JP4472884B2 - 溶融熱転写インク受像シート - Google Patents

溶融熱転写インク受像シート Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、溶融熱転写インク受像シートに関し、耐擦傷性に優れるとともに、写真製版焼付け用フィルムとして有用な、記録画像の画像濃度および網点再現性に優れた溶融熱転写インク受像シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
感熱写真記録法は、銀塩写真記録法や電子写真記録法に比較して現像や定着などの後処理が不要であることから、現像処理廃棄物を発生させない各種ハードコピー作製方法として使用されてきた。感熱写真記録法には、発色剤、顕色剤、増感剤などをバインダー樹脂中に分散してなる感熱発色層を受像シート上に設け、該感熱発色層を加熱発色させる直接発色法と、溶融熱転写インク層を有するインクリボンを受像シートに転写する溶融熱転写法がある。
【0003】
直接発色法により写真製版工程に使用される写真製版焼付け用フィルムを作製しようとすると、小さな文字や精細な網点を再現することができ、高解像な画像を得ることができる。しかし、写真材料を焼付けるために十分な画像濃度が得られず、実用に供することが困難であった。
【0004】
一方、溶融熱転写法により写真製版工程に使用される写真製版焼付け用フィルムを作製する場合、インクリボンの溶融熱転写インク層の膜厚を厚くして高遮光性を与えることにより、写真材料を焼付けるために十分な画像濃度を得ることができる。しかし、溶融熱転写インク層の膜厚の厚いインクリボンを使用して透明プラスチックフィルムなどの従来公知の受像シートに記録すると、転写された画像の受像シートに対する定着性が不十分なことや転写が不均一なことにより、小さな文字や精細な網点を再現することができなかった。
【0005】
これらの問題を解決するため、溶融熱転写インク層の膜厚が薄くかつ高遮光性のインクリボンを使用する必要があるが、透明プラスチックフィルムなどの従来公知の受像シートに記録した場合、転写された画像に、十分な画像濃度と耐擦傷性を備えさせることができなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
画像に耐擦傷性を持たせるためには、溶融熱転写インク受像シートの受像表面を粗面化し、溶融熱転写インクを受像シート中に埋め込み、インクの定着性を向上させる手段が考えられる。しかし、受像表面を粗面化した場合、耐擦傷性は向上するが、受像表面の凸部分が溶融熱転写インクから突き出してピンホールが発生してしまう。ピンホールの発生は画像濃度を低下させ、高品質な網点を構成することができず、写真製版工程上、網点の再現性が劣るという問題があつた。この問題は、上記したように、精細な網点の再現を目標としてインク層の膜厚が薄くかつ高遮光性なインクリボンを使用する場合、特に顕著であった。
【0007】
一方、受像表面の粗面化の程度を小さくすることにより、ピンホールの発生を抑制することができる。しかし、このようにすると、溶融熱転写インクの定着性が不十分となり、画像の耐擦傷性が低下してしまう。さらに、この場合、受像表面上の画像が重ねて転写するインクリボンに逆転写されてしまう、いわゆる逆転写現象が発生し、画像の一部が脱落し、やはり網点再現性が劣ってしまう問題があつた。
【0008】
そこで、本発明は、溶融熱転写インク層の膜厚が薄いインクリボンを使用した場合においても、画像の耐擦傷性に優れ、かつ網点再現性と画像濃度にも優れ、写真製版工程に使用される写真製版焼付け用フィルムとして有用な溶融熱転写インク受像シートを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく、溶融熱転写インク受像シート表面の粗面化形状について鋭意研究した結果、画像の耐擦傷性については表面粗さ(JIS-B0601)の算術平均粗さRaと相関があるが、画像濃度や網点再現性に関しては算術平均粗さRaは必ずしもその良否に反映せず、十点平均粗さRzとの相関があること、Raを所定の範囲とすることに加えてRzを所定の範囲とすることにより、耐擦傷性に優れつつ良好な画像濃度および網点再現性が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明の溶融熱転写インク受像シートは、支持体上に、画像受理層、オーバーコート層を有してなり、前記オーバーコート層は、アクリロニトリル、メタクリル酸メチルから選ばれるモノマーを含む単独重合体あるいは共重合体であるガラス転移温度50〜120℃のエマルジョン樹脂から形成されてなり、前記オーバーコート層表面は、表面粗さ(JIS-B0601)が算術平均粗さRaで0.15〜0.60μmであり、十点平均粗さRzで1.0〜2.5μmであることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の溶融熱転写インク受像シート(以下、単に「受像シート」という場合もある。)