JP4469008B1 - コリオリ流量計 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 電磁オシレータを作動させる駆動装置を,電磁ピックオフからのアナログ入力信号を増幅するOPアンプと,OPアンプから出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータと,A/Dコンバータから出力されるデジタル信号をDSPにおいて位相検波に基づいてデジタル処理し、そのデータ量のデジタル信号をアナログ信号に変換するD/Aコンバータと,D/Aコンバータから出力されるデジタル信号をDSPにおいて位相検波に基づいてデジタル処理し、そのデータ量のデジタル信号をアナログ信号に変換するD/Aコンバータとによって構成する。
【選択図】 図2
Description
検出器4の測定チューブ2,3には、加振器6、速度センサ7、温度センサ8が取り付けられており、それぞれ変換器5に接続されている。
コリオリ流量計変換器5は、位相計測部11と、温度計測部12と、駆動制御部13とによって構成されている。
信号処理のデジタル化に当たって、コリオリ流量計の位相計測11は、一対の速度センサの信号をA/D変換しデジタル変換処理をした後、変換された信号の位相差を求めている。
コリオリ流量計には、チューブ温度の補償用に温度センサが設けられている。
一般に抵抗型温度センサが用いられており、抵抗値を計測することによつて温度を算出する。
従来の駆動回路には、正帰還ループ構成したアナログ式のものが多用されており、チューブの形状などによって回路構成部品が異なり、そのために共通化した変換器の構成には難があった。
さらに、前記位相計測部12と独立した構成をなすため、性能機能を司ることができず、むしろコリオリ力の原理(位相計測)による計測手段の一構成要素として組み込まれ、優位的機能展開には活用されていないのが実状である。
まず、ピックオフの入力信号を振幅計測部20を構成する全波整流回路21において全波整流し、この全波整流回路21において全波整流したピックオフの入力信号を、振幅計測部20を構成するローパスフィルタ22に入力する。
このように振幅計測部20においては、ローパスフィルタ22に入力したピックオフの入力信号の入力波形の振幅値を求める。
この振幅計測部20において求めた振幅値は、加算器23において、加算器23に入力される基準電圧値Vrefから引き算され、掛け算器24において、振幅計測部20に入力されるピックオフの入力信号と掛け合わせられる。そして、この掛け算器24において掛け算した入力信号は、ドライブ出力用アンプ25に入力される。そして、このドライブ出力用アンプ25において、駆動信号として出力される。
ここで入力信号の振幅値がある一定のレベルに達していない場合、スタート回路26の出力が切り替わり出力アンプ25のゲインを切り替え、駆動信号のレベルが大きくなり入力信号は、はやく一定のレベルに収束するようになる。
従来の駆動回路にあっては、回路の常数が固定されているので、駆動用のパラメータを変更していろいろな型式のセンサと結合するための、共通な駆動回路を設計することが難しいという問題点を有している。
また、従来の駆動回路にあっては、回路を構成する部品点数が多いためコストが高くなるという問題点を有している。
さらに、従来の駆動回路にあっては、駆動回路の自己診断などの機能を追加するために、回路自体の個体差の調整やさらに多くの部品の実装などが要求されるという問題点を有している。
前記駆動装置は,
前記電磁ピックオフからのアナログ入力信号を増幅するOPアンプと,
前記OPアンプから出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータと,
前記A/Dコンバータから出力されるデジタル信号をDSP(デジタルシグナルプロセッサ)において生成する位相データに基づいてデジタル処理し、そのデータ量のデジタル信号をアナログ信号に変換するD/Aコンバータと,
によって構成し,
前記DSP(デジタルシグナルプロセッサ)は,
前記A/Dコンバータから入力される信号の振幅を計算する振幅計測部と,
