JP4468651B2 - 集積回路パッケージの実装方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、集積回路パッケージの実装方法、特に、LSI(Large Scale Integrated circuit:大規模集積回路)パッケージであるクワッド・フラット・パッケージ(Quad Flat Package:QFP)を実装するのに用いて好適な集積回路パッケージの実装方法に関する。
【0002】
なお、本明細書において「クワッド・フラット・パッケージ」とは、基板への取り付け高さを抑えたLow−profile Quad Flat Package(LQFP)や、パッケージの厚みを抑えたThin Quad Flat Package(TQFP)などの各種クワッド・フラット・パッケージをも含むものとする。
【0003】
【従来の技術】
従来より、ノイズレベルの低減を目的としたプリント配線基板が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−57418号公報(図1〜図2)
この特開2002−57418号公報に記載された発明においては、QFP−IC2の各端子と電気的に接続される複数のピン3が、略正方形状に配置されているプリント配線基板1を用いている。そして、こうしたプリント配線基板1において、略正方形状を構成する辺の端部に配置されるピンを接地端子3aにし、当該接地端子3aに隣合わせに配置されるピンを電源端子3bにしている。さらに、当該接地端子3aと電気的に接続されている導体領域5Aが、当該接地端子3aが配置されている角部から放射状に延設している。
【0005】
しかしながら、近年、各種電子機器の分野においては、EMI(electromagnetic interference:電波雑音干渉)のようなノイズ対策は不可欠になっており、上記したような従来の技術により実現される以上にノイズを低減する手法が求められていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記したような従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ノイズを低減することができるようにした集積回路パッケージの実装方法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
ここで、本発明のうち請求項1に記載の発明は、プリント回路基板に実装されるクワッド・フラット・パッケージの角部に最も近接して上記プリント回路基板のグランドパターンに接続されるグランドピンを位置させ、上記プリント回路基板の電源パターンに接続される電源ピンを上記グランドピンのそれぞれに隣接して位置させるとともに、上記クワッド・フラット・パッケージの上記グランドピンと上記電源ピンとのそれぞれと接続するコンデンサを、上記クワッド・フラット・パッケージ近傍の上記プリント回路基板の上記表面に、上記グランドパターンと上記電源パターンとを介した電流経路が短くなるようにして配設し、上記クワッド・フラット・パッケージを上記プリント回路基板の表面に投影した輪郭線の内周側に形成された第1のベタパターンと、上記輪郭線の外周側に形成され、上記クワッド・フラット・パッケージの上記グランドピンの外周縁部に当たる輪郭線と所定の間隔を有して端辺が位置する第2のベタパターンと、上記第1のベタパターンと上記第2のベタパターンとを連結するとともに上記グランドピンの外周縁部に当たる輪郭線内に位置する接続端部を有し、上記グランドピンの端部において上記グランドパターンを介して上記コンデンサが接続される先端部とは逆側の異なる位置で上記接続端部により上記グランドピンと接続する第3のベタパターンとを有する上記プリント回路基板に、上記クワッド・フラット・パッケージを実装するようにしたものである。
【0008】
また、本発明のうち請求項2に記載の発明は、表面に所定のグランドパターンならびに電源パターンが形成されたプリント回路基板に実装されるクワッド・フラット・パッケージは、略直方体形状であって、互いに対向する略矩形形状の上面ならびに下面と、上記上面ならびに上記下面と直交する略矩形形状の4つの側面とを備え、内部に電子部品たるLSIチップが配置される本体部と、上記4つの側面のそれぞれにおいて直線状に配設される上記複数の端子と、上記複数の端子のうち上記4つの側面のそれぞれにおける最外位置に配置され上記プリント回路基板の上記グランドパターンに接続されるグランドピンと、上記グランドピンのそれぞれに隣接して配設され上記プリント回路基板の上記電源パターンに接続される電源ピンとを有し、上記クワッド・フラット・パッケージの上記グランドピンと上記電源ピンとのそれぞれと接続するコンデンサを、上記クワッド・フラット・パッケージ近傍の上記プリント回路基板の上記表面に、上記グランドパターンと上記電源パターンとを介した電流経路が短くなるようにして配設するとともに、上記クワッド・フラット・パッケージの上記本体部の上記下面と所定の間隔を有した状態で対向する略矩形形状の中央領域と、上記中央領域の外周側に位置するとともに、上記グランドピンの端部と所定の間隔を有した状態で端辺が位置し、上記プリント回路基板の上記表面に配設される上記クワッド・フラット・パッケージの外周側に延設可能な延設領域と、上記中央領域と上記延設領域とを連結し、上記グランドピンの端部において上記グランドパターンを介して上記コンデンサが接続される先端部とは逆側の異なる位置で上記グランドピンと接続する連結領域とを有するベタパターンによるベタアースパターンが上記表面に形成されている回路基板に、上記クワッド・フラット・パッケージを実装するようにしたものである。
【0009】
また、本発明のうち請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、上記クワッド・フラット・パッケージの上記電源ピンならびに上記グランドピンの延長方向と、上記コンデンサの長手方向における全長とが略直交するようにして、上記コンデンサを上記クワッド・フラット・パッケージ近傍の上記プリント回路基板の上記表面に配設するようにしたものである。
【0010】
また、本発明のうち請求項4に記載の発明は、請求項2または請求項3のいずれか1項に記載の発明において、上記ベタアースパターンの上記延設領域の頂角は、45°以上90°以下であるようにしたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明による集積回路パッケージの実装方法の実施の形態の一例を詳細に説明する。
【0012】
図1には、本発明による集積回路パッケージの実装方法の実施の形態の一例として、LSIパッケージであるクワッド・フラット・パッケージ(Quad Flat Package:QFP)が、プリント回路基板に実装された状態を示す概略構成説明図(斜視図)が示されており、図2には、図1に示すA矢視図に対応する概略構成説明図(上面図)が示されており、図3には、図2の一部拡大図が示されている。
【0013】
ここで、プリント回路基板100に実装されるQFP(クワッド・フラット・パッケージ)10は、略直方体形状であって内部に電子部品たるLSIチップ11が配置される本体部12と、本体部12の外周側の四方に配列された外部入出力用の複数の端子(ピン)14とを有して構成されている(図4ならびに図5参照)。
【0014】
より詳細には、本体部12は、全体が略直方体形状に形成されており、互いに対向する略矩形形状の上面12aならびに下面12bと、上面12aならびに下面12bと直交する略矩形形状の4つの側面12c,12d,12e,12fとを備えている。
