JP4470150B2 - 燃料封入容器用溶着部品 - Google Patents
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Description
図1に示す燃料封入容器用溶着部品(以下、『溶着部品』とする)B1は、図中に仮想線で示す燃料封入容器Tに溶着接合される環状の溶着部1と、溶着部1に同軸状態で連続する締結用の管状部2を備えている。溶着部1は、その上面に凸部1aを有している。管状部2は、基端部にフランジ部2aを有すると共に、フランジ部2aの外周部近傍の下側に凹部2bを有し、先端部近傍の外側に、樹脂チューブ等の図示しない連結部品を嵌合した際に抜け止めとして機能する係合部2cを有している。そして、溶着部1と管状部2は、凸部1aと凹部2bを係合した状態にして一体化してある。
図示の溶着部品B2は、管状部2のうち連結部品が結合した状態で外部に露出する面を溶着部1と同じ材料で被覆している。すなわち、溶着部品B2は、溶着部1が、管状部2のフランジ部2aの外周面及び上面を被覆するフランジ部1bと、管状部2の外周面を被覆する円筒部1cを連続して有するものとなっている。円筒部1cの長さ(図中上下方向の長さ)は、管状部2に対する連結部品の嵌合深さ等に応じて設定する。
図示の溶着部品B3は、管状部2のうち燃料封入時に燃料と接する面を溶着部1と同じ材料で被覆している。すなわち、溶着部品B3は、溶着部1が、管状部2のフランジ部2aの下面を被覆するフランジ部1dと、管状部2の内周面を構成する円筒部1eを連続して有するものとなっている。円筒部1eは、管状部2の先端部近傍に至る範囲に設けてある。
燃料封入容器に対する環状の溶着部は、その材料にマレイン酸変性ポリエチレンDK4100(日本ポリエチレン社製)を使用し、樹脂温度210℃及び金型温度40℃で一次射出成形した。締結用の管状部は、その材料に非強化半芳香族ナイロンGenestar N1000A(クラレ社製 1,9ノナンジアミン:2メチル‐1,8オクタンジアミン=80:20)のアミノ基末端濃度を120当量/kgに調整したものを使用し、樹脂温度330℃及び金型温度120℃で二次射出成形、すなわち溶着部に対してオーバーモールド成形し、図1に示す構造の溶着部品を得た。
燃料封入容器に対する環状の溶着部は、その材料にマレイン酸変性ポリエチレンDK4100(日本ポリエチレン社製)を使用し、樹脂温度210℃及び金型温度40℃で一次射出成形した。締結用の管状部は、その材料に非強化半芳香族ナイロンGenestar N1000C(クラレ社製 1,9ノナンジアミン:2メチル‐1,8オクタンジアミン=60:40)のアミノ基末端濃度を120当量/kgに調整したものを使用し、樹脂温度290℃及び金型温度120℃で二次射出成形、すなわち溶着部に対してオーバーモールド成形し、図1に示す構造の溶着部品を得た。
締結用の管状部は、その材料に非強化半芳香族ナイロンGenestar N1000C(クラレ社製 1,9ノナンジアミン:2メチル‐1,8オクタンジアミン=60:40)のアミノ基末端濃度を120当量/kgに調整したものを使用し、樹脂温度290℃及び金型温度120℃で一次射出成形した。燃料封入容器に対する環状の溶着部は、その材料にマレイン酸変性ポリエチレンDK4100(日本ポリエチレン社製)を使用し、樹脂温度300℃及び金型温度80℃で二次射出成形、すなわち管状部に対してオーバーモールド成形し、図2に示す構造の溶着部品を得た。
燃料封入容器に対する環状の溶着部は、その材料にマレイン酸変性ポリエチレンDK4100(日本ポリエチレン社製)を使用し、樹脂温度210℃及び金型温度40℃で一次射出成形した。締結用の管状部は、その材料に非強化半芳香族ナイロンGenestar N1000C(クラレ社製 1,9ノナンジアミン:2メチル‐1,8オクタンジアミン=60:40)のアミノ基末端濃度を120当量/kgに調整したものを使用し、樹脂温度290℃及び金型温度120℃で二次射出成形、すなわち溶着部に対してオーバーモールド成形し、図3に示す構造の溶着部品を得た。
マレイン酸変性ポリエチレンDK4100(日本ポリエチレン社製)を使用し、樹脂温度210℃及び金型温度40℃で図4に示す単一材料の溶着部品B4を射出成形した。
燃料封入容器に対する環状の溶着部は、その材料にマレイン酸変性ポリエチレンDK4100(日本ポリエチレン社製)を使用し、樹脂温度210℃及び金型温度40℃で一次射出成形した。締結用の管状部は、その材料にナイロン12(ガラス繊維23%含有)3020GX9(宇部興産製)を使用し、樹脂温度250℃及び金型温度60℃で二次射出成形、すなわち溶着部に対してオーバーモールド成形し、図1に示す構造の溶着部品を得た。
