JP4469144B2 - 反射型光学素子及び反射型画像表示装置並びにプロジェクタ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射型光学素子、及びそれを用いた反射型画像表示装置、さらにはその反射型画像表示装置を用いたプロジェクタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶画像表示装置(液晶空間光変調装置、あるいは液晶ライトバルブ、以下では単にライトバルブと記す)を用いる画像投射装置(プロジェクタ装置)に関して、高品質な画像が求められている。高品質な画像の条件の一つとして、高精細であることが挙げられ、これは画素数で表される。画素数が多いほど、高精細な画像を実現できるが、ここに画素数の増大という課題がある。この画素数は、ライトバルブ面上の微細な画素(数十μmから十数μm)の配列数(ドット)で表され、現状では、XGA:1024×768ドット、あるいはSXGA:1280×1024ドットであり、今後、SXGA+:1400×1500ドット、UXGA:1600×1200ドット、QXGA:2048×1536ドットと増加する動向にある。プロジェクタ装置の小型化を考慮して、ライトバルブの面積を一定とした場合、画素数が増大するにつれて、一画素の大きさは小さくなっていく。
【0003】
画素は小さくなる動向にあるが、光を変調させるために液晶を駆動するスイッチング素子や補助容量などは、プロセス等の制約により、画素の小型化に比例して小さく出来るわけではなく、このため、透過型ライトバルブでは、一画素に対するスイッチング素子や補助容量などの面積が相対的に増加し、従って開口率が低下し、プロジェクタ装置全体の光利用効率が低下するという問題があった。従って、画質の向上を図ると同時に光利用効率を確保、あるいは向上させることが重要となる。
【0004】
これに対して、反射型ライトバルブは、スイッチング素子や補助容量などを、画素(反射)電極の下に形成することができ、入射する光をほとんど反射することが可能となる。このような反射型ライトバルブに関する技術は下記の特許文献等においても広く開示されている。例えば特許文献1、特許文献2では、反射型ライトバルブ、それを用いた液晶プロジェクタに関する技術が開示されている。
これらは、数百万ルクスの強い光を反射型ライトバルブに入射させると、画素間にある隙間を抜けて、光がSi基板に入り、これが光電流を発生させ、画質を低下させる課題に対して、これを防ぎ、画質の維持・向上を図るものである。
【0005】
しかしながら、画素間には必ず隙間があり、この隙間から光が入り込み、光損失は必ず生じる。さらに、単なる平坦な画素電極に光を照射した場合、光源として用いるランプからの照明光には平行成分以外の光も含まれており、また、配光分布があり、画素電極で反射された光は発散していく。つまり、反射の際の光利用効率低下の問題がある。
また、単なる反射電極では、光が発散し、光利用効率低下の問題があり、反射電極上に如何に入射光を損失なく集光させるかが、構成上の課題となっている。
そこで、光の損失を低減させ、光利用効率を向上させるため、画素電極(反射電極)の配列に対向させて、マイクロレンズアレイを設け、反射電極上に入射光を集光させ、光利用効率の向上を図る構成が提案されている。例えば特許文献3、特許文献4にこのような反射型ライトバルブに関する技術が開示されている。その特許文献4に記載されている実施の一形態を図27に示す。
【0006】
しかし、図27のように、画素配列に対してマイクロレンズアレイを対向させる構成では、(1)マイクロレンズの収差による画像劣化の問題及び、(2)マイクロレンズアレイと画素配列とのアライメントとの問題がある。すなわち、(1)の問題として、入射光はマイクロレンズを通り、反射電極で反射された後、再びマイクロレンズを通り、出射される。ここで、2回マイクロレンズを通るため、光は2回、マイクロレンズの収差を受けることになる。ここでマイクロレンズの収差が大きければ、大きく外れた角度で出射した光(照明光)は投射レンズに取りこまれず、光利用効率を低減させる。(2)の問題として、まず、マイクロレンズと反射電極(画素)の間の距離について、その垂直(光軸)方向の高精度のアライメントが必要になる。この垂直方向のアライメントにずれが生じると、マイクロレンズに入射する位置がずれ、上記の収差がひどくなる。また、光軸に垂直な平面内での高精度のアライメントが必要となる。光軸に垂直な面内で、画素配列とマイクロレンズアレイにずれがあれば、画素で反射された光は、対向するマイクロレンズだけでなく、隣接するマイクロレンズをも通ることになり、クロストーク、迷光となり画質の劣化、光利用効率の低下を招く。また、高精細化画像用に画素サイズを小さくするほど、公差は厳しくなる。ここで、もし、このアライメントが必要なければ、画質の劣化の原因が一つ減じ、また、アライメント装置も必要なく、コストの低減につながる。
【0007】
また、画像の高精細化が進むにつれて、画素サイズが小さくなると、画素に入反射する光は幾何光学的には扱えなくなり、波動光学的な取扱いが必要になる。10数μm以下の画素サイズでは回折が起こり、また画素が小さくなるほどそれは顕著となる。この回折が、画質の劣化を引き起こす可能性がある。特許文献4では幾何光学的に検討されているものの、波動光学的には検討されておらず、さらなる高精細化画像を実現する上で、波動光学、回折に基づく検討、設計は重要である。回折による画像への影響が幾何光学に基づくそれよりも小さければ問題は無い。
【0008】
また、プロジェクタ装置の用途ではないが、マイクロレンズアレイを設けない構成で、明度及び視野角特性の向上を図るため、曲面形状の反射板を用いる反射型液晶表示装置に関する技術が特許文献5に開示されている。その特許文献5に記載されている実施の一形態を図28に示す。ここでは、液晶セルの下に凹曲面51を有する反射板5(凹面鏡(あるいは凸の曲面鏡))を設け、外部からの入射光を、凹面鏡(あるいは凸の曲面鏡)で反射し、液晶セルを通しつつ、集光させ、明度及び視野角特性の向上を図る構成が記述されている。
装置の構成としては基板上の凹曲面配列、透明層、電極、液晶層、電極、透光性基板となっており、両端に電極を設け平行な液晶層を挟み、その一方の側に凹面鏡を樹脂等を介して設けるものである。凹面鏡の集光機能により光は発散しないものの、このような構成が必ずしも最適であるとは言えず、構成、部品・部材の数を減らし、作製工程の簡略化、低コスト化等を図る余地が多いにある。
【0009】
しかし、このような構成、装置に関しても問題が挙げられる。(1)反射曲面部が、銀色のステンレス、白色、銀色プラスチック板材等と記述されているが、前記の材料は低コストであるが反射効率を考えるとかならずしも良いとは言えない。(2)反射曲面部の上に液晶セルを設ける構成であるため、ガラス基板、液晶、ガラス基板という構成であり、従来のライトバルブと同じである。ここで、ガラス基板を一つ省けるなら、工程の簡略化、低コスト化に繋がるだけでなく、新規な構成、装置となる。(3)反射曲面部側の液晶セルのガラス基板厚は、反射曲面部が凹面状の場合、薄くなければ、液晶の手前で集光してしまうことになり、ガラスの研磨、その精度が問題となる。また、これは、画素のサイズが小さいほど厳しくなる。あるいは、ガラス基板厚がある程度厚くても、凹面状の曲率半径が大きければよいが、反射曲面部がステンレスの場合、金型による射出形成に加工精度が要求される。(4)また凹面反射鏡部と液晶セルとの間に透明樹脂層を設ける場合、上部の液晶セルのガラス基板装着性は向上するであろうが、透明性樹脂の材料特性により装着性が低下、また画質の劣化が生じる。透明性樹脂の熱膨張係数と、液晶セルのガラス(あるいは反射曲面部)の熱膨張係数が大きく異なると、部材間に応力が生じ、変形、画質の劣化が起こる。また、剥離も考えられる。透光性樹脂は一般的に熱膨張係数が大きく、このようなことが生じ易い。
【0010】
例えば、液晶ライトバルブの作製プロセスにおいて、高温を必要とするプロセスが入る。この高温プロセスにおいて各部材間の熱膨張率が異なるため部材間に応力が生じ、歪み、ずれ等により、部材どうしが剥離する問題がある。
また、例えば特許文献6には、透過型液晶ライトバルブを作製するプロセスにおいて、ポリイミドの配向膜のイミド化を促進するため、焼成に200℃前後の高温が必要と述べられている。ここでは、石英ガラス(カバーガラス)の線膨張係数が5.9×10−7/K、接着剤の線膨張係数が7.9×10−5/Kの例が挙げられており、この線膨張係数の差があれば、カバーガラスが接着剤層から剥がれやすくなってしまう旨の記述がある。また、線膨張係数のオーダとして、カバーガラスの線膨張係数が10−6/Kから10−5/Kであり、接着剤の線膨張係数が10−5/Kから10−4/Kとされており、すなわち、線膨張係数の差において、一桁乃至二桁開きがあり、200℃前後の温度がかかると、接着剤とカバーガラスが剥がれやすくなってしまう。
【0011】
これは、カバーガラスと接着剤のみならず、用いられる部材間の線膨張係数の差にも当てはまる。このことは、液晶を用いる画像表示装置では共通の課題といえる。この課題の解決のためには、部材間に大きな線膨張係数の差がある場合、プロセスを低温で行うか、あるいはプロセスが高温であるなら、部材間の線膨張係数差を小さくする、または線膨張係数の近い部材を使うことが必要である。さらには、低い温度で、線膨張係数の近い部材を用いた場合、より高品位のものが出来る。 装置の作成工程が低温であっても、高温であっても、部材間の線膨張係数の整合性を図っておくことが好ましい。
【0012】
