JP4467694B2 - クレーン機能付油圧ショベル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クレーン機能付油圧ショベルの改良、特に、吊り具に作用する吊り荷重を演算または測定して表示する表示手段の誤作動防止を達成するための改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
アームとバケットとの枢着部の近傍に立設されたクレーンジブに吊り具を装着して簡単なクレーン作業を行えるようにしたクレーン機能付油圧ショベルが既に公知であり、下水道工事や管埋設工事等を始め、掘削作業とクレーン作業とが同時に要求されるような様々な場面で利用されている。
【0003】
この種のクレーン機能付油圧ショベルは、本来、自走式の油圧ショベルをベースとして設計されたものであるため、クレーン作業時の安全性を確保する必要上、油圧ショベルの旋回中心から吊り具までの作業半径等に応じて許容可能な吊り荷重の限界値が予め決められており、その限界値を超えないようにしてクレーン作業を行うようにしている。
【0004】
また、吊り荷重が限界値を超えないようにクレーン作業を行うための実際的な手段として、吊り具に作用する吊り荷重を演算または測定して求め、その値を表示するようにした表示手段がクレーン機能付油圧ショベルに実装されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
吊り具に作用する吊り荷重を求めるための方法としては、図6(a)に示されるように、クレーンジブ100に装着する吊り具101、つまり、チェーン102とフック103とで構成される吊り具101のうちチェーン102の部分にロードセル104を介装し、吊り荷重をロードセル104によって直に測定するものが提案されている。
【0006】
また、別の方法としては、ブームおよびアーム等の姿勢とブーム駆動用油圧シリンダに作用する圧力とに基づいて演算処理を行い、吊り具101に作用する吊り荷重を間接的に演算して求めるようにしたものも提案されている。
【0007】
このように、演算処理を利用して間接的に吊り荷重を求める場合には、図1に示すように、上部旋回体2とブーム3との枢着部、および、ブーム3とアーム4との枢着部に各々ポテンショメータ等によって構成される相対角度検出手段Pc1,Pc2を配備し、更に、ブーム3を揺動するブーム駆動用油圧シリンダ5に内圧センサ等の圧力検出手段Pr1,Pr1’を設けて、ブーム3やアーム4のスパン等のデータと相対角度検出手段Pc1,Pc2によって検出される相対角度のデータおよび圧力検出手段Pr1,Pr1’によって検出されるブーム駆動用油圧シリンダ5の内圧のデータに基づいてマイクロプロセッサ等による演算処理を実施することにより、吊り具101に作用する吊り荷重を求めることになる。
【0008】
この演算処理自体に関しては特開平5−321305号等で既に公知であり、また、本願の要旨とするところでもないので、ここでは説明を省略する。
【0009】
図1に示される通り、クレーンジブ100はバケット6とアーム4との枢着部の近傍に立設して配備されているが、厳密に言えば、その基部はバケット6を揺動させるためのリンク機構7とバケット6とに跨って枢着されており、この結果、アーム4に対するバケット6の姿勢が変化するとアーム4に対するクレーンジブ100の姿勢も様々に変化することになる。
【0010】
従って、前述したアーム4のスパンとしてはブーム3とアーム4との枢着位置からクレーンジブ100の先端までの距離をリアルタイムで測定するのが正しいが、バケット6およびクレーンジブ100の周辺部は掘削作業やクレーン作業に際して直接的に酷使される部分であり、汚れや衝撃等の問題もあるため、これらの部分にポテンショメータ等の電気的な検出手段を配備してクレーンジブ100の姿勢変化を検出したり、この姿勢変化を考慮してアーム4のスパンのデータにリアルタイムの補正処理を加えたりするのは余り現実的ではない。
【0011】
このため、クレーンジブ100の姿勢変化を敢えて検出することはせず、図1に示すように、バケット6を下方の揺動限界位置に退避させてアーム4の下面側に保持したクラウドの状態をクレーン作業の基準とし、アーム4のスパンを表すデータとしては、ブーム3とアーム4との枢着位置からクレーンジブ100と吊り具101との枢着位置までの距離を利用して演算処理を実施するのが普通である。
【0012】
従って、実際のクレーン作業を行う場合には、吊り具101とバケット6との干渉を避ける必要上、図5(a)に示すようにしてバケット6を必ずクラウド位置に格納する必要があるが、往々にして、オペレータがこの段取り作業を忘れてクレーン作業に取り掛かってしまう場合がある。
【0013】
このときバケット6が適切なクラウド位置に格納されていないと、例えば、図5(b)に示されるようにしてバケット6の底部が吊り具101のチェーン102またはフック103と干渉してしまう。この場合、ブーム3とアーム4との枢着位置からバケット6と吊り具101におけるチェーン102またはフック103との干渉ポイントまでが、アーム4のスパンに相当するため、スパンが増大するようなかたちで被懸吊物105が作業半径の外側に押し出されてしまうことになる。
【0014】