前記A/Dコンバータから入力されるデジタルデータの符号ビットが単位時間当たりに何回変わるかを計測し、その値をゼロクロスデータとして出力するゼロクロス計算部と,
前記ゼロクロスデータと前記A/Dコンバータとの出力データから位相データを生成するPLL(位相同期回路)と,
前記PLL(位相同期回路)から出力される位相データと前記振幅計測部からの振幅データを基に出力波形を生成するドライブ波形生成部と,
によって構成したことを特徴とする。
前記電磁ピックオフからの入力信号をA/D変換したデジタル信号に基づいて、FFT(高速フーリエ変換)処理により共振周波数のスペクトル強度を求めて振幅値を算出する手段により構成することを特徴とする。
前記電磁ピックオフからの入力アナログ信号をA/D変換して得たデジタル信号に基づいて、位相データを計算し、該位相データより発信周波数を算出する周波数演算部を設け,
前記発信周波数より、入力信号に同期した発信周波数に基づきコイルを駆動するドライブ信号を生成するようにしたことを特徴としている。
前記掛け算器を、前記A/Dコンバータから出力されるデジタル信号と前記位相制御型発信器から出力されるデジタル出力信号とを掛け算した後、前記ローパスフィルタに入力し、前記掛け算器出力信号からの低域周波数の信号のみ取り出し,
前記位相制御型発信器では、前記ゼロクロス計算部からのゼロクロスデータをもとに基本出力波形の位相データを生成し、さらに前記ローパスフィルタからの前記出力データが0になるように演算し、該計算した位相に基づき波形を生成して出力するように構成したことを特徴としている。
前記電磁ピックオフから入力するアナログ信号を増幅するOPアンプ出力信号(経路A)と、前記D/Aコンバータからの出力信号(経路B)を選択切り替えるアナログスイッチを設け,
前記アナログスイッチは,
前記電磁ピックオフから入力するアナログ信号を増幅するOPアンプからの出力信号と、前記D/Aコンバータからの出力信号の2つの信号うち、いずれかの信号を切り替えて出力端子に接続されるOPアンプに出力され、増幅されて,ドライブ出力信号として出力するとともに、出力端子に接続されるドライブ出力用のOPアンプのゲインを切り替えられるように構成し,
前記振幅計測部の出力データに基づきドライブ出力用のOPアンプからの出力信号とドライブ出力用のOPアンプのゲインを切り替えることによって該ドライブ出力用のOPアンプからの出力信号(経路A)を選択して駆動回路の起動処理を行うことを特徴とする。
そこで、本発明者は、PLL(PLL; Phase-locked loop 位相同期回路)の考え方に基づく駆動方法を適用することにより実現するに至った。このPLL(PLL; Phase-locked loop 位相同期回路)は、入力される交流信号と周波数が等しく、かつ位相が同期した信号を、フィードバック制御により別の発振器から出力する電子回路である。
このようにPLLは、もともと位相を同期するための回路で、入力信号に対して位相の同期した信号を作ることができるようになっている。
このPLLは、演算器で構成することが比較的簡単で、さらに高速で演算することが可能であるため駆動回路を演算器に追加したことによる演算負荷の増加を抑えることが期待できる。
図1には、PLL(Phase-Locked Loop:位相同期回路)30の回路構成図が示されている。
PLL(Phase-Locked Loop:位相同期回路)というのは、外部から入力された基準信号と、ループ内の発振器からの出力との位相差が一定になるよう、ループ内発振器にフィードバック制御をかけて発振をさせる発振回路である。
図1におけるPLL30は、位相比較器31と、ループフィルタ32と、VCO(電圧制御発信回路)33と、分周器34とによって構成されている。
このPLL30は、電圧に応じて周波数が変化するVCO(電圧制御発振回路)33の出力信号と入力(基準周波数)との位相差をVCO33にフィードバックすることにより、同期する。このとき、VCO(電圧制御発振回路)33の出力信号を分周したものを用いることにより入力信号の周波数を逓倍した信号を作ることもできる。
図2において、駆動回路40は、OPアンプ41と、A/Dコンバータ42と、D/Aコンバータ43と、アナログスイッチ44とによって構成されている。
