JP2005345736A - 反射型光学素子、反射型空間光変調装置およびプロジェクタ装置 - Google Patents

反射型光学素子、反射型空間光変調装置およびプロジェクタ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】反射型空間光変調装置の画素において、高反射率、高耐久性で、高い光利用効率の反射型光学素子を提供する。
【解決手段】この反射型光学素子は、基板、薄膜層、反射膜、透光性の充填部材、第一の透明電極、液晶層、第二の透明電極および透光性基板からなり、前記薄膜層は前記基板の表面を被覆し、且つ凹面形状部を有し、前記反射膜は前記薄膜層および前記凹面形状部を被覆し、また前記反射膜は多層膜であり、前記透光性の充填部材は前記凹面形状部を充填し、且つ前記透光性の充填部材の凹面形状部に対向する面は平坦であり、前記第一の透明電極は前記平坦な透光性の充填部材の上に設けられ、前記液晶層は前記第一の透明電極が設けられた前記透光性の充填部材の平坦な面上に設けられ、前記第二の透明電極は前記液晶層の上に設けられ、前記透光性基板は前記第二の透明電極を設けた前記液晶層の上に設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、反射型光学素子、反射型空間光変調装置およびプロジェクタ装置に関する。
近年、パーソナルコンピュータのディスプレイ、あるいはテレビといった情報・画像表示装置の分野において、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)がCRT(cathode-ray tube)を凌ぐ勢いで普及してきている。その液晶ディスプレイの市場、また技術開発動向においては、画素(ピクセル)サイズの小型化による高精細化、高画質化と共に、画面の大型化(15インチから17インチ、さらに20インチ、それ以上へ)が顕著である。これは、大面積の画面に非常に多くの小さな画素を配列させることであり、大面積を対象とした微細加工プロセスが開発されている。
これに対して、小さな画像表示装置(対角線方向の大きさで数インチ、或は1インチ以下の液晶空間光変調装置等)と拡大投射光学系とを組み合わせた装置であるプロジェクタ装置も普及しつつあり、オフィスにおけるプレゼンテーションの用途のみならず、ホームシアタ等の娯楽の用途にも用いられつつある。液晶ディスプレイにおいて、高精細な画像を維持しつつ、その画面が大型化するとコストが高くなるのに対し、液晶空間光変調装置では画面が小さくてもよいためコスト面で非常に有利となる。
しかし、ここで、画像の高精細化を考えた場合に、もともと小さな画面領域に、多くの画素を配列させることになるため、一画素のサイズをより微細化する必要が生じる。つまり、いかに画素サイズを小さくするかが課題となる。これは、半導体の微細加工技術の進歩にともない、より微細なサイズの画素が実現されつつある。
現状では、具体的に、XGA:1024×768ドット、或はSXGA:1280×1024ドットであり、今後、SXGA+:1400×1500ドット、UXGA:1600×1200ドット、QXGA:2048×1536ドットと増加する動向にある。さらに画素数は増大すると予想されており、画素の微細化および画素数の増大はこの先々においても課題である。
また、電化製品、精密機器においては、省スペース化、省電力化が望まれているものもあり、プロジェクタ装置に関しては携帯可能なものもあり、一つの開発動向として装置の小型化がある。ここで、当然、液晶ライトバルブにも、より小型化が要求され、液晶ライトバルブの画像表示の面積がより小さくなり、かつ画素数が増大すれば、一画素の大きさはさらに小さいものとなる。
上記のように画素は小さくなる動向にあるが、光を変調させるための液晶を駆動するスイッチング素子や補助容量などの電気・電子回路は、画素の小型化に比例して、必ずしも小さくできる訳ではない。これは、スイッチング素子や補助容量が、半導体基板上に微細加工技術を用いて作製されるが、その時点で、半導体プロセスの制限、実現できる細線幅に限度があるためである。また、技術的にはより微細な加工が可能であっても、設備投資等を考えると当面はコスト高となってしまう。
透過型のライトバルブでは、一画素に対するスイッチング素子や補助容量などの面積が相対的に増加し、これにより光が遮光される領域の拡大、すなわち開口率が低下し、プロジェクタ装置全体の光利用効率が低下する問題があった。画素の高精細化による画質の向上を図ろうとすると、光利用効率が低下するというトレードオフがあり、ここに、高精細な画像を実現すると同時に、高効率なプロジェクタ装置を実現させるという課題がある。
一方、反射型ライトバルブでは、スイッチング素子や補助容量などを、画素(反射)電極の下(或は半導体基板上)に形成することができるため、画素を小さくしても、光の損失が少なく、効率良く光を反射することが可能となる。
このような反射型ライトバルブに関する技術、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3には、反射型ライトバルブ、それを用いた液晶プロジェクタ装置に関する技術が開示されている。
上記の特許文献では、基本的な反射型ライトバルブにおいて、数百万ルクスの強い光を反射型ライトバルブに入射させると、画素間にある隙間を抜けて、光が、Si基板に入り、これが光電流を発生させ、画質を低下させる課題に対して、これを防ぎ、画質の維持・向上をはかる構造を提案したものである。
また、このような反射型ライトバルブにおいて、画素は、金属の平坦な反射電極が二次元に配列されたものである。このような単なる平坦な画素電極に光を照射した場合、光源として用いるランプからの照明光には平行光成分以外の角度を持った光も含まれているため、画素電極で反射された光は発散していく。この発散の角度が大きいと、プロジェクタ装置に設けられた、投射レンズに取り込めきれず、光損失となる。