相対角度検出手段Pc1,Pc2と圧力検出手段Pr1,Pr1’を利用した演算処理の場合、アーム4のスパン、つまり、ブーム3とアーム4との枢着位置からクレーンジブ100と吊り具101との枢着位置までの距離が増大すると、このスパンの増長に伴ってブーム3の基部に作用するモーメントが増大し、ブーム駆動用油圧シリンダ5の内圧を検出する圧力検出手段Pr1,Pr1’の検出値も大きくなって、演算の結果として得られる吊り荷重の値も被懸吊物105の実際の重量より大きく表示されてしまうといった問題が生じる。
【0015】
ここで、演算処理で求められる吊り荷重の値が被懸吊物105の実際の重量よりも大きく表示されてしまうと、バケット6がクラウド位置に格納された状態であれば問題ない吊り荷重で作業を行っているにも関わらず吊り荷重が過大であるといった誤った判定が下され、クレーン作業が継続できなくなるといった重大な問題が発生する。
【0016】
一方、吊り荷重を求める方法としてロードセル104を使用した場合には、アーム4の実質的なスパンの変化それ自体によって被懸吊物105の重量測定に誤差を生じるといった問題は発生しないが、オペレータがバケット6の格納を忘れてクレーン作業に取り掛かってしまうと、図6(b)に示されるように、バケット6の底部が吊り具101のチェーン102やロードセル104に干渉してしまい、ロードセル104自体の測定結果が信頼できなくなるといった問題が発生する。
【0017】
この場合、図6(b)に示されるように、チェーン102の途中がバケット6の底部によって支えられたり、また、ロードセル104が正しく鉛直方向に引かれなくなってしまうので、演算処理を利用した場合と同様、被懸吊物105の測定値と実際の重量との間に誤差が生じてしまう。しかも、演算処理によって生じる誤差の場合とは相違し、測定値が実際の重量よりも低めに表示されることが多いため、安全対策上、危険となる可能性もある。
【0018】
【発明の目的】
そこで、本発明の目的は、前記従来技術の欠点を解消し、吊り具に作用する吊り荷重を表示する表示手段を常に適切な状態で作動させ、正確な吊り荷重を表示することのできるクレーン機能付油圧ショベルを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、油圧ショベルを自走させるための下部走行体の上に旋回可能に装備された上部旋回体と、該上部旋回体に対し上下方向揺動可能に枢着されたブームと、このブームの先端に上下方向揺動可能に枢着されたアームと、該アームの先端に上下方向揺動可能に枢着されたバケットと、前記バケットの枢着部の近傍に装備された吊り具を有し、前記吊り具に作用する吊り荷重を表示する表示手段を備えたクレーン機能付油圧ショベルであり、前記目的を達成するため、特に、前記アームに対する前記バケットの揺動角度がクラウド位置にあるか否かを判定するためのバケット位置判定手段と、該バケット位置判定手段によって前記バケットがクラウド位置にあると判定された場合にのみ前記表示手段の作動を許可する誤作動防止手段とを設けたことを特徴とする構成を有する。
【0020】
この構成によれば、吊り具に作用する吊り荷重を表示する表示手段の作動が許容されるのはバケットがクラウド位置に格納された場合にのみ制限される。従って、アームの実質的なスパンに変動が生じることもなくなる。このように、アームの実質的なスパンの変動が解消される結果として、アームのスパンをデータとして含む演算処理によって求められる吊り荷重の演算結果が常に実際の吊り荷重と一致するようになり、また、吊り具とバケットとの干渉が防止される結果、吊り具に取り付けたロードセルを利用して直接的に吊り荷重を測定する場合の測定値も実際の吊り荷重と一致するようになる。
【0021】
ここで、バケットの揺動角度がクラウド位置にあるか否かを判定するためのバケット位置判定手段は、バケットを揺動するバケット駆動用油圧シリンダをクラウド位置に向けて駆動すべく供給される作動油の圧力を検出する圧力検出手段と、該圧力検出手段により検出された圧力と予め設定された基準圧とを比較して前記検出圧力が前記基準圧に達したときにクラウド位置検出信号を出力する信号出力手段とによって構成することができる。
【0022】
このような構成を適用した場合、バケットを揺動するバケット駆動用油圧シリンダのピストンがバケットのクラウド位置に対応する位置に移動を完了した段階で、バケット駆動用油圧シリンダ内の作動油の圧力、および、バケット駆動用油圧シリンダをクラウド位置に向けて駆動するための作動油を流す管路内の圧力が上昇する。
バケット位置判定手段の一部を構成する圧力検出手段は、バケット駆動用油圧シリンダ内の作動油の圧力、または、これと同等の圧力を有する前記管路内の作動油の圧力の上昇を見張る。そして、その検出圧力が予め設定された基準圧、即ち、バケット駆動用油圧シリンダのピストンがフルストロークしてバケットがクラウド位置に到達したことを示す圧力に達したことを検出すると、バケット位置判定手段の一部である信号出力手段を作動してクラウド位置検出信号を出力する。
そして、信号出力手段からのクラウド位置検出信号を受けた誤作動防止手段が、表示手段の作動を許可する。
この構成においては、バケット駆動用油圧シリンダをクラウド位置に向けて駆動すべく供給される作動油の圧力、つまり、バケット駆動用油圧シリンダ内の作動油の圧力やバケット駆動用油圧シリンダをクラウド位置に向けて駆動するための作動油を流す管路内の圧力の上昇を検出してバケットがクラウド位置にあるか否かを判定するようにしているため、掘削作業やクレーン作業に際して直接的に酷使されるバケットの周辺に格別の検出手段、特に、電気的な位置検出手段を配備する必要がなく、装置の耐久性が確保されるといったメリットがある。
