JP2009081718A - 送受信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】バックスキャッタ方式の送受信において応答器からの信号を確実に受信できる質問器の送受信装置を提供する。
【解決手段】質問器と応答器との間でバックスキャッタ方式により送受信を行うための質問器の送受信装置1の受信波補償部40において、高周波分配部60で分配した回り込み送信波の一方を基準信号発生部50により発生させた基準信号に基づき直交復調部70において直交するI成分及びQ成分に直交復調し、復調したI成分及びQ成分の振幅を補償部72補償して出力する。補償したI成分及びQ成分を基準信号に基づき、直交変調部76で直交変調して出力する。補償制御部90において、高周波強度検出部100で検出した信号強度と変調波強度検出部110で検出した信号強度とが同じ値になるように補償部72を制御するとともに、合成波強度検出部120で検出した信号強度が黄金分割法で最小となるように補償部72を制御する。
【選択図】図2
【解決手段】質問器と応答器との間でバックスキャッタ方式により送受信を行うための質問器の送受信装置1の受信波補償部40において、高周波分配部60で分配した回り込み送信波の一方を基準信号発生部50により発生させた基準信号に基づき直交復調部70において直交するI成分及びQ成分に直交復調し、復調したI成分及びQ成分の振幅を補償部72補償して出力する。補償したI成分及びQ成分を基準信号に基づき、直交変調部76で直交変調して出力する。補償制御部90において、高周波強度検出部100で検出した信号強度と変調波強度検出部110で検出した信号強度とが同じ値になるように補償部72を制御するとともに、合成波強度検出部120で検出した信号強度が黄金分割法で最小となるように補償部72を制御する。
【選択図】図2
Description
本発明は、質問器と応答器との間でバックスキャッタ方式により送受信を行うための質問器の送受信装置、特にRFIDのリーダライタ(質問器)とタグ(応答器)に適用して好適な送受信装置に関する。
従来、質問器(リーダライタ)側からの電波を応答器(タグ)側で受信し、これに情報を載せて質問器側に送信するバックスキャッタ方式のRFIDにおいて、質問器が送信した送信周波数と同一の無変調波を自分自身で受信してしまうという、いわゆる送信波の回り込み現象が発生する。このため、バックスキャッタ方式のRFIDは、質問器側の受信回路に送信信号が混入し、応答器側から送信される微弱な電波を感度良く受信できないおそれがあるという欠点を持っている。
そのためにRF帯において、回り込み送信信号をキャンセラ回路によって除去するキャンセラ技術があった。このキャンセラ制御は、送信波の一部を分配し、その振幅と位相を調整することによって回り込み送信信号と同振幅で逆位相のキャンセル信号を生成し、それを受信波に加算することによって、受信波から回り込み送信信号を取り除くものである。
キャンセラ回路では、適切な振幅調整値と位相調整値をみつけることが課題となる。これに対して、従来技術では、調整範囲の振幅と位相とを離散化し、そのすべての点を走査することによって最適な振幅調整値と位相調整値を得ている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−14072号公報
ところが、特許文献1で示された振幅・位相調整値の探索方法は、粗い走査と細かい走査とを使い分けているものの、基本的には、いわゆる総当たりで求めるものであるため、最適な調整値にたどり着くまでに処理時間がかかるという問題がある。さらに、調整範囲の振幅と位相とを離散化しているので、調整精度が離散間隔に依存するという問題もある。
一方、アダプティブアレイアンテナや適応フィルタを用いた干渉キャンセラに代表される適応信号処理技術の考え方を本キャンセラ回路に適用することは、原理的には可能である。しかし、これらの信号処理は、ベースバンド信号を対象としており、その多くはFPGAやDSPなどのプロセッサ内部で処理が行われる。この場合、内部で処理される信号が線路遅延などによりいわゆる位相回転を起こすことはないため、安定した処理系を実現することができる。
ところが、RFIDのキャンセラ回路は、キャンセルする信号が、例えば950MHzや2.45GHzといった高周波信号を処理する高周波回路である。高周波回路は、伝送線路での遅延(位相回転)が無視できない領域の回路であるため、前述の適応信号処理系を構築する場合、それらの位相回転をすべて考慮しなければならない。さらに、キャンセラ回路内に増幅器などのアクティブデバイスが存在する場合、入力電力や温度変化などにより出力信号の位相が変わるため、回路内の位相回転量は一定にはならない。
