JP2008005448A - 無線通信装置 - Google Patents

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道弘 竹田
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Abstract

【課題】受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を好適に除去しつつSN比を改善し、安定した受信を行うことのできる無線通信装置を提供する。
【解決手段】送信信号の搬送波成分に基づいて送信側からの回り込み信号を抑制するためのキャンセル信号を生成するキャンセル信号生成部32と、そのキャンセル信号生成部32により生成されるキャンセル信号とアンテナ26により受信される受信信号とを合成するキャンセル信号合成部28と、そのキャンセル信号合成部28により合成された合成信号の信号強度を検出する信号強度検出部40と、その信号強度検出部40により検出される信号強度が零を含まない予め定められた所定の範囲内となるように前記キャンセル信号を制御するキャンセル信号制御部50とを、有することから、キャンセル信号に含まれるノイズが大きくなるのを抑制でき、結果としてSN比の低下を抑えることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、送信側からの回り込み信号を抑制するためのキャンセル回路を有する無線通信装置の改良に関する。
送信用アンテナから所定の送信信号を送信する送信部と、その送信信号に応じて返信される返信信号を受信用アンテナにより受信する受信部とを、有する無線通信装置が知られている。例えば、所定の情報が記憶された小型の無線タグ(応答器)から非接触にて情報の読み出しを行うRFID(Radio Frequency Identification)システムの無線タグ通信装置(質問器)がそれである。このRFIDシステムは、無線タグが汚れている場合や見えない位置に配置されている場合であっても無線タグ通信装置との通信によりその無線タグに記憶された情報を読み出すことが可能であることから、商品管理や検査工程等の様々な分野において実用が期待されている。
ところで、通常、上記無線タグ通信装置は、上記無線タグに向けて所定の送信信号(質問波)をアンテナから送信すると共に、その送信信号を受信した無線タグから返信される返信信号(応答波)をアンテナにより受信することでその無線タグとの間で情報の通信を行うが、その受信された返信信号に送信側からの強い回り込み信号(直接波)が混入して全体の受信信号強度が増大する場合がある。これにより、増幅器の許容入力強度を超えてしまうことから、受信信号を十分に増幅することができず、結果として無線タグからの返信信号成分を十分増幅することができないため、SN比(signal-to-noise ratio)が低下するという不具合があった。そこで、斯かる送信側からの回り込み信号を除去する技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載された移動体識別装置の干渉補償装置がそれである。この技術によれば、送信系から出力される送信信号の一部を分配し、その位相及び振幅を制御してキャンセル信号(補償信号)を生成して受信信号に合成することで、その受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を好適に除去できるとされている。
特開平8−122429号公報
ところで、前述したような従来の技術により受信信号に含まれる回り込み信号の除去を十分に行う場合、斯かる回り込み信号を完全に打ち消すようにキャンセル信号の制御を行うものであったが、実際に回りこみ信号を完全に打ち消すことは困難であり、それを実現するためにキャンセル信号の制御が複雑になるという弊害があった。また、前記受信信号やキャンセル信号等には不可避的に若干のノイズが含まれ、キャンセル信号を受信信号に合成することでその受信信号に含まれる回り込み信号は打ち消されるが、前記ノイズは打ち消されず足し合わされる。前記キャンセル信号に含まれるノイズは、そのキャンセル信号を増幅することに追従して大きくなることから、前記受信信号に含まれる回り込み信号を完全に打ち消すようにキャンセル信号を増幅することでそのキャンセル信号に含まれるノイズが大きくなってしまい、却ってSN比が低下するという不具合があった。また、送信側からの回り込み信号の抑制量すなわち打ち消す割合を増大させると、キャンセル信号の位相や振幅のわずかな変動により合成信号が非常に大きく変動するため、受信が不安定となりSN比の劣化や復調のエラーを生じさせるおそれがあった。すなわち、受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を好適に除去しつつSN比を改善する無線通信装置の開発が求められていた。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を好適に除去しつつSN比を改善し、安定した受信を行うことのできる無線通信装置を提供することにある。
斯かる目的を達成するために、本発明の要旨とするところは、送信用アンテナから送信信号を送信すると共に、その送信信号に応じて通信対象から返信される返信信号を受信用アンテナにより受信してその通信対象との間で情報の通信を行う無線通信装置であって、前記送信用アンテナから送信される送信信号の搬送波成分に基づいて送信側からの回り込み信号を抑制するためのキャンセル信号を生成するキャンセル信号生成部と、そのキャンセル信号生成部により生成されるキャンセル信号と前記受信用アンテナにより受信される受信信号とを合成するキャンセル信号合成部と、そのキャンセル信号合成部により合成された合成信号の信号強度を検出する信号強度検出部と、その信号強度検出部により検出される信号強度が零を含まない予め定められた所定の範囲内となるように前記キャンセル信号の位相及び/又は振幅を制御するキャンセル信号制御部とを、有することを特徴とするものである。
