JP4466391B2 - 無線タグ通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、無線にて情報の書き込みや読み出しができる無線タグとの間で通信を行う無線タグ通信装置の改良に関する。
所定の情報が記憶された小型の無線タグ(応答器)から所定の無線タグ通信装置(質問器)により非接触にて情報の読み出しを行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが知られている。このRFIDシステムは、無線タグが汚れている場合や見えない位置に配置されている場合であっても無線タグ通信装置との通信によりその無線タグに記憶された情報を読み出すことが可能であることから、商品管理や検査工程等の様々な分野において実用が期待されている。
ところで、通常、前記無線タグ通信装置は、前記無線タグに向けて所定の送信信号をアンテナから送信すると共に、その送信信号を受信した無線タグから返信される返信信号をアンテナにより受信することでその無線タグとの間で情報の通信を行うが、その受信された返信信号に送信側からの強い回り込み信号が混入して全体の受信信号強度が増大する。これにより、増幅器の許容入力強度を超えてしまうことから、受信信号を十分に増幅することができず、結果として返信信号成分を十分増幅することができないため、信号対雑音比が低下するという不具合があった。そこで、斯かる送信側からの回り込み信号を除去する技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載された移動体識別装置の干渉補償装置がそれである。
特開平8−122429号公報
しかし、前記従来の技術における送信側からの回り込み信号の除去は、その回り込み信号を除去するための補償信号(キャンセル信号)の振幅及び位相等の制御を専らアナログ処理により行うものであり、比較的高価で大型の移相器が必要であることに加え、その制御も困難であるという弊害があった。すなわち、送信側からの回り込み信号を除去し得る簡単な構成の無線タグ通信装置は、未だ開発されていないのが現状である。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、送信側からの回り込み信号を除去し得る簡単な構成の無線タグ通信装置を提供することにある。
斯かる目的を達成するために、本第1発明の要旨とするところは、無線タグに向けて所定の送信信号をアンテナから送信すると共に、その送信信号に応答して無線タグから返信される返信信号をアンテナにより受信することでその無線タグとの間で情報の通信を行う無線タグ通信装置であって、そのアンテナにより受信された受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を除去するための第1キャンセル信号を、所定サンプリング点において各位相に対応するサンプリング値が予め記憶された正弦波又は余弦波テーブルに基づいてディジタル信号として出力する第1キャンセル信号出力部と、その第1キャンセル信号出力部から出力される第1キャンセル信号の振幅及び位相の少なくとも一方を制御する第1キャンセル信号制御部と、前記第1キャンセル信号出力部から出力される第1キャンセル信号をアナログ変換する第1キャンセル信号D/A変換部と、その第1キャンセル信号D/A変換部によりアナログ変換された第1キャンセル信号及び前記受信信号を合成する第1信号合成部とを、含むことを特徴とするものである。
また、前記目的を達成するために、本第2発明の要旨とするところは、無線タグに向けて所定の送信信号をアンテナから送信すると共に、その送信信号に応答して無線タグから返信される返信信号をアンテナにより受信することでその無線タグとの間で情報の通信を行う無線タグ通信装置であって、そのアンテナにより受信された受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を除去するための第1キャンセル信号をディジタル信号として出力する第1キャンセル信号出力部と、その第1キャンセル信号出力部から出力される第1キャンセル信号の振幅及び位相の少なくとも一方を制御する第1キャンセル信号制御部と、前記第1キャンセル信号出力部から出力される第1キャンセル信号をアナログ変換する第1キャンセル信号D/A変換部と、その第1キャンセル信号D/A変換部によりアナログ変換された第1キャンセル信号及び前記受信信号を合成する第1信号合成部と、前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を除去するための第2キャンセル信号をディジタル信号として出力する第2キャンセル信号出力部と、その第2キャンセル信号出力部から出力される第2キャンセル信号の振幅及び位相の少なくとも一方を制御する第2キャンセル信号制御部と、前記第2キャンセル信号出力部から出力される第2キャンセル信号をアナログ変換する第2キャンセル信号D/A変換部と、その第2キャンセル信号D/A変換部によりアナログ変換された第2キャンセル信号及び前記第1信号合成部から出力される第1合成信号を合成する第2信号合成部と、その第2信号合成部から出力される第2合成信号を復調する復調部と、その復調部から出力される復調信号の直流成分を検出する直流成分検出部と、前記送信信号をディジタル信号として出力する送信ディジタル信号出力部と、その送信ディジタル信号出力部から出力される前記送信信号をアナログ変換する送信信号D/A変換部と、前記第1信号合成部及び第1合成信号振幅検出部の間に備えられてその第1信号合成部から出力される第1合成信号をディジタル変換する第1合成信号A/D変換部と、前記第2信号合成部及び復調部の間に備えられてその第2信号合成部から出力される第2合成信号をディジタル変換する第2合成信号A/D変換部と、前記受信信号をディジタル変換する受信信号A/D変換部と、所定の補正信号を出力する補正信号出力部と、前記送信信号D/A変換部によりアナログ変換された送信信号の周波数をその補正信号出力部から出力される補正信号の周波数だけ高くする第1アップコンバータと、前記第1信号合成部から出力される第1合成信号の周波数を前記補正信号出力部から出力される補正信号の周波数だけ低くする第1ダウンコンバータと、前記受信信号の周波数を前記補正信号出力部から出力される補正信号の周波数だけ低くする第2ダウンコンバータとを、備え、前記第2キャンセル信号制御部は、前記直流成分検出部により検出される前記復調信号の直流成分に基づいて前記第2キャンセル信号の位相を制御するものであり、前記第1キャンセル信号D/A変換部、第2キャンセル信号D/A変換部、送信信号D/A変換部、第1合成信号A/D変換部、第2合成信号A/D変換部、及び受信信号A/D変換部は、共通のクロック信号を用いるものであることを特徴とするものである。
このように、前記第1発明によれば、前記アンテナにより受信された受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を除去するための第1キャンセル信号を、所定サンプリング点において各位相に対応するサンプリング値が予め記憶された正弦波又は余弦波テーブルに基づいてディジタル信号として出力する第1キャンセル信号出力部と、その第1キャンセル信号出力部から出力される第1キャンセル信号の振幅及び位相の少なくとも一方を制御する第1キャンセル信号制御部と、前記第1キャンセル信号出力部から出力される第1キャンセル信号をアナログ変換する第1キャンセル信号D/A変換部と、その第1キャンセル信号D/A変換部によりアナログ変換された第1キャンセル信号及び前記受信信号を合成する第1信号合成部とを、含むことから、簡単且つ実用的な態様にてディジタル信号としてのキャンセル信号を出力でき、その第1キャンセル信号を制御するための移相器が不要となることに加え、ディジタル信号処理によりその信号の振幅や位相を制御することが容易となる。すなわち、送信側からの回り込み信号を除去し得る簡単な構成の無線タグ通信装置を提供することができる。
また、前記第2発明によれば、前記アンテナにより受信された受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を除去するための第1キャンセル信号をディジタル信号として出力する第1キャンセル信号出力部と、その第1キャンセル信号出力部から出力される第1キャンセル信号の振幅及び位相の少なくとも一方を制御する第1キャンセル信号制御部と、前記第1キャンセル信号出力部から出力される第1キャンセル信号をアナログ変換する第1キャンセル信号D/A変換部と、その第1キャンセル信号D/A変換部によりアナログ変換された第1キャンセル信号及び前記受信信号を合成する第1信号合成部と、前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を除去するための第2キャンセル信号をディジタル信号として出力する第2キャンセル信号出力部と、その第2キャンセル信号出力部から出力される第2キャンセル信号の振幅及び位相の少なくとも一方を制御する第2キャンセル信号制御部と、前記第2キャンセル信号出力部から出力される第2キャンセル信号をアナログ変換する第2キャンセル信号D/A変換部と、その第2キャンセル信号D/A変換部によりアナログ変換された第2キャンセル信号及び前記第1信号合成部から出力される第1合成信号を合成する第2信号合成部と、その第2信号合成部から出力される第2合成信号を復調する復調部と、その復調部から出力される復調信号の直流成分を検出する直流成分検出部と、前記送信信号をディジタル信号として出力する送信ディジタル信号出力部と、その送信ディジタル信号出力部から出力される前記送信信号をアナログ変換する送信信号D/A変換部と、前記第1信号合成部及び第1合成信号振幅検出部の間に備えられてその第1信号合成部から出力される第1合成信号をディジタル変換する第1合成信号A/D変換部と、前記第2信号合成部及び復調部の間に備えられてその第2信号合成部から出力される第2合成信号をディジタル変換する第2合成信号A/D変換部と、前記受信信号をディジタル変換する受信信号A/D変換部と、所定の補正信号を出力する補正信号出力部と、前記送信信号D/A変換部によりアナログ変換された送信信号の周波数をその補正信号出力部から出力される補正信号の周波数だけ高くする第1アップコンバータと、前記第1信号合成部から出力される第1合成信号の周波数を前記補正信号出力部から出力される補正信号の周波数だけ低くする第1ダウンコンバータと、前記受信信号の周波数を前記補正信号出力部から出力される補正信号の周波数だけ低くする第2ダウンコンバータとを、備え、前記第2キャンセル信号制御部は、前記直流成分検出部により検出される前記復調信号の直流成分に基づいて前記第2キャンセル信号の位相を制御するものであり、前記第1キャンセル信号D/A変換部、第2キャンセル信号D/A変換部、送信信号D/A変換部、第1合成信号A/D変換部、第2合成信号A/D変換部、及び受信信号A/D変換部は、共通のクロック信号を用いるものであることから、第1キャンセル信号を制御するための移相器が不要となることに加え、ディジタル信号処理によりその信号の振幅や位相を制御することが容易となる。すなわち、送信側からの回り込み信号を除去し得る簡単な構成の無線タグ通信装置を提供することができる。