このような回路では、キャンセラ制御が安定せずに発振してしまうおそれがあり、発振した場合、応答器からの信号を受信できなくなるだけでなく、最悪の場合、質問器の受信回路を破壊してしまうおそれもある。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたもので、バックスキャッタ方式の送受信において応答器からの信号を確実に受信できる質問器の送受信装置を提供することを目的とする。
かかる問題を解決するためになされた請求項1に記載の送受信装置(1:この欄においては、発明に対する理解を容易にするため、必要に応じて「発明を実施するための最良の形態」欄において用いた符号を付すが、この符号によって請求の範囲を限定することを意味するものではない。)は、質問器と応答器との間でバックスキャッタ方式により送受信を行うための質問器の送受信装置(1)であって、受信波補償手段(40)を備えたことを特徴とする。
受信波補償手段(40)は、質問器の送信機(10)から応答器へ送信した電波のうち前記質問器の受信機(20)で直接受信した回り込み送信波の一部を分配し、その分配波の振幅及び位相を、送信機(10)から応答器へ送信する電波に基づき、独立に補償することによって、回り込み送信波をキャンセルするキャンセル波を生成し、生成したキャンセル波を高周波回路において回り込み送信波に加算することによって、回り込み送信波をキャンセルする。
また、受信波補償手段(40)は、キャンセル波の振幅が回り込み送信波の信号強度と同じになるように補償し、さらに、受信波補償手段(40)の出力信号強度が最小になるようにキャンセル波の位相を補償する。
このような送受信装置(1)によれば、受信波補償手段(40)において、質問器から応答器へ送信する電波のうち質問器の受信機(20)で直接受信する回り込み送信波の振幅及び位相が、送信機から応答器へ送信する電波に基づき、高周波回路において補償されることによって、回り込み送信波がキャンセルされる。つまり、質問器は回り込み送信波の影響を受けないようにすることができる。
このとき、受信波補償手段(40)は、高周波回路において回り込み送信波の振幅及び位相を独立に、かつ、信号強度のみを検出して補償しているので、回り込み送信波のキャンセルを精度良く行うことができる。
なぜなら、本発明は、調整する振幅と位相とを離散的に走査するものではなく、独立に収束制御しているため、例えば演算装置で制御するのであれば、演算装置の表現できる数値精度で制御できるので、精度よく補償することができるからである。
また、回り込み送信波の振幅及び位相を独立、かつ、信号強度のみを検出して補償しているので、位相回転量が不明瞭な高周波回路の回路構成において実現するキャンセラであっても発散することなく、安定した制御が可能となる。
ところで、受信波補償手段(40)では、振幅及び位相が独立に補償されているが、請求項2に記載のように、振幅を補償した後に位相を補償するようにするとよい。
なぜらば、振幅制御前は、キャンセル波と回り込み送信波の信号強度に大きな違いがあることが多い。この場合、位相制御を行っても、受信波補償手段(40)の出力信号の強度も強い方の信号強度そのものが出力されるだけなので、位相制御に対する出力応答がほぼ一定の値となり、精度のよい位相制御が行えないためである。
なぜらば、振幅制御前は、キャンセル波と回り込み送信波の信号強度に大きな違いがあることが多い。この場合、位相制御を行っても、受信波補償手段(40)の出力信号の強度も強い方の信号強度そのものが出力されるだけなので、位相制御に対する出力応答がほぼ一定の値となり、精度のよい位相制御が行えないためである。
これに対し、振幅制御を行い、キャンセル波と回り込み送信波の信号強度が同じである場合、位相制御に対する受信波補償手段(40)の出力信号の応答が最も明確になるため、精度のよい位相制御を行うことができる。
ところで、受信波補償手段(40)における補償方法としては種々の方法が考えられるが、請求項3に記載のように直交変復調を用いることが考えられる。つまり、請求項3に記載のように、受信波補償手段(40)は、基準信号発生手段(50)、高周波分配手段(60)、直交復調手段(70)、補償手段(72)、直交変調手段(76)、高周波合成手段(80)、高周波強度検出手段(100)、変調波強度検出手段(110)、合成波強度検出手段(120)及び補償制御手段(90)を備える。
そして、基準信号発生手段(50)は、回り込み送信波と周波数同期した基準信号を発生し、高周波分配手段(60)は、回り込み送信波を2つの高周波に分配して出力する。
