JP4469778B2 - 電界放射型電極、電界放射型電極の製造方法及び電子機器 - Google Patents

電界放射型電極、電界放射型電極の製造方法及び電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、電界放射型電極、電界放射型電極の製造方法及び電子機器に関する。
電界放出型冷陰極は、エミッタに電界を印加することで真空中に電子を放出することができ、熱カソードに替わる電子放出素子として注目されており、より低い閾値電界強度、エミッション電流の安定性、均一性をもとめてさまざまな研究がなされている。
電界放出型冷陰極に係る文献例としては、特許文献1に記載されるものがあった。
特開平9−161655号公報
電界放出型冷陰極の電子放出特性を向上させるために、電子放出サイトとなる表面近傍のポテンシャルバリアを低減化するものである。そのためには電子放出部の材料に電気親和力の小さい材料を用いることが有効であるが、特にダイヤモンドは負性電子親和力(Negative Electron Affinity)をもつだけでなく、硬度が高く化学的にも安定であり電子放出素子の材料として適している。
ただ、ダイヤモンドを用いた電子放出素子の場合には、ダイヤモンドの結晶性が高いほど基本的な電気伝導度が低く、電極となる基板との間に良好な電気的接触を得られにくいという問題点が生じる。このため、特許文献1には、電子放出特性の向上のためにダイヤモンドに窒素等の不純物を含ませることが示されている。
しかしながら、ダイヤモンド自体の電気抵抗率の高さなどが問題となり、電界集中を強化することが困難であった。
本発明は、電子放出特性に優れた電界放射型電極、電界放射型電極の製造方法及び電子機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る請求項1の電界放射型電極は、
カーボンナノウォール層上に積層形成され、粒径が5nmから10nmの複数のダイヤモンド微粒子を含み該ダイヤモンド微粒子間には無定形炭素が介在した電子放出膜と、
前記電子放出膜の前記無定形炭素を核として該電子放出膜の表面に成長したスティックと、
を有することを特徴とする。
請求項にかかる発明では、請求項1に記載の電界放射型電極において、
前記電子放出膜は、導電性を示すことを特徴とする。
請求項3にかかる発明では、請求項1又は2に記載の電界放射型電極において、
前記電子放出膜は、比(sp 結合の炭素)/(sp 結合の炭素)が2.5〜2.7であることを特徴とする。
請求項にかかる発明では、請求項1乃至のいずれか1項に記載の電界放射型電極において、
前記スティックは、炭素でできていることを特徴とする。
請求項5にかかる発明では、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電界放射型電極において、
前記スティックは、sp 結合の炭素でできていることを特徴とする。
請求項にかかる発明では、請求項1乃至のいずれか1項に記載の電界放射型電極において、
前記スティックは、前記電子放出膜の表面に起立していることを特徴とする。
請求項にかかる発明では、請求項1乃至のいずれか1項に記載の電界放射型電極において、
前記スティックは、前記電子放出膜の表面に5000〜75000本/mmの密度で形成されていることを特徴とする。
請求項にかかる発明では、請求項1乃至のいずれか1項に記載の電界放射型電極において、
前記スティックの周囲に炭素の小片が形成されていることを特徴とする。
請求項にかかる発明では、請求項に記載の電界放射型電極において、
前記炭素の小片が前記スティックにからみついている部分は、前記スティックの全長に対し50%以下であることを特徴とする。
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点に係る請求項10の電界放射型電極の製造方法は、
組成に炭素を含有する化合物を含む原料ガスを処理容器に供給して前記処理容器内にプラズマを生じることによって、基板の表面に積層されたカーボンナノウォール層と、カーボンナノウォール層上に積層形成され、粒径が5nmから10nmの複数のダイヤモンド微粒子を含み該ダイヤモンド微粒子間には無定形炭素が介在した電子放出膜と、前記電子放出膜の前記無定形炭素を核として該電子放出膜の表面に成長したスティックと、を形成することを特徴とする。
請求項11にかかる発明では、請求項10に記載の電界放射型電極の製造方法において、
前記基板の温度を測定する温度測定手段と、前記基板を裏面から冷却する冷却手段とを備えた装置により、前記基板の温度を制御して前記カーボンナノウォール層と前記電子放出膜と前記スティックとを形成することを特徴とする。
請求項12にかかる発明では、請求項10又は11に記載の電界放射型電極の製造方法において、
前記スティックは、炭素でできていることを特徴とする。
請求項13にかかる発明では、請求項10乃至12のいずれか1項に記載の電界放射型電極の製造方法において、
前記スティックは、sp 結合の炭素でできていることを特徴とする。
請求項14にかかる発明では、請求項10乃至13のいずれか1項に記載の電界放射型電極の製造方法において、
前記スティックは、前記電子放出膜の表面に起立していることを特徴とする。
請求項15にかかる発明では、請求項10乃至14のいずれか1項に記載の電界放射型電極の製造方法の製造方法において、
前記スティックは、前記電子放出膜の表面に5000〜75000本/mmの密度で形成されていることを特徴とする。
請求項16にかかる発明では、請求項10乃至15のいずれか1項に記載の電界放射型電極の製造方法の製造方法において、
前記スティックの周囲に炭素の小片が形成されていることを特徴とする。
請求項17にかかる発明では、請求項16に記載の電界放射型電極の製造方法の製造方法において、
前記炭素の小片が前記スティックにからみついている部分は、前記スティックの全長に対し50%以下であることを特徴とする。
上記目的を達成するために、本発明の第3の観点に係る請求項18の電子機器は、
カーボンナノウォール層上に積層形成され、粒径が5nmから10nmの複数のダイヤモンド微粒子を含み該ダイヤモンド微粒子間には無定形炭素が介在した電子放出膜と、前記電子放出膜の前記無定形炭素を核として該電子放出膜の表面に成長したスティックと、を有する電界放射型電極と、