また、熱の問題として、液晶ライトバルブの使用時の温度が上げられる。プロジェクタ装置の使用時に光源のランプから出射した光が液晶ライトバルブに照射されると、液晶ライトバルブの温度は上昇する。このとき液晶ライトバルブの温度は、〜60℃程度であり、液晶ライトバルブに使用されている部材間に大きな線膨張係数の差があれば、使用時に部材が膨張し、部材間に歪みが生じ、これが画質を劣化させる。
【0013】
上記のように、画像表示装置には複数の異なる部材が使用されている。高画質、高光利用効率を目指す上で、最適化設計がなされているものの、実際には、線膨張係数の違いよる応力、それによる歪み等が課題となる。このような課題に対しては、整合性のよい材料を用いて、応力を低減、解消することであり、また、装置の構成によりそれらを低減、解消することである。
【0014】
また、反射型画像表示装置においてマイクロプリズム、マイクロレンズアレイ等の開口率縮小光学素子を用い画像の解像を向上させ、画素数を増大させる技術が特許文献7に開示されている。しかしながら、この特許文献7に記載の反射型画像表示装置においても、上記のように開口率縮小光学素子を画素配列に対向させる構成であるため、アライメントの問題が生じる。
【0015】
【特許文献1】
特許第3176021号公報
【特許文献2】
特開2000−137246号公報
【特許文献3】
特開平11−84337号公報
【特許文献4】
特開平11−258585号公報
【特許文献5】
特開2002−131741号公報
【特許文献6】
特許第3110652号公報
【特許文献7】
特開2002−174852号公報
【非特許文献1】
光学薄膜、光応用技術、日本オプトメカトロニクス協会
【非特許文献2】
III−V族化合物半導体 赤碕勇編著、培風館
【非特許文献3】
結晶工学ハンドブック、共立出版
【非特許文献4】
(株)高純度化学研究所、カタログ
【非特許文献5】
理化年表、国立天文台編
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の問題を解消するためになされたものであり、光の利用効率が高く、画質の向上を図ることができ、作製工程の簡略化も図ることができる構成の反射型光学素子を提供することを目的とする。また、本発明は上記課題に加え、反射型光学素子に用いる複数の部材の線膨張係数の差異により生じる応力、それに基づく歪みの問題に対して、応力、歪みを低減しうる構成の反射型光学素子を提供することを目的とする。
さらに本発明は、上記の課題を解決した反射型光学素子を用い、高画質、高光利用効率の反射型画像表示装置を提供することを目的とし、さらには、その反射型画像表示装置を用い、高画質、高光利用効率のプロジェクタ装置(画像投射装置)を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための手段として、本発明は以下のような構成を特徴とする。
第1の構成の反射型光学素子は、電気回路が形成された半導体基板、反射膜、透光性の充填部材、液晶層、透明電極及び透光性基板からなり、前記反射膜は前記半導体基板の上に設けられ、且つ凹面形状部を有し、前記透光性の充填部材は前記反射膜及び前記凹面形状部を充填し、且つ前記透光性の充填部材の凹面形状部に対向する面は平坦であり、前記液晶層は前記透光性の充填部材の平坦な面上に設けられ、前記透明電極は前記液晶層の上に設けられ、前記透光性基板は前記透明電極を設けた前記液晶層の上に設けられる構成の反射型光学素子において、前記半導体基板と前記透光性充填部材と前記透光性基板との線膨張係数の差が一桁以内であることを特徴とする(請求項1)。
【0018】
第2の構成の反射型光学素子は、電気回路が形成された半導体基板、反射膜、透光性の充填部材、液晶層、透明電極及び透光性基板からなり、前記反射膜は前記半導体基板の上に設けられ、且つ凹面形状部を有し、前記透光性の充填部材は前記反射膜及び前記凹面形状部を充填し、且つ前記透光性の充填部材の凹面形状部に対向する面は平坦であり、前記液晶層は前記透光性の充填部材の平坦な面上に設けられ、前記透明電極は前記液晶層の上に設けられ、前記透光性基板は前記透明電極を設けた前記液晶層の上に設けられる構成の反射型光学素子において、前記半導体基板と前記反射膜との間に薄膜層を有し、前記薄膜層は前記半導体基板上に形成され、且つ凹面形状部を有しており、前記反射膜は前記薄膜層上に形成されており、前記半導体基板と前記薄膜層と前記透光性充填部材と前記透光性基板との線膨張係数の差が一桁以内であることを特徴とする(請求項2)。
【0019】
第3の構成の反射型光学素子は、電気回路が形成された半導体基板、反射膜、透光性の充填部材、液晶層、透明電極及び透光性基板からなり、前記反射膜は前記半導体基板の上に設けられ、且つ凹面形状部を有し、前記透光性の充填部材は前記反射膜及び前記凹面形状部を充填し、且つ前記透光性の充填部材の凹面形状部に対向する面は平坦であり、前記液晶層は前記透光性の充填部材の平坦な面上に設けられ、前記透明電極は前記液晶層の上に設けられ、前記透光性基板は前記透明電極を設けた前記液晶層の上に設けられる構成の反射型光学素子において、前記半導体基板と前記反射膜と前記透光性充填部材と前記透光性基板との線膨張係数の差が一桁以内であることを特徴とする(請求項3)。
【0020】
第4の構成の反射型光学素子は、電気回路が形成された半導体基板、反射膜、透光性の充填部材、液晶層、透明電極及び透光性基板からなり、前記反射膜は前記半導体基板の上に設けられ、且つ凹面形状部を有し、前記透光性の充填部材は前記反射膜及び前記凹面形状部を充填し、且つ前記透光性の充填部材の凹面形状部に対向する面は平坦であり、前記液晶層は前記透光性の充填部材の平坦な面上に設けられ、前記透明電極は前記液晶層の上に設けられ、前記透光性基板は前記透明電極を設けた前記液晶層の上に設けられる構成の反射型光学素子において、隣接する部材間に、該部材間の熱膨張率の差により生じる部材の歪みを緩和する薄膜層を設けたことを特徴とする(請求項4)。
【0021】
第5の構成の反射型光学素子は、電気回路が形成された半導体基板、反射膜、第一の透明電極、液晶層、第二の透明電極及び透光性基板からなり、前記反射膜は前記半導体基板の上に設けられ、且つ凹面形状部を有し、前記第一の透明電極は前記反射膜及び前記凹面形状部を充填し、且つ前記第一の透明電極の凹面形状部に対向する面は平坦であり、前記液晶層は前記第一の透明電極の平坦な面上に設けられ、前記第二の透明電極は前記液晶層の上に設けられ、前記透光性基板は前記第二の透明電極を設けた前記液晶層の上に設けられる構成の反射型光学素子において、隣接する部材間に、該部材間の熱膨張率の差により生じる部材の歪みを緩和する薄膜層を設けたことを特徴とする(請求項5)。
【0022】
第6の構成の反射型光学素子は、電気回路が形成された半導体基板、反射膜、液晶層、透明電極及び透光性基板からなり、前記反射膜は前記半導体基板の上に設けられ、且つ凹面形状部を有し、前記液晶層は前記凹面形状部を充填し、且つ前記液晶層の対向する面は平坦であり、前記透明電極は前記液晶層の平坦な面上に設けられ、前記透光性基板は前記透明電極を設けた前記液晶層の上に設けられる構成の反射型光学素子において、隣接する部材間に、該部材間の熱膨張率の差により生じる部材の歪みを緩和する薄膜層を設けたことを特徴とする(請求項6)。
【0023】
第7の構成の反射型光学素子は、電気回路が形成された半導体基板、反射膜、第一の透明電極、液晶層、第二の透明電極及び透光性基板からなり、前記反射膜は前記半導体基板の上に設けられ、且つ凹面形状部を有し、前記第一の透明電極はその凹面形状部を充填し、且つ前記第一の透明電極の凹面形状部に対向する面は平坦であり、前記液晶層は前記第一の透明電極の平坦な面上に設けられ、前記第二の透明電極は前記液晶層の上に設けられ、前記透光性基板は前記第二の透明電極を設けた前記液晶層の上に設けられる構成の反射型光学素子において、隣接する部材間に、該部材間の熱膨張率の差により生じる部材の歪みを緩和する薄膜層を設けたことを特徴とする(請求項7)。
【0024】
第8の構成の反射型光学素子は、第1、3〜7の何れか一つの構成の反射型光学素子において、前記半導体基板と前記反射膜との間に薄膜層を有し、前記薄膜層は前記半導体基板上に形成され、且つ凹面形状部を有しており、前記反射膜は前記薄膜層上に形成されていることを特徴とする(請求項8)。
【0025】
の構成の反射型光学素子は、第1〜の何れか一つの構成の反射型光学素子において、隣接する部材間に、該部材間の熱膨張率の差により生じる部材の歪みを緩和する薄膜層を設けたことを特徴とする(請求項)。
【0026】
10の構成の反射型光学素子は、第の何れか一つの構成の反射型光学素子において、前記歪みを緩和する薄膜層は、隣接する部材の線膨張係数の間の線膨張係数を有することを特徴とする(請求項10)。
【0027】
11の構成の反射型画像表示装置は、第1〜10の何れか一つの構成の反射型光学素子を用いたことを特徴とする(請求項11)。
また、第12の構成のプロジェクタ装置は、第11の構成の反射型画像表示装置と、投射レンズを備えたことを特徴とする(請求項12)。
さらに、第13の構成のプロジェクタ装置は、第12の構成のプロジェクタ装置において、前記反射型画像表示装置から出射する光の光路をシフトさせる装置を設置したことを特徴とする(請求項13)。
さらにまた、第14の構成のプロジェクタ装置は、第12または13の構成のプロジェクタ装置において、前記投射レンズの物面を、前記反射型光学素子における前記凹面形状部の焦点の位置よりも該凹面形状部側に設置することを特徴とする(請求項14)。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る反射型光学素子、及びそれを用いた反射型画像表示装置、及びその反射型画像表示装置を用いたプロジェクタ装置の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