また、直交復調手段(70)は、高周波分配手段(60)が出力する一方の高周波を基準信号発生手段(50)により発生させた基準信号に基づき、直交するI成分及びQ成分に直交復調し出力する。
また、直交復調手段(70)は、高周波分配手段(60)が出力する一方の高周波を基準信号発生手段(50)により発生させた基準信号に基づき、直交するI成分及びQ成分に直交復調し出力する。
補償手段(72)は、直交復調手段(70)が出力する高周波のI成分及びQ成分の振幅を補償して出力する。
直交変調手段(76)は、補償手段(72)が出力するI成分及びQ成分を、基準信号に基づき直交変調して出力し、高周波合成手段(80)は、直交変調手段(76)の出力と高周波分配手段(60)が出力する他方の高周波とを合成して出力する。
直交変調手段(76)は、補償手段(72)が出力するI成分及びQ成分を、基準信号に基づき直交変調して出力し、高周波合成手段(80)は、直交変調手段(76)の出力と高周波分配手段(60)が出力する他方の高周波とを合成して出力する。
高周波強度検出手段(100)は、高周波分配手段(80)の他方の高周波の信号強度を検出し、変調波強度検出手段(110)は、直交変調手段(76)の出力の信号強度を検出し、合成波強度検出手段(120)は、高周波合成手段(80)の出力の信号強度を検出する。
補償制御手段(90)は、高周波強度検出手段(100)で検出した信号強度と変調波強度検出手段(110)で検出した信号強度とが同じ値になるように補償手段(72)を制御するとともに、合成波強度検出手段(120)で検出した信号強度が最小となるように前記補償手段(72)を制御する。
このような、受信波補償手段(40)によれば、直交変調及び直交復調を用いて変復調を行うことにより、直流値の制御だけで高周波信号の振幅と位相とを簡便かつ高精度に制御することができる。
ところで、補償制御手段(90)の位相制御において高周波合成手段(80)の出力である高周波の出力を最小にするためには種々の方法が考えられるが、請求項4に記載のように、黄金分割法により、合成波強度検出手段(120)で検出した信号強度が最小になるように補償手段(72)を制御する、つまり、黄金分割法により高周波合成手段(80)の出力を最小にするとよい。
このように黄金分割法を用いると、他の方法、例えば、非線形制御手法である最急降下法などに比べて、出力を最小化するための収束特性がよく、また、発散することなく確実に収束させることができる。
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
図1は、質問器の送受信装置1の概略の構成を示すブロック図であり、図2は、送受信装置1の構成品である受信機20に設けられている受信波補償部40の概略の構成を示すブロック図である。
送受信装置1は、質問器と応答器(本実施形態の場合は、RFID)間でバックスキャッタ方式により送受信を行うための質問器の送受信装置であり、図1に示すように、送信機10、受信機20、アンテナ部30、制御部35及び図示しない電源を備えている。
送信機10は、D/A変換器11、変調器13、電力増幅器14及び発振器15を備え、制御部35から入力されるディジタル変調データを2.45GHzの周波数の電波に変換し、アンテナ部30へ出力する。
つまり、ディジタル変調データをD/A変換器11でアナログ信号に変換し、変換したアナログ信号を変調器13で変調し高周波信号とする。そして、変調した高周波信号を電力増幅器14で増幅し、アンテナ部30から送信するのである。なお、発振器15は、変調に必要な周波数の信号(2.45GHz)を変調器13に供給する。
受信機20は、低雑音増幅器21、受信波補償部40、復調器22、A/D変換器24を備え、アンテナ部30から受信した2.45GHzの電波を受信し、ディジタル復調データに変換して出力する。
つまり、アンテナ部30で受信した高周波信号を低雑音増幅器21で増幅し、増幅した高周波信号を復調器22で復調し復調信号とする。そして得られた復調信号をA/D変換器24でディジタル復調信号に変換し、制御部35へ出力するのである。なお、復調に必要な発振信号は送信機10の発振器15から供給される。
アンテナ部30は、送信機10及び受信機20で送受信する電波を送信又は受信するためのものであり、送信機10からの信号をアンテナ32へ伝送する場合とアンテナからの受信信号を受信機20へ伝送する場合とを分離するサーキュレータ31及びアンテナ32を備えている。RFIDの場合アンテナ32としては、パッチアンテナなどが用いられる。
制御部35は、図示しないCPU、ROM、RAM、ロジック回路、I/Oなどから構成され、応答器へ送信するコマンドなどをディジタル信号として送信機10に出力する。また、制御部35は、受信機20から入力されるディジタル信号からディジタル復調データを取得し、応答器から送信されたIDを読み取る等の処理を行う。
