JP4469078B2 - 高濃度オゾン水製造装置及びこの装置を用いた高濃度オゾン水の製造方法 - Google Patents

高濃度オゾン水製造装置及びこの装置を用いた高濃度オゾン水の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、精密部品の洗浄や、シリコンウエハーのフォトレジストをストリップするための洗浄等に必要な高濃度オゾン水を製造するための装置、並びにこの装置を用いた高濃度オゾン水の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、安価な高濃度オゾン水製造装置(オゾン濃度約20mg/L以上)の市場からの要請が高まってきているが、以下のような問題点がある。
(1)オゾン発生器メーカーは、高濃度オゾン発生器(高濃度+高吐出圧力)を市場に出すが、高コストとなっている。
(2)オゾンガスの粒子を小さくするため、高額なPTFE等のフッ素樹脂からなる多孔質チューブを使用したシステムはあるが、高コストとなっている。
(3)水の温度を下げるため多大な熱量を除去する冷凍機が必要になり、システムが複雑化し、コスト及びエネルギーコストも高くなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のオゾン水製造装置における上記問題を解決し、低コストで高濃度、かつクリーンなオゾン水を製造するのに適した装置(システム)並びに製法を提供することにある。
本発明者らは、圧送ポンプ、送水ポンプ、混合ポンプ等のメカニカル構造部を排除したPSS式(Pressure Swing Solution)の高濃度オゾン水製造装置によって、前述の問題が解決できることを見い出し、本発明を完成した。本発明の装置は、ポンプを使用せずに構造が簡単で、かつ低コストの装置であり、高濃度のオゾン水を製造するのに非常に適している。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決可能な本発明の高濃度オゾン水製造装置は、高濃度オゾン水の原料となる原水を貯蔵するための原水タンク1と、当該原水タンク1と実質的に同容積を有する一対のオゾン溶解タンク2a、2bとを具備し、前記原水タンク1が、原水供給弁10を介して原水供給源7と接続されており、当該原水タンク1の上部側には、当該タンク内の気体を大気中へ放出するための大気放出弁5が設けられ、かつ当該上部側が、不活性ガス供給弁11を介して不活性ガス供給源6と接続されていること、前記オゾン溶解タンク2a、2b内には、各タンクの底部近傍に、液体と気体とを混合可能なエジェクター3a、3bが設けられており、しかも当該タンク内の上部側からのオゾンガスを前記エジェクター3a、3bの位置にまで誘導し得る配管4a、4bが設けられており、各タンク2a、2bの底部にはそれぞれ、製品であるオゾン水を取り出すための取出口8a、8bが設けられていること、及び、前記オゾン溶解タンク2a、2bの上部側が、オゾンガス供給弁12を介してオゾンガス供給源9と接続され、かつ当該上部側には排気弁15がそれぞれ設けられていると共に、オゾン溶解タンク2a‐2b間のオゾンガスの移送を可能とするオゾンガス移送弁13が設けられており、前記オゾン溶解タンク2a、2bの底部がそれぞれ、液体移動制御弁14を介して前記原水タンク1の底部と接続されることにより、原水タンク‐オゾン溶解タンク間での液体の移動が可能になっており、前記原水タンク1内の液体が、オゾン溶解タンク2a、2b内の前記エジェクター3a、3bに供給される際に、当該オゾン溶解タンク2a、2b内の上部側から前記配管4a、4bにより誘導されたオゾンガスと混合される構造であることを特徴とする。
【0005】
又、本発明は、上述の構造を有する高濃度オゾン水製造装置において、前記オゾンガス供給源9が、オゾンガス濃度30〜150g/m3 、吐出圧力0.05〜0.1MPaのオゾンガス発生器であることを特徴とするものでもある。