は、支持体上に受像表面を有する受像シートであって、前記受像表面は、表面粗さ(JIS-B0601)が算術平均粗さRaで0.15〜0.60μmであり、十点平均粗さRzで1.0〜2.5μmであることを特徴とするものである。以下、各構成要素の実施の形態について説明する。
【0013】
図1は、本発明の溶融熱転写インク受像シート4の一態様を示す図で、この受像シート4は支持体1、画像受理層2、受像表面3からなり、全体として紫外線透過性を有する。紫外線透過性は、受像シート4全体として、紫外線透過濃度が0.3未満であることが好ましい。紫外線透過濃度を0.3未満とすることにより、非画像部の紫外線透過性が良好となり、写真製版作業上支障をきたすことがない。
【0014】
支持体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステルなどの透明プラスチックフィルムなどがあげられる。また、これら支持体を2枚以上ラミネート加工したものも使用できる。これらの中でも、機械的強度、寸法安定性、耐化学薬品性、耐水性、紫外線透過性に優れるポリエステルフィルムが好適に使用される。
【0015】
支持体の厚みは特に限定されるものではないが、写真製版焼付け用フィルムとしての用途、溶融熱転写印字装置中での走行性、インクリボンの転写のしやすさなどの点から、30〜200μmの厚みのものが好適に使用される。
【0016】
支持体上に、後述する画像受理層を形成するような場合は、良好な接着性を得るため、支持体上に易接着層を設けたり、支持体をプラズマ処理、コロナ放電処理、遠赤外線処理などすることが望ましい。
【0017】
受像表面は、その表面粗さ(JIS-B0601)が、算術平均粗さRaで0.15〜0.60μm、好ましくは0.20〜0.50μmであることが望ましい。算術平均粗さRaを0.15μm以上とすることにより、受像表面に対する溶融熱転写インク(以下、単に「インク」という場合もある。)の定着性が向上し、記録された画像に十分な耐擦傷性を備えさせることができ、また、画像記録後の受像シートを写真製版焼付け用フィルムとして使用する場合に、真空吸引密着性および分離性が向上し、作業性を向上させることができる。算術平均粗さRaを0.60μm以下とすることにより、受像表面の谷(凹部)にもインクリボンを転写することができ、受像表面の山(凸部)から谷(凹部)の表面形状にしたがってインクリボンを転写することができる。これによりインクの定着性が十分なものとなる。
【0018】
また、受像表面は、十点平均粗さRzで1.0〜2.5μm、好ましくは1.2〜2.3μmである。十点平均粗さRzを1.0μm以上とすることにより、インクの定着性が十分なものとなり、受像表面上の画像が重ねて転写するインクリボンに逆転写されてしまう、いわゆる画像の逆転写現象の発生が抑制され、画像の一部が脱落することがなくなり、良好な網点再現性および画像濃度を得ることができる。十点平均粗さRzを2.5μm以下とすることにより、ベタ画像部のピンホールの発生を抑制することができ、良好な画像濃度および網点再現性を得ることができる。このように、画像受理層の表面粗さを十点平均粗さRzで制限するのは、算術平均粗さRaを所定の値にするのみでは、そのRa値よりも標高がかなり高い山(凸部)が含まれていても、積分した面積が小さい値となる場合もあり、その場合、そのような山(凸部)にインク層を転写するとインク層から山(凸部)が突き出し、その部分に対応してインクが転写されなくなり(ピンホールが発生し)、画像濃度や網点再現性が低下するからである。これに対し、十点平均粗さRzでは、Rz値よりも極端に標高が高い山が含まれることはないので、この値を適切な範囲とすることにより、画像濃度や網点再現性が良好なものとなる。
【0019】