(燃料透過係数)
実施例1〜4及び比較例1,2で作製した溶着部品について、アルミニウム製の容器(体積:9×105mm3)に試験燃料(レギュラーガソリン90体積部にエタノール10体積部を混合したもの)を200ml入れ、容器の開口部に溶着部品の溶着部を気密的に固定して容器の内部と溶着部品の内部を連通状態にする。溶着部品の管状部の先端はアルミニウム製シートを接着して密閉する。そして、40℃雰囲気中で1000時間経過した後に重量を測定し、燃料透過係数(mg/hr)を算出した。その結果を表1に示す。表1では、比較例2の溶着部品の燃料透過係数を基準にして、優れているものは◎、同等レベルのものは○、劣るものは△とした。
実施例1〜4及び比較例1,2で作製した溶着部品について、燃料封入容器の被接合部に溶着部品の溶着部を熱板溶着(溶着温度:150℃)させた後、溶着部品の管状部と燃料封入容器を、各々の固定治具を介してオートグラフにて引っ張り、燃料封入容器に対する溶着部品の溶着強度を測定した。その結果を表1に示す。表1では、比較例1の溶着部品の溶着強度を基準にして、優れているものは◎、同等レベルのものは○、劣るものは△とした。
実施例1〜4及び比較例1,2で作製した溶着部品について、溶着部品の溶着部と管状部を、各々の固定治具を介してオートグラフにて引っ張り、溶着部と管状部との接着強度を測定した。その結果を表1に示す。表1では、比較例2の溶着部品の溶着強度を基準にして、優れているものは◎、同等レベルのものは○、劣るものは△とした。
実施例1〜4及び比較例1,2で作製した溶着部品に対して、チッピング試験装置(スガ試験機製飛石試験機)により、JIS S 5001で規定する砕石をエアー圧0.5MPa、距離350mmのもとで温度(−40℃〜50℃)を変化させながら当てた後、溶着部品のうち燃料封入時に燃料と接する樹脂材料の割れ、変形及び亀裂を確認した。比較例2の溶着部品の耐チッピング性能を基準にして、優れているものは◎、同等レベルのものは○、劣るものは△とした。
実施例1〜4及び比較例1,2で作製した溶着部品に対して、JIS K 7211で規定されている耐衝撃性試験を実施した。落下高さ及び温度を変化させ、鋼球を落下させた後、溶着部品のうち燃料封入時に燃料と接する樹脂材料の割れ、変形及び亀裂を確認した。比較例2の溶着部品の耐衝撃性能を基準にして、優れているものは◎、同等レベルのものは○、劣るものは△とした。
T 燃料封入容器
1 溶着部
2 管状部
Claims (7)
- 燃料封入容器に溶着接合される環状の溶着部と、溶着部に同軸状に連続する管状部を備えた樹脂製の溶着部品であって、溶着部が、マレイン酸変性ポリエチレン樹脂を主成分とする材料で形成してあると共に、管状部が、80℃以上にガラス転移点を有し且つ320℃以下に融点を有する非強化の半芳香族ポリアミド樹脂を主成分とする材料で形成してあることを特徴とする燃料封入容器用溶着部品。
- 管状部の材料が、アミノ末端基濃度としてポリマー1kgあたり60当量以上であるポリアミド樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の燃料封入容器用溶着部品。
- 管状部の材料が、ジアミン成分として1,9‐ノナンジアミン、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料封入容器用溶着部品。
- 管状部の材料が、ジアミン成分として1,9‐ノナンジアミンと2メチル‐1、8オクタンジアミンを有し、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料封入容器用溶着部品。
- ジアミン成分のうち1,9‐ノナンジアミンの割合が80mol以下であることを特徴とする請求項4に記載の燃料封入容器用溶着部品。
- 管状部のうち連結部品が結合した状態で外部に露出する面を溶着部と同じ材料で被覆したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の燃料封入容器用溶着部品。
- 管状部のうち燃料封入時に燃料と接する面を溶着部と同じ材料で被覆したことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の燃料封入容器用溶着部品。
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