測定用の流管を構成する一対のフローチューブを対向させ、駆動装置によって電磁オシレータを作動させフローチューブを回転方向に交番駆動し、一対のフローチューブを振動させるためのドライブ出力信号は、アナログスイッチ44において、D/Aコンバータ43からの出力信号と、フローチューブを回転方向に交番駆動したときに一対のフローチューブに発生するコリオリの力に比例した位相差及び/又は振動周波数を電磁ピックオフによって検出されOPアンプ41から出力される入力信号の2つの信号を、それぞれ切り替えてドライブ出力用のアンプ45に出力できるように構成されている。
また、A/Dコンバータ42からの出力信号は、A/Dコンバータ42に接続されるDSP(Digital Signal Processor :デジタルシグナルプロセッサ )50に入力される。
DSP(Digital Signal Processor, デジタルシグナルプロセッサ)50 は、デジタル信号処理に特化したマイクロプロセッサである。
次に、DSP50の内部構成について説明する。このDSP50は、振幅計測部51と、ゼロクロス計算部52と、ドライブ波形生成部53と、周波数演算部54と、PLL55(掛け算器56、ローパスフィルタ57、位相制御型発信器58)とによって構成されている。
これらDSP50を構成する各構成要素について、次に説明する。
振幅計測部51は、振幅の計算をするもので、この振幅の計算においては、FFTを用いて共振周波数のスペクトル強度を振幅値として、振幅計測部51の内部の演算に使用している。
ゼロクロス計算部52は、A/Dコンバータ42から出力される電磁ピックオフによって検出されたフローチューブを回転方向に交番駆動したときに一対のフローチューブに発生するコリオリの力に比例した位相差及び/又は振動周波数の入力データ(sinα)の符号ビットが単位時間当たりに何回変わるかを計測するものである。そして、このゼロクロス計算部52においては、計測した値をゼロクロスデータとして、位相制御型発信器58に送るものである。
ドライブ波形生成部53は、位相制御型発信器58から出力される位相データδを基に出力波形の位相と振幅計測部51から出力される振幅データXMAGを基にドライブ波形生成部53において出力波形の振幅を決定し、ドライブ波形生成部53から出力される出力波形を生成する。
周波数演算部54は、位相制御型発信器58から出力される位相データδを基に電磁ピックオフによって検出されるコリオリの力に比例した振動周波数を計算するものである。
掛け算器56は、フローチューブを回転方向に交番駆動したときに一対のフローチューブに発生するコリオリの力に比例した位相差及び/又は振動周波数を、電磁ピックオフによって検出し、OPアンプ41によって増幅して、A/Dコンバータ42においデジタル値に変換された入力データ(sinα)と、位相制御型発信器58から出力される出力信号cosδの位相を比較し、その差信号と和信号としてローパスフィルタ57に出力するものである。
ローパスフィルタ57は、掛け算器56から出力される出力信号を周波数フィルタを通して、低い周波数の信号のみ取り出す回路である。
したがって、ここでは、掛け算器56から出力される出力信号のなかで差の成分のみを取り出している。
位相制御型発信器58は、ゼロクロス部(ゼロクロス計算部52)から出力されるゼロクロスデータ(α0)を基に出力波形の位相データδを生成するものである。
そして、この位相制御型発信器58においては、掛け算器56に出力信号cosδを出力し、この掛け算器56において、A/Dコンバータ42においデジタル値に変換された入力データ(sinα)の位相と、出力信号cosδの位相とが比較され、その差信号と和信号としてローパスフィルタ57から出力され、このローパスフィルタ57によって濾波出力される差の成分のみの出力データVnが0になるように算出し、その算出した位相データδをドライブ波形生成部53に出力する。
このドライブ波形生成部53において、位相制御型発信器58から出力されるに位相データδに基づき波形を生成して、出力データ(XAMPsinγ)としてD/Aコンバータ43に出力する。