次に、受信機20の構成品のうち本発明の特徴である受信波補償部40について説明する。なお、送信機10及び受信機20のその他の構成品は、公知のものであるため、説明を省略する。
受信波補償部40は、送信機10から応答器へ送信した電波のうち質問器の受信機20で直接受信した回り込み送信波の一部を分配し、その分配波の振幅及び位相を、送信機10から応答器へ送信する電波に基づき、独立に補償することによって、回り込み送信波をキャンセルするキャンセル波を生成し、生成したキャンセル波を高周波回路において、周り込み送信波に加算することによって、回り込み送信波をキャンセルする。
ここで、回り込み送信波とは、具体的には図1中での一点鎖線で示される、サーキュレータ31で分離できずに送信機10から受信機20に漏れ出した高周波のことを意味している。
受信波補償部40は、図2に示すように、基準信号発生部50、高周波分配部60、直交復調部70、補償部72、直交変調部76、高周波合成部80、高周波強度検出部100、変調波強度検出部110、合成波強度検出部120及び補償制御部90を備えている。
基準信号発生部50は、回り込み送信波と周波数同期した基準信号を発生する高周波発振回路であり、周波数2.45GHzの正弦波を出力する。
高周波分配部60は、回り込み送信波を2つの高周波に分配して出力する高周波分波器であり、直交復調部70は、高周波分配部60が出力する一方の高周波を基準信号発生部50により発生させた基準信号に基づき、直交するI成分及びQ成分に直交復調し出力する直交復調器である。
高周波分配部60は、回り込み送信波を2つの高周波に分配して出力する高周波分波器であり、直交復調部70は、高周波分配部60が出力する一方の高周波を基準信号発生部50により発生させた基準信号に基づき、直交するI成分及びQ成分に直交復調し出力する直交復調器である。
補償部72は、直交復調部70が出力するI成分及びQ成分の振幅を補償して出力する。
直交変調部76は、補償部72が出力するI成分及びQ成分を基準信号に基づき、直交変調して出力する直交変調器であり、高周波合成部80は、直交変調部76の出力と高周波分配部60が出力する他方の高周波とを合成して出力する結合器である。
直交変調部76は、補償部72が出力するI成分及びQ成分を基準信号に基づき、直交変調して出力する直交変調器であり、高周波合成部80は、直交変調部76の出力と高周波分配部60が出力する他方の高周波とを合成して出力する結合器である。
高周波強度検出部100は、高周波分配部60の他方の高周波の信号強度を検出し、変調波強度検出部110は、直交変調部76の出力の信号強度を検出し、合成波強度検出部120は、高周波合成部80の出力の信号強度を検出する。
補償制御部90は、高周波合成部80で合成する2つの信号の振幅レベルが同じになるように振幅を補償するとともに、高周波合成部80の出力を最小化するように位相を補償する。
補償制御部90における振幅補償制御は、高周波強度検出部100の出力と変調波強度検出部110の出力のレベルが同一レベルとなるように行う。この制御は線形制御に分類されるもので、通常の無線回路に実装されている自動利得制御装置の原理を利用することができる。
補償制御部90における振幅補償制御は、高周波強度検出部100の出力及び変調波出力検出部の出力を入力し、その差分をとる。そして、その差分が0になるように、補償部72に対して変調波のI成分及びQ成分の大きさを調整するようにフィードバック指令が出力されることによって行われる。
補償制御部90における位相補償制御は、高周波合成部80の後段にある合成波強度検出部120の出力を最小とするように黄金分割法を用いて行う。なお、黄金分割法による位相制御については、後述する。
(位相補償の説明)
次に、補償制御部90において実行される補償制御のうち位相補償について、その原理について説明する
受信機20で受信され、高周波分配部60で分配される回り込み送信波r(t)は、振幅A、位相θ(0≦θ<2π)とすると、以下の式1で表される。
次に、補償制御部90において実行される補償制御のうち位相補償について、その原理について説明する
受信機20で受信され、高周波分配部60で分配される回り込み送信波r(t)は、振幅A、位相θ(0≦θ<2π)とすると、以下の式1で表される。
キャンセラ出力の包絡線の振幅Mをキャンセル波の位相α(0≦θ<2π)の関数で表現し、M=f(α)とすると以下の式8で示される。
(黄金分割法による補償制御処理)
