JP4470929B2 - ボールねじの熱変位補正装置 - Google Patents

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本発明は、工作機械および産業機械等に使用されるボールねじの熱変形を補正する手段に関するものである。
ボールねじを使用して可動体の位置決めを行う機械、例えば、工作機械において、ボールねじにナットや支持ベアリングとの間で発生する熱が伝わり、また、室温の変化によりボールねじの長さが変化する。特に、機械の始動時より所定の時間、例えば90分ぐらいまでは、ボールねじの長さの変化が大きく、可動体の位置決め精度が悪くなり、これにより加工精度等が低下し、不良品を出す不具合があった。
前記の不具合を解消するため、第1の方法では、工作機械の暖機運転を行い、ボールねじの長さの変化が少なくなってから加工を行うようにしている。また、第2の方法では、ボールねじの内部に温度管理された冷却液を流し、ボールねじの長さの変化を少なくし、位置決め精度の低下を少なくしている。また、第3の方法では、リニアスケールを用いて、可動体の位置決めを行うクローズドループ制御により、ボールねじの長さが変化しても位置決め精度の低下を少なくしている。また、第4の方法では、タッチセンサを主軸に装着して、テーブル上に設けられた基準位置を測定し、所定の位置と比較し、長さの変化を補正して、位置決め精度の低下を少なくしている。
第1の方法は、暖機運転中は加工ができないため、生産性を悪くする欠点がある。第2の方法は、冷却に時間の遅れがあり、正確にボールねじの長さの変化を防ぐことができない欠点がある。第3の方法は、リニアスケールを用いるため、コストがかかる。また、リニアスケールの取付位置が、ボールねじの位置とオフセットしているため、可動体の前進時と後退時における可動体の傾きにより検出誤差を生じ、可動体を正しく位置決めできない欠点がある。第4の方法は、タッチセンサを主軸に装着する時間、および測定する時間がかかり、生産性を低下させる。したがって、本発明の目的は、上記従来装置の欠点を伴わずに熱によるボールねじの長さの変化から生じる可動体の位置決め精度の低下をなくすことにある。
上述した課題を解決するため、請求項1のボールねじの熱変位補正装置は、ベースと、前記ベースに摺動可能に支持された可動体と、前記可動体に固定されたナットと、前記ナットに係合したボールねじと、前記ボールねじの一端を回転可能かつ軸方向移動不能に支持すると共に、他端を回転可能かつ軸方向移動可能に支持する支持手段と、前記ボールねじに連結されたサーボモータと、前記サーボモータを数値制御プログラムによって回転制御するNC装置からなるボールねじ送り装置において、前記NC装置に予め登録されている前記ボールねじの長さ(A)に対する前記ボールねじの熱変位による変化量(ΔA)を測定する検出器と、前記NC装置に予め登録されている前記ボールねじの長さ(A)および前記ボールねじの全長を複数に区分した各区分の前記ボールねじのピッチ誤差補正値(Pn)並びに前記各区分の位置(Dn)と前記検出器にて測定された前記ボールねじの長さの変化量(ΔA)とから、予め登録されている前記各区分の位置(Dn)の前記各ピッチ誤差補正値(Pn)に、前記各区分位置(Dn)における前記ボールねじの長さの変化量(Dn×ΔA/A)を加算した各ピッチ誤差補正値(Pn')を演算する演算手段と、前記演算手段によって演算された各ピッチ誤差補正値(Pn')を新たなピッチ誤差補正値として前記NC装置に登録する手段とを備え、前記登録手段に登録された新たなピッチ誤差補正値に基づいてピッチ誤差補正を行うことである。
ボールねじの長さを測定する検出器は、電磁誘導式のものを使用できるが、これ以外の例えばレーザ式のものを使用しても良い。また、測定した値に基づいてボールねじリード情報またはボールねじピッチ誤差補正情報を演算する手段は、NC装置の演算機能を使用しても、あるいはNC装置とは別に設けた演算手段を用いても良い。
