JP4473042B2 - トルク検出装置、ワイヤーハーネス、電動パワーステアリング装置及び端子ホルダ - Google Patents

トルク検出装置、ワイヤーハーネス、電動パワーステアリング装置及び端子ホルダ Download PDF

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Description

本発明は、トルク検出装置、ワイヤーハーネス、電動パワーステアリング装置及び端子ホルダに関する。
従来より、電動パワーステアリング装置には操舵トルクを検出するためのトルク検出装置が用いられており、このトルク検出装置によって操舵軸に加えられるトルクを検出し、検出したトルクに基づいて操舵補助力を制御している。
このトルク検出装置は、検出コイルが囲繞する部分の操舵軸を構成するトーションバーで連結された入力軸と出力軸とに、円筒状の歯部が対向して設けられ、操舵軸に加えられるトルクによって歯部同士の相対角変位が生じ、この相対角変位を検出コイルに生じるインピーダンス変化で検出するものである。
このような電動パワーステアリング装置は、操舵軸と、操舵軸に加えられるトルクを検出すべく前記操舵軸の外周に配置される検出コイルと、検出コイルの外周部から突出する複数のリードピンと、検出コイルに生じるインピーダンスの変化に基づいて操舵補助用電動モータを制御する制御基板とを備えている。
この電動パワーステアリング装置のトルク検出装置において、制御基板が検出コイルの直近に配置され、リードピンと制御基板とがワイヤーハーネスを介さずに直接接続されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
このトルク検出装置は、リードピンが制御基板を構成する基板部に設けられたスルーホールに挿通され、はんだによって導通可能に接続されている。
特開2003−11833号公報(第2図)
ところが、検出コイルから離れた位置にある制御ユニットの制御基板とをワイヤーハーネスを介して接続する場合には、ワイヤーハーネスのリード線をリードピンに対して一本毎に接続してはんだ付けを行わなければならないので、結線作業性に劣るという問題があった。
このワイヤーハーネスをリードピンへ接続する際の結線作業性を改善するには、リードピンに挿通可能なスリーブとワイヤーハーネスのリード線が接続される接続部とからなる接続端子を設け、さらにその各スリーブを一体で保持する端子ホルダを設けて、リードピンに一度に装着できるようにすることが考えられる。
しかしながら、リードピンとスリーブとの接続を確実にするためにスリーブが外挿されたリードピンの先端側を高温のはんだ槽に浸してはんだ付けを行うディッピングはんだの作業中に、誤って接続部を折り曲げて接続端子同士を接触させてしまう恐れがある。つまり、結線作業性は向上するものの、接続端子同士の接触を防止する点においてその確実性が若干劣るという問題が残る。
そこで、本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、接続端子同士が接触するのをより確実に防止することができる結線作業性に優れたトルク検出装置、ワイヤーハーネス、電動パワーステアリング装置及び端子ホルダを提供することを目的とする。
本発明は、転体に加えられるトルクを検出する検出コイルと、前記検出コイルから突出する複数のリードピンと、前記リードピンに一端部が接続されるワイヤーハーネスとを備えているトルク検出装置であって、前記ワイヤーハーネスは、導電性を有する複数本のリード線と、前記各リードピンに外挿される筒状のスリーブ、及び、当該スリーブから前記リードピンのピン軸方向に直交する方向に延設されて前記リード線の一端部が接続される接続部、を有する複数の接続端子と、前記複数の接続端子を保持する絶縁性の部材であって、前記スリーブ同士が接触しないように離反した状態で保持するスリーブ保持部、及び、前記接続部の折れ曲がりにより当該接続部同士が接触しないように離反した状態で保持する接続部保持部、を有する端子ホルダとを備え、前記スリーブ保持部は、ピン軸方向の厚さがピン軸方向先端側で前記接続部保持部より低くなるように形成され、前記スリーブのピン軸方向先端側の端面からピン軸方向に離れた位置で当該スリーブを保持していることを特徴とする。