駆動回路40の初期状態においては、対向する測定用の流管を構成する一対のフローチューブは電磁オシレータによって交番駆動されておらず、一対のフローチューブが振動していない。したがって、駆動回路40のOPアンプ41には、入力信号が入っておらず、駆動回路40のOPアンプ41からも出力信号が出力されていないため、アンプ45からドライブ出力信号は出ていない。
このOPアンプ41から出力されるA/Dコンバータ42に入力される入力信号の振幅値がある程度大きくなった後、アナログスイッチ44のOPアンプ41から出力されるA/Dコンバータ42に入力される入力信号がアンプ45に直接入力される接続状態を、元に戻して通常の接続の駆動状態に戻す。
(1)振幅計測部
振幅計測部51においては、フローチューブを回転方向に交番駆動したときに一対のフローチューブに発生するコリオリの力に比例した位相差及び/又は振動周波数を、電磁ピックオフによって検出し、OPアンプ41によって増幅して、A/Dコンバータ42においデジタル値に変換された入力データ(sinα)の実数成分と虚数成分をFFT(高速フーリエ変換)の計算でもとめ(1)式によって、振幅値XMAGを入力信号のパワースペクトラムによって求めている。
この振幅計測部51における振幅の計算には、FFT(高速フーリエ変換)を用いて共振周波数のスペクトル強度を計算し、このスペクトル強度を振幅値XMAGとみなして、振幅計測部51の内部の演算で用いている。
ゼロクロス計測部52においては、フローチューブを回転方向に交番駆動したときに一対のフローチューブに発生するコリオリの力に比例した位相差及び/又は振動周波数を、電磁ピックオフによって検出し、OPアンプ41によって増幅して、A/Dコンバータ42においデジタル値に変換された入力データ(sinα)信号の符号ビットが0.5secの間で何回変わるかをカウントする。そして、A/Dコンバータ42から出力される信号の入力周波数のおおよその値を求める。このゼロクロス計算部52において求めた値は、ゼロクロスデータより計算したベースとなる位相α0として位相制御型発信器58へ送出される。
なお、ゼロクロスの計測時間は、0.5secに限定されるものでなく、例えば、1secであってもよい。
PLL55の掛け算器56においては、フローチューブを回転方向に交番駆動したときに一対のフローチューブに発生するコリオリの力に比例した位相差及び/又は振動周波数を、電磁ピックオフによって検出し、OPアンプ41によって増幅して、A/Dコンバータ42においデジタル値に変換された入力データ(sinα)信号と位相制御型発信器58から出力される出力信号の出力波形を掛け算する。
ここで仮に位相制御型発信器の出力をcosδとした場合、掛け算器56における演算(sinα・cosδ)は、
〔式2〕
と表される。
次に、ローパスフィルタ57においては、掛け算器56から出力される出力データをローパスフィルタ57において低域通過フィルタに通すことによって、低い周波数成分だけを取り出す。この低域通過フィルタに通すことによって、式(2)の高い周波数成分が完全に除去されたと仮定し、式(2)の係数の1/2を省略して考えたとき、ローパスフィルタ57の低域通過フィルタからの出力Vnは、
〔式3〕
Vn=sin(α−δ) …………………………………(3)
となる。
〔式4〕
Vn=α−δ …………………………………(4)
のように近似することができる。
〔式5〕
δ=α …………………………………(5)
となる。
このように演算することより、入力信号位相αと同相の出力信号の位相δを計算することができる。
この位相制御型発信器58においては、ローパスフィルタ57から出力される出力信号Vnによって発信周波数を変化させると、式(3)から式(4)の近似式の条件によって、入力周波数と位相制御型発信器の出力周波数が前述の如く同相となる。しかし、位相制御が確立しない条件下、例えば、同相化できない制御初期状態やアンチロック時では、ロッキングタイムを上げることが必要となる。
このような場合、ローパスフィルタ57から出力される出力信号Vn値をVn=1=0として、ゼロクロス計測部52における計測結果より、ベースとなる位相α0から基底の位相制御発信出力を算出し、さらにローパスフィルタ57の出力結果を用いて式(6)の如く位相御型発信器の発信周波数を決定する。
〔式6〕
δ=α0+Vn ………………………(6)
と求められる。
〔式7〕
