JP4473157B2 - 防護柵の支柱用キャップ - Google Patents

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Description

本発明は、ガードレール、ガードパイプまたはガードロープなどの防護柵を支持するために設けられる支柱の先端に装着するキャップに関するものである。
一般的に、ガードレール、ガードパイプまたはガードロープのような防護柵は、適宜間隔で支柱が設けられ、この支柱にレールやパイプ等を架け渡すことによって構成されていた。このような防護柵の支柱は、円筒状のパイプで構成されているものが通常であるため、上端の開口を被覆するためにキャップが設けられていた。その理由としては、レールやパイプを当該支柱に固定するための固定部材が当該支柱の内部に設けられ、または、当該支柱を貫通する固定部材が使用されていることから、支柱内部に存在するこれらの固定部材を風雨から保護するためである。
この種の防護柵の支柱用キャップは、当初は金属製で構成されていた。その理由とするところは、支柱が金属製であるため、これと同種の材質により構成することで溶接が可能となり、強固な装着が実現でき、また、リベット等の機械的固定手段が使用できることから、容易かつ強固な装着を実施できるからであった。しかし、これら溶接またはリベットによる固定方法は、その作業が煩雑であるため作業性が悪く、簡単に装着できるような構成とすべく検討されてきた(特許文献1ないし3参照)。
ところで、上記にように、キャップの装着を容易な構造とする場合には、当然にキャップの離脱も容易となり、道路の路肩に使用される防護柵においては、車両等による衝突事故などにおいて、キャップのみが支柱から分離し、これが車両や運転者または付近の歩行者などを直撃する可能性が否めないという問題点が指摘されていた。そこで、キャップ全体を合成樹脂製とする提案がなされるようになった(特許文献4ないし6参照)。
特公昭53−8197号公報(1頁・図1−図4) 実開昭60−18127号の明細書(1−2頁・図1−図3) 特開平8−100416号公報(2頁−3頁・図1) 実開平5−75357号公報(4−5頁・図1) 実開平7−38216号公報(2頁) 特開平10−60845号公報(2頁・図1)
上記のような合成樹脂製のキャップは、例えば特許文献4に記載されているように、支柱との固定力を得るために板バネなどの金属材料を使用していた。また、特許文献5に記載されるように、キャップ装着時の安定性を確保するための支持板部を、キャップの内側に設ける構成としたものがあった。しかし、これらの支柱用キャップは、板バネや支持板部を必要とするためキャップの加工が複雑となり、また、キャップの装着時においても板バネや支持板部を固定する作業が必要となるため、決して簡単に装着できるといえるものではなかった。
そこで、最近では、支柱に対するキャップの側面部の嵌め合い公差をしまり嵌めとする合成樹脂製キャップが主流となっている。これは、単純に金属製のいわゆるオーバーキャップの形態を合成樹脂により成形したものであって、キャップの側面部裏面が支柱の上端外周面に密着することによって離脱を防止することを意図するものである。このようなキャップによれば、本来合成樹脂製のキャップであるから、車両等の衝突時にキャップが支柱から離脱し、これが車両や歩行者等を直撃したとしても、その際の衝撃が僅少であるため、車両や人体への影響が少ないことが予想されること、および、嵌め合い公差によって圧着された状態のキャップは容易に離脱しないことが予想されることによるものである。
しかしながら、キャップの側面部が支柱に密着した状態とする場合、支柱の内部は密閉された状態となるため、外気温度の変化によって内部空気の膨張または収縮が発生し、そのためキャップに対して陽圧または陰圧が作用することとなっていた。そして、例えば酷暑によって極端に大きな陽圧が作用するときは、キャップが支柱から離脱することが予想されていた。また、逆に、例えば厳寒によって極端に大きな陰圧が作用するときは、キャップが変形することがあった。そして、このキャップの変形が繰り返されることにより、支柱に対する密着力が低下することとなっていた。
また、特許文献6には、キャップの全周に脚部および係止部を構成し、係止部によって支柱の開口端に係止する技術が記載されているが、この技術は、支柱の開口端を特殊形状に加工(先端を絞り加工)しなければならず、既に使用されまたは使用が予定されている円筒状の支柱において、キャップのみを交換することにより対応させることができないものであった。