請求項2のボールねじの熱変位補正装置は、請求項1に記載のボールねじの熱変位補正装置において、前記ピッチ誤差補正値(Pn)に対応する閾値を前記NC装置に登録する手段をさらに含み、前記登録手段は、前記ボールねじの全長を複数に区分した各区分の前記NC装置に既に登録されている前記ピッチ誤差補正値(Pn)と前記ボールねじの長さの変化量が加算された前記ボールねじの前記ピッチ誤差補正値(Pn')との差(Pn−Pn')が前記閾値を超えた場合のみ、前記NC装置に既に登録されている前記各ピッチ誤差補正値(Pn)に代えて、前記ボールねじの長さの変化量が加算された前記ボールねじの前記各ピッチ誤差補正値(Pn')を前記NC装置に登録することである。
請求項3のボールねじの熱変位補正装置は、請求項1のものにおいて、前記検出器により得られたボールねじの長さの変化量(ΔA)に対応する閾値を前記NC装置に予め登録する手段をさらに含み、前記登録手段は、前記ボールねじの長さの変化量(ΔA)が前記閾値を超えた場合のみ、前記NC装置に既に登録されている前記各ピッチ誤差補正値(Pn)に代えて、前記ボールねじの長さの変化量が加算された前記ボールねじの前記各ピッチ誤差補正値(Pn')を前記NC装置に登録することである。
以上説明したとおり、請求項1に係るボールねじの熱変位補正装置は、ベースに摺動可能に支持されボールねじにより駆動される可動体と、ボールねじの一端を回転可能かつ軸方向移動不能に支持すると共に、他端を回転可能かつ軸方向移動可能に支持する支持装置をベース上に配置し、ボールねじの長さの変化を測定する検出器を取付け、この検出器の出力に基づいて、NC装置に予め登録されているボールねじのピッチ誤差補正値に、ボールねじの長さの変化量を加算したピッチ誤差補正値を演算して新たなピッチ誤差補正値として前記NC装置に登録する。このボールねじのピッチ誤差補正値を使用し公知の方法によって制御軸の目標値を演算し、可動体の位置決めを行う。これにより、熱により生ずるボールねじの長さの変化による可動体の位置決め精度の低下をなくすことができるため、暖機運転を行う必要がなく、朝一番から機械を運転しても、精度よく加工できる。
請求項2では、ボールねじの全長を複数に区分した各区分のNC装置に既に登録されているピッチ誤差補正値(Pn)と、このピッチ誤差補正値(Pn)にボールねじの長さの変化量を加算した後のボールねじのピッチ誤差補正値(Pn')との差(Pn−Pn')が予め決められた閾値より大きい場合のみ、前記NC装置に既に登録されている前記各ピッチ誤差補正値(Pn)に代えて、ボールねじの長さの変化量を加算した前記各ピッチ誤差補正値(Pn')を前記NC装置に登録するようにしたので、NC装置が可動体の目標位置を算出する際に使用するボールねじのピッチ誤差補正情報を頻繁に書き換えられず位置決め精度を安定できる利点がある。
請求項3では、前記ボールねじの長さの変化量に対応する閾値を前記NC装置に予め登録し、前記登録手段は前記ボールねじの長さの変化量とこれに対応する前記閾値とを比較する。そして、ボールねじの長さの変化量がこれに対応する閾値を超えた場合のみ、前記NC装置に既に登録されている前記各ピッチ誤差補正値(Pn)に代えて、ボールねじの長さの変化量を加算した前記各ピッチ誤差補正値(Pn')を前記NC装置に登録する。従ってNC装置が可動体の目標位置を算出する際に使用するボールねじの各座標位置におけるピッチ誤差補正値が頻繁に書き換えられず位置決め精度を安定できる利点がある。


以下、ボールねじの熱変位補正装置を、図を参照して説明する。図1は、ボールねじの熱変位補正装置を備えたボールねじ送り装置を有する工作機械を示す。図1においてベッド1には、ジグ2および、紙面に直角な(X)方向に移動するコラム3が設けてある。コラム3には上下(Y)方向に昇降するY軸スライド4が設けられており、これに前後(Z)方向に移動する主軸頭5が案内されている。主軸頭5には、工具6が着脱可能となっている。