まず、本発明に係る反射型光学素子の一例を図1に示す。図1は反射型光学素子の一構成例を示す断面図であり、この反射型光学素子は、基板101、薄膜層102、反射膜(あるいは反射膜を兼ねた電極膜(反射電極膜))103、透光性充填部材104、液晶層105、透明電極106、透光性基板107から構成されている。尚、反射型光学素子の具体的な構成については後述する。
【0030】
図1に示すような構成の反射型光学素子を、以下に述べる反射型画像表示装置(例えば,LCoS)、あるいはそれを用いたプロジェクタ装置に用いる場合、高精細な画像を実現させるために、例えば画素数がXGAのプロジェクタでは、反射型光学素子のサイズ(一画素のサイズ)は数十μmから10数μmであり、今後さらに高精細な画像を実現するためには、この光学素子のサイズ(一画素のサイズ)が数μmになることが予想される。ここで、例えばミリメートル(mm),センチメートル(cm)といったマクロサイズの大きさの光学素子では、その設計においては幾何光学的に考えれば充分である。しかし、上記のように素子のサイズが数十μm以下の微小光学素子となれば、高精細画像を実現するためには、波動光学を考慮した取扱いが必要である。例えば回折による画像に対する影響(劣化)が幾何光学的に考えられるそれよりも小さければ、設計する上では問題ないと考えられる。
【0031】
従って、ここで波動光学、回折を考慮したシミュレーション上での一例について説明する。この設計、検討を行うために光学シミュレータCODEV(Optical Research Associates)を用いた。まず、光学系の断面図を図19に示す。同図において、凹面鏡(凹面形状部)503は1辺14μmの正方形(図中縦方向の大きさがこの正方形の一辺に相当し、また、これが一画素のサイズに相当する)とした。この凹面鏡503の凹の部分に屈折率が1.83(ndに対して)の透光性充填部材502が充填されている。この透光性充填部材502に隣接してあるのが、透光性基板500である。凹面鏡503からこの隣接する透光性基板500までの距離は5μmである。実際には、透光性充填部材502と透光性基板500との間に液晶層と透明電極が入るが、この検討では本質的ではないため省略した。また、凹面鏡503の凹の部分を反射電極が被覆しているが、ここででは、凹面部の反射率を1.0と光学シミュレータ上で設定し、反射電極を代用した。図19では、見やすくするため、幾何光学的に光線追跡の結果を示している。光の波長は550nmである。ここでは、光が凹面で反射、収束された後、発散されていく様子を示している。光線が集光される位置が観察面(受光面)501である。この位置で観察される照度分布の広がりを、今、問題とする。例えば、入射光が平行光である場合、観察される波動光学による照度分布は図20に示すようになる。これは回折像であり、図の中心には0次回折光600があり、その両側に小さな1次回折光601がある。さらに高次の2次回折光602が出ているが、強度は非常に小さい。
【0032】
このとき、観察面でのこの照度分布の広がりが、画素のサイズ(ここでは14μm)よりも小さければ、高精細な画像が実現できることになる。以下に述べるプロジェクタ装置に、この反射型光学素子を用いた(液晶)画像表示装置(液晶ライトバルブあるいはLCoS)を用いた場合に、プロジェクタ装置に含まれる投射レンズの物面を、この観察面に一致させ、この照度分布をスクリーンに投影させると、投射レンズの性能に応じて画像が劣化するが、この照度分布を反映した画像が投射される。もし、このときに照度分布の広がりが、画素サイズよりも大きければ、隣接する画素の照度分布と重なり、CTF(Contrast Transfer Function、CTF=(MAX−MIN)/(MAX+MIN)、MAX及びMIMは正弦波的な照度分布の最大値と最小値)が劣化し、コントラストが低くなり、悪い画質の投射像となる。しかし、照度分布の広がりが画素サイズよりも小さく、CTFが1.0に近ければ高精細な画像となる。ただし、CTFは必ずしも1である必要はなく、また、1未満であっても、その値に応じた高精細化画像が得られる。すなわち、互いに隣接する画素間での照度分布の重なりの程度、あるいはその一つの照度分布の形状による。このため、照度分布の空間的大きさを測るときに、照度分布の全幅でなくとも半値幅(FWHM)であっても構わない。
【0033】
さらに、実際には、用いる光源の配光分布を考慮する必要がある。例えば、プロジェクタ装置の光源に白色ランプを用いる場合、平行光のみならず、照明角を有する光(照明角)が入ってくる。この配光分布は、ランプの特性であり、例えば、図21に示すようなものである。図21では、横軸に照明角、縦軸に強度(照度)を取っている。よって、照明角の広がりと共に、観察面での照度分布の広がりは、平行光のときよりも広がる。ここでは、F/2の光学系、あるいはプロジェクタ装置を想定して、F/2までの照明角を用いた。
【0034】
前記光学シミュレータ上で、凹面の曲率半径rを50μmから250μmまで、50μm刻みで変え、観察面(凹面鏡503の焦点近傍(図19における501))での、曲率半径rによる照度分布の広がりの変化を見た。その結果を図23に示す。このとき、観察面上での照度分布の広がりは半値幅(FWHM)とした。画素(光学素子)の1辺(正方形)のサイズが14μm(図23における破線)であり、このサイズとなる曲率半径rがほぼ200μmであり、画素サイズよりも小さいという条件を考慮した場合、rが200μm以下が好ましいことが分かる。また、例えばr=200μmは画素サイズ14μmに対して大きく、これは言いかえると F値は大きいということである。プロジェクタ装置において、用いる投射レンズがこのF値よりも小さければ、光の損失は無く、光利用効率の向上が可能となる。この場合、凹面鏡の焦点距離は長くなり、焦点を結ぶ位置は、透光性基板側、透光性基板内となる。
【0035】
また、上記の例では、観察面をほぼ、収差を含んだ凹面鏡503の焦点距離付近としたが、必ずしも、この位置が照度分布が最も小さい位置になるとは限らない。これは光源の配光分布があるためである。このことを示すため、この焦点近傍から観察面をずらした位置(すなわちディフォーカス)での照度分布を調べた。このとき、曲率半径rは150,200,250μmの3つとした。その結果を図24に示す。ここでディフォーカスは、焦点近傍から、凹面に近付けていく方向に行い、その量をマイナスの大きさで記す。図24に示すように、ディフォーカスが大きくなる(マイナス値が大きくなる)につれて、照度分布の広がりが小さくなっていることが分かる。これは、曲率半径rが大きく焦点近傍での照度分布が大きい場合(例えば、r=250μm)でも、このようにディフォーカスしていれば、画素サイズよりも照度分布の大きさが小さくなる領域(図24の破線以下)があることが示している。逆に言えば、初期値としてrが大きく、回折の広がりが画素サイズよりも大きく画質が悪い場合であっても、ディフォーカス量を大きくしていけば画質が向上するということである。これは上記のプロジェクタ装置において、投射レンズの物面を、この照度分布が小さくなる位置に設定することにより、高精細な画像が実現できることを示している。
また、このようにディフォーカスにより照度分布を小さくしていき、所望の画素サイズを得ることは、画素数を増大させる上でも効果的である。例えば、このディフォーカスによって画素サイズを1/2に縮小できることが図24から分かる(縦軸の7μm)。
【0036】
以下、上記の点を考慮して実施した本発明の具体的な実施の形態について詳細に説明する。
【0037】
(実施形態1)
まず図1に示した本発明の一実施形態の反射型光学素子の具体的な構成の説明を行なう。
この光学素子は、基板101、薄膜層102、反射膜を兼ねた電極膜(反射電極膜)103、透光性充填部材104、液晶層105、透明電極106、透光性基板107から成る。また、具体的な個々の部材は、例えば、半導体基板:Si、薄膜層:SiO、反射電極膜:Al、透光性充填部材:ZrO、液晶層:ネマッチク液晶、透明電極:ITO(Indium Tin Oxide)、透光性基板:Corning社製の硝材EAGLE2000などである。
【0038】
上記の構成において、熱膨張において支配的であるのは、基板101と透光性基板107である。なぜなら、他の部材と比して、厚みが厚いからであり、また、これらは、光学素子の両端にあり、薄膜層102、反射電極膜103、透光性充填部材104、液晶層105、透明電極106を挟み込む構成となっているからである。それらの厚みは、基板101が500μm程度、透光性基板107が500μmから1mm程度であり、これに対して、薄膜層102が数100nm、反射電極膜103が数100Åから千数100Å、透光性充填部材104が数μm程度、液晶層105:数μm程度、透明電極106:千数百Åと、一桁以上小さい値である。
【0039】