本発明は、上記諸点にかんがみてなされたものであって、その目的とするところは、既存の支柱に圧着状態で取り付けることができるとともに、外気温度の変化に対応し得る支柱用キャップを提供することである。
そこで、上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明は、防護柵を支持する筒状の支柱の上端を閉塞する上面部と、上記支柱の上端付近の外周面に装着される環状の側面部とを一体的に構成してなる合成樹脂製支柱用キャップであって、上記上面部は、表面側に膨出させてなる略球状曲面の表面と、これとは異なる半径または中心点の略球状曲面で構成される裏面とで構成され、かつ、周縁よりも中央付近を厚肉にしてなる上面部であり、上記上面部の裏面の中央付近から周縁に向けて放射状で、かつ、該周縁に到達するように構成されるとともに、上記上面部裏面のほぼ中央における突出高さを大きく周縁に向かって徐々に小さくしてなる複数のリブを備えたことを特徴とする防護柵の支柱用キャップを要旨とするものである。上記におけるリブの断面形状は、三角形のほか多角形とするものであってもよい。
上記のような構成により、キャップの上面部をリブにより補強し、そのリブが放射状に設けられていることから、上面部の中央付近においてリブ同士が接近することとなり、上面部の中央付近の強度を向上させることとなる。また、そのリブの突出高さを変化させることにより、キャップの形状、特に上面部の形状に応じて、強度が必要となる部分のリブの突出高さを大きくすることで、支柱のキャップに使用し得る構成とすることができる。
また、キャップの上面部を略球面とした場合の補強を可能にするものである。すなわち、上面部を略球面とする支柱用キャップは、一般的な支柱用キャップとしての外観を有する構成であるが、この上面部の裏面を活用することで、リブの突出高さを変化させつつ上面部の裏面に好適なリブを構成させることができるのである。そして、略球面に構成された上面部の裏面に放射状に設けられたリブにより、上面部の全体に均等な強度を与えることができるものである。
このような構成であれば、リブによる上面部の補強効果に加えて、上面部そのものの強度を向上させ得ることができる。また、側面部に近い部分は、強度が十分であるため薄肉に構成することで、材料の使用量を低減させることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載した支柱用キャップにおいて、前記側面部の裏面には、前記リブに連続して構成された適当な長さかつ突出高さの突出部、および或いは該側縁部の端縁から前記上面部周縁までの範囲に構成された少なくとも1本以上の溝部を備えた構成とするものである。
上記のうち突出部を設けた構成によれば、上述のように、上面部が十分な強度を保有できることに加えて、本発明に係るキャップを支柱に装着するとき、突出部が支柱の外側表面に当接して、当該表面と側面部の裏面とに間隙を構成することとなり、この間隙により、支柱内部の空気の流動を可能にすることができる。上記突出部の形状は、特定されることはないが、好ましくは、断面形状を三角形とする構成にすることができ、図6(a)において示すような形状とすることが好ましい。以上より、支柱内部の空気の流動を可能にするとともに、仮に、支柱内部の空気が密閉された状態となった場合であっても、上面部が十分な強度を有しているので、その変形を防止できる。
また、上記のうち溝部を設けた構成によれば、側面部の溝部によって支柱内部の空気を流動させることが可能となり、キャップの内側に生じる陰圧および陽圧の発生を防止しつつ、仮に、これらの圧力が作用した場合であっても、キャップの上面部の変形を防止し得る構成となる。また、支柱の外周面に当接する側面部の裏面の表面積を大きくすることにより、支柱との装着状態を安定させることができることとなる。
さらに、突出部および溝部の双方を設けた構成であれば、支柱に装着されたキャップの側面部の裏面には、突出部の近傍または溝部のいずれか一方または双方により、支柱の表面との間に空気が流通できる間隙を構成させることができ、支柱内部の空気の流出入を確保することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載する発明において、前記合成樹脂がフッ素樹脂である構成としたものである。