ここで、算術平均粗さRaとは、評価長さの粗さ曲線の山と谷の各標高の絶対値を積分して評価長さで割り均等な標高として求めた値をいい、十点平均粗さRzとは、カットオフ値と等しいサンプリング長さのN倍の評価長さの粗さ曲線をN等分し、各区間毎に第1位から第5位までの高さの山頂の平均標高と第1位から第5位までの深さの谷底の平均標高の間隔Rz’を求めたときのN個のRz’の算術平均値をいう。
【0020】
このような形状の受像表面を得る手段は特に限定されない。例えば、支持体上に、バインダー樹脂と粗面化剤を含む画像受理層用塗布液を塗布、乾燥して画像受理層を形成する表面塗布法があげられる。その他、支持体表面に微細な珪砂を高速で吹き付けるサンドブラスト法、支持体表面を化学薬品に浸漬処理するケミカルエッチング法などがあげられる。これら受像表面は、支持体の片面あるいは両面に設けられる。上記例示した手段で最も好ましいのは、表面塗布法である。
【0021】
画像受理層を構成するバインダー樹脂としては、公知の高分子樹脂をあげることができる。例えば、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸メチル・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデン・塩化ビニル共重合体、ポリウレタン、ポリビニルブチラール、硝酸セルロース、酢酪酸セルロース、ポリエステルなどの有機溶剤可溶性樹脂、および、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、ポリメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、水溶性ナイロンなどの水溶性樹脂などである。水溶性樹脂を使用する場合、受像表面の耐水性および画像の定着性を改善するためにグリオキザール、尿素ホルマリン樹脂、トリメチロールメラミン樹脂など公知の耐水化剤およびエマルジョン化された有機溶剤可溶性樹脂を併用することが好ましい。これらバインダー樹脂の中でも、溶融熱転写インクの定着性に優れた(メタ)アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸メチル・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリエステルが好適に使用される。
【0022】
画像受理層に含まれる粗面化剤としては、公知の無機物微粉末および有機物微粉末があげられる。無機物微粉末としては、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、シリカ、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化チタン、クレー、アルミナなどが、有機物微粉末としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ナイロン樹脂、ポリエチレン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂などがあげられる。これら粗面化剤は、単独であるいは2種以上混合して使用することができる。これら粗面化剤の中でも、画像受理層塗布液として調製する際の粗面化剤の分散性、紫外線透過性の観点からシリカ、特に無定形シリカが好ましい。
【0023】
粗面化剤は、平均粒径が1.0〜5.0μm、好ましくは2.0〜4.0μmの範囲のものが望ましい。また 粒度分布の狭いものが好適である。平均粒径が5.0μmを超える場合や、平均粒径が小さくても粒度分布が広く大きな粒径を含む場合には、十点平均粗さRzが2.5μmを超えてしまい、良好な画像濃度や網点再現性を得ることができない。また、平均粒径が1.0μm未満の場合には、ほとんどが画像受理層を構成する樹脂バインダー中に埋もれてしまい粗面化表面を形成することができず、十分なインク定着性を得ることができない。
【0024】
粗面化剤の添加量は、所定の表面粗さを形成するために、バインダー樹脂100重量部に対して5〜100重量部、好ましくは10〜60重量部の範囲であることが望ましい。また、粗面化剤の添加量を、バインダー樹脂100重量部に対して、5重量部以上とすることにより画像受理層にインク定着性を付与することができ、100重量部以下とすることにより受像シートの紫外線透過濃度を0.3未満にすることができ、写真製版焼付け時の紫外線透過性を良好なものとすることができる。
【0025】