【0006】
更に、このような高濃度オゾン水製造装置を用いてオゾン水を製造するための本発明の製法は、下記の工程a)〜h):
a)原水供給源から原水を原水タンクに注入して、当該原水タンク内を満水状態とした後、不活性ガス供給源から不活性ガスを原水タンクに注入することにより、当該原水タンク内の原水を全て、一方のオゾン溶解タンク内に移動させ、当該オゾン溶解タンク内を満水状態とする工程、
b)満水状態のオゾン溶解タンク内にオゾンガスを上部側より注入することによって、オゾン溶解タンクの底部より原水を原水タンクに戻し、オゾン溶解タンク内がオゾンガスで充填された状態とする工程、
c)オゾン溶解タンクのオゾンガス供給弁を閉状態とし、不活性ガス供給源から不活性ガスを原水タンクに注入することにより、原水タンク内の原水をオゾン溶解タンク内に移動させ、オゾン溶解タンク内のオゾンガスの体積を、不活性ガス圧力に反比例した体積にまで圧縮し、オゾンガス圧力を高めながら、オゾン溶解タンク内に設けられた配管の上端側からの高圧力のオゾンガスを、当該タンクの底部近傍に設けられたエジェクター内において、原水タンクからオゾン溶解タンク内へ流入する原水と混合させてオゾンガスを溶解させる工程、
d)原水タンクの不活性ガス供給弁を閉状態とし、大気放出弁を開状態として当該タンク内の圧力をほぼ大気圧とした後、オゾン溶解タンクのオゾンガス供給弁を開状態として当該タンク内にオゾンガスを注入し、オゾン溶解タンク内のオゾン水を原水タンクに移動させることにより、加圧下のオゾン水中に溶解していたオゾン以外のガス及び、前記工程c)により溶解したオゾンを、大気圧下で一気に気散させ、オゾンの水中モル分率を高める工程、
e)前記工程b)〜d)を数回繰り返すことにより、オゾン水中に溶解していたオゾン以外のガスのモル分率を下げ、オゾンのモル分率を上げることにより、オゾン水を高濃度化させる工程、
f)オゾン溶解タンク内のオゾンガス圧力を利用して、取出口から製品オゾン水を吐出させる工程、
g)前記工程f)におけるオゾンガス圧力が当初のほぼ半分になった時点で、オゾン溶解タンク間のオゾンガス移送弁を開状態とし、もう一方のオゾン溶解タンクにオゾンガスを移送し、もう一方のオゾン溶解タンクにおける前記工程b)のオゾンガスとして再利用する工程、
h)前記a)〜g)の工程を多連にして、オゾン吐出とオゾン気散を時間差をつけることにより連続的にオゾン水を吐出させる工程、
を含むことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の高濃度オゾン水製造装置の好ましい一例における構成を図面に示して本発明を説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
図1は、本発明の高濃度オゾン水製造装置の好ましい一例における構成を示す図であり、この装置には、高濃度オゾン水の原料となる原水を貯蔵するための原水タンク1と、この原水タンク1と実質的に同容積を有する一対のオゾン溶解タンク2a、2bとが含まれる。原水タンク1は、図1に示されるようにして、原水供給源7からの原水が原水供給弁10を介してタンク内に注入できるように接続されており、原水タンク1の上部側には、当該タンク内の気体を大気中へ放出するための大気放出弁5と、不活性ガス供給源6からの不活性ガスを原水タンク1に供給するための不活性ガス供給弁11が設けられている。この際、不活性ガスとしては窒素ガスを使用するのが一般的である。
【0008】
