JPH0248894B2

JPH0248894B2 - Denshishashinheibaninsatsugenbanyoshijitai

Info

Publication number: JPH0248894B2
Application number: JP756382A
Authority: JP
Inventors: Kyoshi Fukazawa; Takayoshi Matsura
Original assignee: Ricoh Co Ltd
Current assignee: Ricoh Co Ltd
Priority date: 1982-01-22
Filing date: 1982-01-22
Publication date: 1990-10-26
Anticipated expiration: 2002-01-22
Also published as: JPS58124695A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、電子写真平版印刷原版用支持体に関
する。一般の電子写真平版印刷用原版は、支持体原紙
の表面にアンダー層を塗工し、この上に直接又は
耐水層を介して酸化亜鉛・樹脂分散系の感光層
（光導電層）を塗工し、また必要により支持体裏
面に導電処理層（バツク層）を設けて成るもので
ある。この種の印刷用原版は、帯電、露光、現像を行
い赤外線ヒーター等の熱源を用い熱定着して印刷
用原版とするが、従来のものでは、画像部が黒色
トナーで非画像部は黒以外（ピンク、白、青、紫
等）の色であることにより、熱定着時に黒色であ
る画像部には熱吸収が多く非画像部では熱吸収能
が少ない現象が現われ、このために画像部と非画
像部に熱収縮の差を生じ画像部、特にベタ画像周
辺には前記収縮による歪を発生するものであつ
た。この歪は印刷を開始すると原版がマスターシリ
ンダーとブランケツトシリンダーでプレスされ歪
の発生した部分でシワとなり印刷が不可能となつ
たり印刷物の画像が二重画像になる問題があり、
平版印刷用原版としては致命的欠点であつた。本発明の目的は、上記欠点を改善した電子写真
平版印刷用原版を提供することにあり、本発明者
らは鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに
至つた。即ち、本発明の電子写真平版印刷原版用支持体
は、支持体原紙の片面又は両面に、エマルジヨン
性樹脂単独又は該樹脂と水溶性高分子樹脂とから
なるバインダー中にカーボンブラツクを含有せし
めた下引き層を設けたことを特徴とするものであ
る。従来の印刷原版用支持体に、カーボンブラツク
を支持体原紙に内添したものや、バツク層中に含
有したものが知られているが、前者は原紙中にカ
ーボンブラツクを内添しないものよりも印刷伸び
が顕著であり、後者は感光層へのカーボンブラツ
クの付着による汚れが生じ感光特性の低下を招き
やすい欠点を有するものであり、ほとんどカーボ
ンブラツクを低抵抗処理剤として使用していた。本発明によれば、カーボンブラツクを主成分と
する下引き層を原紙の片面又は両面に設けること
によつて熱収縮による歪を防止し非常に耐久性の
優れた印刷原版を提供することができる。更に、本発明を添付の図面に基づいて詳述す
る。第１図イ，ロは、本発明の支持体を用いた印刷
用原版の概略図である。図中、１は支持体原紙、
２は下引き層、３はバツク層、４はアンダー層、
５は耐水層（必要に応じて設ける）、６は感光層
を示し、第１図−イは２の下引き層を原紙の片面
（表面）に設けた場合、第１図−ロは原紙の両面
に設けた場合を示す。本発明の最も特長とする所はカーボンブラツク
を主成分とする下引き層を設けることである。カ
ーボンブラツクを下引き加工することによつてカ
ーボンブラツクの持つ光吸収能を十分生かすこと
が可能で他の黒色顔料及び染料にはない特性を引
き出したものである。又、カーボンブラツク下引き加工をした場合の
画像部と非画像部との熱収縮の差は、これまでの
下引き加工のない原版に比べて非常に小さく画像
部周辺の歪は全くといつてよいほどなく、従つて
印刷時のシワの発生もなく優れた原版が得られる
ものである。下引き層のバインダーとしてエマルジヨン性樹
脂を使用する。エマルジヨン性樹脂の具体例を挙
げると、アクリル酸エステル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、塩化ビニル樹脂、スチレン−ブタジエン共重
合体、メチルメターブタジエン共重合体、アルキ
ツド樹脂、フエノール樹脂、エポキシ樹脂等であ
る。エマルジヨン性樹脂は、耐水性に優れているも
のであるが、エマルジヨン性樹脂と水溶性高分子
樹脂とを併用することも可能で、この場合、連続
成膜性及び耐有機溶剤性の向上が計れる。水溶性
高分子樹脂の具体例を挙げると、ポリビニルアル
コール（PVA）、澱粉、アラビアゴム、カゼイ
ン、アルギン酸ソーダ、カルボキシメチルセルロ
ース、メチルセルロース等であり、バインダー中