このような構成とすることにより、長期にわたって紫外線による劣化がほとんどなく、また、屋外に設置される防護柵の支柱のキャップに使用する場合、埃等が容易に除去され得ることとなり、支柱の外観を向上させることができるものである。さらに、側面部の裏面に突出部を設ける構成の支柱用キャップをフッ素樹脂で構成する場合、当該側面部の適度なクリープ現象と収縮により、側面部の裏面が支柱の表面に当接すること、および、側面部全体による支柱表面への当接力を維持することができる。そこで、クリープ変形前においては、側面部の弾性変形による復元力により、また、クリープ変形後の側面部の裏面の密着性が向上することにより、キャップの装着状態を安定させることを期待することができる。
本発明によれば、キャップの上面部裏面に設けたリブにより、上面部の強度が増大するため、支柱の内部が密閉されたとしても、外気温度の変化によって支柱内部の空気が膨張または収縮するとき、キャップに作用する陽圧または陰圧に耐えることができ、キャップの上面部の変形を防止することができる。
また、キャップの側面部の裏面に突出部または溝部を設けることにより、当該側面部の裏面と支柱との間には僅かな間隙を構成させることができることとなり、支柱の内部空間を密閉させることがないため、キャップの変形等を防止できる。これにより、夏季における支柱内部の空気の膨張による陽圧を解消させ、極端な陽圧の作用によるキャップの離脱をも防止できる。
さらに、上述のとおり、キャップの上面部はリブまたは肉厚の調整により、変形に耐え得る強度を備えていることから、突出部または溝部によって設けられた上記間隙が目詰まりした場合であっても、キャップの変形を防止することができるものである。特に、厳寒時においては降雪などにより間隙を塞ぐような氷結の発生が予想されるが、そのような場合にもキャップの変形を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本発明にかかる支柱用キャップは、防護柵を支持するための支柱に装着されるものであって、図1にその構成の概略を図示している。この図1において示されているように、本発明にかかる支柱用キャップ1は、ガードレールGなどの防護柵に使用される支柱Pの上端に装着するものである。この種の支柱Pは、金属製の円筒状に形成され、内部は中空構造となっている。そこで、支柱用キャップ1は、上面部11と側面部12とで構成され、上面部11は、略ドーム型に形成されて円筒状支柱Pの上端(開口端)Paを閉塞できるようになっており、側面部12は、円環の帯状に形成されている。この側面部12は、支柱Pの外側表面Pbに当接する部分であり、支柱Pの外径寸法に対する側面部12の内径寸法の嵌め合い公差がしまり嵌めとなるように構成され、当該支柱Pにキャップ1を装着したとき、側面部12の裏面が支柱Pの外側表面Pbに押圧されつつ当接する状態となるものである。
そこで、本発明の実施形態を図2に基づいて説明する。図2(a)は、キャップ1の上下を反転させて上面部11の裏面11aを上向きとした状態の斜視図であり、図2(b)は(a)のIIB−IIB断面図である。図2(a)に示すように、上面部11の裏面(以下、上面部裏面という)11aには、複数のリブ21〜26が設けられており、このリブ21〜26は、その長手方向が上面部裏面11aのほぼ中央13から周縁14に向けて放射状となっている。そして、このリブ21〜26の先端は周縁14に到達するように構成されているのである。さらに、このリブ21〜26の突出高さは上面部裏面11aの形状に応じて適宜調整されている。
本実施形態におけるリブ21〜26の突出高さについては、本実施形態にあっては、図2(b)に示すように、上面部裏面11aの中央付近と周縁付近とで異なるものにしている。すなわち、上面部裏面11aのほぼ中央13における部分の突出高さを大きくして、周縁14に向かって徐々に小さくなるように設けられているのである。具体的には、本実施形態の上面部11は、外向き(表面側に向かって)膨出させてなる略球面状に構成され、これに伴って、上面部裏面11aも略球面を形成している。そこで、リブ21〜26の上部端縁は、略球面の上面部裏面11aに沿って湾曲してなり、他方、下部端縁は、略球面の上面部裏面における弧状断面に対して弦を形成する方向に直線状となっており、これらの上部端縁および下部端縁の中間がリブ21〜26の突出高さとして調整されているのである。
このように、上面部裏面11aに突出高さの異なるリブ21〜26を設けることにより、特に、中央13の周辺の突出高さを大きくすることにより、略球面に形成された上面部11において最も変形しやすいほぼ中央13の周辺を補強することができ、支柱P(図1)の内部空気が冷却されてキャップ1に陰圧が作用する場合であっても、上面部11が変形されることなく維持されることとなる。