本発明によれば、端子ホルダが、スリーブ同士が接触しないように離反した状態で保持するスリーブ保持部と、接続部の折れ曲がりにより当該接続部同士が接触しないように離反した状態で保持する接続部保持部とから構成されているので、ワイヤーハーネスを一度にリードピンに接続することができるとともに、ディッピングによるはんだ付け作業時などにおいても接続部が折れ曲がることも防ぐことができる。つまり、それぞれの接続端子を確実に位置固定することができる。
また、スリーブ保持部が、ピン軸方向の厚さがピン軸方向先端側で接続部保持部より低くなるように形成され、スリーブのピン軸方向先端側の端面からピン軸方向に離れた位置で当該スリーブを保持しているので、ディッピングによるはんだ付け作業時に、高温のはんだ槽からの熱によって端子ホルダが溶損するのを防ぐことができる。
また、上記のトルク検出装置において、前記接続部保持部は、前記各接続部同士の間に配置されて前記各接続部を隔離する隔壁部と、前記隔壁部によって隔離された前記接続部を支持する支持部とを有しているのが好ましい。
この場合には、隔壁部が各接続部同士の間に配置されて各接続部を隔離するとともに、支持部が隔壁部によって隔離された接続部を支持するので、より一層確実に端子同士の接触を防止することができる。
また、上記のトルク検出装置において、前記スリーブ保持部には、ピン軸方向に貫通して前記スリーブが挿脱可能に挿入される複数の貫通孔が形成され、前記接続部保持部は、前記接続部を脱着可能に形成されているのが好ましい。
この場合には、端子ホルダと接続端子とを分離することができるので、端子ホルダを単品部品として製造することができる。従って、端子ホルダと接続端子とが一体で構成される場合と比べて、製造コストを削減することができる。
また、本発明は、検出コイルから突出する複数のリードピンに一端部が接続されるワイヤーハーネスにおいて、導電性を有する複数本のリード線と、前記各リードピンに外挿される筒状のスリーブ、及び、当該スリーブから前記リードピンのピン軸方向に直交する方向に延設されて前記リード線の一端部が接続される接続部、を有する複数の接続端子と、前記複数の接続端子を保持する絶縁性の部材であって、前記スリーブ同士が接触しないように離反した状態で保持するスリーブ保持部、及び、前記接続部の折れ曲がりにより当該接続部同士が接触しないように離反した状態で保持する接続部保持部、を有する端子ホルダとを備え、前記スリーブ保持部は、ピン軸方向の厚さがピン軸方向先端側で前記接続部保持部より低くなるように形成され、前記スリーブのピン軸方向先端側の端面からピン軸方向に離れた位置で当該スリーブを保持していることを特徴とする。
また、本発明は、トルク検出装置を備えている電動パワーステアリング装置であって、操舵軸に加えられるトルクを検出する検出コイルと、前記検出コイルから突出する複数のリードピンと、前記検出コイルが検出したトルクに基づいて操舵補助用電動モータを制御する制御ユニットとを備え、前記リードピンと前記制御ユニットを構成する制御基板とを接続するワイヤーハーネスとして上記に記載のワイヤーハーネスを用いていることを特徴とする。
また、本発明は、リードピンに外挿される筒状のスリーブと、前記スリーブか前記リードピンのピン軸方向と直交する方向に延設されたリード線接続部とを有する複数の接続端子を保持する絶縁性の端子ホルダであって、前記スリーブ同士が接触しないように離反した状態で保持するスリーブ保持部と、前記接続部の折れ曲がりにより当該接続部同士が接触しないように離反した状態で保持する接続部保持部とを有し、前記スリーブ保持部は、ピン軸方向の厚さがピン軸方向先端側で前記接続部保持部より低くなるように形成され、前記スリーブのピン軸方向先端側の端面からピン軸方向に離れた位置で当該スリーブを保持していることを特徴とする。