の水溶性高分子樹脂は50％以下が好ましい。又、下引き層中のカーボン量は20％以下、好ま
しくは10％以下であり、20％を越えると印刷中の
湿し水の浸透による印刷伸びを押さえることが困
難となる。なお、第１図に示したように下引き層を原紙の
片面に設けた場合と、両面に設けた場合の差はシ
ワの発生状況が異なる。前者は後者に比して定着
歪（コツクリング）がややあり、後者は印刷伸び
歪が前者に比して歪がややある。しかし本発明の
目的は、両者共達成するものである。次に３のバツク層はカチオン型有機系導電性物
質を含有した顔料分散樹脂層又は顔料を含まない
樹脂層で形成される。バツク層の構成成分の１つである樹脂（結着
剤）には、従来より使用されている前述した如き
水溶性高分子樹脂又はエマルジヨン性樹脂が使用
できる。又、バツク層の形成に適当量の顔料が添
加される場合には、その顔料としては例えば炭酸
カルシウム、クレー、タルク、酸化チタン、酸化
亜鉛のごとき無機顔料があげられる。４のアンダー層は、前記したエマルジヨン性樹
脂及び水溶性高分子樹脂をバインダーとして用
い、必要により前記した無機顔料及び導電剤とし
て高分子電解質（例えば、第四級アンモニウム系
高分子導電剤など）を混合して形成されるもので
ある。５の耐水層は、必要により設けられ、自己架橋
型、熱硬化型のエマルジヨン性樹脂あるいは溶剤
タイプの架橋型、熱硬化型の樹脂により形成され
るものである。６の光導電層（感光層）は一般の電子写真感光
材料における光導電層と同じであつて、例えばポ
リブチルメタクリル酸エステル、アクリル酸エス
テル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリス
チレン、シリコーン樹脂、ポリビニルブチラール
などの親油性樹脂に或いはポリビニルアルコー
ル、カルボキシメチルセルロール、カゼイン、ゼ
ラチンなどの親水性樹脂に酸化亜鉛が分散された
形態をもつものである。以上述べた各層の固形分付着量は、下引き層：
１〜10g／m²、バツク層：４〜10g／m²、アンダ
ー層：２〜6g／m²、耐水層：０〜2g／m²、光導
電層：20〜25g／m²が好ましい。以下に実施例を示す。部はすべて重量部を示
す。実施例以下に示す組成物を水にて20％固形分濃度に調
整して下引き層用サンプルを得た。 (A) カーボンブラツク（大日精化製 TB−710）５部アクリルエマルジヨン（ロームハス製 HA−16） 95部 (B) カーボンブラツク（上記と同じ） 10部アクリルエマルジヨン（上記と同じ） 90部 (C) カーボンブラツク（上記と同じ） 15部アクリルエマルジヨン（上記と同じ） 85部 (D) カーボンブラツク（上記と同じ） 20部アクリルエマルジヨン（上記と同じ） 80部 (E) カーボンブラツク（上記と同じ） 25部アクリルエマルジヨン（上記と同じ） 75部 (F) カーボンブラツク（上記と同じ） 10部アクリルエマルジヨン（上記と同じ） 70部 PVA（クラレ 105） 20部（Ｇ）カーボンブラツク（上記と同じ） 10部ポリ酢酸ビニル（ダイセル〓製セビアンＡ−522） 80部 PVA（クラレ 105） 10部（Ｅ）カーボンブラツク（上記と同じ） 15部 SBR（タケダ薬品製SK−72） 65部澱粉（日本食品加工製MS−3600） 20部（Ｉ）カーボンブラツク（上記と同じ） 10部ポリ酢酸ビニル（ダイヤルRSA−522） 90部（Ｊ）カーボンブラツク（上記と同じ） 15部 SBR（上記と同じ） 85部次に、下記組成物を長網抄紙機で乾燥重量が
110g／m²の支持体原紙を作製した。 LBKP（山陽パルプ製） 100部尿素樹脂（三井東圧製ユーラミンＰ−1510）２部サイズ剤（荒川林産製サイズパイン）２部硫酸バンド４部又、以下に示す組成のアンダー層塗布液イ，ロ
及びバツク層塗布液ハ，ニを調整した。 (イ) PVA（上記と同じ） 40部 SBR（旭ダウ製DL−636） 60部（但し、固形分濃度10％） (ロ) PVA（前記と同じ） 100部 (ハ) クレー（カオリナイト） 150部導電剤（ダウケミカル製、ECR−77） 30部 PVA（前記と同じ） 70部（但し、固形分濃度30％） (ニ) クレー（前記と同じ） 150部導電剤（前記と同じ） 20部 PVA（前記と同じ） 40部 SBR（ダウケミカル製、DC−636） 40部更に、以下の組成物をエマレーシヨンによつて
10分間分散して光導電層塗布液を調整した。 ZnO（堺化学製、サゼツクス（＃4000）） 100部シリコーン樹脂（信越化学製、KR−211）
20部ローズベンガル 0.1部トルエン 100部次に、得られた支持体原紙及び各層塗布液を使
用して、支持体原紙及び光導電層は同一とした以
外は第１表に示した組合わせで本発明の印刷原版
用支持体を作製した。作製方法は、原紙の片面
（裏面）又は両面に下引き層、次いで原紙の裏面
にバツク層及び表面にアンダー層を順次ワイヤー
バーにて形成塗布してスーパーキヤレンダー処理
した後、光導電層（乾燥重量20〜25g／m²）を設
けた。

