JP4470578B2 - 極超低温材料容器用補強材 - Google Patents

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Description

本発明は、液化した天然ガス、メタン等の極超低温流体を収容するための極超低温材料容器に用いられる気密補強材、特に、極低温気体不浸透性の金属フィルム箔を中間素材とし、その両面に樹脂含浸ガラス繊維織物を接着した積層体に関する。
従来、液化した天然ガス、メタン等の極超低温流体を貯蔵、保存、輸送するための極超低温材料運搬船や貯蔵等の容器に使用される材料としては、極超低温気体不浸透性の金属フィルム箔を中間層とし、その両面にガラス繊維織物を接着したソフトな積層シートが知られている。例えば、金属フィルム箔とガラス繊維織物との接着に合成ポリウレタン・エラストマー、クロルスルホン化ポリエチレン、或いはクロロプレンの重合物等からなる接着剤が用いられている(特許文献1参照)。しかしながら、合成ポリウレタン・エラストマー、クロルスルホン化ポリエチレン、或いはクロロプレンの重合物等は、金属フィルム箔およびガラス繊維織物に対して接着力が弱いという問題点がある。また、ガラス繊維織物の全体に接着剤が含浸していないため、引張強さも弱いという問題点がある。
かかる問題を解消するべく、ガラス繊維織物に対してエポキシ樹脂を塗布または含浸後、半硬化させた樹脂含浸ガラス繊維織物を金属フィルム箔の両面に積層し加熱硬化させ、更にその積層シートの表面をエンボス加工させた積層シートが知られている(特許文献2参照)。しかし、かかる改良された積層シートでも常温における接着力は問題無いが、−170℃の極超低温下に晒された際に著しく接着力が低下するという問題点がある。
更に接着力不足を解消させるため、金属フィルム箔とガラスクロスを貼り合わせる前にシランカップリング剤による前処理を行い、金属フィルム箔とガラス繊維織物との接着剤に熱可塑性ポリウレタンを使用し熱圧着する方法が知られている(特許文献3参照)。しかしながら、かかる方法を用いても金属フィルム箔と樹脂含浸ガラス繊維織物との接着力は充分ではなく、また熱圧着時にガラス織物と熱可塑性ポリウレタン樹脂間で素材間の熱収縮差に起因するシワやフクレ等が発生し、表面の平滑なシートが得られにくいという問題点がある。
特公昭63−42160号公報 特開2002−307612号公報 特公平04−7704号公報
かかる状況において、本発明の目的とするところは、金属フィルム箔と樹脂含浸ガラス繊維織物が、常温及び極超低温下でも優れた接着性を有する気密補強材を提供することにある。
本発明者は、シランカップリング剤とポリエステル樹脂組成物の混合物を金属フィルム箔の両面に付着させた後、樹脂含浸ガラス繊維織物を金属フィルム箔の両面に積層し加熱プレスすることにより、金属フィルム箔と樹脂含浸ガラス繊維織物の接着性が著しく向上することを発見した。
すなわち、本発明に係る積層体の製造方法は、金属フィルム箔の両面にシランカップリング剤とポリエステル樹脂の混合物を付着させて前処理された金属フィルム箔を得る工程と、エポキシ樹脂と硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物にガラス繊維織物を浸漬し、その後乾燥して、該ガラス繊維織物に該エポキシ樹脂組成物を含浸させてプリプレグを得る工程と、前記前処理された金属フィルム箔の両側に前記プリプレグを積層し、積層プレス成形により、前記エポキシ樹脂組成物を加熱硬化させることを特徴とする。ここで、150〜450g/m2のガラス繊維織物の両側または片側に、ガラス繊維織物100重量部に対してプレス成形による加熱硬化後エポキシ樹脂組成物を重量換算で5〜100重量部含むように、エポキシ樹脂を全体に塗布または含浸させ半硬化した樹脂含浸ガラス繊維織物を、厚さ50〜100μmの金属フィルム100重量部に対して両面にシランカップリング剤とポリエステル樹脂の混合物を0.1〜50重量部付着させた金属フィルム箔の両面に積層し、さらにその両側を離型シートではさみ、積層プレス成形によりエポキシ樹脂組成物を加熱硬化させ、離型シートは除いて使用されることが好ましい。これにより、20℃及び−170℃の状況下で測定した縦横方向の剥離強さが共に34N/2.5cm以上である極超低温材料容器用補強材に適した積層体を得ることができる。