このようにすれば、前記送信用アンテナから送信される送信信号の搬送波成分に基づいて送信側からの回り込み信号を抑制するためのキャンセル信号を生成するキャンセル信号生成部と、そのキャンセル信号生成部により生成されるキャンセル信号と前記受信用アンテナにより受信される受信信号とを合成するキャンセル信号合成部と、そのキャンセル信号合成部により合成された合成信号の信号強度を検出する信号強度検出部と、その信号強度検出部により検出される信号強度が零を含まない予め定められた所定の範囲内となるように前記キャンセル信号の位相及び/又は振幅を制御するキャンセル信号制御部とを、有することから、前記受信信号に含まれる回り込み信号を完全に打ち消すのではなく、必要十分に打ち消すようにキャンセル信号を増幅することで、そのキャンセル信号に含まれるノイズが大きくなるのを抑制でき、結果としてSN比の低下を抑えることができる。また、送信側からの回り込み信号を必要以上に抑制しないので、キャンセル信号の位相や振幅の変動による合成信号の変動を可及的に小さくでき、安定した受信を行うことができる。すなわち、受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を好適に除去しつつSN比を改善し、安定した受信を行うことのできる無線通信装置を提供することができる。
また、前記受信信号に含まれる回り込み信号を必要十分に打ち消すようにキャンセル信号を制御するものであるため、その回り込み信号を完全に打ち消す制御に比べてキャンセル信号の制御が簡単で済み、且つ速やかにキャンセル信号を収束させることができる。
ここで、好適には、前記信号強度検出部は、前記受信用アンテナにより受信される受信信号の信号強度を検出し得るものであり、前記キャンセル信号制御部は、その信号強度検出部により検出される受信信号の信号強度よりもキャンセル信号の信号強度が小さくなるようにそのキャンセル信号の振幅を制御するものである。このようにすれば、前記キャンセル信号の増幅を小さく抑えることで、そのキャンセル信号に含まれるノイズが大きくなるのを抑制することができる。
また、好適には、前記キャンセル信号制御部は、前記信号強度検出部により検出される前記合成信号の信号強度が所定の範囲内であり、且つキャンセル信号の信号強度が可及的に小さくなるようにそのキャンセル信号を制御するものである。このようにすれば、送信側からの回り込み信号を必要十分に打ち消すように実用的な態様でキャンセル信号を増幅することができる。
また、好適には、前記キャンセル信号合成部から出力される合成信号を直交復調する直交復調部を有し、前記信号強度検出部は、その直交復調部により復調された復調信号の直流成分の信号強度を検出するものである。このようにすれば、前記合成信号や受信信号の信号強度を実用的な態様で検出することができる。
また、好適には、前記キャンセル信号合成部から出力される合成信号の一部を分配する分配部を有し、前記信号強度検出部は、その分配部により分配された合成信号の信号強度を検出するものである。このようにすれば、前記合成信号や受信信号の信号強度を実用的な態様で検出することができる。
また、好適には、前記キャンセル信号の初期設定に際して、前記送信用アンテナから搬送波を送信し、その搬送波に応じて前記受信用アンテナにより受信される受信信号に対応して前記キャンセル信号制御部によりキャンセル信号を制御し、前記信号強度検出部により検出される合成信号の信号強度が前記所定の範囲内となった段階でそのキャンセル信号の振幅及び/又は位相を初期値として記憶部に記憶するものである。このようにすれば、送信側からの回り込み信号を必要十分に打ち消すように実用的な態様でキャンセル信号を増幅することができる。
また、好適には、前記キャンセル信号制御部は、前記キャンセル信号の初期設定が行われた以降は、前記記憶部に記憶された初期値に基づいて前記キャンセル信号の位相及び/又は振幅を制御するものである。このようにすれば、前記記憶部に記憶された初期値に基づいて可及的速やかにキャンセル信号を収束させることができる。
また、好適には、前記記憶部は、前記キャンセル信号の制御履歴としてそのキャンセル信号の位相及び/又は振幅を随時記憶し得るものであり、前記キャンセル信号制御部は、前記記憶部に記憶された初期値に基づいて前記キャンセル信号の位相及び/又は振幅を制御した際、前記信号強度検出部により検出される合成信号の信号強度が前記所定の範囲外となる場合には、前記記憶部に記憶された制御履歴に基づいて前記キャンセル信号の位相及び/又は振幅を制御するものである。このようにすれば、前記記憶部に記憶された初期値及び制御履歴に基づいて可及的速やかにキャンセル信号を収束させることができる。
また、好適には、前記キャンセル信号合成部から出力される合成信号を増幅する増幅部と、その増幅部により増幅された合成信号を直交復調する直交復調部とを、有し、前記所定の範囲は、前記増幅部又は直交復調部が飽和しない範囲内において前記キャンセル信号の信号強度を可及的に小さくするように予め定められたものである。このようにすれば、前記キャンセル信号の増幅を可及的に小さく抑えることで、そのキャンセル信号に含まれるノイズが大きくなるのを抑制することができる。
また、好適には、前記所定の範囲は、前記増幅部又は直交復調部の飽和開始入力値未満であって、その飽和開始入力値から3乃至10dBの範囲内である。このようにすれば、前記増幅部又は直交復調部の飽和を好適に防止できると共に、送信側からの回り込み信号を必要十分に打ち消すことができる。
また、好適には、前記所定の範囲は、前記キャンセル信号の振幅をx軸、位相をy軸、前記合成信号強度をz軸とする三次元直交座標系におけるxy正射影において、前記合成信号強度が極小となる所定の領域を囲繞する環状の領域に対応するものである。このようにすれば、前記キャンセル信号の増幅を小さく抑えることで、そのキャンセル信号に含まれるノイズが大きくなるのを抑制することができる。