【表】

【表】他に、次に示す比較例原版を作製した。比較例１下引き層を設けなかつた以外は実施例１と同様
に原版を作製した。比較例２カーボン内添型の原版を得るために、前記支持
体原紙組成物にカーボンブラツクを10部添加した
ものを前記同様に抄造した原紙を用い、かつ下引
き層を設けなかつた以外は実施例１と同様に原版
を製した。比較例３下記のカーボンブラツク含有の組成物をバツク
層塗布液とし、かつ下引き層を設けなかつた以外
は実施例１と同様に原版を作製した。カーボンブラツク（前記と同じ） 10部導電剤（前記と同じ） 20部 PVA（前記と同じ） 70部（但し、固形分濃度20％、塗工量）（乾燥重量）４〜5g／m²）次に、得られた全ての原版について以下に示す
評価を行つた。感光層へのカーボンブラツク付着汚れバツク層を上向きにして平らな台に固定し、そ
の上に感光層を下向きにした原版を重ね合わせ、
更に面積10×10mm、重量２Kgの分銅を乗せた。上
部原版を引いて摩擦させ感光層へのカーボンブラ
ツクの付着汚れを評価した。熱収縮率の差リコー電子プリンターＳ−３にて製版し、リコ
ーオートプロセツサーFE−２により熱定着後の
ベタ部の熱収縮と非画像部（地肌部）の熱収縮を
ノギスで測定して以下の計算法により熱収縮率の
差を求めた。定着前のベタ部長さ：l₁，定着後のベタ部長さ：
l₂ 定着前の非画像部長さ：l₃，定着後の非画像部長
さ：l₄ とする時、ベタ部の熱収縮率(A)＝l₁−l₂／l₁×100（％）非画像部の熱収縮率(B)＝l₃−l₄／l₃×100（％）となり、(A)−(B)＝画像部と非画像部との熱収縮率
の差である。シワの発生 100×100mmのベタ画像原稿を製版し熱定着した
後の定着時の歪によるシワの発生、更にはリコー
オートプリンターAP−2600にて印刷を1000枚行
い、印刷後のシワの発生の有無を調べた。印刷伸び率の差の試験で得られた印刷物のベタ及び非画像部
の長さをノギスで測定し、以下の計算法により印
刷伸び率を求めた。印刷１枚目のベタ部長さ：l_A、印刷1000枚目の
ベタ部長さ：l_B 印刷１枚目の非画像部長さ：l_C，印刷1000枚目
の非画像部長さ：l_D とする時、ベタ部の印刷伸び率(C)＝ l_B−l_A／l_A×100（％）非画像部の印刷伸び率(D)＝ l_D−l_C／l_C×100（％）となり、(C)−(D)＝画像部と非画像部との印刷伸び
率の差である。耐水性２c.c.の水をサンプル上（下引き加工層上）に滴
下し１分間脱脂綿でふきとり、見本（滴下前のも
の）と照合して評価を行つた。耐刷耐久枚数製版したものを定着後、エツチング処理して印
刷機にて印刷を行い感光層の剥離が発生する枚数
を求めた。各々の評価を行つた結果を第２表に示した。

【表】以上の結果より、本発明の平版印刷原版支持体
は熱定着による歪（シワ）及び印刷伸びが非常に
少なく耐久性に優れる等、総合的に十分に満足し
得るものであり、鮮明な印刷物を提供するもので
あることが判明した。比較例１は定着による歪
（シワ）及び印刷伸びが大きく、比較例２は印刷
伸びが大きい上、耐久性に劣り、比較例３は耐久
性及びカーボンブラツクの付着汚れが生じる等の
問題があつた。

【図面の簡単な説明】

第１図イ，ロは、本発明の平版印刷原版用支持
体の概略図である。１…支持体原紙、２…下引き層、３…バツク
層、４…アンダー層、６…光導電層（感光層）。

Claims

【特許請求の範囲】

１支持体原紙の片面又は両面に、エマルジヨン
性樹脂単独又は該樹脂と水溶性高分子樹脂とから
なるバインダー中にカーボンブラツクを含有せし
めた下引き層を設けたことを特徴とする電子写真
平版印刷原版用支持体。