【0023】
バケット位置判定手段は、更に、バケットを揺動するバケット駆動用油圧シリンダをクラウド位置に向けて駆動すべく供給される作動油の圧力を検出する第一の圧力検出手段と、該第一の圧力検出手段により検出された圧力と予め設定された第一の基準圧とを比較して前記第一の圧力検出手段による検出圧力が前記第一の基準圧に達したときにクラウド位置予備検出信号を出力する第一の予備信号出力手段と、前記バケット駆動用油圧シリンダに対応して設けられた方向切替弁に対し前記バケット駆動用油圧シリンダが前記バケットをクラウド位置に向けて駆動する方向に前記方向切替弁を切り替えるべく供給される作動油の圧力を検出する第二の圧力検出手段と、該第二の圧力検出手段により検出された圧力と予め設定された第二の基準圧とを比較して前記第二の圧力検出手段による検出圧力が前記第二の基準圧に達したときにクラウド位置予備検出信号を出力する第二の予備信号出力手段と、前記第一および第二の予備信号出力手段からのクラウド位置予備検出信号が同時に検出されたときにクラウド位置検出信号を出力する最終的な信号出力手段とによって構成することも可能である。
【0024】
このような構成によれば、バケットをクラウド位置に移動させるバケット駆動用油圧シリンダまたはその管路の圧力、および、該バケット駆動用油圧シリンダの動作方向をクラウド側に切り替える方向切替弁における切替圧力導入部またはその管路の圧力が共に基準圧に達した場合にのみ表示手段の作動が許可される。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の幾つかについて詳細に説明する。図1はクレーン機能付油圧ショベルの一般的な構成例を示した外観図である。
【0026】
このクレーン機能付油圧ショベル1は、自走手段としてのホイールまたはクローラ等を備えた下部走行体8と、下部走行体8の上に旋回可能に装備された上部旋回体2、および、上部旋回体2に対し上下方向揺動可能に枢着されたブーム3と、ブーム3の先端に上下方向揺動可能に枢着されたアーム4、ならびに、アーム4の先端に上下方向揺動可能に枢着されたバケット6と、このバケット6の枢着部の近傍に立設されたクレーンジブ100、更に、吊り具101を構成するチェーン102とフック103とで概略を構成される。
【0027】
また、符号Pc1は、上部旋回体2に対するブーム3の揺動角度を検出するための相対角度検出手段、符号Pc2は、ブーム3に対するアーム4の揺動角度を検出するための相対角度検出手段であり、符号Pr1,Pr1’は、ブーム駆動用油圧シリンダ5に作用する内圧を検出するための圧力検出手段である。
【0028】
相対角度検出手段Pc1,Pc2および圧力検出手段Pr1等で検出された角度および圧力のデータを利用して吊り具101に作用する吊り荷重を求めるための演算処理に関しては既に特開平5−321305号等で公知であるのでここでは説明を省略する。
【0029】
図4(a)は、演算処理によって求められた吊り荷重を表示するための表示手段の一例を示す概念図である。この表示手段9は、クレーン機能付油圧ショベル1のキャビン内に配備される。表示手段9には、吊り荷重を表示するための吊り荷重表示部9aと吊り荷重の限界値を表示するための限界値表示部9b、および、吊り荷重が限界値を超えたときに点滅もしくは点灯してオペレータの注意を喚起するための警告表示灯9cが設けられている。
【0030】
なお、ここでいう限界値とは安全確保のためのマージンを考慮した値である。従って、実際の吊り荷重が限界値を或る程度上回った場合であっても、クレーン機能付油圧ショベル1が直ちに危険な状態になるといったようなことはない。
【0031】
図4(b)は、表示手段の内部構造の概略を示したブロック図である。マイクロプロセッサ10は、演算処理の一時記憶等に必要とされるRAM14を備え、吊り具101に作用する吊り荷重を求めるための演算処理を所定周期毎に繰り返し実行し、その都度、入出力回路11を介して相対角度検出手段Pc1,Pc2および圧力検出手段Pr1,Pr1’の検出値を読み込み、これらの検出値と予めパラメータとして記憶されたブーム3およびアーム4のスパン等のデータを参照し、所定の演算アルゴリズムに基づいて吊り具101に作用する吊り荷重を算出する。
【0032】
そして、その値を入出力回路11およびドライバ回路12を介して出力し、表示手段9の吊り荷重表示部9aに更新して表示する。この際、アーム4のスパンは、ブーム3とアーム4の枢着位置からクレーンジブ100と吊り具101との枢着位置までの距離として規定されており、本実施形態においても、従来と同様、クレーンジブ100の姿勢変化等に伴う実質的なスパンの寸法変化を補償するような補正処理は行われない。
【0033】
また、マイクロプロセッサ10は、相対角度検出手段Pc1,Pc2の検出値とブーム3およびアーム4のスパン等のデータに基づいて、作業半径、即ち、クレーン機能付油圧ショベル1の旋回中心からクレーンジブ100の先端までの距離を求め、この作業半径に対応する吊り荷重の限界値をROM13から読み込んで、前記と同様にして限界値表示部9bに更新表示する。つまり、作業半径と吊り荷重の限界値との関係は予めROM13に記憶されており、マイクロプロセッサ10は、求めた作業半径に基づいてこの作業半径に対応する吊り荷重の限界値をROM13から読み込み、その値を限界値表示部9bに表示する。
【0034】