本発明によれば、接続端子同士が接触するのをより確実に防止することができる結線作業性に優れたトルク検出装置、ワイヤーハーネス、電動パワーステアリング装置及び端子ホルダを構成することができる。また、ディッピングによるはんだ付け作業時に、高温のはんだ槽からの熱によって端子ホルダが溶損するのを防ぐことができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる電動パワーステアリング装置PSを模式的に示している。図1に示すように、この電動パワーステアリング装置PSは、トーションバー1を介して同軸心状に連結された入力軸2aと出力軸2bとを有する回転体としての操舵軸2と、入力軸2aの上端に連結された操舵ホイールSと、操舵軸2を回転自在に支持する筒状のハウジング3と、トーションバー1の捻れ角を検出すべく操舵軸2の外周に配置されてハウジング3に収容されるトルク検出装置4と、出力軸2bに連動連結された操舵機構5と、操舵軸2に操舵補助力を作用させる電動モータ6とを備えている。また、電動パワーステアリング装置PSは、制御された電動モータ6からの操舵補助力を操舵軸2に伝達するギヤ部7と、トルク検出装置4で検出したトルクに基づいて電動モータ6による操舵補助力を制御する制御ユニット8とを有している。
操舵機構5は、出力軸2bの下端に結合されたインターミディエイトシャフト9と、インターミディエイトシャフト9の下端に設けられて転舵輪(図示せず)を転舵するラックアンドピニオン軸10とを有している。ギヤ部7は、ギヤケース71内で互いに噛合するウォーム軸72と、ウォーム軸72と噛合するウォームホイール73とを有しており、ウォーム軸72が電動モータ6の回転軸61に固定され、ウォームホイール73が操舵軸2に結合されている。
制御ユニット8は、トルク検出装置4に生じたインピーダンスの変化に基づいて電動モータ6への電流値を設定・供給する制御回路が組み込まれた制御基板81と、制御基板81を収容するボックス82と、ボックス82の側面に設けられる雌コネクタ83とを有している。雌コネクタ83は、ボックス82内部において制御基板81と接続されている。そして、制御基板81は、電源となるバッテリー(図示せず)に接続されており、トルク検出装置4に電流を供給している。さらに、電動モータ6と制御基板81とは、接続線(図示せず)によって結線されており、制御された電流が電動モータ6に供給されるようになっている。
図2は、トルク検出装置4の側面断面を示しており、図3は、図2におけるA矢視図である。なお、図2,3における操舵軸2は、図示を簡略化している。
図2,3に示すように、トルク検出装置4は、操舵軸2の外周に配置されてインピーダンスの変化によって当該操舵軸2に加えられるトルクを検出する検出コイル21と、検出コイル21の外周部21aから突出する、例えば2本のリードピン22と、リードピン22に一端部23aが接続されるワイヤーハーネス23とを備えている。ワイヤーハーネス23の他端部23bには、雄コネクタ23Aが設けられており、制御ユニット8の雌コネクタ83に接続される。
検出コイル21は、中空ドーナツ状のコイルケース部24と、コイルケース部24の内部に収容されたコイル部25と、コイルケース部24の外周面から突出する端子台26とを有しており、この端子台26に2本のリードピン22が所定の間隔をおいて突設されている。そして、コイル部25からはリード線(図示せず)が引き出され、このリード線が2本のリードピン22に端子台26の内部でそれぞれ巻回されるとともに、巻回された部分がはんだによって接合されている。
図4は、リードピン22に接続されたワイヤーハーネス23の一端部23aを部分的に示している。図5は、接続端子30を示しており,図6は、端子ホルダ32を示している。図7(a)は、図6におけるB矢視図であり、図7(b),(c)は、図7(a)におけるC−C断面,D−D断面を示している。なお、図5、図6は、主要部を詳細に示すために適宜図示を省略している。また、図4〜7において、リードピン22の軸方向を厚さ方向T、リードピン22のピン軸方向に直交する直交方向であるワイヤーハーネス23の長手方向を長さ方向L、2本のリードピン22が並ぶ方向を幅方向Wとする。また、リードピン22の突設端部をピン先X、ピン先Xの反対側の根元部をピン元Yとする。
図4に示すように、ワイヤーハーネス23は、一端部23aに設けられて2本のリードピン22に接続される2つの接続端子30と、各接続端子30にそれぞれの一端部31aが接続される導電性を有する2本のリード線31と、各接続端子30を保持する絶縁性の端子ホルダ32とを有している。
ワイヤーハーネス23は、接続端子30が端子ホルダ32に保持された状態でリードピン22のピン先X側に接続されている。そして、2つの接続端子30は、端子ホルダ32を幅方向W両側から挟むように配置されており、リードピン22同士の幅方向Wピッチと同一間隔で互いに略平行に配置されている。なお、リード線31の他端部31eは、上記した雄コネクタ23Aに接続されている(図2,3参照)。
