JP4467421B2 - 液状感光性樹脂多層化フレキソ印刷版の製造方法 - Google Patents
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Description
一般的な液状感光性樹脂によるフレキソ印刷版の製版方法は、下方より活性光線を照射可能な構造であるガラス板の上にネガフィルムなどの画像担体を配置し、必要であればカバーフィルムで覆い、密着させ、その上に液状感光性樹脂組成物を塗工、さらに印刷版の支持体となる硬質フィルムをラミネートする過程で樹脂厚みの一次調整を行い、最後に上方より活性光線を照射可能な構造であるガラス板を支持体上部に密着させ、液状感光性樹脂組成物を挟んだ上下ガラス板の距離を一定の厚みとすることで最終的に目的のフレキソ印刷版の厚みを調整する成型工程を含むことが特徴である。
フレキソ印刷の印刷品質は、太い文字やベタ画像(均一な色付けを目的とした画像領域)ではインクの擦れがないこと、細かい文字や網点画像では解像度よく鮮明に画像形状が再現されることが重要であり、このような対極する印刷品質の要求を満たすために特許文献1は、単一構造の印刷版と二層構造の印刷版を同時に製造可能とするものであり、これらが複合した部分多層化印刷版の製造方法を開示している。
しかし、上述の如き画像領域を選択した液状感光性樹脂の塗工方法を含む部分多層化フレキソ印刷版の製造方法では、所望する塗工領域が比較的広い場合や、ある程度一定の範囲で存在する場合には特許文献1や特許文献2の方法を選択して使用することが有効の手段であるが、塗工領域が狭い場合や、塗工領域の形状が複雑な場合には、塗工を必要としないあるいは塗工したくない画像領域にはみ出さずに作業することは極めて困難である。
微小領域や複雑な領域形状への対応を実現するために特許文献2の簡易樹脂塗布装置の塗布幅を狭くした仕様が考えられるが、このような仕様では比較的広い領域を塗布するには帯状塗布を隣接して繰り返すことが必要となるが、特許文献2の仕様ではスペーサーの役目を担う車輪の存在によりこれを実施することが困難である。
したがって、部分多層化印刷版の製造方法において、さらに広くは、画像に応じて組成物の異なる液状感光性樹脂を印刷版最表面層に配置した液状感光性樹脂多層化フレキソ印刷版の製造方法において、任意の画像領域に対して自由度の高い液状感光性樹脂塗工技術が望まれている。
すなわち、本発明は、下記の通りである。
1.積層塗工した複数の液状感光性樹脂を活性光線を透過可能な硬質板間に挟んで均一な厚みとする成型工程を有する、液状感光性樹脂を用いた多層化フレキソ印刷版の製造方法であって、整膜機能を有する可とう性ノズルと可とう性ボトルから成る容器に充填された液状感光性樹脂を画像形成領域に帯状に塗布する工程を含むことを特徴とする液状感光性樹脂多層化フレキソ印刷版の製造方法。
2.該可とう性ノズルの抽出口長尺方向の長さが画像領域より短く、該液状感光性樹脂の帯状塗布を隣接して、或いは重ね合わせて繰り返すことを特徴とする1.に記載の液状感光性樹脂多層化フレキソ印刷版の製造方法。
3.該可とう性ノズルの先端部が鋸状切欠け構造を呈して成り、尚且つ両端が凹状構造であることを特徴とする1.または2.に記載の液状感光性樹脂多層化フレキソ印刷版の製造方法。
本発明は、液状感光性樹脂を用いた多層化フレキソ印刷版の製造方法の中でも、特に印刷版表面層を成す液状感光性樹脂硬化物が二種類以上の複数種類で構成された多層化フレキソ印刷版の製造方法であり、印刷版表面層を成す液状感光性樹脂組成物の配置方法に関して、整膜機能を有する可とう性ノズルと可とう性ボトルから成る容器を使用することを特徴としている。