一方、オゾン溶解タンク2a、2b内には、各タンクの底部近傍に、液体と気体とを混合可能な内部構造を有したエジェクター3a、3bが設けられていると共に、当該タンク内の上部側からのオゾンガスをエジェクター3a、3bの位置にまで誘導し得る配管(導管)4a、4bが設けられており、オゾン溶解タンク2a、2bの上部側から、オゾンガス供給弁12を介してオゾンガス供給源9からのオゾンガスがタンク内に供給できるようになっており、最終製品のオゾン水を取り出すための取出口8a、8bが、各タンク2a、2bの底部に設けられている。更に、このオゾン溶解タンク2a、2bの上部側にはそれぞれ排気弁15が設けられており、両タンク内の圧力差を利用して、一方のオゾン溶解タンクから他方のオゾン溶解タンクへオゾンガスが移送できるようにオゾンガス移送弁13が設けられている。
本発明では、オゾンガス供給源9として、市販の中濃度オゾン発生器を利用することができ、例えばオゾンガス濃度30〜150g/m3 、吐出圧力0.05〜0.1MPaのオゾンガス発生器が利用でき、エジェクター3a、3bについても通常の構造のものが使用できる。
【0009】
その上、本発明の高濃度オゾン水製造装置にあっては、オゾン溶解タンク2a、2bの底部がそれぞれ、液体移動制御弁14を介して原水タンク1の底部と接続されており、これによって、原水タンク‐オゾン溶解タンク間における液体の移動ができるようになっており、原水タンク1内に不活性ガス供給源6からの不活性ガスが供給されて原水タンク1内の液体が、オゾン溶解タンク2a、2bのエジェクター3a、3b内に供給され、当該エジェクター内で、オゾン溶解タンク2a、2b内の上部側から配管4a、4bにより誘導されたオゾンガスと混合されて噴射が起こるようになっている。
尚、本発明では、原水タンク1、オゾン溶解タンク2a、2bから排気された気体が、図1に示されるように、気液分離タンク及び排オゾン処理器を通して排出される構成とするのが一般的である。又、図1には、二連式のPSS式高濃度オゾン水製造装置を示したが、本発明の装置は、オゾン溶解タンクを3以上とした多連式の構造であっても良い。
【0010】
上記の構造を有する本発明の高濃度オゾン水製造装置の利点としては、以下の点が挙げられる。
(1)中濃度オゾンガス発生器を採用することができる点
オゾン発生器メーカーは、現在オゾン濃度200g/m3 〜300g/m3 の高濃度オゾン発生器を市場に出しているが、一般に使用されている50g/m3 〜199g/m3 の中濃度オゾン発生器(下水処理等の分野用)に比べて、数倍の市場価格となっている。本発明の高濃度オゾン水製造装置では、オゾンガス供給源として、一般に使用されている低コストの中濃度オゾン発生器(オゾンガス濃度30〜150g/m3 、吐出圧力0.05〜0.1MPa)を採用することにより、高濃度のオゾン水(約20mg/L以上)を製造することができる。
【0011】
(2)多孔質チューブ(中空系膜)を使用する必要がない点
高濃度オゾン水メーカーは、現在、高額なPTFE等のフッ素樹脂からなる多孔質チューブを用いて、気(オゾンガス)液(水)溶解(オゾンガスの粒子を小さくさせ、接触面積を大きくする)させているが、多孔質チューブが高額であるために、高濃度オゾン水のコストが高くなっている。これに対し、本発明の装置の場合には、多孔質チューブを使用しなくても高濃度オゾン水を製造することができる。
【0012】
(3)ポンプを使用しない点
高濃度オゾン水メーカーは、原水、オゾン水の搬送用としてマグネットポンプ等を使用して、気液溶解を目的として、渦流タービンポンプのタービンインペラーによる攪拌混合を利用しているが、これらはいずれもメカニカル構造であるために、熱エネルギーが原水、オゾン水に入り込み、原水、オゾン水温度を上昇させており、その対策として、冷凍機により温度上昇を除去している。冷凍機やポンプのエネルギー効率は一般的に20〜30%と悪く、ポンプの不要な熱エネルギーを効率の悪い冷凍機で冷やすことによるエネルギーロスが発生している。
これに対し、本発明の装置にあっては、ポンプを一切使用せず、気体圧力(圧力差)を利用して液体の移送を行うために、エネルギーロスが少ない。又、ポンプを使用しないことにより、金属イオンの発生がほとんどなく、副次的に冷凍機が不要となり、ポンプの整備コストも不要である。
【0013】