ここで、前記第1発明乃至第2発明において、好適には、前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を除去するための第2キャンセル信号をディジタル信号として出力する第2キャンセル信号出力部と、その第2キャンセル信号出力部から出力される第2キャンセル信号の振幅及び位相の少なくとも一方を制御する第2キャンセル信号制御部と、前記第2キャンセル信号出力部から出力される第2キャンセル信号をアナログ変換する第2キャンセル信号D/A変換部と、その第2キャンセル信号D/A変換部によりアナログ変換された第2キャンセル信号及び前記第1信号合成部から出力される第1合成信号を合成する第2信号合成部とを、含むものである。このようにすれば、前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を二重に除去することができ、信号対雑音比を更に高められる。
また、好適には、前記第1キャンセル信号及び第2キャンセル信号は、互いに周波数が異なるものである。このようにすれば、各周波数に対応した制御信号を用いることができ、制御が容易になる。
また、好適には、前記第1信号合成部及び第2信号合成部の間にその第1信号合成部から出力される第1合成信号の振幅を変更するための増幅部を含むものである。このようにすれば、前記第2信号合成部において第1合成信号及び第2キャンセル信号を好適に合成できる。また、受信信号成分を増幅できるため感度が向上する。
また、好適には、前記第2信号合成部から出力される第2合成信号の振幅を変更するための増幅部を含むものである。このようにすれば、ディジタル変換或いは復調等に際して第2合成信号を好適に変換できる。
また、好適には、前記受信信号の振幅を検出する受信信号振幅検出部を含み、前記第1キャンセル信号制御部は、その受信信号振幅検出部により検出される前記受信信号の振幅に基づいて前記第1キャンセル信号の振幅を制御するものである。このようにすれば、前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を好適に除去できる。
また、好適には、前記第1信号合成部から出力される第1合成信号の振幅を検出する第1合成信号振幅検出部を含み、前記第1キャンセル信号制御部は、その第1合成信号振幅検出部により検出される前記第1合成信号の振幅に基づいて前記第1キャンセル信号の位相を制御するものである。このようにすれば、前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を好適に除去できる。
また、好適には、前記第2キャンセル信号制御部は、前記第1合成信号振幅検出部により検出される前記第1合成信号の振幅に基づいて前記第2キャンセル信号の振幅を制御するものである。このようにすれば、前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を好適に除去できる。
また、好適には、前記第2信号合成部から出力される第2合成信号を復調する復調部と、その復調部から出力される復調信号の直流成分を検出する直流成分検出部とを、含み、前記第2キャンセル信号制御部は、その直流成分検出部により検出される前記復調信号の直流成分に基づいて前記第2キャンセル信号の位相を制御するものである。このようにすれば、前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を好適に除去できる。
また、好適には、前記送信信号をディジタル信号として出力する送信ディジタル信号出力部と、その送信ディジタル信号出力部から出力される前記送信信号をアナログ変換する送信信号D/A変換部と、前記第1信号合成部及び第1合成信号振幅検出部の間に備えられてその第1信号合成部から出力される第1合成信号をディジタル変換する第1合成信号A/D変換部と、前記第2信号合成部及び復調部の間に備えられてその第2信号合成部から出力される第2合成信号をディジタル変換する第2合成信号A/D変換部と、前記受信信号をディジタル変換する受信信号A/D変換部とを、含み、前記第1キャンセル信号D/A変換部、第2キャンセル信号D/A変換部、送信信号D/A変換部、第1合成信号A/D変換部、第2合成信号A/D変換部、及び受信信号A/D変換部は、共通のクロック信号を用いるものである。このようにすれば、送信信号と受信信号との間における基準位相の変動を防止することができ、前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を好適に除去できる。とりわけ、前記受信信号を中間周波数信号にダウンコンバートした後に復調等の処理を行う方式では、A/D変換器のクロック信号と中間周波数信号の周波数変動により復調結果に大きな低周波成分が発生するという弊害があるが、ディジタル変換及びアナログ変換を共通のクロック信号を用いて行うことで斯かる弊害を解消できる。
また、好適には、所定の補正信号を出力する補正信号出力部と、前記送信信号D/A変換部によりアナログ変換された送信信号の周波数をその補正信号出力部から出力される補正信号の周波数だけ高くする第1アップコンバータと、前記第1信号合成部から出力される第1合成信号の周波数を前記補正信号出力部から出力される補正信号の周波数だけ低くする第1ダウンコンバータとを、含むものである。このようにすれば、構成を簡単にでき安価な装置により前記第1合成信号のディジタル変換及送信信号のびアナログ変換を行うことができる。
また、好適には、前記受信信号の周波数を前記補正信号出力部から出力される補正信号の周波数だけ低くする第2ダウンコンバータを含むものである。このようにすれば、更に構成を簡単にでき可及的安価な装置により前記受信信号のディジタル変換を行うことができる。
また、好適には、前記送信ディジタル信号出力部は、所定サンプリング点において各位相に対応するサンプリング値が予め記憶された正弦波又は余弦波テーブルに基づいて前記送信信号を出力するものである。このようにすれば、簡単な構成によりディジタル信号である送信信号を出力できる。
また、好適には、前記第1キャンセル信号出力部は、前記正弦波又は余弦波テーブルに基づいて前記第1キャンセル信号を出力するものであり、前記第1キャンセル信号制御部は、その正弦波又は余弦波テーブルの読み出し位置を変更することにより前記第1キャンセル信号の位相を制御するものである。このようにすれば、簡単な構成によりディジタル信号である第1キャンセル信号を出力できると共に、その第1キャンセル信号の位相を容易に制御できる。
また、好適には、前記第1キャンセル信号制御部は、前記正弦波又は余弦波テーブルに基づいて出力されるディジタル信号に所定の制御値を乗算することにより前記第1キャンセル信号の振幅を制御するものである。このようにすれば、前記第1キャンセル信号の振幅を容易に制御できる。
また、好適には、前記第2キャンセル信号出力部は、前記正弦波又は余弦波テーブルに基づいて前記第2キャンセル信号を出力するものであり、前記第2キャンセル信号制御部は、その正弦波又は余弦波テーブルの読み出し位置を変更することにより前記第2キャンセル信号の位相を制御するものである。このようにすれば、簡単な構成によりディジタル信号である第2キャンセル信号を出力できると共に、その第2キャンセル信号の位相を容易に制御できる。
また、好適には、前記第2キャンセル信号制御部は、前記正弦波又は余弦波テーブルに基づいて出力されるディジタル信号に所定の制御値を乗算することにより前記第2キャンセル信号の振幅を制御するものである。このようにすれば、前記第2キャンセル信号の振幅を容易に制御できる。
また、好適には、前記第1キャンセル信号制御部は、前記受信信号又は第2ダウンコンバータの出力に基づいて前記第1キャンセル信号の振幅及び位相を制御すると共に、前記第2信号合成部から出力される第2合成信号に基づいて前記第1キャンセル信号の位相を制御するものである。このようにすれば、前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を好適に除去できる。また、前記第1キャンセル信号の初期設定において前記受信信号又は第1合成信号に基づいて予め振幅及び位相を決定することで、それ以後の第1キャンセル信号の位相制御に要する時間が短くなる。
また、好適には、前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を除去するための第3キャンセル信号を出力する第3キャンセル信号出力部と、その第3キャンセル信号出力部から出力される第3キャンセル信号及び前記受信信号を合成する第3信号合成部とを、含み、前記第1キャンセル信号制御部は、その第3信号合成部から出力される第3合成信号に基づいて前記第1キャンセル信号の振幅を制御するものである。このようにすれば、前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号が比較的大きい場合や、周囲の物体による反射等により受信信号に不要な信号が混入した場合であっても高い感度を実現できることに加え、前記第1信号合成部を許容入力電力が比較的小さな構成とすることで雑音の発生を抑制できる。
また、好適には、前記補正信号出力部は、前記補正信号の周波数をホッピングさせるものである。このようにすれば、前記無線タグとの間の通信とは関与しない他の通信を妨害することや、他の通信から妨害を受けることを好適に防止できる。
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明が好適に適用される通信システム10の構成を説明する図である。この通信システム10は、本発明の一実施例である無線タグ通信装置12と、複数(図1では4体)の無線タグ14a、14b、14c、14d(以下、特に区別しない場合には単に無線タグ14と称する)とから構成されている。上記無線タグ通信装置12は、上記通信システム10の質問器として、上記無線タグ14は、上記通信システム10の応答器としてそれぞれ機能するものである。すなわち、上記無線タグ通信装置12から送信信号である搬送波Fc1が送信されると、その搬送波Fc1を受信した上記無線タグ14a、14b、14c、14dにおいて所定の情報に基づいてその搬送波Fc1が変調されて返信信号である反射波Fr1、Fr2、Fr3、Fr4(以下、特に区別しない場合には単に反射波Frfと称する)としてそれぞれ返信され、上記無線タグ通信装置12によりその反射波rfが受信されて復調されることで上記無線タグ14との間で情報の通信が行われる。