前記電子放出用電極と対向して設けられた対向電極と、
電子放出用電極から放出される電子により発光する蛍光体膜と、
を備えることを特徴とする。
請求項19にかかる発明では、請求項18に記載の電子機器において、
前記スティックは、炭素でできていることを特徴とする。
請求項20にかかる発明では、請求項18又は19に記載の電子機器において、
前記スティックは、sp 結合の炭素でできていることを特徴とする。
請求項21にかかる発明では、請求項18乃至20のいずれか1項に記載の電子機器において、
前記スティックは、前記電子放出膜の表面に起立していることを特徴とする。
請求項22にかかる発明では、請求項18乃至21のいずれか1項に記載の電子機器において、
前記スティックは、前記電子放出膜の表面に5000〜75000本/mmの密度で形成されていることを特徴とする。
請求項23にかかる発明では、請求項18乃至22のいずれか1項に記載の電子機器において、
前記スティックの周囲に炭素の小片が形成されていることを特徴とする。
請求項24にかかる発明では、請求項23に記載の電子機器において、
前記炭素の小片が前記スティックにからみついている部分は、前記スティックの全長に対し50%以下であることを特徴とする。
本発明によれば、電子放出特性に優れた電界放射型電極が実現できる。
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本実施形態の電界放射型電極を備えた蛍光管41を示す図である。
本実施形態の電界放射型電極31は、カソード電極として機能し、基板1上に設けられた下地層となるカーボンナノウォール32上に形成された電子放出膜30を備えている。アノード電極33は、錫ドープ酸化インジウム(ITO;Indium Thin Oxide)、亜鉛ドープ酸化インジウム、酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、カドミウム−錫酸化物の少なくともいずれかから選択された透明導電材料を有する透明導電膜、或いは、ニッケル、アルミ等の不透明導電体材料の導電膜を備え、電界放射型電極31に対して所定の距離、離間した位置に対向して配置されている。電界放射型電極31の電子放出膜30はアノード電極33との対向面に配置され、アノード電極33と電界放射型電極31との間には、電子放出膜30から放出された電子により励起されて発光する蛍光体34が設けられている。
電界放射型電極31及びアノード電極33は真空雰囲気のガラス管40に封止されており、基板1に接続されたニッケル等の配線41及びアノード電極33に接続されたニッケル等の配線42がガラス管40から外部に導出されている。導出された配線41及び配線42は電源43に接続され、電源43によってアノード電極33と電界放射型電極31との間に所定の電位差が生じる。このとき、電界放射型電極31の電子放出膜30から電界放出された冷電子が、電界放射型電極31及びアノード電極33の間の電界によってアノード電極33側に引き寄せられて蛍光体34に衝突して蛍光体34が可視光を発光する。このような蛍光管41は、低いしきい値電圧で発光することが可能となる。また、電子放出特性にヒステリシスがないために耐久性が高い。
なお、上記蛍光管41は、アノード電極33と電界放射型電極31との間に所定の電圧を印加することにより蛍光体膜34に冷電子を衝突させて発光させるVFD(Vacuum Fluorescent Display)と呼ばれる蛍光管であるが、このような発光領域を画素として複数備えたフラットなパネル構造のFED(Field emission Display)として利用することもできる。
図2は、図1の走査型電子顕微鏡での電界放射型電極31の断面の画像であり、本実施形態の電界放射型電極31は、基板1に成膜されたカーボンナノウォール32と、カーボンナノウォール32上の複数のダイヤモンド微粒子を含む電子放出膜30と、を備えている。
カーボンナノウォール32は、曲面をなす花弁状(扇状)の複数の炭素薄片が起立しながら互いにランダムな方向に繋がりあって構成され、0.1nm〜10μmの厚さである。各炭素薄片は、格子間隔が0.34nmの数層〜数十層のグラフェンシートから構成されている。
図3は、図1の電子放出膜30の表面を走査型電子顕微鏡で走査した画像であり、図4は、図3の電子放出膜30をさらに拡大した画像である。電子放出膜30は、粒径が5nm〜10nmの複数のダイヤモンド微粒子と、ダイヤモンド粒子間の無定形の炭素を備え、表面から見ると、図4に示すように、ダイヤモンド微粒子が数十から数百個程度集まった笹葉のような組織が形成されている。つまり、表面の笹葉状組織が複数集まって、図3に示すように、上方から見た形状が略円形のドーム状のコロニーが形成され、このコロニーが成長する際に隣接するコロニーと密集して隙間を埋めて、表面が比較的に平滑な電子放出膜30が形成されている。そして電子放出膜30が、カーボンナノウォール32を覆っている。電子放出膜30のコロニーの径は1μm〜5μm程度であり、カーボンナノウォール32を隙間なく覆い尽くす程度に成長していることが望ましい。
電子放出膜30は、XRD測定によりダイヤモンドピークが確認されたことから、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)ではなく、ダイヤモンド構造を持つことが明らかであるにもかかわらず、20kΩ・cm以下とダイヤモンド本来の抵抗率(>1016Ω・cm)に比べて非常に小さい値を示す。電子放出特性が良好な電子放出膜30は、1kΩ・cm〜18kΩ・cmであった。
図5は、図4に示す笹葉状の電子放出膜30をさらに拡大した断面のモデル図である。図中の3aは、粒径が5nm〜10nmのダイヤモンド微粒子であり、厚さ方向に積層されている。ダイヤモンド微粒子3a、3a……の集合体の隙間には、Gバンドとして示されるsp 結合の無定形炭素3bが介在していることになる。ここで電子放出膜30の厚さを3μmとすると、厚さ方向にダイヤモンド微粒子3aが数百個連続して積層されることになる。これらダイヤモンド微粒子3aは、それぞれ絶縁体であるが、隙間に介在するsp 結合の無定形炭素3bがグラファイト構造により導電性を示すために、全体として電気伝導性を帯びている。
