JP4468686B2 - 胃瘻カテーテル - Google Patents
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Description
ここで、この種の胃瘻カテーテルは、使用によって劣化などが生じるために、所定の期間ごとに交換する必要がある。交換の際には、内視鏡を利用する場合もあるが、胃瘻カテーテルを経皮的に引き抜くことが多い。
「ナースのための消化器内視鏡マニュアル」、学研、2003年8月、p.192‐207
この発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的は、胃瘻カテーテルを簡単に抜去できるようにすることである。
本発明の胃瘻カテーテルは、体内と体外とを連通可能な連通孔を有するカテーテル本体と、前記カテーテル本体の先端部に設けられ、前記カテーテル本体よりも大径な部分を有するバンパーと、前記バンパーに引張力を作用すべく前記バンパーに係合する線材とを備え、前記バンパーは貫通孔を含む脆弱部を有し、前記線材は、前記カテーテル本体を通るとともにその一部が前記カテーテル本体の体外側に引き出され、自身の前記一部が前記カテーテル本体から引っ張られたときに、前記引張力により前記バンパーが前記脆弱部から破壊されて縮径方向に変形しやすくなるように前記貫通孔に挿通されていることを特徴としている。
この胃瘻カテーテルでは、バンパーに線材を係合させ、かつ線材の一部がカテーテル本体から外側に引き出されているので、線材を引っ張ると、バンパーがカテーテル本体の方向、つまりバンパーの外径が縮径するような方向に引っ張られる。これにより、バンパーは、変形や、破壊を起こし、結果的に瘻孔から引き抜きやすくなる。
この胃瘻カテーテルでは、脆弱部がバンパーの抜去方向に沿って設けられているので、この脆弱部からバンパーを変形させたり、破壊させたりすると、バンパーの外径が小さくなりやすい。
この胃瘻カテーテルでは、補強部材が設けられているので、線材を引っ張った際に、カテーテル本体において瘻孔を貫通する部分の外側に線材が露出することが防止される。
この胃瘻カテーテルは、ダブルルーメンのカテーテル本体を用いるので、線材と栄養剤などとを確実に分離できる。
この胃瘻カテーテルは、カテーテル本体の途中から線材が外側に引き出されるので、フィーディングチューブなどの着脱が容易になる。また、胃瘻カテーテルの製造が容易になる。
この胃瘻カテーテルでは、線材が、バンパーの外面を通るように係合するので、バンパーを縮径する方向に引張力を作用させやすい。
この胃瘻カテーテルによれば、カテーテル本体から遠い位置にある端部に線材が確実に係合されるので、バンパーを縮径させるような方向に引張力を作用させやすい。
この胃瘻カテーテルでは、カテーテル本体から外側に引き出されている線材をカテーテル本体に固定することで、通常使用時に線材が引かれることを防止する。また、フィーディングチューブの着脱や、清掃などが容易になる。
また、バンパーに脆弱部を設け、この脆弱部からバンパーを変形、破壊させるようにしたので、胃瘻カテーテルを抜去しやすくなる。
図1及び図2に示すように、胃瘻カテーテル1は、患者の腹壁W1と胃壁W2との間に形成した瘻孔(胃瘻)W3に装着される。その構成は、瘻孔W3を貫通するカテーテル本体2と、カテーテル本体2の先端部2aの外周面に取り付けられ、胃内腔に留置されるバンパー(抜落防止部材)3と、バンパー3よりもカテーテル本体2の基端部2b側に設けられた補強部材4と、バンパー3に係合する線材5と、線材5の一端をカテーテル本体2に固定する固定手段6とを含んで構成されている。なお、この胃瘻カテーテル1は、軸線C1を有し、この軸線C1に対して回転対称な形状を有している。