本発明により、常温及び極超低温下においても金属フィルム箔と樹脂含浸ガラス繊維織物とが優れた接着性を有する気密補強材を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明に用いられるガラス繊維織物を構成するガラス組成としては、電気絶縁用に適したプリント配線板用として一般に用いられているEガラスの他、耐アルカリ性のARガラス、耐酸性のCガラス、低誘電率のDガラス、更にSガラスなどが本発明に使用できる。本発明で用いられるガラス繊維は、モノフィラメントを引き揃えただけのヤーンであってもよいし、これに撚りをかけたものであってもよい。また、下撚りをかけた後、上撚りをかけてもよい。また、紡糸サイジング剤については澱粉系、プラスチック系でもよい。
また、本発明に用いられるガラス繊維織物は、例えばヤーン或いはロービングから織成された平織、からみ織、朱子織、綾織、斜子織などに製織されたものが挙げられるが、本発明においては平織が好ましい。かかるガラス繊維織物は、公知の織機を用いて公知の方法で製造することができ、また一般市販品が便宜的に適用される。
本発明に用いられるガラス繊維織物は、経糸および緯糸が、共に約20〜40本/2.5cm、好ましくは25〜35本/2.5cm程度のものが良い。また、該ガラス繊維織物の重さは約150〜450g/m2、より好ましくは300〜400g/m2のものが
良い。また、該ガラス繊維織物の厚さは、約0.1〜0.5mm、より好ましくは、0.2〜0.4mmのものが良い。
樹脂組成物を塗布または含浸させる前に、本発明に用いられるガラス繊維織物に公知の処理を行っても良い。公知処理としては、例えば、ガラス繊維織物を長時間、好ましくは、約300〜500℃で約40〜100時間加熱するヒートクリーニングを行った後、シランカップリング剤を含浸させる方法が一般的である。シランカップリング剤は公知のものを使用して良いが、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(N−スチリルメチル−2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン塩酸塩、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどを挙げることができる。紡糸サイジング剤がプラスチック系の場合は、既にシラン処理が含まれているため、上記公知処理を行う必要はない。
本発明に用いられる樹脂含浸ガラス繊維織物は、上記ガラス繊維織物の両面または片面
に樹脂組成物を含浸させたもののことである。ガラス繊維に含浸または塗布させる樹脂組成物を主として構成する樹脂としては、特に限定されず、当業界で用いられる公知の樹脂を用いても良い。具体的には、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。本発明に於いては、中でも、エポキシ樹脂が含有するエポキシ樹脂組成物を用いるのが好ましい。エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂および硬化剤からなるものが好ましい。所望により、硬化促進剤、カップリング剤または添加剤等が含有していても良い。
本発明に用いられるエポキシ樹脂組成物の主体成分としてのエポキシ樹脂は公知のものを使用する事ができる。例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアルキル型エポキシ樹脂、トリフェノールアルカン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノールノボラック型エポキシ樹脂などの各種グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、ビスヒドロキシビフェニル系エポキシ樹脂、ビスヒドロキシフェニル系エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂などが挙げられる。中でも、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂の硬化剤としては、公知のものを使用することができる。例えば、脂肪族アミン、芳香族ポリアミン、変性ポリアミンなどの酸無水物ポリアミン類、ポリフェノール、ポリメルカプタン等の一種または混合物を使用することができる。具体的には、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラアエチレンペンタミン、トリエチレンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルスルホン、フェニレンジアミン、無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ピロメリック酸、フェノールノボラック、ポリメルカプタン、2−エチル−4−メチルイミダゾール等を挙げることができる。中でも、脂肪族アミンが好ましい。上記硬化剤の含有量は、エポキシ樹脂100重量部に対して、約2.0〜6.0重量部が好ましい。