このような光の損失を低減させ、光利用効率を向上させるため、画素電極の配列に対向させてマイクロレンズアレイを設ける構造が提案されている。これは、反射電極上に入射光をマイクロレンズにより集光させてから反射、また、このマイクロレンズにより反射後も光の発散を押さえ、光利用効率の向上を図るものである。例えば、特許文献4、特許文献5には、このような反射型ライトバルブに関する技術が提案されている(特許文献5の図1参照)。
しかし、このような画素配列に対してマイクロレンズアレイを対向させる構成の問題として:
(1)入射光はマイクロレンズを通り、反射電極で反射された後、再びマイクロレンズを通り、出射される。ここで、2回マイクロレンズを通るため、光は2回、マイクロレンズの収差を受けることになる。このときマイクロレンズの収差が大きければ、大きく外れた角度で出射した光(照明光)は投射レンズに取りこまれず、光利用効率を低減させる。
(2)マイクロレンズアレイと反射電極の配列のアライメントが必要になる。光軸に垂直な面内で、画素アレイとマイクロレンズアレイにずれがあれば、画素で反射された光は、対向するマイクロレンズだけでなく、隣接するマイクロレンズをも通ることになり、画質の劣化、光利用効率の低下を招く。また、この公差は、画素サイズが小さくなるほど、厳しくなる。もし、このアライメントが必要なければ、画質の劣化の原因が一つ減じ、また、アライメント装置も必要なく、プロセスが簡素化でき、コストの低減につながる。
上記の反射型ライトバルブの反射電極に関して、材料としては、反射率の高い金属が使われている。このような金属としては、Alをはじめ、その合金であるAlSi、AlSiCu、AlGeCu、AlC、AlCu、また、Cr、Au、Ag等が使われている。すなわち金属のミラーを使っている。このような金属の画素は、特許文献6、特許文献7にも開示されている。
上記のような材質の金属ミラーを用いるのは、広い波長帯域に渡る反射率の高さ、成膜プロセスの簡便さ、また低コスト等の利点があることによる。しかしながら、金属ミラーの欠点としは、吸収があり、反射率が低くなること、また耐久性に劣ることなどがある。耐久性に関しては、機械的な劣化、あるいは酸化による化学的な劣化が挙げられる。
また、反射率に関して、特許文献8の従来技術の説明で、Alを用いた場合で、反射率が88%で低い旨の記述があり、この特許文献8においては反射率向上のため、金属ミラーの代りに誘電体多層反射膜を用いる構成が提案されている。誘電体の多層膜ミラーを用いた場合、理論的には反射率を100%にすることが可能となる(特許文献8の図6参照)。
しかしながら、ここでも、反射電極は平坦であるため、発散する角度を持った入射光が入ると、反射光は反射後も発散して行き、やはり光利用効率が低下するという問題がある。このため、上記で引用したような、マイクロレンズアレイを画素電極に対向させ設置する構成が用いられる。しかし、マイクロレンズアレイを用いる構成には上記のような構成による画質の劣化、光利用効率の低下、またアライメントの課題がある。
また、プロジェクタ装置の用途ではないが、マイクロレンズアレイを設けない構成で、入射光の集光の効率を向上させるために凹面形状の反射板を用いる画像表示装置に関する技術が、例えば、特許文献9、特許文献10において提案されている(特許文献10の図1参照)。これは、明度および視野角特性の向上をはかるため、曲面形状の反射板を用いる構成である。具体的には、液晶セルの下に凹面鏡(あるいは凸の曲面鏡)を設け、外部からの入射光を、反射、液晶セルを通しつつ、集光させ、明度および視野角特性の向上を図るものである。しかし、ここで凹面形状の材質の反射率に関しては、考慮されておらず、低ければ光利用効率の低下を招いてしまう。
また、装置の構成としては基板上の凹面配列、透明層、電極、液晶層、電極、透光性基板となっており、両端に電極を設け平行な液晶層を挟み、その一方の側に凹面鏡を樹脂等を介して設けるものである。凹面鏡の集光機能により光は発散しないものの、このような構成が必ずしも最適であるとは言えず、構成、部品・部材の数を減らし、作製工程の簡略化、低コスト化等をはかる余地がおおいにある。
特許第3176021号公報 特開2000−137246号公報 特開2001−232485号公報 特開平11−84337号公報 特開平11−258585号公報 特開10−177190号公報 特開2001−242485号公報 特開2001−13371号公報 特許第3246055号公報 特開2002−131741号公報
本発明は、上述のような実情を考慮してなされたものであり、次のことを目的とする。
(1)反射型空間光変調装置の画素において、より反射率が高く、耐久性のある画素構造を有し、高い反射率で、高い光利用効率の反射型光学素子を提供する。
また、より簡素化された素子構成およびそれによるプロセスの簡略化および低コスト化が図られた反射型光学素子を提供する。
(2)高光利用効率、高画質化の実現が可能な反射型空間光変調装置を提供する。
(3)高光利用効率、高画質化および画素数の増大の実現が可能なプロジェクタ装置を提供する。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、基板、薄膜層、反射膜、透光性の充填部材、第一の透明電極、液晶層、第二の透明電極および透光性基板からなり、前記薄膜層は前記基板の表面を被覆し、且つ凹面形状部を有し、前記反射膜は前記薄膜層および前記凹面形状部を被覆し、また前記反射膜は多層膜であり、前記透光性の充填部材は前記凹面形状部を充填し、且つ前記透光性の充填部材の凹面形状部に対向する面は平坦であり、前記第一の透明電極は前記平坦な透光性の充填部材の上に設けられ、前記液晶層は前記第一の透明電極が設けられた前記透光性の充填部材の平坦な面上に設けられ、前記第二の透明電極は前記液晶層の上に設けられ、前記透光性基板は前記第二の透明電極を設けた前記液晶層の上に設けられることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の反射型光学素子において、前記反射膜の多層膜が、金属膜と誘電体膜とからなることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