【0015】
そして、QFP10の複数の端子14はいずれもピン状であって、様々な信号の入力端子や出力端子、あるいは入出力端子として用いられ、本体部12内に配置されているLSIチップ11に形成されている回路を、プリント回路基板100上の配線と電気的に接続するものである。これら複数の端子14は、本体部12の4つの側面12c,12d,12e,12fのそれぞれに、互いに所定の間隔を有して等間隔で直線状に配設されている。従って、隣り合う端子14同士の配列方向における間隔であるピン間P(図4参照)は、所定の間隔で一致している。
【0016】
なお、本発明においては、ピン間Pの大きさや、端子14の総数ならびに本体部12全体の各種寸法は特に限定されるものではなく、適宜に設定されたQFPを用いることができる。
【0017】
こうしたQFP10の複数の端子14のうちの8本の端子14が、プリント回路基板100の電源パターン104に接続される電源ピン16−1,16−2,16−3,16−4,16−5,16−6,16−7,16−8となされており、8本の端子14がプリント回路基板100のグランド(GND)パターン106に接続されるグランド(GND)ピン18−1,18−2,18−3,18−4,18−5,18−6,18−7,18−8となされている。
【0018】
これら8本のグランドピン18−1,18−2,18−3,18−4,18−5,18−6,18−7,18−8はいずれも、本体部12の4つの側面12c,12d,12e,12fのそれぞれにおいて直線状に配設されている複数の端子14の最外位置に配置されている。一方、8本の電源ピン16−1,16−2,16−3,16−4,16−5,16−6,16−7,16−8はそれぞれ、8本のグランドピン18−1,18−2,18−3,18−4,18−5,18−6,18−7,18−8のそれぞれに隣接して配置されている。
【0019】
その結果、本体部12の側面12cと側面12dとによって形成される角部12gにおいては、側面12cに配設されるグランドピン18−1と側面12dに配設されるグランドピン18−2とが角部12gに最も近接して位置し、グランドピン18−1の隣には電源ピン16−1が位置するとともに、グランドピン18−2の隣には電源ピン16−2が位置している。
【0020】
また、本体部12の側面12dと側面12eとによって形成される角部12hにおいては、側面12dに配設されるグランドピン18−3と側面12eに配設されるグランドピン18−4とが角部12hに最も近接して位置し、グランドピン18−3の隣には電源ピン16−3が位置するとともに、グランドピン18−4の隣には電源ピン16−4が位置している。
【0021】
また、本体部12の側面12eと側面12fとによって形成される角部12iにおいては、側面12eに配設されるグランドピン18−5と側面12fに配設されるグランドピン18−6とが角部12iに最も近接して位置し、グランドピン18−5の隣には電源ピン16−5が位置するとともに、グランドピン18−6の隣には電源ピン16−6が位置している。
【0022】
また、本体部12の側面12fと側面12cとによって形成される角部12kにおいては、側面12fに配設されるグランドピン18−7と側面12cに配設されるグランドピン18−8とが角部12kに最も近接して位置し、グランドピン18−7の隣には電源ピン16−7が位置するとともに、グランドピン18−8の隣には電源ピン16−8が位置している。
【0023】
こうして1本ずつ隣接して配列された電源ピン16−1,16−2,16−3,16−4,16−5,16−6,16−7,16−8とグランドピン18−1,18−2,18−3,18−4,18−5,18−6,18−7,18−8との配列方向における最外側に位置する範囲の長さである幅W(図4参照)、即ち、電源ピン16−1とグランドピン18−1との幅W1、電源ピン16−2とグランドピン18−2との幅W2、電源ピン16−3とグランドピン18−3との幅W3、電源ピン16−4とグランドピン18−4との幅W4、電源ピン16−5とグランドピン18−5との幅W5、電源ピン16−6とグランドピン18−6との幅W6、電源ピン16−7とグランドピン18−7との幅W7ならびに電源ピン16−8とグランドピン18−8との幅W8は、全て等しく設定されている。
【0024】
また、電源ピン16−1とグランドピン18−1とのピン間、電源ピン16−2とグランドピン18−2とのピン間、電源ピン16−3とグランドピン18−3とのピン間、電源ピン16−4とグランドピン18−4とのピン間、電源ピン16−5とグランドピン18−5とのピン間、電源ピン16−6とグランドピン18−6とのピン間、電源ピン16−7とグランドピン18−7とのピン間ならびに電源ピン16−8とグランドピン18−8とのピン間は、全て所定のピン間Pに等しく設定されている。
【0025】
一方、上記したようなQFP10が実装されるプリント回路基板100は、図1に示すように表面100aと裏面100bとを有する多層化されていない基板であり、表面100a上にQFP10が配設される。
【0026】
ここで、図6には、プリント回路基板100の表面100aに配設されるQFP10を投影した輪郭線200が破線で示されたプリント回路基板100の表面100aを模式的に示す説明図が示されている。
【0027】
そして、プリント回路基板100の表面100aには、表面100aにQFP10が配置される位置に応じて、ベタパターンによるグランド(GND)パターン102が形成されている。こうしたベタパターンは、例えば、プリント回路基板100の表面100aに導体をベタ印刷することによって形成することができる。なお、本明細書においては、当該「ベタパターンによるグランドパターン102」を、「ベタアースパターン102」と適宜称することとする。
【0028】
ベタアースパターン102は、より詳細には、略矩形形状の中央領域102a(図7(a)参照)と、中央領域102aの外周側に位置する延設領域102b,102c,102d,102e(図7(b)参照)と、中央領域102aと延設領域102b,102c,102d,102eそれぞれとを連結する連結領域102f,102g,102h,102i(図7(c)参照)とからなるものである。
【0029】
このベタアースパターン102の略矩形形状の中央領域102a(図7(a)参照)の面積は、QFP10の本体部12の略矩形形状の上面12aならびに下面12bの面積に比べて小さくなるように設定されている。
【0030】
そして、中央領域102aがプリント回路基板100の表面100aに配置される位置は、輪郭線200の内周側であり、より詳細には、プリント回路基板100の表面100aに投影されたQFP10の輪郭線200のうち、本体部12の上面12aならびに下面12bの外周縁部に当たる輪郭線から全周にわたって、所定の間隔L1(図6参照)だけ離隔した位置である。
【0031】
一方、ベタアースパターン102の延設領域102b,102c,102d,102e(図7(b)参照)は互いに延長して、中央領域102aの外周側に位置する単一の外周領域102kを形成している。
【0032】
より詳細には、延設領域102bは、略直角の頂角102b−1を構成する2つの端辺102b−2,102b−3とを有し、延設領域102cは、略直角の頂角102c−1を構成する2つの端辺102c−2,102c−3とを有し、延設領域102dは、略直角の頂角102d−1を構成する2つの端辺102d−2,102d−3とを有し、延設領域102eは、略直角の頂角102e−1を構成する2つの端辺102e−2,102e−3とを有している。
