0024】
上記オフセット回路21、22の増幅器31は、制御回路15から与えられる位相制御電圧cosθ、sinθ及び可変抵抗34により調整されたオフセット電圧を増幅し、それぞれ位相制御電圧X=kcosθ+α、Y=ksinθ+βとして上記バランスドミキサ12a、12bの制御端子Q、Iに出力する。上記α、βは、オフセット信号(オフセット量)を示している。
【0025】
上記のように構成したオフセット回路21、22を初期設定する場合には、移相回路14の入力端子(IN)と出力端子(OUT)との間に計測装置例えばネットワークアナライザ測定器40を接続する。このネットワークアナライザ測定器40は、移相回路14の信号入力端子に高周波信号(RF)を入力し、移相回路14の信号出力端子から出力される信号を読み込んで、移相回路14における位相角度及び通過損失を計測する。
【0026】
また、上記オフセット回路21、22の初期設定に際しては、制御回路15からオフセット回路21に与えるcosθ、sinθの位相制御電圧を0Vとし、このときのベクトル値としての位相角度のずれを可変抵抗34の調整により、すなわちオフセット信号α、βの調整により、図3に示すベクトル図の中心に合わせ込んでキャンセルし、それにより微小な位相角度情報のずれをなくす。
【0027】
図3に示すベクトル図において、曲線41はオフセット回路21、22を調整する前の移相回路14における0〜360°のベクトル出力特性を示したもので、位相制御電圧X、Yを0Vとしたときの中心点42はベクトル図の中心点43よりずれている。この状態で、オフセット回路21、22の可変抵抗34を調整し、ずれ分を含む中心点42をベクトル図の中心点43に合わせ込み、微小な位相角度情報のずれをなくす。すなわち、cosθ、sinθの位相制御電圧を0Vとした時の角度ベクトル値のずれ分の逆電圧をX=cosθ、Y=sinθのそれぞれの軸上でオフセット回路21、22にて反映することで、微小な位相角度情報のずれ分を補正する。この場合、360°が無限に制御できる位相制御電圧値(最大値)を探し出し、ネットワークアナライザ測定器40のベクトルレンジ上で補正する。
【0028】
上記のように位相角度情報のずれ分を補正することで、移相回路14における0〜360°のベクトル出力特性41をベクトル図の中心点43に合わせたベクトル出力特性44とすることができる。
【0029】
また、移相回路14のベクトル出力は、kcosθ、ksinθの位相制御電圧における定数kの値が反映されるので、0〜360°のベクトル出力が一定値となるように各位相角度θにおける定数kの値を計測結果から探し出し、各位相角度θにおける定数kの値を予め例えばテーブル等に記憶しておく。そして、オフセット回路21、22から位相制御電圧X、Yを出力する際に上記テーブルを参照し、その時の位相角度θに応じて定数kの値を設定する。上記定数kの値は、例えば増幅器31の増幅度を調整するなどの手段によって設定する。この結果、移相回路14における0〜360°のベクトル出力特性44を正確な円形とすることができる。また、移相回路14における0〜360°のベクトル出力特性44は、各位相角度θにおけるkの値を調整することによって任意の特性に設定することが可能である。
【0030】
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態について図4を参照して説明する。この第2実施形態は、上記制御回路15及びオフセット回路21、22をマイクロコンピュータ52によって構成し、無限移相器10Aの移相回路14に対するオフセット信号及び定数kの値を自動的に設定する場合の例について示したものである。
【0031】
移相回路14は、上記したように90°ハイブリッド回路11、バランスドミキサ12a、12b、及びコンバイナ13によって構成されている。上記移相回路14に対するオフセット信号を初期設定する場合には、移相回路14の入力端子と出力端子間に、位相角度/通過損失検波回路51を接続する。
【0032】
上記位相角度/通過損失検波回路51は、移相回路14の信号入力端子に高周波信号を入力し、その信号出力端子から出力される信号に基づいて移相回路14の位相角度及び通過損失を検出する。上記位相角度/通過損失検波回路51により検出された信号は、マイクロコンピュータ52に送られる。このマイクロコンピュータ52は、演算/制御回路53及び加算回路54、55を備え、演算/制御回路53において、移相回路14のバランスドミキサ12a、12bに対する位相制御電圧X=kcosθ、Y=ksinθを生成すると共に、バランスドミキサ12aに対するオフセット信号α及びバランスドミキサ12bに対するオフセット信号βを生成する。
【0033】
上記演算/制御回路53で生成されたバランスドミキサ12aに対する位相制御電圧X=kcosθとオフセット信号αは、加算回路54で加算され、X=kcosθ+αとしてバランスドミキサ12aへ送られる。また、演算/制御回路53で生成されたバランスドミキサ12bに対す位相制御電圧Y=ksinθとオフセット信号βは、加算回路55で加算され、Y=ksinθ+βとしてバランスドミキサ12bへ送られる。
【0034】