次に、線材5をカテーテル本体2から引き抜くようにして引っ張る。これにより、バンパー3は、線材5のループ部分によって、カテーテル本体2側に引っ張られる。すなわち、凹溝12及び端部11の切り欠かれた部分11bには、カテーテル本体2の先端部2aの開口を支点とする引張力が作用する。これにより、凹溝12及びその近傍が、軸線C1に向かって縮径するように、変形させられる。ここにおいて、カテーテル本体2から最も離れた位置にある切り欠かれた部分11bには、最も大きな引張力が作用するので、切り欠かれた部分11bと、これに隣り合う貫通孔13との間の壁部3c(図3参照)が線材5によって破壊される。このようにして、端部11の一部が破壊されると、バンパー3は縮径方向に変形しやすくなると共に、破壊された部分と、これに近接する貫通孔13との間の壁部3cも破壊されやすくなる。そして、さらに線材5を引っ張ると、凹溝12に沿ってバンパー3が破壊される。
このようにしてバンパー3を凹溝12に沿って、つまり抜去方向に沿うように破壊した後に、カテーテル本体2を引き抜くと、バンパー3の外径が瘻孔W3の内径以下に変形させられ、胃瘻カテーテル1が瘻孔W3から抜去される。
また、バンパー3の凹溝12や、凹溝12に沿って形成した貫通孔13は、抜去時のバンパー3の変形、破壊を容易ならしめる脆弱部となるので、バンパー3に引張力が作用したときに、バンパー3を破壊しやすい。ここにおいて、端部11の切り欠かれた部分11bは、バンパー3の壁部3cが破壊するきっかけを作る役割も担っている。
さらに、カテーテル本体2に補強部材4を取り付けてあるので、線材5を引っ張った際に、カテーテル本体2の先端部2a側が一部破断しても、線材5が瘻孔W3の内壁に直接に接触することを防止できる。
そして、胃瘻カテーテル1を使用している間には、線材5の一端部5aをカテーテル本体2に固定するようにしたので、胃瘻カテーテル1を通常使用している間に線材5が引っ張られることはない。
また、線材5は、最初にバンパー3内を通った後に、切り欠かれた部分11bで外側に向かって折り返され、凹溝12に沿って開口10a近傍まで引き回され、切り欠かれた部分10bからバンパー3内に戻っても良い。
図4に示すように、この実施の形態では、バンパー3の基部10側の開口10aの周縁部から、端部11にかけて配列されている貫通孔13のそれぞれに、線材5を挿通させている。図4の例では、5つの貫通孔13のそれぞれに線材5を挿通させている。さらに詳細には、カテーテル本体2の先端部2aから引き出された線材5は、開口10a側の切り欠かれた部分10bをバンパー3の内面3bから外面3aに向かって挿通する。さらに、隣りの貫通孔13をバンパーの外面3aから内面3bに向かって挿通する。このようにして、バンパー3の外面3aと内面3bとを交互に通りつつ、切り欠かれた端部11bまで引き回された後に、この端部11bで折り返され、再度、各貫通孔13を、前記とは逆の方向(例えば、開口10aに最も近い貫通孔13であれば、内面3bから外面3aに向う方向)に挿通し、カテーテル本体2の先端部2a近傍において結ばれる。
この実施の形態によれば、線材5でバンパー3に縮径方向に変形させるような引張力を付与しつつ、バンパー3の所定位置を破断させるので、カテーテル本体2を引っ張ったときに、バンパー3の外径が容易に小さくなり、胃瘻カテーテル1の抜去を簡単に行える。
図5に示すように、この実施の形態における胃瘻カテーテル30は、連通孔7を有する円筒形状のカテーテル本体32と、カテーテル本体32の先端部32aの外周面に取り付けられたバンパー33と、補強部材4と、カテーテル本体32の連通孔7内を挿通する線材5と、固定手段6とを備えている。
バンパー33は、中空のドーム形状を有し、その天頂部分(基部)40にカテーテル本体32の先端部32aに密着する開口40aを備え、端部(先端部)41には開口41aが形成されている。また、開口40aの周縁部から端部41に至る外面33a側には、バンパー3の抜去方向に沿うように凹溝42が形成されている。この凹溝42は、線材5と係合可能になっており、凹溝42の開口40a側、及び端部41側のそれぞれには、切り欠かれた部分40b、及び切り欠かれた部分41bが形成されている。さらに、凹溝42は、線材5の一端部5aが引っ張れた際に、線材5によってバンパー33の壁部33cが破壊されるような深さを有している。そして、この凹溝42が、バンパー33を破壊可能な肉薄の脆弱部である。