また、上記実施形態において、図3に示すように、上面部11の肉厚を変化させる構成とすることができる。この場合、上面部11のほぼ中央13を最も厚肉とし、周縁14に向けて徐々に薄肉となるように構成することができる。本実施形態では、上面部11の直径を140mmとする場合、中央13における肉厚を2.5mmとし、周縁14における肉厚を1.5mmとすることにより、強固な上面部11を構成している。ここで、上面部11は、その表面11bを略球面状とするとともに、裏面11aをも略球面状とするものであり、それぞれの球面を形成する半径または中心点を変化させることにより、肉厚を変化させるようになっているのである。
このように、リブ21〜26を設けてなる上面部11において、当該上面部11の肉厚を変化させることにより、当該上面部11は、非常に強化されることとなるのである。すなわち、上面部11の肉厚がほぼ中央13において厚肉であることから、曲げ応力に対する強度を付与し、さらに、上面部11が湾曲する際にリブ21〜26には曲げ応力および圧縮応力が作用するが、リブ21〜26の突出高さが中央13において大きいため、上記各応力に耐え得ることとなるのである。さらに、上記リブ21〜26は、略球面状の上面部裏面11aにおいて放射状となっているため、そのほぼ中央13において、複数のリブ21〜26が集中することとなり(図2参照)、上面部11のほぼ中央13を一層強力に構成することができるのである。
次に、上記実施形態のさらに好ましい例について説明する。その形態を図4に示す。本形態は、上述の実施形態(図2)と同様に、上面部裏面11aにリブ21〜26が放射状に設けられており、さらに、図4(a)および(b)に示すように、側面部12の裏面(以下、側面部裏面という)12aに突出部31〜36が設けられているのである。この突出部31〜36は、リブ21〜26とは独立した構成とされるものであるが、図示のように、上記リブ21〜26の先端に連続して構成させることもできる。この場合、ちょうどリブ21〜26の先端が位置する上面部11の周縁14を起点として、側面部12の端縁が終点となるように設けられる。この突出部31〜36は、いずれも同じ程度の突出高さにより構成されている。また、突出部31〜36は、上述のとおりリブ21〜26に連続して設ける場合には、側面部裏面12aの周方向に適宜間隔を有する状態で配置されるものである。すなわち、図示のように、リブ21〜26を6本で構成する場合、突出部31〜36も6本で構成され、側面部裏面12aを周方向に6等分するような間隔を有して配置されることとなるのである。
ところで、上記形態は、上記上面部11、側面部12、リブ21〜26および突出部31〜36の全体がフッ素樹脂で一体的に構成されており、上記のように突出部31〜36が適宜な間隔を有することにより、かつ、側面部12が支柱P(図1)に圧着することにより、突出部31〜36が支柱Pの外側表面Pb(図1)に当接することとなるが、フッ素樹脂の適度なクリープ現象により、時間の経過とともに、突出部31〜36を設けていない側面部12の裏面12aが支柱Pの外側表面Pbに当接することとなるものである。このとき、フッ素樹脂の収縮により側面部裏面12aの支柱表面Pbに対する当接力が維持されるのである。
従って、キャップ1を支柱Pに装着した当初は、突出部31〜36の突出端縁のみが支柱Pの外側表面Pbに当接することとなるが、装着した後の時間が経過することにより、支柱Pの外側表面Pbに側面部表面12aの広い面積が当接することとなるのである。
上記のような構成によれば、図5(a)に示すように、キャップ1を支柱Pに装着すると、まず、突出部31〜36の突出端縁が支柱Pの外側表面Pbに当接し、その周辺に位置する側面部裏面12aは、支柱Pの外側表面Pbとの間で、所定の間隙を構成することとなる。この間隙を生じさせることにより、支柱Pの内部空間を密閉状態とすることを回避し、支柱Pの内部空気は、外部と流動可能な状態となるのである。
ここで、キャップ1の装着当初は、突出部31〜36が支柱Pの外側表面Pbに圧着され、側面部12は僅かながら弾性変形することにより、当該突出部31〜36に対して支柱表面Pbに向かう押圧力を付与することとなり、この突出部31〜36の押圧力で離脱を防止することができる。その後、時間の経過とともに側面部12が適度にクリープ変形することにより、突出部31〜36のほかに、側面部裏面12aが部分的に支柱表面Pbに当接し、また、収縮性により十分な当接力を維持することから、キャップ1の離脱を防止することとなるのである。このように、側面部12がクリープ変形することによって、当該側面部12の裏面12aが支柱表面Pbに当接する場合であっても、当該側面部裏面12aに突出部31〜36が存在することから、その突出部31〜36の周辺においては側面部裏面12aが支柱表面Pbに当接することがなく、図5に示した状態により、支柱Pの内部空気は外部との間で流動可能な状態を維持されるものである。