【0033】
この延設領域102bの2つの端辺102b−2,102b−3と、延設領域102cの2つの端辺102c−2,102c−3と、延設領域102dの2つの端辺102d−2,102d−3と、延設領域102eの2つの端辺102e−2,102e−3とをリング状に繋ぐ内周縁部102kkを備えた単一の外周領域102kが形成されている。
【0034】
そして、外周領域102kがプリント回路基板100の表面100aに配置される位置は、輪郭線200の外周側であって、中央領域102aの外周側であり、延設領域102b,102c,102d,102eのそれぞれがプリント回路基板100の表面100aに配置される位置は、プリント回路基板100の表面100aに投影されたQFP10の輪郭線200のうち、8本のグランドピン18−1,18−2,18−3,18−4,18−5,18−6,18−7,18−8それぞれの外周縁部に当たる輪郭線の間、即ち、プリント回路基板100の表面100aに配置されるQFP10の本体部12の外周側であって、端子14が配列されない位置である。
【0035】
より詳細には、ベタアースパターン102の延設領域102bに関しては、プリント回路基板100の表面100aにおける延設領域102bの頂角102b−1が、プリント回路基板100の表面100aに投影されたQFP10の輪郭線200のうちの本体部12の角部12gに当たる位置近傍に配置される。また、延設領域102bの2つの端辺102b−2,102b−3の位置がそれぞれ、QFP10の輪郭線200のグランドピン18−1の外周縁部に当たる輪郭線ならびグランドピン18−2の外周縁部に当たる輪郭線と、所定の間隔L2(図3参照)を有して配置される。
【0036】
また、ベタアースパターン102の延設領域102cに関しては、プリント回路基板100の表面100aにおける延設領域102cの頂角102c−1が、プリント回路基板100の表面100aに投影されたQFP10の輪郭線200のうちの本体部12の角部12hに当たる位置近傍に配置される。また、延設領域102cの2つの端辺102c−2,102c−3の位置がそれぞれ、QFP10の輪郭線200のグランドピン18−3の外周縁部に当たる輪郭線ならびグランドピン18−4の外周縁部に当たる輪郭線と、所定の間隔L2を有して配置される。
【0037】
また、ベタアースパターン102の延設領域102dに関しては、プリント回路基板100の表面100aにおける延設領域102dの頂角102d−1が、プリント回路基板100の表面100aに投影されたQFP10の輪郭線200のうちの本体部12の角部12iに当たる位置近傍に配置される。また、延設領域102dの2つの端辺102d−2,102d−3の位置がそれぞれ、QFP10の輪郭線200のグランドピン18−5の外周縁部に当たる輪郭線ならびグランドピン18−6の外周縁部に当たる輪郭線と、所定の間隔L2を有して配置される。
【0038】
また、ベタアースパターン102の延設領域102eに関しては、プリント回路基板100の表面100aにおける延設領域102dの頂角102e−1が、プリント回路基板100の表面100aに投影されたQFP10の輪郭線200のうちの本体部12の角部12kに当たる位置近傍に配置される。また、延設領域102eの2つの端辺102e−2,102e−3の位置がそれぞれ、QFP10の輪郭線200のグランドピン18−7の外周縁部に当たる輪郭線ならびグランドピン18−8の外周縁部に当たる輪郭線と、所定の間隔L2を有して配置される。
【0039】
連結領域102f,102g,102h,102i(図7(c)参照)は、中央領域102aの4つの角部それぞれが、延設領域102b,102c,102d,102eの頂角102b−1,102c−1,102d−1,102e−1それぞれと、可能な範囲内で太い接続が確保されるように設定されて、中央領域102aと延設領域102b,102c,102d,102eそれぞれとを連結するものである。
【0040】
また、連結領域102f,102g,102h,102iは、QFP10のグランドピン18−1,18−2,18−3,18−4,18−5,18−6,18−7,18−8それぞれと接続される接続端部102f−1,102f−2,102g−1,102g−2,102h−1,102h−2,102i−1,102i−2を有している(図7(c)参照)。
【0041】
そして、ベタアースパターン102の連結領域102fがプリント回路基板100の表面100aに配置される位置は、プリント回路基板100の表面100aに投影されたQFP10の輪郭線200のうちの本体部12の角部12gに当たる位置近傍であり、連結領域102fにより中央領域102aと延設領域102bとが連結される。また、連結領域102fの2つの接続端部102f−1,102f−2の位置がそれぞれ、QFP10の輪郭線200のグランドピン18−1,18−2それぞれの外周縁部に当たる輪郭線内に配置される。
【0042】
また、ベタアースパターン102の連結領域102gがプリント回路基板100の表面100aに配置される位置は、プリント回路基板100の表面100aに投影されたQFP10の輪郭線200のうちの本体部12の角部12hに当たる位置近傍であり、連結領域102gにより中央領域102aと延設領域102cとが連結される。また、連結領域102gの2つの接続端部102g−1,102g−2の位置がそれぞれ、QFP10の輪郭線200のグランドピン18−3,18−4それぞれの外周縁部に当たる輪郭線内に配置される。
【0043】
また、ベタアースパターン102の連結領域102hがプリント回路基板100の表面100aに配置される位置は、プリント回路基板100の表面100aに投影されたQFP10の輪郭線200のうちの本体部12の角部12iに当たる位置近傍であり、連結領域102hにより中央領域102aと延設領域102dとが連結される。また、連結領域102hの2つの接続端部102h−1,102h−2の位置がそれぞれ、QFP10の輪郭線200のグランドピン18−5,18−6それぞれの外周縁部に当たる輪郭線内に配置される。
【0044】
また、ベタアースパターン102の連結領域102iがプリント回路基板100の表面100aに配置される位置は、プリント回路基板100の表面100aに投影されたQFP10の輪郭線200のうちの本体部12の角部12kに当たる位置近傍であり、連結領域102iにより中央領域102aと延設領域102eとが連結される。また、連結領域102iの2つの接続端部102i−1,102i−2の位置がそれぞれ、QFP10の輪郭線200のグランドピン18−7,グランドピン18−8それぞれの外周縁部に当たる輪郭線内に配置される。
【0045】
なお、プリント回路基板100の表面100aには、上記したベタアースパターン102の他に、電源ピン16−1,16−2,16−3,16−4,16−5,16−6,16−7,16−8がそれぞれ接続される電源パターン104と、電源パターン104に接続されるパッド108と、グランドピン18−1,18−2,18−3,18−4,18−5,18−6,18−7,18−8がそれぞれ接続されるグランドパターン106と、グランドパターン106が接続されるパッド110とが形成されている(図6参照)。
【0046】
より詳細には、電源パターン104は、プリント回路基板100の表面100aに投影されたQFP10の輪郭線200のうち、8本の電源ピン16−1,16−2,16−3,16−4,16−5,16−6,16−7,16−8それぞれの外周縁部に当たる輪郭線の当該電源ピン16−1,16−2,16−3,16−4,16−5,16−6,16−7,16−8の延長方向に沿うようにして、電源ピン16−1,16−2,16−3,16−4,16−5,16−6,16−7,16−8のピン幅の範囲内でプリント回路基板100の表面100aに形成されている。
