JP5386168B2 - 体内臓器吊り上げ用具 - Google Patents

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本発明は体内の管状臓器(胃、腸等)の側壁を体外から腹壁側に吊り上げて保持する為に使用する体内臓器吊り上げ用具に関する。
1980年代以降、経皮内視鏡的胃瘻造設術(Percutaneous Endoscopic Gastrostomy:PEG)は経口栄養摂取困難となった患者に栄養管理を行う上で標準的な方法である。
この胃瘻造設術は、高齢や疾病の為に経口摂食が困難な患者に対して、胃瘻カテーテル(チューブ)を用いて流動食や栄養剤等の流体飲食物を直接胃内に供給する方法である。そして、前記胃瘻カテーテルは、通常、内視鏡を利用し、患者の腹部に孔を開けて取り付けられる。
一般に、上記胃瘻カテーテルの取り付けを確実に行うために、予め腹壁と胃壁とを医療用具を用いて固定することが行われている。
上記医療用具としては、例えば、棒状のヘッドの中央にフィラメントを取り付けたT字形状の吊り上げ部材(俗称:Tバー)を備える体内臓器吊り上げ用具が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
上記体内臓器吊り上げ用具を用いた手技では、吊り上げ部材を穿刺具(穿刺針)により胃内に挿入し、外部からフィラメントを引き上げることによりロッドで胃壁を吊り上げ、胃壁を腹壁に密着させた状態とする。その後、前記密着させた範囲内に孔を形成し、その孔に胃瘻カテーテルを挿入して留置する。
そして、胃壁と腹壁の癒着が起こり、胃壁を吊り上げ固定していた吊り上げ部材も用済みとなって回収されるが、その回収は、例えば、別に設けたトラカール(ビデオカメラや鉗子類を体内へ挿入するための筒状の器具)を通して体外に摘出する、或いはヘッドの一端に回収用のフィラメントを前記引き上げ用のフィラメントとは別に取り付け、この回収用のフィラメントを引っ張ることで、ヘッドがフィラメントの下端に一直線状に繋がり、腹壁及び胃壁を貫通する回収用のフィラメントを引き上げることで体外に取り出すというものである。従って、用済みとなった吊り上げ部材の回収時にも、患者に大きな負担を強いるものである。
特開平8−71074号公報
本発明は上記従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、用済み後の吊り上げ用具の回収を患者に負担を強いることなく、簡単且つ安全に回収することができる体内臓器吊り上げ用具を提供することにある。
上記目的を達成する為に本発明の体内臓器吊り上げ用具は、剛性を有するロッドと、そのロッドの軸方向の略中央部に縫合糸が略T字状に連結された体内臓器吊り上げ用具において、前記ロッドの軸方向の端部に、臓器内の内容物と絡み合う絡み部を備えた構成を特徴とする。
本発明において使用するロッドは、例えば、外径0.8〜2.0mm程度、長さ10〜20mm程度の剛性を有した棒状物で、本吊り上げ用具を臓器内に挿入するのに使用する穿刺針の内部に装着し得る範囲内と大きさとする。そして、該ロッドは吊り上げ時に臓器壁から抜け出ない、或いは曲げ変形しない剛性を有することが必要である。又、ロッドの断面形状は、円形、四角形、楕円形等種々の形状が使用可能で、線材、パイプ材等、何れでもよいが、構成する材質と合わせて適宜選択する。その材質としては、例えば、ステンレス鋼、炭素鋼メッキ材等の金属製線材、ポリカーボネート樹脂、硬質塩化ビニル樹脂等の合成樹脂からなる線材、パイプ材、或いは合成吸収材等が挙げられる。
前記縫合糸は、用済み後に切断されて臓器内に落とされた場合でも臓器に損傷を与える心配の無い素材、例えば、ポリアミド樹脂等の合成樹脂からなる、ある程度の柔軟性、及び抗張力を有する糸(線材)が好適である。
前記絡み部は、本吊り上げ用具が用済みとなり、縫合糸を切断してロッドを臓器内に落下させた時、該ロッドが臓器内の内容物(最終的に肛門より体外に排泄される物)に絡み付く動作が効果的に行なわれるようにするもので、前記ロッドの軸方向の両側端部又は片方の端部に、外方に向けてループ状、或いは房状に設ける。