線材5は、開口40aの周辺の切り欠かれた部分40bから、バンパー33の外面33a側に引き出され、凹溝42に沿って端部41の切り欠かれた部分41bまで引き回された後に、バンパー33内に折り返され、カテーテル本体32の先端部32a側で結ばれるようなループを形成している。
したがって、カテーテル本体2を引っ張った際に、バンパー33を容易に縮径できるので、胃瘻カテーテル30を簡単に抜去できる。
このようにして線材5をバンパー43に係合させると、線材5によってバンパー43の一部を破壊させることができるので、胃瘻カテーテルの抜去が容易になる。さらに、開口40の周縁部の一部を切り欠く必要がないので、製造が容易になる。
この胃瘻カテーテルでは、線材5を引っ張ると、カテーテル本体32の先端部32aも含めてバンパー43が軸線C1に向かって縮径させられるように引っ張られる。そして、凹溝42が形成されている壁部43cが線材5によって破壊されるので、図5の場合と同様に、胃瘻カテーテルを簡単に抜去することができる。
図8に示すように、この参考例における胃瘻カテーテル50は、カテーテル本体32と、カテーテル本体32の先端部32aに設けられたバンパー53と、線材5と、補強部材4と、固定手段6とを備えている。
バンパー53は、中空のドーム形状を有し、その天頂部分(基部)60には、カテーテル本体32の先端部32aの外周面に密着する開口60aを備えている。また、天頂部分60から延設される端部(先端部)61には、開口61aが形成されている。
また、連通孔7を通って、先端部32a側の開口から、バンパー53内に導かれた線材5は、切り欠かれた端部61bから外面53aに向かって折り返されている。そして、線材5の他端部は、バンパー53の外面53aで、かつ端部61の近傍から、内面53bに向かって穿通し、バンパー53の内側で結び目15が形成されている。この結び目15は、線材5の他端部がバンパー53から抜け落ちることを防止している。
この胃瘻カテーテル50では、線材5の一端を引っ張ると、バンパー53において線材5が穿通されている部分の近傍と、線材5が引き回されている端部61とが、縮径方向に変形させられる。したがって、胃瘻カテーテル50が抜去しやすくなる。
図9に示すように、この参考例における胃瘻カテーテル70は、カテーテル本体32と、カテーテル本体32の先端部32aに取り付けられたバンパー73とを備えている。
バンパー73は、ドーム形状を有し、その天頂部分(基部)80には、カテーテル本体32の外周面に当接する開口80aを備えている。また、端部(先端部)81には、開口81aが形成されている。また、外面73a側には、開口80aの周縁部から端部81に至るまで、抜去方向に沿うように、凹溝82が形成されている。この凹溝82は、バンパー73の壁部73cを他の部分に比べて肉薄になっている。さらに、凹溝82の底部82aには、所定の間隔でバンパー73の外面73aから内面73bまで貫通する貫通孔83が、凹溝82の長さ方向に沿って複数設けられている。なお、この凹溝82及び貫通孔83が脆弱部を形成している。
このように、この参考例では、線材(図1参照)を備えない場合でも、バンパー73を変形及び破壊させるので、胃瘻カテーテル70の抜去が容易になる。ここにおいて、バンパー73は、貫通孔83を設けずに、凹溝82のみを有しても良い。また、凹溝82を設けずに、貫通孔83と同様に配列させた貫通孔のみを有しても良い。この場合に、バンパー73は、凹溝82や貫通孔を中心に大きく変形することで抜去を容易にする。また、凹溝82の深さや、幅の大きさや、貫通孔の大きさを調整することで、脆弱部からバンパー73を破壊させることもできる。
例えば、バンパー3は、凹溝12を有さずに、貫通孔13のみを有しても良い。また、凹溝12又は貫通孔13の少なくとも一方を有するバンパー3に係合する線材5は、前記第1の参考例のように、バンパー3を穿通し、内面3aに結び目15を形成することでバンパー3に係止されても良い。
脆弱部は、バンパー3,33,43,53,73の材質を異ならせた部分から構成しても良く、このような部分と、溝や貫通孔(例えば、図2に示す凹溝12や、貫通孔13)とを組み合わせも良い。また、凹溝は、V溝などの所定の形状の弱め線にすることができる。