図6は、電子放出膜30のXRD(X-Ray Diffraction spectroscopy)によるスペクトルを示す図である。
電子放出膜30におけるX線回折パターンを調べると、ダイヤモンド結晶の顕著なピークを有すると共に、ガラス状炭素や黒鉛構造を基本とした無定形炭素のピークも観察された。このことから、電子放出膜30の主表面は、ダイヤモンド微粒子3aのみではなく、ダイヤモンド微粒子3a間に設けられたガラス状炭素又は黒鉛構造の無定形炭素を含むため、電子放出膜30は導電性を示すので電子放出特性に優れていることが判る。
図7は、電子放出膜30に波長532nmのレーザ光によるラマン分光測定を行い、二つの擬Voigt型関数によってそれぞれフィッティングされたラマンスペクトルである。図中、実線は電子放出膜30のラマンスペクトルの実測値であり、破線は、電子放出膜30の実測値をフィッティングしたものであり、一点鎖線は、フィッティングによるDバンド強度であり、二点鎖線は、フィッティングによるGバンド強度である。
上記スペクトル曲線を得るための具体的なフィッティングとして、まず実測値のラマンスペクトルの750cm-1〜2000cm-1の部分を抜き出し、抜き出した端部(750cm-1、2000cm-1)を結ぶ線をベースラインとしてスペクトルからベースライン分の数値を取り除く。次いで初期値として、ピーク位置をそれぞれ1333cm-1と1550cm-1とし、高さをそれぞれ波数1333cm-1と1550cm-1における実測値のラマンスペクトルの強度とし、線幅(半値全幅)をそれぞれ200cm-1と150cm-1とした。
下記式(1)に示す擬Voigt型関数を置き、非線形最小二乗法でスペクトルにそれぞれフィッティングを行う。
ここで、a=振幅、g=ガウス/ローレンツ比、p=ピーク位置、w=線幅である。なお、非線形最小二乗法では、ピーク強度だけでなく、ピーク位置、線幅に自由度を持たせて、擬Voigt関数でフィッティングをかけているため、最初に設定する初期値さえ妥当なものであれば、実測スペクトルと設定関数の誤差(χ2)が最小となるような最適なパラメータを得ることができる。よってピーク波長を微細且つ厳密に設定する必要はなく、以下のような初期条件で最小二乗法によるスペクトルフィッティングができれば、最適な面積比をもたらすようなパラメータが得られることになる。また非線形最小二乗法はアルゴリズムに依存しないが、マルクァート(Marquardt)法が望ましい。
このようにして、1550cm-1近傍をピークとしたGバンドの面積に対する1333cm-1近傍をピークとしたDバンドの面積の比を比(Dバンド強度)/(Gバンド強度)とした。ここで破線は、Dバンド強度とGバンド強度とが合成された成分であり、一点鎖線が、抽出されたDバンド強度成分であり、二点鎖線が、抽出されたGバンドの強度成分である。比(Dバンド強度)/(Gバンド強度)は、換言すれば、比(膜中のsp 結合の数)/(膜中のsp 結合の数)、すなわち、比(sp 結合の炭素)/(sp 結合の炭素)となる。
したがって、電子放出膜30は、全体として見かけ上、一層の膜形状であるが、これを微視的にみると、Dバンドとして示されるsp 結合の炭素であり、粒径が概ね5nm〜10nmのダイヤモンド微粒子3a、3a……の集合体と、ダイヤモンド微粒子3a、3aの隙間に介在し、Gバンド強度を示すsp 結合の無定形炭素3bと、の複合膜の構造となっている。比(Dバンド強度)/(Gバンド強度)は、2.5〜2.7が好ましい。
電子放出膜30の厚さを3μmとすると、厚さ方向にダイヤモンド微粒子3aが数百個連続して積層されることになる。これらダイヤモンド微粒子3aはそれぞれ絶縁体であるが、隙間に介在するsp 結合の無定形炭素3bが導電性を示すために、電子放出膜30全体として電気伝導性を帯びている。
このように、電子放出膜30は、X線回折パターンより組成中にダイヤモンド及び無定形炭素の存在が確認され、ラマン分光分析スペクトルより半値幅が50cm−1以上のブロードなピークを有する無定形炭素の存在が確認され、これらの複合体を有していることがわかる。
カーボンナノウォール32のラマン分光法によるスペクトルを図8に示す。
カーボンナノウォール32の炭素薄片は、1580cm−1付近のグラファイトの炭素−炭素結合の六角格子内での炭素原子の振動に起因する半値幅が50cm−1未満のGバンドのピークと1350cm−1付近の半値幅が50cm−1未満のDバンドのピークの強度比が鋭敏であり、また他のピークがほとんど見られないことから、緻密で純度の高いグラファイトからなるカーボンナノウォール32が生成されていることが明らかである。
このような電子放出膜30の表面では、図9に示すような針状の複数のスティックが起立した状態で形成されている。図10は、走査型電子顕微鏡で図9よりもさらに拡大した電子放出膜30の画像であり、図11は取り出したスティックの画像であり、図12は、図11のスティックをさらに拡大した画像である。このスティックは、径(太さ)方向に対する伸長方向のアスペクト比が約10以上、好ましくは30以上であり、径が10nm〜300nm程度のsp 結合の炭素を有し、中央の芯部の周辺を鞘部が覆っている構造となっている。
スティックは、ダイヤモンド微粒子3a、3a間に介在する無定形炭素3bを核として電子放出膜30の面方向に対して鉛直方向に成長している。このため、スティックは、ダイヤモンド微粒子3a、3aの隙間から隆起していることになる。
図13(a)は、表面にスティックが形成された電子放出膜30の走査型電子顕微鏡での画像であり、図13(b)は、図13(a)の電子放出膜が形成された電界放射型電極31を備えた蛍光管41が発光した状態を撮影した画像である。蛍光管は、電界放射型電極とアノード電極との距離を4.5mmとし、これら電極に6000Vの電圧を印加している。この蛍光体の発光輝度のうち最も高い輝度の70%以上の輝度を発光する部位に対応する電子放出膜の部位、つまり電子放出特性が良好な部位をサンプリングしたところスティックの本数密度が5000本/mm〜20000本/mmであった。この部位では、比(Dバンド強度)/(Gバンド強度)、つまり比(sp 結合の炭素)/(sp 結合の炭素)が2.6であった。なお、電界放射型電極の周縁部分には、発光時に電界が集中してしまっているため、電界放射条件がその他の部位と異なっているので、この部位に対応する蛍光体34の発光輝度は、上記最も高い輝度の対象となっていない。