図2は、上記無線タグ通信装置12の電気的構成を説明する図である。この無線タグ通信装置12は、上記無線タグ14に対する情報の読み出し及び書き込みの少なくとも一方を実行するためにその無線タグ14との間で情報の通信を行うものであり、送信信号をディジタル信号として出力したり、上記無線タグ14からの返信信号を復調する等のディジタル信号処理を実行するDSP(Digital Signal Processor)16と、そのDSP16により出力された送信信号をアナログ信号に変換して搬送波Fc1として送信したり、上記無線タグ14からの反射波Frfを受信してディジタル変換して上記DSP16に供給する等の処理を実行する送受信回路18とから構成されている。
上記DSP16は、CPU、ROM、及びRAM等から成り、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う所謂マイクロコンピュータシステムであり、前記無線タグ14への送信信号をディジタル信号として出力する送信ディジタル信号出力部20と、その送信ディジタル信号出力部20から出力された送信ディジタル信号を所定の情報信号(コマンド)に基づいて変調する変調部22と、前記送信信号に基づく第1キャンセル信号をディジタル信号として出力する第1キャンセル信号出力部24と、その第1キャンセル信号出力部24から出力される第1キャンセル信号の振幅A1及び位相φC1の少なくとも一方を制御する第1キャンセル信号制御部26と、前記送信信号に基づく第2キャンセル信号をディジタル信号として出力する第2キャンセル信号出力部28と、その第2キャンセル信号出力部28から出力される第2キャンセル信号の振幅A2及び位相φC2の少なくとも一方を制御する第2キャンセル信号制御部30と、後述する送受信アンテナ52により受信された受信信号を復調する復調部32と、その復調部32から出力される復調信号の直流成分(DC成分)を検出する直流成分検出部34と、前記受信信号の振幅ARを検出する受信信号振幅検出部36と、後述する第1信号合成部58から出力される第1合成信号の振幅AM1を検出する第1合成信号振幅検出部38と、所定サンプリング点において各位相に対応するサンプリング値が予め記憶された関数テーブル40とを機能的に備えている。
上記関数テーブル40は、好適には、所定サンプリング点において各位相に対応するサンプリング値が予め記憶された正弦波又は余弦波テーブルであり、図3は、その一例である正弦波テーブルを示している。この関数テーブル40には、初期位相「φ」に対して「sinφ」及び「sin(φ+0.5π)」の2つの値が予め記憶されており、例えば、「φ=0」に関して「sinφ=0」及び「sin(φ+0.5π)=1」が、「φ=0.2π」に関して「sinφ=0.58779」及び「sin(φ+0.5π)=0.80902」がそれぞれ記憶されている。「sin(φ+π)=-sinφ」であるので、斯かる2つの値から「sin(φ+π)」及び「sin(φ+1.5π)」も読み出すことができ、「φ=0」に関して「0,1,0,-1,0,1,0,-1,0,1,0,-1,……」の連続する値が、「φ=0.2π」に関して「0.58779,0.80902,-0.58779,-0.80902,0.58779,0.80902,-0.58779,-0.80902,0.58779,0.80902,-0.58779,-0.80902,……」の連続する値がそれぞれ読み出される。これらの連続する値により、所定の正弦波信号が生成される。その正弦波信号の位相を変化させるためには、前記関数テーブル40における読み出し位置を変更すればよく、振幅を変化させるためには、読み出された正弦波信号に所定の制御値を乗算すればよいため、上記送信ディジタル信号出力部20、第1キャンセル信号出力部24、及び第2キャンセル信号出力部28は、斯かる関数テーブル40に基づいて任意の正弦波信号を出力することができる。
前記送受信回路18は、上記変調部22から出力される送信ディジタル信号をアナログ信号に変換する送信信号D/A変換部42と、所定の補正信号を出力する補正信号出力部44と、上記送信信号D/A変換部42によりアナログ信号に変換された送信信号の周波数をその補正信号出力部44から出力される補正信号の周波数だけ高くする第1アップコンバータ46と、その第1アップコンバータ46から出力される送信信号を増幅してその振幅を変更する第1増幅部48と、その第1増幅部48から出力される送信信号を送受信分離器50を介して送受信アンテナ52に供給すると共に、その送受信アンテナ52により受信された上記無線タグ14からの返信信号(送信側からの回り込み信号を含む受信信号)を第1信号合成部58及び第2ダウンコンバータ74に供給する送受信分離器50と、その送受信分離器50を介して供給される送信信号を搬送波Fc1として送信すると共に、前記無線タグ14からの反射波Frfを受信して上記送受信分離器50に供給する送受信アンテナ52と、上記第1キャンセル信号出力部24から出力される第1キャンセル信号をアナログ信号に変換する第1キャンセル信号D/A変換部54と、その第1キャンセル信号D/A変換部54によりアナログ信号に変換された第1キャンセル信号の周波数を上記補正信号出力部44から出力される補正信号の周波数だけ高くする第2アップコンバータ56と、その第2アップコンバータ56から出力される第1キャンセル信号及び送受信分離器50を介して送受信アンテナ52から供給される前記受信信号を合成する第1信号合成部58と、その第1信号合成部58から出力される第1合成信号を増幅してその振幅AM1を変更する第2増幅部60と、その第2増幅部60から出力される第1合成信号の周波数を上記補正信号出力部44から出力される補正信号の周波数だけ低くする第1ダウンコンバータ62と、上記第2キャンセル信号出力部28から出力される第2キャンセル信号をアナログ信号に変換する第2キャンセル信号D/A変換部64と、その第2キャンセル信号D/A変換部64によりアナログ信号に変換された第2キャンセル信号及び第1ダウンコンバータ62から出力される第1合成信号を合成する(必要に応じて増幅も行い得る)第2信号合成部66と、上記第1ダウンコンバータ62から出力される第1合成信号を増幅してその振幅AM1を変更する第3増幅部68と、その第3増幅部68から出力される第1合成信号をディジタル変換して上記第1合成信号振幅検出部38に供給する第1合成信号A/D変換部70と、上記第2信号合成部66から出力される第2合成信号をディジタル変換して上記復調部32に供給する第2合成信号A/D変換部72と、上記送受信分離器50を介して供給される前記受信信号の周波数を上記補正信号出力部44から出力される補正信号の周波数だけ低くする第2ダウンコンバータ74と、その第2ダウンコンバータ74から出力される受信信号をディジタル変換して上記受信信号振幅検出部36に供給する受信信号A/D変換部76と、所定のクロック信号を出力するクロック信号出力部78とを備えている。このクロック信号出力部78は、好適には、上記送信信号D/A変換部42にクロック信号を供給すると共に、上記第1キャンセル信号D/A変換部54、第2キャンセル信号D/A変換部64、第1合成信号A/D変換部70、第2合成信号A/D変換部72、及び受信信号A/D変換部76のうち少なくとも1つ、更に好適にはそれら全てに上記送信信号D/A変換部42と共通のクロック信号を供給する。また、上記受信信号A/D変換部76には、上記第1合成信号A/D変換部70等に用いられる変換器よりもビット数の少ない変換器が好適に用いられる。そのような変換器によれば、前記無線タグ14による変調に関する成分を無視できるという利点がある。なお、上記補正信号出力部44としては、900MHz近傍や2.4GHz近傍の周波数を発振する発振器が好適に用いられる。また、上記送受信分離器50としては、サーキュレータ若しくは方向性結合器等が一般的に用いられる。
図4(a)は、前記無線タグ14に備えられた無線タグ回路14aの構成を説明するブロック線図である。この無線タグ回路14aは、前記無線タグ通信装置12からの送信信号である搬送波Fc1を受信すると共に、返信信号である反射波Frfを返信するアンテナ80と、そのアンテナ80に接続されて信号の変調及び復調を行う変復調部82と、ディジタル信号処理を行うディジタル回路部84とを備えて構成されている。そのディジタル回路部84は、上記アンテナ80により受信された搬送波Fc1をエネルギ源として前記無線タグ回路14aの作動を制御する制御部86と、副搬送波を発生させる副搬送波発振部88と、その副搬送波発振部88により発生させられた副搬送波を上記制御部86を介して入力される所定の情報信号に基づいて変調する副搬送波変調部90とを備えている。
続いて、以上のように構成された前記通信システム10の通信動作を説明する。先ず、前記無線タグ通信装置12の送信ディジタル信号出力部20により前記関数テーブル40に基づいてディジタル信号である送信信号が出力される。この送信信号は、例えば、正弦波をサンプリングした信号となっている。次に、その送信ディジタル信号出力部20から出力された送信ディジタル信号が前記変調部22により変調される。次に、その変調部22により変調された送信ディジタル信号が前記送信信号D/A変換部42によりアナログ信号に変換される。次に、その送信信号D/A変換部42によりアナログ信号に変換された送信信号の周波数が前記第1アップコンバータ46により前記補正信号出力部44から出力される補正信号の周波数だけ高められる。次に、その第1アップコンバータ46から出力された送信信号の振幅が前記第1増幅部48において増加させられる。次に、その第1増幅部48から出力された送信信号が前記送受信分離器50を介して前記送受信アンテナ52に供給され、その送受信アンテナ52から搬送波Fc1として前記無線タグ14に向けて送信される。
前記送受信アンテナ52からの搬送波Fc1が前記無線タグ14のアンテナ80により受信されると、その搬送波Fc1が前記変復調部82に供給されて復調される。また、搬送波Fc1の一部は図示しない整流部により整流され、その搬送波Fc1をエネルギ源として前記副搬送波発振部88において副搬送波が出力される。次に、その副搬送波発振部88から出力された副搬送波が前記制御部86を介して入力される所定の情報信号に基づいて副搬送波変調部90により1次変調される。次に、前記変復調部82においてその副搬送波変調部90から出力される1次変調された副搬送波により前記搬送波Fc1が2次変調され、前記アンテナ80から反射波Frfとして前記無線タグ通信装置12に向けて返信される。なお、前記無線タグ14は、図4(b)に示すように、副搬送波を用いない無線タグ回路14bの構成としてもよい。この場合、前記無線タグ14からの返信信号として制御部86bから変復調部82bに渡される信号は、FSK或いはPSKで変調する必要がある。