次に、図3及び図4に基づいて、補償制御部90において実行される、キャンセラ出力を最小化するための黄金分割法による補償制御処理について説明する。
次に、図3及び図4に基づいて、補償制御部90において実行される、キャンセラ出力を最小化するための黄金分割法による補償制御処理について説明する。
図3は、補償制御処理の流れを示すフローチャートであり、図4は、黄金分割による位相の最小化の方法を示す図である。
図3に示すように、S100において、キャンセル波の振幅が回り込み送信波の振幅と同じになるように調整した後、黄金分割法のプロセスを開始する。
図3に示すように、S100において、キャンセル波の振幅が回り込み送信波の振幅と同じになるように調整した後、黄金分割法のプロセスを開始する。
続くS105〜S145では、黄金分割法を適用して最適な位相が求められる。つまり、S105において、図4(a)に示すように、目的関数f(α)の最小値を含む区間[a,b]の値と黄金比rを用いてその区間を黄金比で内分する点cとdがとられる。ここで、黄金比rは、以下の式9で求められる。なお、a,bの初期値は0度と360度になる。
続くS115では、S110において算出されたf(c)>f(d)であるか否かが判定される。そして、f(c)>f(d)ならば(S115:Yes)、処理がS120へ移行され、f(c)>f(d)でなければ、処理がS130へ移行される。
S120では、図4(b)に示すように、点cが点aに、また、点dが点cに置き換えられた後、続くS125において、式3を用いて点dが求められる。
一方、S130では、点dが点bに、また、点cが点dに置き換えた後、続くS135において式2を用いて点cが求められる。
一方、S130では、点dが点bに、また、点cが点dに置き換えた後、続くS135において式2を用いて点cが求められる。
続くS140では、区間[c,d]の値が所定の値以下になったか否かが判定される。そして、所定の値以下であると判定された場合(S140:Yes)、処理がS145へ移行され、所定の値より大きいと判定された場合(S140:No)、処理がS110へ戻され、黄金分割による最適位相を求める処理が繰り返される。
S145では、c又はdが位相αの最適値とされ、処理が終了される。
(黄金分割法による収束性の説明)
ここで、黄金分割法により高周波合成部80の出力を最小にすると、発散することなく確実に収束させることができることについて詳細に説明する。
(黄金分割法による収束性の説明)
ここで、黄金分割法により高周波合成部80の出力を最小にすると、発散することなく確実に収束させることができることについて詳細に説明する。
まず、ステップ1として、前述の式8ついて、式9〜式11と同じように、
黄金分割法では、fcとfdの大小関係が次のステップでの分岐条件となる、そこでfc−fdを計算すると以下の式12に示すようになる。
(1)0≦θ≦180度の場合
0≦θ≦180度の場合では、fc>fdの関係となる。この場合、黄金分割の2ステップ以降では、キャンセラ波の位相αのa〜c(0度〜(3−√5)π≒137.5度)が計算に使用されない範囲となる。
0≦θ≦180度の場合では、fc>fdの関係となる。この場合、黄金分割の2ステップ以降では、キャンセラ波の位相αのa〜c(0度〜(3−√5)π≒137.5度)が計算に使用されない範囲となる。
図6は、回り込み送信波の位相θが90度の場合(図6(a))、137.5度(c点)の場合(図6(b))、180度の場合(図6(c))のキャンセル波位相αに対するキャンセラ出力を示している。
この結果から、θが0〜137.5度までの範囲であれば、次ステップ以降の計算範囲で、落ち込み点は、最適点のみなので、次ステップ以降で確実に収束する。しかし、137.5<θ≦180度の範囲では、最適点以外での落ち込みが観測される(図6(c)中の黒丸)。黄金分割法では、2つの落ち込み点がある場合、最小となる落ち込み点に収束する保障はない。そこで、この範囲における次ステップ(ステップ2)の結果を考える。
[ステップ2(0≦θ≦180度の場合)]
ステップ2(0≦θ≦180度の場合)では、
ステップ2(0≦θ≦180度の場合)では、
そして、ステップ1と同様に、fcとfdの大小関係を調べるために、fc−fdを計算すると式13に示すようになる。
この結果から、ステップ2の結果は、fc>fdとなることが分かる。したがって、次のステップでは、a〜c(3−√5)≒137.5度〜(−1+√5)π≒222.5度)の範囲が計算にされない範囲となる。このことから、前ステップで問題となった137.5<θ≦180度は、次ステップ以降で計算対象外となるため、黄金分割法により、最適位相点に収束することになる。
(2)180<θ<360度の場合