なかでも本発明の多層化フレキソ印刷版の製造方法では、2種類以上の光重合速度、光硬化物硬度、各種溶媒に対する濡れ性の異なる樹脂組成物を版表面において画像領域によって選択的に配置することが効果的である。
(1) 活性光線透過性の硬質板(例えばガラス板)上にネガフィルムを置き、薄い保護フィルムでカバーした後、全画像領域の一部である所定の画像領域に整膜機能を有する可とう性ノズルと可とう性ボトルから成る容器に充填された液状感光性樹脂を帯状に塗布する工程(表層部A塗工工程)
(2) 画像領域全体に表層部A塗工工程で使用した液状感光性樹脂とは異なる樹脂組成の液状感光性樹脂を、保護フィルム上に表層部A塗工工程で塗布した液状感光性樹脂の厚み以上の所定の間隔でドクターブレードを用いて塗工する工程(表層部B塗工工程)
(3) 支持体となるベースフィルムを貼りあわせる工程(支持体ラミネート工程)、
(4) 全ての液状樹脂積層物の全体厚みが所望する一定の版厚になるようにスペーサーを介して活性光線透過性の硬質板により圧縮して厚みを規制する工程
段ボール印刷に用いるような印刷版の厚みが4mm以上の場合には、印刷時の印圧に対するレリーフの強度を補うための適切なレリーフ深度を実現するため、また液状感光性樹脂による製版システムの未硬化樹脂を再利用する利点を最大限にするために、レリーフの土台となるシェルフ層を形成するのが好ましく、この場合、支持体上にマスキングフィルムを密着させ、その上から活性光線透過性の硬質板で圧縮して厚みを規制する方法が好ましい。
本発明の当該成型工程における表層部A塗工工程の樹脂厚みは凡そ1mm以下であることが好ましい。
表層部A塗工工程の樹脂厚みが凡そ1mm以下の場合、次いで行われる表層部B塗工工程において表層部Aの段差部分における空気の混入を防止することができるため、多層化樹脂間の組成の違いによる効果が得られる範囲で出来るだけ薄い厚みで塗布することが望ましく、より好ましい表層部A塗工工程の樹脂厚みは0.01〜0.7mmの範囲、最も好ましいのは0.05〜0.5mmの範囲である。
表層部B塗工工程の樹脂厚みは表層部A塗工工程の樹脂厚みに対して0.05mm以上は厚く塗工されるよう調整することが望ましい。
表層部B塗工工程の樹脂厚みの上限は、特に制限するものではないが、フレキソ印刷に用いられる印刷版の一般的版厚を考慮すれば10mm以下の範囲で設定されることが望ましい。
表層部B塗工工程として、2種類の異なる液状感光性樹脂組成物を積層塗工する場合、例えば、印刷版表面層から光硬化物硬度の高い液状感光性樹脂を順次積層して、印刷版の厚み方向に硬度勾配を持たせた多層化フレキソ印刷版の成型を行う場合には、最初の表層部B塗工工程の樹脂厚みが表層部A塗工工程の樹脂厚みより厚く、次いで行う表層部B塗工工程の樹脂厚みより薄いことが好ましく、印刷版のレリーフ深さの中でこの硬度勾配が実現できる厚み調整を行うことがより好ましい。
当該容器は、上述した成型工程の内、表層部A塗工工程で使用することができ、液状感光性樹脂を充填して使用するためにそれぞれが分離可能な構造であり、それぞれに契合可能な加工が施されていることが好ましく、その形状は特に限定されるものではないが、最も簡便な契合形状としてノズル、ボトルのそれぞれに契合可能なネジ切りが施された構造を挙げることができ、それぞれが直線状に契合されることが好ましい契合様式の一態様であるが、作業上の利便性から角度を以ってノズルとボトルが契合されても良く、可とう性ノズルと可とう性ボトルを連結する部材を用いても良い。
非可とう性ノズルでは、後述する好ましいノズル形状においてノズル先端を押し付けて移動する際の接圧を緩和する能力を有しないために、接圧やノズル先端の接触角度の条件によって整膜後の厚み精度が悪いものとなる可能性がある。