又、前記絡み部は、ロッドに連結する縫合糸を利用して連続して一体に形成する、或いは縫合糸と同じ素材を利用して縫合糸とは切り離して形成する、更に縫合糸とは異なる素材を用いてロッドの端部にループ状、房状に形成する等、その形態は任意であるが、本吊り上げ用具を穿刺針に装着して臓器に挿入する挿入性を考慮した場合は、縫合糸に連続して一体に形成する方法が有効である。
その構成は、例えば、前記ロッドの軸方向の略中央部に軸芯と直交する縦孔を貫通開設し、その縦孔に1本又は複数本(2本)の縫合糸を摺動可能に挿通する。そして、縦孔より貫通突出する縫合糸の端部を該ロッドの軸方向の端部(両側端部又は一方端部)に向けて引き出し、その縫合糸の端部をU字状に折り返して該ロッドの軸方向の端部に固着する。
又、前記ロッドとしてパイプ材を用い、そのパイプ材からなるロッドの軸方向の略中央部に内部と連通する縦孔を開設し、その縦孔を通して1本又は複数本(2本)の縫合糸をロッド内に摺動可能に挿通する。そして、ロッド(パイプ)内を通ってロッド端部から突出する縫合糸の端部をU字状に折り返して該ロッドの軸方向の端部(両側端部又は一方端部)に固着する。
上記手段によれば、穿刺針に本吊り上げ用具(ロッド及びロッドに連結した縫合糸、絡み部)を嵌合装着し、該穿刺針を腹壁及び体内臓器に刺し通し、挿通後、穿刺針の後端より押し棒を挿入して本吊り上げ用具のロッドを臓器内に押し出し、穿刺針は臓器及び腹壁より抜き取る。そして、ロッドに連結された縫合糸を引き上げることで、ロッドと縫合糸は略T字状となり、更に引き上げることでロッドは臓器壁に当接して該臓器壁を腹壁側に移動させ、密着させることができる。この状態で縫合糸を適宜結束する等することで、体内臓器を腹壁に密着させた状態に固定でき、例えば、胃瘻孔の造設が可能となる。
そして、造設した胃瘻孔が完成し、それに伴い前記吊り上げ用具も用済みとなって取り除く際は、ロッドを引き上げていた縫合糸の結束を解放すると、腹壁側に引き上げられていた臓器は重力で下方に移動し、同時に臓器壁に当接するロッドも一緒に下方に移動される。それに伴い、ロッドに連結された縫合糸も引き込まれる。そして、その縫合糸を腹壁の近傍位置で切断すると、ロッドに連結された縫合糸は臓器内に引き込まれ、臓器内に落下する。そして、その落下したロッドの端部にはループ状、房状等の絡み部は設けられているため、該絡み部が臓器内の内容物に絡み付いて内容物と一体化する。
それにより、臓器内に落下された吊り上げ用具は内容物が体外に排泄される時に一緒に体外に排泄される。従って、用済みの吊り上げ用具の回収を、患者に負担を強いることなく、安全に取り除くことができる。また、ロッドの端部に存在するループ状、房状等の絡み部は臓器壁に対してクッション的な働きをなし、ロッドの端部で臓器壁に傷を付けるのを防止する。
そして、上記絡み部を、ロッドの縦孔に縫合糸を貫通し、その縫合糸の端部を前記ロッドの端部に固定して形成する構成とした場合、ロッドは縫合糸と略直角に交差し、臓器の吊り上げ時は縫合糸が引き上げられて緊張される為、ロッドの端部に連結固定された縫合糸は該ロッドの周面に沿って緊張され、従って、臓器の吊り上げ時及び吊り上げ固定した状態では、絡み部は外観的に殆ど現出せず、臓器壁と確実に当接係合して安全且つ確実に支持固定することができる。そして、用済みとなって縫合糸の結束を解除し切断した場合、ロッドの縦孔を貫通して該ロッドの端部に固定された縫合糸は弾発力によってループ状に拡開し、絡み部が現出する。よって、絡み部を縫合糸によって連続的に形成する構成とした場合、該絡み部は臓器内への挿入時、ロッド外への突出物として殆ど存在しない状態となるため、穿刺針への装着を問題なく容易に行うことができる。