【0047】
そして、この電源パターン104は、8本の電源ピン16−1,16−2,16−3,16−4,16−5,16−6,16−7,16−8それぞれの外周縁部に当たる輪郭線の当該電源ピン16−1,16−2,16−3,16−4,16−5,16−6,16−7,16−8の延長方向に沿うようにして、電源ピン16−1,16−2,16−3,16−4,16−5,16−6,16−7,16−8のピン幅の範囲内で、パッド108が接続されている。
【0048】
また、グランドパターン106は、プリント回路基板100の表面100aに投影されたQFP10の輪郭線200のうち、8本のグランドピン18−1,18−2,18−3,18−4,18−5,18−6,18−7,18−8それぞれの外周縁部に当たる輪郭線の当該グランドピン18−1,18−2,18−3,18−4,18−5,18−6,18−7,18−8の延長方向に沿うようにして、グランドピン18−1,18−2,18−3,18−4,18−5,18−6,18−7,18−8のピン幅の範囲内でプリント回路基板100の表面100aに形成されている。
【0049】
そして、グランドパターン106は、8本のグランドピン18−1,18−2,18−3,18−4,18−5,18−6,18−7,18−8それぞれの外周縁部に当たる輪郭線の当該グランドピン18−1,18−2,18−3,18−4,18−5,18−6,18−7,18−8の延長方向に沿うようにして、グランドピン18−1,18−2,18−3,18−4,18−5,18−6,18−7,18−8のピン幅の範囲内で、パッド110が接続されている。
【0050】
なお、このグランドパターン106は、ベタアースパターン102の連結領域102f,102g,102h,102iの接続端部102f−1,102f−2,102g−1,102g−2,102h−1,102h−2,102i−1,102i−2(図7(c)参照)とは所定の間隔を有して配置されるものである(図6参照)。
【0051】
また、添付の図面においては図示を省略しているが、プリント回路基板100の表面100aには、上記したベタアースパターン102、電源パターン104ならびにグランドパターン106の他に、QFP10の端子14と接続される信号パターンなどが形成されているものである。
【0052】
以上の構成において、上記したQFP10のプリント回路基板100への実装について説明を行うものとする。
【0053】
QFP10をプリント回路基板100の表面100aに配設する際には、図6に示されたプリント回路基板100の表面100aの輪郭線200に対応する位置に、QFP10を配置する。
【0054】
そして、QFP10近傍のプリント回路基板100の表面100aには、コンデンサ30−1,30−2,30−3,30−4,30−5,30−6,30−7,30−8を配設する(図1乃至図3参照)。
【0055】
ここで、8つのコンデンサ30−1,30−2,30−3,30−4,30−5,30−6,30−7,30−8はいずれも同一の構成を有するものであり、例えば、容量がおよそ0.1μF〜0.001μFの範囲のものを用いることができる。そして、コンデンサ30−1,30−2,30−3,30−4,30−5,30−6,30−7,30−8それぞれの長手方向における全長C1,C2,C3,C4,C5,C6,C7,C8(図2参照)は、全て等しいものである。
【0056】
また、コンデンサ30−1,30−2,30−3,30−4,30−5,30−6,30−7,30−8それぞれの全長C1,C2,C3,C4,C5,C6,C7,C8は、1本ずつ隣接して配列された電源ピン16−1,16−2,16−3,16−4,16−5,16−6,16−7,16−8とグランドピン18−1,18−2,18−3,18−4,18−5,18−6,18−7,18−8とのピン間Pに比べて長い。
【0057】
より詳細には、コンデンサ30−1,30−2,30−3,30−4,30−5,30−6,30−7,30−8それぞれの全長C1,C2,C3,C4,C5,C6,C7,C8は、1本ずつ隣接して配列された電源ピン16−1,16−2,16−3,16−4,16−5,16−6,16−7,16−8とグランドピン18−1,18−2,18−3,18−4,18−5,18−6,18−7,18−8との幅W1,W2,W3,W4,W5,W6,W7,W8(図4参照)それぞれと略一致するように設定されている。
【0058】
そして、コンデンサ30−1,30−2,30−3,30−4,30−5,30−6,30−7,30−8はそれぞれ、プリント回路基板100の表面100aに配設されたパッド108,110にリード線が半田付けされて、QFP10の電源ピン16−1,16−2,16−3,16−4,16−5,16−6,16−7,16−8それぞれと電源パターン104を介して接続され、QFP10のグランドピン18−1,18−2,18−3,18−4,18−5,18−6,18−7,18−8とグランドパターン106を介して接続される(図1乃至図3参照)。
【0059】
ここで、プリント回路基板100の表面100aには図6に示すようにしてベタアースパターン102が形成されているので、プリント回路基板100の表面100aに配設されたQFP10の周囲には、コンデンサ30−1,30−2,30−3,30−4,30−5,30−6,30−7,30−8とともに、ベタアースパターン102が存在することになる。
【0060】
より詳細には、プリント回路基板100の表面100aに配設されたQFP10の本体部12の下面12bは、プリント回路基板100の表面100aに形成されたベタアースパターン102の中央領域102aと、所定の間隔を有した状態で対向する。
【0061】
そして、プリント回路基板100の表面100aに配設されたQFP10の外周側は、ベタアースパターン102の中央領域102aの外周側に位置する単一の外周領域102kによって取り囲まれる。
【0062】
ここで、プリント回路基板100の表面100aに端部18a−1,18a−2が位置するQFP10のグランドピン18−1ならびにグランドピン18−2の近傍には、これらグランドピン18−1,18−2の端部18a−1,18a−2と所定の間隔L2を有した状態で、2つの端辺102b−2,102b−3が位置して、プリント回路基板100の表面100aに形成されたベタアースパターン102の延設領域102bが位置する(図3参照)。
【0063】
また、プリント回路基板100の表面100aに端部18a−3,18a−4が位置するQFP10のグランドピン18−3ならびにグランドピン18−4の近傍には、これらグランドピン18−3,18−4の端部18a−3,18a−4と所定の間隔L2を有した状態で、2つの端辺102c−2,102c−3が位置して、プリント回路基板100の表面100aに形成されたベタアースパターン102の延設領域102cが位置する。
【0064】
また、プリント回路基板100の表面100aに端部18a−5,18a−6が位置するQFP10のグランドピン18−5ならびにグランドピン18−6の近傍には、これらグランドピン18−5,18−6の端部18a−5,18a−6と所定の間隔L2を有した状態で、2つの端辺102d−2,102d−3が位置して、プリント回路基板100の表面100aに形成されたベタアースパターン102の延設領域102dが位置する。
【0065】