当該容器のボトルは可とう性を有しており、液状感光性樹脂を充填した状態のボトルを手で握った際に変形し、内容物である液状感光性樹脂に圧力を加えてノズル抽出口から液状感光性樹脂を抽出可能である程度の柔軟性を有していることが好ましく、さらに握力を弱めることによりボトルが元の状態に変形回復して抽出樹脂が逆に吸い取られることが可能である程度の柔軟性であることがより好ましい。
本発明の多層化フレキソ印刷版の成型工程に用いる可とう性ボトルの形状は、好ましくは外径30〜100mmの範囲である筒状構造、より好ましくは円筒状であり、筒状構造の外径が30mm〜100mmの範囲であれば手の大きさに対して握ってボトルを変形させる操作が行い易く、最も好ましいのは外径50〜80mmの範囲である。
その他の形状については特に制限されるものではなく、握りやすくするためにボトル胴体部分に外径変化を有する構造、あるいは部材表面に凹凸を有する構造、更に突出口に向かって外径が細くボトルを逆さにした際に内容物が移動しやすい構造等、公知ボトル構造の技術を利用可能である。
本発明に適用する可とう性ノズルの好ましい形状は、ノズル全体が略一定厚みの材料からなり、液状感光性樹脂の流入口となる基端部周辺が円筒状であり、液状感光性樹脂の抽出口となる先端部周辺では基底部直径より短い一定厚みの流路を有する平坦状を呈し、すなわちノズルの途中で液状感光性樹脂流路の断面形状が円形から矩形に構造変化を有しており、ノズル先端部がノズル全体を斜めにして平面に接触させた時に抽出口に隙間が生じないように斜面構造を有し、抽出口が略長方形状あるいは略台形状を呈する構造である。
当該ノズル先端部が円筒構造であった場合、液状感光性樹脂が円柱状に突出された樹脂を平坦化すれば良いが、本発明に適用する可とう性ノズルが整膜機能を有するためには、ノズル先端部周辺が平坦構造を有し、尚且つ抽出圧力やノズル先端部の移動速度によって塗工樹脂厚みの均一性を保つためにはその最先端部が斜面構造を有することが好ましく、斜面上を呈するノズル先端部では部材自体もその断面が斜面を呈し、先端ほど薄い厚みであることが望ましい。
更に当該ノズル最先端部分の柔軟性に変化をつけて塗布樹脂の厚みを制御する方法として、当該ノズル最先端部分を切欠け構造として物理的な柔軟性を与える方法が好ましく、当該切欠け構造の形状としてはノズル最先端部分が平状になるような凸状形状の繰り返しでも良いが、ストライプ状に塗布された液状樹脂が平滑化されない可能性があるため、当該切欠け構造の形状としてはノズル最先端部分が点状になるよう三角形状の繰り返しによる構造、すなわち鋸状の構造が最も好ましい。また、当該ノズル最先端部分の切っ先は、ほぼ直線状であることが後述する塗布方法の最後に行う樹脂の掻き取り易さ点からは好ましいが、塗布幅の中央部分と端部分における塗布樹脂の厚み精度を高めるため、すなわち液状感光性樹脂の流速の高い中央部で厚く樹脂が塗布されることを防ぐために、切っ先部の中央部分がやや膨らんだ形状を呈するよう曲線状にすることも好ましい態様の一つである。
当該ノズル最先端部の斜面構造が10°より大きい角度であれば、ノズル最先端部の強度が強くなるため塗布樹脂の厚み精度が良くなるだけでなく、先端部の破損あるいは変形による異常塗布面発生を防止することができる。一方、60°より小さい角度であれば後述する塗布作業における好ましい容器全体の傾け角度において、当該ノズルの最先端部が塗布対象面から離れるのを防ぎ、所定の樹脂厚みに塗布することができる。最も好ましい当該ノズル最先端部の斜面構造の角度は15〜45°の範囲である。