図4,5に示すように、接続端子30は、各リードピン22に外挿される筒状のスリーブ34と、スリーブ34の外周面34aから長さ方向Lに延設されてリード線31の一端部31aが接続される平板状のリード線接続部である接続部35とを有している。スリーブ34の内周面34bとリードピン22の外周面22aとの間には、はんだ36が装填されており、スリーブ34とリードピン22との導電性が確保されている。
スリーブ34の側部34cには、径方向内方側へ切り起こされた切起部34dが設けられており、挿通されるリードピン22を径方向内側に向かって弾性的に押圧している。この切起部34dは、接続端子30がリードピン22から容易に抜けるのを防止している。また、切起部34dによって、はんだ36に溶け込み不良が発生した場合においても、スリーブ34とリードピン22との導電性を確保できるようになっている。
リード線31は、導電性を有するリード芯線31bの外周に保護被膜が被覆された被覆線部31cと、リード芯線31bの一端部31aの保護被膜が剥がされてリード芯線31bが露出した裸線部31dとを有している。
接続部35は、スリーブ34の厚さ方向Tピン先X側の先端側端面34eからピン元Y側に離れた状態になるようにスリーブ34の外周面34aに連結されている。そして、この接続部35には、長さ方向Lのスリーブ34側でリード線31の裸線部31dを圧着固定する第一圧着部35aと、長さ方向Lにおけるスリーブ34側の反対側で被覆線部31cを圧着固定する第二圧着部35bとが設けられている。
第一圧着部35aには、一対の第一折曲片35cが設けられており、裸線部31dを抱囲するように折り曲げられて当該裸線部31dが接続部35に圧着されている。そして、裸線部31dと接続部35とにおける導電性が確保されている。もう一方の第二圧着部35bには、一対の第二折曲片35dが設けられており、被覆線部31cを抱囲するように折り曲げられて当該被覆線部31cが接続部35に圧着されている。
なお、本実施形態における2つの接続端子30は、同一形状のものが採用されており、各接続端子30は、所定形状に切断された一枚板の一端部が折り曲げられて筒状のスリーブ34が形成されている。従って、製造コストの低減化が図られている。
図4,6に示すように、端子ホルダ32は、例えば熱可塑性ポリエステルからなるもので、スリーブ34同士が接触しないように幅方向Wに離反した状態で保持するスリーブ保持部40と、接続部35の折れ曲がりにより当該接続部35同士が接触しないように幅方向Wに離反した状態で保持する接続部保持部41とから構成されている。
スリーブ保持部40は、各スリーブ34同士の間に配置されて各スリーブ34を隔離するスリーブ隔壁部42と、スリーブ隔壁部42の幅方向W両端部42aに設けられてそれぞれのスリーブ34を保持する保持部本体43とを有している。
保持部本体43には、各スリーブ34を挿入するための2つの貫通孔44が、厚さ方向Tに貫通して形成されている。2つの貫通孔44は、2本のリードピン22の幅方向Wピッチと同一間隔に形成されている。また、接続部35が配置される部分の保持部本体43には、切欠部45が形成されている。
図7も参照して、図7(a),(b)に示すように、各貫通孔44の厚さ方向Tピン元Y側の縁部44aには、スリーブ34のピン元Y側の根元側端面34fを支持する円弧状のスリーブ支持台46が設けられている。このスリーブ支持台46は、スリーブ34が貫通孔44に対して厚さ方向Tに抜けてしまうのを防止している。
図7(c)に示すように、切欠部45は、保持部本体43における厚さ方向Tピン先X側端部43aからピン元Y側端部43bの手前まで切り込まれている。この切欠部45は、接続端子30がスリーブ34の軸心を中心に所定角度回動して接続部35が保持部本体43に干渉しない程度に、かつ、スリーブ34が貫通孔44から径外方向に抜けないように切り欠かれている。また、保持部本体43の厚さ方向Tピン元Y側端部43bには、接続部支持台47がスリーブ支持46と一体で設けられている。この接続部支持台47は、接続部35をピン元Y側から支持することで接続端子30が厚さ方向Tピン元Y側に移動するのを規制している。