の反射型光学素子において、前記反射膜の多層膜が、複数の誘電体膜からなることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の反射型光学素子において、前記反射膜の多層膜が、金属膜と複数の誘電体膜とからなることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、基板、反射膜、透光性の充填部材、第一の透明電極、液晶層、第二の透明電極および透光性基板からなり、前記反射膜は前記基板の表面を被覆し、且つ凹面形状部を有し、また前記反射膜は多層膜であり、前記透光性の充填部材は前記凹面形状部を充填し、且つ前記透光性の充填部材の凹面形状部に対向する面は平坦であり、前記第一の透明電極は前記平坦な透光性の充填部材の上に設けられ、前記液晶層は前記第一の透明電極が設けられた前記透光性の充填部材の平坦な面上に設けられ、前記第二の透明電極は前記液晶層の上に設けられ、前記透光性基板は前記第二の透明電極を設けた前記液晶層の上に設けられることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の反射型光学素子において、前記反射膜は、金属膜と誘電体膜とからなることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の反射型光学素子において、前記反射膜は、金属膜と複数の誘電体膜とからなることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、基板、薄膜層、反射膜、第一の透明電極、液晶層、第二の透明電極および透光性基板からなり、前記薄膜層は前記基板の表面を被覆し、且つ凹面形状部を有し、前記反射膜は前記薄膜層および前記凹面形状部を被覆し、また前記反射膜は多層膜からなり、前記第一の透明電極はその凹面形状部を充填し、且つ前記第一の透明電極の凹面形状部に対向する面は平坦であり、前記液晶層は前記第一の透明電極の平坦な面上に設けられ、前記第二の透明電極は前記液晶層の上に設けられ、前記透光性基板は前記第二の透明電極を設けた前記液晶層の上に設けられることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の反射型光学素子において、前記反射膜の多層膜が、金属膜と誘電体膜とからなることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項8に記載の反射型光学素子において、前記反射膜の多層膜が、複数の誘電体膜からなることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項8に記載の反射型光学素子において、前記反射膜の多層膜が、金属膜と複数の誘電体膜とからなることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、基板、反射膜、第一の透明電極、液晶層、第二の透明電極および透光性基板からなり、前記反射膜は前記基板の表面を被覆し、且つ凹面形状部を有し、また前記反射膜は多層膜からなり、前記第一の透明電極は前記反射膜および前記凹面形状部を充填し、且つ前記第一の透明電極の凹面形状部に対向する面は平坦であり、前記液晶層は前記第一の透明電極の平坦な面上に設けられ、前記第二の透明電極は前記液晶層の上に設けられ、前記透光性基板は前記第二の透明電極を設けた前記液晶層の上に設けられることを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の反射型光学素子において、前記反射膜は、金属膜と誘電体膜とからなることを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、請求項12に記載の反射型光学素子において、前記反射膜は、金属膜と複数の誘電体膜とからなることを特徴とする。
請求項15に記載の発明は、請求項1乃至14のいずれかに記載の反射型光学素子を複数マトッリクス状に配列させ用いることを特徴とする。
請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の反射型空間光変調装置を用いることを特徴とする。
請求項17に記載の発明は、請求項16に記載のプロジェクタ装置において、前記反射型空間光変調装置から出射する光の光路をシフトさせる装置を備えることを特徴とする。
請求項18に記載の発明は、請求項16または17に記載のプロジェクタ装置において、該プロジェクタ装置に含まれる投射レンズの物面を、前記反射型空間光変調装置における凹面形状部の焦点の位置よりも凹面形状部側に設置することを特徴とする。
本発明によれば、反射型空間光変調素子の画素に関して、耐久性および反射率の向上が可能で、高光利用効率な反射型光学素子を提供できる。
さらに、反射鏡を直接基板上の作製し、また機能、構造において一方の透明電極を透光性の充填部材の代用とするため、構成がより簡単で、さらに簡素化された反射型光学素子を提供できる。
また、本発明の反射型光学素子をマトリックス状に配列させ用いるため、光利用効率が高く、画質が高く、且つ作製工程の低減が可能な反射型空間光変調装置を提供できる。
また、本発明の反射型空間光変調装置を用いるため、高光利用効率、高画質なプロジェクタ装置を提供できる。
さらに、反射型空間光変調装置から出射する光の光路をシフトさせる装置を併用することにより、画素数の増大が可能なプロジェクタ装置を提供できる。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態を説明する。
<実施形態1>
図1は、本実施形態1の凹面鏡を用いた反射型光学素子の断面を示す模式図である。図1において、反射型光学素子は、基本的に、基板1、薄膜層2、反射膜3、透光性の充填部材4、第一の透明電極13、液晶層5、第二の透明電極6、透光性基板7からなる。
基板1には、半導体Siを用いるのが現在の技術動向では一般的であるが、将来的にはC、Ge等の元素半導体、GaAs、GaP、GaSb等の化合物半導体でも構わない。