上記のような形態においても、上面部11の肉厚を変化させる構成とすることができる。すなわち、図5(b)に示すように、リブ21〜26および突出部31〜36は、上述のとおりの構成としつつ、上面部11のほぼ中央13の肉厚を最も厚肉とし、周縁14に向けて徐々に薄肉となるように構成するのである。このような上面部11の構成は、上述の実施形態(図3)における場合と同様であり、略球状の表面11bと略球状の裏面11aとによって構成するのである。
なお、上記形態では、上記キャップ1の装着状態は、側面部裏面12aの突出部31〜36が、支柱Pの外側表面Pbに押圧される状態とするため、支柱Pの外径寸法D(図5(a)参照)に対し、突出部31〜36の先端で構成される仮想の内径寸法がしまり嵌めとなるように、突出部31〜36の突出高さが調整されている。しかも、側面部12のクリープ変形を想定するならば、側面部12の弾性変形をも考慮して、側面部12の内径が設定されることとなる。例えば、側面部12の内径が、支柱Pとの嵌め合い公差を緩み嵌めとなる程度で調整すれば、クリープ変形前においては側面部12の弾性力を利用し、また、側面部11のクリープ変形後においては収縮性を利用して、キャップ1の離脱を防止できることとなる。
上記のような形態の各構成により、図5(a)に示すように、キャップ1が支柱Pに装着されるとき、支柱Pとキャップ1との間には所定の間隙により通気部を構成することができる。そして、この通気部は、側面部12の端縁15において開口するため、一般的に鉛直方向に立設される支柱Pの先端にキャップ1を装着する場合は、当該通気部の開口は下向きとなり、しかも、その開口位置は、キャップ1の全体の下位となるため、雨水や路上の水などがキャップ1に浴びせられたとしても、支柱Pの内部に侵入することを抑えることができる。さらに、ゴミや埃などが侵入することもないことから、キャップ1の好適な装着状態を維持することができるものである。
なお、上記各形態のうち、突出部31〜36を設ける構成においては、当該突出部31〜36を比較的薄肉に設ける形態とすることができる。薄肉の突出部31〜36を設ける場合には、図6に示すように、側面部端縁15に位置する突出部31〜36は、側面部裏面12aに連続する部分を除いて自由端となっており、外力の作用により僅かに弾性変形が可能となっている(図6(a)参照)。この種の形態では、突出部31〜36の側面部端縁15の近傍が弾性変形することによって、突出部31〜36による仮想内径が拡張されることとなり、支柱Pの圧入方向を案内することができるのである(図6(b)参照)。そして、支柱Pの圧入後においては、変形した突出部31〜36の復元力が支柱Pの表面に作用し、支柱外側表面Pbとの密着性を補うことができるものである。
上記に示したそれぞれの形態の使用態様について説明すれば、図7に示すように、支柱Pの上方からキャップ1を押圧することにより、キャップ1の内部に支柱上端Paの圧入を許容することによって、側面部12を支柱外側表面Pbに当接させつつキャップ1の装着を可能にしている。このとき、キャップ1は、直線的に支柱Pに押圧することができるほか(図7(a)参照)、キャップ1を雄ネジのように、回転させながら押圧することにより装着する方法がある(図7(b)参照)。回転させながら装着する方法は、キャップ1の側面部12aに設けられた突出部31〜36を一定の方向に変形させながら、支柱Pの先端の圧入を許容するものである。すなわち、キャップ1を回転させることにより、突出部31〜36が支柱Pの表面に当接するとき、当該突出部31〜36の先端は、回転方向の反対方向に変形することとなり、支柱Pの嵌入を容易にすることができるのである。
次に、支柱用キャップにかかる第二の実施形態を説明する。本実施形態は、図8(a)に示すように、キャップ101の上面部裏面111aにリブ121〜126を設け、側面部裏面112aには溝部131〜136を設けたものである。リブ121〜126は、上面部裏面111aのほぼ中央113から側面部112との境界(上面部周縁)114までの範囲のみ設けられており、リブ121〜126の境界(上面部周縁)114における突出端は、支柱Pの上端に当接される当接部として機能させている。
溝部131〜136は、側面部端縁115から上記境界114までの範囲に設けられている。溝部131〜136の境界114における先端は、リブ121〜126の境界114における突出端よりも上面部裏面111aに近い位置まで設けられ、他方、側面部端縁115における先端は、当該側面部端縁115に到達するように設けられている。
