JP4472859B2 - 転がり免震装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、転がり免震装置に関する。
【0002】
【関連する技術】
建物などに用いられる免震装置の一つして、上下の免震皿間に球体を介設した転がり免震装置が知られており、この転がり免震装置において、図10に示すように、上下の免震皿52,53間に、免震皿連結材54が、球体55の転動を許容する態様において介設されているものがある。この免震皿連結材54は、上部免震皿52を水平一方向にのみ往復移動可能にレール式56,57でスライドガイドすると共に、下部免震皿53を前記方向とは直交する水平一方向にのみ往復移動可能にレール式56,58でスライドガイドし、そして、上下の免震皿52,53が上下方向に一定以上離反してしまうのを規制するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この転がり免震装置51では、例えば、この免震装置51を建物の基礎と基礎上の上部構造物との間に介設し、下部免震皿53を基礎に、上部免震皿52を上部構造物に取り付けて用いた場合に、地震などにより、図11に示すように、上部構造物と基礎とがねじれを起こした直後に免震皿52と免震皿連結材54とが水平方向に相対移動を開始しようとすると、免震皿52のレール摺動部57,57の端部が免震皿連結材54のレール56にかみこんでそのような移動を妨げられ、免震が機能しない事態を生じさせてしまう可能性があるという問題がある。このような事態は、特に、ねじれが大きいような場合に起こりやすい。
【0004】
本発明は、上記のような問題点に鑑み、地震などにより、ねじれ直後に免震皿と免震皿連結材とが水平方向に相対移動を開始しようというような場合であっても、免震皿と免震皿連結材とにかみこみを生じさせずにスムーズに相対移動を開始させて免震することができる構造の転がり免震装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、上下の免震皿と、
免震皿間に介設された球体と、
上下の免震皿の間に球体の転動を許容する態様において介設され、上下いずれか一方の免震皿を水平一方向にのみ往復移動可能にレール式でスライドガイドすると共に、上下もう一方の免震皿を前記方向とは交差する水平一方向にのみ往復移動可能にレール式でスライドガイドし、かつ、上下の免震皿が上下方向に一定以上離反してしまうのを規制する免震皿連結材と、
が備えられた転がり免震装置において、
上下いずれか一方又は両方の免震皿のレール摺動部が直線状をしており、この直線状摺動部が、免震皿連結材のレールの端部位置よりも外方に突出していることを特徴とする転がり免震装置によって解決される。
【0006】
この転がり免震装置では、免震皿のレール摺動部が直線状をしており、この直線状摺動部が、免震皿連結材のレールの端部位置よりも外方に突出しているから、地震などにより、ねじれ直後に免震皿と免震皿連結材とが水平方向に相対移動を開始しようというような場合であっても、免震皿のレール摺動部の端部が免震皿連結材のレールにかみこむことはなく、そのため、免震皿と免震皿連結材との相対移動をスムーズに開始させて確実に免震することができる。
【0007】
特に、免震皿の直線状レール摺動部が免震皿連結材のレールの端部位置よりも外方にある程度大きく突出している場合には、ねじれ直後の免震皿と免震皿連結材との相対移動開始時のみならず、免震皿と免震皿連結材との相対移動の最中にねじれが起きた場合でも、免震皿のレール摺動部の端部が免震皿連結材のレールにかみこまず、より確実に免震を効かせることができる。
【0008】
また、上記の課題は、上下いずれか一方又は両方の免震皿のレール摺動部が直線状をしており、この直線状摺動部の端部は、免震皿連結材のレールの端部又はそれよりも内方に位置しており、かつ、この直線状摺動部の端部は、カドをとられていることを特徴とする転がり免震装置によっても解決することができる。
【0009】
この転がり免震装置では、ねじれによって、免震皿のレール摺動部の端部が免震皿連結材のレールに強く当接し、その状態で免震皿と免震皿連結材とが水平方向に相対移動を起こそうとしても、免震皿のレール摺動部の端部は、カドをとられているので、この端部が免震皿連結材のレールにかみこむことはなく、そのため、免震皿と免震皿連結材との相対移動をスムーズに開始させて確実に免震することができる。
【0010】