また、好適には、前記送信用アンテナとして用いられると共に前記受信用アンテナとして用いられる送受信共用アンテナを備えたものであり、その送受信共用アンテナは、送受信分離部を介して送信側の回路及び受信側の回路に接続されたものである。このようにすれば、実用的な送受信共用アンテナを備えた無線通信装置に関して、受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を好適に除去しつつSN比を改善することができる。
また、好適には、前記無線通信装置は、通信対象である無線タグに向けて所定の送信信号を送信用アンテナにより送信すると共に、その送信信号に応答して前記無線タグから返信される返信信号を前記受信用アンテナにより受信することで前記無線タグとの間で情報の通信を行う無線タグ通信装置である。このようにすれば、送信側からの回り込み信号による影響が特に大きい無線タグ通信装置に関して、受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を好適に除去しつつSN比を改善することができる。
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の無線通信装置が好適に用いられる無線タグ通信システム10について説明する図である。この無線タグ通信システム10は、本発明の無線通信装置の一実施例である無線タグ通信装置12と、その無線タグ通信装置12の通信対象である単数乃至は複数(図1では単数)の無線タグ14とから構成される所謂RFID(Radio Frequency Identification)システムであり、上記無線タグ通信装置12はそのRFIDシステムの質問器として、上記無線タグ14は応答器としてそれぞれ機能する。すなわち、上記無線タグ通信装置12から質問波F(送信信号)が上記無線タグ14に向けて送信されると、その質問波Fを受信した上記無線タグ14において所定のコマンド(送信データ)によりその質問波Fが変調され、応答波F(返信信号)として上記無線タグ通信装置12に向けて返信されることで、その無線タグ通信装置12と無線タグ14との間で情報の通信が行われる。この無線タグ通信システム10は、例えば、所定の通信領域内における物品の管理等に用いられるものであり、上記無線タグ14は、好適には、管理対象である物品に貼られる等してその物品と一体的に設けられている。
図2は、上記無線タグ通信装置12の構成を説明する図である。この図2に示すように、本実施例の無線タグ通信装置12は、搬送波に対応する所定の局所信号を発生させる局部発振器20と、その局部発振器20から出力される局所信号に所定のコマンド等の送信情報(送信データ)を乗せて送受信分離部24へ供給する送信アンプ22と、その送信アンプ22から出力される送信信号をアンテナ26へ供給すると共にそのアンテナ26により受信された受信信号をキャンセル信号合成部28へ供給する送受信分離部24と、送信側の回路からその送受信分離部24を介して供給される送信信号を送信すると共に受信された受信信号をその送受信分離部24を介して受信側の回路へ供給する送受信共用のアンテナ26と、上記局部発振器20から出力される局所信号を増幅する局所信号増幅部30と、その局所信号増幅部30から供給される信号すなわち送信信号の搬送波成分に基づいて送信側からの回り込み信号を抑制するためのキャンセル信号を生成するキャンセル信号生成部32と、そのキャンセル信号生成部32により生成されるキャンセル信号と上記アンテナ26により受信される受信信号とを合成するキャンセル信号合成部28と、そのキャンセル信号合成部28から出力される合成信号を増幅する合成信号増幅部34と、上記局部発振器20から出力される局所信号に基づいて上記合成信号増幅部34から出力される合成信号を直交復調する直交復調部36と、その直交復調部36から出力されるI相信号(同相成分)及びQ相信号(直交成分)をディジタル変換して制御部42へ供給するA/Dコンバータ38と、上記直交復調部36により復調された復調信号の直流成分の信号強度を検出してその検出結果を制御部42へ供給する信号強度検出部40と、中央演算処理装置である制御部42とを、備えて構成されている。なお、上記送受信分離部24としては、よく知られたサーキュレータや方向性結合器等が好適に用いられる。
上記キャンセル信号生成部32は、上記制御部42から供給される移相量制御信号すなわちキャンセル位相制御信号に応じて、上記局所信号増幅部30から供給される送信信号の搬送波成分の位相を制御するキャンセル位相制御部としての可変移相部44と、上記制御部42から供給される減衰量制御信号すなわちキャンセル振幅制御信号に応じて、上記可変移相部44から出力される位相制御された搬送波成分の振幅を制御するキャンセル振幅制御部としての可変減衰部46とを、備えて構成されている。すなわち、上記局所信号増幅部30から供給される送信信号の搬送波成分は、上記可変移相部44及び可変減衰部46によりその位相及び/又は振幅が制御されてキャンセル信号として生成され、上記キャンセル信号合成部28に入力されて上記アンテナ26により受信された受信信号と合成される。
前記制御部42は、ROMすなわち読出専用メモリ等に予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う所謂マイクロコンピュータシステムであり、上記送信アンプ22に送信データを供給したり、上記キャンセル信号生成部32により生成されるキャンセル信号を制御したりというように、上記無線タグ通信装置12による通信動作を制御する。斯かる制御を行うために、RAMすなわち随時書込読出メモリ等の記憶部48を有すると共に、以下に詳述するキャンセル信号制御部50を機能的に備えている。また、上記記憶部48は、後述する制御によりキャンセル信号が収束した段階でそのキャンセル信号の振幅及び/又は位相を初期値として記憶すると共に、制御履歴としてそのキャンセル信号の位相及び/又は振幅を随時記憶し得るものである。