sin(δ+π/2)=cosδ ………………………(7)
と得ることができる。
この式(7)で得られる出力cosδは、前述の掛け算器へ入力される。
位相御型発信器58から出力された位相情報δと、ドライブ波形生成部53から出力される出力信号の振幅値XAMPは、振幅計測部51からの出力データXMAGの関数として、
〔式8〕
XAMP=Fx(XMAG) ………………………(8)
と生成される。
〔式9〕
γ=Fa(δ) ………………………………(9)
このようにして、ドライブ波形生成部53より出力される駆動信号γは、
〔式10〕
XAMP・sinγ …………………………………(10)
と表される。
なお、Fx、Faは、それぞれ出力波形の振幅、位相を生成するための関数を表す。
例えば、入力波形の目標振幅値がZで、位相がπ(rad)シフトしたドライブ波形を作る場合の関数、式(8)のFxと、式(9)のFaは、
〔式11〕
Fx=Z−XMAG 、 Fa=δ+π …………………(11)
となる。
位相制御型発信器58から出力される出力信号の位相データδは、
〔式12〕
δ=2・π・f・t ………………………(12)
但し)π:円周率
f:ドライブ周波数
t:サンプリングレート
で表すことができる。
以上のことから、式(13)に示すのように図3に図示の位相制御型発信器58から出力される出力信号の位相データδを2π・tで割ることによって周波数fを、
〔式13〕
と求めることができる。
この式(13)によって求められた周波数fの値をドライブ周波数として用いれば、応答性の高い極めて安定で、かつQの高いセンサチューブの共振振動駆動を提供することができる。
図4において、ステップ100において、PLL55の位相制御型発信器58から出力される位相データδと、PLL55のローパスフィルタ57から出力される出力信号Vnについて、初期設定(δ0=0,V0=0)を行う。
さらに、ステップ101においては、A/Dコンバータ42から出力されるデータを取り込み、ゼロクロス計測部52において、この取り込んだA/Dコンバータ42からのデータの値を用いてベースとなる初期位相α0の演算を行う。
δn=δn−1+α0+Vn−1
と演算して求める。
Vn=sinαn×cosδn
と求める。
すなわち、ローパスフィルタ57において、掛け算器56から出力される出力データを低域通過フィルタを通すことによって、低い周波数成分だけを取り出して、A/Dコンバータ42から出力する出力信号Vnとする。
すなわち、ステップ105においては、周波数演算部54で、位相制御型発信器58から出力される位相データδを2π・tで割ることによって周波数Fを、
F=(δn−δn−1)/2π・t
と求める。このように位相比較演算時の値δnを用いて周波数Fを演算することによって非常に高速に演算を行うことができる。
すなわち、周波数演算部54において周波数Fの計算時の入力信号の振幅値XMAGを演算するため、その入力信号の振幅値XMAGによって周期が正確にとれているかを判断することができる。
この周波数Fの計算時の入力信号の振幅値XMAGの演算には、FFT(高速フーリエ変換)を用いて行っている。しかし、入力波形の移動平均を行っても同様な結果を得ることができる。
また、DSP50における同期フィードバックと周波数演算においては、図4に示す如く、維持用のループ計算を繰り返すことによって周波数(位相)が入力周波数に収束する。
もし、ドライブ周波数が入力信号と異なる周波数にロック、もしくは収束しない場合は、振幅値の計算結果が非常に小さくなるため、振幅値の計算結果で位相がロックしているか、していないかを判断することができる。
図5においてに、ステップ200において、DSP(Digital Signal Processor :デジタルシグナルプロセッサ )50を起動し、DSP50の初期化、すなわち、PLL55の位相制御型発信器58から出力される位相データδと、PLL55のローパスフィルタ57から出力される出力信号Vnについて、初期設定(δ0=0,V0=0)を行う。
