JP2006217427A - 無線タグ通信装置 - Google Patents

無線タグ通信装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006217427A
JP2006217427A JP2005029812A JP2005029812A JP2006217427A JP 2006217427 A JP2006217427 A JP 2006217427A JP 2005029812 A JP2005029812 A JP 2005029812A JP 2005029812 A JP2005029812 A JP 2005029812A JP 2006217427 A JP2006217427 A JP 2006217427A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
cancel
unit
amplitude
converter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005029812A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4449770B2 (ja
Inventor
Kazuya Taki
和也 滝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2005029812A priority Critical patent/JP4449770B2/ja
Publication of JP2006217427A publication Critical patent/JP2006217427A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4449770B2 publication Critical patent/JP4449770B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Radar Systems Or Details Thereof (AREA)
  • Near-Field Transmission Systems (AREA)

Abstract

【課題】 送信側からの回り込み信号を信号レベルによらず好適に除去し得る簡単な構成の無線タグ通信装置を提供する。
【解決手段】 受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を除去するための第1キャンセル信号をデジタル信号として出力する第1キャンセル信号出力部24と、その第1キャンセル信号出力部24からの出力をアナログ変換する第1キャンセル信号D/A変換部54と、前記第1キャンセル信号の振幅及び/又は位相を制御するための制御信号を出力する第1キャンセル信号制御部26と、前記第1キャンセル信号D/A変換部54によりアナログ変換された第1キャンセル信号を前記送信側からの回り込み信号に応じた振幅に減衰させる第1キャンセル信号減衰器55と、その第1キャンセル信号減衰器55の出力及び受信信号を合成する第1信号合成部58とを、含むことから、前記回り込み信号が比較的小さな場合であっても好適に除去できる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、無線にて情報の書き込みや読み出しができる無線タグとの間で通信を行う無線タグ通信装置の改良に関する。
所定の情報が記憶された小型の無線タグ(応答器)から所定の無線タグ通信装置(質問器)により非接触にて情報の読み出しを行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが知られている。このRFIDシステムは、無線タグが汚れている場合や見えない位置に配置されている場合であっても無線タグ通信装置との通信によりその無線タグに記憶された情報を読み出すことが可能であることから、商品管理や検査工程等の様々な分野において実用が期待されている。
ところで、通常、上記無線タグ通信装置は、上記無線タグに向けて所定の送信信号をアンテナから送信すると共に、その送信信号を受信した無線タグから返信される返信信号をアンテナにより受信することでその無線タグとの間で情報の通信を行うが、その受信された返信信号に送信側からの強い回り込み信号が混入して全体の受信信号強度が増大する場合がある。これにより、増幅器の許容入力強度を超えてしまうことから、受信信号を十分に増幅することができず、結果として返信信号成分を十分増幅することができないため、信号対雑音比が低下するという不具合があった。そこで、斯かる送信側からの回り込み信号を除去する技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載された移動体識別装置の干渉補償装置がそれである。
特開平8−122429号公報
しかし、前記従来の技術における送信側からの回り込み信号の除去は、その回り込み信号を除去するためのキャンセル信号(補償信号)の振幅及び位相等の制御を専らアナログ処理により行うものであり、比較的高価で大型の移相器が必要であることに加え、その制御も困難であるという弊害があった。本発明の出願人は、この弊害を解消するために上記キャンセル信号をデジタル信号として出力する無線タグ通信装置を過去に出願している。特許文献2に記載された無線タグ通信装置がそれである。
特願2004−28013号