さらに、複数の脆弱部を開口(例えば、図3の開口10a)から放射状に設けた場合には、1つの脆弱部を貫通孔13のみにし、他の脆弱部を凹溝12のみにするなど、異なる脆弱部であっても良い。
バンパー3,33,43,53,73は、カテーテル本体2,32と胃内腔との連通を妨げない形状であれば良く、前記のドーム型に限定されない。
2,32 カテーテル本体
2a,32a 先端部
3,33,43,53,73 バンパー
3a,33a,53a,73a 外面
3c 壁部(肉薄な部分)
4 補強部材
5 線材
6 固定手段
7 連通孔
8 挿通孔
11,41,61,81 端部
11a,41a,61a,81a 開口
11b,41b,61b,81b 切り欠かれた部分
12,42,82 凹溝(脆弱部)
13,83 貫通孔(脆弱部)
C1 軸線
W1 腹壁
W2 胃壁
W3 瘻孔
Claims (9)
- 体内と体外とを連通可能な連通孔を有するカテーテル本体と、前記カテーテル本体の先端部に設けられ、前記カテーテル本体よりも大径な部分を有するバンパーと、前記バンパーに引張力を作用すべく前記バンパーに係合する線材とを備え、
前記バンパーは貫通孔を含む脆弱部を有し、
前記線材は、前記カテーテル本体を通るとともにその一部が前記カテーテル本体の体外側に引き出され、自身の前記一部が前記カテーテル本体から引っ張られたときに、前記引張力により前記バンパーが前記脆弱部から破壊されて縮径方向に変形しやすくなるように前記貫通孔に挿通されていることを特徴とする胃瘻カテーテル。 - 体内と体外とを連通可能な連通孔を有するカテーテル本体と、前記カテーテル本体の先端部に設けられ、前記カテーテル本体よりも大径な部分を有するバンパーと、前記バンパーに引張力を作用すべく前記バンパーに係合する線材とを備え、
前記バンパーは脆弱部を有し、
前記線材の一端側は、前記脆弱部の少なくとも一部を囲うループを形成するように引き回されて結ばれ、
前記線材は、前記カテーテル本体を通るとともにその他端側が前記カテーテル本体の体外側に引き出され、自身の前記他端側がカテーテル本体から引っ張られたときに、前記線材の一端側が前記引張力により前記脆弱部の少なくとも一部を破壊して、前記バンパーを縮径方向に変形しやすくすることを特徴とする胃瘻カテーテル。 - 前記脆弱部は、前記バンパーの抜去方向に沿うように設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の胃瘻カテーテル。
- 前記カテーテル本体の外面を補強する補強部材を、前記カテーテル本体において瘻孔を貫通する部分の少なくとも一部に設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の胃瘻カテーテル。
- 前記カテーテル本体に、前記線材を挿通させる挿通孔が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の胃瘻カテーテル。
- 前記線材は、前記カテーテル本体の基端から先端に至る間で、前記カテーテル本体を内側から外側に向かって穿通していることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の胃瘻カテーテル。
- 前記線材は、前記バンパーの外面に係合することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の胃瘻カテーテル。
- 前記バンパーは、前記カテーテル本体側の基部から延設される端部に開口を有し、前記端部には、前記線材を係合可能に切り欠かれていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の胃瘻カテーテル。
- 前記カテーテル本体の外側に引き出された線材を前記カテーテル本体に固定する固定手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の胃瘻カテーテル。
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