画像受理層には、上述したバインダー樹脂、粗面化剤の他に、上記した特性を損なわない範囲で、導電剤、着色剤、チキソトロピー性付与剤、レベリング剤などを添加することができる。
【0026】
画像受理層の厚みは特に限定されないが、1〜10μm、好ましくは3〜7μmの範囲であることが望ましい。1μm以上とすることにより画像の定着性を付与することができ、10μm以下とすることにより画像受理層の可撓性が維持され、また、写真製版焼付け時の紫外線透過性を良好なものとすることができる。
【0027】
表面塗布法によって粗面化された受像表面を得る場合、画像受理層を構成する粗面化剤、バインダー樹脂などからなる画像受理層塗布液は、公知の分散手段、例えば、ボールミル、サンドグラインダー、アトライター、ロールミル、高速インペラー分散機などにより分散して調製される。分散して調製された画像受理層用塗布液を、ロールコーティング、バーコーティング、ブレードコーティングなどの公知の塗布法により支持体上に塗布・乾燥して画像受理層を形成し、粗面化された受像表面を得ることができる。
【0028】
なお、本発明の好ましい態様として、受像シートの表面に、エマルジョン樹脂を含むオーバーコート層を有することが好ましい。エマルジョン樹脂としては、エチレン、スチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリル酸メチルなどから選ばれるモノマーの単独重合体あるいは共重合体エマルジョンがあげられる。具体的には、メタクリル酸メチル重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、アクリル・スチレン共重合体などのエマルジョンである。このようなエマルジョン樹脂を含むことにより、画像の逆転写現象を効果的に抑制することができ、画像濃度や網点再現性を向上させることができる。これらエマルジョン樹脂の中でも、インクリボンの過剰転写を抑制し、網点の太りを発生させず、網点再現性を向上させることができる、ガラス転移温度50〜120℃のエマルジョン樹脂が好適に使用される。
【0029】
受像シートにおいては、溶融熱転写印字装置からの排出性を良好とするため、上述した画像受理層やオーバーコート層中に帯電防止剤を含むこと、あるいは、受像シートの最表面側に、上記した性能を害しない範囲で帯電防止層を設けることが好ましい。受像シートの表面抵抗率(JIS-K6900)は、20℃・65%RH条件下で107〜1010Ωとすることが好ましい。帯電防止剤としては、第4級アンモニウム塩などの公知の帯電防止剤を使用することができる。
【0030】
本発明の受像シートは、ダイレクトサーマルプリンタなどの溶融熱転写印字装置によってインクが転写される。使用されるダイレクトサーマルプリンタは、厚膜あるいは薄膜のライン型サーマルヘッドを設けたラインプリンタあるいは、薄膜シリアル型サーマルヘッドを設けたシリアルプリンタの何れのタイプでも良い。サーマルヘッドの記録エネルギー密度は、10〜100mJ/mm2が好ましく、高精細な網点を得るためには、サーマルヘッドの画像記録密度は、16ドット/mm2以上のものが好ましい。
【0031】
溶融熱転写印字装置に使用するインクリボンは、厚み2〜6μmのポリエステルフィルムなどからなる支持体上に、溶融熱転写インク層(以下、単に「インク層」という場合もある。)を設けたものである。インク層は、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、カルナウバワックス、キャンデリワックス、モンタンワックス、ラノリンワックスなどの融点が60〜120℃のワックス類、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、アミド樹脂、ポリテルペン樹脂などの軟化点が60〜200℃のバインダー樹脂、カーボンブラック、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリン系顔料などの着色顔料などからなる。
【0032】
インクリボンは、インク層の厚みが0.5〜4.0μmで、かつ紫外線透過濃度が3.0以上の遮光性を有するインクリボンが好ましい。さらに好ましいインクリボンとしては、良好な網点再現性が得られ、写真材料を焼付けるに十分な画像濃度が得られる、インク層の厚みが1.5〜2.5μmで、かつ紫外線透過濃度が4.0以上の遮光性を有するものである。インクリボンの色相は、特に限定されず、写真材料を焼付けるのに十分な紫外線遮光性が得られれば良い。但し、画像の目視による確認のしやすさから赤色、茶色、緑色、黒色が好ましい。