特に、この場合には、地震などにより、免震皿と免震皿連結材とが水平方向に往復して相対移動している最中にねじれが起きても、免震皿のレール摺動部の端部は免震皿連結材のレールにかみこまず、免震中に突然免震の効きが悪くなるあるいは効かなくなるというようなことも防ぐことができる。
【0011】
また、上記の課題は、上下いずれか一方又は両方の免震皿のレール摺動部が、外に凸の円弧状をしており、この円弧状レール摺動部が免震皿連結材のレールにスライド可能に嵌合されていることを特徴とする転がり免震装置によっても解決することができる。
【0012】
この転がり免震装置では、免震皿のレール摺動部が直線状をしてその端部がカドをとられている上記の場合と同様に、ねじれ直後の免震皿と免震皿連結材との相対移動開始時はもとより、免震皿と免震皿連結材との相対移動の最中にねじれが起きた場合であっても、レール摺動部は、外に凸の円弧状をしているので、免震皿連結材のレールにかみこまず、そのため、免震皿と免震皿連結材とをねじれ発生の有無にかかわらずスムーズに相対移動させることができて、確実に免震することができる。
【0013】
とりわけ、レール摺動部が外に凸の円弧である場合は、ねじれを吸収し、あるいは、ある程度吸収し、免震皿のレール摺動部が免震皿連結材のレール部に強く当接するということ自体が起らず、そのため、免震皿と免震皿連結材との相対移動をスムーズに開始させて確実に免震することができる。
【0014】
また、上記の各転がり免震装置において、上下の免震皿のうちのいずれか一方又は両方が、免震皿連結材の側方に突出し、この側方突出部が上部構造物又は下部構造物への取付け部となっている場合は、上部構造物と下部構造物との間への転がり免震装置の取付け作業において、上下の免震皿を水平方向に相対変位させることなく免震皿を対応する上及び/又は下の構造部に取り付けることができ、免震装置の取付けを容易に行うことができる。
【0015】
特に、上下の免震皿がともに免震皿連結材の側方に突出し、これら側方突出部が上下の構造部への取付け部となっている場合は、転がり免震装置を、上下の免震皿を一切水平方向に相対変位させずに取り付けることができ、転がり免震装置の取付けを容易に行うことができる。
【0016】
とりわけ、上下の免震皿の両方であるかいずれか一方であるかを問わず、免震皿のレール摺動部が直線状をしており、この直線状摺動部が、免震皿連結材のレールの端部位置よりも外方に突出していることとの組み合わせにおいて、この突出部を上部構造物又は下部構造物への取付け部にも利用している構造の場合には、免震皿を側方に突出させることで、免震を確実なものにすることができながら、取付けも容易に行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を、建物に用いられる転がり免震装置に適用した場合の実施形態について図面をもとに説明する。
【0018】
図1乃至図3に示す第1実施形態の転がり免震装置1において、2,3は上下の免震皿、5は球体、4は免震皿連結材である。
【0019】
上下の免震皿2,3は、それぞれ平面視長方形状をしており、下部免震皿3の上面中央部と上部免震皿2の下面中央部とにそれぞれ、球体5を受ける円錐状の凹所2a,3aが形成されている。球体5は例えば鋼球などからなる。なお、凹所2a,3aは球面状をしていてもよい。
【0020】
免震皿連結材4は、一辺の長さ寸法を概ね免震皿2,3の短辺の長さ寸法とする平面視正方形状のものからなり、上下の免震皿2,3間に介設され、その面内中央部に、上下の免震皿2,3間での球体5の転動を許容する円形の孔4aが備えられている。
【0021】
この免震皿連結材4には、その上面側において、対の対向辺のそれぞれから幾分上方に立ち上がって内向きに突出する直線状のレール4b,4bが形成されると共に、同じくこの連結材4の下面側において、上記の対の対向辺とは直交する側の対の対向辺のそれぞれから下方に立ち下がって内向きに突出する直線状のレール4b,4bが形成されている。
【0022】
そして、上部免震皿2の2つの長辺部にはそれぞれ全長にわたって側方に突出する直線状のレール摺動部2b,2bが形成され、また、下部免震皿3の2つの長辺部にもそれぞれ全長にわたって同じく側方に突出する直線状のレール摺動部3b,3bが形成されている。
【0023】