すなわち、フローチューブを回転方向に交番駆動したときに一対のフローチューブに発生するコリオリの力に比例した位相差及び/又は振動周波数を、電磁ピックオフによって検出し、OPアンプ41によって増幅して、A/Dコンバータ42においデジタル値に変換された入力データ(sinα)を振幅計測部51において、実数成分と虚数成分をFFT(高速フーリエ変換)の計算で求め、A/Dコンバータ42においデジタル値に変換された入力信号のパワースペクトラムを求める。
このステップ202においてDSP50の振幅計測部51に入力される入力データ(sinα)の振幅値XMAGが、A/Dコンバータ42のスパンに対して90%以上であると判定すると、ステップ203において、ドライブ波形生成部53から出力する振幅値XAMPを0にする。
このステップ202においてDSP50の振幅計測部51に入力される入力データ(sinα)の振幅値XMAGが、A/Dコンバータ42のスパンに対して90%以上と判定、ステップ203において、ドライブ波形生成部53から出力する振幅値XAMPを0にすると、ステップ201に移る。
すなわち、ドライブ波形生成部53においては、振幅計測部51から入力されるA/Dコンバータ42においデジタル値に変換された入力波形(sinα)の振幅値XMAGを基に出力信号(XAMPsinγ)の振幅を決定し、ドライブ波形生成部53から出力される出力信号(XAMPsinγ)を生成する。
すなわち、ドライブ波形生成部53においては、振幅計測部51から入力される振幅値XMAGを基に出力信号(XAMPsinγ)の振幅を決定し、ドライブ波形生成部53から出力される出力信号(XAMPsinγ)を生成する。
このようにA/Dコンバータ42においデジタル値に変換されて入力される入力波形(sinα)の振幅幅がA/Dコンバータのスパンに対して90%以上の場合は、入力が飽和してしまう可能性があるためドライブ出力の振幅値を小さくし、また入力振幅の大きさが10%未満で5%以上の時ドライブ出力の振幅幅を大きくし、それより値が小さい場合(入力振幅の大きさが5%未満の時)は、入力信号が無いと判断し、起動処理を行う。
また、ドライブ波形生成部53から出力されるドライブ出力信号の振幅値の計算は、目標値(設定値)と入力波形の振幅値との差を求め、その差に応じてドライブ波形を計算し、入力波形の振幅値が目標値になるようにドライブ出力がコントロールされる。
先に述べたように、フィードバック系の同期が取れない場合、周波数計測が不定となり、振幅計測値がほぼ0になり、起動処理に入る。
《駆動方法の特長》
今回の駆動方法の最大の特長は、位相同期能力が高くまた耐ノイズ性に強いことが挙げられる。
また、構成及び機能に係わる制御系の全域に渉ってDSPの内部に組み込むことができるので、非常にコンパクトに構成することができ、さらに、DSPの内部のパラメータ(Fx,Fa)を変えることによって様々なセンサに対応することができるという利点を持つ。
周波数計測方法の特長としては、煩わしく、プログラムステップ数の増大を招く、例えば、ヒルベルト変換(90°シフト演算)やTAN−1の計算を排除できるので、非常に計算を高速化でき、また、駆動方法の特長でも述べたように、ローパスフィルタを用いているので、ノイズに強い点が挙げられる。
例えば、通常の計測において、100msec程度を予要するに比して極端に縮め、1msecの能力を引き出すことができる。
さらに、制御機能がデジタル表現でき、この結果、ドライブ駆動のダイアグノスティックや自己診断への活路を提供することになり、現状望まれといる顧客ニーズへの対応が可能となる。このことは、大変大きな視点であり、極大な利点を有するものである。
2,3…………………チューブ
30……………………PLL
31……………………位相比較器
32……………………ループフィルタ
33……………………VCO(電圧制御発信回路)
34……………………分周器
40……………………駆動回路
41……………………OPアンプ
42……………………A/Dコンバータ
43……………………D/Aコンバータ
44……………………アナログスイッチ
50……………………DSP(デジタルシグナルプロセッサ )
51……………………振幅計測部
52……………………ゼロクロス計算部
53……………………ドライブ波形生成部
54……………………周波数演算部
55……………………PLL
56……………………掛け算器
57……………………ローパスフィルタ
58……………………位相制御型発信器