【0033】
以上のように、本発明の受像シートは、表面粗さRaおよび十点平均粗さRzを特定の範囲としたものであるから、インク層が薄膜のインクリボンを使用した場合でも、画像の耐擦傷性に優れるのみならず、ピンホールおよび画像の逆転写現象の発生がなく、かつ画像濃度が低下することなく、小さな文字や精細な網点の再現性に優れている。従って、このような受像シートは、写真製版用の焼付けフィルムとして、オフセットPS版製版、感光性シルク版製版、感光性フレキソ版製版、金属エッチング用ドライフィルム焼付け、感光性レジストインキ焼付けなど各種の用途に使用できる。特に、網点再現性と画像濃度に優れるものであるから、オフセットPS版製版の焼付け用フィルムとして好適に使用される。
【0034】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に説明する。なお、「部」、「%」は特に示さない限り、重量基準とする。
【0035】
参考例1]表面が易接着処理された厚み75μmのポリエステルフィルム(コスモシャインA4300:東洋紡績社)上に、下記の画像受理層塗布液を乾燥後の厚みが5μmとなるように塗布、乾燥して画像受理層を形成し、受像シートを得た。
【0036】
<画像受理層塗布液>
・ポリエステル樹脂溶液(固形分40%) 50部
(バイロンGK810:東洋紡績社)
・シリカ微粉末(平均粒径3.0μm) 5部
(サイリシア730:富士シリシア化学社)
・シリカ超微粉末(平均粒径16nm) 1部
(アエロジルR972:日本アエロジル社)
・トルエン 44部
・シクロヘキサノン 15部
・酢酸ブチル 15部
・シリコーン油 0.1部
(ペインタッドM:ダウコーニング社)
以上の混合物をペイントシェーカーで120分間分散して塗布液とした。
【0037】
[実施例2]参考例1で得られた受像シートの画像受理層上に、下記のオーバーコート層塗布液を乾燥後の厚みが0.1μmとなるように塗布、乾燥してオーバーコート層を形成し、受像シートを得た。
【0038】
<オーバーコート層塗布液>
・エマルジョン樹脂(ガラス転移温度108℃) 10部
(アクアテックスES-90:中央理化工業社)
・スルフォン化ポリスチレンアンモニウム塩 2部
(VERSA-TL125:カネボウ・エヌエスシー社)
・エチルアルコール 30部
・水 58部
【0039】
[比較例1]
表面が易接着処理された厚み75μmのポリエステルフィルム(コスモシャインA4300:東洋紡績社)上に、下記の画像受理層塗布液を乾燥後の厚みが5μmとなるように塗布、乾燥して画像受理層を形成し、受像シートを得た。
【0040】
<画像受理層塗布液>
・ポリエステル樹脂溶液(固形分40%) 50部
(バイロンGK810:東洋紡績社)
・シリカ超微粉末(平均粒径16nm) 1部
(アエロジルR972:日本アエロジル社)
・トルエン 44部
・シクロヘキサノン 15部
・酢酸ブチル 15部
・シリコーン油 0.1部
(ペインタッドM:ダウコーニング社)
【0041】
[比較例2]
表面が易接着処理された厚み75μmのポリエステルフィルム(コスモシャインA4300:東洋紡績社)上に、下記の画像受理層塗布液を乾燥後の厚みが5μmとなるように塗布、乾燥して画像受理層を形成し、受像シートを得た。
【0042】
<画像受理層塗布液>
・ポリエステル樹脂溶液(固形分40%) 50部
(バイロンGK810:東洋紡績社)
・シリカ微粉末(平均粒径6.0μm) 4部
(サイリシア770:富士シリシア化学社)
・シリカ超微粉末(平均粒径16nm) 1部
(アエロジルR972:日本アエロジル社)
・トルエン 44部
・シクロヘキサノン 15部
・酢酸ブチル 15部
・シリコーン油 0.1部
(ペインタッドM:ダウコーニング社)
以上の混合物をペイントシェーカーで60分間分散して塗布液とした。
【0043】
参考例1、実施例2および比較例1、2で得られた受像シートにつき、JIS-B0601に準じて受像表面の表面粗さ(算術平均粗さRa、十点平均粗さRz)を測定した。結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
Figure 0004472884
【0045】