エポキシ樹脂の硬化促進剤は、イミダゾール系硬化促進剤を使用することができる。具体的には2−メチルイミダゾール、2−エチルー4−メチルイミダゾール、1−シアノエチルー2−メチルイミダゾール等を挙げることができる。第三アミン類を併用しても良い。上記の硬化促進剤の含有量は、エポキシ樹脂100重量部に対して、約0.1〜2.0重量部が好ましい。
エポキシ樹脂組成物に添加してもよいカップリング剤としては、公知のものを使用することができる。具体的にはシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、クロムコンプレックス系カップリング剤を挙げることができる。これらカップリング剤は、主体成分としてのエポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤の選択に応じ、適宜使用すれば良い。
エポキシ樹脂組成物に添加する添加剤としては、例えば、接着剤、無機充填剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃化剤、滑剤等の公知の添加剤を用いても良い。接着剤は、例えば、アクリル樹脂系、酢酸ビニル樹脂系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、ポリアミド系、ポリビニルアルコール系などの熱可塑性樹脂系接着剤、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂系接着剤、クロロプレンゴム系、ニトリルゴム系、スチレン−ブタジエンゴム系、ポリウレタン系等のゴムエラストマー系接着剤などが挙げられる。中でも、ポリエステル樹脂およびゴムエラストマー系接着剤が好ましい。
無機充填剤としては、例えば、ゼオライト、グラファイト、シリカ、珪砂、マイカ、ク
レー、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等が挙げられる。難燃化剤としては、含水無機結晶化合物や金属水酸化物が好ましい。例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミ
ニウム、水酸化カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、二水和石こうまたはアルミン酸カルシウム、ハイドロタルク石群等が挙げられる。酸化防止剤としては例えばフェノール系またはアミン系の酸化防止剤等が挙げられる。帯電防止剤としては、例えば、ノニオン系、カチオン系、アニオン系の界面活性剤が挙げられる。滑剤としては、例えば、エステル系、アルコール系、炭化水素系、脂肪酸系、金属石鹸系の滑剤が挙げられる。
上記添加剤を樹脂組成物に添加する場合、その含有量は樹脂100重量部に対して、約1〜50重量部が好ましい。本発明に用いる樹脂組成物は、上記のような添加剤と共にヘンシェルミキサーなどの公知手段を用いて撹拌混合し製造することができる。上記各成分の混合順序は特に問わず公知方法に従って良い。
本発明において、上記ガラス繊維織物両面または片面に上記樹脂組成物を含浸させる方法は公知手段を用いて良い。例えば、バスの中に充填した樹脂組成物にガラス繊維織物を浸積して引き上げ、余剰量を絞り取って乾燥することにより行われる。また、上記ガラス繊維織物両面または片面に上記樹脂組成物を塗布する方法も公知手段を用いて良い。例えば、ナイフコーター、ロッドコーター、アプリケーターなどにより行われる。
ガラス繊維織物に樹脂組成物を塗布または含浸する量は、プレス成形による加熱硬化後において、樹脂組成物の含有量が約5〜100重量部、より好ましくは約10〜75重量部程度となるのが良い。
上記樹脂組成物を塗布または含浸させたガラス繊維織物(以下、プリプレグという)を金属フィルム箔の両面に積層し、本発明に係わる極超低温材料容器に用いられる気密補強材を製造する。該金属フィルム箔としては、例えばアルミニウム、ステンレス鋼、アンバー合金、銅等の単独、合金、複合の金属フィルム箔を用いることができる。中でもアルミニウムが好ましい。該金属フィルム箔の厚みとしては、約50〜100μm程度、より好ましくは約60〜80μm程度のものが良い。