前記無線タグ14からの反射波Frfが前記無線タグ通信装置12の送受信アンテナ52により受信されると、前記送受信分離器50を介してその反射波Frfが受信信号として前記第1信号合成部58及び第2ダウンコンバータ74に供給される。このとき、前記送受信分離器50を介して受信側に回り込んだ送信信号も受信信号と同時に前記第1信号合成部58及び第2ダウンコンバータ74に供給される。図5(a)は、前記第1信号合成部58に供給される受信信号の波形を示している。ここでは、反射波(返信信号)よりも回り込み信号の方が非常に大きいため、この図5(a)では、振幅変調成分が非常に小さくなっているのが分かる。前記第2ダウンコンバータ74に供給された受信信号は、その周波数が前記補正信号出力部44から出力される補正信号の周波数だけ低下させられる。図5(b)は、前記第2ダウンコンバータ74から出力されるダウンコンバートされた受信信号の波形を示している。次に、その第2ダウンコンバータ74から出力されるダウンコンバートされた受信信号が前記受信信号A/D変換部76によりディジタル変換されて前記受信信号振幅検出部36に供給される。次に、その受信信号振幅検出部36により前記受信信号の振幅ARが検出され、その検出結果が前記第1キャンセル信号制御部26に供給される。
前記処理と前後して、前記第1キャンセル信号制御部26により第1キャンセル信号の位相φC1及び振幅A1が決定され、前記第1キャンセル信号出力部24により前記関数テーブル40に基づいてディジタル信号である第1キャンセル信号が出力される。この第1キャンセル信号の振幅A1は、好適には、前記受信信号振幅検出部36から供給される前記受信信号の振幅ARに基づいて決定される。例えば、前記第1信号合成部58に入力される受信信号の振幅と、アナログ信号に変換されたうえでアップコンバートされた第1キャンセル信号の振幅とが等しくなるように決定される。次に、前記第1キャンセル信号出力部24から出力された第1キャンセル信号が前記第1キャンセル信号D/A変換部54によりアナログ信号に変換される。次に、その第1キャンセル信号D/A変換部54によりアナログ信号に変換された第1キャンセル信号の周波数が前記第2アップコンバータ56により前記補正信号出力部44から出力される補正信号の周波数だけ高められる。図5(c)は、前記第2アップコンバータ56から出力されるアップコンバートされた第1キャンセル信号の波形を示している。次に、その第2アップコンバータ56から出力された第1キャンセル信号及び前記送受信分離器50を介して供給された受信信号が前記第1信号合成部58により合成され、その受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号が除去される。図5(d)は、前記第1信号合成部58から出力される第1合成信号の波形を示している。ただし、ここでは振幅を拡大して示している。実際には、送信側からの回り込み信号が除去された分図5(a)より振幅が小さくなるが、振幅変調成分は変化しないため、この信号を前記第2増幅部60により増幅すると、図5(d)の波形となる。この第1合成信号では、振幅変調成分が相対的に大きくなっており、図5(a)の受信信号と比較して送信側からの回り込み信号が除去されていることが分かるが、前記無線タグ14の応答信号強度に比べて送信側からの回り込み信号の強度が大きいため、未だ無視できない大きさの回り込み信号が残存している。前記第1信号合成部58から出力された第1合成信号は、前記第2増幅部60において利得G1にてその振幅が変更される。前記第1キャンセル信号の振幅A1及び位相φC1が好適に決定されると、その信号強度が相対的に低下して前記第1ダウンコンバータ62への入力信号が小さくなるため、前記第2増幅部60の利得G1は適宜増加させられる。ここで、前記第3増幅部68の利得G2は予め定められた初期値とされる。次に、前記第2増幅部60から出力された第1合成信号の周波数が前記第1ダウンコンバータ62により前記補正信号出力部44から出力される補正信号の周波数だけ低下させられ、前記第2信号合成部66及び第3増幅部68に供給される。
図6(a)は、前記第1ダウンコンバータ62から出力されるダウンコンバートされた第1合成信号の波形を示している。前記クロック信号出力部78から出力されるクロック信号の周波数は、好適には、このダウンコンバートされた第1合成信号(中間周波数信号)の周波数の4倍乃至はその整数倍とされる。前記第3増幅部68に供給された前記第1合成信号は、その第3増幅部68において利得G2にてその振幅が変更される。前記第1ダウンコンバータ62から出力される第1合成信号は、前記第1信号合成部58における送信側からの回り込み信号の除去が進行するのに従って小さくなるので、好適には、前記第3増幅部68における利得G2はそれに伴い順次増加させられる。次に、その第3増幅部68から出力された第1合成信号が前記第1合成信号A/D変換部70によりディジタル変換されて前記第1合成信号振幅検出部38に供給される。次に、その第1合成信号振幅検出部38により前記第1合成信号の振幅AM1が検出され、その検出結果が前記第1キャンセル信号制御部26及び第2キャンセル信号制御部30に供給される。好適には、斯かる第1合成信号の振幅AM1に基づいて、その振幅AM1が可及的に小さくなるように前記第1キャンセル信号制御部26により前記第1キャンセル信号の位相φC1が制御される。また、好適には、前記第1合成信号の振幅AM1の平均値が可及的に小さくなるように決定される。
前記処理と前後して、前記第2キャンセル信号制御部30により第2キャンセル信号の位相φC2及び振幅A2が決定され、前記第2キャンセル信号出力部28により前記関数テーブル40に基づいてディジタル信号である第2キャンセル信号が出力される。この第2キャンセル信号の振幅A2は、好適には、前記第1合成信号振幅検出部38から供給される前記第1合成信号の振幅AM1に基づいて決定される。好適には、前記第2信号合成部66に入力されるダウンコンバートされた第1合成信号の振幅と、第2キャンセル信号D/A変換部64によりアナログ信号に変換された第2キャンセル信号の振幅とが等しくなるように決定される。次に、前記第2キャンセル信号出力部28から出力された第2キャンセル信号が前記第2キャンセル信号D/A変換部64によりアナログ信号に変換される。図6(b)は、前記第2キャンセル信号D/A変換部64から出力される第2キャンセル信号の波形を示している。次に、その第2キャンセル信号D/A変換部64から出力された第2キャンセル信号及び前記第1ダウンコンバータ62から供給されたダウンコンバートされた第1合成信号が前記第2信号合成部66により合成され、その第1合成信号に含まれる送信側からの回り込み信号が除去される。図6(c)は、前記第2信号合成部66から出力される第2合成信号の波形を示している。この第2合成信号では、図5(a)の受信信号や図5(d)の第1合成信号と比較して振幅変調成分が相対的に大きくなっており、送信側からの回り込み信号が除去されていることが分かる。前記第2信号合成部66から出力された第2合成信号は、前記第2合成信号A/D変換部72においてディジタル変換された後、前記第1キャンセル信号制御部26及び復調部32に供給される。そして、その復調部32により前記第2合成信号が復調されて前記無線タグ14の情報信号が読み出される。また、好適には、前記第2合成信号に基づいて前記第1キャンセル信号制御部26により前記第1キャンセル信号の位相φC1が制御される。また、好適には、前記第2信号合成部66は、差動増幅器としても機能するものであり、前記第2合成信号A/D変換部72への入力電圧が好適な値となるようにその第2信号合成部66における利得G3が変更される。
図6(d)は、前記復調部32から出力される復調信号の波形を示している。前記直流成分検出部34によりこの図6(d)に示す復調信号の直流成分が検出され、その検出結果が前記第2キャンセル信号制御部30に供給される。この直流成分は、送信側からの回り込み信号に対応するものであり、好適には、その直流成分の振幅D2が可及的に小さくなるように前記第2キャンセル信号制御部30により前記第2キャンセル信号の位相φC2が制御される。以上の通信動作により、前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号が好適に除去され、高感度の通信が実現される。
図7乃至図12は、前記無線タグ通信装置12のDSP16による送信側からの回り込み信号除去制御作動の要部を説明するフローチャートであり、数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行されるものである。
先ず、図7のステップ(以下、ステップを省略する)S1において、前記第1キャンセル信号の位相φC1及び第2キャンセル信号の位相φC2が共に0に設定される。また、前記第2増幅部60の利得G1が1に設定される。次に、S2において、前記無線タグ14に向けてコマンド送信が行われるか否かが判断される。コマンドを送信するか否かの指示は、図示しない上位ルーチンにより適宜切り換えられる。このS2の判断が肯定される場合には、前記変調部22に対応するS3において、前記送信信号が所定のコマンドで変調された後、S5以下の処理が実行されるが、S2の判断が否定される場合には、S4において、前記送信信号の変調は行われず、S5以下の処理が実行される。S5において、前記受信信号A/D変換部76によりディジタル変換された受信信号が読み出される。次に、前記受信信号振幅検出部36に対応するS6において、S5にて読み出された受信信号の振幅ARが検出される。次に、S7において、前記第1キャンセル信号の振幅A1が決定された後、図8のS8以下の処理が実行される。