ところで、前記キャンセル信号をデジタル信号として出力する場合、出力されたデジタル信号をアナログ信号に変換するためのD/A変換器が必要とされ、送信側からの回り込み信号に応じて所定の減衰を与えるには、分解能の高いD/A変換器が求められる。だが一般に、分解能の高いD/A変換器は速度が遅く高価であり、高速のD/A変換器は安価ではあるが分解能が低いというように一長一短であり、送信側からの回り込み信号の信号レベルによっては十分な除去が行えなくなる可能性があった。特に、D/A変換器の最大出力振幅より回り込み信号の振幅がかなり小さくなると、高分解能のD/A変換器を用いても、その一部の出力範囲のみ使用することとなり実効的な分解能が低下してしまう。更に、実効的な分解能低下に伴い相対的にD/A変換器の非線形歪みによる誤差が大きくなり、十分な位相、振幅制御ができなくなる。このため、送信側からの回り込み信号を信号レベルによらず好適に除去し得る簡単な構成の無線タグ通信装置の開発が求められていた。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、送信側からの回り込み信号を信号レベルによらず好適に除去し得る簡単な構成の無線タグ通信装置を提供することにある。
斯かる目的を達成するために、本発明の要旨とするところは、無線タグに向けてアンテナから所定の送信信号を送信すると共に、その送信信号に応じて前記無線タグから返信される返信信号をアンテナにより受信することでその無線タグとの間で情報の通信を行う無線タグ通信装置であって、そのアンテナにより受信された受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を除去するためのキャンセル信号をデジタル信号として出力するキャンセル信号出力部と、そのキャンセル信号出力部から出力されるキャンセル信号をアナログ変換するキャンセル信号D/A変換部と、前記キャンセル信号出力部から出力されるキャンセル信号の振幅及び/又は位相を制御するための制御信号を出力するキャンセル信号制御部と、そのキャンセル信号制御部から出力される制御信号に基づいて前記キャンセル信号D/A変換部によりアナログ変換されたキャンセル信号を前記送信側からの回り込み信号に応じた振幅に減衰させる減衰部と、その減衰部により減衰させられたキャンセル信号及び前記受信信号を合成する信号合成部とを、含むことを特徴とするものである。
このようにすれば、前記アンテナにより受信された受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を除去するためのキャンセル信号をデジタル信号として出力するキャンセル信号出力部と、そのキャンセル信号出力部から出力されるキャンセル信号をアナログ変換するキャンセル信号D/A変換部と、前記キャンセル信号出力部から出力されるキャンセル信号の振幅及び/又は位相を制御するための制御信号を出力するキャンセル信号制御部と、そのキャンセル信号制御部から出力される制御信号に基づいて前記キャンセル信号D/A変換部によりアナログ変換されたキャンセル信号を前記送信側からの回り込み信号に応じた振幅に減衰させる減衰部と、その減衰部により減衰させられたキャンセル信号及び前記受信信号を合成する信号合成部とを、含むことから、前記回り込み信号の信号レベルに応じて前記減衰部の設定を変更することで、その回り込み信号が比較的小さな場合であっても好適に除去できる。すなわち、送信側からの回り込み信号を信号レベルによらず好適に除去し得る簡単な構成の無線タグ通信装置を提供することができる。
ここで、好適には、前記減衰部は、所定の入力信号における前記キャンセル信号の振幅が前記送信側からの回り込み信号の振幅を超えない限度においてその振幅に最も近い値となるように減衰量を設定するものである。このようにすれば、前記キャンセル信号D/A変換部の最大出力振幅或いはその1/2に近い値となるように前記制御信号を生成できることから、前記キャンセル信号の位相及び振幅を高精度で制御でき、前記送信側からの回り込み信号を十分に除去することができる。
また、好適には、前記減衰部は、所定の入力信号における前記キャンセル信号の振幅が前記送信側からの回り込み信号の振幅を超える値であってその振幅に最も近い値となるように減衰量を設定するものである。このようにすれば、前記送信側からの回り込み信号を十分に除去することができる。
また、好適には、前記制御信号は、前記キャンセル信号D/A変換部から出力されるキャンセル信号の振幅をそのキャンセル信号D/A変換部から出力可能な最大振幅の1/2近傍とする値である。このようにすれば、D/A変換部の分解能を生かして精度良く前記送信側からの回り込み信号を好適に除去することができる。
また、好適には、前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を除去するための第2のキャンセル信号をデジタル信号として出力する第2のキャンセル信号出力部と、その第2のキャンセル信号出力部から出力される第2のキャンセル信号をアナログ変換する第2のキャンセル信号D/A変換部と、前記第2のキャンセル信号出力部から出力される第2のキャンセル信号の振幅及び/又は位相を制御するための第2の制御信号を出力する第2のキャンセル信号制御部と、その第2のキャンセル信号制御部から出力される第2の制御信号に基づいて前記第2のキャンセル信号D/A変換部によりアナログ変換された第2のキャンセル信号を前記送信側からの回り込み信号に応じた振幅に減衰させる第2の減衰部と、その第2の減衰部により減衰させられた第2のキャンセル信号及び前記信号合成部から出力される合成信号を合成する第2の信号合成部とを、含むものである。このようにすれば、前記送信側からの回り込み信号を二重に除去することができ、信号対妨害波比を更に高められる。
また、好適には、前記キャンセル信号D/A変換部によりアナログ変換されたキャンセル信号の周波数を所定値高めるアップコンバータを備え、前記減衰部は、そのアップコンバータにより周波数が所定値高められたキャンセル信号を前記送信側からの回り込み信号に応じた振幅に減衰させるものである。このようにすれば、実用的な態様で前記送信側からの回り込み信号を除去することができる。