図14(a)は、表面にスティックがほとんど形成されていない電子放出膜の走査型電子顕微鏡での画像であり、電子放出膜の比(sp 結合の炭素)/(sp 結合の炭素)が3.0であった。図14(b)は、図14(a)の電子放出膜が形成された電界放射型電極を備えた蛍光管に、図13(b)と同じ条件で電圧を印加した状態を撮影した画像である。表面にスティックがほとんど形成されていない電子放出膜ではこの条件で発光しておらず、表面にスティックが形成された電子放出膜に比べて電子放出特性が劣ることが確認された。
図15は、図13(b)のスティック有りの蛍光管の電流密度と、図14(b)のスティックなしの蛍光管の電流密度と、を測定したものである。図16(a)及び図16(b)は、このスティック4が表面に形成された電子放出膜30の電界放出特性を示す模式図である。
電子放出膜30では、個々のダイヤモンド微粒子3aは、負性電子親和力を有し、その粒径が10nm以下と極めて微小なためにトンネル効果により電子を放出することができる。また、sp 結合の無定形炭素3bがダイヤモンド微粒子3a、3a同士の隙間に所定の存在比で介在することによって、膜全体として導電性を付与して電界放出しやすくするばかりでなく、ダイヤモンド微粒子3aが、トンネル効果が得られないほど連続して重ならないようにしている。
つまり10nmのダイヤモンド微粒子3aが所定方向に100個程度ほとんど隙間なく堆積してしまうと、見かけ上ダイヤモンドの厚さは、1000nmになってしまい、強電界をかけてもほとんどトンネル効果をもたらさなくなってしまうが、導電性のsp 結合の無定形炭素3bが介在することによって、ダイヤモンド微粒子3aは個々に分離されるので、それぞれのダイヤモンド微粒子3aがトンネル効果を発現することが可能となる。
このため、電圧を印加することによって基板1から放出された電子は、カーボンナノウォール32を介してカーボンナノウォール32の表面に位置するダイヤモンド微粒子3aに一旦注入され、このダイヤモンド微粒子3aによって電界放出されて、電界方向に隣接するダイヤモンド微粒子3aに再び注入される。このような電子放出が電子放出膜30の電界方向に繰り返し起こり、最終的には、電子放出膜30の表面まで電子は移動する。
しかし、電界放出型電極31とアノード電極33との間の電界が小さいと、図16(a)に示すように、電子放出膜30の表面は平滑なために電界集中が起こりにくいために、電子放出膜30から突出しているスティック4に電界が集中し、スティック4の先端から電子が電界放射される。このように、スティック4が立体構造を持つため、平滑な電子放出膜30のみと比べて、電界放出型電極31とアノード電極33との間の電界強度が小さくても電界放出を開始することができる。
電界放出型電極31とアノード電極33との間の電界強度を大きくすると、図16(b)に示すように、スティック4から電解放射のみならず、電子放出膜30の表面からも電解放射が起きる。
カーボンナノウォール32にはスティック4がほとんど見られていない。これは、基板1上でカーボンナノウォール32を成長する際にカーボンナノウォール32の成長速度がある程度早いために、スティック4がカーボンナノウォール32の成長速度をはるか超えて成長することができないためである。
電子放出膜30は、成長速度が約1μm/hと遅く、また基板1の垂直方向のみならず、面方向にも放射状に成長していくのに対して、スティック4は、一方向のみに成長していくため成長速度が電子放出膜30よりも早い。なお、スティック4は、突出した構造上、後述するプラズマCVDにより加熱して成長される際に電子放出膜30の表面よりも高温になるため、sp 結合のダイヤモンド構造よりも成長適正温度範囲が高いsp 結合のグラファイト構造が成長しやすいといった状況も加味されている。
電子放出膜30の表面は、図13(a)に示すように、スティック4のみならず、塵状の炭素も形成されている。塵状の炭素は、グラファイト構造の炭素または非晶質構造の炭素を含み、スティック4の根元等にからみついているものもある。スティック4にからみついている塵状炭素の部分の長さはスティック4の全長に対して50%以下である。
塵状炭素が形成されることによって、表面積が増大し、スティック4の放熱性を向上できる。このため、吸着ガスの脱離が抑制され、脱離ガスによる電子放出膜30に対するイオン衝撃を抑制でき、さらに、スティック4の熱蒸発による組織破壊が抑制される。また、細身のスティック4を支えることになり、スティック4の倒壊、損壊しにくくなり、またスティック4との接触部位での電気伝導性を向上することができる。
図17(a)は、蛍光管において、電界放射型電極とアノード電極との距離を4.5mmとし、これら電極に6000Vの電圧を印加して発光した際に、蛍光体34の発光輝度のうち最も高い輝度(cd/m)の70%以上の輝度を発光する部位に対応する電子放出膜30の部位、つまり電子放出特性が良好な部位を10箇所程度サンプリングしたところスティック4の本数密度が5000本/mm〜15000本/mmの間だった電子放出膜30を有する電界放射型電極31を備えた蛍光管の発光状態を示す画像であり、図17(b)は、図17(a)の電子放出膜30の表面を走査型電子顕微鏡で撮影した画像である。電子放出膜30のDCプラズマでの成膜時間は3時間、成膜次の加熱温度は、905℃であった。
図18(a)は、蛍光管において、電界放射型電極とアノード電極との距離を4.5mmとし、これら電極に6000Vの電圧を印加して発光した際に、蛍光体34の発光輝度のうち最も高い輝度(cd/m)の70%以上の輝度を発光する部位に対応する電子放出膜30の部位、つまり電子放出特性が良好な部位を10箇所程度サンプリングしたところスティック4の本数密度が15000本/mm〜25000本/mmの間だった電子放出膜30を有する電界放射型電極31を備えた蛍光管の発光状態を示す画像であり、図18(b)は、図18(a)の電子放出膜30の表面を走査型電子顕微鏡で撮影した画像である。電子放出膜30のDCプラズマでの成膜時間は2時間、成膜次の加熱温度は、905℃であった。すなわち、DCプラズマで905℃に加熱していると、2時間を過ぎると3時間まではスティック4の本数密度が減ることが確認されている。このことは、スティック4とともに後述する塵状炭素が電子放出膜30の表面で成長し、スティック4を覆うことによって見かけ上スティック4が消失したような状態になるからである。