本発明においては、上記金属フィルム箔の両側に予めシランカップリング剤とポリエステル樹脂組成物からなる混合物を付着させた後、その両側にプリプレグを積層することにより、金属フィルム箔とプリプレグ間の接着を著しく向上させることができる。
金属フィルム箔に付着させる混合物として用いるシランカップリング剤としては、公知の物を用いて良いが、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどを挙げることができる。中でも、主としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを用いるのが好ましい。
金属フィルム箔に付着させる混合物として用いるポリエステル樹脂としては、分子量10000以上のものを用いることが好ましい。また、水分散型のポリエステル樹脂を用いても良い。希釈用溶剤としては、公知の物を使用して良い。具体的にはアルコール類、ケトン類、等が好ましい。必要に応じて上述の帯電防止剤や滑剤を添加しても良い。
金属フィルム箔に付着させる混合物は、ポリエステル樹脂100重量部に対して、希釈用有機溶剤が5〜100重量部、シランカップリング剤は5〜100重量部で混合させることが好ましい。シランカップリング剤とポリエステル樹脂組成物はヘンシェルミキサーなどの公知手段を用いて混合し製造することができる。上記成分の混合順序は特に問わない。
本発明において、上記金属フィルム箔両面に上記シランカップリング剤と樹脂組成物の
混合物を付着させる方法としては、特に問わず公知の手段を用いて良い。例えば、バスの中に充填したシランカップリング剤、ポリエステル樹脂組成物の混合液に金属フィルム箔を浸積し、引き上げて乾燥する方法により行われる。金属フィルム箔にシランカップリング剤とポリエステル樹脂組成物の混合物を付着させる量は、金属フィルム箔100重量部に対して0.1〜50重量部、より好ましくは、0.2〜20重量部が良い。
本発明においては、上記前処理された金属フィルム箔とその両側にプリプレグとを積層させる際に、プリプレグの樹脂組成物が加熱圧着時に再溶融し、熱板やクッション材等に付着することを防ぐため、更に最外層に離型シートを積層させる。かかる離型シートは、公知のものを用いて良い。具体的には、例えば、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテン等のオレフィン系ポリマーフィルム、ポリビニリデンフルオロライドフィルム、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニルフルオロライド等のフッ素系ポリマーフィルム等で、厚さ約10〜200μmのフィルムが好ましい。また、発泡ウレタン樹脂層や合板等の他の材料と積層させる際の該他の材料と、本発明に係る積層体の接着性を向上させるため、加熱プレス成形時の最高温度よりも上記フィルムの融解開始温度が高く、更にフィルム中の可塑剤や添加剤等が積層体の表面に付着しにくいものを使用することにより、積層体の表面に粗化面を形成させても良い。かかる離型シートは、加熱圧着させた後直ちにはがしてもよいし、本発明の積層体使用前にはがしてもよい。
上記前処理された金属フィルム箔とその両側のプリプレグとの積層は、公知の方法を用いて行うことができ、加熱圧着により容易に積層させることができる。加熱圧着の方法は問わず、熱板でプレスする等を用いて良い。加熱圧着は、圧力が約5〜40kg/cm2
程度、加熱温度が約120℃〜200℃程度、好ましくは約130℃〜180℃程度の条件で、約50〜120分程度かけて行うのが良い。
本発明に係る積層体は、20℃及び−170℃の状況下で測定した縦横方向の剥離強さが共に34N/2.5cm 以上になることが特に好ましい。上記本発明に係る積層体のかかる物性は、以下の方法で測定することができる。縦横方向の剥離強さは、ISO4578に従った方法にて、20℃を維持した雰囲気下において、25mm幅の試料の金属フィルム箔と樹脂含浸ガラス織物積層体との間をはがし、引張試験機を用いて、100mm/分のスピードではがし始めて25mm間は除外し、そのあと80mmはがしたときの平均値を求める。また、超低温試験は、−170℃に維持された液体窒素を入れた容器を用い、その中に試料を入れ液体窒素へ完全に埋没させた状態で上記同様の方法を行い平均値を求めることによって、容易に測定できる。