また、好適には、前記減衰部は、前記キャンセル信号の減衰量を離散的に変化させるものである。このようにすれば、前記減衰部の構成を簡単なものとすることができる。また、減衰量を変化させたときの入力信号の制御も簡単なものにすることができる。
また、好適には、前記減衰部は、前記キャンセル信号の減衰量を1/2の整数乗とするものである。このようにすれば、前記減衰部の構成を可及的に簡単なものとすることができる。また、減衰量を変化させたときの入力信号の制御も2進数で行うのでビットシフト演算などにより簡単なものにすることができる。
また、好適には、前記減衰部は、複数の電圧分割器を構成する複数の抵抗と、それら複数の電圧分割器を選択的に作動させる複数の開閉器から成るものである。このようにすれば、前記減衰部の構成を簡単且つ安価なものとすることができる。
また、好適には、前記減衰部は、バッファ装置を有するものである。このようにすれば、前記減衰部の動作を安定したものとすることができる。
また、好適には、前記キャンセル信号D/A変換部のサンプル数は、出力周期関数の1周期あたり4サンプルである。このようにすれば、ノイズフロアを低く抑えることができ、処理を高速化できると共に、前記減衰部により信号を減衰させても十分な信号対妨害波比が得られる。
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明が好適に適用される通信システム10の構成を説明する図である。この通信システム10は、所謂RFID(Radio Frequency Identification)システムであり、本発明の一実施例である無線タグ通信装置12と、複数(図1では4体)の無線タグ14a、14b、14c、14d(以下、特に区別しない場合には単に無線タグ14と称する)とから構成されている。上記無線タグ通信装置12は、上記通信システム10の質問器として、上記無線タグ14は、上記通信システム10の応答器としてそれぞれ機能するものである。すなわち、上記無線タグ通信装置12から送信信号である搬送波Fc1が送信されると、その搬送波Fc1を受信した上記無線タグ14a、14b、14c、14dにおいて所定の情報に基づいてその搬送波Fc1が変調されて返信信号である反射波Fr1、Fr2、Fr3、Fr4(以下、特に区別しない場合には単に反射波Frfと称する)としてそれぞれ返信され、上記無線タグ通信装置12によりその反射波rfが受信されて復調されることで上記無線タグ14との間で情報の通信が行われる。
図2は、上記無線タグ通信装置12の電気的構成を説明する図である。この無線タグ通信装置12は、上記無線タグ14に対する情報の読み出し及び書き込みの少なくとも一方を実行するためにその無線タグ14との間で情報の通信を行うものであり、送信信号をデジタル信号として出力したり、上記無線タグ14からの返信信号を復調する等のデジタル信号処理を実行したり、後述する減衰器55、65における減衰量の制御等を実行するDSP(Digital Signal Processor)16と、そのDSP16により出力された送信信号をアナログ信号に変換して搬送波Fc1として送信したり、上記無線タグ14からの反射波Frfを受信してデジタル変換して上記DSP16に供給する等の処理を実行する送受信回路18とから構成されている。
上記DSP16は、CPU、ROM、及びRAM等から成り、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う所謂マイクロコンピュータシステムであり、前記無線タグ14への送信信号をデジタル信号として出力する送信デジタル信号出力部20と、その送信デジタル信号出力部20から出力された送信デジタル信号を所定の情報信号(コマンド)に基づいて変調する変調部22と、前記送信信号に基づく第1キャンセル信号をデジタル信号として出力する第1キャンセル信号出力部24と、その第1キャンセル信号出力部24から出力される信号を制御すると共に、後述する第1キャンセル信号減衰器55における減衰量を制御することで上記第1キャンセル信号の振幅A1及び/又は位相φC1を制御するための第1の制御信号を出力する第1キャンセル信号制御部26と、前記送信信号に基づく第2キャンセル信号をデジタル信号として出力する第2キャンセル信号出力部28と、その第2キャンセル信号出力部28から出力される信号を制御すると共に、後述する第2キャンセル信号減衰器65における減衰量を制御することで上記第2キャンセル信号の振幅A2及び/又は位相φC2を制御するための第2の制御信号を出力する第2キャンセル信号制御部30と、後述する送受信アンテナ52により受信された受信信号を復調する復調部32と、その復調部32から出力される復調信号の直流成分(DC成分)を検出する直流成分検出部34と、前記受信信号の振幅ARを検出する受信信号振幅検出部36と、後述する第1信号合成部58から出力される第1合成信号の振幅AM1を検出する第1合成信号振幅検出部38と、所定サンプリング点において各位相に対応するサンプリング値が予め記憶された関数テーブル40とを機能的に備えている。ここで、好適には、前記第1キャンセル信号制御部26から出力される制御信号は、好適には、前記第1キャンセル信号D/A変換部54から出力される第1キャンセル信号の振幅をその第1キャンセル信号D/A変換部から出力可能な最大振幅の1/2近傍とする値である。