そして、もし、演算によって求められた吊り荷重が限界値を越えていると判定された場合には、マイクロプロセッサ10が入出力回路11およびドライバ回路12を介して警告表示灯9cを駆動し、これを点滅もしくは点灯させて、オペレータに吊り荷重が限界値を越えたことを警告する。この種の異常検出に対応する処理は、通常、単純な警告表示にとめられるが、機種によっては、非常停止処理によってクレーン作業を停止させるものもある。
なお、警告のための手段としては、ランプ表示の他、ブザー等による警告表示を適用することができる。この警告表示は、直接的に吊り荷重の大きさを数値表示するものではないが、広い意味では吊り荷重の大きさを示す表示の一種であり、従って、特許請求の範囲中に記載される表示手段の概念の中には、過剰な吊り荷重を知らせる警告表示灯やブザーのみで構成されるようなものも含まれる。
【0035】
前述したマイクロプロセッサ10の処理動作や表示部9a,9bに対する表示処理、および、警告表示灯9cの駆動が許容されるのは、後述する誤作動防止手段によって表示手段9自体の作動が許可されている場合だけである。
【0036】
図2は、バケット6を揺動するバケット駆動用油圧シリンダ15に関連する油圧回路を示したブロック図である。符号17a,17b,17cの各々は、クレーン機能付油圧ショベル1のエンジンによって駆動される油圧ポンプであり、このうちパイロット圧力供給用の油圧ポンプ17cに関しては、シリンダ駆動用の油圧ポンプ17a,17bに比べて相対的に小型化されている。
【0037】
そして、符号16a〜16cは、油圧ポンプ17bから供給される作動油の行き先を切り替えるための方向切替弁、また、符号16d〜16fは、油圧ポンプ17aから管路25を介して供給される作動油の行き先を切り替えるための方向切替弁であり、このうち、バケット駆動用油圧シリンダ15の切替制御に直接的に関連するのは、方向切替弁16fの部分である。
【0038】
他の方向切替弁16a〜16eは、アーム駆動用油圧シリンダ19や前述したブーム駆動用油圧シリンダ5の切替制御、および、上部旋回体2のスイヴェル動作の切り替え等に関連したものであり、本発明の要旨と直接の関わりはない。
【0039】
また、符号20は、バケット駆動用油圧シリンダ15に対応して設けられた方向切替弁16fを遠隔操作するためにクレーン機能付油圧ショベル1のキャビン内に設けられたパイロット操作弁であり、油圧ポンプ17cから供給される作動油を管路21a,21bに振り分ける機能を有する。
【0040】
このうち、管路21aと管路21bの各々は夫々バケット駆動用油圧シリンダ15の方向切替弁16fの両側のポートに接続し、方向切替弁16fにパイロット圧力を与えて方向切替弁16fのスプール位置を切り替える機能を備える。
【0041】
パイロット操作弁20の操作部(図3(a)に示すジョイスティック20’)を操作すると、2次圧力設定用スプリングのセット長が変化する。そして、当該セット長に応じた2次圧力が管路21aまたは管路21bに発生し、方向切替弁16fの切替圧力導入部に前記パイロット操作弁20の2次圧力、即ち、パイロット圧力が作用する。
【0042】
また、パイロット操作弁20の操作部(図3(a)に示すジョイスティック20’)を操作しない場合、即ち、パイロット操作弁20が中立位置にある場合には、油圧ポンプ17cから管路21aおよび21bへの通路は遮断され、更に管路21aおよび21bは管路21cを介してタンク18へ接続されるため、管路21a,21bの内部圧力は低下する。
【0043】
次に、バケット6の揺動角度がクラウド位置にあるか否かを判定するためのバケット位置判定手段の構造について説明する。
【0044】
前述した通り、バケット6がクラウド位置に格納する操作を行うと、バケット駆動用油圧シリンダ15のシリンダボトム側油室に作動油を送る管路23aと方向切替弁16fに接続した管路21b内の作動油の圧力が必ず上昇する。また、この時、管路25と管路23aは方向切替弁16fを介して接続しているため、管路25内の作動油の圧力も上昇することになる。
【0045】
従って、作動油の圧力を検出することによってバケット6の揺動角度がクラウド位置にあるか否かを判定するバケット位置判定手段を適用する場合、その一部を構成する圧力検出手段は、管路23a上か管路21b上の何れかの位置に設けることが可能であり、また、管路25上に設けることも可能である。
【0046】
ここで、バケット駆動用油圧シリンダ15に対してバケット6をクラウド位置に向けて駆動する方向の作動油を供給する管路23a上に設けた圧力検出手段の一例をPr2、方向切替弁16fに対してバケット駆動用油圧シリンダ15をクラウド位置に向けて駆動する方向の作動油を供給する管路21b上に設けた圧力検出手段の一例をPr3、また、管路25上に設けた圧力検出手段の一例をPr2’として図2および図3(a)に示す。
【0047】
無論、圧力検出器によって構成される圧力検出手段Pr2やPr3をバケット駆動用油圧シリンダ15のシリンダボトム側油室内や方向切替弁16fの油室内に配備することも可能であるが、管路23aや管路21b上に配備する方が技術的に容易である。
【0048】
まず、管路23a上に圧力検出手段Pr2のみを設けてバケット6がクラウド位置にあるか否かを判定するようにした場合、バケット駆動用油圧シリンダ15のシリンダボトム側油室の作動油の圧力、つまり、ピストンロッド15aの先端に作用する反力を直接的に検出することができるので、ピストン15bが突出側でフルストロークしているか否か、即ち、バケット6がクラウド位置にあるか否かを直接的に判定することができるといったメリットがある。
この場合、圧力検出手段Pr2は、その検出圧力が図2に示されるリリーフ弁24aのリリーフ圧力に達したとき、もしくは、リリーフ圧力に近づいたときにクラウド位置検出信号Pr2Sを出力するような構成とする。つまり、この場合の信号出力手段は圧力検出手段Pr2自体の一部によって構成されることになる。
これに対応して誤作動防止手段を構成する最も簡単な方法は、表示手段9の内部に電源用の常開式リレー接点を1つ直列して挿入し、このリレー接点を圧力検出手段Pr2からのクラウド位置検出信号Pr2SによってOFFからONに切り替えることである。これにより、管路23aの圧力が基準圧以上の場合、即ち、バケット6がクラウド位置にある場合にのみ表示手段9の電源をONにするスイッチSW0が有効となり、表示手段9の作動が許容されるようになる。
【0049】
但し、この構成を適用した場合、バケット駆動用油圧シリンダ15のピストンロッド15aの先端に極端な荷重が作用した場合、例えば、バケット6に車体の重量が作用し、その作用方向がバケット駆動用油圧シリンダ15を縮める方向である場合に、バケット駆動用油圧シリンダ15のシリンダボトム側油室の作動油の圧力が上昇し、これを圧力検出手段Pr2が検出して表示手段9の電源をONにするスイッチSW0が有効となる可能性が残る。
【0050】
一方、管路21b上に圧力検出手段Pr3のみを設けた場合では、方向切替弁16fがバケット駆動用油圧シリンダ15をクラウド側に移動させる向きに切り替えられているか否かが圧力検出手段Pr3によって単純に検出されることになる。
この場合、圧力検出手段Pr3は、その検出圧力が予め設定された基準圧に達したときにクラウド位置検出信号Pr3Sを出力するような構成とする。つまり、この場合の信号出力手段は圧力検出手段Pr3自体の一部によって構成されることになる。
これに対応して誤作動防止手段を構成する最も簡単な方法は、前記と同様、表示手段9の内部に電源用の常開式リレー接点を1つ直列して挿入し、このリレー接点を圧力検出手段Pr3からのクラウド位置検出信号Pr3SによってOFFからONに切り替えることである。これにより、管路21bが基準圧以上の場合、即ち、バケット6がクラウド位置にある場合にのみ表示手段9の電源をONするスイッチSW0が有効となり、表示手段9の作動が許容されるようになる。なお、方向切替弁16fをジョイスティック20’によって操作される電磁式方向切替弁によって構成した場合には、管路23aに作動油を供給する方向に方向切替弁16fを切り替える信号をジョイスティック20’から検出し、この信号をクラウド位置検出信号Pr3Sとして利用すればよい。
【0051】
このような構成を適用した場合、バケット駆動用油圧シリンダ15のピストンロッド15aに作用する圧力が検出結果に影響を与えることはないので、たとえ、ピストンロッド15aの先端に荷重が作用してシリンダボトム側油室や管路23a内の作動油の圧力が増大したとしても、オペレータが積極的にジョイスティック20’を操作してパイロット操作弁20から方向切替弁16fに対してクラウド位置への切替信号を入力していない限り、表示手段9の電源をONするスイッチSW0が有効となり、表示手段9の作動が許容されることはない。
しかし、管路21b内の作動油の内圧上昇により方向切替弁16fが管路23aに作動油を供給する方向に切り替わっていることが確認されたとしても、この時点で既にピストンロッド15aの突出動作が完了しているといった保証はない。従って、このような構成では、バケット6のクラウド位置への格納が完了する前の時点、つまり、方向切替弁16fのスプールはフルストロークしているがピストンロッド15aの突出動作は完了していないといった段階で、早めに表示手段9の電源をONするスイッチSW0が有効となり、表示手段9の作動が許容されてしまうといった可能性が残る。
【0052】
以上、簡単な構成を適用した2つの実施形態について述べたが、何れのものにも、シリンダロッド15aの先端に強い荷重が作用したときに表示手段9の作動が許容される可能性があるとか(Pr2のみを利用した場合)、バケット6が完全にクラウド位置に格納される前に表示手段9の作動が許容される可能性がある(Pr3のみを利用した場合)といったような多少の不具合が残る。
【0053】
そこで、次に、これらの不具合を解消した最適実施形態について説明する。この実施形態においては、バケット位置判定手段を構成する圧力検出手段と信号出力手段とを油圧回路の複数箇所に併設して設け、各信号出力手段からのクラウド位置予備検出信号の論理積をとって表示手段9の電源をONするスイッチSW0を有効にするか否かを決める構成を適用しており、前述した各実施形態との相違も、主に、この点にある。
【0054】
まず、バケット位置判定手段の一部を構成する圧力検出手段としては、バケット駆動用油圧シリンダ15に対しバケット6をクラウド位置に向けて駆動する方向の作動油を供給する管路23a上に設けた第一の圧力検出手段Pr2と、バケット駆動用油圧シリンダ15をクラウド位置に向けて駆動する方向に方向切替弁16fを操作する作動油を供給する管路21b上に設けた第二の圧力検出手段Pr3とを使用する。
【0055】
圧力検出手段Pr2,Pr3の機能に関しては前述した各実施形態の場合と同様である。また、第一の圧力検出手段となる圧力検出手段Pr2が第一の予備信号出力手段を構成し、第二の圧力検出手段となる圧力検出手段Pr3は、第二の予備信号出力手段を構成している。
【0056】