上記の構成において、移相回路14のバランスドミキサ12a、12bに対するオフセット信号α、βを初期設定する場合、マイクロコンピュータ52の演算/制御回路53から出力される位相制御電圧kcosθ+α、ksinθ+βを0Vとし、位相角度/通過損失検波回路51により移相回路14における位相角度のずれを求め、マイクロコンピュータ52の演算/制御回路53へ出力する。
【0035】
演算/制御回路53は、位相角度/通過損失検波回路51で求めた位相角度のずれ(ベクトル値)がなくなるようにバランスドミキサ12aに対するオフセット信号α及びバランスドミキサ12bに対するオフセット信号βを算出し、メモリに記憶して加算回路54、55へ出力する。上記オフセット信号α、βにより、第1実施形態の場合と同様に移相回路14における微小な位相角度情報のずれをなくすことができる。
【0036】
次に、演算/制御回路53は、移相回路14のバランスドミキサ12a、12bに対する位相制御電圧kcosθ、ksinθを生成し、上記オフセット信号α、βと共に加算回路54、55へ出力する。この場合、位相制御電圧kcosθ、ksinθは、kの値を所定の基準値(一定)に保持したまま、θを0〜360°の範囲で一定角度例えば0.1度の間隔で順次変化させる。上記演算/制御回路53で生成された位相制御電圧kcosθ、ksinθは、それぞれ加算回路54、55においてオフセット信号α、βと加算され、X=kcosθ+α、Y=ksinθ+βとしてバランスドミキサ12a、12bの制御端子Q、Iに送られる。
【0037】
このとき位相角度/通過損失検波回路51は、移相回路14の各位相角度に対する通過損失を検出して演算/制御回路53へ出力する。演算/制御回路53は、演算/制御回路53の検出信号に基づいて移相回路14から出力される信号の振幅値が0〜360°の範囲で一定の値となるように各角度毎に定数kの値を求め、テーブルに記憶する。
【0038】
以上で移相回路14に対する位相制御電圧X=kcosθ+α、Y=ksinθ+βのオフセット信号α、β及び定数kの自動設定処理を終了する。設定処理終了後は、位相角度/通過損失検波回路51を移相回路14及びマイクロコンピュータ52から取り外す。
【0039】
そして、上記無限移相器を実際にフェーズドアレーアンテナ等に接続して使用する場合、マイクロコンピュータ52は、演算/制御回路53において、位相制御信号θの値によりオフセット信号α、β及び定数kの記憶テーブルを参照し、θの値に対応したオフセット信号α、β及び位相制御電圧kcosθ、ksinθを出力する。上記演算/制御回路53から出力されるオフセット信号α、β及び位相制御電圧kcosθ、ksinθは、加算回路54、55で加算され、X=kcosθ+α、Y=ksinθ+βとしてバランスドミキサ12a、12bの制御端子Q、Iへ送られる。バランスドミキサ12a、12bは、上記マイクロコンピュータ52から送られてくる位相制御電圧X、Yに基づいて入力信号に対する位相制御を実行する。
【0040】
この結果、上記位相制御電圧X=kcosθ+α、Y=ksinθ+β中のオフセット信号α、βにより移相回路14における位相角度情報のずれ分を補正して正確な位相制御を行なうことができる。また、移相回路14の出力信号の振幅値が位相制御電圧X、Y中の定数kによって常に一定となるように制御されるので、移相回路14における信号の減衰を補うと共に0〜360°のベクトル出力特性を正確な円形とすることができる。
【0041】
上記本発明による無限移相器は、例えばフェーズドアレーアンテナ等に使用される。フェーズドアレーアンテナに使用する場合には、受信アンテナの1素子毎に無限移相器を設ける。この場合、移相回路14のバランスドミキサ12a、12bの制御端子Q、Iに与えるsin θ、cos θの位相制御電圧値(ベクトル値)を制御することで、入出力の周波数に依存することなく、任意の移相値に容易に合わせることができる。また、sin θ、cos θの位相制御電圧値(振幅)を制御することにより、各アンテナ素子の利得を任意の値に合わせることができる。従って、本発明による無限移相器をフェーズドアレーアンテナに使用した場合には、指向性成形やアッテネータなどの機能を持たせることができる。
【0042】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、バランスドミキサを用いた無限移相器において、移相量制御信号に対するオフセット信号を生成するオフセット手段を設け、バランスドミキサにおける制御信号と出力信号との非線形特性に伴う位相角度情報のずれ分を上記オフセット手段で生成したオフセット信号によって補正するようにしたので、位相制御を正確に行なうことができる。また、上記オフセット手段において、移相量制御信号の振幅値を制御することにより、無限移相器における信号の減衰を補って通過損失を小さくすることができる。更に、バランスドミキサを用いて無限移相器を構成することにより、位相制御速度が速く、小型化が可能であると共にコストの低下を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る無限移相器の概略構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態における詳細な回路構成を示す図。