また、基板上にはソース、ドレイン、ゲートおよびそれらの配線からなるMOS(Metal Oxide Semiconductor)10および補助容量11等の電気回路9が形成されている。保持容量は誘電率の大きなものが好ましい。ここで、基板として液晶を用いた空間光変調装置の一つであるLCoS(Liquid Crystal on Silicon)用のSiバックプレーンをそのまま流用するのが作製工程としては簡便である。ここで基板1は半導体に限定されるものではない。
また、遮光層8は例えばAlであるが、その他Ag、Cu等の金属、それらの合金であっても構わない。この基板1の上には、薄膜層2が形成されており、この薄膜層2は凹面形状を形成するために形成され、材質として例えばSiO2などが挙げられるが、これに限られるものではない。
また、この薄膜層2は、基板1との熱膨張の差により生じる応力、また基板1のそりによる、画質の劣化等の不具合を防ぐために、材料特性を考慮して、透光性の充填部材4と同一であっても構わない。例えば、この薄膜層2は、ZrO2、ZnO、Y2O3、Al2O3等といった酸化物でも構わない。図1は説明のためのものであり、基板、各膜(層)の厚み、またそれと素子の大きさとの比等は模式的に誇張して描いてある。
ここで、反射膜3は多層膜である。ここで、多層膜とは最低で二層以上からなることを意味する。このときの材質は、金属、合金、誘電体等である。多層膜としては、金属(合金)と誘電体、誘電体と誘電体などがあり、また金属と金属の組み合わせであっても構わない。多層膜にすることによる反射率の向上、あるいは金属膜と誘電体膜との組み合わせによる、金属膜の表面酸化防止、また表面保護といった耐久性向上の効果が生じる。また反射膜は、強誘電体であっても構わない。
透光性の充填部材4は、凹面部を埋めその表面を平坦にすることにより、光学特性の向上および、液晶層5の設置を容易にするものである。構造的、光学機能的観点から、この透光性の充填部材4は透明樹脂であっても構わないが、熱により生じる歪みを考えた場合、線熱膨張係数の大きな樹脂、少なくとも基板とその線膨張係数において2桁以上異なるのは好ましくない。金属酸化物、弗化物その他の化合物、無機物が好ましい。
この透光性の充填部材4の凹面部に対向する面はCMP(化学的機械的研磨)等の研磨方法により光学研磨レベルまで研磨されており平坦である。その表面粗さはRMS(Root Mean Square)で数十nm以下に抑えるのが好ましい。この平坦面の上にITO(Indium Tin Oxide)などの第一の透明電極13を設け、さらにその上に液晶層5を設ける。
また、液晶層5と透明電極6,13のある平坦層との間には配向膜が設けられる。この配向膜はスピンコータ等の方法により形成され、厚みは数μmであるが、nmオーダであっても構わない。またこの配向膜にはラビング処理が施される。この液晶層5の上にはITOなどの第二の透明電極6が形成される。その上にはさらに透光性基板7がある。また透光性基板7にITOなどの第二の透明電極6を形成しても構わない。
透明電極6,13に関してはITOに限られるものではなく、例えばZnO等の酸化物であっても構わない。液晶層5は、透光性充填部材4の平坦面と透光性基板7とにより封入される構成となる。また第二の透明電極6と液晶層5との間にも上記と同様のラビング処理をした配向膜が設けられる。第一の透明電極13と第二の透明電極6とにより電圧を印加し、液晶を駆動する。
また、第一の透明電極13と基板1の電気回路とはスルーホール14とで電気的に接続されている。また、透光性基板7は、例えばカバーガラスであり、光学用の硝材或はフラットパネルディスプレイで用いられるガラス等が好ましい。外部の光源からの光は、カバーガラス7の側から、各部材、層を通り、凹面鏡で反射、集光された後、この反射型光学素子から出射する。凹面鏡で反射された光は凹面鏡の集光作用により細い光束となっていく。
このため、入射し、反射する光は、画素電極が平坦な面であるときに比べて、不要な発散がなく、光利用効率の向上に繋がる。また凹面鏡の曲率半径により、この光の発散の角度を制御でき、すなわちF値を制御できる。
プロジェクタ装置において、用いる投射レンズのF値以下にすれば理想的には光利用効率は100%にできる。また、光は凹面鏡の収差を1度だけ受け、マイクロレンズを用いる構成よりも収差を低減でき、画質向上、光利用効率向上がはかれる。
<実施形態2>
図2は、本実施形態2の反射型光学素子の断面を示す模式図である。図2において、上述の実施形態と同じ構成には同じ符号を使用する。上と同じく、図2は説明のためのものであり、基板、各膜(層)の厚み、またそれと素子の大きさとの比等は模式的に誇張して描いてある。
本実施形態2においては、多層膜からなる反射膜に関して、例えば、金属膜31と誘電体膜32を用いる。具体的な材料としては、金属膜31としてAlを用い、その上にSiO2の誘電体膜32を設けるものである。この場合、誘電体膜32の干渉効果により、反射率が向上する。また、Alの酸化防止と表面保護という耐久性向上が生じる。
<実施形態3>
図3は、本実施形態3の反射型光学素子の断面を示す模式図である。図3において、上述の実施形態と同じ構成には同じ符号を使用する。上と同じく、図3は説明のためのものであり、基板、各膜(層)の厚み、またそれと素子の大きさとの比等は模式的に誇張して描いてある。
本実施形態3においては、多層膜からなる反射膜3に関して、例えば、低屈折率の部材と高屈折率の部材とを交互に複数層積層させるものである。前者としてはSiO2(n=1.45、λ:550nm付近)等、後者としては、ZrO2(n=2.1、λ:550nm付近)等が挙げられる。しかし、この組み合わせに限られるものではない。各層(膜)の光学的厚みは、反射させる中心波長(λ)に対して1λ/4である。反射率をより向上させるには積層数を増やせば良い。理論的には、反射率100%が可能である。
<実施形態4>