Claims (5)
- 測定用の流管を構成する一対のフローチューブを対向させ、駆動装置によって電磁オシレータを作動させ前記フローチューブを回転方向に交番駆動し該一対のフローチューブを振動させて、電磁ピックオフによって前記一対のフローチューブに作用するコリオリの力に比例した位相差及び/又は振動周波数を検出することにより、被計測流体の質量流量及び/又は密度を得るコリオリ流量計において,
前記駆動装置は,
前記電磁ピックオフからのアナログ入力信号を増幅するOPアンプと,
前記OPアンプから出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータと,
前記A/Dコンバータから出力されるデジタル信号をDSP(デジタルシグナルプロセッサ)において生成する位相データに基づいてデジタル処理し、そのデータ量のデジタル信号をアナログ信号に変換するD/Aコンバータと,
によって構成し,
前記DSP(デジタルシグナルプロセッサ)は,
前記A/Dコンバータから入力される信号の振幅を計算する振幅計測部と,
前記A/Dコンバータから入力されるデジタルデータの符号ビットが単位時間当たりに何回変わるかを計測し、その値をゼロクロスデータとして出力するゼロクロス計算部と,
前記ゼロクロスデータと前記A/Dコンバータとの出力データから位相データを生成するPLL(位相同期回路)と,
前記PLL(位相同期回路)から出力される位相データと前記振幅計測部からの振幅データを基に出力波形を生成するドライブ波形生成部と,
によって構成したことを特徴とするコリオリ流量計。 - 前記振幅計測部は,
前記電磁ピックオフからの入力信号をA/D変換したデジタル信号に基づいて、FFT(高速フーリエ変換)処理により共振周波数のスペクトル強度を求めて振幅値を算出する手段により構成することを特徴とする請求項1に記載のコリオリ流量計。 - 前記PLL(位相同期回路)は,
前記電磁ピックオフからの入力アナログ信号をA/D変換して得たデジタル信号に基づいて、位相データを計算し、該位相データより発信周波数を算出する周波数演算部を設け,
前記発信周波数より、入力信号に同期した発信周波数に基づきコイルを駆動するドライブ信号を生成する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のコリオリ流量計。 - 前記PLL(位相同期回路)は、掛け算器と、ローパスフィルタと、位相制御型発信器とによって構成し、
前記掛け算器は、前記A/Dコンバータから出力されるデジタル信号と前記位相制御型発信器から出力されるデジタル出力信号とを掛け算した後、前記ローパスフィルタに入力し、前記掛け算器出力信号からの低域周波数の信号のみ取り出し,
前記位相制御型発信器では、前記ゼロクロス計算部からのゼロクロスデータをもとに基本出力波形の位相データを生成し、さらに前記ローパスフィルタからの前記出力データが0になるように演算し、該計算した位相に基づき波形を生成して出力する
ことを特徴とする請求項1,2又は3に記載のコリオリ流量計。 - 前記駆動装置に,
前記電磁ピックオフから入力するアナログ信号を増幅するOPアンプ出力信号(経路A)と、前記D/Aコンバータからの出力信号(経路B)を選択切り替えるアナログスイッチを設け,
前記アナログスイッチは,
前記電磁ピックオフから入力するアナログ信号を増幅するOPアンプからの出力信号と、前記D/Aコンバータからの出力信号の2つの信号うち、いずれかの信号を切り替えて出力端子に接続されるOPアンプに出力され、増幅されて,ドライブ出力信号として出力するとともに、出力端子に接続されるドライブ出力用のOPアンプのゲインを切り替えられるように構成し,
前記振幅計測部の出力データに基づきドライブ出力用のOPアンプからの出力信号とドライブ出力用のOPアンプのゲインを切り替えることによって該ドライブ出力用のOPアンプからの出力信号(経路A)を選択して駆動回路の起動処理を行う
ことを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載のコリオリ流量計。
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