なお、保持部本体43に形成される切欠部45は、図7(a)の左側の切欠部45Lと、同図の右側の切欠部45Rとで位置が異なって形成されている。これは、2つの接続端子30が同一形状であること、さらに、スリーブ34の軸心34Zが、接続部35を長さ方向Lに延長した仮想線35Lに対して幅方向Wにずれて設けられ、保持部本体43に対する各接続部35の配置される位置が幅方向Wで異なることに対応するためである。
接続部保持部41は、各接続部35同士の間に配置されて各接続部35を幅方向Wに隔離する接続部隔壁部57と、接続部隔壁部57によって隔離された接続部35を脱着可能に支持する一対の支持部48とを有している。
接続部隔壁部57の幅方向W両端部57aには、一対の翼部49が設けられている。この翼部49は、長さ方向Lにおける支持部48と保持部本体43との間に設けられており、第一圧着部35aの厚さ方向Tピン先X側に配置されている。この翼部49は、スリーブ34が端子ホルダ32の貫通孔44に対して厚さ方向Tピン先X側にスライドして抜けるのを防止している。
各支持部48は、接続部隔壁部57の両端部57aにおける厚さ方向T両端部から幅方向W外側に延びる一対の支持板50と、一対の支持板50の厚さ方向T内側の内面50aの幅方向W外側に形成される一対の爪部50bとを有している。一対の支持板50は、接続端子30の第二圧着部35bを弾性的に挟持している。また、支持板50は、互いに厚さ方向T外側に離反するように弾性変形させることで、第二圧着部35bを支持部48から取り外すことが可能である。また、一対の爪部50bは、厚さ方向T内側に向かって突出しており、支持部48から第二圧着部35bが容易に外れるのを防止している。
上記の端子ホルダ32は、スリーブ保持部40における厚さ方向Tのピン先X側の面S1が、接続部保持部41の厚さ方向Tのピン先X側の面S2より厚さ方向Tピン元Y側に低くなるように形成されており、スリーブ保持部40の保持部本体43が、スリーブ34の厚さ方向Tピン先X側の先端側端面34eから厚さ方向Tピン元Y側に離れた位置で当該スリーブ34を保持している。また、スリーブ34の先端側端面34eは、接続部保持部41のピン先X側の面S2より厚さ方向Tピン先X側に突出している。
なお、本実施形態では、端子ホルダ32によって接続端子30同士が略平行に配置されているが、図8に示すように、接続端子30の長さ方向Lスリーブ34側から接続部35側に向かうに従って互いの接続端子30が離反してハの字状に配置されるように端子ホルダ32を構成してもよい。
図9は、端子ホルダ32に接続端子30を取り付ける手順を示している。
まず、各スリーブ34を端子ホルダ32の各貫通孔44に挿入する。
図9(a)に示すように、各接続端子30を長さ方向Lスリーブ34側から接続部35側に向かうに従って互いの接続端子30が離反するようにハの字状に配置し、スリーブ34を貫通孔44に根元側端面34f側からそれぞれ挿入する。この挿入時において、スリーブ34の根元側端面34fがスリーブ支持台46に当接するまでスリーブ34を貫通孔44に挿入する。
次に、接続部35を接続部保持部41の支持部48に支持させる。
図9(b)に示すように、ハの字状に配置した接続端子30同士をスリーブ34の軸心を中心として接続部35が互いに近接するように回動させ、接続部35の第二圧着部35bを一対の支持板50の間にそれぞれ挟み込む。この時、第一圧着部35aは、翼部49の厚さ方向Tピン元Y側に配置される。なお、保持部本体43には、上記の切欠部45が形成されているので、接続部35が当該保持部本体43に干渉することなく接続端子30を回動させることができる。
このようにして、端子ホルダ32に接続端子30を装着することができる。なお、端子ホルダ32から接続端子30を取り外すには、上記の逆の手順で行えばよい。
ここで、トルク検出装置4のリードピン22と接続端子30とを接合するはんだ付け作業について説明する。
はんだ付け作業は、まず、接続端子30に端子ホルダ32が取り付けられたワイヤーハーネス23のスリーブ34をリードピン22に外挿する。スリーブ34がリードピン22に外挿された状態において、リードピン22のピン先Xを下方に向け、加熱によって流動化したはんだ槽(図示せず)に浸ける。浸ける深さは、スリーブ34の先端側端34eがはんだ槽の液面に触れる程度に浸す。はんだ槽に浸されたスリーブ34の内周面34bとリードピン22の外周面22aとの間には、はんだが毛細管現象によって吸い上げられて装填される。装填されたはんだは、十分に行き渡ると切起部34dから若干溢れ出るので、それを確認した後、はんだ槽から引き上げる。引き上げられたはんだは空気中で冷却されて硬化し、はんだ付け作業が終了する。
