JP4473703B2 - 主柱材内部調査方法およびその調査方法に適した鉄塔 - Google Patents
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<調査対象(鉄塔)の構成>
図2は、この発明の第1の実施形態による主柱材内部調査方法の調査対象となる四角鉄塔の頂部の斜視図である(なお、この図ではアーム部を省略している)。鉄塔の頂部は、4つのアングル材(ここでは等辺山形鋼)104a〜104dによって構成される四角錐構造の第1パネル(最上段パネル)と、4つの鋼管101a〜101dによって構成される直方体構造の第2パネルとによって構築されている。
図4に、本実施形態による内部調査方法に用いられる部材把持治具の構成を示す。この部材把持治具は、アングル把持金具21と、鋼管把持金具22と、伸縮部23とを備える。アングル把持金具21は、図2に示したアングル材104a〜104dを把持する。鋼管把持金具22は、図2に示した鋼管101a〜101dを把持する。伸縮部23は、長さを任意に変更することができるような伸縮構造を有する。
次に、本実施形態による主柱材内部調査方法について図5〜図10を参照しつつ説明する。なお、ここでは、鋼管主柱材101aの内部の腐食の度合いを調査するものと想定する。また、図5〜図11では、斜材14c,14dを省略する。
まず、鋼管主柱材101aの内部調査を実施する前に、突き合わせ継ぎ手を作成するためのけがき作業に用いる定規・形板を用意する。さらに、突き合わせ継ぎ手用の部材も用意する。突き合わせ継ぎ手用の部材は、所定の長さを有するアングル材(等辺山形鋼)であり、所定の位置にボルト穴が開けられている。
まず、調査対象となる鋼管主柱材101aの頂板103aの上部に設けられたアングル材104aのうち切断すべき箇所を選択する。次に、けがき用の定規・形板を用いて、選択した箇所にボルト穴および切断線をけがきする(図5)。
次に、部材把持治具の伸縮部23の長さを調整して、部材把持治具のアングル把持金具21をアングル材104aのうちけがきした箇所の上部に取り付ける。一方、部材把持治具の鋼管把持金具22を鋼管主柱材101aに取り付ける。これにより、アングル材104aに加えられた荷重が治具に分担される(図6)。なお、部材把持治具の鋼管把持金具22を鋼管主柱材101aに取り付ける際、ガセットプレートPa3に鋼管把持金具22の一部が接触するように接合すれば、部材把持治具をより強固に取り付けることができる。また、部材把持治具に加えてワイヤーを用いて補強しても構わない。
次に、ステップST101においてけがきしたとおりにアングル材104aにボルト穴を開ける。また、ステップST101においてけがきした切断線に沿ってアングル材104aを切断する(図7)。さらに、ボルト穴および切断面に対して防錆処理も行う。
次に、突き合わせ継ぎ手用部材とアングル材104aとをボルト結合することによって突き合わせ継ぎ手300を組み立てる(図8)。
次に、ステップST104において組み立てた突き合わせ継ぎ手300を分解する(図7)。また、アングル材104aとアングル材104dとにボルト接合された斜材14d(図2参照)も取り外す。
次に、頂板103aと頂板取付部102aとを接合しているボルトをはずして、頂板103aを頂板取付部102aから取り外す。次に、ファイバースコープを鋼管主柱材101aの開口部(頂板取付部102a)から挿入する(図9)。次に、鋼管101aの内部の画像を取得できる装置(例えば、ファイバースコープやCCDカメラ)によって鋼管主柱材101aの内部を撮影することにより、鋼管主柱材101aの内部の腐食の度合いを調査する。
次に、鋼管主柱材101aの内部調査を完了すると、取り外した頂板103aと頂板取付部102aとをボルト結合して、取り外した頂板103aを頂板取付部102aに再度取り付ける(図7)。
次に、突き合わせ継ぎ手用部材とアングル材104aとをボルト結合することによって突き合わせ継ぎ手300を組み立てる(図8)。また、アングル材104aとアングル材104dとを接続する斜材14d(図2参照)を取り付ける。
次に、部材把持治具の鋼管把持金具21を鋼管主柱材101aから取り外す。一方、部材把持治具のアングル把持金具22をアングル材104aから取り外す(図10)。
以上のように、本実施形態によれば、鋼管主柱材101aに穴を空けることなく、鋼管主柱材101aの内部調査を行うことができる。よって、熱影響によって鋼管主柱材101aの強度を低下することなく、鋼管主柱材101aの内部を調査することができる。また、最上段パネルを解体することなく鋼管主柱材101aの内部調査を実施することができるので、従来と比較すると、工期を短縮することができる。
<調査対象(鉄塔)の構成>
この発明の第2の実施形態による送電線用鉄塔の頂部の上部では、アングル材104aには図10のようにあらかじめ突き合わせ継ぎ手300が形成されている。その他の構造は、図2と同様である。
次に、本実施形態による主柱材内部調査方法について図7〜図10を参照しつつ説明する。なお、ここでは、鋼管主柱材101aの内部の腐食度合いを調査するものと想定する。