当該ノズル先端部の略長方形状あるいは略台形状を呈してなる抽出口は、長尺辺の長さが15〜100mmの範囲、短尺辺の長さが0.5〜20mmの範囲が好ましく、多層化構造で所望される樹脂塗工厚みと液状感光性樹脂の樹脂粘度に応じて適宜選択して調整されることが好ましい。
当該ノズルの液状感光性樹脂が通過する流路として、ボトルとの契合部分である基底部の径に対して抽出口へと向かう平坦構造の厚みを示す長さが小さいことが好ましいことは、前述の通りであり、平坦構造の幅を示す長さは特に制限されるものではなく、好ましい態様としては基底部の径から徐々に抽出口に向かって幅が広がった形状、途中で幅が狭まった部位を有し抽出口に向かって幅広がった形状等が挙げられる。
まず、当該容器をノズル部分が下方に位置するような状態に手で持ち、当該ボトル部分を手で握って当該ノズルの抽出口に液状感光性樹脂が現れることを確認した後に、当該ノズル最先端部を対象塗布面の塗布画像領域端部に配置、ノズル抽出口全体が対象塗布面に密着する状態で更に握力を増して液状感光性樹脂がノズル抽出口全体に充満することを確認する。この時の当該容器の塗布対象面に対する傾け角度は、当該ノズル最先端部の斜面構造の角度と同等の状態であることが好ましい。
当該塗布画像領域の相対するもう一方の端部にノズル先端部が移動した時、再度ノズル抽出口全体が対象塗布面に密着する状態に容器全体を傾けた状態とし、ボトル部分の変形が元の形状になるよう握力を低下させる。
以上の所作によって略一定の厚みで液状感光性樹脂を帯状に塗布することが可能である。
すなわち、該可とう性ノズルの抽出口長尺方向の長さが対象画像領域の短辺より短い時、該液状感光性樹脂の帯状塗布を隣接して、或いは重ね合わせて繰り返すことによって対象の画像領域全体を塗布することが可能である。
されるものではない。
<樹脂組成調製と物性測定>
以下の方法によって液状感光性樹脂組成物を調製し、準備した。
製造例1:不飽和プレポリマーAの製造
1000gのポリ(3-メチル-1,5-ペンタンジオールアジペート)ジオール(水酸基価:37KOHmg/g)と1000gのポリオキシエチレン(EO)−オキシプロピレン(PO)ブロック共重合ジオール(水酸基価:44KOHmg/g、EO含量30wt%)との混合物に対して45ppmのジブチル錫ジラウレート(以下BTLと略して記載する)を加え40℃で均一になるまで攪拌し、次いで148.5gのトリレンジイソシアネート(以下TDIと略して記載する)を加えてさらに攪拌し、均一となったところで80℃まで昇温の後凡そ4〜5時間反応させて両末端にイソシアネート基を有するプレポリマー前駆体とした。さらに436.0gのポリ(オキシプロピレン)グリコールモノメタアクリレート(平均分子量380、以下PPMAと略して記載する)を加えて凡そ2時間反応させた後、サンプルを一部取り出してIR分光測定器によりイソシアネート基消失を確認し、GPCにより求めた数平均分子量が17000のポリウレタン系不飽和プレポリマーAを得た。
1000gのポリ(3-メチル-1,5-ペンタンジオールアジペート)ジオール(水酸基価:37KOHmg/g)と1000gのポリオキシエチレン(EO)−オキシプロピレン(PO)ブロック共重合ジオール(水酸基価:44KOHmg/g、EO含量30wt%)との混合物に対して45ppmのBTLを加え40℃で均一になるまで攪拌し、次いで189.5gのTDIを加えてさらに攪拌し、均一となったところで80℃まで昇温の後凡そ4〜5時間反応させて両末端にイソシアネート基を有するプレポリマー前駆体とした。さらに462.5gのPPMAを加えて凡そ2時間反応させた後、サンプルを一部取り出してIR分光測定器によりイソシアネート基消失を確認し、GPCにより求めた数平均分子量が8500のポリウレタン系不飽和プレポリマーBを得た。