180<θ<360度では、fc<fdの関係となる。この場合、黄金分割法の2ステップ以降では、キャンセラ位相αのd〜b((−1+√5)π≒222.5〜360度)が計算に使用されない範囲となる。
180<θ<360度では、fc<fdの関係となる。この場合、黄金分割法の2ステップ以降では、キャンセラ位相αのd〜b((−1+√5)π≒222.5〜360度)が計算に使用されない範囲となる。
図8は、回り込み送信波の位相θが181度の場合(図8(a))、222.5度(d点)の場合(図8(b))、359度の場合(図8(c))のキャンセル波の位相αに対するキャンセラ出力を示している。
この結果から、θが222.5〜360度までの範囲であれば、次ステップ以降の計算範囲で、落ち込み点は、最適点のみなので、次ステップ以降で確実に収束する。
しかし、180<θ<222.5度の範囲では、最適点以外での落ち込みが観測される(図8(a)中の黒丸)。そこで、この範囲における次ステップ(ステップ2)の結果を考える。
しかし、180<θ<222.5度の範囲では、最適点以外での落ち込みが観測される(図8(a)中の黒丸)。そこで、この範囲における次ステップ(ステップ2)の結果を考える。
[ステップ2(180<θ<360度の場合)]
ステップ2(180<θ<360度の場合)では、
ステップ2(180<θ<360度の場合)では、
そして、ステップ1と同様に、fcとfdの大小関係を調べるために、fc−fdを計算すると式14に示すようになる。
この結果から、ステップ2の結果は、fc<fdとなることが分かる。したがって、次のステップでは、d〜b((3ー√5)π≒137.5度〜(ー1++√5)π≒222.5度)の範囲が計算されない範囲となる。このことから、前ステップで問題となった180<θ≦222.5度は、次ステップ以降で計算対象外となるため、黄金分割法により、最適位相点に収束することになる。なお、このステップ2が図3のS110〜S140に相当する。
以上の結果から、黄金分割法をもちいれば、回り込み波の位相θの位相によらず、キャンセラ出力を最小化させるキャンセル波位相αをもとめることができる。
(送受信装置1の特徴)
以上のような送受信装置1によれば、受信波補償部40において、質問器から応答器へ送信する電波のうち質問器の受信機20で直接受信する回り込み送信波の振幅及び位相が送信機から応答器へ送信する電波に基づき、高周波回路において補償されることによって、回り込み送信波がキャンセルされる。つまり、質問器は回り込み送信波の影響を受けないようにすることができる。
(送受信装置1の特徴)
以上のような送受信装置1によれば、受信波補償部40において、質問器から応答器へ送信する電波のうち質問器の受信機20で直接受信する回り込み送信波の振幅及び位相が送信機から応答器へ送信する電波に基づき、高周波回路において補償されることによって、回り込み送信波がキャンセルされる。つまり、質問器は回り込み送信波の影響を受けないようにすることができる。
このとき、受信波補償部40は、高周波回路において回り込み送信波の振幅及び位相を独立に、かつ、信号強度のみを検出して補償しているので、回り込み送信波のキャンセルを精度良く行うことができる。
なぜなら、送受信装置1は、調整する振幅と位相とを離散的に走査するものではなく、振幅は自動利得制御、位相は黄金分割法といったように、独立に収束制御しているものであるため、演算装置で制御するのであれば、演算装置の表現できる数値精度で制御できるので、精度よく補償することができるからである。
また、回り込み送信波の振幅及び位相を独立、かつ、信号強度のみを検出しているので、位相回転量が不明瞭な高周波回路において実現するキャンセラ回路であっても発散することなく、安定した制御が可能となる。
また、振幅を補償した後に位相を補償しているので補正を正確に行うことができる。なぜならば、振幅制御前は、キャンセル波と回り込み送信波の信号強度に大きな違いがあることが多い。この場合、位相制御を行っても、受信波補償部40の出力信号強度も強い方の信号強度そのものが出力されるだけなので、位相制御に対する出力応答がほぼ一定の値となり、精度のよい位相制御が行えないためである。
これに対し、振幅制御を行い、キャンセル波と回り込み送信波の信号強度が同じである場合、移動制御に対する受信波補償部40の出力信号の応答が最も明確になるため、精度のよい位相制御を行うことができる。
また、受信波補償部40では、直交変調及び直交復調を用いて変復調を行うことにより、直流値の制御だけで高周波信号の振幅と位相とを簡便かつ高精度に制御できる。
また、キャンセラ出力の位相を最小化するために黄金分割法を用いている。したがって、他の非線形制御手法である最急降下法などに比べて、出力を最小化するための収束特性がよく、また、発散することなく確実に収束させることができる。