また、プリント回路基板100の表面100aに端部18a−7,18a−8が位置するQFP10のグランドピン18−7ならびにグランドピン18−8の近傍には、これらグランドピン18−7,18−8の端部18a−7,18a−8と所定の間隔L2を有した状態で、2つの端辺102e−2,102e−3が位置して、プリント回路基板100の表面100aに形成されたベタアースパターン102の延設領域102eが位置する。
【0066】
そして、プリント回路基板100の表面100aに配設されたQFP10の本体部12の角部12gは、プリント回路基板100の表面100aに形成されたベタアースパターン102の連結領域102fと、所定の間隔を有した状態で対向し、QFP10の本体部12の角部12hは、ベタアースパターン102の連結領域102gと、所定の間隔を有した状態で対向し、QFP10の本体部12の角部12iは、ベタアースパターン102の連結領域102hと、所定の間隔を有した状態で対向し、QFP10の本体部12の角部12kは、ベタアースパターン102の連結領域102iと、所定の間隔を有した状態で対向する。
【0067】
ここで、プリント回路基板100の表面100aに位置するグランドピン18−1の端部18a−1は、ベタアースパターン102の連結領域102fの接続端部102f−1と接続され、グランドピン18−2の端部18a−2は、連結領域102fの接続端部102f−2と接続される(図3参照)。
【0068】
また、プリント回路基板100の表面100aに位置するグランドピン18−3の端部18a−3は、ベタアースパターン102の連結領域102gの接続端部102g−1と接続され、グランドピン18−4の端部18a−4は、連結領域102gの接続端部102g−2と接続される。
【0069】
また、プリント回路基板100の表面100aに位置するグランドピン18−5の端部18a−5は、ベタアースパターン102の連結領域102hの接続端部102h−1と接続され、グランドピン18−6の端部18a−6は、連結領域102hの接続端部102h−2と接続される。
【0070】
また、プリント回路基板100の表面100aに位置するグランドピン18−7の端部18a−7は、ベタアースパターン102の連結領域102iの接続端部102i−1と接続され、グランドピン18−8の端部18a−8は、連結領域102iの接続端部102i−2と接続される。
【0071】
こうして、QFP10のグランドピン18−1,18−2,18−3,18−4,18−5,18−6,18−7,18−8は、端部18a−1,18a−2,18a−3,18a−4,18a−5,18a−6,18a−7,18a−8においてコンデンサ30−1,30−2,30−3,30−4,30−5,30−6,30−7,30−8が接続される位置とは逆側の異なる位置で、ベタアースパターン102の連結領域102f,102g,102h,102iと接続される。 つまり、QFP10のグランドピン18−1,18−2,18−3,18−4,18−5,18−6,18−7,18−8は、連結領域102f,102g,102h,102iを介して、ベタアースパターン102の中央領域102a(図7(a)参照)や延設領域102b,102c,102d,102eからなる外周領域102k(図7(b)参照)と接続される。
【0072】
上記したようにして、本発明による集積回路パッケージの実装方法によれば、図4に示すQFP10を、図6に示すプリント回路基板100へ、図1に示すようにして実装することができ、コンデンサ30−1,30−2,30−3,30−4,30−5,30−6,30−7,30−8のそれぞれと接続されるグランドピン18−1,18−2,18−3,18−4,18−5,18−6,18−7,18−8の端部18a−1,18a−2,18a−3,18a−4,18a−5,18a−6,18a−7,18a−8は、プリント回路基板100の表面100aに形成されたベタアースパターン102の延設領域102b,102c,102d,102eそれぞれと、所定の間隔L2(図3参照)を有した状態で位置することになる。
【0073】
このため、コンデンサ30−1,30−2,30−3,30−4,30−5,30−6,30−7,30−8のノイズ成分が、ベタアースパターン102の延設領域102b,102c,102d,102eに拡散せず、大幅なノイズの低減ができる。また、QFP10内に備えられたMOSFETなどのスイッチング時に貫通電流が発生するが、こうした貫通電流に起因するノイズの発生量を低減することもできる。
【0074】
また、本発明による集積回路パッケージの実装方法によれば、プリント回路基板100の表面100aのQFP10近傍には、コンデンサ30−1,30−2,30−3,30−4,30−5,30−6,30−7,30−8を配設するので、QFP10のすぐ近くで、即ち、EMI発生源であるLSIパッケージにパッケージングされたLSIチップ11の集積回路のすぐ近くで、コンデンサ30−1,30−2,30−3,30−4,30−5,30−6,30−7,30−8によるフィルタリングが実現され、EMIに関連するノイズの広範囲にわたる分散を防止することができる。
【0075】
さらに、EMI発生源のきわめて近くでノイズを低減することができるようになるので、ノイズを含む信号が他の部品に伝わるのを低減でき、ノイズの寄生効果を低減する点からも良好な状態を維持することができる。
【0076】
ここで、コンデンサ30−1,30−2,30−3,30−4,30−5,30−6,30−7,30−8のそれぞれと接続される電源ピン16−1,16−2,16−3,16−4,16−5,16−6,16−7,16−8とグランドピン18−1,18−2,18−3,18−4,18−5,18−6,18−7,18−8とを、QFP10において1本ずつ隣接して配列しているので、比較的短いリード線を介して、コンデンサ30−1,30−2,30−3,30−4,30−5,30−6,30−7,30−8を配設することができる。
【0077】
その結果、インピーダンスを低く抑えることができ、コンデンサ30−1,30−2,30−3,30−4,30−5,30−6,30−7,30−8の寄生直列インダクタンスを最小化することができて、ノイズの低減に寄与する。また、リード線の長さが短くてすむので、コンデンサ30−1,30−2,30−3,30−4,30−5,30−6,30−7,30−8を配設するためにプリント回路基板100の表面100aを占有する領域が増大するようなこともない。
【0078】
また、QFP10のグランドピン18−1,18−2,18−3,18−4,18−5,18−6,18−7,18−8をそれぞれ、連結領域102f,102g,102h,102iを介して、プリント回路基板100の表面100aに形成されたベタアースパターン102の中央領域102a(図7(a)参照)や延設領域102b,102c,102d,102eからなる外周領域102k(図7(b)参照)と接続させるので、このベタアースパターン102を介して、8本のグランドピン18−1,18−2,18−3,18−4,18−5,18−6,18−7,18−8間が接続された状態となる。
【0079】
その結果、8本のグランドピン18−1,18−2,18−3,18−4,18−5,18−6,18−7,18−8間のインピーダンスを低く抑えることができるとともに、グランドピン18−1,18−2,18−3,18−4,18−5,18−6,18−7,18−8におけるグランドインピーダンスを低下させることもできる。
【0080】