このような構成によれば、図8(b)に示すように、支柱Pに対するキャップ101の関係は、リブ121〜126の突出端121a,122aが支柱Pの上端縁Paに当接し、支柱上端Paは、キャップ101の上面部111と側面部112との境界114よりも下方に位置することとなる。これにより、キャップ101の上面部裏面111aと支柱上端Paとの間には、リブ121〜126が突出した程度の間隙を有することとなる。他方、溝部131〜136の境界114における先端は、支柱上端Paよりも上方に位置することとなるから、溝部131〜136の上端は、支柱上端Paの上部でキャップ101の内側に開口するようになっている。
従って、キャップ101を支柱Pに装着するとき、図9(a)に示すように、側面部裏面112aが支柱外側表面Pbに密着することとなる。そして、上記溝部131〜136が、側面部112と支柱外側表面Pbとの中間において連通する孔を構成することとなるのである。そして、側面部端縁115における先端部分が、当該側面部端縁115において開口し、境界114における先端部分が支柱上端Paよりも上方でキャップ101の内側で開口することとなるのである。これにより、支柱Pの内部と外部とに連通する通気部が形成されることとなる。従って、支柱Pの内部空気は、上記通気部(溝部131〜136)を通過して吸排気されることとなり、内部空気の膨張または収縮に対応することができるものである。
なお、本実施形態において、リブ121〜126の境界114における先端を水平にしてなる支柱当接部121a〜126aを構成することができる。この当接部121a〜126aは、図9(b)に示すように、その一部が側面部裏面112aに跨って設けられている。このような当接部121a〜126aを設けることにより、キャップ101を支柱Pに装着するとき、当該当接部121a〜126aが支柱上端Paの全周に均等に当接することとなるから、上面部111を所定の高さに調整でき、また、上面部裏面111aと支柱上端Paとの間隙を確実に形成させることができるものである。同時に、溝部131〜136の境界114における開口を確保するものである。
支柱用キャップにかかる発明の実施形態は上記のとおりであるが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様をとることができるものである。例えば、上記実施形態においては、突出部31〜36の肉厚および溝部131〜136の幅寸法については、いずれも小さなもののみを図示しているが、これらを極端に大きくすることは可能である。この場合、突出部31〜36の肉厚を大きくし、この突出部31〜36が存在しない部分を溝部131〜136として構成することも可能である。この場合、図10(a)に示すように、突出部31〜36はリブ21〜26に連続して構成され、突出部31〜36の存在しない部分には溝部131〜136が形成されることとなる。なお、このとき、突出部31〜36の表面が側面部裏面112aとして機能することとなる。
このように構成されたキャップ201は、支柱Pに装着されるとき、図10(b)に示すように、第一の実施形態と同様の通気部が形成されることとなる。すなわち、支柱Pの上端Paは、リブ21〜26に当接して上面部裏面11aとの間において間隙を構成し、支柱Pの外側表面Pbに突出部31〜36が当接することにより、溝部131〜136が通気部を形成することとなるのである。
さらに、他の変形例としては、図11に示すように、突出部31〜36の形状を変更してなる構成がある。この突出部31〜36は、側面部端縁15の近傍における突出高さを小さくしてなるものであり、突出部31〜36の突出側縁部を斜状に形成してなるものである。このような構成の例としては、図6(b)に示す断面形状を三角形とすることものがある。上記構成とすることにより、突出部31〜36の先端部分の変形を許容することなく、支柱Pの圧入を案内することができるものとなる。
なお、上記それぞれの実施形態においては、支柱Pが円筒状である場合を前提としたものであるため、キャップ1,101の端縁(上面部周縁および側面部端縁)が円形となるものについて説明および図示しているが、支柱Pが四角形筒状など異なる形状の筒体で構成される場合は、これらに合致する形状のキャップ1,101を設けることとなる。
本発明の実施例について説明する。実施例としては、図4において示した実施形態の上面部11の肉厚を変化させてなる構成(図5)であり、略球面状の上面部11の裏面11aにリブ21〜26を、側面部12の裏面12aに突出部31〜36を備えた構成のものである。上面部11の肉厚については、ほぼ中央13を最も厚肉とした2.5mmで周縁部1.5mmの肉厚としたものであり、全体をシリコン樹脂で一体成型したものである。