上下の免震皿2,3と免震皿連結材4とは、上下の免震皿2,3を互いに直交する方向に向け、上部免震皿2のレール摺動部2b,2bを免震皿連結材4の上面側のレール4b,4bにスライド嵌合させると共に、下部免震皿3のレール摺動部3b,3bを免震皿連結材4の下面側のレール4b,4bにスライド嵌合させることで、上部免震皿2が免震皿連結材4に対して水平一方向にのみスライドして往復移動し、下部免震皿3が前記方向とは直交する水平一方向にのみ往復移動するようになされ、かつ、レール4b…とレール摺動部2b,2b,3b,3bとの係合作用で上下の免震皿2,3が免震皿連結材4を介して上下方向に一定以上離反しないよう連結されている。
【0024】
この連結状態において、免震装置1は、上下の免震皿2,3の交差によって平面視十字状をなし、上部免震皿2の各直線状レール摺動部2b,2bの両端が免震皿連結材4のレール4b,4bの端部位置よりも外方に突出し、下部免震皿3の各直線状レール摺動部3b,3bについても同様にその両端が免震皿連結材4のレール4b,4bの端部よりも外方に突出している。
【0025】
そして、上下の各免震皿2,3には、免震皿連結材4よりも側方に突出する部分において、取付け部としての孔2c…,3c…が形成され、この部分を建物の基礎9と上部構造物10とに取り付けることができるようになっている。
【0026】
なお、上下の免震皿2,3にはそれぞれ、大きな水平振動で免震装置1が分解を起こさないよう、水平方向に一定以上スライドするとそれ以上のスライドが規制されるようにするためのスライド規制材2d,3dが、球体受け凹所2a,3aの両側に、取付け部2c…,3c…よりも内側に位置して備えられている。
【0027】
上記の免震装置1では、基礎9と上部構造物10との間への設置の施工を例えば次のようにしてきわめて容易に行うことができる。即ち、上下の免震皿2,3と球体5と免震皿連結材4とを互いに組み合わせた転がり免震装置1を下部構造物としての基礎9と上部構造物10との間に設置し、基礎9からのアンカーボルトを下部免震皿3の取付け孔3c,3cに通してナットでボルト接合すると共に、上部構造物10と上部免震皿2とをボルトとナットでボルト接合する。
【0028】
上下の免震皿2,3はそれぞれ、その長手方向の両端が免震皿連結材4よりも側方に突出しており、この突出部分に取付け孔2c…,3c…が設けられているので、接合に際しては、免震皿連結材4を側方にスライド変位させたり、上部免震皿2を側方にスライド変位させたりしなくても、ボルト接合することができる。
【0029】
とりわけ、上部構造物10への上部免震皿2のボルト接合においては、上部免震皿2を側方にスライドさせなくても上部構造物10とボルト接合することができるから、このボルト接合において、上部構造物10を側方に変位させる必要がなく、上部免震皿2と上部構造物10との接合を大掛かりなことを行うことなく極めて容易に行うことができる。
【0030】
即ち、言うまでもないが、図10に示す転がり免震装置51では、上下の免震皿52,53が免震皿連結材54よりも側方に突出していない構造であるため、下部免震皿53と基礎とのボルト接合については、下部免震皿53の取付け孔53c…の上方には免震皿連結材54が存在しており、そのため、免震皿連結材54を側方にスライド変位させて除けなければ、下部免震皿53と基礎とをボルト接合することができない。また、上部免震皿52と上部構造物とのボルト接合については、上部免震皿52の取付け孔52c…の下方には免震皿連結材4が存在しており、そのため、上部免震皿52を側方にスライド変位させ、なおかつ上部構造物をそれに合わせて側方に変位さらなければ、上部免震皿2と上部構造物とをボルト接合することができない。本実施形態での免震装置1では、そのようなスライドや変位をさせることなく、基礎や上部構造物への接合を行うことができる。
【0031】
上記のようにして建物に設置された転がり免震装置1では、図3に示すように、地震などにより、ねじれ直後に免震皿2,3と免震皿連結材4とが水平方向に相対移動を開始しようというような場合であっても、免震皿2,3の直線状レール摺動部2b,2b,3b,3bが、免震皿連結材4のレール4b…の端部位置よりも外方に突出しているので、免震皿2,3のレール摺動部2b,2b,3b,3bの端部が免震皿連結材4のレール4b…にかみこむことはなく、そのため、免震皿2,3と免震皿連結材4との相対移動をスムーズに開始させて確実に免震することができる。
【0032】