ボールねじ送り装置を図面に基づいて説明する。図2は図1のA−A断面を示す。コラム3はナット11を固定している。ナット11は、ボールねじ12を係合している。ボールねじ12の一端は、一対のベアリング13が挿入され、リングナット14にて、軸方向移動できないように規制されている。またベアリング13は、その外輪に当接するリング15にてスラスト支持ブロック16に固定され、これにより、ボールねじ12は回転可能かつ軸方向の移動が規制されている。ボールねじ12はカップリング17にてサーボモータ18と連結されている。
ボールねじ12の他端は、ベアリング20が挿入され、サークリップ21により、ボールねじ12に対し軸方向に規制されている。またベアリング20は、支持ブロック22に挿入されている。ベアリング20は、軸方向の移動が可能なように支持ブロック22の内孔に嵌合している。よって、ボールねじ12の長さが熱により変化すると、ボールねじ12は、軸方向の移動を規制しているスラスト支持ブロック16を起点とし、軸方向の移動を許容している支持ブロック22に向かって伸びる。ボールねじ支持ブロック22には、プレート23を介して、非接触式の検出器24が取付けてある。
図3は、前記したボールねじ送り装置の制御ブロック図である。CNC40は、演算装置であるCPU41と、システムプログラム等を記憶したROM42と、NCプログラムや各種パラメータ等を記憶したRAM43と、キーボード等の入力装置44と、CRT等の出力装置45と、インターフェイス46,47,48を主たる構成要素としている。そしてボールねじへの移動指令がディジタルサーボユニット49に出力され、ディジタルサーボユニット49がボールねじ駆動用サーボモータ18を駆動すると、サーボモータ18はエンコーダ19によって検出されるボールねじ軸12の現在位置が帰還されてフィードバック制御されるようになっている。前記した検出器24は、渦電流損失を検出する形式のものである。すなわち、ボールねじ12の長さが変化すると、検出器24に設けられた図略の高周波発振回路が発生する電磁誘導により、ボールねじの端面12aに誘導電流が流れ、これにより、検出器24内のコイルのインダクタンスが変化する。この変化量は制御部50で電圧の値に変換され、さらにアナログ−ディジタル(A−D)変換器51によりディジタル値に変換される。このディジタル値は、インターフェイス48を介してCNC40に入力される。
次に、前記した構成における計測補正方法について、図5に示すフローチャートに基づいて図3及び図4を参照しながら説明する。まず、工作機械の運転に先立って、スラスト支持ブロック16に挿入された一対のベアリング13の幅の中心13aからボールねじの端面12aまでの基準寸法AをCNC40のRAM43に登録しておく。この基準寸法A(図4参照)は設計値から求められる。また、例えば工作機械の運転開始時でボールねじ12の温度が環境温度に一致している状態(以下、基準温度時と言う)において検出器24により、検出器24とボールねじ12の端面12a部との距離B(以下初期値と言う)を測定し、同じくCNC40のRAM43に登録しておく。
機械の運転が開始され、サイクルがスタートした信号が与えられると、例えば所定のタイムインターバル毎に図5のルーチンが実行される。ステップS100では、検出器24により検出器24とボールねじの端面12aの距離B'を測定する。これは、制御部50で電圧の値に変換され、さらにアナログ−デジタル変換器51により、デジタル値に変換される。