以下、本発明を実施例、比較例により詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって制限されるものではない。
〔実施例1〕
分子量15000のポリエステル樹脂25g、希釈用有機溶剤としてメチルエチルケトン100g、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン100gをヘンシェルミキサーにて撹拌し混合物を製造した。厚さ70μm、幅1075mmのアルミ箔へ上記混合物を浸積塗布機にて両面付着させた後、150℃に加熱して前処理されたアルミ箔を得た。アルミ箔100重量部に対して上記混合物の付着は5重量部であった。その後、前処理されたアルミ箔を1075mm×3100mmに切断した。次にエポキシ樹脂100g、硬化剤4.2g、硬化促進剤0.9g、および添加剤として、ゴムエラストマー系接着剤22gを、メチルセルソルブとともにヘンシェルミキサーで撹拌し、エポキシ樹脂組成物を
製造した。平織ガラスクロスKS1929(質量340g/m2、厚さ0.28mm、経
糸32本/25mm、緯糸30本/25mm、幅1070mm、カネボウ株式会社製)に
上記エポキシ樹脂組成物を含浸機にて含浸した後、150℃に加熱し、半硬化させてプリプレグを得た。その後該プリプレグを3100mm毎に切断した。上記プリプレグ2枚の間に上記アルミ箔をはさみ、さらに該積層体の上下に離型シートとしてポリプロピレンフィルムを積層してプレス機にセットし、20kg/cm2にて170℃(±10℃)で1
00分かけた後、30分冷却することによって本発明に係る積層体を得た。上記方法で製造した積層体5枚を、20℃の雰囲気下でISO4578に従った方法にて引張試験機RTM−500(オリエンテック株式会社製)を用いて縦横の剥離強さを測定した。また−170℃の液体窒素に積層体を埋没させ、上記同様に縦横の剥離強さを測定した。その測定結果の平均値を表1に示す。
〔実施例2〕
アルミ箔の前処理は実施例1と同様に行い、ガラス繊維織物に含浸させるエポキシ樹脂組成物の内、ゴムエラストマー系接着剤を使用しない以外は全て実施例1と同様に行い積層体を得た。得られた積層体について実施例1と同様に剥離強さの測定を行い、その測定結果の平均値を表1に示す。
〔比較例1〕
前処理を行わないアルミ箔を用いて、以降のプリプレグ、成形は実施例1と同様に行い積層体を得た。得られた積層体について実施例1と同様に剥離強さの測定を行い、その測定結果の平均値を表1に示す。
〔比較例2〕
アルミ箔の前処理をγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン100%液で行い、以降のプリプレグ、成形は実施例1と同様に行い積層体を得た。得られた積層体について実施例1と同様に剥離強さの測定を行い、その測定結果の平均値を表1に示す。
本発明の極超低温材料容器用補強材の製造方法を示す分解説明図である。
符号の説明
1 プリプレグ
2 離型シート
3 アルミ箔
4 熱プレス用成形板

Claims (4)

  1. 金属フィルム箔の両面にシランカップリング剤とポリエステル樹脂の混合物を付着させて前処理された金属フィルム箔を得る工程と、
    エポキシ樹脂と硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物にガラス繊維織物を浸漬し、その後乾燥して、該ガラス繊維織物に該エポキシ樹脂組成物を含浸させてプリプレグを得る工程と、
    前記前処理された金属フィルム箔の両側に前記プリプレグを積層し、積層プレス成形により、前記エポキシ樹脂組成物を加熱硬化させることを特徴とする積層体の製造方法。
  2. 前記プリプレグの両側を離型シートではさみ、積層プレス成形する請求項1に記載の積層体の製造方法。
  3. 金属フィルム箔の厚さが50〜100μmであり、前記金属フィルム箔100重量部に対して前記シランカップリング剤とポリエステル樹脂の混合物を0.1〜50重量部付着させ、前処理された金属フィルム箔を得る請求項1または請求項2に記載の積層体の製造方法。
  4. 前記積層体が極超低温容器用補強材である請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
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