基板101には半導体を用いるの一般的であり、具体的にはSiである。しかし、GaAs等の化合物半導体でも構わない。例えば、液晶ライトバルブの一種であるLCoS(Liquid Crystal on Silicon)用のSi基板をそのまま用いることが考えられ、これは作製工程として簡便である。LCoSのSi基板には駆動素子、記憶素子等が設けられている。薄膜層102は凹面形状を形成するために半導体基板上に形成され、部材としては例えば上記のようにSiOが挙げられ、主として絶縁体、誘電体等である。また、これは、透光性充填部材と同一であっても構わない。また、反射電極膜103はAl、Ag、Auなどの導電率が高く、且つ光の反射率の大きな金属が好ましい。これは、この反射電極膜(金属薄膜)が、電極と反射鏡との役割を担うことによる。透光性充填部材104は、凹面部を埋めその表面を平坦にすることにより、液晶層105の設置を容易にするものである。機能的には、この透光性充填部材104は透明樹脂であっても構わないが、熱による生じる歪みを考えた場合、線膨張係数の大きな樹脂は好ましくない。しかし、樹脂の種類を選び、線膨張係数差が小さければ用いることは可能である。つまり、金属酸化物、弗化物、その他の化合物、誘電体、無機物が好ましい。この透光性充填部材104の凹面部に対向する面は光学研磨されており平坦である。この平坦面の上に液晶層105を設ける。液晶材料としてはネマティック液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等を用いることができる。液晶層105の界面には液晶分子を均一配向させる為の配向膜を設けるのが望ましい。この液晶層105の上にはITOなどの透明電極106が形成され、その上にはさらに透光性基板107がある。よって、液晶層105は、透光性充填部材104の平坦面と透光性基板107とにより封入される構成となる。前記反射電極膜(金属薄膜)103と透明電極106とにより電圧を印加し、液晶を駆動する。また、反射電極膜(金属薄膜)103と透明電極106はスルーホール電極部材150で電気的に接続されている。また、透光性基板107は、例えばカバーガラスである。この透光性基板107には上記の材料以外にも光学ガラス、無アルカリガラス、液晶ディスプレイ用ガラスが使用可能である。
【0040】
以上の一実施形態における凹面鏡を用いた反射型光学素子の機能を説明すると以下の様である。外部の光源からの光は、透光性基板(カバーガラス)107の側から、各部材、層を通り、反射電極膜(金属薄膜)103から成る凹面鏡で反射、集光された後、反射型光学素子から出射する。この際に、光は凹面鏡の収差のみを受け、マイクロレンズを用いる構成よりも収差を低減でき、画質向上、光利用効率向上が図れる。凹面鏡の曲率半径が素子に対して充分大きければ、球面収差も小さいものとなる。さらに、作製に関しても、例えば透光性充填部材が、通常使われる液晶層を挟む2枚のガラス基板のうちの一枚の役割を果し、部材を一つ減らことが可能となる。
【0041】
また、上記の例において、薄膜層(SiO)102の凹面形状は、膜をドライエッチングにより形成する。このとき、グレーレベルマスク(面積階調マスク)を用いることにより面精度の高い凹面を作製することができる。このようなマスクは、例えば、平面で0.1μmの高分解能で、垂直方向で数百階調の精度を出すことが可能である。上記の例で凹面の曲率半径を200μmとすると、凹面の深さ(sag)は、たかだか0.123μmである。この僅かの凹面をドライエッチングで削ることになるが、現行のドライエッチング技術では、充分に可能である。次に、その凹面形状部にAlをスパッタリングにより蒸着し反射電極膜103を形成する。そのAlが着いた凹面形状部の窪みを充填するように、さらにZrOをスパッタリングにより充填する。このZrOを充填した凹面形状部の凹面に対向する面を化学的・機械的研磨(CMP)により光学研磨する。その上に透明電極106としてITOを設けた液晶層105を設置する。さらに液晶層105の凹面形状部の対向する側に、透光性基板107を設置する。光学素子(画素サイズ)に比して凹面鏡の曲率半径が大きいとき、球面収差は低減される。例えば、画素サイズが1辺14μm(の正方形)に対して曲率半径r=200μmは充分に大きい。また、曲率半径が大きくなるほど、焦点距離が長くなり、すなわちF値が大きくなる。この反射型光学素子以降、また、それを用いた画像表示装置以降の光学系、あるいは装置のF値がこれよりも小さければ、光利用効率の向上が図れる。例えば、後述するプロジェクタ装置の例では、投射レンズのF値が、この凹面鏡のF値よりも小さいなら、部材により吸収、収差等によるケラレ以外は、光損失はなく、光利用効率の向上が図れる。例えば、プロジェクタ装置の投射レンズのF値をF/2としたとき、上記の凹面鏡の曲率半径rが200μmのとき、空気中として、F値はF/7.2と大きく、光損失はない。
【0042】
また、上記の透光性充填部材104に用いたZrOの屈折率nは2.03(550nm付近の波長に対する屈折率)であるが、これは高屈折率である。以下で述べるが、この透光性充填部材の屈折率が高いほど、素子に入射する光を、平行光に近づけることが可能で、照度分布の空間的大きさを考えると小さくなり、つまりは高精細な画像が可能となる。また、これ以外の透光性充填部材の材料としては次のようなものがある。材料:屈折率(550nm付近の波長に対する屈折率)として、SiO:1.45〜1.46、Al:1.63、MgO:1.74、Y:1.87、ZnO:2.1、Nd:2.15(非特許文献1:光学薄膜、光応用技術、日本オプトメカトロニクス協会)。さらに、これ以外にも部材は多数あり、材料選択の幅は広い。尚、透光性充填部材104としてはITOなどの透明電極を用いることもでき、この場合には、透光性充填部材104を第一の透明電極とし、前記透明電極106を第二の透明電極として、第一、第二の透明電極で液晶層105を挟み込む構成となる。
【0043】
前記基板として半導体を用いた場合、Siの線膨張係数は2.4×10−6/Kであり、Geの線膨張係数は5.5×10−6/Kであり、GaAs:6.0×10−6/K、ZnSe:7.55×10−6/K、InP:4.5×10−6/K[300K](非特許文献2:III−V族化合物半導体 赤碕勇編著、培風館)等である。また、これ以外にも部材は多数あり、材料選択の幅は広い。
【0044】
また、薄膜層、及び透光性充填部材の線膨張係数は、固体の平均値であるが、MgO(periclase):13.8×10−6/K、ZrO:11.8×10−6/K、Al:8〜9×10−6/Kである。また、後述するように、薄膜層を直接金属の反射電極膜として設けるときは、例えば、Alで23.8×10−6/℃[20〜100℃]、Auで14.2×10−6/℃[0〜100℃](非特許文献3:結晶工学ハンドブック、共立出版)、Ag:19.68×10−6/℃[0〜100℃]、W:4.45×10−6/℃[0〜500℃](非特許文献4:(株)高純度化学研究所、カタログ)である。これらの値は上記の半導体の基板と比べたとき、数倍から一桁以内程度の値である。また、これ以外にも種々の材料、その組み合わせが考えられる。
【0045】
上記では、部材の線膨張係数が異なるものの、その差が一桁(比で10)以内であるため、部材間の差が小さく、作製工程において、200℃前後の高温プロセスが入っても、部材間に剥がれ等の問題は生じない。例えば、SiとMgOとの線膨張係数の比は5.8、SiとAlの場合のその比は9.9である。よって、本発明に係る反射型光学素子において、熱膨張率が略同じとは、線膨張係数の差が一桁程度を意味するものである。
【0046】
(実施形態2)
次に本発明に係る凹面鏡を用いた反射型光学素子の別の実施形態を説明する。図2は反射型光学素子の別の構成例を示す断面図である。この構成例では、ほぼ第1の実施形態の反射型光学素子の構成と同様であるが、上記の凹面を形成する薄膜層の代りに金属薄膜102aを直接、半導体平坦基板101aの上に形成し、この金属薄膜102aを凹面形状に加工する点で異なる。そして、この金属薄膜102aが前述の反射電極膜としての役割を果す。作用、効果に関しては、画質向上、光利用効率の向上に関しては、第1の実施形態と同様であるが、この構成にすることにより薄膜層を形成する工程を省くことができ、プロセスの簡略化、低コスト化が図れる。また、この構成において、上記のように基板と透光性基板との熱膨張係数を揃えて、熱による歪みを緩和する。
【0047】
さらに、基板、透光性充填部材、透光性基板の3者の線膨張係数を揃えることにより、より熱に対して強い反射型光学素子、反射型画像表示装置を作製することができる。ここで、例えば、透光性充填部材と透光性基板とを同じ材料にする。これは基板がSi、透光性充填部材と透光性基板がSiO(石英ガラス)、あるいは高屈折率の光学ガラスの組み合わせである。
さらにまた、基板、薄膜層(あるいは反射膜)、透光性充填部材、透光性基板の4者の線膨張係数を揃えることにより、さらに熱に対して安定な素子、装置が可能となる。ここでは、この薄膜層に関しては、透光性部材の材質と同一とすることが好ましい。
【0048】
(実施形態3)
次に本発明に係る凹面鏡を用いた反射型光学素子のさらに別の実施形態を説明する。図3は反射型光学素子のさらに別の構成例を示す断面図である。この構成例では、上記の第2の実施形態の構成例において、透光性充填部材104aと液晶層105aとの間に薄膜層100aを新たに一層設けた構成となっている。この薄膜層100aの部材としては、基板101aと透光性基板107aとの間の線膨張係数を持つものが好ましい。この例では、薄膜層100aをこの位置に設けたが、他の部材間であっても構わず、例えば,透明電極106aのついた液晶層105aと透光性基板107aの間であっても構わない。また、このような薄膜層を2層以上設けた構成であってもよい。
【0049】
(実施形態4)
次に第1の実施形態の反射型光学素子の構成例で作製方法の一例を説明すると以下のようである。
(1)半導体基板上に真空蒸着、スパッタリング、プラズマCVD(化学気相成長)等の成膜手法により薄膜層を形成する。
(2)この薄膜層の上にレジストを塗布し、凹面の形状が作製可能なグレーレベル(階調)マスクを用い露光、及び現像を行い凹面形状が作製可能なレジストパターンを残す。ドライエッチングにより薄膜層のエッチングを行いレジストパターンを反映した凹面形状を薄膜層に転写する。
(3)上記の(1)と同様の成膜手段により金属膜を凹面形状に合わせて形成させる。
(4)スルーホール電極を作製する。
(5)透光性充填部材を凹面形状を埋める程度に厚く(1)、(3)と同様の成膜手段で形成する。
(6)化学的、機械的研磨等の高精度の研磨手法を用いて透光性充填部材の表面を研磨し平坦化する。