次に、上記のように構成された電動パワーステアリング装置PSの動作について説明する。運転者が操舵ホイールSを操舵することによって、操舵軸2に操舵力が発生する。このとき、トーションバー1に捩れが生じ、その捻れ角をトルク検出装置4によって検出する。検出コイル21から検出信号がリードピン22、ワイヤーハーネス23を介して制御回路が組み込まれた制御基板81に出力され、制御回路で演算処理されることによって電動モータ6へ供給する電流値が設定される。そして、設定された電流が制御基板81から電動モータ6に供給される。電流が供給されることによって駆動する電動モータ6の動力が、回転軸61、ウォーム軸72及びウォームホイール73を介して操舵軸2に操舵補助力として付与される。このように、操舵ホイールSに入力される操舵力の大きさに応じた操舵補助力が操舵軸2に付与され、運転者が操舵ホイールSを操舵する負荷が軽減される。
上記のように構成された電動パワーステアリング装置PSによれば、端子ホルダ32が、スリーブ34同士が接触しないように離反した状態で保持するスリーブ保持部40と、接続部35の折れ曲がりにより当該接続部35同士が接触しないように離反した状態で保持する接続部保持部41とから構成されているので、ワイヤーハーネス23の接続端子30を一つずつ各リードピン22に接続することなく、ワイヤーハーネス23の一端部23aを一度にスリーブピン22に接続することができる。そして、スリーブ34がスリーブ保持部40の貫通孔44に挿入されて保持され、接続部35が接続部保持部41の支持部48で保持されることで、接続端子30の長さ方向Lにおける両端が保持されていることになる。従って、ディッピングによるはんだ付け作業時などにおいても接続部35が折れ曲がることも防ぐことができる。つまり、それぞれの接続端子30を確実に位置固定することができるので、接続端子30同士が接触するのをより確実に防止することができる。
また、スリーブ保持部40が、厚さ方向Tピン先X側で接続部保持部41より低くなるように形成され、スリーブ34の厚さ方向Tピン先X側の先端側端面34eから厚さ方向Tピン元Y側に離れた位置で当該スリーブ34を保持しているので、ディッピングによるはんだ付け作業時に、高温のはんだ槽からの熱によって端子ホルダ32が溶損するのを防ぐことができる。さらに、接続部隔壁部57が各接続部35同士の間に配置されて各接続部35を隔離するとともに、支持部48が接続部隔壁部57によって隔離された接続部35を支持するので、より一層確実に接続端子30同士の接触を防止することができる。また、端子ホルダ32と接続端子30とを分離することができるので、端子ホルダ32を単品部品として製造することができる。従って、端子ホルダ32と接続端子30とが一体で構成される場合と比べて、製造コストを削減することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、端子ホルダ32は、複数本のリードピン22に適用することが可能である。リードピン22が4本の場合には、2つの端子ホルダ32を用いてもよく、4本のリードピン22を1つの端子ホルダで支持する別の端子ホルダを構成してもよい。
また、電動パワーステアリング装置PSは、電動モータ6が操舵機構5側に設けられて操舵補助力を作用させてもよい。
本発明の実施形態にかかる電動パワーステアリング装置を模式的に示す構成図である。 トルク検出装置の側面を示す部分断面図である。 図2におけるA矢視図である。 ワイヤーハーネスを示す斜視図である。 接続端子を示す斜視図である。 端子ホルダを示す斜視図である。 (a)は図6におけるB矢視図であり、(b),(c)は(a)におけるC−C断面図,D−D断面図である。 ワイヤーハーネスを示す部分平面図である。 端子ホルダに接続端子を取り付ける工程を示す工程図である。
符号の説明
PS 電動パワーステアリング装置
2 操舵軸(回転体)
4 トルク検出装置
6 電動モータ
8 制御ユニット
21 検出コイル
21a (検出コイルの)外周部
22 リードピン
23 ワイヤーハーネス
23a (ワイヤーハーネスの)一端部
30 接続端子