次に、上記の構成を有する高濃度オゾン水製造装置を用いてオゾン水を製造するための本発明の製法の各工程について説明する。
まず最初の工程aでは、原水供給弁を開状態として、原水供給源から原水を原水タンクに注入し、原水タンク内を満水状態とした後、不活性ガス供給弁を開状態として、不活性ガス供給源から不活性ガス(一般的には窒素)を原水タンクに注入することにより、原水タンク内の原水を全て、一方のオゾン溶解タンク内に移動させ、オゾン溶解タンク内を満水状態とし、原水タンク内を不活性ガスで満たす。この時、オゾン溶解タンクの排気弁は開状態となっている。
【0014】
そして、工程bでは、オゾン溶解タンクの排気弁を閉状態とし、満水状態のオゾン溶解タンク内にオゾンガスを上部側より注入することにて、オゾン溶解タンクの底部より原水を原水タンクに戻し、オゾン溶解タンク内がオゾンガスで充填された状態とされ、この工程によって、オゾン溶解タンク内のオゾンガス濃度は注入されるオゾンガスの濃度と同じになる。
【0015】
更に、工程cでは、オゾン溶解タンクのオゾンガス供給弁を閉状態とし、不活性ガス供給源からの不活性ガスを、原水タンクの上部側から原水タンク内に注入することにより、不活性ガスの圧力によって原水タンク内の原水をオゾン溶解タンク内に移動させ、ボイルシャルルの法則により、オゾン溶解タンク内のオゾンガスの体積を、不活性ガス圧力に反比例した体積にまで圧縮し、オゾンガス圧力を高めながら、オゾン溶解タンク内に設けられた配管の上端側からの高圧力のオゾンガスを、当該タンクの底部近傍に設けられたエジェクター内において、原水タンクからオゾン溶解タンク内へ流入する原水とオゾンガスを混合させ、高圧力のオゾンガスを原水に溶解させる。この工程cにおいては、エジェクター出口圧力とオゾンガス圧力は同じ圧力となるため、ベンチュリ効果を常に発生させることができ、又、オゾン溶解タンク内のオゾンガスの体積が圧縮されることで、タンク内部の圧力が上昇し、オゾンが溶解しやすい状態となる。
尚、この工程では、オゾン溶解タンク内のオゾンガスを1/4程度(1/3〜1/5程度)に圧縮するのが一般的であり、圧縮時のオゾンガス圧力としては4kg/cm2 程度で、原水タンクに注入される不活性ガス圧力は、このような圧力が得られるものであれば良い。
【0016】
そして、工程dでは、原水タンクの不活性ガス供給弁を閉状態とし、大気放出弁を開状態として当該タンク内の圧力をほぼ大気圧とした後、オゾン溶解タンクのオゾンガス供給弁を開状態として当該タンク内にオゾンガスを注入し、オゾンガス圧力を利用して、オゾン溶解タンク内のオゾン水を原水タンクに移動させることにより、加圧下のオゾン水中に溶解していたオゾン以外のガス及び、前記工程cにより溶解したオゾンを、大気圧下で一気に気散させ、オゾンの水中モル分率を高める。この工程dでは、エジェクターによるミキシングの後、大気圧となった原水タンクに水を移動させ、急激に大気圧に戻すことにより、ガスの溶解度が変化し、水に溶解していたガスが気散し、この際、オゾンも気散するが、水に溶存していた他のガスも一気に気散するため、一時的に非常にガスを溶解しやすい状態が得られる。
【0017】
次に、工程eでは、前記工程b〜dを数回繰り返すことにより、オゾン水中に溶解していたオゾン以外のガスのモル分率を下げ、オゾンのモル分率を上げることにより、オゾン水を高濃度化させる(溶解オゾン濃度を上げる)。本発明では、上記の工程eによって、オゾン溶解タンク内のエジェクターにて、オゾン水をオゾンガスと混合することで、ほぼオゾンガスのみを水に溶解させることができ、高価な高濃度オゾンガス発生器を使用しなくても、一般に使用されている中濃度オゾンガス発生器(オゾンガス濃度30〜150g/m3 、吐出圧力0.05〜0.1MPa程度)を用いて、オゾン水のオゾン濃度を約20mg/L程度にまで高めることができる。
【0018】