(7)液晶層形成。
(8)透明電極形成。
(9)透光性基板を設置。
【0050】
尚、第2の実施形態の反射型光学素子においては、上記(1)における薄膜形成を金属膜として、(3)の工程を省く。
また、第3の実施形態の反射型光学素子においては、異なる部材の間に薄膜層を設けるため、さらに成膜工程が入る。
【0051】
(実施形態5)
次に図5は本発明の第5の実施形態の構成及び作用を説明するものであり、図1と同様の構成の反射型光学素子を複数配列した場合に、凹面鏡で反射された光が透光性基板7cの中で集光される構成に関するものである。凹面鏡の曲率半径を画素サイズに対して小さくしていくと、凹面鏡の焦点距離が短くなり、より小さな領域に光を集光させることができるが、その集光点以降の光学系において光の発散角(照明角)が大きくなり、光利用効率を向上させるには、それ以降に設置する光学系のF値を小さくしなければならないことを意味する。つまり、凹面鏡のF値だけが大きいと、光利用効率の低下を招く。また、凹面鏡の曲率半径が小さいと、それにつれて球面収差が大きくなり、光軸から大きく傾いて出射する光が増え、これも光利用効率の低下、あるいは、画質の劣化を招く結果となる。
【0052】
この実施形態のように、凹面鏡により光が集光されて、最も集光される点110cを透光性基板107cの内部にすることにより、上記の画質の劣化、光利用効率の低下を防ぐだけでなく、向上させることができる。ここで、最も集光される点とは、一般に焦点近傍である。しかし、光源の配光分布等を考慮し、受光面(観察面)を設け、その面上での照度分布のプロファイルの空間的広がりで定義すると、必ずしも焦点近傍に限られない。
【0053】
ここで、凹面鏡(102cあるいは103c)から透光性基板107cまでの距離を概算してみる。透光性充填部材104cの凹面鏡の端からの厚みSが、研磨精度を考慮して、5μm程度、液晶層の厚みが5μm程度、透明電極の厚みが1500Å程度で無視しても差し支えなく、全体でも10μm程度である。屈折率が各層、部材で異なるが一定と仮定して、幾何光学的に考えた凹面鏡の焦点距離fは、曲率半径rに対して、f=r/2で与えられる。このため、fを10μm以上にするためには、rは20μmで以上あればよい。また、反射型ライトバルブに用いられる透光性基板の厚みは500μmから1mm程度であり、これをfとしたとき、rは、250μmから500μm程度であり、これが上限と考えられる。rが大きいほど、球面収差を低減でき、光利用効率の向上、画質の向上が図れる。尚、曲率半径rが250μmのとき、F/8.9であり、この素子以降の光学系のF値をこれ以下とすれば、光損失はない。例えば、プロジェクタ装置において、投射レンズがF/2とすると、光損失は無い。また、正方形の画素のサイズ(ピッチ)を1辺14μmとして、このrが20μm以上であることは、隙間なく凹面鏡を配列させることが可能となる。さらにまた、凹面鏡により形成される照度分布110cの大きさを、曲率半径rの設定により凹面鏡の画素サイズよりも小さくすることが可能で、画素サイズよりも小さな画素(縮小画素)を実現できることになる。これにより高精細な画像が可能となる。
【0054】
(実施形態6)
次に本発明の第6の実施形態として、以上に説明した反射型光学素子の凹面鏡の形状について述べると、凹面鏡の形状を球面から非球面にすることで、より一層の画質の向上を図ることができる。すなわち、球面である限り、球面収差は避けられず、非球面にすることにより収差を低減し、集光特性を向上させることができる。これにより光利用効率の向上、画質の向上が可能となる。尚、非球面の形状としては、例えばスーパコニックなどが挙げられる。
【0055】
(実施形態7)
次に本発明の第7の実施形態は、以上に説明した反射型光学素子において、前記透光性充填部材が、光軸に対して角度を持って入射する照明光に対して、その光軸に対する角度を小さくする屈折率を有するように構成するものである。以下、このように構成した場合の作用について説明する。
凹面鏡の曲率半径が同じで透光性充填部材の屈折率が異なる場合、角度θ(照明角)で入射する光はスネルの法則に従って屈折されるが、その角度θ’は透光性充填部材の屈折率が大きくなるほど小さくなる。このθ’が小さいほど平行光に近くなり、これは凹面鏡の焦点近傍に形成される照度分布の広がりの照明角依存性を低減する働きを持つ。すなわちシャープな照度分布が形成される。これは、集光特性の向上であり、光利用効率の向上のみならず、画質の向上をももたらす。
【0056】
この作用を構成とともに説明したのが、図6であり、ここでは凹面鏡と透光性充填部材、液晶層及び外部光源からの入射光のみを示す。透光性充填部材の上にあるのは液晶層であり、この液晶層の屈折率をn、透光性充填部材の屈折率をn1またはn2(n1<n2)として、n<n1<n2としている。図6の(イ)と(ロ)とにおいて入射角θは同じであるが屈折角θ’は(ロ)の方が小さくなる。液晶の屈折率nは1.5〜1.6程度であるため透光性充填部材の屈折率はこの値より大きければよい。このように透光性充填部材の屈折率を液晶層の屈折率よりも高めることにより集光特性を向上させることができる。尚、前述の図19の光学シミュレーションの例では、この透光性充填部材の屈折率は1.83としており、この条件を満たしている。
【0057】
ここで、高屈折率の材料で、例えば光学薄膜等に使われるものとして、材料:屈折率(550nm付近の波長に対する屈折率)として、Al:1.63、MgO:1.74、Y:1.87、ZrO:2.05、ZnO:2.1(非特許文献1:光学薄膜、光応用技術、日本オプトメカトロニクス協会)などがあり、材料選択の幅が広い。また、線膨張係数は固体の平均値であるが、MgO(periclase):13.8×10−6/K、ZrO:11.8×10−6/K、Al:8〜9×10−6/Kである。Siの線膨張係数は、2.6×10−6/K[293K]であり、せいぜい数倍程度である。また、Si基板上の薄膜層も上記材料の線膨張係数前後のもを使用すれば問題はない。また、直接金属の薄膜を設けるときは、例えばAlで、23.8×10−6/℃[20〜100℃]、Auで14.2×10−6/℃[0〜100℃](非特許文献3:結晶工学ハンドブック、共立出版)と比較的近い値となる。また、この透光性充填部材の上に液晶層を設けるため、従来の液晶セルのガラス基板との整合性を考える必要がない。
【0058】
ステンレス鋼(18Cr、8Ni)の線膨張係数は14.7×10−6/K[293K](非特許文献5:理化年表、国立天文台編)であるが、これに対して、透明樹脂の場合、線膨張係数は、例えば、ポリエチレン:100〜200×10−6/K、ポリスチレン:34〜200×10−6/K、ポリメタクリ酸メチル:80×10−6/K、[293K](非特許文献5)と数倍から一桁以上大きな値となっている。また、液晶セルに使われるガラス基板として石英ガラスがあるが、線膨張係数は0.4〜0.5×10−6/K[293K](非特許文献5)であり、別のガラス基板としてCorning社製の1737があるが、線膨張係数は38×10−6/K程度である。これらの値と透光樹脂を比べた場合も、数倍から一桁以上の差があり、熱による歪みが生じ、上記の問題が生じる可能性がある。
【0059】
(実施形態8)
次に、上記の凹面反射鏡を用いた反射型光学素子を多数配列させた反射型画像表示装置の一実施形態を説明する。図4は反射型画像表示装置の構成例を示す断面図である。図4においては、図1と同様の構成の第1の実施形態で説明した反射型光学素子を用いて説明しているが、第2、第3の実施形態の素子でも構わない。図4では、簡略化のため、凹面鏡を6つのみを示してあるが、配列数は、例えばXGAであれば1024×768である。また、この図4ではスルーホール電極部材の図示は省略してある。画素の形状は例えば正方形であり、1辺のサイズは十数μm程度である。この反射型画像表示装置では、上記の優れた光学的性能を持つ凹面鏡を配列させているため、高精細な画像表示が可能となる。すなわち、高画質、高光利用効率の画像表示装置が可能となる。また、別の効果として、このような装置構成であるため、従来のライトバルブのように反射電極のアレイとマイクロレンズアレイのアライメントを行う必要がなく、作製工程の簡略化、低コスト化が図れる。さらには、マイクロレンズアレイと画素配列とのミスアライメントによる画像劣化が無い。このためマイクロレンズを使った液晶ライトバルブよりも光利用効率、高画質の点で有利となる。
【0060】
上記の反射型画像表示装置に関して、画像表示領域(パネル)の大きさを1インチ(=2.54cm、対角線方向)とする。このとき、基板101bと透光性基板107bとの線膨張係数の差(絶対値、Δαと記す)により、部材間の膨張率の差によるずれ量の差(ΔLと記す)を概算してみると図26に示すようになる(装置の動作温度を60℃した)。図26において、横軸がΔαであり、縦軸がΔLである。ここでは、基板101bと透光性基板107bとの中心を合わせて、パネルの端でのずれ量を見ている(このため、2で割っている)。ΔLは次の式で計算される。
ΔL=Δα×使用温度×素子の全体サイズ
【0061】
次に、複数の部材間の熱膨張係数を考えると、各部材の熱膨張係数をα1,α2,・・・,αnとして、そのうちで最大のものと最小のものとをαiとαjとして、その差の絶対値|αi−αj|をΔαとする。
例えば、上記の例で、Si基板の線膨張係数は2.4×10−6/Kであり、透光性基板(Corning社EAGLE2000)の線膨張係数は3.2×10−6/Kであり、線膨張係数の差は小さく、このときΔLは2.0μmと小さい。また、基板がSiで、透光性充填部材にZrOを用いた場合にはΔLは23.9μmとなる。また、反射電極膜103bにAlを用いた場合にはΔLは54.4μmと、大きな値となる.