本発明の体内臓器吊り上げ用具は、ロッドの端部に絡み部を設けたことにより、用済み後の回収は縫合糸を切断して臓器内に落下させることで、ロッドの端部に設けた絡み部が臓器内の内容物に絡み付いて内容物と一体となり、内容物が体外に排泄されることで縫合糸が連結されたロッドも一緒に排泄される。従って、従来の吊り上げ用具の回収のように、回収の為に患者に負担を強いることはなく、安全確実に回収(体外排泄)することができる吊り上げ用具を提供できる。
そして、前記絡み部を、縫合糸によって連続的に形成する構成とした場合、該絡み部は臓器内への挿入時、ロッド外への突出物として殆ど存在しない状態となるため、穿刺針への装着を問題なく容易に行うことができる。即ち、用済みとなって縫合糸の結束を解放し、切断した時、該縫合糸の弾性等によってループ状に拡開して絡み部が現出し、体外排泄に貢献する。
また、絡み部の存在によりロッドの端部で臓器壁に傷を付けるのを防止できる。
以下、本発明に係る体内臓器吊り上げ用具の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は体内臓器吊り上げ用具Aの外観を示す斜視図で、図中、1は剛性を有したロッド、2は前記ロッド1に連結した縫合糸、3,3’は前記縫合糸2で形成される絡み部、4は前記縫合糸2に対して移動可能に取り付けたフエルト等のクッション材である。
前記ロッド1は、例えば、外径0.8mm、長さ12mmのステンレス鋼からなる線材で構成され、そのロッド1の軸方向の略中央部に、図2(a)に示すように、軸芯と直交する縦孔5が貫通して開設されている。そして、その縦孔5に縫合糸2が摺動可能に挿通され、その縫合糸2の開放端側の端部がロッド1の軸方向の端部に連結固定されている。
前記ロッド1に開設する縦孔5の直径は、少なくとも該ロッド1に連結する縫合糸2を2本、挿通し得る外径(例えば、0.5φ)を有する。
又、前記ロッド1の軸方向の両側端部は、吊り上げ時に臓器壁の粘膜を損傷等しないように面取りなどして丸味をつけてもよい。
前記ロッド1に連結する縫合糸2は、ポリアミド樹脂等の合成樹脂からなる、ある程度の柔軟性、及び引張り強度を有した線材、例えばポリアミド縫合糸(ナイロン糸)を使用する。そして、この縫合糸2の前記ロッド1に対する取り付けは、所定長さの縫合糸2(例えば、3−0(0.25mm)、40cm)を略中心でU字状に折り曲げ、2本の開放端部2a,2bを前記縦孔5に挿通し、開放端部2aをロッド1の一方端部1a側に向かって引き出し、該端部2aをロッド1の一方端部1aに固定する。同様に、開放端部2bをロッド1の他方端部1b側に向かって引き出し、該端部2bをロッド1の他方端部1bに固定する。これにより、ロッド1の縦孔5を貫通し該ロッド1の端部1a,1bとの固定端に至る縫合糸2は、ループ状の絡み部3,3’を形成する。
そして、このループ状の絡み部3,3’は縫合糸の引き上げ緊張によってロッド1の外周面に沿う状態となり、殆どループ状の形態は現出されないが、用済みとなって縫合糸2の緊張が解放されると、それまで上方に引き上げられていた縫合糸2は柔軟性及び弾発力などによって縦孔5を通って反対方向(下方)に移動され、ループ部分が拡張し、絡み部3,3’として機能する状態となる。
縫合糸2の解放端部2a,2bをロッド1の端部1a,1bに固定する方法は、図2(a)に示すように、該ロッド1の端部1a,1bに軸方向に沿う差込み孔6を穿設し、その差込み孔6に縫合糸2の解放端部2a,2bを差し込み、しかる後、カシメ加工して固定する。尚、ロッド1としてパイプ材を使用した場合は、前記差込み孔6の穿設加工を省くことができる。
前記縫合糸2の解放端部2a,2bは、ロッド1の両側端部1a,1bに別々に固定することなく、図2(b)に示すようにロッド1の一方端部1bに縫合糸2の開放端部2a,2bを固定してもよい。その場合、開放端部2a,2bをロッド1に固定する方法は、図2(a)と同様、端部1bの端面から軸方向に所定深さの差込み孔6を穿設し、その差込み孔6に前記縫合糸2の解放端部2a,2bを差し込み、該部をカシメ加工して固定する。尚、開放端部2a,2bは端部1b内の1箇所にまとめて固定することなく、開放端部2a,2bを端部1b内に間隔をおいて別々に固定してもよい。