このため、グランドピン18−1,18−2,18−3,18−4,18−5,18−6,18−7,18−8の安定化が図れ、ノイズの発生量を低減することができる。また、QFP10のLSIチップ11の集積回路からの信号帰路電流が流れるときのグランドバウンスの発生を低減することができ、プリント回路基板100上の他の回路へのノイズの伝搬を防ぐこともできる。また、ベタアースパターン102を流れるイメージ電流効果により、QFP10のLSIチップ11からの直接放射量を低減することもできる。
【0081】
このように、本発明による集積回路パッケージの実装方法によれば、図4に示すQFP10を、図6に示すプリント回路基板100へ、図1に示すようにして実装するので、1本ずつ隣接して配列された電源ピン16−1,16−2,16−3,16−4,16−5,16−6,16−7,16−8とグランドピン18−1,18−2,18−3,18−4,18−5,18−6,18−7,18−8とを有するQFP10のように、LSIパッケージにおけるノイズ対策を実現するとともに、プリント回路基板100のベタアースパターン102やバイパスコンデンサとなるコンデンサ30−1,30−2,30−3,30−4,30−5,30−6,30−7,30−8のように、基板設計におけるノイズ対策も実現されるので、こうした複数のノイズ対策により大幅にノイズを低減することができる。
【0082】
さらに、こうした大幅なノイズの低減は、多層化されていないプリント回路基板100(図1参照)を用いて実現されており、基板を多層化することによってノイズの低減を図るような従来の高コストの解決手法を採用する必要がなく、ノイズの低減が安価に実現できる。
【0083】
なお、上記した実施の形態は、以下の(1)〜(11)に示すように変形することができるものである。
【0084】
(1)上記した実施の形態においては、プリント回路基板100の表面100aに形成されたベタアースパターン102の延設領域102b,102c,102d,102eが、互いに延長して単一の外周領域102kを形成するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、延設領域102b,102c,102d,102eは、プリント回路基板100の表面100aに配設されたQFP10の外周側に延設可能なものであって、プリント回路基板100の表面100aに形成されるQFP10の端子14と接続される信号パターンなどによっては、単一の外周領域102kを形成せずにQFP10の外周側に形成されるようにしてもよい。
【0085】
(2)上記した実施の形態においては、ベタアースパターン102は、4つの延設領域102b,102c,102d,102e(図6参照)を有するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、例えば、図8に示すように、ベタアースパターン102が、延設領域102bならびに延設領域102eの2つの延設領域を有するようにしてもよい。この際、延設領域102c,102dとともに連結領域102g,102hを形成せず、コンデンサ30−3,30−4,30−5,30−6を配設しなくてもよい。
【0086】
さらに、図8と同様に、ベタアースパターン102が2つの延設領域を有する場合に、延設領域102bと延設領域102dとを有するようにしてもよい(図9参照)。図8ならびに図9のいずれの場合においても、ノイズを低減する効果は同等であって、基板設計の際の制限に応じていずれかを選択的に用いることができるので、基板設計の自由度が高くなる。
【0087】
さらにまた、図8と図9とからも明らかなように単一の外周領域102kが形成される範囲は適宜変更できる。
【0088】
ここで、図10には、上記した図8のようにして本発明による集積回路パッケージの実装方法により実装された場合と、上記「従来の技術」項で記載した特開2002−57418号公報に記載されたプリント配線基板による場合とで、ノイズ低減効果を比較した実験結果を示すグラフが示されている。
【0089】
具体的には、図11(a)(b)に示すような実験設備を用いて輻射測定を行い、電源線の不要輻射を測定した。なお、図11に示す輻射測定方法としては、国際無線障害特別委員会(CISPR)で標準化されている公知の手法を用いたが、図11中の距離Xは、通常3m〜10mとするところ、ノイズを発生させ易くするために200mmに変更している。
【0090】
こうした不要輻射の測定の結果、本発明による集積回路パッケージの実装方法(図8参照)は、例えば、上記「従来の技術」項で記載した特開2002−57418号公報に記載された発明に比べて、ノイズを十分に低減できることが明らかである。
【0091】
(3)上記した実施の形態においては、プリント回路基板100の表面100aに、中央領域102a(図7(a)参照)と、4つの延設領域102b,102c,102d,102e(図7(b)参照)と、4つの連結領域102f,102g,102h,102i(図7(c)参照)とからなるベタアースパターン102が形成されるようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、ベタアースパターンとしていずれの領域を形成するかは適宜変更してもよく、例えば、中央領域102aを形成しなくてもよいし、4つの延設領域102b,102c,102d,102eのいずれかを形成するようにしてもよい。
【0092】
ただし、ベターアースパターンが、中央領域102aと延設領域102b,102c,102d,102eと連結領域102f,102g,102h,102iとからなる場合(図1(a)参照)がノイズを低減する効果が最も高くなり、中央領域102aと延設領域102b,102c,102dと連結領域102f,102g,102hとからなる場合(図1(b)参照)、中央領域102aと延設領域102b,102dと連結領域102f,102hとからなる場合(図1(c)参照)、中央領域102aと延設領域102bと連結領域102fとからなる場合(図1(d)参照)の順に効果は低くなる。
【0093】
(4)上記した実施の形態において、さらに、プリント回路基板の表面に形成されたベタアースパターン102の4つの延設領域102b,102c,102d,102e内に、グランドビア120を形成し、延設領域102b,102c,102d,102eが、多層化されたプリント回路基板の他の層(例えば、図1に示す第2層)に形成された接地電位とされるグランドパターンと、電気的に接続されるようにしてもよい。
【0094】
また、ベタアースパターン102の4つの延設領域102b,102c,102d,102e内に、ベタアースパターン102とは電気的に接続されないビアを形成して、多層化されたプリント回路基板の層間での電気的接続を形成する信号伝達に用いてもよい。
【0095】
(5)上記した実施の形態においては、ベタアースパターン102の延設領域102b,102c,102d,102eの頂角102b−1,102c−1,102d−1,102e−1は略直角であるようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、延設領域が少なくとも45°の頂角を有するようにしすれば、90°から45°の範囲内で頂角を変更してもよい。この際、図1に示す延設領域102b’や図1に示す延設領域102b’’のように、頂角が45°であっても、プリント回路基板100の表面100aに配置される位置を、8本のグランドピン18−1,18−2,18−3,18−4,18−5,18−6,18−7,18−8それぞれの外周縁部に当たる輪郭線の間で変更可能なものである。
【0096】