上記関数テーブル40は、好適には、所定サンプリング点において各位相に対応するサンプリング値が予め記憶された正弦波又は余弦波テーブルであり、図5は、その一例である正弦波テーブルを示している。この関数テーブル40には、初期位相「φ」に対して「sinφ」及び「sin(φ+0.5π)」の2つの値が予め記憶されており、例えば、「φ=0」に関して「sinφ=0」及び「sin(φ+0.5π)=1」が、「φ=0.2π」に関して「sinφ=0.58779」及び「sin(φ+0.5π)=0.80902」がそれぞれ記憶されている。「sin(φ+π)=-sinφ」であるので、斯かる2つの値から「sin(φ+π)」及び「sin(φ+1.5π)」も読み出すことができ、「φ=0」に関して「0,1,0,-1,0,1,0,-1,0,1,0,-1,……」の連続する値が、「φ=0.2π」に関して「0.58779, 0.80902, -0.58779, -0.80902, 0.58779, 0.80902, -0.58779, -0.80902, 0.58779, 0.80902, -0.58779, -0.80902,……」の連続する値がそれぞれ読み出される。これらの連続する値により、所定の正弦波信号が生成される。その正弦波信号の位相を変化させるためには、前記関数テーブル40における読み出し位置を変更すればよく、振幅を変化させるためには、読み出された正弦波信号に所定の制御値を乗算すればよいため、上記送信デジタル信号出力部20、第1キャンセル信号出力部24、及び第2キャンセル信号出力部28は、斯かる関数テーブル40に基づいて任意の正弦波信号を出力することができる。
前記送受信回路18は、上記変調部22から出力される送信デジタル信号をアナログ信号に変換する送信信号D/A変換部42と、所定の局所発振信号を出力する局所発振信号出力部44と、上記送信信号D/A変換部42によりアナログ信号に変換された送信信号の周波数をその局所発振信号出力部44から出力される局所発振信号の周波数だけ高くする第1アップコンバータ46と、その第1アップコンバータ46から出力される送信信号を増幅してその振幅を変更する第1増幅部48と、その第1増幅部48から出力される送信信号を高調波成分を除去するためのフィルタ51を介して送受信アンテナ52に供給すると共に、その送受信アンテナ52により受信された上記無線タグ14からの返信信号(送信側からの回り込み信号を含む受信信号)を上記フィルタ51を介して第1信号合成部58及び第2ダウンコンバータ74に供給する送受信分離器50と、その送受信分離器50を介して供給される送信信号を搬送波Fc1として送信すると共に、前記無線タグ14からの反射波Frfを受信して上記送受信分離器50に供給する送受信アンテナ52と、上記第1キャンセル信号出力部24から出力される第1キャンセル信号をアナログ信号に変換する第1キャンセル信号D/A変換部54と、前記第1キャンセル信号制御部26から出力される第1の制御信号に基づいて上記第1キャンセル信号D/A変換部54によりアナログ変換された第1キャンセル信号を送信側からの回り込み信号に応じた振幅に減衰させる第1キャンセル信号減衰器55と、その第1キャンセル信号減衰器55により減衰させられた第1キャンセル信号の周波数を上記局所発振信号出力部44から出力される局所発振信号の周波数だけ高くする第2アップコンバータ56と、その第2アップコンバータ56から出力される第1キャンセル信号及び送受信分離器50を介して送受信アンテナ52から供給される前記受信信号を合成する第1信号合成部58と、その第1信号合成部58から出力される第1合成信号を増幅してその振幅AM1を変更する第2増幅部60と、その第2増幅部60から出力される第1合成信号の周波数を上記局所発振信号出力部44から出力される局所発振信号の周波数だけ低くする第1ダウンコンバータ62と、上記第2キャンセル信号出力部28から出力される第2キャンセル信号をアナログ信号に変換する第2キャンセル信号D/A変換部64と、前記第2キャンセル信号制御部30から出力される第2の制御信号に基づいて上記第2キャンセル信号D/A変換部64によりアナログ変換された第2キャンセル信号を送信側からの回り込み信号に応じた振幅に減衰させる第2キャンセル信号減衰器65と、その第2キャンセル信号減衰器65により減衰させられた第2キャンセル信号及び第1ダウンコンバータ62から出力される第1合成信号を合成する(必要に応じて増幅も行い得る)第2信号合成部66と、上記第1ダウンコンバータ62から出力される第1合成信号を増幅してその振幅AM1を変更する第3増幅部68と、その第3増幅部68から出力される第1合成信号をデジタル変換して上記第1合成信号振幅検出部38に供給する第1合成信号A/D変換部70と、上記第2信号合成部66から出力される第2合成信号をデジタル変換して上記復調部32に供給する第2合成信号A/D変換部72と、上記送受信分離器50を介して供給される前記受信信号の周波数を上記局所発振信号出力部44から出力される局所発振信号の周波数だけ低くする第2ダウンコンバータ74と、その第2ダウンコンバータ74から出力される受信信号をデジタル変換して上記受信信号振幅検出部36に供給する受信信号A/D変換部76と、所定のクロック信号を出力するクロック信号出力部78とを備えている。このクロック信号出力部78は、好適には、上記送信信号D/A変換部42にクロック信号を供給すると共に、上記第1キャンセル信号D/A変換部54、第2キャンセル信号D/A変換部64、第1合成信号A/D変換部70、第2合成信号A/D変換部72、及び受信信号A/D変換部76のうち少なくとも1つ、更に好適にはそれら全てに上記送信信号D/A変換部42と共通のクロック信号を供給する。また、上記受信信号A/D変換部76には、上記第1合成信号A/D変換部70等に用いられる変換器よりもビット数の少ない変換器が好適に用いられる。そのような変換器によれば、前記無線タグ14による変調に関する成分を無視できるという利点がある。なお、上記局所発振信号出力部44としては、900MHz近傍や2.4GHz近傍の周波数を発振する発振器が好適に用いられる。また、上記送受信分離器50としては、サーキュレータ若しくは方向性結合器等が一般的に用いられる。