図3は、前記無線タグ14に備えられた無線タグ回路素子60の構成を説明する図である。この図3に示すように、上記無線タグ回路素子60は、前記無線タグ通信装置12との間で信号の送受信を行うためのアンテナ部62と、そのアンテナ部62により受信された信号を処理するためのIC回路部64とを、備えて構成されている。そのIC回路部64は、上記アンテナ部62により受信された前記無線タグ通信装置12からの質問波Fを整流する整流部66と、その整流部66により整流された質問波Fのエネルギを蓄積するための電源部68と、上記アンテナ部62により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部76に供給するクロック抽出部70と、所定の情報信号を記憶し得る情報記憶部として機能するメモリ部72と、上記アンテナ部62に接続されて信号の変調及び復調を行う変復調部74と、上記整流部66、クロック抽出部70、及び変復調部74等を介して上記無線タグ回路素子60の作動を制御するための制御部76とを、機能的に含んでいる。この制御部76は、前記無線タグ通信装置12と通信を行うことにより上記メモリ部72に上記所定の情報を記憶する制御や、上記アンテナ部62により受信された質問波Fを上記変復調部74において上記メモリ部72に記憶された情報信号に基づいて変調したうえで応答波Fとして上記アンテナ部62から反射返信する制御等の基本的な制御を実行する。
以下、前記無線タグ通信装置12の制御部42に備えられたキャンセル信号制御部50によるキャンセル信号制御処理、及びその処理に基づく前記キャンセル信号生成部32によるキャンセル信号の生成動作について詳しく説明する。
前記キャンセル信号制御部50は、前記信号強度検出部40により検出される前記合成信号(キャンセル信号を加算された受信信号)の信号強度が零を含まない予め定められた所定の範囲内となるように前記キャンセル信号の位相及び/又は振幅を制御する。換言すれば、前記受信信号に含まれる回り込み信号を完全に打ち消すのではなく、必要十分に打ち消すようにキャンセル信号を制御する。図4及び図5は、前記受信信号に含まれる回り込み信号を完全に打ち消す従来の制御と、完全には打ち消さず必要十分に打ち消す本実施例の制御とを対比して示す図である。図4に示すように、前記受信信号に含まれる回り込み信号を完全に打ち消す従来の制御では、搬送波の大きさに応じてその搬送波と振幅が同じく逆位相のキャンセル信号を生成させて合成するものであったが、合成対象となる信号の振幅が大きい分加算する際の変動が大きくなると共に、キャンセル信号に含まれるノイズが大きく増幅されるという弊害があった。なお、図では加算されるノイズは一例として同位相で表現しているが、一般的には位相関係は特定されない。ノイズには規則性はなく、ノイズを含む信号を加算するとノイズパワーは増加する。一方、図5に示すように、前記受信信号に含まれる回り込み信号を完全には打ち消さず必要十分に打ち消す本実施例の制御では、キャンセル信号の振幅を搬送波に比べて小さなものとして搬送波に加算するものであることから、合成対象となる信号の振幅が小さい分加算する際の変動を小さくできると共に、キャンセル信号に含まれるノイズを必要以上に増幅させずに済む。すなわち、前記受信信号乃至その受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号の信号強度に応じて前記キャンセル信号の振幅を適宜定めることで、前記受信信号に含まれる回り込み信号を完全に打ち消す従来の制御よりもSN比を向上させることができる。
ここで、前記信号強度検出部40は、前記アンテナ26により受信される受信信号の信号強度すなわちキャンセル信号合成部28においてキャンセル信号が合成されない受信信号の信号強度を検出し得るものであり、前記キャンセル信号制御部50は、好適には、その信号強度検出部40により検出される受信信号の信号強度よりもキャンセル信号の信号強度が小さくなるようにそのキャンセル信号の振幅を制御する。また、好適には、前記信号強度検出部40により検出される前記合成信号の信号強度が所定の範囲内であり、且つキャンセル信号の信号強度が可及的に小さくなるようにそのキャンセル信号を制御する。例えば、キャンセル信号の信号強度を零から漸増させていき、前記信号強度検出部40により検出される合成信号の信号強度が所定の範囲内となった段階で固定する等の手法により斯かる制御が実現される。
図6は、本発明者等が実験により測定したデータであって、前記信号強度検出部40により検出される前記合成信号の信号強度分布の一例を示す図であり、前記可変減衰部46の減衰量に対応するキャンセル信号の信号強度(dB)をx軸(横軸)、前記可変移相部44の移相量に対応するキャンセル信号の位相(deg)をy軸(縦軸)、前記合成信号強度をz軸(xy平面に垂直な軸)とする三次元直交座標系におけるxy正射影である。このz軸に対応する前記合成信号強度は、前記直交復調部36から出力されるI相信号及びQ相信号それぞれの二乗の和の平方根(={I2+Q21/2)に相当する値であり、紙面向かって図の右側に示すように、0.05未満を左上から右下への実斜線で、0.05以上0.10未満を左上から右下への破斜線で、0.10以上0.15未満を上から下への実線で、0.15以上0.20未満を右上から左下への破斜線で、0.20以上を右上から左下への実斜線で、それぞれハッチングして示している。この図6に示す例では、前記キャンセル信号の信号強度が8乃至18(dB)、位相が90乃至150(deg)であるとき前記合成信号の信号強度が極小となり、前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号が最も抑制されていることがわかる。