図8のS8において、変数i、k、及びXが何れも0に設定される。次に、S9において、前記関数テーブル40に記憶された関数値が読み出される。次に、S10において、S8にて読み出された関数値にS7にて決定された振幅A1が乗算される。次に、S11において、前記第1合成信号A/D変換部70によりディジタル変換された第1合成信号が読み出される。次に、S12において、S11にて読み出された第1合成信号の振幅AM1が検出される。次に、S13において、S12にて検出された第1合成信号の振幅AM1が第1所定値以下であるか否かが判断される。すなわち、前記第1合成信号A/D変換部70への入力電圧が適正レベルと判定される範囲を第1所定値以上、第2所定値以下の範囲内と設定する。最初に入力電圧が小さすぎる場合には、増幅する必要があるため、このS13の判断が肯定される場合には、S14において、前記第3増幅部68の利得G2が最大であるか否かが判断されるが、S13の判断が否定される場合には、S13′において、S12にて検出された第1合成信号の振幅AM1が第2所定値以上であるか否かが判断される。このS13′の判断が否定される場合には、前記第1合成信号A/D変換部70への入力電圧が適正レベルであるので、図9のS21以下の処理が実行されるが、S13′の判断が肯定される場合、すなわち前記第1合成信号A/D変換部72への入力電圧が大きすぎる場合には、S18において、前記第3増幅部68の利得G2が最小であるか否かが判断される。S14の判断が肯定される場合、すなわち前記第3増幅部68の利得G2が最大であると判断される場合には、図9のS21以下の処理が実行されるが、S14の判断が否定される場合、すなわち前記第3増幅部68の利得G2が最大ではないと判断される場合には、S15において、変数Xが前記第3増幅部68の利得G2で除される。次に、S16において、前記第3増幅部68の利得G2に所定値dGが加えられる。次に、S17において、変数Xに前記第3増幅部68の利得G2が掛けられた後、S11以下の処理が再び実行される。S18の判断が肯定される場合、すなわち前記第3増幅部68の利得G2が最小であると判断される場合には、図9のS21以下の処理が実行されるが、S18の判断が否定される場合、すなわち前記第3増幅部68の利得G2が最小ではないと判断される場合には、S19において、変数Xが前記第3増幅部68の利得G2で除される。次に、S20において、前記第3増幅部68の利得G2から所定値dGが引かれた後、S17以下の処理が再び実行される。これにより、前記第3増幅部68の利得は、前記受信信号A/D変換部76への入力信号振幅(電圧)が常に適正値となるように制御することができ、前記第1信号合成部58から出力される第1合成信号の振幅が回り込み信号の除去により低下しても、感度良く制御を行うことができる。
図9のS21において、変数iが0であるか否かが判断される。このS21の判断が肯定される場合には、S22において、変数X=AM1、i=1とされ、S23において、前記第1キャンセル信号の位相φC1に所定値dφが加えられた後、図8のS9以下の処理が再び実行されるが、S21の判断が否定される場合には、S24において、変数Xが第1合成信号の振幅AM1よりも大きいか否かが判断される。このS24の判断が肯定される場合には、S25において、変数X=AM1とされた後、S23以下の処理が実行されるが、S24の判断が否定される場合には、S26において、変数k=0であるか否かが判断される。このS26の判断が肯定される場合には、S27において、変数k=1、所定値dφ=−dφとされた後、S23以下の処理が実行されるが、S26の判断が否定される場合には、S28において、前記第3増幅部68の利得G2が1とされ、S29において、前記第1キャンセル信号の位相φC1が決定された後、図10のS30以下の処理が実行される。この一連の処理により、第1合成信号の振幅AM1が最小となるように第1キャンセル信号の位相φC1を制御することができる。
図10のS30において、前記第2増幅部60の利得G1に所定値dGが加えられる。次に、S31において、前記第1合成信号A/D変換部70によりディジタル変換された第1合成信号が読み出される。次に、S32において、S31にて読み出された第1合成信号の振幅AM1が検出される。次に、S33において、S32にて検出された第1合成信号の振幅AM1が所定値に達したか否かが判断される。このS33の判断が肯定される場合には、S35において、前記第2キャンセル信号の振幅A2が決定された後、図11のS36以下の処理が実行されるが、S33の判断が否定される場合には、S34において、前記第2増幅部の利得G1が最大であるか否かが判断される。このS34の判断が否定される場合には、S30以下の処理が再び実行されるが、S34の判断が肯定される場合には、S35以下の処理が実行される。この一連の処理により、回り込み信号が除去されて相対的に振幅変調成分が増加した受信信号を前記第2増幅部60により高周波増幅できるため、雑音の発生を抑えて感度の高い返信信号の検出が可能となる。
図11のS36において、変数i、k、及びYが何れも0に設定される。次に、S37において、前記関数テーブル40に記憶された関数値が読み出される。次に、S38において、S37にて読み出された関数値にS35にて決定された振幅A2が乗算される。次に、S39において、前記復調部32からの復調信号の出力があるか否かが判断される。このS39の判断が否定される場合には、S40において、所定時間が経過したか否かが判断される。このS40の判断が肯定される場合には、前記無線タグ14が返信信号を送信していないと判断されるので、図7のS2以下の処理が再び実行されるが、S40の判断が否定される場合には、S39以下の処理が再び実行される。S39の判断が肯定される場合、すなわち前記復調部32からの復調信号の出力があると判断される場合には、前記復調部32に対応するS41において、前記第2合成信号が復調されて復調信号が読み出される。次に、前記直流成分検出部34に対応するS42において、復調信号の直流成分の振幅D2が検出される。次に、S43において、復調信号の最大振幅ABmaxが検出された後、S44において、S43にて検出された復調信号の最大振幅ABmaxが第1所定値(図8の第1所定値とは別の値)以下であるか否かが判断される。すなわち、前記第2合成信号A/D変換部72への入力電圧が適正レベルと判定される範囲を第1所定値以上、第2所定値以下の範囲内と設定する。最初に入力電圧が小さすぎる場合には、増幅する必要があるため、このS44の判断が肯定される場合には、S45において、前記第2信号合成部66の利得G3が最大であるか否かが判断されるが、S44の判断が否定される場合には、S44′において、S43にて検出された復調信号の最大振幅ABmaxが第2所定値(図8の第2所定値とは別の値)以上であるか否かが判断される。このS44′の判断が否定される場合には、図12のS52以下の処理が実行されるが、S44′の判断が肯定される場合、すなわち前記第2合成信号A/D変換部72への入力電圧が大きすぎる場合には、S49において、前記第2信号合成部66の利得G3が最小であるか否かが判断される。S45の判断が肯定される場合、すなわち前記第2信号合成部66の利得G3が最大であると判断される場合には、図12のS52以下の処理が実行されるが、S45の判断が否定される場合、すなわち前記第2信号合成部66の利得G3が最大ではないと判断される場合には、S46において、変数Yが前記第2信号合成部66の利得G3で除される。次に、S47において、前記第2信号合成部66の利得G3に所定値dGが加えられて増幅率が上げられる。次に、S48において、変数Yに前記第2信号合成部66の利得G3が掛けられた後、S39以下の処理が再び実行される。S49の判断が肯定される場合、すなわち前記第2合成信号A/D変換部72への入力電圧が適正範囲内である場合であって前記第2信号合成部66の利得G3が最小であると判断される場合には、図12のS52以下の処理が実行されるが、S49の判断が否定される場合、すなわち前記第2信号合成部66の利得G3が最小ではないと判断される場合には、S50において、変数Yが前記第2信号合成部66の利得G3で除され、S51において、前記第2信号合成部66の利得G3から所定値dGが引かれた(増幅率が下げられた)後、S48以下の処理が実行される。
図12のS52において、変数i=0であるか否かが判断される。このS52の判断が肯定される場合には、S53において、変数Y=D2、i=1とされ、S54において、前記第2キャンセル信号の位相φC2に所定値dφが加えられた後、図11のS37以下の処理が再び実行されるが、S52の判断が否定される場合には、S55において、変数Yが前記復調信号の直流成分の振幅D2よりも大きいか否かが判断される。このS55の判断が肯定される場合には、S56において、変数Y=D2とされた後、S54以下の処理が実行されるが、S55の判断が否定される場合には、S57において、変数k=0であるか否かが判断される。このS57の判断が肯定される場合には、S58において、変数k=1、所定値dφ=−dφとされた後、S54以下の処理が実行されるが、S57の判断が否定される場合には、S59において、前記第2キャンセル信号の位相φC2が決定された後、図7のS2以下の処理が再び実行される。この一連の処理により、復調信号の直流成分D2が最小となるように第2キャンセル信号の位相φC2を制御することができる。以上の制御において、S7及びS29が前記第1キャンセル信号制御部26に、S35及びS59が前記第2キャンセル信号制御部30に、S12及びS32が前記第1合成信号振幅検出部38にそれぞれ対応する。
ここで、前述の構成に加えて、前記第1信号合成部58及び第2信号合成部66における位相変化や、増幅部の利得の影響とりわけ振幅を補正する補正手段を設けてもよい。好適には、この補正量は予め求められて前記DSP16の記憶装置に記憶される。また、送信側からの回り込み信号の振幅が最小となるように前記第1キャンセル信号及び第2キャンセル信号の振幅及び位相を決定した後、更にその回り込み信号の振幅が小さくなるように前記第1キャンセル信号の振幅A1及び第2キャンセル信号の振幅A2を補正してもよい。図13は、前記図7乃至図12のフローチャートに示す制御動作の一部に替えて実行される制御動作を示すフローチャートである。この制御では、図7のS1の処理に対応するS60において、初期設定が実行される。次に、S2乃至S7の処理に対応するS61において、前記第1キャンセル信号の振幅A1が決定される。次に、図8のS8乃至S29に対応するS62において、前記第1キャンセル信号の位相φC1が決定される。次に、S63において、前記第1信号合成部58における位相変化や、前記第2増幅部60の利得G1等に基づいて変動した可能性のある前記第1キャンセル信号の振幅A1が補正される。この場合、第1合成信号の振幅AM1が最小となるように補正すればよい。次に、図10のS30乃至S35に対応するS64において、前記第2キャンセル信号の振幅A2が決定される。次に、図11のS36乃至S51に対応するS65において、前記第2キャンセル信号の位相φC2が決定される。次に、S66において、前記第2信号合成部66における位相変化や、その第2信号合成部66の利得G3等に基づいて変動した可能性のある前記第2キャンセル信号の振幅A2が復調信号の直流成分D2が最小となるように補正される。すなわち、前述した処理に加えて、S63及びS66の処理が新たに行われたことになる。以上の制御において、S61乃至S63が前記第1キャンセル信号制御部26に、S64乃至S66が前記第2キャンセル信号制御部30にそれぞれ対応する。