図3は、上記第1キャンセル信号減衰器55の構成を説明する図である。なお、上記第2キャンセル信号減衰器65もこの第1キャンセル信号減衰器55と同じ構成を備えたものであるため、以下の説明では第1キャンセル信号減衰器55について説明し、上記第2キャンセル信号減衰器65の説明を省略する。図3に示すように、上記第1キャンセル信号減衰器55は、抵抗R1及びR2と、複数(図3では3つ)の電圧分割器55a、55b、55c、55d、55eを構成する複数の抵抗Ra、Rb、Rc、Rd、Reと、それら複数の電圧分割器を選択的に作動させる複数の開閉器Sa、Sb、Sc、Sd、Seを有するアナログ開閉装置SWと、バッファ機能を有する増幅器であるバッファアンプBAとを、備えて構成されている。ここで、上記抵抗R2は接地されているが、所定の開閉器を介して接地させる態様も考えられる。上記開閉装置SWは、好適には、上記複数の抵抗Ra、Rb、Rc、Rd、Reを択一的に接続させるものであり、このようにすることで、前記第1キャンセル信号減衰器55は、入力された信号の減衰量を離散的に変化させて出力するものである。また、更に好適には、入力される信号の減衰量を1/2の整数乗とするものである。
図4は、漏れ搬送波レベルと抑圧量との関係について説明する図である。受信信号に混入する不要信号には、前記送受分離器50からの漏れによる回り込み、送信された電波が外部の反射体によって反射されてそれが受信されることによる回り込み等が含まれる。また、送信アンテナと受信アンテナとが別個に設けられている場合には、送信アンテナから受信アンテナへの直接あるいは間接的回り込みが含まれる。ここで、図4に示すように、14ビットのD/A変換器を用いると最大50dBの抑圧量が得られるが、漏れ搬送波振幅が1/4となった場合、すなわち漏れ搬送波レベルがD/A変換器入力ビット数換算値で12ビットから10ビット分程度にまで減少した場合には、抑圧量もまた10dB程度劣化する。更に、漏れ搬送波レベルがD/A変換器入力ビット数換算値で6ビット分程度となると、抑圧量は15dB程度小さくなる。特に、高分解能のD/A変換部は非線形歪みにより1LSB当たりの変換誤差が大きくなるので、小さな信号を発生させるほどに誤差が増大(図5の値から振幅がずれるので、結果的に位相誤差が増大)し、十分な抑圧が行われなくなるおそれがある。本実施例の無線タグ通信装置12では、図3を用いて上述したように、前記第1キャンセル信号D/A変換部54の出力側に減衰量が2−N(すなわち1/2、1/4、1/8、・・・)のように切り替えられる減衰器55が設けられており、不要信号の大きさに応じて減衰量を適宜切替可能に構成されている。これにより、前記第1キャンセル信号D/A変換部54から出力される第1キャンセル信号の振幅を、漏れ搬送波の信号レベルに応じて前記減衰器55により調整することができるので、常にフルスケールビット数−2とフルスケールビット数−3との間に前記第1キャンセル信号D/A変換部54の出力が生成される。従って、14ビットD/A変換器であれば漏れ搬送波レベルによらず、常に45〜51dB程度の抑圧量が得られ、不要信号を好適に除去することができる。前記第1キャンセル信号の位相調整及び振幅の微調整は、前記第1キャンセル信号D/A変換部54への制御信号の入力によっても行われ得る。また、図5を用いて前述したように、前記関数テーブル40におけるサンプル数は1周期あたり4サンプルとされており、これにより十分な位相精度が得られると共に処理の高速化が可能である。更に、量子化誤差は高調波成分となるため、前記送受信分離器50と送受信アンテナ52との間に設けられたフィルタ51により除去することができ、信号対妨害波比(S/N)の高い信号を送信することができる。また、ノイズフロアの上昇を防止できることから、前記減衰器55により信号を減衰させても十分な信号対妨害波比を確保できる。
図6(a)は、前記無線タグ14に備えられた無線タグ回路14aの構成を説明するブロック線図である。この無線タグ回路14aは、前記無線タグ通信装置12からの送信信号である搬送波Fc1を受信すると共に、返信信号である反射波Frfを返信するアンテナ80と、そのアンテナ80に接続されて信号の変調及び復調を行う変復調部82と、デジタル信号処理を行うデジタル回路部84とを備えて構成されている。そのデジタル回路部84は、上記アンテナ80により受信された搬送波Fc1をエネルギ源として前記無線タグ回路14aの作動を制御する制御部86と、副搬送波を発生させる副搬送波発振部88と、その副搬送波発振部88により発生させられた副搬送波を上記制御部86を介して入力される所定の情報信号に基づいて変調する副搬送波変調部90とを備えている。
続いて、以上のように構成された前記通信システム10の通信動作を説明する。先ず、前記無線タグ通信装置12の送信デジタル信号出力部20により前記関数テーブル40に基づいてデジタル信号である送信信号が出力される。この送信信号は、例えば、正弦波をサンプリングした信号となっている。次に、その送信デジタル信号出力部20から出力された送信デジタル信号が前記変調部22により変調される。次に、その変調部22により変調された送信デジタル信号が前記送信信号D/A変換部42によりアナログ信号に変換される。次に、その送信信号D/A変換部42によりアナログ信号に変換された送信信号の周波数が前記第1アップコンバータ46により前記局所発振信号出力部44から出力される局所発振信号の周波数だけ高められる。次に、その第1アップコンバータ46から出力された送信信号の振幅が前記第1増幅部48において増加させられる。次に、その第1増幅部48から出力された送信信号が前記送受信分離器50及びフィルタ51を介して前記送受信アンテナ52に供給され、その送受信アンテナ52から搬送波Fc1として前記無線タグ14に向けて送信される。