【0062】
これらの値は、従来技術で述べたマイクロレンズアレイを用いる液晶ライトバルブの場合であると非常に問題である。何故なら1画素(14μm)サイズ以上のずれが生じると画素とマイクロレンズが全く対応せず、著しい画質の劣化が生じ、また、一画素以内のずれ量であっても、迷光、クロストーク等の画質の劣化が起こるからである。しかしながら、本実施形態の凹面鏡を用いた反射型画像表示装置においては、マイクロレンズが無く、このような画素とマイクロレンズとの位置関係を全く考慮する必要がない。このため、ずれが大きくても問題はなく、大きな利点となる。さらに、熱膨張を緩和する薄膜層を設けることにより、ずれを小さくすることが可能である。例えば、上記の反射型光学素子の層状の構造において、線膨張係数が異なる層▲1▼と層▲2▼があった場合、熱膨張を緩和する薄膜層▲3▼の材質を層▲1▼と同じとし、線膨張係数を揃え、層▲2▼の上に設けることにより、歪み、ずれを小さくすることが可能である。
【0063】
(実施形態9)
次に本発明の第9の実施形態として、反射型光学素子と、それを用いた反射型画像表示装置のより具体的な実施例を説明する。
【0064】
[実施例1]
図7は本発明の一実施例を示す反射型光学素子の断面図である。この反射型光学素子は、基本的に、基板201、薄膜層202、反射膜(または電極を兼ねた反射膜(反射電極膜))203、透光性の充填部材204、液晶層205、透明電極206、透光性基板207からなる。基板201には半導体Siを用いるのが現状的に一般的であるが、将来的にGaAs等の化合物半導体でも構わない。また、基板上にはソース,ドレイン,ゲート及びそれらの配線からなるMOS(Metal Oxide Semiconductor)210及び補助容量211等の電気回路209が形成されている。液晶を用いた空間光変調装置の一つであるLCoS(Liquid Crystal on Silicon)用のSiバックプレーンをそのまま流用するのが作製工程としては簡便である。また、遮光層208は例えばAlであるが、その他Ag、Cu等の金属、それらの合金であっても構わない。
【0065】
基板201の上には、薄膜層202が形成されており、この薄膜層202は凹面形状を形成するために形成され、材質として例えばSiOなどが挙げられるが、これに限られるものではない。また、熱膨張による応力の発生などによる画質劣化等の不具合を防ぐため、材料特性を考慮して、透光性の充填部材204と同一であっても構わない。また、反射膜203はAl、Ag、Auなどの導電率が高く、且つ光の反射率の大きな金属が好ましい。これは、この金属薄膜からなる反射膜(反射電極膜)203が、電極と反射鏡との役割を担うことによる。このため、この反射電極膜203はスルーホール212によって基板201の電気回路209と接続されている。透光性の充填部材204は、凹面部を埋めその表面を平坦にすることにより、液晶層205の設置を容易にするものである。機能的には、この透光性の充填部材204は透明樹脂であっても構わないが、熱により生じる歪みを考えた場合、線熱膨張係数の大きな樹脂は好ましくない。金属酸化物、弗化物その他の化合物、無機物が好ましい。この透光性の充填部材204の凹面部に対向する面は光学研磨されており平坦である。この平坦面の上に液晶層205を設ける。このとき液晶層205と平坦層との間には配向膜(図示せず)が設けられる。この液晶層205の上にはITO(Indium Tin Oxide)などの透明電極206が形成され、その上にはさらに透光性基板207がある。よって、液晶層205は、透光性充填部材204の平坦面と透光性基板207とにより封入される構成となる。また、透明電極206と液晶層205との間にも配向膜(図示せず)が設けられる。
【0066】
この反射型光学素子では、前記反射電極膜203と透明電極206とにより電圧を印加し、液晶を駆動する。また、反射電極膜203と透明電極206はスルーホール電極部材(図示せず)で電気的に接続されている。また、透光性基板207は、例えばカバーガラスである。外部の光源からの光は、カバーガラス207の側から、各部材、層を通り、凹面鏡で反射、集光された後、この反射型光学素子から出射する。凹面鏡で反射された光は凹面鏡の集光作用により細い光束となっていく。このため、入射し、反射する光は、画素電極が平坦な面であるときに比べて不要な発散がなく、光利用効率の向上に繋がる。また、光は凹面鏡の収差のみを受け、マイクロレンズを用いる構成よりも収差を低減でき、画質の向上、光利用効率の向上が図れる。
【0067】
[実施例2]
図8は本発明の別の実施例を示す反射型光学素子の断面図である。図8において、図7の実施例と同じ構成部材には同じ符号を付けてあり、ここでは説明を省略する。この実施例での特長は、第1の透明電極213と第2の透明電極261とで液晶層205を挟む構成である。実施例1とは異なり、電極を新たに設けた構成である。スルーホール214は基板201の電気回路209と第1の透明電極213とを電気的に接続している。第1の透明電極213、第二の透明電極261の材質は、例えばITOである。このように凹面鏡と平行な液晶層205を組み合わせることにより、高い光利用効率で、高画質の画像が可能な反射型光学素子を提供することができる。
【0068】
[実施例3]
図9は本発明の別の実施例を示す反射型光学素子の断面図である。図9において、図7、図8の実施例と同じ構成部材には同じ符号を付けてあり、ここでは説明を省略する。この実施例での特長は、反射電極膜203の凹面部に透明電極216を充填させることである。つまり透光性の充填部材として透明電極を用いている。上記でも述べたが、基板としてLCoS用のSiバックプレーンを流用すると、その作製工程が利用でき、さらにその上に凹面鏡を形成していくため、精度良く作製することができる。また、マイクロレンズを用いた場合と比較して、別途作製したマイクロレンズを貼り合わせる工程が無い。このため、アライメントが必要なくなる。また、この構成においては、使用部材、及び作製工程を一つ減らすことができ、作製工程の簡略化が可能な反射型光学素子を提供することができる。また、これにより低コスト化が可能となる。
【0069】
[実施例4]
図10は本発明の別の実施例を示す反射型光学素子の断面図である。図10において、図7〜9の実施例と同じ構成部材には同じ符号を付けてあり、ここでは説明を省略する。この実施例での特長は、反射電極膜203の凹面部に液晶217を充填させたことである。これにより、より構成が簡略化でき、使用部材、また作製工程を減らすことができ、作製工程の簡略化が可能な反射型光学素子を提供することができる。また、これにより低コスト化が可能となる。
【0070】
[実施例5]
図11は本発明の別の実施例を示す反射型光学素子の断面図である。図11において、図7〜10の実施例と同じ構成部材には同じ符号を付けてあり、ここでは説明を省略する。この実施例での特長は、基板201上に直接反射膜218を形成し、それに凹面形状を形成するものである。この構成にすることにより、凹面を形成するための層及びスルーホールが必要なく、このため、さらにより構成が簡略化でき、使用部材、また作製工程を減らすことができ、作製工程の簡略化が可能な反射型光学素子を提供することができる。また、これにより低コスト化が可能となる。
【0071】
[実施例6]
図12は本発明の別の実施例を示す反射型光学素子の断面図である。図12において、図7〜11の実施例と同じ構成部材には同じ符号を付けてあり、ここでは説明を省略する。この実施例での特長は、基板201上に直接反射膜218を形成し、それに凹面形状を形成するものである。また、その上にある液晶層205を両側から第一、第二の透明電極213,261で挟んでいる。凹面鏡による光の集光による光利用効率の向上と、構成が簡略化できることにより使用部材、作製工程を減らすことができ、作製工程の簡略化が可能な反射型光学素子を提供することができる。また、これにより低コスト化が可能となる。
【0072】
[実施例7]
図13は本発明の別の実施例を示す反射型光学素子の断面図である。図13において、図7〜12の実施例と同じ構成部材には同じ符号を付けてあり、ここでは説明を省略する。この実施例での特長は、基板201上に直接反射膜218を形成し、それに凹面形状を形成するものである。さらに透明電極216を凹面部に充填することにより、さらに構成の簡略化を図るものである。これにより、使用部材、作製工程を減らすことができ、作製工程の簡略化が可能な反射型光学素子を提供することができる。また、これにより低コスト化が可能となる。
【0073】
[実施例8]
図14は本発明の別の実施例を示す反射型光学素子の断面図である。図14において、図7〜13の実施例と同じ構成部材には同じ符号を付けてあり、ここでは説明を省略する。この実施例での特長は、基板201上に直接反射膜218を形成し、それに凹面形状を形成し、その凹面部に液晶217を充填する構成である。これにより、より一層構成が簡略化でき、使用部材、作製工程を減らすことができ、作製工程の簡略化が可能な反射型光学素子を提供することができる。また、これにより低コスト化が可能となる。
【0074】
[実施例9]
図15は本発明の別の実施例を示す図であって、反射型光学素子をマトリックス状に配列させた反射型画像表示装置(反射型空間光変調装置)の構成例を示す要部断面図である。ここでは、実施例6(図12)で示した構成の反射型光学素子を3つ一列に並べたものであるが、実際の配列数は、例えばXGAであれば1024×768である。また、画素の形状は例えば正方形であり、1辺のサイズは十数μm程度である。
【0075】
このような反射型画像表示装置(反射型空間光変調装置)に照明光を入射させた場合、画素間に隙間があることにより、この隙間から光が下の基板201に入ることになり、電気回路209に悪影響を与え、画質を低下させる原因となる。そこでこれを遮光するのが図15に示してある遮光膜208であり、この遮光膜208によって光が基板201側に入ることを防止する。この例では遮光層208は一層だけであるが、これを複数、多層構造になるように設けても構わない。
【0076】
以上、反射型光学素子と、それを用いた反射型画像表示装置の実施例を説明したが、上記の実施例で説明した反射型光学素子の作製方法は、実施形態4で説明した作製方法と同様である。
また、反射型光学素子の凹面鏡の形状に関しては球面に限られるものではない。球面から非球面にすることで、より一層の画質の向上を図れるものである。すなわち、球面である限り球面収差は避けられず、非球面にすることにより収差を低減し、集光特性を向上させることができる。これにより光利用効率の向上、画質の向上が可能となる。非球面の形状としては、例えばスーパコニックなどが挙げられる。
また、凹面形状部を透光性の充填部材、透明電極、あるいは液晶等で充填する理由は、前述の実施形態7で説明した通りである。
【0077】