そして、工程fでは、所定のオゾン濃度となった製品オゾン水(高濃度オゾン水)を、オゾン溶解タンク内のオゾンガス圧力を利用して取出口から吐出させるが、この際、次工程gにおいて、前記工程fにおけるオゾンガス圧力が当初の圧力のほぼ半分になった時点で、オゾン溶解タンク間のオゾンガス移送弁を開状態とし、もう一方のオゾン溶解タンクにオゾンガスを移送し、もう一方のオゾン溶解タンクにおける前記工程bのオゾンガスとして再利用する。このため、本発明の製法では、オゾンガスの再利用により、装置から排出されるオゾン濃度が少なくなり、高収率にてオゾン水を製造することができる。
【0019】
尚、工程hにおいては、前記の工程a〜gを多連(即ち、オゾン溶解タンクを2本以上とした構成)にして、オゾン吐出とオゾン気散を時間差をつけることにより、各オゾン溶解タンクにおいてオゾン水製造と吐出を交互に繰り返し、連続的に常時、オゾン水を吐出させる。即ち、あるオゾン溶解タンクがオゾン気散工程(前記工程d)にある時に、別のオゾン溶解タンクからオゾン水が吐出(前記工程f)される。
【0020】
一般に、オゾンガスを水に高濃度に溶解させるための条件としては、(1)オゾンガス濃度を上げる、(2)水の温度を下げる、(3)オゾンガスの粒子を小さくする、(4)オゾンガスの圧力を上げる、などが必要となるが、本発明の製法は、オゾンガスの圧力を高めた状態において、オゾンガス粒子を小さくし、これによって、高濃度オゾン水を製造するものであり、オゾン水の圧力を上げるために、タンクにオゾンガスを注入後、タンクに水を圧入することでオゾンを昇圧させており、又、オゾンの粒子を小さくするために、オゾンガスの圧力を高めた状態で、タンクに水を圧入する際のエジェクター効果を用い、オゾンガスと水を混合している。尚、本発明では、常温にて全ての工程が行われるために、冷凍機を必要としない。
【0021】
上述の本発明の製造方法において、オゾンガス濃度30〜150g/m3 、吐出圧力0.05〜0.1MPa程度の中濃度オゾンガス発生器を用いた場合、例えば、前記工程b〜dの繰り返し回数が1回では、約13mg/Lのオゾン濃度のオゾン水が得られ、2回では、約20mg/L程度、3回では約25mg/L程度となる。
【0022】
【発明の効果】
本発明のPSS式高濃度オゾン水製造装置の場合、オゾンを高濃度に溶解させることができ、しかも、高濃度オゾンガス発生器、高額のフッ素樹脂からなる多孔質チューブが不必要で、さらに高額のテフロンポンプ(整備も高額である)を使用しないので、オゾン水に熱エネルギーが加わることも非常に少なくなり、冷凍機等にてポンプの熱エネルギーを除去する必要もなく、きわめて簡単にコストの安い、高濃度オゾン水が得られる。又、前述の高濃度オゾン水製造装置を用いる本発明の製法を用いることによって、きわめて簡単にコストの安い、高濃度オゾン水を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高濃度オゾン水製造装置の好ましい一例における構成図である。
【符号の説明】
1 原水タンク
2a、2b オゾン溶解タンク
3a、3b エジェクター
4a、4b 配管
5 大気放出弁
6 不活性ガス供給源
7 原水供給源
8a、8b 取出口
9 オゾンガス供給源
10 原水供給弁
11 不活性ガス供給弁
12 オゾンガス供給弁
13 オゾンガス移送弁
14 液体移動制御弁
15 排気弁

Claims (3)

  1. 高濃度オゾン水の原料となる原水を貯蔵するための原水タンク1と、当該原水タンク1と実質的に同容積を有する一対のオゾン溶解タンク2a、2bとを具備し、前記原水タンク1が、原水供給弁10を介して原水供給源7と接続されており、当該原水タンク1の上部側には、当該タンク内の気体を大気中へ放出するための大気放出弁5が設けられ、かつ当該上部側が、不活性ガス供給弁11を介して不活性ガス供給源6と接続されていること、前記オゾン溶解タンク2a、2b内には、各タンクの底部近傍に、液体と気体とを混合可能なエジェクター3a、3bが設けられており、しかも当該タンク内の上部側からのオゾンガスを前記エジェクター3a、3bの位置にまで誘導し得る配管4a、4bが設けられており、各タンク2a、2bの底部にはそれぞれ、製品であるオゾン水を取り出すための取出口8a、8bが設けられていること、及び、前記オゾン溶解タンク2a、2bの上部側が、オゾンガス供給弁12を介してオゾンガス供給源9と接続され、かつ当該上部側には排気弁15がそれぞれ設けられていると共に、オゾン溶解タンク2a‐2b間のオゾンガスの移送を可能とするオゾンガス移送弁13が設けられており、前記オゾン溶解タンク2a、2bの底部がそれぞれ、液体移動制御弁14を介して前記原水タンク1の底部と接続されることにより、原水タンク‐オゾン溶解タンク間での液体の移動が可能になっており、前記原水タンク1内の液体が、オゾン溶解タンク2a、2b内の前記エジェクター3a、3bに供給される際に、当該オゾン溶解タンク2a、2b内の上部側から前記配管4a、4bにより誘導されたオゾンガスと混合される構造であることを特徴とする高濃度オゾン水製造装置。
  2. 前記オゾンガス供給源9が、オゾンガス濃度30〜150g/m3 、吐出圧力0.05〜0.1MPaのオゾンガス発生器であることを特徴とする請求項1に記載の高濃度オゾン水製造装置。
  3. 請求項1に記載される高濃度オゾン水製造装置を用いてオゾン水を製造する方法であって、当該方法が、下記の工程a)〜h):
    a)原水供給源から原水を原水タンクに注入して、当該原水タンク内を満水状態とした後、不活性ガス供給源から不活性ガスを原水タンクに注入することにより、当該原水タンク内の原水を全て、一方のオゾン溶解タンク内に移動させ、当該オゾン溶解タンク内を満水状態とする工程、
    b)満水状態のオゾン溶解タンク内にオゾンガスを上部側より注入することによって、オゾン溶解タンクの底部より原水を原水タンクに戻し、オゾン溶解タンク内がオゾンガスで充填された状態とする工程、
    c)オゾン溶解タンクのオゾンガス供給弁を閉状態とし、不活性ガス供給源から不活性ガスを原水タンクに注入することにより、原水タンク内の原水をオゾン溶解タンク内に移動させ、オゾン溶解タンク内のオゾンガスの体積を、不活性ガス圧力に反比例した体積にまで圧縮し、オゾンガス圧力を高めながら、オゾン溶解タンク内に設けられた配管の上端側からの高圧力のオゾンガスを、当該タンクの底部近傍に設けられたエジェクター内において、原水タンクからオゾン溶解タンク内へ流入する原水と混合させてオゾンガスを溶解させる工程、
    d)原水タンクの不活性ガス供給弁を閉状態とし、大気放出弁を開状態として当該タンク内の圧力をほぼ大気圧とした後、オゾン溶解タンクのオゾンガス供給弁を開状態として当該タンク内にオゾンガスを注入し、オゾン溶解タンク内のオゾン水を原水タンクに移動させることにより、加圧下のオゾン水中に溶解していたオゾン以外のガス及び、前記工程c)により溶解したオゾンを、大気圧下で一気に気散させ、オゾンの水中モル分率を高める工程、
    e)前記工程b)〜d)を数回繰り返すことにより、オゾン水中に溶解していたオゾン以外のガスのモル分率を下げ、オゾンのモル分率を上げることにより、オゾン水を高濃度化させる工程、
    f)オゾン溶解タンク内のオゾンガス圧力を利用して、取出口から製品オゾン水を吐出させる工程、
    g)前記工程f)におけるオゾンガス圧力が当初のほぼ半分になった時点で、オゾン溶解タンク間のオゾンガス移送弁を開状態とし、もう一方のオゾン溶解タンクにオゾンガスを移送し、もう一方のオゾン溶解タンクにおける前記工程b)のオゾンガスとして再利用する工程、
    h)前記a)〜g)の工程を多連にして、オゾン吐出とオゾン気散を時間差をつけることにより連続的にオゾン水を吐出させる工程、
    を含むことを特徴とする高濃度オゾン水の製造方法。
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