図4は、本実施形態3の反射型光学素子の断面を示す模式図である。図4において、上述の実施形態と同じ構成には同じ符号を使用する。上と同じく、図4は説明のためのものであり、基板、各膜(層)の厚み、またそれと素子の大きさとの比等は模式的に誇張して描いてある。
本実施形態4においては、多層膜からなる反射膜に関して、例えば、金属膜の上に誘電体層膜を複数設けるものである。この構成は、エンハンスドミラーとして知られており。反射率を向上させることが可能である。また、金属膜表面の耐久性向上という効果が得られる。
<実施形態5>
図5は、本実施形態5の反射型光学素子の断面を示す模式図である。図5において、上述の実施形態と同じ構成には同じ符号を使用する。上と同じく、図5は説明のためのものであり、基板、各膜(層)の厚み、またそれと素子の大きさとの比等は模式的に誇張して描いてある。
本実施形態5においては、基板上に直接反射膜33を成膜し、それに凹面形状を形成するものである。上記の実施形態においては、基板上1に薄膜層2を設けて、凹面を形成、その上反射膜3を設けるという構造であったが、本実施形態5のような構成にすることにより薄膜層2の成膜プロセスを減らすことができ、材料点数を減らすことが可能となる。
<実施形態6>
図6は、本実施形態6の反射型光学素子の断面を示す模式図である。図6において、上述の実施形態と同じ構成には同じ符号を使用する。上と同じく、図6は説明のためのものであり、基板、各膜(層)の厚み、またそれと素子の大きさとの比等は模式的に誇張して描いてある。
本実施形態6においては、基板1上に金属膜35があり、その上に誘電体層34を積層する。例えば、金属膜としてAl膜を成膜し、フォトリソおよびドライエッチングの微細加工技術により凹面を形成、その上にSiO2等の誘電体層をスパッタ、あるいはCVD(化学的気相体積法)により形成するものである。このようにすることにより、誘電体層の干渉効果により、反射率を向上させることが可能で、また金属膜の表面保護、酸化防止といった耐久性向上の効果が得られる。
<実施形態7>
図7は、本実施形態7の反射型光学素子の断面を示す模式図である。図7において、上述の実施形態と同じ構成には同じ符号を使用する。上と同じく、図7は説明のためのものであり、基板、各膜(層)の厚み、またそれと素子の大きさとの比等は模式的に誇張して描いてある。
本実施形態7においては、反射膜の構成として、基板1上に金属膜35があり、その上に複数の誘電体膜層36があるようにし、耐久性の向上、高反射率の向上が可能である。このような反射膜は、上記と同様のエンハンスドミラーであり、反射率をさらに向上させることが可能である。
<実施形態8>
図8は、本実施形態8の反射型光学素子の断面を示す模式図である。図8において、上述の実施形態と同じ構成には同じ符号を使用する。上と同じく、図8は説明のためのものであり、基板、各膜(層)の厚み、またそれと素子の大きさとの比等は模式的に誇張して描いてある。
本実施形態8においては、上記実施形態1〜7の透光性の充填部材4の代りに、透明電極41を用いるものである。これが第一の透明電極となる。つまり、この実施形態8において、透光性の充填部材と透明電極の一方を一つにまとめるということである。
このようにすることより、液晶層の両側を平行に挟むように透明電極を形成しつつ、さらに、透光性の充填部材の代りにもなる構成が可能となる。つまり、電気的な機能と光学的な機能とを一つの部材でまかなうということである。このため、透光性の充填部材を省くことが可能となり、用いる部品点数を減らすことが可能となる。この部材としては、上記と同じITOが挙げられ、透明で導電性があればよい。例えば、ZnOであってもよく、この場合、基板がSiであれば、熱膨張係数が近く、そりを緩和できる。
<実施形態9>
図9は、本実施形態9の反射型光学素子の断面を示す模式図である。図9において、実施形態2と同じ構成には同じ符号を使用する。上と同じく、図9は説明のためのものであり、基板、各膜(層)の厚み、またそれと素子の大きさとの比等は模式的に誇張して描いてある。
本実施形態9においては、多層膜の反射鏡に金属膜31と誘電体膜32を用いている。このようにすれば、上述のように耐久性の向上と反射率の向上との効果が得られる。
<実施形態10>
図10は、本実施形態10の反射型光学素子の断面を示す模式図である。図10において、実施形態3と同じ構成には同じ符号を使用する。上と同じく、図10は説明のためのものであり、基板、各膜(層)の厚み、またそれと素子の大きさとの比等は模式的に誇張して描いてある。
本実施形態10においては、多層膜の反射鏡3に、複数の誘電体膜を用いる。実施形態3の説明で述べたように、反射率をさらに向上させることが可能となる。
<実施形態11>
図11は、本実施形態11の反射型光学素子の断面を示す模式図である。図11において、上述の実施形態と同じ構成には同じ符号を使用する。上と同じく、図11は説明のためのものであり、基板、各膜(層)の厚み、またそれと素子の大きさとの比等は模式的に誇張して描いてある。
本実施形態11においては、反射膜の構成として、基板1上に金属膜があり、その上に複数の誘電体膜層がある。このような反射膜3は、上記と同様のエンハンスドミラーであり、耐久性を向上させるとともに、反射率をさらに向上させることが可能である。
<実施形態12>
図12は、本実施形態12の反射型光学素子の断面を示す模式図である。図12において、上述の実施形態と同じ構成には同じ符号を使用する。上と同じく、図12は説明のためのものであり、基板、各膜(層)の厚み、またそれと素子の大きさとの比等は模式的に誇張して描いてある。
本実施形態12においては、基板1上に凹面を有する反射膜33があり、その凹面に透明電極が充填されている構成である。このような構成にすることにより、一方の透明電極を透光性の充填部材の代用とするため、薄膜層と透光性の充填部材を減らすことができ、プロセスの簡略化が可能となる。
<実施形態13>
図13は、本実施形態13の反射型光学素子の断面を示す模式図である。図13において、上述の実施形態と同じ構成には同じ符号を使用する。上と同じく、図13は説明のためのものであり、基板、各膜(層)の厚み、またそれと素子の大きさとの比等は模式的に誇張して描いてある。