前記送受信アンテナ52からの搬送波Fc1が前記無線タグ14のアンテナ80により受信されると、その搬送波Fc1が前記変復調部82に供給されて復調される。また、搬送波Fc1の一部は図示しない整流部により整流され、その搬送波Fc1をエネルギ源として前記副搬送波発振部88において副搬送波が出力される。次に、その副搬送波発振部88から出力された副搬送波が前記制御部86を介して入力される所定の情報信号に基づいて副搬送波変調部90により1次変調される。次に、前記変復調部82においてその副搬送波変調部90から出力される1次変調された副搬送波により前記搬送波Fc1が2次変調され、前記アンテナ80から反射波Frfとして前記無線タグ通信装置12に向けて返信される。なお、前記無線タグ14は、図4(b)に示すように、副搬送波を用いない無線タグ回路14bの構成としてもよい。この場合、前記無線タグ14からの返信信号として制御部86bから変復調部82bに渡される信号は、ASK或いはPSKで変調する必要がある。
前記無線タグ14からの反射波Frfが前記無線タグ通信装置12の送受信アンテナ52により受信されると、前記フィルタ51及び送受信分離器50を介してその反射波Frfが受信信号として前記第1信号合成部58及び第2ダウンコンバータ74に供給される。このとき、前記送受信分離器50を介して受信側に回り込んだ送信信号も受信信号と同時に前記第1信号合成部58及び第2ダウンコンバータ74に供給される。図7(a)は、前記第1信号合成部58に供給される受信信号の波形を示している。ここでは、反射波(返信信号)よりも回り込み信号の方が非常に大きいため、この図7(a)では、振幅変調成分が非常に小さくなっているのが分かる。前記第2ダウンコンバータ74に供給された受信信号は、その周波数が前記局所発振信号出力部44から出力される局所発振信号の周波数だけ低下させられる。図7(b)は、前記第2ダウンコンバータ74から出力されるダウンコンバートされた受信信号の波形を示している。次に、その第2ダウンコンバータ74から出力されるダウンコンバートされた受信信号が前記受信信号A/D変換部76によりデジタル変換されて前記受信信号振幅検出部36に供給される。次に、その受信信号振幅検出部36により前記受信信号の振幅ARが検出され、その検出結果が前記第1キャンセル信号制御部26に供給される。
前記処理と前後して、前記第1キャンセル信号制御部26により第1キャンセル信号の位相φC1及び振幅A1が決定され、前記第1キャンセル信号出力部24により前記関数テーブル40に基づいてデジタル信号である第1キャンセル信号が出力されて前記第1キャンセル信号D/A変換部54においてアナログ信号に変換されると共に、前記第1キャンセル信号減衰器55により減衰させられる。この減衰量は、好適には、前記受信信号振幅検出部36から供給される前記受信信号の振幅ARに基づいて決定される。例えば、所定の入力信号における前記第1キャンセル信号の振幅A1が前記送信側からの回り込み信号の振幅を超えない限度においてその振幅に最も近い値となるように設定される。或いは、所定の入力信号における前記第1キャンセル信号の振幅A1が前記送信側からの回り込み信号の振幅を超える値であってその振幅に最も近い値となるように設定される。次に、その第1キャンセル信号減衰器55において減衰させられた第1キャンセル信号の周波数が前記第2アップコンバータ56により前記局所発振信号出力部44から出力される局所発振信号の周波数だけ高められる。図7(c)は、前記第2アップコンバータ56から出力されるアップコンバートされた第1キャンセル信号の波形を示している。次に、その第2アップコンバータ56から出力された第1キャンセル信号及び前記フィルタ51及び送受信分離器50を介して供給された受信信号が前記第1信号合成部58により合成され、その受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号が除去される。図7(d)は、前記第1信号合成部58から出力される第1合成信号の波形を示している。ただし、ここでは振幅を拡大して示している。実際には、送信側からの回り込み信号が除去された分図7(a)より振幅が小さくなるが、振幅変調成分は変化しないため、この信号を前記第2増幅部60により増幅すると、図7(d)の波形となる。この第1合成信号では、振幅変調成分が相対的に大きくなっており、図7(a)の受信信号と比較して送信側からの回り込み信号が除去されていることが分かるが、前記無線タグ14の応答信号強度に比べて送信側からの回り込み信号の強度が大きいため、未だ無視できない大きさの回り込み信号が残存している。前記第1信号合成部58から出力された第1合成信号は、前記第2増幅部60において利得G1にてその振幅が変更される。前記第1キャンセル信号の振幅A1及び位相φC1が好適に決定されると、その信号強度が相対的に低下して前記第1ダウンコンバータ62への入力信号が小さくなるため、前記第2増幅部60の利得G1は適宜増加させられる。ここで、前記第3増幅部68の利得G2は予め定められた初期値とされる。次に、前記第2増幅部60から出力された第1合成信号の周波数が前記第1ダウンコンバータ62により前記局所発振信号出力部44から出力される局所発振信号の周波数だけ低下させられ、前記第2信号合成部66及び第3増幅部68に供給される。