ステップS101において、この測定値B'は、インターフェイス48を介してRAM43に登録される。ステップS102では、前記距離B'とRAM43に登録されている初期値Bを呼出しボールねじの長さの変化を演算する。ボールねじの長さの変化ΔAはΔA=B−B'で演算される。ステップS103では、RAM43に登録されているボールねじのリードLと前記基準寸法Aを呼出し、前記ボールねじの長さの変化ΔAをAで除した値に1を加算し、これを初期のリードLに乗じて、熱変化後の正しいリードL'を補正対象として演算する。ステップS104ではRAM43のリードLをL'に書き換える。S105では、この補正されたリードL'を使用して可動体の目標位置を算出し、NCプログラムを実行する。このためボールねじが熱により伸びても、その影響を排除して可動体の位置決めをすることができる。従って位置決め精度の低下をなくすことができる。
ボールねじの熱変位を補正する本発明の第1の実施態様について、図7に示すフローチャートに基づいて図3、図4、図6を参照しながら説明する。これは、ボールねじの長さの変化を補正するために、前記リードを演算することに代え、ピッチ誤差補正値を補正対象として演算することを特徴とする。図6は、ボールねじの座標とピッチ誤差補正値の関係を示す。横軸は前記一対のベアリング13の幅の中心13aを起点0としたボールねじの各座標までの距離を示す。前記ボールねじ端面12aは横軸のAに相当する。縦軸はその位置におけるピッチ誤差補正値を示す。この図において、範囲J部は可動体の使用ストロークを示し、この範囲J部の折線Uはボールねじの熱変形前のピッチ誤差補正値を示す。このピッチ誤差(P1,P2,P3,・・・,Pf)は予め測定され、前記RAM43に登録しておく。前記基準寸法Aの熱変位による伸び量ΔAは縦軸に示される。範囲J内の各座標位置における伸び量(比例配分量)と対応する座標位置のピッチ誤差とを加算すると、誤差の総和は折線Vで示される。
図7のステップS100からステップS102は図5と同様であり説明を省略する。ステップS200でカウンタ値n=1を設定する。ステップS201では、RAM43に登録されている1番目のピッチ誤差P1を呼出す。通常可動体のストロークの原点とするため前記P1は0の場合が多い。ステップS202では、RAM43に登録されている基準寸法Aを呼出し、前記ボールねじの長さの変化ΔAをAで除した値に前記ピッチ誤差P1に相当する位置の座標D1を乗ずる。これを前記ピッチ誤差P1に加えて熱変化後の正しいピッチ誤差補正値P1'を演算する。
ステップS203ではRAM43に登録されているピッチ誤差補正値P1をP1'に書き換える。ステップS204では前記カウンタ値nに1を加算する。ステップS205ではこのカウンタ値nが予め設定された回数fを超えていないかが判断される。前記回数fを超えていない場合はステップS201に戻って処理を繰返す。この結果、ピッチ誤差補正値Lは伸び量だけ補正されて一点鎖線に示す折線Vに置換えられる。前記回数fを超えた場合はS105に進み、この値をもとにNCプログラムを実行する。NC制御における目標位置の算出において、この補正されたピッチ誤差補正値を用いることにより熱によるボールねじの長さの変化から生じる可動体の位置決め精度の低下をなくすことができる。また前記起点0から前記D1までのボールねじの長さの変化を加算できるため、より一層高精度に位置決めできる。図8は前記の演算したリード情報と前記のピッチ誤差補正情報の両方を用い、ボールねじの熱変位を補正する制御を示す。詳細は前記の組み合わせであるため記述しない。この制御では、補正されたリード情報と補正されたピッチ誤差補正値の両方をNC制御における目標位置の算出に用いるようにしたので、リード情報を使用することにより演算回数が少なくできる利点がある。またピッチ誤差補正値を使用することにより、前記起点0から前記D1までのボールねじの長さの変化を加算でき、正確な位置決めができる。
図9に示すルーチンの特徴として、ステップS300では、演算後のリードL'とリード初期値Lの差の絶対値を予め設定された閾値Kと比較し、これより大きい場合はステップS104でRAM43のリード情報を演算後のリード情報L'に書き換える。ステップS300で閾値K以下の場合は、それ以前に登録されたリードLを使用する。このためNC装置が可動体の目標位置を算出する際に使用するリード情報が頻繁に変わらないようにして、位置決め精度を安定することができる。