本実施形態13においては、上述のように、反射率の向上、耐久性の向上の効果が得られる。
<実施形態14>
図14は、本実施形態14の反射型光学素子の断面を示す模式図である。図14において、上述の実施形態と同じ構成には同じ符号を使用する。上と同じく、図14は説明のためのものであり、基板、各膜(層)の厚み、またそれと素子の大きさとの比等は模式的に誇張して描いてある。
本実施形態14においては、上述のように、反射鏡が、エンハンスドミラーであり、さらなる反射率の向上が可能である。
<実施形態15>
図15は、本実施形態15の反射型空間光変調装置の構成の断面を示す模式図である。上と同じく、図15は説明のためのものであり、基板、各膜(層)の厚み、またそれと素子の大きさとの比等は模式的に誇張して描いてある。
本実施形態15は、上述した実施形態1〜14で提案した反射型光学素子をマトリックス状に配列させている(図15では、反射型光学素子を3つ一列に並べている)が、配列数は、例えばXGAであれば、2次元的に、1024×768である。画素の形状は、例えば正方形、1辺のサイズは十数μm程度である。
このような反射型空間光変調素子に照明光を入射させた場合、画素間に隙間があることにより、この隙間から光が下の基板に入ることになる。これを遮光するのが、図1〜15に示してある遮光膜である。この例では遮光層は一層だけであるが、これを複数、多層構造になるように設けても構わない。
次に、上記の反射型光学素子作製方法の一例を説明する。
電気回路を作製してある基板上にスパッタリング、CVD(Chemical Vapour Deposition)等の成膜手法により薄膜層を形成する。この薄膜層の厚みに関しては、凹面の窪み量以上あればよく、また、凹面の窪みの量が大きい場合、薄膜層は、数百nm程度になってもよく、ここでは、このような厚みのある層であっても、便宜的に、薄膜層と呼ぶことにする。
この薄膜層の上にレジストを塗布し、凹面の形状が作製可能なグレーレベル(あるいはハーフトーン)マスクを用い、水銀ランプ等を光源として露光、および現像を行い基板上に凹面形状が作製可能なレジストパターンを残す。反応性イオンエッチング等のドライエッチングの手法により薄膜層のエッチングを行い、レジストパターンを反映した凹面形状を形成する。
真空蒸着法、スパッタリング、CVD等の成膜手段により金属膜を凹面形状に合わせて形成させる。例えば、金属としてはAl、厚みとしては100nm程度である。このプロセスに関しては、金属膜と誘電体膜との組み合わせのときに必要となる。
この金属膜の上に誘電体膜を、スパッタ、CVD等の成膜方法により成膜する。スルーホール電極を作製する。
透光性充填部材を凹面形状を埋めるようにスパッタリング等の成膜手段で形成する。
成膜しても凹面部はその形状を維持するため、表面を化学的機械的研磨(CMP)等の高精度の研磨手法を用いて透光性充填部材の表面を研磨し平坦化する。
透明電極をスパッタ等の成膜方法により形成する。液晶層を形成する。ここでは、配向膜形成、ラビング処理、液晶の封入の工程が入る。
透光性基板に透明電極をスパッタ等の成膜方法により形成する。その透光性基板を液晶層上に設置する。
凹面鏡の形状に関しては球面に限られるものではない。球面から非球面にすることで、より一層の画質の向上をはかるものである。球面である限り、球面収差は避けられず、非球面にすることにより収差を低減し、集光特性を向上させる。
これにより、反射型空間光変調装置において、光利用効率の向上、画質の向上、且つ作製工程の低減が可能となる。非球面の形状としては、例えばスーパコニックなどが挙げられる。
凹面形状部を透光性の充填部材、透明電極で充填する理由、およびその効果を以下に説明する。
凹面鏡の曲率半径が同じで透光性充填部材の屈折率が異なる場合、角度θ(照明角)で入射する光はスネルに法則に従って屈折されるが、その角度θ’は透光性充填部材の屈折率が大きくなるほど小さくなる。このθ’が小さいほど平行光に近くなり、これは凹面鏡の焦点近傍に形成される光の照度分布の広がり(プロファイル)の照明角依存性を低減する働きを持つ。すなわちシャープなプロファイルが形成される。これは、集光特性の向上であり、光利用効率の向上のみならず、画質の向上をももたらす。
この原理を説明したのが図16であり、ここでは凹面鏡と透光性の充填部材、液晶層および外部光源からの入射光のみを示す。透光性の充填部材の上にあるのは液晶層であり、この屈折率がn、透光性部材の屈折率をn1、n2(n1<n2)として、n<n1<n2としている。図16(イ)と(ロ)とにおいて、θは同じであるがθ’は(ロ)の方が小さくなる。液晶の屈折率nは1.5〜1.6程度であるため透光性の充填部材の屈折率はこの値より大きければよい。
このように透光性の充填部材の屈折率を液晶層の屈折率よりも高めることにより集光特性を向上させることができる。高屈折率の材料で、例えば光学薄膜等に使われるものとして、材料:屈折率(550nm付近の波長の)として、Al2O3:1.63、MgO:1.74、Y2O3:1.87、ZrO2:2.05、ZnO:2.1(「光学薄膜」、光応用技術、日本オプトメカトロニクス協会)などがあり、材料選択の幅が広い。
また、線膨張係数は、固体の平均値であるが、MgO(periclase):13.8×10−6/K、ZrO:11.8×10−6/K、Al2O3:8〜9×10−6/Kである。
Siの線熱膨張係数は、2.6×10−6/K[293K]であり、せいぜい数倍程度である。
また、Si基板上の薄膜層も上記材料の線膨張係数前後のものを使用すれば問題はない。また直接金属の薄膜を設けるときは、例えばAlで、23.8×10−6/℃[20〜100℃]、Auで14.2×10−6/℃[0〜100℃](結晶工学ハンドブック、共立出版)と比較的近い値となる。また、この透光性充填部材の上に液晶層を設けるため、従来の液晶セルのガラス基板との整合性を考える必要がない。
<実施形態16>