図19(a)は、蛍光管において、電界放射型電極とアノード電極との距離を4.5mmとし、これら電極に6000Vの電圧を印加して発光した際に、蛍光体34の発光輝度のうち最も高い輝度(cd/m)の70%以上の輝度を発光する部位に対応する電子放出膜30の部位、つまり電子放出特性が良好な部位を10箇所程度サンプリングしたところスティック4の本数密度が45000本/mm〜55000本/mmの間だった電子放出膜30を有する電界放射型電極31を備えた蛍光管の発光状態を示す画像であり、図19(b)は、図19(a)の電子放出膜30の表面を走査型電子顕微鏡で撮影した画像である。
電子放出膜30のDCプラズマでの成膜時間は2時間、成膜次の加熱温度は、900℃であった。したがって、成膜温度を905℃より若干下げた方がスティック4の本数密度を高くすることができる。ただし、図19(b)に示す電子放出膜30では、スティック4自体が細すぎてしまい、さらに塵状炭素も十分形成されていないため、塵状炭素がスティック4を支えきれず、スティック4が成長の途中で倒壊してしまい、図17(a)、図18(a)の蛍光管に比べて電界放出性が低い結果となった。
図20(a)は、蛍光管において、電界放射型電極とアノード電極との距離を4.5mmとし、これら電極に6000Vの電圧を印加して発光した際に、蛍光体34の発光輝度のうち最も高い輝度(cd/m)の70%以上の輝度を発光する部位に対応する電子放出膜30の部位、つまり電子放出特性が良好な部位を10箇所程度サンプリングしたところスティック4の本数密度が65000本/mm〜75000本/mmの間だった電子放出膜30を有する電界放射型電極31を備えた蛍光管の発光状態を示す画像であり、図20(b)は、図20(a)の電子放出膜30の表面を走査型電子顕微鏡で撮影した画像である。
電子放出膜30のDCプラズマでの成膜時間は2時間、成膜次の加熱温度は913℃であった。したがって、成膜温度を905℃より若干上げてもスティック4の本数密度を高くすることができる。ただし、図20(b)に示す電子放出膜30では、スティック4自体が細すぎて、スティック4が成長の途中で倒壊してしまい図17(a)、図18(a)の蛍光管に比べて電界放出性が低い結果となった。
なお、電子放出膜30のダイヤモンド微粒子3a、無定形炭素3b、スティック4及び塵状炭素の成長速度は、DCプラズマ装置内の原料ガス圧、ガス対流、装置内の陽極及び陰極の形状や大きさ、陽極及び陰極間距離など様々な要因に影響され、成膜温度及び成膜時間のみによって決まるわけではない。
電子放出特性は、本数密度が5000本/mm〜15000本/mmの間の電子放出膜30が最も良好で、以下、本数密度が15000本/mm〜25000本/mmの間の電子放出膜30、本数密度が45000本/mm〜55000本/mmの間の電子放出膜30、本数密度が65000本/mm〜75000本/mmの間の電子放出膜30の順となる。
以下、電子放出膜30の製造方法を説明する。
図21に示す直流プラズマCVD装置は、処理対象の基板1の表面に膜を形成する装置であり、基板1を外気から遮断するためのチャンバー10を備えている。
チャンバー10内には、テーブル11が配置され、テーブル11の上部に円板状の陽極11aが取付けられている。基板1は、陽極11aの上側載置面に固定される。テーブル11は、陽極11aとともに軸xを軸に回転するように設定されている。
陽極11aの載置面の下面側には、冷却部材12が配置され、図示しない移動機構により、冷却部材12が上下する構成になっている。冷却部材12は、銅等の熱伝導率の高い金属で形成され、その内部に図示しない水又は塩化カルシウム水溶液等の冷却媒体が循環している冷却部材12全体を冷やしている。このため、冷却部材12が上方に移動することにより、陽極11aに当接し、陽極11aを介して基板1の熱を奪う構造になっている。
陽極11aの上方には、陽極11aと対向するように一定の距離を置いて陰極13が配置されている。
陰極13の内部には、冷却媒体が流れる流路13aが形成され、その流路の両端には、管13b,13cが取付けられている。管13b,13cは、チャンバー10に形成された孔を貫通し流路13aに連通している。管13b,13cの通過したチャンバー10の孔は、シール剤でシールされ、チャンバー10内の気密性は確保されている。管13b、流路13a、管13cには、冷却媒体が流れることにより陰気13の発熱を抑制する。冷却媒体としては、水、塩化カルシウム水溶液、空気、不活性ガス等が好ましい。
チャンバー10の側面には、窓14が形成され、チャンバー10内の観察が可能になっている。窓14には、ガラスがはめ込まれ、チャンバー10内の気密性が確保されている。チャンバー10の外側に、窓14のガラスを介して基板1の温度を測定する放射温度計15が配置されている。
この直流プラズマCVD装置には、原料ガスをガス供給用管16を介して導入する原料系(図示略)とチャンバー10内から気体を排気用管17を介して排出してチャンバー10内の気圧を調整する排気系(図示略)と、出力設定部18とを備えている。
各管16,17は、チャンバー10に設けられた孔を通過している。その孔と管16,17の外周とチャンバー10との間は、シール材でシールされ、チャンバー10の内の気密性が確保されている。
出力設定部18は、陽極11aと陰極13との間の電圧又は電流密度を設定する手段であり、出力設定部18と陽極11a及び陰極13とは、リード線でそれぞれ接続されている。各リード線は、チャンバー10に設けられた孔を通過している。リード線が通されたチャンバー10の孔は、シール材でシールされている。
出力設定部18は、制御部18aを備え、その制御部18aは、放射温度計15とリード線で接続されている。制御部18aは、起動されると、放射温度計15の測定した基板1の成膜表面での放射率から基板1の成膜表面の温度を参照し、基板1の成膜表面の温度が予定の値になるように、陽極11aと陰極13との間の電圧又は電流密度を調整する。
次に、図21の直流プラズマCVD装置を用いて電子放出膜30を成膜し、電界放出電極を形成する成膜処理を説明する。
この成膜処理では、ニッケル等の基板1の表面に、カーボンナノウォール32と、カーボンナノウォール32上に形成された複数のダイヤモンド微粒子を含む電子放出膜30とを含む層とを有する電子放出膜20を成膜する。