また、前記補正信号出力部44は、前記補正信号の周波数をホッピングさせるものであってもよい。図14は、斯かる補正信号の周波数ホッピングについて説明する図である。この図14に示すように、前記補正信号の周波数は、例えば、タイミングT1においてはf+fh1、T2においてはf+fh2、T3においてはf+fh3、T4においてはf+fh4というように所定の周期で変化させられる。この態様において、前記第1キャンセル信号の振幅A1及び位相φC1、第2キャンセル信号の振幅A2及び位相φC2は、各ホッピング周波数毎にその初期値が記憶されており、ホッピングする前記補正信号の周波数に対応する値が適用されるようになっている。このようにすれば、前記補正信号の周波数がホッピングしても送信側からの回り込み信号を好適に除去することができる。
このように、本実施例によれば、前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を除去するための第1キャンセル信号をディジタル信号として出力する第1キャンセル信号出力部24と、その第1キャンセル信号出力部24から出力される第1キャンセル信号の振幅A1及び位相φC1の少なくとも一方を制御する第1キャンセル信号制御部26と、前記第1キャンセル信号出力部24から出力される第1キャンセル信号をアナログ信号に変換する第1キャンセル信号D/A変換部54と、その第1キャンセル信号D/A変換部54によりアナログ信号に変換された第1キャンセル信号及び前記受信信号を合成する第1信号合成部58とを、含むことから、第1キャンセル信号を制御するための移相器が不要となることに加え、ディジタル信号処理によりその制御が容易となる。すなわち、送信側からの回り込み信号を除去し得る簡単な構成の無線タグ通信装置12を提供することができる。
また、前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を除去するための第2キャンセル信号をディジタル信号として出力する第2キャンセル信号出力部28と、その第2キャンセル信号出力部28から出力される第2キャンセル信号の振幅A2及び位相φC2の少なくとも一方を制御する第2キャンセル信号制御部30と、前記第2キャンセル信号出力部28から出力される第2キャンセル信号をアナログ信号に変換する第2キャンセル信号D/A変換部64と、その第2キャンセル信号D/A変換部64によりアナログ信号に変換された第2キャンセル信号及び前記第1信号合成部58から出力される第1合成信号を合成する第2信号合成部66とを、含むものであるため、前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を二重に除去することができ、信号対雑音比を更に高められる。また、第2キャンセル信号を制御するための移相器が不要となることに加え、ディジタル信号処理によりその制御が容易となる。特に、比較的周波数の低い中間周波数においては実用的な移相器を構成することが困難であるため、ディジタル信号処理で容易に処理を行える効果は大きい。
また、前記第1キャンセル信号及び第2キャンセル信号は、互いに周波数が異なるものであるため、各周波数に対応した制御信号を用いることができ、制御が容易になる。
また、前記第1信号合成部58及び第2信号合成部66の間にその第1信号合成部58から出力される第1合成信号を増幅するための利得G1が可変な第2増幅部60を含むものであるため、前記第2信号合成部66において第1合成信号及び第2キャンセル信号を好適に合成できる。更に高周波増幅することにより、信号対雑音比が向上し、前記無線タグ14からの返信信号を高感度で復調することができる。
また、前記第2信号合成部66は、その第2信号合成部66から出力される第2合成信号を増幅するための利得G3が可変な増幅部としても機能するものであるため、ディジタル変換或いは復調等に際して第2合成信号を高感度で好適に検出できる。
また、前記受信信号の振幅ARを検出する受信信号振幅検出部36を含み、前記第1キャンセル信号制御部26は、その受信信号振幅検出部36により検出される前記受信信号の振幅ARに基づいて前記第1キャンセル信号の振幅A1を制御するものであるため、前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を好適に除去できる。
また、前記第1信号合成部58から出力される第1合成信号の振幅AM1を検出する第1合成信号振幅検出部38を含み、前記第1キャンセル信号制御部26は、その第1合成信号振幅検出部38により検出される前記第1合成信号の振幅AM1に基づいて前記第1キャンセル信号の位相φC1を制御するものであるため、前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を好適に除去できる。
また、前記第2キャンセル信号制御部30は、前記第1合成信号振幅検出部38により検出される前記第1合成信号の振幅AM1に基づいて前記第2キャンセル信号の振幅AM2を制御するものであるため、前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を好適に除去できる。
また、前記第2信号合成部66から出力される第2合成信号を復調する復調部32と、その復調部32から出力される復調信号の直流成分を検出する直流成分検出部34とを、含み、前記第2キャンセル信号制御部30は、その直流成分検出部34により検出される前記復調信号の直流成分に基づいて前記第2キャンセル信号の位相φC2を制御するものであるため、前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を好適に除去できる。
また、前記送信信号をディジタル信号として出力する送信ディジタル信号出力部20と、その送信ディジタル信号出力部20から出力される前記送信信号をアナログ信号に変換する送信信号D/A変換部42と、前記第1信号合成部58及び第1合成信号振幅検出部38の間に備えられてその第1信号合成部58から出力される第1合成信号をディジタル変換する第1合成信号A/D変換部70と、前記第2信号合成部66及び復調部32の間に備えられてその第2信号合成部66から出力される第2合成信号をディジタル変換する第2合成信号A/D変換部72と、前記受信信号をディジタル変換する受信信号A/D変換部76とを、含み、前記第1キャンセル信号D/A変換部54、第2キャンセル信号D/A変換部64、送信信号D/A変換部42、第1合成信号A/D変換部70、第2合成信号A/D変換部72、及び受信信号A/D変換部76は、前記クロック信号出力部78から出力される共通のクロック信号を用いるものであるため、送信信号と受信信号との間における基準位相の変動を防止することができ、前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を好適に除去できる。とりわけ、前記受信信号を前記第1ダウンコンバータ62によりダウンコンバートした後に復調等の処理を行う方式では、A/D変換器のクロック信号と中間周波数信号の周波数ずれにより復調結果に大きな低周波成分が発生するという弊害があるが、ディジタル変換及びアナログ変換を共通のクロック信号を用いて行うことで斯かる弊害を解消できる。
また、所定の補正信号を出力する補正信号出力部44と、前記送信信号D/A変換部42によりアナログ信号に変換された送信信号の周波数をその補正信号出力部44から出力される補正信号の周波数だけ高くする第1アップコンバータ46と、前記第1信号合成部58から出力される第1合成信号の周波数を前記補正信号出力部44から出力される補正信号の周波数だけ低くする第1ダウンコンバータ62とを、含むものであるため、安価なA/D変換器及びD/A変換器を用いて簡単な構成により前記第1合成信号のディジタル変換及び送信信号のアナログ変換を行うことができる。
また、前記受信信号の周波数を前記補正信号出力部44から出力される補正信号の周波数だけ低くする第2ダウンコンバータ74を含むものであるため、安価なA/D変換器及びD/A変換器を用いて簡単な構成により前記受信信号のディジタル変換を行うことができる。
また、前記送信ディジタル信号出力部20は、所定サンプリング点において各位相に対応するサンプリング値が予め記憶された関数テーブル40に基づいて前記送信信号を出力するものであるため、簡単な構成によりディジタル信号である送信信号を出力できる。
また、前記第1キャンセル信号出力部24は、前記関数テーブル40に基づいて前記第1キャンセル信号を出力するものであり、前記第1キャンセル信号制御部26は、その関数テーブル40の読み出し位置を変更することにより前記第1キャンセル信号の位相φC1を制御するものであるため、簡単な構成によりディジタル信号である第1キャンセル信号を出力できると共に、その第1キャンセル信号の位相φC1を容易に制御できる。
また、前記第1キャンセル信号制御部26は、前記関数テーブル40に基づいて出力されるディジタル信号に所定の制御値を乗算することにより前記第1キャンセル信号の振幅A1を制御するものであるため、その第1キャンセル信号の振幅A1を容易に制御できる。
また、前記第2キャンセル信号出力部28は、前記関数テーブル40に基づいて前記第2キャンセル信号を出力するものであり、前記第2キャンセル信号制御部30は、その関数テーブル40の読み出し位置を変更することにより前記第2キャンセル信号の位相φC2を制御するものであるため、簡単な構成によりディジタル信号である第2キャンセル信号を出力できると共に、その第2キャンセル信号の位相φC2を容易に制御できる。
また、前記第2キャンセル信号制御部30は、前記関数テーブル40に基づいて出力されるディジタル信号に所定の制御値を乗算することにより前記第2キャンセル信号の振幅A2を制御するものであるため、その第2キャンセル信号の振幅A2を容易に制御できる。
また、前記第1キャンセル信号制御部26は、前記受信信号又は第2ダウンコンバータ74の出力に基づいて前記第1キャンセル信号の振幅A1及び位相φC1を制御すると共に、前記第2信号合成部66から出力される第2合成信号に基づいて前記第1キャンセル信号の位相φC1を制御するものであるため、前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を好適に除去できる。また、前記第1キャンセル信号の初期設定において前記受信信号又は第1合成信号に基づいて予め振幅A1及び位相φC1を好適な値に決定しておくことで、それ以後の第1キャンセル信号の位相制御に要する時間が短くなる。
また、前記補正信号出力部44は、前記補正信号の周波数をホッピングさせるものであるため、前記無線タグ14との間の通信とは関与しない他の通信を妨害することや、他の通信から妨害を受けることを好適に防止できる。
続いて、本発明の第2乃至第5実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明に用いる図面に関して、前述の第1実施例と共通する部分に関しては同一の符号を付してその説明を省略する。