特に、免震皿2,3の直線状レール摺動部2b,2b,3b,3bは、免震皿連結材4のレール4b…の端部位置よりも外方に「ある程度大きく突出」しているので、ねじれ直後の免震皿2,3と免震皿連結材4との相対移動開始時のみならず、免震皿2,3と免震皿連結材4との相対移動の最中にねじれが起きても、免震皿2,3のレール摺動部2b,2b,3b,3bの端部が免震皿連結材4のレール4b…にかみこむことがなく、より確実に免震を効かせることができる。「ある程度大きく突出」とは、想定する最大の水平振動が起こってもなお、直線状レール摺動部2b,2b,3b,3bが免震皿連結材4のレール4b…の端部位置よりも外方に突出している状態を維持するような大きさの突出を意味することは言うまでもない。
【0033】
なお、図示しないけれども、免震をより確実なものにするため、免震皿連結材4のレール4b,4bの両端部は、面取りや丸みをつけるなどすることによって、カドをとられているのがよい。
【0034】
図4及び図5に示す第2実施形態の転がり免震装置1は、上下の免震皿2,3が、免震皿連結材4と同じ平面視正方形状をしており、その平面サイズも免震皿連結材4と概ね同じものである点で、図10の免震装置1と共通している。ただ、本実施形態の転がり免震装置1では、免震皿連結材4のレール4b…の長さ寸法が免震皿連結材4の辺の長さ寸法よりも短く、かつ、これらレール4b…が辺の中間部ないしは中央部に備えられている点で相違している。これにより、この転がり免震装置1では、上下の免震皿2,3の直線状摺動部2b,2b,3b,3bが、免震皿連結材4のレール4b…の端部位置よりも外方に突出するようになされている。
【0035】
本実施形態の転がり免震装置1においても、第1実施形態の転がり免震装置の場合と同様に、免震皿2,3の直線状摺動部2b,2b,3b,3bが、免震皿連結材4のレール4b…の端部位置よりも外方に突出しているので、図5に示すように、地震などにより、ねじれ直後に免震皿2,3と免震皿連結材4とが水平方向に相対移動を開始しようというような場合であっても、免震皿2,3のレール摺動部2b,2b,3b,3b端部が免震皿連結材4のレール4b…にかみこむことはなく、そのため、免震皿2,3と免震皿連結材4との相対移動をスムーズに開始させて確実に免震することができる。また、免震皿2,3の直線状レール摺動部2b,2b,3b,3bは、免震皿連結材4のレール4b…の端部位置よりも外方に「ある程度大きく突出」しているので、免震皿2,3と免震皿連結材4との相対移動の最中にねじれが起きても、レール摺動部2b,2b,3b,3bの端部がレール4b,4b…にかみこむこともなく、より確実に免震を効かせることができる。なお、図示しないけれども、免震をより確実なものにするため、免震皿連結材4のレール4b,4bの両端部は、面取りや丸みをつけるなどすることによって、カドをとられているのがよい。
【0036】
図6及び図7に示す第3実施形態の転がり免震装置1は、上下の免震皿2,3が、免震皿連結材4と同じ平面視正方形状をしており、その平面サイズも免震皿連結材4と概ね同じものである点で、図10の免震装置1と共通している。ただ、本実施形態の転がり免震装置1では、上下の免震皿2,3の直線状レール摺動部2b,2b,3b,3bの端部2e,3eが、面取りやあるいは図示するように丸みをつけるなどすることによって、カドをとられている。
【0037】
本実施形態の転がり免震装置1では、ねじれによって、免震皿2,3のレール摺動部2b,2b,3b,3bの端部が、免震皿連結材4のレール4b…に強く当接し、その状態で免震皿2,3と免震皿連結材4とが水平方向に相対移動を起こそうとしても、免震皿2,3のレール摺動部2b,2b,3b,3bの端部2e,3eは、カドをとられているので、この端部2e,3eが免震皿連結材4のレール4b…にかみこむことはなく、免震皿2,3と免震皿連結材4との相対移動をスムーズに開始させることができるし、また、免震皿2,3と免震皿連結材4とが水平方向に往復して相対移動している最中にねじれが起きてもかみこみを生じず、確実に免震することができる。なお、図示しないけれども、免震をより確実なものにするため、免震皿連結材4のレール4b,4bの両端部についても、面取りや丸みをつけるなどすることによって、カドをとられているのがよい。
【0038】
図8及び図9に示す第4実施形態の転がり免震装置1は、上下の免震皿2,3が平面視円形状のものからなり、レール摺動部2b,2b,3b,3bが、外に凸の円弧をしている。この円弧状レール摺動部2b,2b,3b,3bが免震皿連結材4のレール4b…にスライド可能に嵌合されている。また、上下の免震皿2,3には、短円筒状のスライド規制部2d,3dが備えられている。