まず、例えばニッケル板から基板1を切り出し、エタノール又はアセトンにより脱脂・超音波洗浄を十分に行う。この基板1を直流プラズマCVD装置の陽極11aの載置面上に固定する。
基板1が固定されると、次に、チャンバー10内を排気系を用いて減圧し、続いて、ガス供給用管16から水素ガスとメタン等の組成中に炭素を含有する化合物のガス(炭素含有化合物)とを導く。ガス供給用管16は、水素ガスとメタンごとに別々の管として設けられていてもよく、混合ガスとして1本にまとめられていてもよい。
原料ガス中の組成中に炭素を含有する化合物のガスは、全体の3vol%〜30vol%の範囲内にあることが望ましい。例えば、メタンの流量を50SCCM、水素の流量を500SCCMとし、全体の圧力を0.05〜1.5atm、好ましくは0.07〜0.1atmにする。また、基板1ごと陽極11aを10rpmで回転させ、基板1上の温度ばらつきが5%以内になるようにして陽極11aと陰極13との間に直流電源を印加し、プラズマを発生させ、プラズマ状態及び基板1の温度を制御する。
カーボンナノウォール32の成膜時には、基板1のカーボンナノウォール32が成膜される箇所の温度を900℃〜1100℃で所定時間の成膜を行う。カーボンナノウォール32の成膜表面の輻射は放射温度計15により測定されている。このとき、冷却部材12は、陽極11aの温度に影響がないように十分離間されている。放射温度計15は、図22に示すように、直流プラズマCVD装置のプラズマ輻射を減算して基板1側の表面での熱輻射のみから温度を求めるように設定されている。下地となるカーボンナノウォール32が十分成膜されたら、引き続きガス雰囲気を変えることなく連続したまま、プラズマにより加熱された陽極11aよりも遙かに低い温度の冷却部材12を上昇させて陽極11aの下面に当接させる(タイミングT0)。
このとき、冷却された陽極11aは、その上で固定されている基板1を冷却させ、基板1側の表面が、図22に示すように、カーボンナノウォール32の成膜時より10℃以上低い複数のダイヤモンド微粒子3aの成膜適正温度にまで急冷する。このときの温度は、890℃〜950℃、より望ましくは920℃〜940℃にする。なお、タイミングT0において、陽極11a及び陰極13の印加電圧又は印加電流値はあまり変えないことが好ましい。カーボンナノウォール32は、sp 結合のグラファイト構造であるため放射率がほぼ1であるので、カーボンナノウォール32を下地膜として用いると、その上の放射率を主成分であるダイヤモンド微粒子3aに合わせて放射率を0.7とすることによって、ダイヤモンド微粒子3aの成膜状態を把握でき、また安定した温度測定を行うことができる。
タイミングT0で基板1が一気に冷えたために、カーボンナノウォール32の成長が停止して、カーボンナノウォール32を核として複数のダイヤモンド微粒子3aが成長を開始し、やがて、カーボンナノウォール32上に粒径が5nm〜10nmのsp結合の複数のダイヤモンド微粒子3a及びダイヤモンド微粒子3a同士の隙間に介在する導電性のsp結合の無定形炭素3bを含む電子放出膜30を形成する。ダイヤモンド微粒子3a及び無定形炭素3bが成長していく過程において、電子放出膜30の表面に露出している無定形炭素3bからスティック4が成長される。
陽極11aに当接していた冷却部材12を下降させると、再びプラズマにより基板1側の表面温度とともに放射率が上昇し始める。このとき、950℃までの上昇であれば、カーボンナノウォール32に成長が切り替わることなく、ダイヤモンド微粒子3a及び無定形炭素23が成長し続ける。
上述のような製法で、図22におけるタイミングT1、タイミングT2、タイミングT3、タイミングT4に直流プラズマCVD装置のプラズマ出力を停止した電子放出膜30の状況をそれぞれ調べてみた。
図23(a)は、DCプラズマで製造の際にタイミングT1においてプラズマ出力を停止した電子放出膜30を用いた蛍光管41の発光状態を示す画像であり、図23(b)は、図23(a)の電子放出膜30の表面上を走査型電子顕微鏡で撮影した画像であり、図23(c)は、図23(a)の電子放出膜30の表面を走査型電子顕微鏡で撮影した画像であり、図23(d)は、図23(a)の電界放射型電極31の断面を走査型電子顕微鏡で撮影した画像である。
電界放射型電極31とアノード電極33との距離を4.5mmとし、これら電極に6000Vの電圧を印加して発光した際に、蛍光体34の発光輝度のうち最も高い輝度(cd/m)の70%以上の輝度を発光する部位に対応する電子放出膜30の部位、つまり電子放出特性が良好な部位を10箇所程度サンプリングしたところスティック4の本数密度が17000本/mm〜21000本/mmの間であった。電子放出膜30の比(膜中のsp 結合の数)/(膜中のsp 結合の数)は、2.50であった。図23(b)及び図23(c)に示すように、スティック4及びスティック4にからみつく塵状炭素は、すでに形成されている。
なお、電界放射型電極31の周縁部分には、発光時に電界が集中してしまっているため、電界放射条件がその他の部位と異なっているので、この部位に対応する蛍光体34の発光輝度は、上記最も高い輝度の対象となっていない。
図24(a)は、DCプラズマで製造の際にタイミングT2においてプラズマ出力を停止した電子放出膜30を用いた蛍光管41の発光状態を示す画像であり、図24(b)は、図24(a)の電子放出膜30の表面上を走査型電子顕微鏡で撮影した画像であり、図24(c)は、図24(a)の電子放出膜30の表面を走査型電子顕微鏡で撮影した画像であり、図24(d)は、図24(a)の電界放射型電極31の断面を走査型電子顕微鏡で撮影した画像である。
電界放射型電極31とアノード電極33との距離を4.5mmとし、これら電極に6000Vの電圧を印加して発光した際に、蛍光体34の発光輝度のうち最も高い輝度(cd/m)の70%以上の輝度を発光する部位に対応する電子放出膜30の部位、つまり電子放出特性が良好な部位を10箇所程度サンプリングしたところスティック4の本数密度が16000本/mm〜20000本/mmの間であった。電子放出膜30の比(膜中のsp 結合の数)/(膜中のsp 結合の数)は、2.52であった。図24(b)及び図24(c)に示すように、スティック4及びスティック4にからみつく塵状炭素は形成されているが図23(b)及び図23(c)と比較すると、スティック4及び塵状炭素はともに若干消失している。これは、プラズマによる成長速度よりもプラズマによるエッチング速度が速いためである。