得られた不飽和プレポリマーA、Bに表1に示す組成を調合し、60℃で2時間程度の攪拌混合を行うことに依って、樹脂組成物1〜3を得た。
1)粘度測定方法
準備した液状感光性樹脂組成物を温度20℃、湿度70%の恒温恒湿室内に一日放置し、同室内においてB形粘度計形式B8H(株式会社東京計器製)を用いて粘度測定を実施した。
2−1)サンプル成型
5mm厚のガラス板(透過率約80%)を二枚準備し、その一方を透明なポリエチレンフィルムで密着して覆い、その上に30mm×150mmの開口部を有する厚み8mmの型枠を置き、型枠内に液状感光性樹脂を充填した。次いで液状感光性樹脂表面を型枠サイズに断裁した片面粘着層を有するポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体、透過率約80%)で空気が入らないように覆った後、他方の5mm厚のガラス板を用いてガラス板同士をクリップで挟み、液状樹脂の厚みが一定となるまで暫く遮光状態、25℃前後の室温で放置し、TO露光サンプルとした。
光源として370nmに中心波長領域を有する紫外線蛍光灯を照度ムラのないように多灯並列に配置したものを作成して露光機として用いた。露光機下には可動式サンプル台を設け、室温25℃においてランプ照度が安定したことを確認し、サンプル樹脂表面の高さにおいて紫外線測定器UV−M02(商標・オーク製作所製)により測定した350nmの波長における照射量が0.8mW/cm2と成るようにランプ出力とサンプル台高さを調整した。
TO露光サンプルの支持体側のガラス板型枠部分に30mm×60mmの遮光用ゴム板を並べて配置し、型枠内の液状感光背樹脂が完全に覆われていることを確認した。この作業は、作業中に露光が行われないよう、露光機から離れた場所で行う必要がある。そして、ゴム板で樹脂を覆ったTO露光サンプルを露光機下のサンプル台に移し、横一列にゴム板が並ぶよう配置した。
露光は、遮光用ゴム板を0秒、60秒、120秒、180秒、240秒の時間で順次取り外すことで行い、露光開始後300秒経過した時点でTO測定サンプル全体を遮光するゴム板をサンプル上に置くことで露光を終了した。結果的にTO測定サンプル表面には48mJ/cm2、96mJ/cm2、144mJ/cm2、192mJ/cm2、240mJ/cm2の照射量で露光を行ったことになる。
AL−400W型現像機(商標・旭化成ケミカルズ(株)製、ドラム式スプレー現像機)に不飽和プレポリマーA及びBを現像するために有用な現像剤W−10(商標・旭化成ケミカルズ(株)製、アニオン界面活性剤水溶液)を1.5wt%、表面処理剤A−10(商標・旭化成ケミカルズ(株)製、ベンゾフェノン含有ノニオン界面活性剤水溶液)を0.5wt%、消泡剤SH−4(商標・旭化成ケミカルズ(株)製、シリコン系消泡剤)を0.3wt%加えた水溶液を作成し、現像液温度30℃、スプレー圧0.2MPa、現像時間10分で現像を実施した。
紫外線蛍光灯、殺菌灯の双方を装備したALF−200UP型後露光機(商標・旭化成ケミカルズ(株)製)の水槽に水を貯めて用いる水中後露光において、それぞれの光源から照射される露光量が液状感光性樹脂硬化物表面で2500mJ/cm2となる露光時間で露光を行った。
ALF−DRYER(商標・旭化成ケミカルズ(株)製)で版表面の水分が無くなるまで凡そ10分間乾燥を行った。
乾燥したTO硬化物は室温まで冷却し、プッシュブルゲージを有する接触面10mmφ
の版厚計を200gの荷重で用いて、樹脂硬化物の厚みを測定した。