図15は、本発明の第2実施例である無線タグ通信装置92の電気的構成を説明する図である。この無線タグ通信装置92の送受信回路18には、前記送受信分離器50から供給される受信信号の振幅ARを検出するためのRSSI(Recieved Signal Strength Indicator)94と、そのRSSI94から出力される受信信号の振幅ARを示す信号をディジタル変換して前記第1キャンセル信号制御部26に供給する振幅信号A/D変換部96とが備えられている。この構成では、前記アンテナ52により受信された前記受信信号の振幅ARが上記RSSI94により直接検出された後、その振幅ARを示す信号が上記振幅信号A/D変換部96によりディジタル変換されて前記第1キャンセル信号制御部26に供給されるため、前記送受信回路18の構成が簡単になるという利点がある。
図16は、本発明の第3実施例である無線タグ通信装置98の電気的構成を説明する図である。この無線タグ通信装置98には、前記関数テーブル40によらずにそれぞれ独立に正弦波或いは余弦波であるディジタル信号を出力し得る送信ディジタル信号出力部100、第1キャンセル信号出力部102、及び第2キャンセル信号出力部104が備えられている。図17は、それら送信ディジタル信号出力部100、第1キャンセル信号出力部102、及び第2キャンセル信号出力部104の構成を説明する図であり、初期位相φに所定値Δθ(例えば、π/2)を順次加算して位相θ(=ωnT)を算出する積分器106と、その積分器106により算出された位相θに対応する余弦波cosθを算出する演算器108とを備えている。ここで、位相θを変化させる場合には、例えば、スイッチにより必要な位相変化量±Δφを加える度に初期位相を±Δφだけ変化させることができる。上記送信ディジタル信号出力部100、第1キャンセル信号出力部102、及び第2キャンセル信号出力部104は、必要に応じて±Δφの演算が行われて上記積分器106により算出される位相θに応じて上記演算器108により算出された余弦波cosθに制御値を乗算して増幅させることで任意の余弦波であるディジタル信号を出力させることができる。この態様によれば、前記関数テーブル40が不要であり、その関数テーブル40を簡単にするために前記クロック信号出力部78から出力されるクロック信号の周波数を前記第1ダウンコンバータ62によりダウンコンバートされた第1合成信号(中間周波数信号)の4倍乃至は整数倍として設定する必要がなく、自由な位相及び振幅の第1キャンセル信号及び第2キャンセル信号を出力させられるという利点がある。なお、前記受信信号振幅検出部36を設けることなく、前記受信信号の振幅及び位相を検出して、その検出された振幅と同じ振幅であり位相が逆の信号を第1キャンセル信号出力部から第1キャンセル信号として出力してもよい。その後、第1合成信号振幅検出部38からの出力が最小と成るように位相を調整することにより、制御の速度を可及的に上げることができる。
図18は、本発明の第4実施例である無線タグ通信装置110の電気的構成を説明する図である。この無線タグ通信装置110は、前記送信信号に基づく第3キャンセル信号をディジタル信号として出力する第3キャンセル信号出力部112と、その第3キャンセル信号出力部112から出力される第3キャンセル信号をアナログ信号に変換する第3キャンセル信号D/A変換部114と、その第3キャンセル信号D/A変換部114から出力される第3キャンセル信号の周波数を前記補正信号出力部44から出力される補正信号の周波数だけ低くする第3ダウンコンバータ116と、その第3ダウンコンバータ116から出力されるダウンコンバートされた第3キャンセル信号及び送受信分離器50から供給される前記受信信号を合成する第3信号合成部118とを、備えて構成されている。この態様によれば、前記第2ダウンコンバータ74によるダウンコンバートに先立って上記第3信号合成部118により前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号が予め除去されるため、前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号が比較的大きい場合や、周囲の物体による反射等により返信信号に不要な信号が混入した場合であっても高い感度を実現できることに加え、前記第2ダウンコンバータ62を許容入力電力が比較的小さく雑音の発生が小さい構成とすることで前記無線タグ14の検出感度を向上させられるという利点がある。なお、前記第3ダウンコンバータ116は、復調には関与しないことから、許容入力電力が比較的大きく雑音の発生が大きいものを用いても検出感度には影響を与えない。
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
例えば、前述の実施例において、前記第1キャンセル信号出力部24、第1キャンセル信号制御部26、第2キャンセル信号出力部28、及び第2キャンセル信号制御部30等は、何れも前記DSP16に備えられた制御機能であったが、それらは前記DSP16とは別体として設けられる制御装置であってもよい。
また、前述の実施例において、前記第2信号合成部66は、その第2信号合成部66から出力される第2合成信号を増幅する増幅器としても機能するものであったが、前記第2信号合成部66とは別体である第2合成信号増幅部がその第2信号合成部66及び第2合成信号A/D変換部72の間に備えられたものであっても構わない。また、前記第1信号合成部58は、その第1信号合成部58から出力される第1合成信号を増幅する増幅器としても機能するものであってもよい。この場合、前記第2増幅部60は不要とされる。
また、前述の実施例において、前記無線タグ通信装置12には、前記無線タグ14に向けて搬送波Fc1を送信すると共に、その無線タグ14から返信される反射波Frfを受信する送受信アンテナ52が設けられていたが、前記無線タグ14に向けて搬送波Fc1を送信する送信アンテナと、その無線タグ14から返信される反射波Frfを受信する受信アンテナとが別体として設けられていてもよい。
また、前述の実施例において、前記無線タグ通信装置12には、前記第1合成信号をダウンコンバートして中間周波数信号とする第1ダウンコンバータ62が設けられていたが、そのように第1合成信号をダウンコンバートしない態様も考えられる。そのようにすれば、前記第1ダウンコンバータ62が不要となるため、前記送受信回路18の構成が簡単になるという利点がある。
また、前述の実施例において、前記無線タグ通信装置12は、主に図1の通信システム10における質問器として用いられていたが、本発明は、前記無線タグ14に所定の情報を書き込むための無線タグ作成装置や、情報の読み出し及び書き込みを行う無線タグリーダライタにも好適に適用されるものである。
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
本発明の無線タグ通信装置が好適に適用される通信システムの構成を説明する図である。 図1の無線タグ通信装置の電気的構成を説明する図である。 図2の無線タグ通信装置に備えられた関数テーブルの一例である正弦波テーブルを示している。 図1の無線タグに備えられた無線タグ回路の構成を説明するブロック線図であり、(a)は副搬送波を用いる構成を、(b)は副搬送波を用いない構成をそれぞれ示している。 図2の無線タグ通信装置における各部の信号の波形を例示する図であり、(a)は送受信アンテナから供給される受信信号の波形を、(b)は第2ダウンコンバータから出力されるダウンコンバートされた受信信号の波形を、(c)は第2アップコンバータから出力されるアップコンバートされた第1キャンセル信号の波形を、(d)は第1信号合成部から出力される第1合成信号の波形をそれぞれ示している。 図2の無線タグ通信装置における各部の信号の波形を例示する図であり、(a)は第1ダウンコンバータから出力されるダウンコンバートされた第1合成信号の波形を、(b)は第2キャンセル信号D/A変換部から出力される第2キャンセル信号の波形を、(c)は第2信号合成部から出力される第2合成信号の波形を、(d)は復調部から出力される復調信号の波形をそれぞれ示している。 図2の無線タグ通信装置のDSPによる送信側からの回り込み信号除去制御作動の要部を説明するフローチャートの一部である。 図2の無線タグ通信装置のDSPによる送信側からの回り込み信号除去制御作動の要部を説明するフローチャートの一部である。 図2の無線タグ通信装置のDSPによる送信側からの回り込み信号除去制御作動の要部を説明するフローチャートの一部である。 図2の無線タグ通信装置のDSPによる送信側からの回り込み信号除去制御作動の要部を説明するフローチャートの一部である。 図2の無線タグ通信装置のDSPによる送信側からの回り込み信号除去制御作動の要部を説明するフローチャートの一部である。 図2の無線タグ通信装置のDSPによる送信側からの回り込み信号除去制御作動の要部を説明するフローチャートの一部である。 図2の無線タグ通信装置のDSPによる送信側からの回り込み信号除去制御作動の要部を説明するフローチャートの一部である。 図1の無線タグ通信装置における補正信号の周波数ホッピングについて説明する図である。 本発明の第2実施例である無線タグ通信装置の電気的構成を説明する図である。 本発明の第3実施例である無線タグ通信装置の電気的構成を説明する図である。 図16の無線タグ通信装置に備えられた送信ディジタル信号出力部、第1キャンセル信号出力部、及び第2キャンセル信号出力部の構成を説明する図である。 本発明の第4実施例である無線タグ通信装置の電気的構成を説明する図である。
符号の説明
12、92、98、110:無線タグ通信装置
14:無線タグ
20、100:送信ディジタル信号出力部
24、102:第1キャンセル信号出力部
26:第1キャンセル信号制御部
28、104:第2キャンセル信号出力部
30:第2キャンセル信号制御部
32:復調部
34:直流成分検出部
36:受信信号振幅検出部
38:第1合成信号振幅検出部
40:関数テーブル
42:送信信号D/A変換部
44:補正信号出力部
46:第1アップコンバータ
52:送受信アンテナ
54:第1キャンセル信号D/A変換部
56:第2アップコンバータ
58:第1信号合成部
60:第2増幅部
62:第1ダウンコンバータ
64:第2キャンセル信号D/A変換部
66:第2信号合成部
70:第1合成信号A/D変換部
72:第2合成信号A/D変換部
74:第2ダウンコンバータ
76:受信信号A/D変換部
94:RSSI(受信信号振幅検出部)
112:第3キャンセル信号出力部
118:第3信号合成部
A1:第1キャンセル信号の振幅
A2:第2キャンセル信号の振幅
AM1:第1合成信号の振幅
AR:返信信号の振幅
φC1:第1キャンセル信号の位相
φC2:第2キャンセル信号の位相

Claims (20)

  1. 無線タグに向けて所定の送信信号をアンテナから送信すると共に、該送信信号に応答して無線タグから返信される返信信号をアンテナにより受信することで該無線タグとの間で情報の通信を行う無線タグ通信装置であって、