又、前記ロッド1は中実の線材に替えてパイプ材を用いて構成してもよい。例えば、図2(c)に示すように、パイプ材を図2(a)、(b)で示した中実の線材からなるロッド1と略同様の長さに切断してロッド1’を構成し、そのロッド1’の軸方向の略中央位置にパイプ内と貫通する縦孔5’を開設する。そして、この縦孔5’に縫合糸2の開放端部2a,2bを挿入し、開放端部2aはロッド1’のパイプ内を貫通して一方端部1’aより外側に突出させると共にその突出部をU字状に折り返し、開放端部2aを端部1’aに固定する。同様に、もう一方の開放端部2bはロッド1’のパイプ内を貫通して他方端部1b’より外側に突出させると共にその突出部をU字状に折り返し、開放端部2bを端部1b’に固定する。そして、前記突出部をU字状に折り返して端部に固定することで、該端部から外側に向けて形成されるループが絡み部3,3’を形成する。尚、縫合糸2の解放端部2a,2bは図2(b)に示すように、ロッド1’の一方の端部(1a’又は1b’)に一緒に固定してもよい。
尚、前記縦孔5’をパイプ材のロッド1’の周壁を貫通して開設した場合、縫合糸2の解放端部2a,2bは図2(a),(b)と同様、ロッド1’を貫通し、ロッド1’の端部1a’,1b’に外側から差し込み、カシメ加工して固定してもよい。
前記図2(a)〜(c)に示す吊り上げ用具は、縫合糸2によって絡み部3,3’を連続して一体に形成したものであるが、絡み部は縫合糸と切り離して独立した構成としてもよい。以下、その実施の形態を図3に基づいて説明する。
図3(a)は線材又はパイプ材からなるロッド7の軸方向の略中央部に縫合糸8を連結し、ロッド7の軸方向の両側端部7a,7bには縫合糸8又は縫合糸8と類似の性質を備えた線材等を所定長さに切断し、これをU字状に折り曲げ、その開放端部側を前記ロッド7の端部7a,7bに固定してループ状の絡み部9,9’を形成する。
又、図3(b)は図3(a)と同様、線材又はパイプ材からなるロッド7の軸方向の略中央部に縫合糸8を連結し、ロッド7の軸方向の両側端部7a,7bには縫合糸8又は縫合糸8と類似の性質を備えた線材等を所定長さに切断し、これを1本又は複数本を纏めて一側端部を前記ロッド7の端部7a,7bに固定して房状の絡み部10,10’を形成する。尚、ロッド7に対する縫合糸8の連結、及びロッド7の端部7a,7bに対する絡み部9,9’、10,10’を構成する線材等の固定は、カシメ加工、熱処理、結束等、適宜選択し得るものである。
次に、本発明に係る体内臓器吊り上げ用具の使用を図4、図5に基づいて説明する。尚、以下の説明は理解を容易にするため、本件に関係する状態のみについて説明し、本来、施術において必要とされる処置についての説明は省略する。
(a)先ず、上記した吊り上げ用具A(図1参照)を用いて体内臓器(例えば、胃)を腹壁側に引き上げ固定する場合、図4に示す今日周知の穿刺針11を用いてロッド1を胃腔内に挿入する。簡単に説明すると、図4に示すように、穿刺針11の針先から針内に吊り上げ用具Aのロッド1を縦に挿入し、該ロッド1に連結された縫合糸2は前記針先に切欠されたスリット12から穿刺針11の外側に引き出し、穿刺針11に沿わせ針元側に延出する。そして、上記の如く吊り上げ用具Aをセットした穿刺針11を、腹壁13、胃壁14に刺通し、針先を胃腔内に到達させる。穿刺針11の刺通時、該穿刺針の外側に沿わせた縫合糸2も一緒に腹壁13、胃壁14を貫通して胃腔内に挿入する。
(b)穿刺針11の針先が胃腔内に到達したのを確認後、穿刺針11の針元側から押し棒15を挿入して該穿刺針11内にセットしたロッド1を針先より突き出す。この時、ロッド1の移動に合わせて該ロッド1に連結された縫合糸2も繰り出す。
(c)ロッド1が穿刺針11から突き出されたのを確認後、穿刺針11を抜き取る。