図7は、図6に示す信号強度分布に関して前記キャンセル信号の位相及び振幅を決定するための好適な範囲を例示する図である。前記キャンセル信号制御部50は、好適には、前記キャンセル信号の振幅をx軸、位相をy軸、前記合成信号強度をz軸とする三次元直交座標系におけるxy正射影において、前記信号強度検出部40により検出される前記合成信号強度が極小となる所定の領域を囲繞する環状の領域に対応する所定の範囲内となるように前記キャンセル信号の位相及び/又は振幅を制御する。例えば、図7に示すように一点鎖線で示す円と二点差線で示す円との間の範囲、すなわち一点鎖線で示す円の外側であり且つ二点鎖線で示す円の内側である環状の領域に対応する範囲内となるように前記キャンセル信号の位相及び/又は振幅を制御する。この態様では、上述したように前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号が最も抑制される範囲(一点鎖線で示す円の内側)は敢えて所定の範囲外とされるが、これは図4及び図5を用いて前述したように、前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を完全に打ち消そうとすることで却ってSN比が低下するのを抑制するためである。また、二点差線で示す円の外側が所定の範囲外とされるのは、斯かる範囲では前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号が十分に抑制されないためである。すなわち、上記一点鎖線で示す円と二点差線で示す円との間の範囲内となるように前記キャンセル信号の位相及び/又は振幅を制御することで、前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を必要十分に打ち消すことができると共に、SN比の低下を可及的に抑えることができる。なお、図8に示すように前記可変移相部44の移相量及び可変減衰部46の減衰量に対応する前記合成信号の信号強度を予め調べ、その結果をマップとして前記記憶部48に記憶しておくのが好ましい。そのようにすれば、簡単且つ速やかにキャンセル信号を好適な値に収束させることができる。
また、前記キャンセル信号制御部50は、好適には、前記合成信号増幅部34又は直交復調部36が飽和しない範囲内において前記キャンセル信号の信号強度を可及的に小さくするように前記キャンセル信号の位相及び/又は振幅を制御する。図9は、前記合成信号増幅部34又は直交復調部36が飽和しない範囲を説明する図である。この図9に示す上限値L1は、前記合成信号増幅部34、直交復調部36の線形性を保証することができる限界値であり、それら合成信号増幅部34、直交復調部36の性能(仕様)により決定される値である。また、図9に示す下限値L2は、前記合成信号増幅部34、直交復調部36の線形性を保証することができる限界値の1/10である。斯かる下限値L2乃至上限値L1の範囲内において前記キャンセル信号の信号強度を可及的に小さくするように前記キャンセル信号の位相及び/又は振幅を制御することで、前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を必要十分に打ち消すことができると共に、SN比の低下を可及的に抑えることができる。
また、前記キャンセル信号制御部50は、好適には、キャンセル信号の初期設定に際して、前記アンテナ26から搬送波を送信し、その搬送波に応じて前記アンテナ26により受信される受信信号に対応して前記キャンセル信号制御部50によりキャンセル信号を制御し、前記信号強度検出部40により検出される合成信号の信号強度が前記所定の範囲内となった段階でそのキャンセル信号の振幅及び/又は位相を初期値として前記記憶部48に記憶する。また、そのようにしてキャンセル信号の初期設定が行われた以降は、前記記憶部48に記憶された初期値に基づいて前記キャンセル信号の位相及び/又は振幅を制御する。また、前記記憶部48に記憶された初期値に基づいて前記キャンセル信号の位相及び/又は振幅を制御した際、前記信号強度検出部40により検出される合成信号の信号強度が前記所定の範囲外となる場合には、前記記憶部48に記憶された制御履歴に基づいて前記キャンセル信号の位相及び/又は振幅を制御する。斯かる制御により、簡単且つ速やかにキャンセル信号を好適な値に収束させることができる。
図10は、前記制御部42によるキャンセル信号制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
先ず、ステップ(以下、ステップを省略する)S1において、前記記憶部48に直流成分(直流分)のデータ履歴が記憶されているか否かが判断される。このS1の判断が否定される場合には、S2において、前記アンテナ26からコマンドを含まない搬送波が送信され、S3において、その搬送波に応じて前記アンテナ26により受信される受信信号の直流成分の信号強度が前記信号強度検出部40により検出され、その検出された信号強度に対応する直流成分の分布が作成されて前記記憶部48に記憶された後、S5以下の処理が実行されるが、S1の判断が肯定される場合には、S4において、前記記憶部48に記憶された直流成分のデータ履歴と比較して前記信号強度検出部40により検出される直流成分に変化があるか否かが判断される。このS4の判断が肯定される場合には、S2以下の処理が実行されるが、S4の判断が否定される場合には、S5において、前記信号強度検出部40により検出される直流成分が所定の上限値L1より小さいか否かが判断される。このS5の判断が否定される場合には、S6において、前記信号強度検出部40により検出される直流成分がL1以下になるように前記可変移相器44の移相量VP及び/又は可変減衰部46の減衰量VAが制御された後、S7以下の処理が実行されるが、S5の判断が肯定される場合には、S7において、前記信号強度検出部40により検出される直流成分が所定の下限値L2より大きいか否かが判断される。このS7の判断が否定される場合には、S8において、前記信号強度検出部40により検出される直流成分がL2以上になるように前記可変移相器44の移相量VP及び/又は可変減衰部46の減衰量VAが制御された後、S9以下の処理が実行されるが、S7の判断が肯定される場合には、S9において、キャンセル信号の制御履歴すなわち設定された可変移相器44の移相量VP及び/又は可変減衰部46の減衰量VAが前記記憶部48に記憶される。そして、S10において、前記送信アンプ22において所定のコマンドが乗せられた送信信号が前記アンテナ26から送信され、前記無線タグ14との間の通信が開始された後、本ルーチンが終了させられる。以上の制御において、S1乃至S9が前記キャンセル信号制御部50の動作に対応する。