図10は、第1の実施態様に代わる第2の実施態様におけるフローチャートを
示す。このルーチンの特徴として、ステップS400で、ボールねじの長さの変化量ΔAの絶対値が予め設定された閾値Kと比較し、これより大きい場合は、ステップS200以降のボールねじピッチ誤差補正値の演算を行う。これは図7のステップS200以降と同じであるので説明は省略する。ステップS400で閾値Kより小さい場合は、それ以前に登録されたピッチ誤差情報を使用する。このためNC装置が可動体の目標位置を算出する際に使用するボールねじピッチ誤差補正情報が頻繁に変わらないようにして、位置決め精度を安定することができる。
図11において、横軸は前記一対のベアリング13の幅の中心13aを起点0としたボールねじの各座標までの距離を示す。前記ボールねじ端面12aは縦軸のAに相当する。縦軸はその位置における補正値を示す。前記基準寸法Aの熱変位による伸び量ΔAは縦軸に示される。直線Qはボールねじの長さの変化量ΔAが起点0から端面12aまで比例した場合を示す。前記基準温度時において前記座標D1、Dm、Dfにおける可動体の位置を測定する。次に所定の時間運転後、前記座標D1、Dm、Dfにおける可動体の位置を測定する。この測定値の差が変位であるので、これを補正値M1,Mm,Mfとして設定する。これから、座標D1から座標Dmの間の補正値Mxは、Mx=M1+(Mm−M1)*(Dx−D1)/(Dm−D1)で求められる。これは直線G1−Gm上の一点であり、数学的に求められる。また運転開始後の前記座標D1の補正値M1'はM1'=M1*ΔA'/ΔAで演算される。座標Dmから座標Dfの間の補正値MxはMx=Mm+(Mf−Mm)*(Dx−Dm)/(Df−Dm)で求められる。これらの演算は図7、図8、図10のフローチャートのステップS202のPn'に代えて実行される。これはボールねじを複数に区分して補正値を演算する為、ボールねじの位置により温度が異なりボールねじの伸びに違いが生じても正確に補正できる。従って、より一層高精度に位置決めできる。
図12および図13は、いずれもボールねじ長さの変化についての異なる測定方法を示す。図12の例では、ボールねじ50の一端に穴50aが形成され、リング状の磁石52が取付けてある。ボールねじ支持ブロック22には、プレート53を介して、差動トランス51が取付けてある。この差動トランス51は、前述のリング状磁石52と同心上に配置されている。この差動トランス51にて、ボールねじの長さの変化を測定する。測定後の処理は前記の方法と同じである。この方法は、長い検出器を使用しても、装置を長くしない利点がある。図13の例は、検出器60をボールネジと直角方向に設けて測定する方法を示す。測定後の処理は上述の方法と同じである。この方法では検出器60の信号線60aがボールねじと直角方向に配置されるため、装置をボールねじ長手方向に短縮できる利点がある。前記基準温度時は運転開始時に設定したけれども、ボールねじの温度上昇がサチレートした時点を基準温度時として、その時の前記検出器24とボールねじ12の端面12a部との距離Bを初期値とする。これは、全運転時間に占める、運転開始からサチレートするまでの時間割合が小さい為、補正が行われる回数が少なく、位置決め精度を安定できる利点がある。