つまり、頂角102b−1から所定の位置における延設領域102bの端辺102b−2と端辺102b−3との間の距離が、グランドピン18−1とグランドピン18−2との間の距離Wa(図4ならびに図1、図1参照)の少なくとも1/2あればよい。また、頂角102c−1から所定の位置における延設領域102cの端辺102c−2と端辺102c−3との間の距離が、グランドピン18−3とグランドピン18−4との間の距離Wb(図4参照)の少なくとも1/2あればよく、頂角102d−1から所定の位置における延設領域102dの端辺102d−2と端辺102d−3との間の距離が、グランドピン18−5とグランドピン18−6との間の距離Wc(図4参照)の少なくとも1/2あればよく、頂角102e−1から所定の位置における延設領域102eの端辺102e−2と端辺102e−3との間の距離が、グランドピン18−7とグランドピン18−8との間の距離Wd(図4参照)の少なくとも1/2あればよい。
【0097】
(6)上記した実施の形態においては、電源ピン16−1,16−2,16−3,16−4,16−5,16−6,16−7,16−8ならびにグランドピン18−1,18−2,18−3,18−4,18−5,18−6,18−7,18−8の延長方向と、それぞれの全長C1,C2,C3,C4,C5,C6,C7,C8とが略直交するようにして、QFP10近傍のプリント回路基板100の表面100aに、コンデンサ30−1,30−2,30−3,30−4,30−5,30−6,30−7,30−8が配設されるようにしたが(図3ならびに図1(a)参照)、これに限られるものではないことは勿論である。
【0098】
例えば、電源ピン16−1,16−2ならびにグランドピン18−1,18−2の延長方向と、それぞれの全長C1,C2とが略平行するようにして、QFP10近傍のプリント回路基板100の表面100aに、コンデンサ30−1,30−2を配設してもよい(図1(b)参照)。この際、コンデンサ30−1,30−2が接続されるパッド108,110や電源パターン104、グランドパターン106の位置や範囲を適宜変更するとよい。
【0099】
こうして図1(a)に示す状態と図1(b)に示す状態とでは、コンデンサを配設する際の方向性が異なるが、電源パターン104とグランドパターン106とを介した電流経路(図1(a)ならびに図1(b)に示す破線参照)が短くなるようにして配設することにより、ノイズの低減に寄与することができる。また、この電流経路上にビアの形成しないようにしてもよい。
【0100】
従って、上記した実施の形態においては、コンデンサ30−1,30−2,30−3,30−4,30−5,30−6,30−7,30−8は、図1(b)に示す状態よりも、図3ならびに図1(a)に示すようにして配設するとよい。
【0101】
(7)上記した実施の形態においては、コンデンサ30−1,30−2,30−3,30−4,30−5,30−6,30−7,30−8は、それぞれの全長C1,C2,C3,C4,C5,C6,C7,C8が、1本ずつ隣接して配列された電源ピン16−1,16−2,16−3,16−4,16−5,16−6,16−7,16−8とグランドピン18−1,18−2,18−3,18−4,18−5,18−6,18−7,18−8との幅W1,W2,W3,W4,W5,W6,W7,W8(図4参照)それぞれと略一致するようなものを用いるようにしたが、これに限られるものではないことは勿論である。
【0102】
例えば、図1(a)(b)に示すように、コンデンサ30−1,30−2それぞれの全長C1,C2が、1本ずつ隣接して配列された電源ピン16−1,16−2とグランドピン18−1,18−2との幅W1,W2ならびにピン間Pに比べて長いようなものを用いるようにしてもよい。
【0103】
あるいは、図1(a)(b)に示すように、コンデンサ30−1,30−2それぞれの全長C1,C2が、ピン間Pと略一致し、1本ずつ隣接して配列された電源ピン16−1,16−2とグランドピン18−1,18−2との幅W1,W2に比べて短いようなものを用いるようにしてもよい。
【0104】
ここで、図1(a)ならびに図1(a)に示す状態は、図1(a)に示す状態と同じようにしてコンデンサが配設されており、図1(b)ならびに図1(b)に示す状態は、図1(b)に示す状態と同じようにしてコンデンサが配設されており、コンデンサを配設する際の方向性が異なっている。
【0105】
こうした場合においても、電源パターン104とグランドパターン106とを介した電流経路(図1(a)(b)ならびに図1(a)(b)に示す破線参照)が短くなるようにして配設することにより、ノイズの低減に寄与することができる。つまり、図1(b)に示す状態よりも図1(a)に示すようにしてコンデンサを配設した方がよく、図1(b)に示す状態よりも図1(a)に示すようにしてコンデンサを配設した方がよい。
【0106】
(8)上記した実施の形態においては、QFP10の本体部12の4つの角部12g,12h,12i,12kのそれぞれにおいて、当該角部12g,12h,12i,12kにグランドピンが2本ずつ近接して位置するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、角部12g,12h,12i,12kに近接して位置するグランドピンは1本であるようにしてもよい。例えば、QFP10の角部12gにおいて、グランドピン18−2を配設せずに、グランドピン18−1のみが位置するようにして、このグランドピン18−1をベタアースパターン102の連結領域102fと接続すればよい。
【0108】
)上記した実施の形態においては、図4に示すQFP10を、図6に示すプリント回路基板100へ実装するようにしたが、図示したものは一例であって、これに限られるものではないことは勿論であり、各種のクワッド・フラット・パッケージや、多層化されたプリント回路基板を用いても、本発明によりノイズの低減を実現できるものである。
【0109】
さらには、クワッド・フラット・パッケージに限定されず、各種集積回路パッケージを実装する場合にも応用可能である。また、本発明による集積回路パッケージの実装方法を考慮したプリント基板の設計方法、およびその装置ならびにプログラムとしてもよい。さらに、本発明による集積回路パッケージの実装方法とともに、EMC(electromagnetic compatibility:電波的両立性)対策となる手段を設けてもよいことは勿論である。
【0110】
10)上記した実施の形態ならびに上記した(1)〜()に示す変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。
次に、参考例について説明する。
上記した実施の形態においては、QFP10の複数の端子14のうちの8本の端子14が、グランドピン18−1,18−2,18−3,18−4,18−5,18−6,18−7,18−8となされているようにしたが、グランドピン18−1,18−2,18−3,18−4,18−5,18−6,18−7,18−8以外の端子14をグランドピンとしてもよい。この際、図19のエリアA、エリアB、エリアCに示すように、角部に近接して位置するグランドピン以外のグランドピンを有するQFPに対応させて、プリント回路基板100の表面100aのベタアースパターン102を変更し、当該グランドピンをベタアースパターン102の中央領域102aと接続させればよい。
【0111】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、ノイズを低減することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による集積回路パッケージの実装方法の実施の形態の一例たるクワッド・フラット・パッケージ(Quad Flat Package:QFP)がプリント回路基板に実装された状態を示す概略構成説明図(斜視図)である。