測定結果から照射露光量(mJ/cm2)と版厚(/100mm)の関係を図示し、そのグラフから液状感光性樹脂の不溶化感度特性を把握した。
3)ショアA硬度測定方法
後述する評価印刷版の製造方法と同様の方法により、調合した樹脂組成物を単独で用い
た7mm印刷版を作成した。
ベタ画像領域のサンプル片を温度20℃、湿度70%の恒温恒湿室内に一日放置し、J
IS定圧荷重器GS−710(株式会社テクロック社製、デュロメーターGS−719G
ASTM:D2240A、JIS:K6253A、ISO:7619A)を1kg荷重
で用いて測定し、測定開始後15秒後の値をショアA硬度として求めた。
印刷版製造は、成型工程と露光工程の機能を兼ね備えた装置として、波長370nmに中心波長領域を有する80Wの紫外線蛍光灯を装備し、紫外線測定器UV−M02(商標・オーク製作所製)で測定したガラス越し光照射強度が上部4.5mW/cm2、下部5.5mW/cm2であるAWF−110E型製版機(商標・旭化成ケミカルズ(株)製)を使用し、網点グラデーションパターン5%濃度のレリーフが完全に形成するレリーフ露光量を適正化して実施し、続く未硬化樹脂の回収工程、現像工程、乾燥工程はAWF−110W型回収・洗浄・乾燥機(商標・旭化成ケミカルズ(株)製)を、後露光工程はAWF−110E型製版機(商標・旭化成ケミカルズ(株)製)の後露光ユニットをTO法による光硬化特性測定で行った現像工程、後露光工程、乾燥工程の条件に準じた条件で併用することによって実施した。
<可とう性ボトル>
実施例1で使用した可とう性ボトル14を図1に示す。
ボトル胴体部分を手で握るとボトルが容易に変形し、握力を弱めると元の形状に戻ることを確認した。
実施例1で使用した可とう性ノズル13を図2に示す。
全体形状は、液状感光性樹脂流入口5が円筒状、先端部周辺では平坦構造7を成し、ノズル最先端部は角度30°の斜面構造、切っ先は両端部が凹状12となる底辺3mm、高さ1.5mmの二等辺三角形状の連続による切欠け構造8を有しており、液状感光性樹脂流入口内径16mm、液状感光性樹脂抽出口6の長尺辺10の長さが33mm、短尺辺11の長さが30mm、高さ45mm、液状感光性樹脂流入口5には他の部材との契合のためにネジ状構造4を施したものであり、低密度ポリエチレン6gを材料とした射出成型によって樹脂厚み1.5mmのノズルを成型して準備した。
ノズルを斜めにして最先端部を机の上に接触させた時、切っ先部分全体が均等に接地し、更にその状態でノズル全体に力を入れて机に押しつけた際には平坦構造部分7から先が変形し、圧力を抜くことで容易にその変形は回復した。
本発明の液状感光性樹脂多層化フレキソ印刷版の製造方法における成型工程で表層部A塗工工程を実施するための容器は、準備した可とう性ボトル14に可とう性ボトルと可とう性ノズルを連結する部材15を介して準備した可とう性ノズル13を装着したものであり、その状態を図3に示す。
印刷版の製造に用いた画像を図4に示す。
図4は印刷されたポジ画像であり、印刷版の製造用にはポジ画像を白黒反転させたネガ画像を銀塩フィルムに出力して用いた。
本発明の液状感光性樹脂多層化フレキソ印刷版の製造方法における成型工程で表層部A塗工工程を実施した画像領域は、図4に点線枠で示した領域であり、すなわち濃度10%の30LPI(25.4mm角の面積を縦横に分割する本数を示す単位であり、値が高いほど高精細な網点画像を表す)網点画像領域16、バーコード画像領域17、ゴシック調細字画像領域18、細線画像領域19、濃度10%〜90%の30LPIの網点グラデーション画像領域20、実用細字図柄画像領域である。
まず、下ガラス上にネガフィルムを置き、その上を厚さ20μmのポリプロピレンシート(保護フィルム)で覆い、真空吸引によりポリプロピレンシートを密着させた。