31 リード線
31a (リード線の)一端部
32 端子ホルダ
34 スリーブ
34e 先端側端面(ピン軸方向先端側の端面)
35 接続部(リード線接続部)
40 スリーブ保持部
41 接続部保持部
44 貫通孔
57 接続部隔壁部(隔壁部)
48 支持部
81 制御基板

Claims (6)

  1. 転体に加えられるトルクを検出する検出コイルと、前記検出コイルから突出する複数のリードピンと、前記リードピンに一端部が接続されるワイヤーハーネスとを備えているトルク検出装置であって、前記ワイヤーハーネスは、
    導電性を有する複数本のリード線と、
    前記各リードピンに外挿される筒状のスリーブ、及び、当該スリーブから前記リードピンのピン軸方向に直交する方向に延設されて前記リード線の一端部が接続される接続部、を有する複数の接続端子と、
    前記複数の接続端子を保持する絶縁性の部材であって、前記スリーブ同士が接触しないように離反した状態で保持するスリーブ保持部、及び、前記接続部の折れ曲がりにより当該接続部同士が接触しないように離反した状態で保持する接続部保持部、を有する端子ホルダとを備え、
    前記スリーブ保持部は、ピン軸方向の厚さがピン軸方向先端側で前記接続部保持部より低くなるように形成され、前記スリーブのピン軸方向先端側の端面からピン軸方向に離れた位置で当該スリーブを保持していることを特徴とするトルク検出装置。
  2. 前記接続部保持部は、前記各接続部同士の間に配置されて前記各接続部を隔離する隔壁部と、前記隔壁部によって隔離された前記接続部を支持する支持部とを有していることを特徴とする請求項1に記載のトルク検出装置。
  3. 前記スリーブ保持部には、ピン軸方向に貫通して前記スリーブが挿脱可能に挿入される複数の貫通孔が形成され、前記接続部保持部は、前記接続部を脱着可能に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のトルク検出装置。
  4. 検出コイルから突出する複数のリードピンに一端部が接続されるワイヤーハーネスにおいて、
    導電性を有する複数本のリード線と、
    前記各リードピンに外挿される筒状のスリーブ、及び、当該スリーブから前記リードピンのピン軸方向に直交する方向に延設されて前記リード線の一端部が接続される接続部、を有する複数の接続端子と、
    前記複数の接続端子を保持する絶縁性の部材であって、前記スリーブ同士が接触しないように離反した状態で保持するスリーブ保持部、及び、前記接続部の折れ曲がりにより当該接続部同士が接触しないように離反した状態で保持する接続部保持部、を有する端子ホルダとを備え、
    前記スリーブ保持部は、ピン軸方向の厚さがピン軸方向先端側で前記接続部保持部より低くなるように形成され、前記スリーブのピン軸方向先端側の端面からピン軸方向に離れた位置で当該スリーブを保持していることを特徴とするワイヤーハーネス。
  5. トルク検出装置を備えている電動パワーステアリング装置であって、
    操舵軸に加えられるトルクを検出する検出コイルと、前記検出コイルから突出する複数のリードピンと、前記検出コイルが検出したトルクに基づいて操舵補助用電動モータを制御する制御ユニットとを備え、
    前記リードピンと前記制御ユニットを構成する制御基板とを接続するワイヤーハーネスとして請求項4に記載のワイヤーハーネスを用いていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  6. リードピンに外挿される筒状のスリーブと、前記スリーブから前記リードピンのピン軸方向と直交する方向に延設されたリード線接続部とを有する複数の接続端子を保持する絶縁性の端子ホルダであって、
    前記スリーブ同士が接触しないように離反した状態で保持するスリーブ保持部と、
    前記接続部の折れ曲がりにより当該接続部同士が接触しないように離反した状態で保持する接続部保持部とを有し、
    前記スリーブ保持部は、ピン軸方向の厚さがピン軸方向先端側で前記接続部保持部より低くなるように形成され、前記スリーブのピン軸方向先端側の端面からピン軸方向に離れた位置で当該スリーブを保持していることを特徴とする端子ホルダ。
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