つまり、第一の圧力検出手段Pr2がリリーフ弁24aのリリーフ圧(第一のリリーフ圧)に匹敵する第一の基準圧力を検出した場合にのみ、第一の予備信号出力手段を兼ねる第一の圧力検出手段Pr2からクラウド位置予備検出信号Pr2Sが出力され、また、第二の圧力検出手段Pr3が予め設定された第二の基準圧力を検出した場合にのみ、第二の予備信号出力手段を兼ねる第二の圧力検出手段Pr3からクラウド位置予備検出信号Pr3Sが出力されるということである。
【0057】
そして、この実施形態における誤作動防止手段28は、図4(a)に示されるようにして表示手段9と電源27との間に直列して挿入された2つの常開式リレー接点SW1とSW2とによって構成され、常開式リレー接点SW1とSW2の各々は、第一および第二の圧力検出手段Pr2,Pr3からのクラウド位置予備検出信号Pr2S,Pr3Sを受けた場合にのみOFFからONへと切り替えられるようになっている。
【0058】
従って、表示手段9に電源が供給されるのは、常開式リレー接点SW1とSW2が共にONとなり、かつスイッチSW0が閉じた場合、つまり、管路23a内の作動油の圧力と管路21b内の作動油の圧力が共に基準圧に達し、かつ、オペレータがスイッチSW0をONにした場合のみである。
【0059】
このように、直列的に接続された常開式リレー接点SW1とSW2は、第一および第二の予備信号出力手段Pr2,Pr3からのクラウド位置予備検出信号Pr2S,Pr3Sが同時に検出されているか否かを判定するための機能を備える。従って、常開式リレー接点SW1とSW2は、誤作動防止手段それ自体であると共に、クラウド位置予備検出信号の論理積をとって誤作動防止手段28を制御する最終的なクラウド位置検出信号を出力するための信号出力手段でもある。
【0060】
このような構成によれば、管路23a内の作動油の圧力と管路21b内の作動油の圧力が共に基準圧に達した場合にのみ表示手段9の作動が許可されるようになるので、前述した圧力検出手段Pr2または圧力検出手段Pr3のみを利用した実施形態で生じる不具合は完全に解消される。
【0061】
例えば、バケット6に車体の質量が作用し、その作用方向がバケット駆動用油圧シリンダ15を縮める方向であるような場合にバケット駆動用油圧シリンダ15のシリンダボトム側油室の作動油の圧力が上昇し、これを第一の圧力検出手段Pr2が検出してクラウド位置予備検出信号Pr2Sを出力したとする。しかし、そのような場合であっても、オペレータが率先してジョイスティック20’を操作してパイロット操作弁20から方向切替弁16fにバケット6をクラウド位置に格納するための信号を送出していない場合には、第二の圧力検出手段Pr3が基準圧を検出することはなく、第二の圧力検出手段Pr3からクラウド位置予備検出信号Pr3Sが出力されることもない。従って、バケット駆動用油圧シリンダ15のシリンダボトム側油室の作動油の圧力が上昇したとしても、少なくとも、誤作動防止手段28の一部を構成する常開式リレー接点SW2の側はOFF状態のままに保持され、表示手段9への電源の投入は禁止される。これにより、クレーン作業姿勢、即ち、バケットクラウド姿勢ではないにも関わらず表示手段9の電源をONするスイッチSW0が有効となり、表示手段9の作動が許容されるといった問題が解消される。
【0062】
また、ピストンロッド15aの突出動作が完全に終了してピストン15bが突出側にフルストロークするまでの間は管路23aの圧力は上昇せず、その間、常開式リレー接点SW1はOFFの状態に保持される。従って、たとえ、方向切替弁16fが管路23aに作動油を供給する方向に切り替えが完了して第二の圧力検出手段Pr3からクラウド位置予備検出信号Pr3Sが出力され、常開式リレー接点SW2がONに切り替えられたとしても、バケット6がクラウド位置に格納されるまでの間は、常開式リレー接点SW1の機能によって誤作動防止手段28が確実にOFFの状態に保持される。これにより、バケット6がクラウド位置に格納される前の段階、つまり、方向切替弁16fの切り替えが終わった段階で、必要以上に早く表示手段9の電源をONするスイッチSW0が有効となり、表示手段9の作動が許容されるといった問題も解消される。
【0063】
なお、図4(a)に示される符号SW0は従来と同様の電源スイッチであり、オペレータ自身の意図によって手動操作されるようになっている。
【0064】
以上、油圧回路を利用してバケット6の位置を検出するようにした4つの実施形態について説明したが、汚れや衝撃等の影響が問題とならないような状況下においては、例えば、図3(b)に示すように、ポテンショメータやエンコーダ等の電気的な相対角度検出手段Pc3をアーム4とバケット6との枢着部に装着し、信号線29を介して表示手段9の図4(b)に示す入出力回路11に相対角度の検出値を送るようにしてバケット位置判定手段を構成することも可能である。
【0065】
この場合、表示手段9のON/OFF動作は従来と同様に電源スイッチSW0のみの操作によって実施できるようにしておき、前述したマイクロプロセッサ10によって所定周期毎に実施される演算処理の最初の段階で入出力回路11および信号線29を介して相対角度検出手段Pc3による相対角度の検出値を読み込み、その値がバケット6のクラウド位置に相当する予め設定された基準範囲に入っているか否かを判別するようにする。
【0066】