このように、本実施例によれば、前記アンテナ26から送信される送信信号の搬送波成分に基づいて送信側からの回り込み信号を抑制するためのキャンセル信号を生成するキャンセル信号生成部32と、そのキャンセル信号生成部32により生成されるキャンセル信号と前記アンテナ26により受信される受信信号とを合成するキャンセル信号合成部28と、そのキャンセル信号合成部28により合成された合成信号の信号強度を検出する信号強度検出部40と、その信号強度検出部40により検出される信号強度が零を含まない予め定められた所定の範囲内となるように前記キャンセル信号の位相及び/又は振幅を制御するキャンセル信号制御部50(S1乃至S9)とを、有することから、前記受信信号に含まれる回り込み信号を完全に打ち消すのではなく、必要十分に打ち消すようにキャンセル信号を制御することで、そのキャンセル信号に含まれるノイズが大きくなるのを抑制でき、結果としてSN比の低下を抑えることができる。また、送信側からの回り込み信号を必要以上に抑制しないので、キャンセル信号の位相や振幅の変動による合成信号の変動を可及的に小さくでき、安定した受信を行うことができる。すなわち、受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を好適に除去しつつSN比を改善し、安定した受信を行うことのできる無線タグ通信装置12を提供することができる。
また、前記受信信号に含まれる回り込み信号を必要十分に打ち消すようにキャンセル信号を制御するものであるため、その回り込み信号を完全に打ち消す制御に比べてキャンセル信号の制御が簡単で済み、且つ速やかにキャンセル信号量を決定することができる。
また、前記信号強度検出部40は、前記アンテナ26により受信される受信信号の信号強度を検出し得るものであり、前記キャンセル信号制御部50は、その信号強度検出部40により検出される受信信号の信号強度よりもキャンセル信号の信号強度が小さくなるようにそのキャンセル信号の振幅を制御するものであるため、前記キャンセル信号の振幅を小さく抑えることで、そのキャンセル信号に含まれるノイズが大きくなるのを抑制することができる。
また、前記キャンセル信号制御部50は、前記信号強度検出部40により検出される前記合成信号の信号強度が所定の範囲内であり、且つキャンセル信号の信号強度が可及的に小さくなるようにそのキャンセル信号を制御するものであるため、送信側からの回り込み信号を必要十分に打ち消すように実用的な態様でキャンセル信号を増幅することができる。
また、前記キャンセル信号合成部28から出力される合成信号を直交復調する直交復調部36を有し、前記信号強度検出部40は、その直交復調部36により復調された復調信号の直流成分の信号強度を検出するものであるため、前記合成信号や受信信号の信号強度を実用的な態様で検出することができる。
また、前記キャンセル信号の初期設定に際して、前記アンテナ26から搬送波を送信し、その搬送波に応じて前記アンテナ26により受信される受信信号に対応して前記キャンセル信号制御部50によりキャンセル信号を制御し、前記信号強度検出部40により検出される合成信号の信号強度が前記所定の範囲内となった段階でそのキャンセル信号の振幅及び/又は位相を初期値として前記記憶部48に記憶するものであるため、送信側からの回り込み信号を必要十分に打ち消すように実用的な態様でキャンセル信号を増幅することができる。
また、前記キャンセル信号制御部50は、前記キャンセル信号の初期設定が行われた以降は、前記記憶部48に記憶された初期値に基づいて前記キャンセル信号の位相及び/又は振幅を制御するものであるため、前記記憶部48に記憶された初期値に基づいて可及的速やかにキャンセル信号を収束させることができる。
また、前記記憶部48は、前記キャンセル信号の制御履歴としてそのキャンセル信号の位相及び/又は振幅を随時記憶し得るものであり、前記キャンセル信号制御部50は、前記記憶部48に記憶された初期値に基づいて前記キャンセル信号の位相及び/又は振幅を制御した際、前記信号強度検出部40により検出される合成信号の信号強度が前記所定の範囲外となる場合には、前記記憶部48に記憶された制御履歴に基づいて前記キャンセル信号の位相及び/又は振幅を制御するものであるため、前記記憶部48に記憶された初期値及び制御履歴に基づいて可及的速やかにキャンセル信号を収束させることができる。
また、前記キャンセル信号合成部28から出力される合成信号を増幅する合成信号増幅部34と、その合成信号増幅部34により増幅された合成信号を直交復調する直交復調部36とを、有し、前記所定の範囲は、前記合成信号増幅部34又は直交復調部36が飽和しない範囲内において前記キャンセル信号の信号強度を可及的に小さくするように予め定められたものであるため、前記キャンセル信号の増幅を可及的に小さく抑えることで、そのキャンセル信号に含まれるノイズが大きくなるのを抑制することができる。
また、前記所定の範囲は、前記キャンセル信号の振幅をx軸、位相をy軸、前記合成信号強度をz軸とする三次元直交座標系におけるxy正射影において、前記合成信号強度が極小となる所定の領域を囲繞する環状の領域に対応するものであるため、前記キャンセル信号の増幅を小さく抑えることで、そのキャンセル信号に含まれるノイズが大きくなるのを抑制することができる。