【図2】図1に示すA矢視図に対応する概略構成説明図(上面図)である。
【図3】図2の一部拡大図である。
【図4】図1に示すQFPを示す概略構成説明図(上面図)である。
【図5】図4に示すB矢視図に対応する概略構成説明図(側面図)である。
【図6】図1に示すプリント回路基板の表面に配設されるQFPを投影した輪郭線が破線で示されたプリント回路基板の表面を模式的に示す説明図である。
【図7】ベタアースパターンを模式的に示す説明図であり、(a)はベタアースパターンの中央領域を示す説明図であり、(b)はベタアースパターンの延設領域を示す説明図であり、(c)はベタアースパターンの連結領域を示す説明図である。
【図8】本発明による集積回路パッケージの実装方法の実施の形態の他の例を示す概略構成説明図(上面図)である。
【図9】本発明による集積回路パッケージの実装方法の実施の形態の他の例を示す概略構成説明図(上面図)である。
【図10】ノイズ低減効果を比較した実験結果を示すグラフである。
【図11】(a)(b)は電源線の不要輻射の測定に用いた実験設備を示す説明図である。
【図1】(a)は図2と対応する本発明による集積回路パッケージの実装方法の実施の形態の一例を示す概略構成説明図(上面図)であり、(b)(c)(d)は本発明による集積回路パッケージの実装方法の実施の形態の他の例を示す概略構成説明図(上面図)である。
【図1】本発明による集積回路パッケージの実装方法の実施の形態の他の例を示す概略構成説明図である。
【図1】本発明による集積回路パッケージの実装方法の実施の形態の他の例を図3に対応させて示す説明図である。
【図1】本発明による集積回路パッケージの実装方法の実施の形態の他の例を図3に対応させて示す説明図である。
【図1】(a)は図3と対応する説明図であり、(b)は本発明による集積回路パッケージの実装方法の実施の形態の他の例を図3に対応させて示す説明図である。
【図1】(a)(b)は本発明による集積回路パッケージの実装方法の実施の形態の他の例を図3に対応させて示す説明図である。
【図1】(a)(b)は本発明による集積回路パッケージの実装方法の実施の形態の他の例を図3に対応させて示す説明図である。
【図19】参考例を示す説明図である。
【符号の説明】
10 QFP(クワッド・フラット・パッケージ)
12 本体部
12a 上面
12b 下面
12c,12d,12e,12f 側面
12g,12h,12i,12k 角部
14 端子(ピン)
16−1,16−2,16−3,16−4,16−5,16−6,16−7,16−8 電源ピン
18−1,18−2,18−3,18−4,18−5,18−6,18−7,18−8 グランド(GND)ピン
30−1,30−2,30−3,30−4,30−5,30−6,30−7,30−8 コンデンサ
100 プリント回路基板
100a 表面
100b 裏面
102 ベタアースパターン
102a 中央領域
102b,102c,102d,102e 延設領域
102b−1,102c−1,102d−1,102e−1 頂角
102b−2,102c−2,102d−2,102e−2,102b−3,102c−3,102d−3,102e−3 端辺
102f,102g,102h,102i 連結領域
102k 外周領域
102kk 内周縁部
104 電源パターン
106 グランドパターン
108,110 パッド
200 輪郭線

Claims (4)

  1. プリント回路基板に実装されるクワッド・フラット・パッケージの角部に最も近接して前記プリント回路基板のグランドパターンに接続されるグランドピンを位置させ、前記プリント回路基板の電源パターンに接続される電源ピンを前記グランドピンのそれぞれに隣接して位置させるとともに、
    前記クワッド・フラット・パッケージの前記グランドピンと前記電源ピンとのそれぞれと接続するコンデンサを、前記クワッド・フラット・パッケージ近傍の前記プリント回路基板の前記表面に、前記グランドパターンと前記電源パターンとを介した電流経路が短くなるようにして配設し、
    前記クワッド・フラット・パッケージを前記プリント回路基板の表面に投影した輪郭線の内周側に形成された第1のベタパターンと、前記輪郭線の外周側に形成され、前記クワッド・フラット・パッケージの前記グランドピンの外周縁部に当たる輪郭線と所定の間隔を有して端辺が位置する第2のベタパターンと、前記第1のベタパターンと前記第2のベタパターンとを連結するとともに前記グランドピンの外周縁部に当たる輪郭線内に位置する接続端部を有し、前記グランドピンの端部において前記グランドパターンを介して前記コンデンサが接続される先端部とは逆側の異なる位置で前記接続端部により前記グランドピンと接続する第3のベタパターンとを有する前記プリント回路基板に、前記クワッド・フラット・パッケージを実装する
    ことを特徴とする集積回路パッケージの実装方法。
  2. 表面に所定のグランドパターンならびに電源パターンが形成されたプリント回路基板に実装されるクワッド・フラット・パッケージは、略直方体形状であって、互いに対向する略矩形形状の上面ならびに下面と、前記上面ならびに前記下面と直交する略矩形形状の4つの側面とを備え、内部に電子部品たるLSIチップが配置される本体部と、前記4つの側面のそれぞれにおいて直線状に配設される前記複数の端子と、前記複数の端子のうち前記4つの側面のそれぞれにおける最外位置に配置され前記プリント回路基板の前記グランドパターンに接続されるグランドピンと、前記グランドピンのそれぞれに隣接して配設され前記プリント回路基板の前記電源パターンに接続される電源ピンとを有し、
    前記クワッド・フラット・パッケージの前記グランドピンと前記電源ピンとのそれぞれと接続するコンデンサを、前記クワッド・フラット・パッケージ近傍の前記プリント回路基板の前記表面に、前記グランドパターンと前記電源パターンとを介した電流経路が短くなるようにして配設するとともに、
    前記クワッド・フラット・パッケージの前記本体部の前記下面と所定の間隔を有した状態で対向する略矩形形状の中央領域と、前記中央領域の外周側に位置するとともに、前記グランドピンの端部と所定の間隔を有した状態で端辺が位置し、前記プリント回路基板の前記表面に配設される前記クワッド・フラット・パッケージの外周側に延設可能な延設領域と、前記中央領域と前記延設領域とを連結し、前記グランドピンの端部において前記グランドパターンを介して前記コンデンサが接続される先端部とは逆側の異なる位置で前記グランドピンと接続する連結領域とを有するベタパターンによるベタアースパターンが前記表面に形成されている回路基板に、前記クワッド・フラット・パッケージを実装する
    ことを特徴とする集積回路パッケージの実装方法。
  3. 請求項2に記載の集積回路パッケージの実装方法において、
    前記クワッド・フラット・パッケージの前記電源ピンならびに前記グランドピンの延長方向と、前記コンデンサの長手方向における全長とが略直交するようにして、前記コンデンサを前記クワッド・フラット・パッケージ近傍の前記プリント回路基板の前記表面に配設する
    ことを特徴とする集積回路パッケージの実装方法。
  4. 請求項2または請求項3のいずれか1項に記載の集積回路パッケージの実装方法において、
    前記ベタアースパターンの前記延設領域の頂角は、45°以上90°以下である
    ことを特徴とする集積回路パッケージの実装方法。
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