以上に説明した反射型光学素子を用いた画像表示装置は、以下で記すように、光源、プリズム、光学素子・装置等を組込んだプロジェクタ装置の画像表示部分として用いられるが、また、目の直前に設置し、ヘッドマウントディスプレイのような画像、情報表示装置としても用いられるものである。
【0078】
(実施形態10)
次に以上に説明した反射型光学素子を用いた反射型画像表示装置を備えた画像投射装置(プロジェクタ装置)の実施形態を説明する。
図16は本発明に係るプロジェクタ装置の構成例を示す概略構成図である。図16において、符号31は白色ランプ、32は光均一化光学素子(例えば、フライアイレンズ)、33は色分離装置(例えば、カラーホイール)、34は反射型画像表示装置(反射型液晶ライトバルブ)、35は偏光ビームスプリッタ、36は投射レンズ、37はスクリーンである。この画像投射装置は、前述の本発明に係る反射型画像表示装置を備えたプロジェクタ装置である。作用としては、反射型画像表示装置自体が前述のように高光利用効率、高画質であるため、これをプロジェクタ装置に用いると、プロジェクタ装置自体の性能が向上する。このため、高光利用効率、高画質のプロジェクタ装置の実現が可能となる。図16では、反射型画像表示装置を一枚用いる単板式プロジェクタの光学系の一例であるが、反射型画像表示装置を3枚用いる3板式プロジェクタであっても構わない。
【0079】
(実施形態11)
次に図16に示すプロジェクタ装置において、前記反射型画像表示装置から出射する光の光路をシフトさせる装置を設置した例について説明する。これは前記反射型画像表示装置34から出射する光の光路を空間的にシフトさせ(光軸シフト装置、ピクセルシフト装置)、見かけ上画素数を増大させるものである。この光軸シフト装置の一実施形態として、機械的駆動による装置の説明を図17に示す(光軸に垂直に見た図)。図17において、符号41は空間光変調素子(画像表示装置)、42は第1ピエゾ素子(y方向シフト)、43は第2ピエゾ素子(x方向シフト)、44は治具、45はy方向シフト(±Δy)、46はx方向シフト(±Δx)、47は座標(z軸は紙面に垂直で光軸と一致)である。
この例では画像表示装置41の画素(反射凹面鏡)から出射した光の光路を変調させる手段として2つのピエゾ素子42,43を用いている。つまり、これはピエゾ素子42,43を用いて画像表示装置自体を機械的に動かすものである。装置自体が動くため画素も動くことになる。また、ピエゾ素子を用いれば画素サイズが10数μm以下であっても、それ以下の光路のシフトを行うことができる。これは空間光変調素子41の縦(y方向)シフト45及び横(x方向)シフト46用にそれぞれピエゾ素子42,43を設置して周期的に動かせばよい。
【0080】
図18は、図17に示した実施形態における、スクリーン上での投射像の画素増大効果を説明するものである。投射画像は、光軸シフト装置により時分割で投射されて、高解像度の画像となる。このとき、上記で述べた、凹面鏡により集光され受光面上に形成される照度分布の大きさの画素サイズに対する比、すなわち画素サイズの縮小率αは、1/2としている。画素が正方形であり理想的に縮小されたとして、正方形の縮小像となっている。図18において、はじめの動いていない初期状態を(0)、次にy方向に空間光変調素子の画素サイズの1/2シフトさせた状態を(1)(例えば画素サイズを14μmとすればΔy=7μm)、そこからx方向に画素サイズの1/2シフトさせた状態を(2)(Δx=7μm)、続いて(1)とは反対の方向(マイナス(−)で表示)に画素サイズの1/2シフトさせた状態を(3)、続いて(2)とは反対方向の方向にシフトさせた状態を(4)、最後にy方向に画素サイズの1/2シフトさせた状態を(5)とし、続いて(0)に戻る。この結果、これらのシフトの周期が早ければ画像のちらつき、フリッカーを感じることなしに、画素の一辺のサイズが1/2、密度が4倍の高精細化画像が実現できる。また、この例では画像表示装置と光軸シフト装置が一つのデバイスとなるため、光学系を拡張して光路変調装置を挿入する必要がなくなり、装置の小型化につながる。尚、上記の例はx、yの2方向に動かしているが、xあるいはyのいずれかのみの方向のシフトであっても構わない。この場合、画素は2倍増加する。また、縮小率αを1/3として、シフト量を1/3とすれば3×3で9倍の画素数増加が見込める。
【0081】
また、図17の光軸シフト素子は、光路を空間座標的にシフトする素子であればよく、直接に機械的に反射型ライトバルブを移動させる以外にも、液晶を使って光路をシフトさせることも可能である。この場合、光学系のいずれかの場所に光軸シフト素子を挿入することになる。
【0082】
(実施形態12)
次に本実施形態では、図16に示した構成のプロジェクタ装置において、投射レンズ36の物面を反射型画像表示装置の凹面鏡の焦点から外した位置に設置することである。これは照度分布の最適(プロファイルの幅が狭い等)な位置が、必ずしも凹面鏡の焦点近傍であるとは限らないことによる。プロジェクタ装置の光源として使われる白色ランプの配光分布(縦軸:強度(輝度)、横軸:照明角)は図21に示すようであり、照明角が0度(平行光)が強度最大ではなく、例えば3〜4度の時が最大となり、中心付近が窪んだ形状となる。このような強度分布の光を凹面鏡に入射させて、反射集光させた場合、観察面での照度分布(プロファイル)には、この光源のもつ分布が反映される。凹面鏡から観察面までの距離をdとしてプロファイルの変化の様子を図22に模式的に示す。図22において、(イ)0≦d≦fは集光されていく過程でありプロファイルは狭くなり中心の窪みも小さくなる(0を凹面の最も窪んだ位置として)。(ロ)d=fは焦点面であり光源の輝度分布を反映している。(ハ)d>fは発散していく過程でありプロファイルが広がり中心の窪みも大きくなる。よって投射レンズ36の物面を反射型画像表示装置の凹面鏡の焦点から外した位置、すなわち0≦d≦f(図25に示す符号100cで示す距離の位置)の条件を満たす位置に投射レンズ36の物面を設定すれば、よりシャープな像が投射できることになる。より具体的には図24に示した通りである。例えば、照度分布のサイズを7μm(画素縮小率:α=1/2)にしようとすると、凹面鏡の曲率半径rが150μmの場合、ディフォーカス量は−24μmであり、rが200μmの場合、−38μmであり、rが250mmの場合、−56μmといった値となる。このディフォーカスの位置に投射レンズ36の物面を設置し、スクリーンに投影することにより高精細な画像を実現できる。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の第1〜4の構成に係る反射型光学素子においては、半導体基板、反射膜、透光性の充填部材、液晶層、透明電極及び透光性基板からなり、前記半導体基板の上に設けられる反射膜が凹面形状部を有し、凹面鏡として機能するので、入射光を反射、集光して出射させることができ、画質の向上が可能で高光利用効率の反射型光学素子を提供することができる。また、凹面鏡を金属薄膜等の反射膜で形成するため、工程を簡略化することができる。
【0084】
第5の構成に係る反射型光学素子においては、半導体基板、反射膜、第一の透明電極、液晶層、第二の透明電極及び透光性基板からなり、前記半導体基板の上に設けられる反射膜が凹面形状部を有し、凹面鏡として機能するので、入射光を反射、集光して出射させることができ、画質の向上が可能で高光利用効率の反射型光学素子を提供することができる。また、凹面鏡を金属薄膜等の反射膜で形成するため、工程を簡略化することができる。さらに、第一の透明電極で前記反射膜及び前記凹面形状部を充填し、電極以外に光学的な機能を持たせたので、部材数の低減が可能で、より作製工程の低減が可能な反射型光学素子を提供することができる。
【0085】
第6の構成に係る反射型光学素子においては、半導体基板、反射膜、液晶層、透明電極及び透光性基板からなり、前記半導体基板の上に設けられる反射膜が凹面形状部を有し、凹面鏡として機能するので、入射光を反射、集光して出射させることができ、画質の向上が可能で高光利用効率の反射型光学素子を提供することができる。また、凹面鏡を金属薄膜等の反射膜で形成するため、工程を簡略化することができる。さらに、液晶層に本来の変調機能以外に光学的な機能を持たせたので、部材数の低減が可能で、より作製工程の低減が可能な反射型光学素子を提供することができる。
【0086】
第7の構成に係る反射型光学素子においては、半導体基板、反射膜、第一の透明電極、液晶層、第二の透明電極及び透光性基板からなり、前記半導体基板の上に設けられる反射膜が凹面形状部を有し、凹面鏡として機能するので、入射光を反射、集光して出射させることができ、画質の向上が可能で高光利用効率の反射型光学素子を提供することができる。また、凹面鏡を金属薄膜等の反射膜で形成するため、工程を簡略化することができる。さらに、第一の透明電極で前記凹面形状部を充填し、電極以外に光学的な機能を持たせたので、部材数の低減が可能で、より作製工程の低減が可能な反射型光学素子を提供することができる。
【0087】
第2、第8の構成に係る反射型光学素子においては、前記半導体基板と前記反射膜との間に薄膜層を有し、前記薄膜層は前記半導体基板上に形成され且つ凹面形状部を有しており、前記反射膜は前記薄膜層上に形成されているので、前記反射膜で薄膜層の凹面形状部を被覆することにより凹面鏡の作製を容易に行なうことができる。
【0091】
また、第1の構成に係る反射型光学素子においては、前記の効果に加えて、前記半導体基板と前記透光性充填部材と前記透光性基板との線膨張係数の差が一桁以内であるので、三つの部材間の熱膨張率によるずれが小さく、熱に対してより安定な反射型光学素子を提供できる。
さらに、第2の構成に係る反射型光学素子においては、前記の効果に加えて、前記半導体基板と前記薄膜層と前記透光性充填部材と前記透光性基板との線膨張係数の差が一桁以内であるので、四つの部材間の熱膨張率によるずれが小さく、熱に対してさらに安定な反射型光学素子を提供できる。
【0092】
第3の構成の反射型光学素子においては、前記の効果に加えて、前記半導体基板と前記反射膜と前記透光性充填部材と前記透光性基板との線膨張係数の差が一桁以内であるので、複数の部材間の熱膨張率によるずれが小さく、さらに熱に対して安定な反射型光学素子を提供できる。
また、第4〜7、9の構成の反射型光学素子においては、隣接する部材間に、該部材間の熱膨張率の差により生じる部材の歪みを緩和する薄膜層を設けたので、この薄膜層が熱膨張率の差によるずれを吸収、緩和し、このため非常に熱に安定な反射型光学素子を提供できる。
【0093】
11の構成の反射型画像表示装置においては、第1〜10の何れか一つの構成の高画質、高光利用効率の反射型光学素子を用いたことにより、高画質で高光利用効率の反射型画像表示装置を提供できる。
【0094】
12の構成のプロジェクタ装置においては、第11の構成の高画質で高光利用効率の反射型画像表示装置と、投射レンズを備えたことにより、高画質で高光利用効率のプロジェクタ装置を提供できる。