その後、順次、ゴシック調細字画像領域18、細線画像領域19、濃度10%〜90%の30LPIの網点グラデーション画像領域20、実用細字図柄画像領域21について、濃度10%の30LPI網点画像領域16で行ったのと同様の隣接塗布方法によって樹脂組成物3の塗工を目的とする画像について作業を終了した。
樹脂組成物3の塗工厚みを確認するため湿式膜厚計TYPE WTG−3(商標・ASAHI SUNAC(株)社製)を用いて、ゴシック調細字画像領域18、細線画像領域19、濃度10%〜90%の30LPIの網点グラデーション画像領域20、実用細字図柄画像領域21のそれぞれレリーフ表面とならない空白部分を測定した結果、樹脂組成物3は0.2〜0.3mmの範囲で塗工されていることが確認された。
成型工程は、その後、AWF−110E型製版機(商標・旭化成ケミカルズ(株)製)のキャップ版自動成型モードにより、樹脂組成物2と樹脂組成物1の同時積層塗工、厚さ200μmの樹脂接着層を有するポリエステルフィルム(支持体フィルム)のラミネートが施された後、版厚7mmのフレキソ印刷版製造用に図4の画像に合わせて準備されたマスキングフィルムをネガフィルムの画像に合致するよう設置して終了した。
得られた多層化フレキソ印刷版は、表層部A塗工工程を実施した画像領域では3層構造、その他の画像領域では2層構造を有する。
実施例1について、可とう性ノズルの構造を図5に示す構造とすること以外は同様の方法によって多層化フレキソ印刷版を完成させた。
樹脂組成物3の塗布に要した時間は5分程度と実施例1と同等の時間であり、樹脂組成物3の塗工厚みの測定結果は、帯状隣接塗布部分の樹脂厚みがやや薄く0.1mm程度であったが、その他の領域は0.2〜0.3mmの範囲であった。
実施例1について、樹脂組成物3を塗工した後に樹脂組成物1を単層版自動成型モードで塗工すること以外は同様の方法によって多層化フレキソ印刷版を完成させた。
樹脂組成物3の塗布に要した時間は5分程度と実施例1と同等の時間であり、樹脂組成物3の塗工厚みの測定結果は0.2〜0.3mmの範囲であった。
得られた多層化フレキソ印刷版は、表層部A塗工工程を実施した画像領域では2層構造、その他の画像領域では樹脂組成物1による単層構造を有する。
実施例1について、樹脂組成物3の塗工を以下の手法に説明する簡易ドクタースキージ方法で行ったこと以外は同様の方法によって多層化フレキソ印刷版を完成させた。
簡易ドクタースキージ方法においては、実施例1と同様の領域割で樹脂組成物3を塗工することはスペーサーを設置できない領域があるために難しく、時間短縮も考慮して図6に示す点線枠領域を表層部A塗工領域として実施した。
続けて、長さ200mm程度の上記同様のステンレス板を用いて、その他の四つの画像についても樹脂組成物3の塗布を実施した。
樹脂組成物3の塗布に要した時間は一時間を超えた。その原因は、スキージ前にガラス上に抽出する樹脂量が多く塗布後の拭き取りに時間を要したこと、ステンレス板を画像領域のマスキング代わりに使用するため次の作業のために付着した樹脂を拭き取る作業が必要であったこと、既に塗布が終了した領域近くで次の塗布作業を行う際には細心の注意が必要であったこと等が挙げられる。
更に樹脂組成物3の塗布に要した樹脂量は、実施例1に比べて3倍程度になった。その原因は、拭きとって廃棄した樹脂が多いこと、また時間短縮のために本来塗布の必要ない領域に塗布を実施したためである。
実施例1の成型工程について、樹脂組成物3の塗工を特許文献2の第一図、第二図と同様の構造を有し、液状感光性樹脂を150mm幅の帯状に塗布することが可能な簡易樹脂塗布装置に樹脂組成物3を充填して用いて行ったところ、所定の領域からはみだして塗布される樹脂が多く、周囲の領域との干渉により全ての領域を塗布することが不可能であった。