【図3】同実施形態におけるベクトル出力特性を示す図。
【図4】本発明の第2実施形態に係る無限移相器の構成を示すブロック図。
【図5】従来の無限移相器の構成を示すブロック図。
【図6】従来の無限移相器の動作を説明するためのベクトル図。
【符号の説明】
10、10A…無限移相器
11…90°ハイブリッド回路
12a.12b…バランスドミキサ
13…コンバイナ
14…移相回路
15…制御回路
21、22…オフセット回路
31…増幅器
32、33、36、37、38…抵抗
34…可変抵抗
40…ネットワークアナライザ測定器
51…位相角度/通過損失検波回路
52…マイクロコンピュータ
53…演算/制御回路
54.55…加算回路

Claims (4)

  1. 入力信号を90°の位相差を持つ2つの信号に分岐して出力する第1の出力端子及び第2の出力端子を備える90°ハイブリッド回路と、
    前記90°ハイブリッド回路の第1の出力端子からの出力信号が入力され、該入力された信号に対して、出力の振幅及び極性を制御する第1の位相制御電圧が与えられる制御端子を備える第1のバランスドミキサと、
    前記90°ハイブリッド回路の第2の出力端子からの出力信号が入力され、該入力された信号に対して、出力の振幅及び極性を制御する第2の位相制御電圧が与えられる制御端子を備える第2のバランスドミキサと、
    前記第1のバランスドミキサの出力信号が入力される第1の入力端子及び前記第2のバランスドミキサの出力信号が入力される第2の入力端子を備え、前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子に入力された信号を合成して出力する出力端子を備えるコンバイナと、
    前記コンバイナの出力信号を前記90°ハイブリッド回路に入力された入力信号に対し位相角度θに移相制御するために、第1の関数cosθに基づく第1の制御信号を生成すると共に、前記第1の関数cosθと直交する第2の関数sinθに基づく第2の制御信号を生成する制御回路と、
    前記制御回路から出力される前記第1の制御信号を位相角度θ毎に設定された定数kに基づいて増幅器により増幅して、オフセット電圧αを加え、「k cosθ+α」を第1の位相制御電圧として前記第1のバランスドミキサの制御端子に出力する第1のオフセット回路と、
    前記制御回路から出力される前記第2の制御信号を位相角度θ毎に設定された定数kに基づいて増幅器により増幅して、オフセット電圧βを加え、「k sinθ+β」を第2の位相制御電圧として前記第2のバランスドミキサの制御端子に出力する第2のオフセット回路と、
    を具備することを特徴とする無限移相器。
  2. 上記制御回路は、位相角θ毎に定数kを記憶しているテーブルを備えて、位相角θに応じて上記第1のオフセット回路の増幅器の定数k及び上記第2のオフセット回路の増幅器の定数kを設定することを特徴とする請求項1に記載の無限移相器。
  3. 入力信号を90°の位相差を持つ2つの信号に分岐して出力する第1の出力端子及び第2の出力端子を備える90°ハイブリッド回路と、
    前記90°ハイブリッド回路の第1の出力端子からの出力信号が入力され、該入力された信号に対して、出力の振幅及び極性を制御する第1の位相制御電圧が与えられる制御端子を備える第1のバランスドミキサと、
    前記90°ハイブリッド回路の第2の出力端子からの出力信号が入力され、該入力された信号に対して、出力の振幅及び極性を制御する第2の位相制御電圧が与えられる制御端子を備える第2のバランスドミキサと、
    前記第1のバランスドミキサの出力信号が入力される第1の入力端子及び前記第2のバランスドミキサの出力信号が入力される第2の入力端子を備え、前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子に入力された信号を合成して出力する出力端子を備えるコンバイナと、
    前記コンバイナの出力信号を前記90°ハイブリッド回路に入力された入力信号に対し位相角度θに移相制御するために、オフセット電圧α及びオフセット電圧βと、位相角度θ毎に設定されたkを定数として位相制御電圧k cosθ及び位相制御電圧k sinθを出力する演算/制御回路と、
    前記演算/制御回路から出力される位相制御電圧k cosθとオフセット電圧αを加算し「k cosθ+α」を第1の位相制御電圧として前記第1のバランスドミキサの制御端子に出力する第1の加算回路と、
    前記演算/制御回路から出力される位相制御電圧k sinθとオフセット電圧βを加算し「k sinθ+β」を第2の位相制御電圧として前記第2のバランスドミキサの制御端子に出力する第2の加算回路と、
    を具備することを特徴とする無限移相器。
  4. 上記第1の加算回路、第2の加算回路及び演算/制御回路がマイクロコンピュータにより構成されていることを特徴とする請求項3に記載の無限移相器。
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