図8(a)は、前記第1ダウンコンバータ62から出力されるダウンコンバートされた第1合成信号の波形を示している。前記クロック信号出力部78から出力されるクロック信号の周波数は、好適には、このダウンコンバートされた第1合成信号(中間周波数信号)の周波数の4倍乃至はその整数倍とされる。前記第3増幅部68に供給された前記第1合成信号は、その第3増幅部68において利得G2にてその振幅が変更される。前記第1ダウンコンバータ62から出力される第1合成信号は、前記第1信号合成部58における送信側からの回り込み信号の除去が進行するのに従って小さくなるので、好適には、前記第3増幅部68における利得G2はそれに伴い順次増加させられる。次に、その第3増幅部68から出力された第1合成信号が前記第1合成信号A/D変換部70によりデジタル変換されて前記第1合成信号振幅検出部38に供給される。次に、その第1合成信号振幅検出部38により前記第1合成信号の振幅AM1が検出され、その検出結果が前記第1キャンセル信号制御部26及び第2キャンセル信号制御部30に供給される。好適には、斯かる第1合成信号の振幅AM1に基づいて、その振幅AM1が可及的に小さくなるように前記第1キャンセル信号制御部26により前記第1キャンセル信号の位相φC1が制御される。また、好適には、前記第1合成信号の振幅AM1の平均値が可及的に小さくなるように決定される。
前記処理と前後して、前記第2キャンセル信号制御部30により第2キャンセル信号の位相φC2及び振幅A2が決定され、前記第2キャンセル信号出力部28により前記関数テーブル40に基づいてデジタル信号である第2キャンセル信号が出力されて前記第2キャンセル信号D/A変換部64においてアナログ信号に変換されると共に、前記第2キャンセル信号減衰器65により減衰させられる。この第2キャンセル信号の振幅A2は、好適には、前記第1合成信号振幅検出部38から供給される前記第1合成信号の振幅AM1に基づいて決定される。好適には、前記第2信号合成部66に入力されるダウンコンバートされた第1合成信号の振幅と、第2キャンセル信号減衰器65から出力される第2キャンセル信号の振幅とが等しくなるように決定される。図8(b)は、前記第2キャンセル信号減衰器65から出力される第2キャンセル信号の波形を示している。次に、前記第2キャンセル信号減衰部65により減衰させられた第2キャンセル信号及び前記第1ダウンコンバータ62から供給されたダウンコンバートされた第1合成信号が前記第2信号合成部66により合成され、その第1合成信号に含まれる送信側からの回り込み信号が除去される。図8(c)は、前記第2信号合成部66から出力される第2合成信号の波形を示している。この第2合成信号では、図7(a)の受信信号や図7(d)の第1合成信号と比較して振幅変調成分が相対的に大きくなっており、送信側からの回り込み信号が除去されていることが分かる。前記第2信号合成部66から出力された第2合成信号は、前記第2合成信号A/D変換部72においてデジタル変換された後、前記第1キャンセル信号制御部26及び復調部32に供給される。そして、その復調部32により前記第2合成信号が復調されて前記無線タグ14の情報信号が読み出される。また、好適には、前記第2合成信号に基づいて前記第1キャンセル信号制御部26により前記第1キャンセル信号の位相φC1が制御される。また、好適には、前記第2信号合成部66は、差動増幅器としても機能するものであり、前記第2合成信号A/D変換部72への入力電圧が好適な値となるようにその第2信号合成部66における利得G3が変更される。
図8(d)は、前記復調部32から出力される復調信号の波形を示している。前記直流成分検出部34によりこの図8(d)に示す復調信号の直流成分が検出され、その検出結果が前記第2キャンセル信号制御部30に供給される。この直流成分は、送信側からの回り込み信号に対応するものであり、好適には、その直流成分の振幅D2が可及的に小さくなるように前記第2キャンセル信号制御部30により前記第2キャンセル信号の位相φC2が制御される。以上の通信動作により、前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号が好適に除去され、高感度の通信が実現される。
図9乃至図14は、前記無線タグ通信装置12のDSP16による送信側からの回り込み信号除去制御作動の要部を説明するフローチャートであり、数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行されるものである。
先ず、図9のステップ(以下、ステップを省略する)S1において、前記第1キャンセル信号の位相φC1及び第2キャンセル信号の位相φC2が共に0に設定される。次に、S2において、前記無線タグ14に向けてコマンド送信が行われるか否かが判断される。コマンドを送信するか否かの指示は、図示しない上位ルーチンにより適宜切り換えられる。このS2の判断が肯定される場合には、前記変調部22に対応するS3において、前記送信信号が所定のコマンドで変調された後、S5以下の処理が実行されるが、S2の判断が否定される場合には、S4において、前記送信信号の変調は行われず、S5において、前記受信信号A/D変換部76によりデジタル変換された受信信号AD1が読み出される。次に、前記受信信号振幅検出部36に対応するS6において、S5にて読み出された受信信号AD1の振幅ARが検出される。次に、S7において、前記第1キャンセル信号の振幅A1が決定される。次に、S8において、Nが0に設定される。次に、S9において、2−(N+1)がA1/A1Fより小さいか否かが判断される。ここで、A1Fは前記第1キャンセル信号D/A変換部54のフルスケール値を入力ビット数で表したものである。このS9の判断が否定される場合には、S12において、Nに1が加算された後、S9以下の処理が再び実行されるが、S9の判断が肯定される場合には、S10において、前記第1キャンセル信号減衰器55の減衰量が2−Nに設定され、S11において、A1D=2・A1とされた後、図10のS13以下の処理が実行される。