そこで、本実施例について、上面部11の直径140mmのキャップ1(詳細には支柱Pの外形寸法140mmに装着すべきキャップ)について、強度試験を行った。試験方法は、島津製作所製オートグラフAG−10TEを使用し、キャップ1を平面テーブルに設置するとともに、上面部11の中央13を上方から毎分1mmの押し込み速度にて押圧し、キャップ1の上面部11の変形状態を考察した。上記実験は、上記実施例のキャップ1と、同種寸法の支柱に使用する既存のキャップについて、それぞれ3個ずつ試験し、それらの平均をグラフ化したものである。
なお、既存のキャップとは、実施例のキャップと同じ球面状の上面部を有するキャップであり、上面部の肉厚は全体が1.5mmであり、リブ21〜26および突出部31〜36のいずれも有しないものである。
上記実験結果を表1に示す。なお、表1の中で「AGM」とあるのが実施例のキャップであり、「現行品」とあるのが上記既存のキャップである。
Figure 0004473157
上記のような実験結果から、既存のキャップの押し込み強度は、最大で200(N)であるのに対し、実施例のキャップの押し込み強度は、最大約550(N)であり、既存のキャップの2.5倍以上の強度があることが判明した。
このように、実施例のキャップでは、上面部11の肉厚およびリブ21〜26の存在により、大きな強度を備えたキャップを構成することができる。そして、上面部11の肉厚を変化させてなる構成とするか、リブ21〜26を設ける構成とするかのいずれか一方によっても、キャップの強度を向上させ得ることが期待できるものである。
防護柵の支柱に使用されるキャップの状態を示す説明図である。 (a)は本発明の第一の実施形態を示す斜視図であり、(b)は図2(a)におけるIIB−IIB断面図である。 第一の実施形態の変形例を示す断面図である。 (a)は、第一の実施形態の変形例を示す斜視図であり、(b)は図4(a)におけるIVB−IVB断面図である。 (a)は、突出部の構成例を示す説明図であり、(b)は、第一の実施形態のさらなる変形例である。 (a)は、突出部の変形例を示す説明図であり、(b)は、支柱との関係を示す説明図である。 第一実施形態の使用態様を示す説明図である。 (a)は本発明の第二の実施形態を示す斜視図であり、(b)は図6(a)におけるVIIIB−VIIIB断面図である。 (a)は支柱とキャップとの関係を示す説明図であり、(b)は支柱当接部の状態を示す説明図である。 他の実施形態を示す説明図である。 他の実施形態を示す説明図である。
符号の説明
1,101,201 支柱用キャップ
11,111 上面部
11a,111a 上面部裏面
12,112 側面部
12a,112a 側面部裏面
13,113 上面部中央
14,114 周縁(上面部と側面部との境界)
15,115 側面部端縁
21,22,23,24,25,26,121,122,123,124,125,126 リブ
31,32,33,34,35,36,131,132,133,134,135,136 突出部
121a,122a,123a,124a,125a,126a 支柱当接部(リブの突出端)
G ガードレール
P 支柱
Pa 支柱上端
Pb 支柱外側表面

Claims (3)

  1. 防護柵を支持する筒状の支柱の上端を閉塞する上面部と、上記支柱の上端付近の外周面に装着される環状の側面部とを一体的に構成してなる合成樹脂製支柱用キャップであって、上記上面部は、表面側に膨出させてなる略球状曲面の表面と、これとは異なる半径または中心点の略球状曲面で構成される裏面とで構成され、かつ、周縁よりも中央付近を厚肉にしてなる上面部であり、上記上面部の裏面の中央付近から周縁に向けて放射状で、かつ、該周縁に到達するように構成されるとともに、上記上面部裏面のほぼ中央における突出高さを大きく周縁に向かって徐々に小さくしてなる複数のリブを備えたことを特徴とする防護柵の支柱用キャップ。
  2. 前記側面部の裏面には、前記リブに連続して構成された適当な長さかつ突出高さの突出部、および或いは、前記側縁部の端縁から前記上面部周縁までの範囲に構成された少なくとも1本以上の溝部を備えた請求項1に記載の防護柵の支柱用キャップ。
  3. 前記合成樹脂がフッ素樹脂である請求項1または2に記載の防護柵の支柱用キャップ。
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