本発明によるボールネジ熱変位補正装置を有した工作機械の一例を示した概略側面図である。 図1のA−A線に沿ったボールねじ駆動装置の断面図である。 本発明の形態に係わるNC装置のブロック図である。 図2のボールねじ支持部の部分拡大断面図である。 制御部のフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態におけるボールねじの座標とボールねじピッチ誤差補正値の関係図である。 本発明の第1の実施の形態における制御部のフローチャートである。 図5に示す制御部と第1の実施の形態の制御部とを組み合わせた制御部のフローチャートである。 さらに別の制御部のフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態における制御部のフローチャートである。 ボールねじの座標とボールねじピッチ誤差補正値の関係図である。 図4に対応した別のボールねじ支持部の拡大断面図である。 図4に対応したさらに別のボールねじ支持部の拡大断面図である。
符号の説明
1・・・ベッド、 2・・・ジグ、 3・・・コラム、 4・・・Y軸スライド、 5・・・主軸頭、 6・・・工具、 11・・・ナット、 12・・・ボールネジ、 16・・・スラスト支持ブロック、 22・・・支持ブロック 、24・・・検出器、 18・・・サーボモータ、 40・・・NC装置。

Claims (3)

  1. ベースと、前記ベースに摺動可能に支持された可動体と、前記可動体に固定されたナットと、前記ナットに係合したボールねじと、前記ボールねじの一端を回転可能かつ軸方向移動不能に支持すると共に他端を回転可能かつ軸方向移動可能に支持する支持手段と、前記ボールねじに連結されたサーボモータと、前記サーボモータを数値制御プログラムによって回転制御するNC装置からなるボールねじ送り装置において、
    前記NC装置に予め登録されている前記ボールねじの長さ(A)に対する前記ボールねじの熱変位による変化量(ΔA)を測定する検出器と、
    前記NC装置に予め登録されている前記ボールねじの長さ(A)および前記ボールねじの全長を複数に区分した各区分の前記ボールねじのピッチ誤差補正値(Pn)並びに前記各区分の位置(Dn)と前記検出器にて測定された前記ボールねじの長さの変化量(ΔA)とから、予め登録されている前記各区分の位置(Dn)の前記各ピッチ誤差補正値(Pn)に、前記各区分位置(Dn)における前記ボールねじの長さの変化量(Dn×ΔA/A)を加算した各ピッチ誤差補正値(Pn')を演算する演算手段と、
    前記演算手段によって演算された各ピッチ誤差補正値(Pn')を新たなピッチ誤差補正値として前記NC装置に登録する手段と、
    を備え、前記登録手段に登録された新たなピッチ誤差補正値に基づいてピッチ誤差補正を行うことを特徴とするボールねじの熱変位補正装置。
  2. 請求項1に記載のボールねじの熱変位補正装置において、前記ピッチ誤差補正値(Pn)に対応する閾値を前記NC装置に登録する手段をさらに含み、
    前記登録手段は、前記ボールねじの全長を複数に区分した各区分の前記NC装置に既に登録されている前記ピッチ誤差補正値(Pn)と前記ボールねじの長さの変化量が加算された前記ボールねじの前記ピッチ誤差補正値(Pn')との差(Pn−Pn')が前記閾値を超えた場合のみ、前記NC装置に既に登録されている前記各ピッチ誤差補正値(Pn)に代えて、前記ボールねじの長さの変化量が加算された前記ボールねじの前記各ピッチ誤差補正値(Pn')を前記NC装置に登録することを特徴とするボールねじの熱変位補正装置。
  3. 請求項1に記載のボールねじの熱変位補正装置において、前記検出器により得られたボールねじの長さの変化量(ΔA)に対応する閾値を前記NC装置に予め登録する手段をさらに含み、
    前記登録手段は、前記ボールねじの長さの変化量(ΔA)が前記閾値を超えた場合のみ、前記NC装置に既に登録されている前記各ピッチ誤差補正値(Pn)に代えて、前記ボールねじの長さの変化量が加算された前記ボールねじの前記各ピッチ誤差補正値(Pn')を前記NC装置に登録することを特徴とするボールねじの熱変位補正装置。
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