また、送信用アンテナとして用いられると共に受信用アンテナとして用いられる送受信共用のアンテナ26を備えたものであり、そのアンテナ26は、送受信分離部24を介して送信側の回路及び受信側の回路に接続されたものであるため、実用的な送受信共用アンテナを備えた無線タグ通信装置12に関して、受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を好適に除去しつつSN比を改善することができる。
また、本実施例の無線通信装置は、通信対象である無線タグ14に向けて所定の送信信号をアンテナ26により送信すると共に、その送信信号に応答して前記無線タグ14から返信される返信信号を前記アンテナ26により受信することで前記無線タグ14との間で情報の通信を行う無線タグ通信装置12であるため、送信側からの回り込み信号による影響が特に大きい無線タグ通信装置12に関して、受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を好適に除去しつつSN比を改善することができる。
続いて、本発明の無線通信装置の他の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明において、実施例相互に共通する部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
図11は、本発明の無線通信装置の一実施例である無線タグ通信装置80の構成を説明する図である。この図11に示すように、本実施例の無線タグ通信装置80は、前記キャンセル信号合成部28から出力される合成信号の一部を信号強度検出部84へ分配すると共に前記合成信号増幅部34へ供給する分配部82と、その分配部82により分配された合成信号の信号強度を検出してその検出結果を前記制御部42へ供給する信号強度検出部84とを、備えて構成されている。上記分配部82としては、例えば20:1dBカプラが好適に用いられ、前記合成信号増幅部34へ供給される合成信号20に対して1が前記信号強度検出部84へ分配される。また、その信号強度検出部84は、例えばダイオード検波等により前記合成信号の直流成分の信号強度を検出する。ここで、上記無線タグ通信装置80に備えられたキャンセル信号制御部50は、好適には、上記信号強度検出部84により検出される信号強度すなわち前記キャンセル信号合成部28から出力される合成信号の信号強度が、前記合成信号増幅部34又は直交復調部36の飽和開始入力値未満であって、その飽和開始入力値から3乃至10dBの範囲内となるようにキャンセル信号の位相及び/又は振幅を制御する。
このように、本実施例によれば、前記キャンセル信号合成部28から出力される合成信号の一部を分配する分配部82を有し、前記信号強度検出部84は、その分配部82により分配された合成信号の信号強度を検出するものであるため、前記合成信号や受信信号の信号強度を実用的な態様で検出することができる。
また、前記所定の範囲は、前記合成信号増幅部34又は直交復調部36の飽和開始入力値未満であって、その飽和開始入力値から3乃至10dBの範囲内であるため、前記合成信号増幅部34又は直交復調部36の飽和を好適に防止できると共に、送信側からの回り込み信号を必要十分に打ち消すことができる。
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
例えば、前述の実施例では、RFIDシステムの質問器である無線タグ通信装置12に本発明が適用された例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、送信用アンテナから送信される送信信号の搬送波成分に基づいて送信側からの回り込み信号を抑制するためのキャンセル回路を有する無線通信装置に広く適用され得るものである。
また、前述の実施例では、本発明が送受信共用のアンテナ26を有する無線タグ通信装置12に適用された例を説明したが、送信用アンテナ及び受信用アンテナをそれぞれ個別に有する無線通信装置にも本発明は好適に適用されるものである。
また、前述の実施例において、前記キャンセル信号制御部50は、前記無線タグ14との間の通信に先立ってキャンセル信号の制御を行うものであったが、その無線タグ14との通信中にリアルタイムでキャンセル信号の制御を行うものであっても構わない。
また、前述の実施例では特に言及していないが、前記キャンセル信号制御部50によるキャンセル信号の制御に際して、前記信号強度検出部40等により検出される合成信号の信号強度が過渡的に零となってもよい。すなわち、前記キャンセル信号制御部50の制御により前記信号強度検出部40等により検出される信号強度が零を含まない所定の範囲内に収束すればよいのであり、本発明は、キャンセル信号制御を通して受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を完全に抑制するキャンセル信号の出力を禁止するものではない。
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
本発明の無線通信装置が好適に用いられる無線タグ通信システムについて説明する図である。 本発明の無線通信装置の好適な実施例である無線タグ通信装置の構成を説明する図である。 図2の無線タグ通信装置の通信対象である無線タグに備えられた無線タグ回路素子の構成を説明する図である。 受信信号に含まれる回り込み信号を完全に打ち消す従来の制御を説明する図である。 受信信号に含まれる回り込み信号を完全には打ち消さず必要十分に打ち消す本実施例の制御を説明する図である。 図2の無線タグ通信装置の信号強度検出部により検出される合成信号の信号強度分布の一例を示す図であり、キャンセル信号の信号強度をx軸、キャンセル信号の位相をy軸、合成信号強度をz軸とする三次元直交座標系におけるxy正射影である。 図6に示す信号強度分布に関してキャンセル信号の位相及び振幅を決定するための好適な範囲を例示する図である。 図6に示す信号強度分布に関してキャンセル信号の位相及び振幅の好適値を調べる方法について説明する図である。 図2の無線タグ通信装置に備えられた合成信号増幅部又は直交復調部が飽和しない範囲を説明する図である。 図2の無線タグ通信装置の制御部によるキャンセル信号制御の要部を説明するフローチャートである。 本発明の無線通信装置の他の好適な実施例である無線タグ通信装置の構成を説明する図である。