    該アンテナにより受信された受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を除去するための第1キャンセル信号を、所定サンプリング点において各位相に対応するサンプリング値が予め記憶された正弦波又は余弦波テーブルに基づいてディジタル信号として出力する第1キャンセル信号出力部と、
    該第1キャンセル信号出力部から出力される第1キャンセル信号の振幅及び位相の少なくとも一方を制御する第1キャンセル信号制御部と、
    前記第1キャンセル信号出力部から出力される第1キャンセル信号をアナログ変換する第1キャンセル信号D/A変換部と、
    該第1キャンセル信号D/A変換部によりアナログ変換された第1キャンセル信号及び前記受信信号を合成する第1信号合成部と
    を、含むことを特徴とする無線タグ通信装置。
  2. 前記送信信号を前記正弦波又は余弦波テーブルに基づいてディジタル信号として出力する送信ディジタル信号出力部を備え、
    前記第1キャンセル信号制御部は、該正弦波又は余弦波テーブルの読み出し位置を変更することにより前記第1キャンセル信号の位相を制御するものである請求項1の無線タグ通信装置。
  3. 前記第1キャンセル信号制御部は、前記正弦波又は余弦波テーブルに基づいて出力されるディジタル信号に所定の制御値を乗算することにより前記第1キャンセル信号の振幅を制御するものである請求項1又は2の無線タグ通信装置。
  4. 前記受信信号の振幅を検出する受信信号振幅検出部を含み、前記第1キャンセル信号制御部は、該受信信号振幅検出部により検出される前記受信信号の振幅に基づいて前記第1キャンセル信号の振幅を制御するものである請求項1からの何れかの無線タグ通信装置。
  5. 前記第1信号合成部から出力される第1合成信号の振幅を検出する第1合成信号振幅検出部を含み、前記第1キャンセル信号制御部は、該第1合成信号振幅検出部により検出される前記第1合成信号の振幅に基づいて前記第1キャンセル信号の位相を制御するものである請求項1からの何れかの無線タグ通信装置。
  6. 前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を除去するための第2キャンセル信号をディジタル信号として出力する第2キャンセル信号出力部と、
    該第2キャンセル信号出力部から出力される第2キャンセル信号の振幅及び位相の少なくとも一方を制御する第2キャンセル信号制御部と、
    前記第2キャンセル信号出力部から出力される第2キャンセル信号をアナログ変換する第2キャンセル信号D/A変換部と、
    該第2キャンセル信号D/A変換部によりアナログ変換された第2キャンセル信号及び前記第1信号合成部から出力される第1合成信号を合成する第2信号合成部と
    を、含むものである請求項1から5の何れかの無線タグ通信装置。
  7. 前記第2キャンセル信号出力部は、前記正弦波又は余弦波テーブルに基づいて前記第2キャンセル信号を出力するものであり、前記第2キャンセル信号制御部は、該正弦波又は余弦波テーブルの読み出し位置を変更することにより前記第2キャンセル信号の位相を制御するものである請求項の無線タグ通信装置。
  8. 前記第2キャンセル信号制御部は、前記正弦波又は余弦波テーブルに基づいて出力されるディジタル信号に所定の制御値を乗算することにより前記第2キャンセル信号の振幅を制御するものである請求項の無線タグ通信装置。
  9. 前記第1キャンセル信号及び第2キャンセル信号は、互いに周波数が異なるものである請求項6から8の何れかの無線タグ通信装置。
  10. 前記第1信号合成部及び第2信号合成部の間に該第1信号合成部から出力される第1合成信号の振幅を変更するための増幅部を含むものである請求項6から9の何れかの無線タグ通信装置。
  11. 前記第2信号合成部から出力される第2合成信号の振幅を変更するための増幅部を含むものである請求項から10の何れかの無線タグ通信装置。
  12. 前記第2キャンセル信号制御部は、前記第1合成信号振幅検出部により検出される前記第1合成信号の振幅に基づいて前記第2キャンセル信号の振幅を制御するものである請求項から11の何れかの無線タグ通信装置。
  13. 前記第2信号合成部から出力される第2合成信号を復調する復調部と、
    該復調部から出力される復調信号の直流成分を検出する直流成分検出部と
    を、含み、
    前記第2キャンセル信号制御部は、該直流成分検出部により検出される前記復調信号の直流成分に基づいて前記第2キャンセル信号の位相を制御するものである請求項から12の何れかの無線タグ通信装置。
  14. 前記送信信号をディジタル信号として出力する送信ディジタル信号出力部と、
    該送信ディジタル信号出力部から出力される前記送信信号をアナログ変換する送信信号D/A変換部と、
    前記第1信号合成部及び第1合成信号振幅検出部の間に備えられて該第1信号合成部から出力される第1合成信号をディジタル変換する第1合成信号A/D変換部と、
    前記第2信号合成部及び復調部の間に備えられて該第2信号合成部から出力される第2合成信号をディジタル変換する第2合成信号A/D変換部と、
    前記受信信号をディジタル変換する受信信号A/D変換部と
    を、含み、
    前記第1キャンセル信号D/A変換部、第2キャンセル信号D/A変換部、送信信号D/A変換部、第1合成信号A/D変換部、第2合成信号A/D変換部、及び受信信号A/D変換部は、共通のクロック信号を用いるものである請求項13の無線タグ通信装置。
  15. 所定の補正信号を出力する補正信号出力部と、
    前記送信信号D/A変換部によりアナログ変換された送信信号の周波数を該補正信号出力部から出力される補正信号の周波数だけ高くする第1アップコンバータと、
    前記第1信号合成部から出力される第1合成信号の周波数を前記補正信号出力部から出力される補正信号の周波数だけ低くする第1ダウンコンバータと
    を、含むものである請求項14の無線タグ通信装置。
  16. 前記受信信号の周波数を前記補正信号出力部から出力される補正信号の周波数だけ低くする第2ダウンコンバータを含むものである請求項15の無線タグ通信装置。
  17. 前記第1キャンセル信号制御部は、前記受信信号又は第2ダウンコンバータの出力に基づいて前記第1キャンセル信号の振幅及び位相を制御すると共に、前記第2信号合成部から出力される第2合成信号に基づいて前記第1キャンセル信号の位相を制御するものである請求項16の無線タグ通信装置。
  18. 前記補正信号出力部は、前記補正信号の周波数をホッピングさせるものである請求項15から17の何れかの無線タグ通信装置。
  19. 前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を除去するための第3キャンセル信号を出力する第3キャンセル信号出力部と、
    該第3キャンセル信号出力部から出力される第3キャンセル信号及び前記受信信号を合成する第3信号合成部と
    を、含み、
    前記第1キャンセル信号制御部は、該第3信号合成部から出力される第3合成信号に基づいて前記第1キャンセル信号の振幅を制御するものである請求項1から18の何れかの無線タグ通信装置。
  20. 無線タグに向けて所定の送信信号をアンテナから送信すると共に、該送信信号に応答して無線タグから返信される返信信号をアンテナにより受信することで該無線タグとの間で情報の通信を行う無線タグ通信装置であって、
    該アンテナにより受信された受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を除去するための第1キャンセル信号をディジタル信号として出力する第1キャンセル信号出力部と、
    該第1キャンセル信号出力部から出力される第1キャンセル信号の振幅及び位相の少なくとも一方を制御する第1キャンセル信号制御部と、
    前記第1キャンセル信号出力部から出力される第1キャンセル信号をアナログ変換する第1キャンセル信号D/A変換部と、
    該第1キャンセル信号D/A変換部によりアナログ変換された第1キャンセル信号及び前記受信信号を合成する第1信号合成部と
    前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を除去するための第2キャンセル信号をディジタル信号として出力する第2キャンセル信号出力部と、
    該第2キャンセル信号出力部から出力される第2キャンセル信号の振幅及び位相の少なくとも一方を制御する第2キャンセル信号制御部と、
    前記第2キャンセル信号出力部から出力される第2キャンセル信号をアナログ変換する第2キャンセル信号D/A変換部と、
    該第2キャンセル信号D/A変換部によりアナログ変換された第2キャンセル信号及び前記第1信号合成部から出力される第1合成信号を合成する第2信号合成部と、
    該第2信号合成部から出力される第2合成信号を復調する復調部と、
    該復調部から出力される復調信号の直流成分を検出する直流成分検出部と、
    前記送信信号をディジタル信号として出力する送信ディジタル信号出力部と、
    該送信ディジタル信号出力部から出力される前記送信信号をアナログ変換する送信信号D/A変換部と、
    前記第1信号合成部及び第1合成信号振幅検出部の間に備えられて該第1信号合成部から出力される第1合成信号をディジタル変換する第1合成信号A/D変換部と、
    前記第2信号合成部及び復調部の間に備えられて該第2信号合成部から出力される第2合成信号をディジタル変換する第2合成信号A/D変換部と、
    前記受信信号をディジタル変換する受信信号A/D変換部と、
    所定の補正信号を出力する補正信号出力部と、
    前記送信信号D/A変換部によりアナログ変換された送信信号の周波数を該補正信号出力部から出力される補正信号の周波数だけ高くする第1アップコンバータと、
    前記第1信号合成部から出力される第1合成信号の周波数を前記補正信号出力部から出力される補正信号の周波数だけ低くする第1ダウンコンバータと、
    前記受信信号の周波数を前記補正信号出力部から出力される補正信号の周波数だけ低くする第2ダウンコンバータと
    を、備え、
    前記第2キャンセル信号制御部は、前記直流成分検出部により検出される前記復調信号の直流成分に基づいて前記第2キャンセル信号の位相を制御するものであり、
    前記第1キャンセル信号D/A変換部、第2キャンセル信号D/A変換部、送信信号D/A変換部、第1合成信号A/D変換部、第2合成信号A/D変換部、及び受信信号A/D変換部は、共通のクロック信号を用いるものである
    ことを特徴とする無線タグ通信装置。
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