【0039】
この転がり免震装置1においても、ねじれ直後の免震皿2,3と免震皿連結材4との相対移動開始時はもとより、免震皿2,3と免震皿連結材4との相対移動の最中にねじれが起きた場合であっても、レール摺動部2b,2b,3b,3bは、外に凸の円弧状をしているので、免震皿連結材4のレール4b…にかみこまず、そのため、免震皿2,3と免震皿連結材4とをねじれ発生の有無にかかわらずスムーズに相対移動させることができて、確実に免震することができる。
【0040】
特に、本実施形態では、レール摺動部2b,2b,3b,3bが外に凸の円弧をしているので、ねじれを吸収し、あるいは、ある程度吸収し、免震皿2,3のレール摺動部2b,2b,3b,3bが免震皿連結材4のレール部4b…に強く当接するということ自体が起らず、そのため、免震開始時や免震中などにおいて免震皿2,3と免震皿連結材4との相対移動をスムーズにものにして確実に免震することができる。
【0041】
以上に、本発明の実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。例えば、上部免震皿2と免震皿連結材4とのスライド連結機構として、上記の第1乃至第4のいずれかの機構を採用すると共に、下部免震皿3と免震皿連結材4とのスライド連結機構として、上部免震皿の側とは異なる上記の第1乃至第4のいずれかの機構を採用するなど、上下で異なるスライド機構を採用した転がり免震装置に構成してもよい。また、スライドをスムーズなものにするため、ローラーなどとの組合せにおいてスライド機構を採用するようにしてもよい。また、第4実施形態の転がり免震装置1の変形例として、免震皿2,3は、これを全周円弧にするのではなく、周方向の一部のみを円弧ないしは円弧状とする構成としてもよい。また、本発明の転がり免震装置は建物に限らず、各種構造物の免震に広く用いることができるものであることはいうまでもない。
【0042】
【発明の効果】
本発明は、以上のとおりのものであるから、地震などにより、ねじれ直後に免震皿と免震皿連結材とが水平方向に相対移動を開始しようというような場合であっても、免震皿と免震皿連結材とにかみこみを生じさせずにスムーズに相対移動を開始させて免震することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の転がり免震装置を示す分解斜視図である。
【図2】図(イ)は断面側面図、図(ロ)は免震時の断面側面図である。
【図3】図(イ)(ロ)はそれぞれ免震時の断面平面図である。
【図4】第2実施形態の転がり免震装置を示す分解斜視図である。
【図5】図(イ)(ロ)はそれぞれ免震時の断面平面図である。
【図6】第3実施形態の転がり免震装置を示す分解斜視図である。
【図7】図(イ)(ロ)はそれぞれ免震時の断面平面図である。
【図8】第3実施形態の転がり免震装置を示す分解斜視図である。
【図9】図(イ)(ロ)はそれぞれ免震時の断面平面図である。
【図10】本発明と関連する転がり免震装置を示す分解斜視図である。
【図11】その免震時の断面平面図である。
【符号の説明】
1…転がり免震装置
2…上部免震皿
2b…レール摺動部
2c…取付け孔(取付け部)
2e…丸み
3…下部免震皿
3b…レール摺動部
3c…取付け孔(取付け部)
3e…丸み
4…免震皿連結材
4b…レール
5…球体
Claims (1)
- 上下の免震皿と、
免震皿間に介設された球体と、
上下の免震皿の間に球体の転動を許容する態様において介設され、上下いずれか一方の免震皿を水平一方向にのみ往復移動可能にレール式でスライドガイドすると共に、上下もう一方の免震皿を前記方向とは交差する水平一方向にのみ往復移動可能にレール式でスライドガイドし、かつ、上下の免震皿が上下方向に一定以上離反してしまうのを規制する免震皿連結材と、
が備えられた転がり免震装置において、
上下両方の免震皿のレール摺動部がそれぞれ直線状をしており、これらの直線状摺動部が、免震皿連結材のレールの端部位置よりも外方に突出しており、かつ、
該突出により、上下の免震皿のいずれもが免震皿連結材の側方に突出し、上免震皿の側方突出部を上部構造物への取付け部としていると共に、下免震皿の側方突出部を下部構造物への取付け部としていることを特徴とする転がり免震装置。
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