なお、電界放射型電極31の周縁部分には、発光時に電界が集中してしまっているため、電界放射条件がその他の部位と異なっているので、この部位に対応する蛍光体34の発光輝度は、上記最も高い輝度の対象となっていない。
図25(a)は、DCプラズマで製造の際にタイミングT2においてプラズマ出力を停止した電子放出膜30を用いた蛍光管41の発光状態を示す画像であり、図25(b)は、図25(a)の電子放出膜30の表面上を走査型電子顕微鏡で撮影した画像であり、図25(c)は、図25(a)の電子放出膜30の表面を走査型電子顕微鏡で撮影した画像であり、図25(d)は、図25(a)の電界放射型電極31の断面を走査型電子顕微鏡で撮影した画像である。
電界放射型電極31とアノード電極33との距離を4.5mmとし、これら電極に6000Vの電圧を印加して発光した際に、蛍光体34の発光輝度のうち最も高い輝度(cd/m)の70%以上の輝度を発光する部位に対応する電子放出膜30の部位、つまり電子放出特性が良好な部位を10箇所程度サンプリングしたところスティック4の本数密度が8000本/mm〜12000本/mmの間であった。電子放出膜30の比(膜中のsp 結合の数)/(膜中のsp 結合の数)は、2.60であった。図25(b)及び図25(c)に示すように、スティック4及びスティック4にからみつく塵状炭素は形成されているが図24(b)及び図24(c)と比較すると、スティック4及び塵状炭素はともに若干消失している。これは、プラズマによる成長速度よりもプラズマによるエッチング速度が速いためである。また、プラズマによって一旦成長した電子放出膜30の一部がエッチングにより消失している。
なお、電界放射型電極31の周縁部分には、発光時に電界が集中してしまっているため、電界放射条件がその他の部位と異なっているので、この部位に対応する蛍光体34の発光輝度は、上記最も高い輝度の対象となっていない。
図26(a)は、DCプラズマで製造の際にタイミングT2においてプラズマ出力を停止した電子放出膜30を用いた蛍光管41の発光状態を示す画像であり、図26(b)は、図26(a)の位置(b)の電子放出膜30の表面上を走査型電子顕微鏡で撮影した画像であり、図26(c)は、図26(a)の電子放出膜30の表面を走査型電子顕微鏡で撮影した画像であり、図26(d)は、図26(a)の電界放射型電極31の断面を走査型電子顕微鏡で撮影した画像であり、図26(e)は、図26(a)の周縁位置(e)の電子放出膜30の表面上を走査型電子顕微鏡で撮影した画像である。
電界放射型電極31とアノード電極33との距離を4.5mmとし、これら電極に6000Vの電圧を印加して発光した際に、蛍光体34の発光輝度のうち最も高い輝度(cd/m)の70%以上の輝度を発光する部位に対応する電子放出膜30の部位、つまり電子放出特性が良好な部位を10箇所程度サンプリングしたところスティック4の本数密度が5000本/mm〜9000本/mmの間であった。電子放出膜30の比(膜中のsp 結合の数)/(膜中のsp 結合の数)は、2.55であった。図26(b)及び図26(c)に示すように、スティック4及びスティック4にからみつく塵状炭素は形成されているが図25(b)及び図25(c)と比較すると、スティック4及び塵状炭素はともに若干消失している。これは、プラズマによる成長速度よりもプラズマによるエッチング速度が速いためである。
また、プラズマによって一旦成長した電子放出膜30の一部のエッチングが図25(c)と比べて進行している。なお、電界放射型電極31の周縁部分には、発光時に電界が集中してしまっているため、電界放射条件がその他の部位と異なっているので、この部位に対応する蛍光体34の発光輝度は、上記最も高い輝度の対象となっていない。
なお、上記実施形態では、基板1と電子放出膜30との間に、カーボンナノウォール32を介在させたが、図27に示すように、基板1上に直接電子放出膜30を形成しても、上記実施形態同様、スティック4及び塵状炭素を形成することができる。
本発明における電界放射型電極を備えた光源は、FEDにみならず液晶パネルのバックライトやその他家庭用光源にも適用でき、さらには、パソコン、デジタルカメラ、携帯電話等の光源、車載用光源にも適用することが可能である。
本実施形態の電界放射型電極を備えた蛍光管を示す図である。 電界放射型電極の断面の画像である示す図である。 電子放出膜の表面の画像である。 図3の電子放出膜の表面をさらに拡大した画像である。 図4に示す笹葉状の電子放出膜をさらに拡大した断面のモデル図である。 電子放出膜におけるX線回折スペクトルを示す図である。 電子放出膜のラマン分光スペクトルを示す図である。 カーボンナノウォールのラマン分光スペクトルを示す図である。 電界放射型電極の断面の画像を示す図である。 図9をさらに拡大した画像を示す図である。 スティックの画像を示す図である。 スティックをさらに拡大した画像を示す図である。 電子放出膜の画像及び発光状態を撮像した画像を示す図である。 電子放出膜の画像及び電圧を印加した状態を撮像した画像を示す図である。 図13(b)のスティック有りの蛍光管の電流密度と、図14(b)のスティックなしの蛍光管の電流密度と、を測定した図である。 スティック及び電子放出膜の電界放出特性を示す模式図である。 スティックの本数密度が5000本/mm〜15000本/mmの場合の蛍光管の発光状態を示す画像と電子放出膜の表面を走査型電子顕微鏡で撮影した画像を示す図である。 スティックの本数密度が15000本/mm〜25000本/mmの場合の蛍光管の発光状態を示す画像と電子放出膜の表面を走査型電子顕微鏡で撮影した画像を示す図である。 スティックの本数密度が45000本/mm〜55000本/mmの場合の蛍光管の発光状態を示す画像と電子放出膜の表面を走査型電子顕微鏡で撮影した画像を示す図である。 スティックの本数密度が65000本/mm〜75000本/mmの場合の蛍光管の発光状態を示す画像と電子放出膜の表面を走査型電子顕微鏡で撮影した画像を示す図である。 本実施形態の電界放射型電極の製造装置を示す図である。 本実施形態の電界放射型電極のカーボンナノウォール及び電子放出膜を成膜する際の表面の放射率を示す図である。 電子放出膜を用いた蛍光管の発光状態を示す画像と、電子放出膜の表面上を撮影した画像と、電子放出膜の表面を撮影した画像と、電界放射型電極の断面を撮影した画像を示す図である。 電子放出膜を用いた蛍光管の発光状態を示す画像と、電子放出膜の表面上を撮影した画像と、電子放出膜の表面を撮影した画像と、電界放射型電極の断面を撮影した画像を示す図である。 電子放出膜を用いた蛍光管の発光状態を示す画像と、電子放出膜の表面上を撮影した画像と、電子放出膜の表面を撮影した画像と、電界放射型電極の断面を撮影した画像を示す図である。 電子放出膜を用いた蛍光管の発光状態を示す画像と、中央部の電子放出膜の表面部を撮影した画像と、電子放出膜の表面を撮影した画像と、電界放射型電極の断面を撮影した画像と、周辺部の電子放出膜の表面を撮影した画像を示す図である。 基板上に直接、電子放出膜を形成した断面のモデル図である。