参考例1、実施例2および比較例1、2で得られた受像シートについて、溶融熱転写印字装置(キモセッター340:きもと社)を使用し、平網網点(80線、面積率5〜100%)を転写した後、以下の項目の評価を行った。結果を表2に示す。なお、インクリボンとしては、インク層の厚みが2.0μmで紫外線透過濃度が4.0のものを使用した。
【0046】
(1)耐擦傷性
網点黒ベタ部分について、表面測定機(ヘイドン-14:新東科学社)を使用して傷を発生させ、白抜けした線状の傷が発生する最小荷重より耐擦傷性を評価した。その結果、最小荷重が、80g以上のものを「○」、80g未満のものを「×」とした。なお、測定は、0.1mm径のサファイヤ針を使用し、引掻速度を200mm/分として行った。
(2)ピンホール
網点黒ベタ部分について、高輝度ライトテーブル上で50倍ルーペにより目視観察してピンホールがほとんど観察されないものを「○」、多く観察されるものを「×」とした。
(3)逆転写
平網網点面積率10〜40%の部分について、網点の一部が水平直線状に欠落していないものを「○」、やや欠落しているものを「△」、欠落しているものを「×」とした。
(4)透過濃度
網点の非画像部分について、透過濃度計(TD−904:マクベス社)を使用して紫外線透過濃度を測定した。その結果、透過濃度0.3未満のものを「○」、0.3以上のものを「×」とした。なお、測定は紫外線フィルタを使用し、測定アパチャーサイズを2mmとして行った。
(5)画像濃度
網点黒ベタ部分について、透過濃度計(TD−904:マクベス社)を使用して紫外線透過濃度を測定した。その結果、透過濃度2.8以上のものを「○」、2.8未満のものを「×」とした。なお、測定は紫外線フィルタを使用し、測定アパチャーサイズを2mmとして行った。
【0047】
【表2】
Figure 0004472884
【0048】
参考例1の受像シートは、受像表面が、算術平均粗さRaで0.15〜0.60μmであり、十点平均粗さRzで1.0〜2.5μmのものである。従って、耐擦傷性、ピンホール発生性、逆転写性、画像濃度などを満足するものであった。
【0049】
実施例2の受像シートは、実施例1の受像シートにガラス転移温度50〜120℃のエマルジョン樹脂を含むオーバーコート層を設けたものである。従って、耐擦傷性、ピンホール発生性、画像濃度などを満足するものであり、かつ逆転写性が実施例1の受像シートよりもさらに良好なものであった。
【0050】
比較例1のものは、受像表面が、算術平均粗さRaは0.15μm未満のものである。従って、画像の耐擦傷性、逆転写性が不良であった。
【0051】
比較例2のものは、受像表面が、算術平均粗さRaは0.15〜0.60μmの範囲であるが、十点平均粗さRzは1.0〜2.5μmの範囲にないものである。従って、画像にピンホールが発生してしまい、画像濃度も十分なものではなかった。
【0052】
【発明の効果】
以上のように、本発明の溶融熱転写インク受像シートは、受像表面の表面粗さを特定の範囲としたものであるから、画像の耐擦傷性に優れるのみならず、ピンホール、画像の逆転写現象を防止することができ、画像濃度の低下がなく、優れた網点を構成することができる。このように、本発明の溶融熱転写インク受像シートは、画像濃度と網点再現性に優れるものであるから、写真製版焼付け用フィルムとして好適に使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の溶融熱転写インク受像シートの一実施例を示す断面図
【符号の説明】
1・・・支持体
2・・・画像受理層
3・・・受像表面
4・・・溶融熱転写インク受像シート

Claims (2)

  1. 支持体上に、画像受理層、オーバーコート層を有してなり、前記オーバーコート層は、アクリロニトリル、メタクリル酸メチルから選ばれるモノマーを含む単独重合体あるいは共重合体であるガラス転移温度50〜120℃のエマルジョン樹脂から形成されてなり、前記オーバーコート層表面は、表面粗さ(JIS-B0601)が算術平均粗さRaで0.15〜0.60μmであり、十点平均粗さRzで1.0〜2.5μmであることを特徴とする溶融熱転写インク受像シート。
  2. 請求項1記載の溶融熱転写インク受像シートのオーバーコート層側に、支持体上に熱溶融転写インク層を有するインクリボンを備えた溶融熱転写印字装置を用いてインク層を転写して画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
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