また、キャンセラ出力の位相を最小化するために黄金分割法を用いている。したがって、他の非線形制御手法である最急降下法などに比べて、出力を最小化するための収束特性がよく、また、発散することなく確実に収束させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、上記実施形態では直交変復調を用いたが、必ずしも直交変復調でなくともAM変復調やPM変復調を組み合わせたものでであってもよい。
例えば、上記実施形態では直交変復調を用いたが、必ずしも直交変復調でなくともAM変復調やPM変復調を組み合わせたものでであってもよい。
また、上記実施形態では、送受信される高周波の周波数が2.45GHzであったが、特に2.45GHzに限られず、950MHzやその他の周波数であってもよい。
1…送受信装置、10…送信機、11…D/A変換器、13…変調器、14…電力増幅器、15…発振器、20…受信機、21…低雑音増幅器、22…復調器、24…A/D変換器、30…アンテナ部、31…サーキュレータ、32…アンテナ、35…制御部、40…受信波補償部、50…基準信号発生部、60…高周波分配部、70…直交復調部、72…補償部、76…直交変調部、80…高周波合成部、90…補償制御部、100…高周波強度検出部、110…変調波強度検出部、120…合成波強度検出部。
Claims (4)
- 質問器と応答器との間でバックスキャッタ方式により送受信を行うための質問器の送受信装置であって、
前記質問器の送信機から応答器へ送信した電波のうち前記質問器の受信機で直接受信した回り込み送信波の一部を分配し、その分配波の振幅及び位相を、前記送信機から前記応答器へ送信する電波に基づき、独立に補償することによって、前記回り込み送信波をキャンセルするキャンセル波を生成し、生成したキャンセル波を高周波回路において、前記回り込み送信波に加算することによって、前記回り込み送信波をキャンセルする受信波補償手段を備え、
前記受信波補償手段は、前記キャンセル波の振幅が前記回り込み送信波の信号強度と同じになるように補償し、前記受信波補償手段の出力信号強度が最小になるように前記キャンセル波の位相を補償することを特徴とする送受信装置。 - 請求項1に記載の送受信装置において、
前記受信波補償手段は、
前記振幅を補償した後に前記位相を補償することを特徴とする送受信装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の送受信装置において、
前記受信波補償手段は、
前記回り込み送信波と周波数同期した基準信号を発生する基準信号発生手段と、
前記回り込み送信波を2つの高周波に分配して出力する高周波分配手段と、
前記高周波分配手段が出力する一方の高周波を前記基準信号発生手段により発生させた基準信号に基づき、直交するI成分及びQ成分に直交復調し出力する直交復調手段と、
前記直交復調手段が出力する前記高周波のI成分及びQ成分の振幅を補償して出力する補償手段と、
前記補償手段が出力する前記I成分及びQ成分を前記基準信号に基づき、直交変調して出力する直交変調手段と、
前記直交変調手段の出力と前記高周波分配手段が出力する他方の高周波とを合成して出力する高周波合成手段と、
前記高周波分配手段の他方の高周波の信号強度を検出する高周波強度検出手段と、
前記直交変調手段の出力の信号強度を検出する変調波強度検出手段と、
前記高周波合成手段の出力の信号強度を検出する合成波強度検出手段と、
前記高周波強度検出手段で検出した信号強度と前記変調波強度検出手段で検出した信号強度とが同じ値になるように前記補償手段を制御するとともに、前記合成波強度検出手段で検出した信号強度が最小となるように前記補償手段を制御する補償制御手段と、
を備えたことを特徴とする送受信装置。 - 請求項3に記載の送受信装置において、
前記補償制御手段は、
黄金分割法により、前記合成波強度検出手段で検出した信号強度が最小になるように前記補償手段を制御することを特徴とする送受信装置。
Priority Applications (1)
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Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2007
- 2007-09-26 JP JP2007250004A patent/JP2009081718A/ja active Pending
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