(d)胃腔内に押し出された吊り上げ用具Aは、腹壁13の外に導出する縫合糸2を引き上げると該縫合糸2の先に連結されたロッド1はT字状となり、その状態で更に引き上げることでロッド1は胃壁14の内面に当接係合する。従って、ロッド1が胃壁14の内面に当接した状態で前記縫合糸2を更に引き上げることで胃壁14の外面を腹壁13の内面に密着させることができる。その状態で縫合糸2を結束(結紮)すれば、胃壁14を腹壁13側に吊り上げ固定できる。そして、縫合糸2の緊張によりロッド1の縦孔5を貫通して両側端部1a,1bの固定部に延びる縫合糸2の絡み部3,3’は該ロッド1の外周面に沿って略直線状となり、胃腔内の内容物に絡みつかないように保持される。尚、縫合糸2の結束時、縫合糸2に移動可能に取り付けたクッション材4を腹壁13の外面に当接させて結束する。又、上記胃壁の吊り上げ固定は平面視略三角形状に3箇所行い、その3箇所で囲まれた部分の略中央部に胃瘻カテーテルを取り付ける。
(e)胃瘻カテーテルが必要なくなり、吊り上げ用具Aを体外に取り出す時は、ロッド1を吊り上げ固定していた縫合糸2の結束(結紮)を解除すると、縫合糸2は緊張から解放され、且つ該縫合糸2の弾性などによって前記直線状の絡み部3,3’はループ状に拡開し、更に縫合糸2の切断によって胃腔内に落下される。
(f)胃腔内に落下した吊り上げ用具は、ループ状の絡み部3,3’の働きで胃腔内の内容物16に絡みつき、内容物16と一体化して体外に排泄される。それにより、従来、用済みとなった吊り上げ用具Aを取り出すために、再度患者に負担を強いていた手技は必要なく、簡便且つ確実に体外に取り出すことができる。そして、前記絡み部3,3’は胃壁に対してクッション的な働きをなし、ロッド1の端部が胃壁に傷を付けるのを防止する。よって、安全に回収することができる。
本発明の体内臓器吊り上げ用具は図示した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
(1)図示の実施の形態では、房状の絡み部としてロッド1の端部に線材を2本取り付けた例を示したが、線材の本数は2本に限定されず、穿刺針へのセット及び臓器壁を吊り上げる時支障とならない範囲で本数を増加することは任意である。
(2)図示の実施の形態では、ロッドの端部に縫合糸の端部を固定する方法として孔を開けて縫合糸の端部を挿入し、該部をカシメ加工して固定する方法を示したが、これに限定されず、熱溶着などでもよい。
本発明に係る体内臓器吊り上げ用具の実施の一例を示す斜視図。 (a)は図1で示した吊り上げ用具の要部の拡大図及び同拡大断面図、(b)及び(c)は他の変形例を示す要部の拡大図及び同拡大断面図。 (a)及び(b)は、絡み部を縫合糸と分離独立して形成した要部拡大図。 本案の吊り上げ用具を穿刺針にセットして、体内臓器に挿入する状態を示す説明図。 (a)〜(f)は吊り上げ用具の取り付けから体外への取り出しまでを説明する説明図。
符号の説明
A…体内臓器吊り上げ用具
1、1’、7…ロッド
2、8…縫合糸
3、3’、9、10…絡み部

Claims (3)

  1. 剛性を有するロッドと、そのロッドの軸方向の略中央部に縫合糸が略T字状に連結された体内臓器吊り上げ用具において、
    前記ロッドの軸方向の端部に、臓器内の内容物と絡み合う絡み部を備え
    前記絡み部は、前記ロッドに連結する縫合糸の取り付けによって該ロッドの軸方向端部とロッドの軸方向の略中央部とに亘ってループ状に突出すること、
    を特徴とする体内臓器吊り上げ用具。
  2. 前記ロッドの軸方向の略中央部に軸芯と直交する縦孔が貫通開設され、その縦孔に縫合糸を摺動可能に挿通し、その縦孔より貫通突出する縫合糸の一方端部を前記ロッドの軸方向端部に固着してループ状の絡み部が形成されていることを特徴とする請求項記載の体内臓器吊り上げ用具。
  3. 前記縫合糸による絡み部は、前記縦孔より貫通突出する2本の縫合糸の一方の端部を前記ロッドの軸方向の一方端部に、他方の端部を前記ロッドの軸方向の他方端部に固着されていることを特徴とする請求項記載の体内臓器吊り上げ用具。
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