そして、バケット6の姿勢がクラウド位置に相当する予め設定された基準範囲に入っており、かつ、電源スイッチSW0がONにされている場合に限って前述した吊り荷重の演算や限界値の特定とその表示処理および警告表示等のための処理を実施する一方、検出値が予め設定された基準範囲を外れており、かつ、スイッチSW0がONにされている場合には、これらの処理を全て非実行として、検出値が基準範囲外である旨を表示するようなマイクロプロセッサ10の動作プログラムを設定すればよい。
【0067】
このような構成によれば、バケット6の位置に応じて演算や表示等に関わる演算処理の実行が制限されるので、前述した各実施形態と同様、実質的に、バケット6がクラウド位置にある場合にのみ表示手段9を作動させられるようになる。このような構成を適用した場合、バケット6の姿勢を直接的に検出することになるので、ピストンロッド15aに作用する反力によって誤って表示手段9の作動を許容する問題や、ピストンロッド15aの突出前に誤って表示手段9の作動を許容する問題はない。
【0068】
そして、前述した4つの各実施形態の各々によれば、バケット6がクラウド位置にある場合にのみ表示手段9の作動、または、その実質的な処理動作の実施が許容されるようになるので、例えば、図5(b)や図6(b)に示されるようにチェーン102やフック103がバケット6の底部で押されて作業半径の外側に押し出されているにも関わらず、表示手段9の電源をONするスイッチSW0が有効であり、表示手段9の作動が許容されるといった問題が解消される。
【0069】
この結果、アーム4の実質的なスパンの変動、つまり、ブーム3とアーム4との枢着位置から被懸吊物105の実質的な懸吊位置までの離間距離の変動がなくなり、アーム4のスパンを固定的なデータとして含む演算処理によって求められる吊り荷重の演算結果が常に実際の吊り荷重と一致するようになる。
【0070】
従って、演算処理によって求められた吊り荷重が被懸吊物105の実際の重量よりも大きめに表示されたり、または、これを原因として警告表示灯9cが誤作動し、限界値の範囲内の重量物を扱っているクレーン作業が不用意に停止されるといった問題も解消される。
【0071】
また、チェーン102に取り付けたロードセル104を利用して直接的に吊り荷重を測定するような構成においては、チェーン102やフック103とバケット6との干渉が防止される結果として、チェーン102の下部がバケット6で支えられたり、ロードセル104の姿勢が鉛直方向とずれたりする問題が解消される。
【0072】
この結果、ロードセル104による吊り荷重の測定値が被懸吊物105の実際の重さよりも低く表示されるようなこともなくなり、許容される荷重の限界値の範囲内で、安全なクレーン作業を実施することができるようになる。
【0073】
【発明の効果】
本発明のクレーン機能付油圧ショベルは、バケットがクラウド位置に格納された場合に限って吊り具に作用する吊り荷重を表示する表示手段の作動を許容するように構成したので、クレーン用の吊り具がバケットと干渉している状態では表示手段を起動できない。従って、オペレータは、バケットをクラウド位置に格納せずにクレーン作業に取り掛かることはできなくなる。
これにより、アームのスパンをデータとして利用する演算処理を実施して求められた吊り荷重を表示する表示手段を備えたクレーン機能付油圧ショベルの場合においては、表示手段に表示される吊り荷重が実際の吊り荷重を上回って表示されるといった従来技術の欠点が克服され、常に正しい実荷重を表示できるようになる。
その結果、バケットを格納していれば問題ない吊り荷重で作業を行っているにも関わらず吊り荷重が過大であるといった誤った判定が下されることもなくなり、クレーン機能付油圧ショベルの能力の限界に応じた効率的なクレーン作業を継続して行うことができるようになる。
一方、吊り具にロードセルを取り付けて被懸吊物の重量を直接的に測定し、その測定値を表示手段に表示するようにしたクレーン機能付油圧ショベルの場合においては、ロードセルに作用すべき荷重の一部がバケットによって支えられるといった不具合がなくなり、表示手段に表示される吊り荷重が実際の吊り荷重を下回って表示されるといった従来技術の欠点が克服され、常に正しい実荷重を表示できるようになる。従って、実際の吊り荷重がクレーン機能付油圧ショベルの能力の限界を越えることはなくなり、極めて安全なクレーン作業が実施できるようになる。
【0074】
また、バケットがクラウド位置にあるか否かを判定するためのバケット位置判定手段は、バケットを揺動するための油圧回路を利用して配備するようにしているので、掘削作業やクレーン作業に際して直接的に酷使されるバケットの周辺に格別の検出手段を配備する必要がなく、装置全体の耐久性を確保することができる。この場合、油圧回路を利用したバケット位置検出手段は、バケットを移動させるバケット駆動用油圧シリンダやその管路上、または、バケット駆動用油圧シリンダの動作方向を切り替えるための方向切替弁やその管路上に設けることが可能である。
【0075】
特に、バケットをクラウド位置に揺動させるバケット駆動用油圧シリンダの圧力とバケット駆動用油圧シリンダの動作方向をクラウド側に切り替える方向切替弁の圧力が共に予め設定された基準圧に達した場合にだけバケットがクラウド位置にあるものと判定するようにバケット位置判定手段を構成することにより、車体の質量が作用する等によりバケット駆動用油圧シリンダの作動油の圧力が増大して吊り荷重用の表示手段の作動が許容されたり、バケットが完全な格納位置に揺動される前に表示手段の作動が許容されるといった不都合を未然に防止できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クレーン機能付油圧ショベルの一般的な構成例を示した外観図である。