まず、部材把持治具の伸縮部23の長さを調整して、部材把持治具のアングル把持金具21をアングル材104aのうち突き合わせ継ぎ手300の上部に取り付ける。一方、部材把持治具の鋼管把持金具22を鋼管主柱材101aに取り付ける。これにより、アングル材104aに加えられた荷重が治具に分担される(図8)。
次に、突き合わせ継ぎ手用の部材とアングル材104aとを接合するボルトを外して、突き合わせ継ぎ手300を分解する(図7)。また、アングル材104aとアングル材104dとにボルト結合された斜材14d(図2参照)を取り外す。
次に、頂板103aと頂板取付部102aとを接合しているボルトをはずして、頂板103aを頂板取付部102aから取り外す。次に、ファイバースコープを鋼管主柱材101aの頂部(頂板取付部102a)から挿入する(図9)。次に、ファイバースコープによって鋼管主柱材101aの内部を撮影することにより、鋼管主柱材101aの内部の腐食の度合いを調査する。
次に、鋼管主柱材101aの内部調査を完了すると、取り外した頂板103aと頂板取付部102aとをボルト結合して、取り外した頂板103aを頂板取付部102aに再度取り付ける(図7)。
次に、突き合わせ継ぎ手用の部材とアングル材104aとをボルト結合することによって突き合わせ継ぎ手300を組み立てる(図8)。また、アングル材104aとアングル材104dとを接続する斜材14d(図2参照)を取り付ける。
次に、部材把持治具の鋼管把持金具21を鋼管主柱材101aから取り外す。一方、部材把持治具のアングル把持金具22をアングル材104aから取り外す(図10)。
以上のように、本実施形態によれば、あらかじめアングル材104aに突き合わせ継ぎ手300が形成されているので、頂板103aの取り外し/取り付けを容易に行うことができる。よって、工期をさらに短縮することができる。
102a〜102d 頂板取付部
103a〜103d 頂板
104a〜104d アングル材(等辺山形鋼)
105 鉄塔頂板
11a〜11d、13a〜13d,15a〜15d 水平材
12a〜12d,14a〜14d 斜材
Pa1〜Pa4,Pb1〜Pb4,Pc1〜Pc4,Pd1〜Pd4 ガセットプレート
21 アングル把持金具
22 鋼管把持金具
23 伸縮部
300 突き合わせ継ぎ手
400 重ね継ぎ手
Claims (7)
- アングル材を主柱材として構成された第1のパネルと、
前記第1のパネルの直下に設けられ、かつ、鋼管を主柱材として構成された第2のパネルとを含む鉄塔の前記鋼管の内部を調査する方法であって、
前記鋼管のうち調査対象となる鋼管は、
前記第1のパネルを構成するアングル材のうちの1つと頂板を介して接合されており、
前記方法では、
前記調査対象となる鋼管に前記頂板を介して接合されているアングル材を切断する工程(a)と、
前記工程(a)において切断されたアングル材に接合されている頂板を取り外す工程(b)とを行う、
ことを特徴とする主柱材内部調査方法。 - 請求項1において、
前記工程(a)では、
前記調査対象となる鋼管に前記頂板を介して接合されているアングル材を把持する部材把持治具を設置した後、当該アングル材を切断する、
ことを特徴とする主柱材内部調査方法。 - 請求項1において、
前記方法では、さらに、
前記工程(b)において取り外した頂板を前記鋼管に取り付ける工程(c)と、
前記工程(a)において切断されたアングル材を継ぎ手によって修復する工程(d)とを行う、
ことを特徴とする主柱材内部調査方法。 - アングル材を主柱材として構成された第1のパネルと、
前記第1のパネルの直下に設けられ、かつ、鋼管を主柱材として構成された第2のパネルとを備える鉄塔であって、
前記第1のパネルを構成するアングル材のうち少なくとも1つには、継ぎ手が形成されており、かつ、当該アングル材の端部には、頂板が溶接されており、
前記第2のパネルを構成する鋼管のうち少なくとも1つの開口端部には、前記頂板とボルト接合される頂板取付部が形成されている
ことを特徴とする鉄塔。 - アングル材を主柱材として構成された第1のパネルと、前記第1のパネルの直下に設けられ、かつ、鋼管を主柱材として構成された第2のパネルとを備え、前記第1のパネルを構成するアングル材のうち少なくとも1つが、前記第2のパネルを構成する鋼管のうち少なくとも1つと頂板を介して接合されており、かつ、当該アングル材に継ぎ手が形成されている鉄塔において、前記第2のパネルのうち前記頂板を介して前記アングル材と接合されている鋼管の内部を調査する方法であって、
前記アングル材に形成された継ぎ手を分解する工程(a)と、
前記工程(a)において継ぎ手が分解されたアングル材に接合された頂板を取り外す工程(b)とを行う、
ことを特徴とする主柱材内部調査方法。 - 請求項5において、
前記工程(a)では、
前記継ぎ手が形成されたアングル材を把持する部材把持治具を設置した後、当該アングル材の継ぎ手を分解する、
ことを特徴とする主柱材内部調査方法。 - 請求項5において、
前記主柱材内部調査方法は、さらに、
前記工程(b)において取り外した頂板を前記鋼管に取り付ける工程(c)と、
前記工程(a)において分解された継ぎ手を再度組み立てる工程(d)とを行う、
ことを特徴とする主柱材内部調査方法。
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