符号の説明
1・・・基板、30・・・電子放出膜、31・・・電界放射型電極、41・・・蛍光管

Claims (24)

  1. カーボンナノウォール層上に積層形成され、粒径が5nmから10nmの複数のダイヤモンド微粒子を含み該ダイヤモンド微粒子間には無定形炭素が介在した電子放出膜と、
    前記電子放出膜の前記無定形炭素を核として該電子放出膜の表面に成長したスティックと、
    を有することを特徴とする電界放射型電極。
  2. 前記電子放出膜は、導電性を示すことを特徴とする請求項1に記載の電界放射型電極。
  3. 前記電子放出膜は、比(sp 結合の炭素)/(sp 結合の炭素)が2.5〜2.7であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電界放射型電極。
  4. 前記スティックは、炭素でできていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電界放射型電極。
  5. 前記スティックは、sp 結合の炭素でできていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電界放射型電極。
  6. 前記スティックは、前記電子放出膜の表面に起立していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電界放射型電極。
  7. 前記スティックは、前記電子放出膜の表面に5000〜75000本/mmの密度で形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電界放射型電極。
  8. 前記スティックの周囲に炭素の小片が形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電界放射型電極。
  9. 前記炭素の小片が前記スティックにからみついている部分は、前記スティックの全長に対し50%以下であることを特徴とする請求項8に記載の電界放射型電極。
  10. 組成に炭素を含有する化合物を含む原料ガスを処理容器に供給して前記処理容器内にプラズマを生じることによって、基板の表面に積層されたカーボンナノウォール層と、カーボンナノウォール層上に積層形成され、粒径が5nmから10nmの複数のダイヤモンド微粒子を含み該ダイヤモンド微粒子間には無定形炭素が介在した電子放出膜と、前記電子放出膜の前記無定形炭素を核として該電子放出膜の表面に成長したスティックと、
    を形成することを特徴とする電界放射型電極の製造方法。
  11. 前記基板の温度を測定する温度測定手段と、前記基板を裏面から冷却する冷却手段とを備えた装置により、前記基板の温度を制御して前記カーボンナノウォール層と前記電子放出膜と前記スティックとを形成することを特徴とする請求項10に記載の電界放射型電極の製造方法。
  12. 前記スティックは、炭素でできていることを特徴とする請求項10又は11に記載の電界放射型電極の製造方法。
  13. 前記スティックは、sp 結合の炭素でできていることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載の電界放射型電極の製造方法。
  14. 前記スティックは、前記電子放出膜の表面に起立していることを特徴とする請求項10乃至13のいずれか1項に記載の電界放射型電極の製造方法。
  15. 前記スティックは、前記電子放出膜の表面に5000〜75000本/mmの密度で形成されていることを特徴とする請求項10乃至14のいずれか1項に記載の電界放射型電極の製造方法。
  16. 前記スティックの周囲に炭素の小片が形成されていることを特徴とする請求項10乃至15のいずれか1項に記載の電界放射型電極の製造方法。
  17. 前記炭素の小片が前記スティックにからみついている部分は、前記スティックの全長に対し50%以下であることを特徴とする請求項16に記載の電界放射型電極の製造方法。
  18. カーボンナノウォール層上に積層形成され、粒径が5nmから10nmの複数のダイヤモンド微粒子を含み該ダイヤモンド微粒子間には無定形炭素が介在した電子放出膜と、前記電子放出膜の前記無定形炭素を核として該電子放出膜の表面に成長したスティックと、を有する電界放射型電極と、
    前記電子放出用電極と対向して設けられた対向電極と、
    電子放出用電極から放出される電子により発光する蛍光体膜と、
    を備えることを特徴とする電子機器。
  19. 前記スティックは、炭素でできていることを特徴とする請求項18に記載の電子機器。
  20. 前記スティックは、sp 結合の炭素でできていることを特徴とする請求項18又は19に記載の電子機器。
  21. 前記スティックは、前記電子放出膜の表面に起立していることを特徴とする請求項18乃至20のいずれか1項に記載の電子機器。
  22. 前記スティックは、前記電子放出膜の表面に5000〜75000本/mmの密度で形成されていることを特徴とする請求項18乃至21のいずれか1項に記載の電子機器。
  23. 前記スティックの周囲に炭素の小片が形成されていることを特徴とする請求項18乃至22のいずれか1項に記載の電子機器。
  24. 前記炭素の小片が前記スティックにからみついている部分は、前記スティックの全長に対し50%以下であることを特徴とする請求項23に記載の電子機器。
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