【図2】バケット駆動用油圧シリンダの油圧回路を示したブロック図である。
【図3】図3(a)はバケットの動作に関連する油圧ポンプと方向切替弁および油圧シリンダを取り出して方向切替弁の構造を詳しく示した概念図、図3(b)は他の実施形態を示した概念図である。
【図4】図4(a)は吊り荷重を表示するための表示手段の一例を示す概念図、図4(b)はその構造を簡略化して示すブロック図である。
【図5】図5(a)は演算処理を利用して吊り荷重を測定する場合の構成を示した概念図、図5(b)はその問題点を示した概念図である。
【図6】図6(a)はロードセルを利用して吊り荷重を測定する場合の構成を示した概念図、図6(b)はその問題点を示した概念図である。
【符号の説明】
1 クレーン機能付油圧ショベル
2 上部旋回体
3 ブーム
4 アーム
5 ブーム駆動用油圧シリンダ
6 バケット
7 リンク機構
8 下部走行体
9 表示手段
9a 吊り荷重表示部
9b 限界値表示部
9c 警告表示灯
10 マイクロプロセッサ
11 入出力回路
12 ドライバ回路
13 ROM
14 RAM
15 バケット駆動用油圧シリンダ
15a ピストンロッド
15b ピストン
16a〜16f 方向切替弁
17a,17b,17c 油圧ポンプ
18 タンク
19 アーム駆動用油圧シリンダ
20 パイロット操作弁
20’ ジョイスティック
21a,21c 管路
21b 管路(方向切替弁に対しバケット駆動用油圧シリンダがクラウド位置に向けて駆動する方向に作動油を供給する管路)
23a 管路(バケット駆動用油圧シリンダをクラウド位置に向けて駆動する作動油を供給する管路)
23b,23c 管路
24a,24b リリーフ弁
25 管路
26 リリーフ弁
27 電源
28 誤作動防止手段
29 信号線
100 クレーンジブ
101 吊り具
102 チェーン
103 フック
104 ロードセル
105 被懸吊物
Pc1,Pc2 相対角度検出手段
Pc3 相対角度検出手段(バケット位置判定手段の一部)
Pr1 圧力検出手段
Pr1’ 圧力検出手段
Pr2 圧力検出手段(信号出力手段を含むバケット位置判定手段),第一の圧力検出手段(第一の予備信号出力手段を含むバケット位置判定手段の一部)
Pr2’ 圧力検出手段(信号出力手段を含むバケット位置判定手段)
Pr3 圧力検出手段(信号出力手段を含むバケット位置判定手段),第二の圧力検出手段(第二の予備信号出力手段を含むバケット位置判定手段の一部)
Pr2S クラウド位置検出信号,クラウド位置予備検出信号
Pr2’S クラウド位置検出信号
Pr3S クラウド位置検出信号,クラウド位置予備検出信号
SW0 電源スイッチ
SW1,SW2 常開式リレー接点(誤作動防止手段の一部,最終的な信号出力手段)
Ry1 自己保持リレー
Claims (3)
- 油圧ショベルを自走させるための下部走行体の上に旋回可能に装備された上部旋回体と、該上部旋回体に対し上下方向揺動可能に枢着されたブームと、このブームの先端に上下方向揺動可能に枢着されたアームと、該アームの先端に上下方向揺動可能に枢着されたバケットと、前記バケットの枢着部の近傍に装備された吊り具を有し、前記吊り具に作用する吊り荷重を表示する表示手段を備えたクレーン機能付油圧ショベルであって、
前記アームに対する前記バケットの揺動角度がクラウド位置にあるか否かを判定するためのバケット位置判定手段と、該バケット位置判定手段によって前記バケットがクラウド位置にあると判定された場合にのみ前記表示手段の作動を許可する誤作動防止手段とを設けたことを特徴とするクレーン機能付油圧ショベル。 - 前記バケット位置判定手段は、前記バケットを揺動するバケット駆動用油圧シリンダをクラウド位置に向けて駆動すべく供給される作動油の圧力を検出する圧力検出手段と、該圧力検出手段により検出された圧力と予め設定された基準圧とを比較して前記検出圧力が前記基準圧に達したときにクラウド位置検出信号を出力する信号出力手段とによって構成されていることを特徴とする請求項1記載のクレーン機能付油圧ショベル。
- 前記バケット位置判定手段は、前記バケットを揺動するバケット駆動用油圧シリンダをクラウド位置に向けて駆動すべく供給される作動油の圧力を検出する第一の圧力検出手段と、該第一の圧力検出手段により検出された圧力と予め設定された第一の基準圧とを比較して前記第一の圧力検出手段による検出圧力が前記第一の基準圧に達したときにクラウド位置予備検出信号を出力する第一の予備信号出力手段と、前記バケット駆動用油圧シリンダに対応して設けられた方向切替弁に対し、前記バケット駆動用油圧シリンダが前記バケットをクラウド位置に向けて駆動する方向に前記方向切替弁を切り替えるべく供給される作動油の圧力を検出する第二の圧力検出手段と、該第二の圧力検出手段により検出された圧力と予め設定された第二の基準圧とを比較して前記第二の圧力検出手段による検出圧力が前記第二の基準圧に達したときにクラウド位置予備検出信号を出力する第二の予備信号出力手段と、前記第一および第二の予備信号出力手段からのクラウド位置予備検出信号が同時に検出されたときにクラウド位置検出信号を出力する最終的な信号出力手段とによって構成されていることを特徴とする請求項1記載のクレーン機能付油圧ショベル。
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