符号の説明
12、80:無線タグ通信装置
14:無線タグ(通信対象)
24:送受信分離部
26:アンテナ(送受信共用アンテナ)
28:キャンセル信号合成部
32:キャンセル信号生成部
34:合成信号増幅部
36:直交復調部
40、84:信号強度検出部
48:記憶部
50:キャンセル信号制御部
82:分配部

Claims (13)

  1. 送信用アンテナから送信信号を送信すると共に、該送信信号に応じて通信対象から返信される返信信号を受信用アンテナにより受信して該通信対象との間で情報の通信を行う無線通信装置であって、
    前記送信用アンテナから送信される送信信号の搬送波成分に基づいて送信側からの回り込み信号を抑制するためのキャンセル信号を生成するキャンセル信号生成部と、
    該キャンセル信号生成部により生成されるキャンセル信号と前記受信用アンテナにより受信される受信信号とを合成するキャンセル信号合成部と、
    該キャンセル信号合成部により合成された合成信号の信号強度を検出する信号強度検出部と、
    該信号強度検出部により検出される信号強度が零を含まない予め定められた所定の範囲内となるように前記キャンセル信号の位相及び/又は振幅を制御するキャンセル信号制御部と
    を、有することを特徴とする無線通信装置。
  2. 前記信号強度検出部は、前記受信用アンテナにより受信される受信信号の信号強度を検出し得るものであり、前記キャンセル信号制御部は、該信号強度検出部により検出される受信信号の信号強度よりもキャンセル信号の信号強度が小さくなるように該キャンセル信号の振幅を制御するものである請求項1の無線通信装置。
  3. 前記キャンセル信号制御部は、前記信号強度検出部により検出される前記合成信号の信号強度が所定の範囲内であり、且つキャンセル信号の信号強度が可及的に小さくなるように該キャンセル信号を制御するものである請求項2の無線通信装置。
  4. 前記キャンセル信号合成部から出力される合成信号を直交復調する直交復調部を有し、前記信号強度検出部は、該直交復調部により復調された復調信号の直流成分の信号強度を検出するものである請求項1から3の何れかの無線通信装置。
  5. 前記キャンセル信号合成部から出力される合成信号の一部を分配する分配部を有し、前記信号強度検出部は、該分配部により分配された合成信号の信号強度を検出するものである請求項1から3の何れかの無線通信装置。
  6. 前記キャンセル信号の初期設定に際して、前記送信用アンテナから搬送波を送信し、該搬送波に応じて前記受信用アンテナにより受信される受信信号に対応して前記キャンセル信号制御部によりキャンセル信号を制御し、前記信号強度検出部により検出される合成信号の信号強度が前記所定の範囲内となった段階で該キャンセル信号の振幅及び/又は位相を初期値として記憶部に記憶するものである請求項1から5の何れかの無線通信装置。
  7. 前記キャンセル信号制御部は、前記キャンセル信号の初期設定が行われた以降は、前記記憶部に記憶された初期値に基づいて前記キャンセル信号の位相及び/又は振幅を制御するものである請求項6の無線通信装置。
  8. 前記記憶部は、前記キャンセル信号の制御履歴として該キャンセル信号の位相及び/又は振幅を随時記憶し得るものであり、前記キャンセル信号制御部は、前記記憶部に記憶された初期値に基づいて前記キャンセル信号の位相及び/又は振幅を制御した際、前記信号強度検出部により検出される合成信号の信号強度が前記所定の範囲外となる場合には、前記記憶部に記憶された制御履歴に基づいて前記キャンセル信号の位相及び/又は振幅を制御するものである請求項6又は7の無線通信装置。
  9. 前記キャンセル信号合成部から出力される合成信号を増幅する増幅部と、
    該増幅部により増幅された合成信号を直交復調する直交復調部と
    を、有し、
    前記所定の範囲は、前記増幅部又は直交復調部が飽和しない範囲内において前記キャンセル信号の信号強度を可及的に小さくするように予め定められたものである請求項1から8の何れかの無線通信装置。
  10. 前記所定の範囲は、前記増幅部又は直交復調部の飽和開始入力値未満であって、該飽和開始入力値から3乃至10dBの範囲内である請求項9の無線通信装置。
  11. 前記所定の範囲は、前記キャンセル信号の振幅をx軸、位相をy軸、前記合成信号強度をz軸とする三次元直交座標系におけるxy正射影において、前記合成信号強度が極小となる所定の領域を囲繞する環状の領域に対応するものである請求項1から10の何れかの無線通信装置。
  12. 前記送信用アンテナとして用いられると共に前記受信用アンテナとして用いられる送受信共用アンテナを備えたものであり、該送受信共用アンテナは、送受信分離部を介して送信側の回路及び受信側の回路に接続されたものである請求項1から11の何れかの無線通信装置。
  13. 前記無線通信装置は、通信対象である無線タグに向けて所定の送信信号を送信用アンテナにより送信すると共に、該送信信号に応答して前記無線タグから返信される返信信号を前記受信用アンテナにより受信することで前記無線タグとの間で情報の通信を行う無線タグ通信装置である請求項1から12の何れかの無線通信装置。
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