本実施形態16は、上記の反射型空間光変調装置を用いるプロジェクタ装置に関するものである。上記の反射型空間光変調装置は、上述のように高光利用効率、高画質であるため、これをプロジェクタ装置に用いるとプロジェクタ装置自体の性能も向上し、高光利用効率、高画質のプロジェクタ装置の実現が可能となる。反射型画像表示装置を一枚用いる単板式プロジェクタの光学系の一例を図17に示す。
<実施形態17>
本実施形態17は、前記反射型空間光変調装置から出射する光の光路を空間的、周期的に変調させ(光軸シフト装置)、画素数を増大させるものである。この光軸シフト装置の一例として、機械的駆動による装置の例を図18に示す(光軸に垂直に見た図)。この例では画像表示装置の画素(反射凹面鏡)から出射した光の光路を変調させる手段としてピエゾ素子を用いている。これはピエゾ素子を用いて画像表示装置自体を機械的に動かすものである。装置自体が動くため画素も動くことになる。ピエゾ素子を用いれば画素サイズが10数μm以下であってもそれ以下の光路のシフトを行うことができる。これは空間光変調素子に縦(y方向)65および横(x方向)66にピエゾ素子(それぞれ62および63)を設置し、周期的に動かせばよい。
図19は、図18に示した本実施形態17における、スクリーン上での投射像の画素増大効果を説明するものである。投射画像は、光軸シフト装置により、時分割で投射されて、高解像度の画像となる。
今、凹面鏡により集光された出射される光束のもっとも細い位置で、光軸に垂直な面を投射レンズの物面とし、その面内での照度分布を縮小された画素と定義し、この縮小(された)画素をスクリーンに投影すると、その縮小画素の大きさは、画素のある位置の面を投射レンズの物面として、画素をスクリーンに投影した場合よりも、小さくなる(画素縮小)。このとき、凹面鏡による縮小画素の、画素サイズに対する比、画素サイズの縮小率をαとする。この例ではαを1/2としている。画素が正方形であり理想的に縮小されたとして、正方形の縮小像となっている。
図19において、はじめ動いていない初期状態を(0)、次にy方向に空間光変調素子の画素サイズの1/2シフトさせた状態(1)(例えば画素サイズを14μmとすれば7μm=ΔxΔy)、そこからx方向に画素サイズの1/2シフトさせた状態(2)、続いて(1)とは反対の方向(マイナス―で表示)に画素サイズの1/2シフトさせた状態(3)、続いて(2)とは反対方向の方向にシフトさせた状態(4)、最後にy方向に画素サイズの1/2シフトさせた状態(5)、で(0)にもどる。
この結果、これらのシフトの周期が早ければ画像のちらつき、フリッカーを感じることなしに、画素の一辺のサイズが1/2、密度が4倍の高精細化画像が実現できる。またこの例では画像表示装置と光軸シフト装置が一つのデバイスとなるため光学系を拡張し光路変調装置を挿入する必要がなくなり装置の小型化につながる。上記の例はx、yの2方向に動かしているがxあるいはyのいずれかのみの方向のシフトであっても構わない。この場合、画素は2倍増加する。また縮小率αを1/3として、シフト量を1/3とすれば3×3で9倍の画素数増加が見込める。
また、図18の光軸シフト素子は、光路を空間座標的にシフトする素子であればよく、直接に機械的に反射型ライトバルブを移動させる以外にも、液晶を使って光路をシフトさせることも可能である。この場合、光学系のいずれかの場所に光軸シフト素子を挿入することになる。
したがって、反射型空間光変調装置から出射する光の光路をシフトさせる装置を併用することにより、画素数の増大が可能なプロジェクタ装置を提供できる。
<実施形態18>
本実施形態18は、前記プロジェクタ装置において投射レンズ(図17の47)の物面を反射型画像表示装置の凹面鏡の焦点から外した位置に設置することである。これは上記照度分布の最適(プロファイルの幅が狭い等)な位置が、必ずしも凹面鏡の焦点近傍であるとは限らないことによる。プロジェクタ装置の光源として使われる白色ランプの輝度の角度特性(縦軸:輝度、横軸:照明角)は図20に示すようであり、照明角が零度(平行光)のときに輝度最大とはならず、3〜4度の時に最大となり、中心付近が窪んだ形状となる。
このような輝度分布の光を凹面鏡に入射させて、反射集光させた場合、観察面での照度分布(プロファイル)には、この光源のもつ分布が反映される。凹面鏡から観察面までの距離をdとしてプロファイルの変化の様子を図21に模式的に示す。
同図において、(イ)0<d<fでは集光されていく過程でありプロファイルは狭くなり中心の窪みも小さくなる(0を凹面の最も窪んだ位置として)、(ロ)d=fでは焦点面であり光源の輝度分布を反映する、(ハ)d>fでは発散していく過程でありプロファイルが広がり中心の窪みも大きくなる。これを投射することにより、よりシャープな像が投射できることになる。
これにより、上記プロジェクタ装置における投射レンズの像面を、上記の反射型光学素子により形成される照度分布の最適な位置に設置することができるので、より高精細でより高画質なプロジェクタ装置を提供できる。
実施形態1の凹面鏡を用いた反射型光学素子の断面を示す模式図である。 実施形態2の反射型光学素子の断面を示す模式図である。 実施形態3の反射型光学素子の断面を示す模式図である。 実施形態4の反射型光学素子の断面を示す模式図である。 実施形態5の反射型光学素子の断面を示す模式図である。 実施形態6の反射型光学素子の断面を示す模式図である。 実施形態7の反射型光学素子の断面を示す模式図である。 実施形態8の反射型光学素子の断面を示す模式図である。 実施形態9の反射型光学素子の断面を示す模式図である。 実施形態10の反射型光学素子の断面を示す模式図である。 実施形態11の反射型光学素子の断面を示す模式図である。 実施形態12の反射型光学素子の断面を示す模式図である。 実施形態13の反射型光学素子の断面を示す模式図である。 実施形態14の反射型光学素子の断面を示す模式図である。 実施形態15の反射型空間光変調装置の構成の断面を示す模式図である。 凹面形状部を透光性の充填部材、透明電極で充填する理由およびその効果を説明するための図である。 反射型画像表示装置を一枚用いる単板式プロジェクタ装置の光学系の一例である。 反射型空間光変調装置から出射する光の光路を空間的、周期的に変調させる光軸シフト装置の一例である。 スクリーン上での投射像の画素増大効果を説明するための図である。 プロジェクタ装置の光源として使われる白色ランプの輝度の角度特性(縦軸:輝度、横軸:照明角)を示す図である。 図20のような輝度分布の光を凹面鏡に入射させて、反射集光させた場合、観察面での照度分布(プロファイル)を模式的に示す図である。