そこで図6の塗布領域での実施も試みたが、帯状隣接塗布の際に既に塗布した領域を車輪が通るため濃度10%〜90%の30LPIの網点グラデーション画像領域20とバーコード画像領域17を合わせた領域を塗布することは不可能であった。
実施例1について、樹脂組成物3を塗工しないこと以外は同様の方法によって多層化フレキソ印刷版を完成させた。
得られた多層化フレキソ印刷版は、全画像領域において表面層が樹脂組成物2、下層が樹脂組成物1から成る2層構造を有する。
実施例1と参考例1で得られた多層化フレキソ印刷版について、以下の条件で段ボール印刷を実施して比較評価した結果、実施例1の多層化フレキソ印刷版は、参考例1の版に対して、細字、バーコードが鮮明に印刷されており、網点画像においても全体に明るく印刷されており、段ボールフルートの凹凸に応じた濃淡(段目現象)も非常に軽微であった。
JEMフレキソ印刷機(商標・日本電子精機(株)製)を用いて、アニ圧は版表面全体にアニロックスロールからのインクが付着する圧力より+0.05mm追い込んだ条件、印圧についてはベタ画像の潰しを満足するまで印圧を追い込んだ条件を適正条件として、A段Cライナーの段ボール印刷テストを実施した。
印刷条件; インク:スーパーワッサーZSL3黒(商標・大阪印刷インキ(株)製)
インク粘度:8〜9秒/ザーンカップ#4(20℃)
インキング機構:リバースドクター方式
アニロックス線数:250LPI
段シート:ノンコート175g/m2表面シート、強化中芯
印刷速度:65枚/分
2:可とう性ボトルのネジ状契合部分
3:可とう性ボトルの液状感光性樹脂突出口
4:可とう性ノズルのネジ状契合部分
5:可とう性ノズルの液状感光性樹脂流入口
6:可とう性ノズルの液状感光性樹脂抽出口
7:可とう性ノズルの先端部周辺の平坦構造
8:可とう性ノズル最先端部の切欠け構造
9:可とう性ノズル最先端部分の斜面構造の角度
10:可とう性ノズルの液状感光性樹脂抽出口の長尺辺
11:可とう性ノズルの液状感光性樹脂抽出口の短尺辺
12:可とう性ノズル最先端部分が切っ先に対して凹状を呈した構造
13:可とう性ノズル
14:可とう性ボトル
15:可とう性ノズルと可とう性ボトルを連結する部材
16:濃度10%の30LPI網点画像領域
17:バーコード画像領域
18:ゴシック調細字画像領域
19:細線画像領域
20:濃度10%〜90%の30LPIの網点グラデーション画像領域
21:実用細字図柄画像領域
Claims (3)
- 積層塗工した複数の液状感光性樹脂を活性光線を透過可能な硬質板間に挟んで均一な厚みとする成型工程を有する、液状感光性樹脂を用いた多層化フレキソ印刷版の製造方法であって、整膜機能を有する可とう性ノズルと可とう性ボトルから成る容器に充填された液状感光性樹脂を画像形成領域に帯状に塗布する工程を含むことを特徴とする液状感光性樹脂多層化フレキソ印刷版の製造方法。
- 該可とう性ノズルの抽出口長尺方向の長さが画像領域より短く、該液状感光性樹脂の帯状塗布を隣接して、或いは重ね合わせて繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の液状感光性樹脂多層化フレキソ印刷版の製造方法。
- 該可とう性ノズルの先端部が鋸状切欠け構造を呈して成り、尚且つ両端が凹状構造であることを特徴とする請求項1または2に記載の液状感光性樹脂多層化フレキソ印刷版の製造方法。
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