また、第13の構成のプロジェクタ装置においては、第12の構成及び効果に加えて、前記反射型画像表示装置から出射する光の行路をシフトさせる装置を設置したことにより、画素数の増大が可能なプロジェクタ装置を提供できる。
さらに、第14の構成のプロジェクタ装置においては、第12または13の構成及び効果に加えて、前記投射レンズの物面を、前記反射型光学素子における前記凹面形状部の焦点の位置よりも該凹面形状部側に設置することにより、より照度分布の小さな像を投射することが可能で、シャープな画素を実現できるため、より一層高画質のプロジェクタ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す反射型光学素子の概略断面図である。
【図2】本発明の別の実施形態を示す反射型光学素子の概略断面図である。
【図3】本発明の別の実施形態を示す反射型光学素子の概略断面図である。
【図4】本発明の別の実施形態を示す反射型画像表示装置の概略断面図である。
【図5】図1と同様の構成の反射型光学素子を複数配列した場合に、凹面鏡で反射された光が透光性基板の中で集光される様子を示す図である。
【図6】反射光学素子の凹面鏡に、液晶層と透光性充填部材を介して光が入射する場合の、屈折率と屈折角の関係を示す図である。
【図7】本発明の一実施例を示す反射型光学素子の概略断面図である。
【図8】本発明の別の実施例を示す反射型光学素子の概略断面図である。
【図9】本発明の別の実施例を示す反射型光学素子の概略断面図である。
【図10】本発明の別の実施例を示す反射型光学素子の概略断面図である。
【図11】本発明の別の実施例を示す反射型光学素子の概略断面図である。
【図12】本発明の別の実施例を示す反射型光学素子の概略断面図である。
【図13】本発明の別の実施例を示す反射型光学素子の概略断面図である。
【図14】本発明の別の実施例を示す反射型光学素子の概略断面図である。
【図15】本発明の別の実施例を示す反射型画像表示装置の概略断面図である。
【図16】本発明に係る画像投射装置(プロジェクタ装置)の構成例を示す概略構成図である。
【図17】光軸シフト装置の一実施形態を示す図である。
【図18】図17に示した光軸シフト装置における、スクリーン上での投射像の画素増大効果を説明するための図である。
【図19】反射光学素子の設計、検討を行うための光学シミュレータの光学系の断面を示す図である。
【図20】図19に示す光学シミュレータにより光線が集光される位置と照度の関係を示す図である。
【図21】プロジェクタ装置の光源に白色ランプを用いる場合の、照明角と強度(照度)の関係を示す図である。
【図22】観察面での位置と照度分布を示す図である。
【図23】反射光学素子の反射面の曲率半径rによる照度分布の広がりの変化を半値幅(FWHM)で示す図である。
【図24】反射光学素子のディフォーカス量と半値幅(FWHM)の関係を示す図である。
【図25】反射型画像表示装置内における投射レンズの物面の位置を示す図である。
【図26】反射光学素子の基板と透光性基板との線膨張係数差と、構成部材の熱膨張差の関係を示す図である。
【図27】従来の反射型ライトバルブを用いたプロジェクタ装置の一例を示す図である。
【図28】従来の反射型液晶表示装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
31:白色ランプ
32:光均一化光学素子
33:色分離装置
34:反射型画像表示装置(反射型液晶ライトバルブ)
35:偏光ビームスプリッタ
36:投射レンズ
37:スクリーン
100a:薄膜層
101,101a,101b,101c,201:基板
102,102a,102b,102c,202:薄膜層
103,103b,103c,203:反射電極膜
104,104a,104b,104c,204:透光性充填部材
105,105a,105b,105c,205:液晶層
106,106a,106b,106c,206:透明電極
107,107a,107b,107c,207:透光性基板
150.150a:スルーホール電極部材
208:遮光層
209:電気回路
210:MOS
211:補助容量
212,214,215:スルーホール
213:第1の透明電極
216:透明電極
217:液晶
218:反射膜
261:第2の透明電極

Claims (14)

  1. 電気回路が形成された半導体基板、反射膜、透光性の充填部材、液晶層、透明電極及び透光性基板からなり、前記反射膜は前記半導体基板の上に設けられ、且つ凹面形状部を有し、前記透光性の充填部材は前記反射膜及び前記凹面形状部を充填し、且つ前記透光性の充填部材の凹面形状部に対向する面は平坦であり、前記液晶層は前記透光性の充填部材の平坦な面上に設けられ、前記透明電極は前記液晶層の上に設けられ、前記透光性基板は前記透明電極を設けた前記液晶層の上に設けられる構成の反射型光学素子において、
    前記半導体基板と前記透光性充填部材と前記透光性基板との線膨張係数の差が一桁以内であることを特徴とする反射型光学素子。
  2. 電気回路が形成された半導体基板、反射膜、透光性の充填部材、液晶層、透明電極及び透光性基板からなり、前記反射膜は前記半導体基板の上に設けられ、且つ凹面形状部を有し、前記透光性の充填部材は前記反射膜及び前記凹面形状部を充填し、且つ前記透光性の充填部材の凹面形状部に対向する面は平坦であり、前記液晶層は前記透光性の充填部材の平坦な面上に設けられ、前記透明電極は前記液晶層の上に設けられ、前記透光性基板は前記透明電極を設けた前記液晶層の上に設けられる構成の反射型光学素子において、
    前記半導体基板と前記反射膜との間に薄膜層を有し、前記薄膜層は前記半導体基板上に形成され、且つ凹面形状部を有しており、前記反射膜は前記薄膜層上に形成されており、前記半導体基板と前記薄膜層と前記透光性充填部材と前記透光性基板との線膨張係数の差が一桁以内であることを特徴とする反射型光学素子。
  3. 電気回路が形成された半導体基板、反射膜、透光性の充填部材、液晶層、透明電極及び透光性基板からなり、前記反射膜は前記半導体基板の上に設けられ、且つ凹面形状部を有し、前記透光性の充填部材は前記反射膜及び前記凹面形状部を充填し、且つ前記透光性の充填部材の凹面形状部に対向する面は平坦であり、前記液晶層は前記透光性の充填部材の平坦な面上に設けられ、前記透明電極は前記液晶層の上に設けられ、前記透光性基板は前記透明電極を設けた前記液晶層の上に設けられる構成の反射型光学素子において、
    前記半導体基板と前記反射膜と前記透光性充填部材と前記透光性基板との線膨張係数の差が一桁以内であることを特徴とする反射型光学素子。
  4. 電気回路が形成された半導体基板、反射膜、透光性の充填部材、液晶層、透明電極及び透光性基板からなり、前記反射膜は前記半導体基板の上に設けられ、且つ凹面形状部を有し、前記透光性の充填部材は前記反射膜及び前記凹面形状部を充填し、且つ前記透光性の充填部材の凹面形状部に対向する面は平坦であり、前記液晶層は前記透光性の充填部材の平坦な面上に設けられ、前記透明電極は前記液晶層の上に設けられ、前記透光性基板は前記透明電極を設けた前記液晶層の上に設けられる構成の反射型光学素子において、
    隣接する部材間に、該部材間の熱膨張率の差により生じる部材の歪みを緩和する薄膜層を設けたことを特徴とする反射型光学素子。
  5. 電気回路が形成された半導体基板、反射膜、第一の透明電極、液晶層、第二の透明電極及び透光性基板からなり、前記反射膜は前記半導体基板の上に設けられ、且つ凹面形状部を有し、前記第一の透明電極は前記反射膜及び前記凹面形状部を充填し、且つ前記第一の透明電極の凹面形状部に対向する面は平坦であり、前記液晶層は前記第一の透明電極の平坦な面上に設けられ、前記第二の透明電極は前記液晶層の上に設けられ、前記透光性基板は前記第二の透明電極を設けた前記液晶層の上に設けられる構成の反射型光学素子において、
    隣接する部材間に、該部材間の熱膨張率の差により生じる部材の歪みを緩和する薄膜層を設けたことを特徴とする反射型光学素子。
  6. 電気回路が形成された半導体基板、反射膜、液晶層、透明電極及び透光性基板からなり、前記反射膜は前記半導体基板の上に設けられ、且つ凹面形状部を有し、前記液晶層は前記凹面形状部を充填し、且つ前記液晶層の対向する面は平坦であり、前記透明電極は前記液晶層の平坦な面上に設けられ、前記透光性基板は前記透明電極を設けた前記液晶層の上に設けられる構成の反射型光学素子において、
    隣接する部材間に、該部材間の熱膨張率の差により生じる部材の歪みを緩和する薄膜層を設けたことを特徴とする反射型光学素子。
  7. 電気回路が形成された半導体基板、反射膜、第一の透明電極、液晶層、第二の透明電極及び透光性基板からなり、前記反射膜は前記半導体基板の上に設けられ、且つ凹面形状部を有し、前記第一の透明電極はその凹面形状部を充填し、且つ前記第一の透明電極の凹面形状部に対向する面は平坦であり、前記液晶層は前記第一の透明電極の平坦な面上に設けられ、前記第二の透明電極は前記液晶層の上に設けられ、前記透光性基板は前記第二の透明電極を設けた前記液晶層の上に設けられる構成の反射型光学素子において、
    隣接する部材間に、該部材間の熱膨張率の差により生じる部材の歪みを緩和する薄膜層を設けたことを特徴とする反射型光学素子。
  8. 請求項1、3〜7の何れか一つに記載の反射型光学素子において、
    前記半導体基板と前記反射膜との間に薄膜層を有し、前記薄膜層は前記半導体基板上に形成され、且つ凹面形状部を有しており、前記反射膜は前記薄膜層上に形成されていることを特徴とする反射型光学素子。
  9. 請求項1〜3の何れか一つに記載の反射型光学素子において、
    隣接する部材間に、該部材間の熱膨張率の差により生じる部材の歪みを緩和する薄膜層を設けたことを特徴とする反射型光学素子。
  10. 請求項4〜9の何れか一つに記載の反射型光学素子において、
    前記歪みを緩和する薄膜層は、隣接する部材の線膨張係数の間の線膨張係数を有することを特徴とする反射型光学素子。
  11. 請求項1〜10の何れか一つに記載の反射型光学素子を用いたことを特徴とする反射型画像表示装置。
  12. 請求項11記載の反射型画像表示装置と、投射レンズを備えたことを特徴とするプロジェクタ装置。
  13. 請求項12記載のプロジェクタ装置において、
    前記反射型画像表示装置から出射する光の光路をシフトさせる装置を設置したことを特徴とするプロジェクタ装置。
  14. 請求項12または13記載のプロジェクタ装置において、
    前記投射レンズの物面を、前記反射型光学素子における前記凹面形状部の焦点の位置よりも該凹面形状部側に設置することを特徴とするプロジェクタ装置。
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