符号の説明
1…基板、2…薄膜層、3…反射膜、4…透光性充填部材、5…液晶層、6…第二の透明電極、7…透光性基板(カバーガラス)、8…遮光層、9…電気回路、10…MOS、11…補助容量、13…第一の透明電極、14…スルーホール、31…金属膜、32…誘電体膜、33…反射膜、34…誘電体層、35…金属膜、36…誘電体膜層、41…透明電極。

Claims (18)

  1. 基板、薄膜層、反射膜、透光性の充填部材、第一の透明電極、液晶層、第二の透明電極および透光性基板からなり、
    前記薄膜層は前記基板の表面を被覆し、且つ凹面形状部を有し、
    前記反射膜は前記薄膜層および前記凹面形状部を被覆し、また前記反射膜は多層膜であり、
    前記透光性の充填部材は前記凹面形状部を充填し、且つ前記透光性の充填部材の凹面形状部に対向する面は平坦であり、
    前記第一の透明電極は前記平坦な透光性の充填部材の上に設けられ、
    前記液晶層は前記第一の透明電極が設けられた前記透光性の充填部材の平坦な面上に設けられ、
    前記第二の透明電極は前記液晶層の上に設けられ、
    前記透光性基板は前記第二の透明電極を設けた前記液晶層の上に設けられることを特徴とする反射型光学素子。
  2. 請求項1に記載の反射型光学素子において、前記反射膜の多層膜が、金属膜と誘電体膜とからなることを特徴とする反射型光学素子。
  3. 請求項1に記載の反射型光学素子において、前記反射膜の多層膜が、複数の誘電体膜からなることを特徴とする反射型光学素子。
  4. 請求項1に記載の反射型光学素子において、前記反射膜の多層膜が、金属膜と複数の誘電体膜とからなることを特徴とする反射型光学素子。
  5. 基板、反射膜、透光性の充填部材、第一の透明電極、液晶層、第二の透明電極および透光性基板からなり、
    前記反射膜は前記基板の表面を被覆し、且つ凹面形状部を有し、また前記反射膜は多層膜であり、
    前記透光性の充填部材は前記凹面形状部を充填し、且つ前記透光性の充填部材の凹面形状部に対向する面は平坦であり、
    前記第一の透明電極は前記平坦な透光性の充填部材の上に設けられ、
    前記液晶層は前記第一の透明電極が設けられた前記透光性の充填部材の平坦な面上に設けられ、
    前記第二の透明電極は前記液晶層の上に設けられ、
    前記透光性基板は前記第二の透明電極を設けた前記液晶層の上に設けられることを特徴とする反射型光学素子。
  6. 請求項5に記載の反射型光学素子において、前記反射膜は、金属膜と誘電体膜とからなることを特徴とする反射型光学素子。
  7. 請求項5に記載の反射型光学素子において、前記反射膜は、金属膜と複数の誘電体膜とからなることを特徴とする反射型光学素子。
  8. 基板、薄膜層、反射膜、第一の透明電極、液晶層、第二の透明電極および透光性基板からなり、
    前記薄膜層は前記基板の表面を被覆し、且つ凹面形状部を有し、
    前記反射膜は前記薄膜層および前記凹面形状部を被覆し、また前記反射膜は多層膜からなり、
    前記第一の透明電極はその凹面形状部を充填し、且つ前記第一の透明電極の凹面形状部に対向する面は平坦であり、
    前記液晶層は前記第一の透明電極の平坦な面上に設けられ、
    前記第二の透明電極は前記液晶層の上に設けられ、
    前記透光性基板は前記第二の透明電極を設けた前記液晶層の上に設けられることを特徴とする反射型光学素子。
  9. 請求項8に記載の反射型光学素子において、前記反射膜の多層膜が、金属膜と誘電体膜とからなることを特徴とする反射型光学素子。
  10. 請求項8に記載の反射型光学素子において、前記反射膜の多層膜が、複数の誘電体膜からなることを特徴とする反射型光学素子。
  11. 請求項8に記載の反射型光学素子において、前記反射膜の多層膜が、金属膜と複数の誘電体膜とからなることを特徴とする反射型光学素子。
  12. 基板、反射膜、第一の透明電極、液晶層、第二の透明電極および透光性基板からなり、
    前記反射膜は前記基板の表面を被覆し、且つ凹面形状部を有し、また前記反射膜は多層膜からなり、
    前記第一の透明電極は前記反射膜および前記凹面形状部を充填し、且つ前記第一の透明電極の凹面形状部に対向する面は平坦であり、
    前記液晶層は前記第一の透明電極の平坦な面上に設けられ、
    前記第二の透明電極は前記液晶層の上に設けられ、
    前記透光性基板は前記第二の透明電極を設けた前記液晶層の上に設けられることを特徴とする反射型光学素子。
  13. 請求項12に記載の反射型光学素子において、前記反射膜は、金属膜と誘電体膜とからなることを特徴とする反射型光学素子。
  14. 請求項12に記載の反射型光学素子において、前記反射膜は、金属膜と複数の誘電体膜とからなることを特徴とする反射型光学素子。
  15. 請求項1乃至14のいずれかに記載の反射型光学素子を複数マトッリクス状に配列させ用いることを特徴とする反射型空間光変調装置。
  16. 請求項15に記載の反射型空間光変調装置を用いることを特徴とするプロジェクタ装置。
  17. 請求項16に記載のプロジェクタ装置において、前記反射型空間光変調装置から出射する光の光路をシフトさせる装置を備えることを特徴とするプロジェクタ装置。
  18. 請求項16または17に記載のプロジェクタ装置において、該プロジェクタ装置に含まれる投射レンズの物面を、前記反射型空間光変調装置における凹面形状部の焦点の位置よりも凹面形状部側に設置することを特徴とするプロジェクタ装置。
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