図10のS13において、変数i、k、及びXが何れも0に設定される。次に、S14において、前記関数テーブル40に記憶された関数値が読み出される。次に、S15において、S14にて読み出された関数値にS11にて決定された振幅A1Dが乗算される。次に、S16において、前記第1合成信号A/D変換部70によりデジタル変換された第1合成信号AD2が読み出される。次に、S17において、S16にて読み出された第1合成信号AD2の振幅AM1が検出される。次に、S18において、S17にて検出された第1合成信号の振幅AM1が第1所定値以下であるか否かが判断される。このS18の判断が否定される場合には、S23以下の処理が実行されるが、S18の判断が肯定される場合には、S19において、前記第3増幅部68の利得G2が最大であるか否かが判断される。S19の判断が肯定される場合、すなわち前記第3増幅部68の利得G2が最大であると判断される場合には、図11のS27以下の処理が実行されるが、S19の判断が否定される場合、すなわち前記第3増幅部68の利得G2が最大ではないと判断される場合には、S20において、変数Xが前記第3増幅部68の利得G2で除される。次に、S21において、前記第3増幅部68の利得G2に所定値dGが加えられる。次に、S22において、変数Xに前記第3増幅部68の利得G2が掛けられた後、S16以下の処理が再び実行される。S23では、S17にて検出された第1合成信号の振幅AM1が第2所定値以上であるか否かが判断される。すなわち、前記第1合成信号A/D変換部70への入力電圧が適正レベルと判定される範囲を第1所定値以上、第2所定値以下の範囲内と設定する。最初に入力電圧が小さすぎる場合には、増幅する必要があるため、S18の判断が肯定される場合には、S19において、前記第3増幅部68の利得G2が最大であるか否かが判断されるが、S18の判断が否定される場合には、S23の判断が行われる。このS23の判断が否定される場合には、前記第1合成信号A/D変換部70への入力電圧が適正レベルと判断されるので、図11のS27以下の処理が実行されるが、S23の判断が肯定される場合、すなわち前記第1合成信号A/D変換部72への入力電圧が大きすぎる場合には、S24において、前記第3増幅部68の利得G2が最小であるか否かが判断される。このS24の判断が肯定される場合には、図11のS27以下の処理が実行されるが、S24の判断が否定される場合には、S25において、変数Xが前記第3増幅部68の利得G2で除される。次に、S26において、前記第3増幅部68の利得G2から所定値dGが引かれた後、S22以下の処理が実行される。これにより、前記第3増幅部68の利得は、前記受信信号A/D変換部76への入力信号振幅(電圧)が常に適正値となるように制御することができ、前記第1信号合成部58から出力される第1合成信号の振幅が回り込み信号の除去により低下しても、感度良く制御を行うことができる。
図11のS27において、変数iが0であるか否かが判断される。このS27の判断が肯定される場合には、S28において、変数X=AM1、i=1とされ、S29において、前記第1キャンセル信号の位相φC1に所定値dφが加えられた後、図10のS14以下の処理が再び実行されるが、S27の判断が否定される場合には、S30において、変数Xが第1合成信号の振幅AM1よりも大きいか否かが判断される。このS30の判断が肯定される場合には、S31において、変数X=AM1とされた後、S29以下の処理が実行されるが、S30の判断が否定される場合には、S32において、変数k=0であるか否かが判断される。このS32の判断が肯定される場合には、S33において、変数k=1、所定値dφ=−dφとされた後、S29以下の処理が実行されるが、S32の判断が否定される場合には、S34において、前記第3増幅部68の利得G2が1とされ、S35において、前記第1キャンセル信号の位相φC1が決定された後、図12のS36以下の処理が実行される。この一連の処理により、第1合成信号の振幅AM1が最小となるように第1キャンセル信号の位相φC1を制御することができる。
図12のS36において、前記第2増幅部60の利得G1に所定値dGが加えられる。次に、S37において、前記第1合成信号A/D変換部70によりデジタル変換された第1合成信号が読み出される。次に、S38において、S31にて読み出された第1合成信号の振幅AM1が検出される。次に、S39において、S38にて検出された第1合成信号の振幅AM1が所定値に達したか否かが判断される。このS39の判断が肯定される場合には、S41以下の処理が実行されるが、S39の判断が否定される場合には、S40において、前記第2増幅部の利得G1が最大であるか否かが判断される。このS40の判断が否定される場合には、S36以下の処理が再び実行されるが、S40の判断が肯定される場合には、S41において、前記第2キャンセル信号の振幅A2が決定される。次に、S42において、Nが0に設定される。次に、S43において、2−(N+1)がA2/A2Fより小さいか否かが判断される。ここで、A2Fは前記第2キャンセル信号D/A変換部64のフルスケール値を入力ビット数に換算したものである。このS43の判断が否定される場合には、S46において、Nに1が加算された後、S43以下の処理が再び実行されるが、S43の判断が肯定される場合には、S44において、前記第2キャンセル信号減衰器65の減衰量が2−Nに設定され、S45において、A2D=2・A2とされた後、図13のS47以下の処理が実行される。この一連の処理により、回り込み信号が除去されて相対的に振幅変調成分が増加した受信信号を前記第2増幅部60により高周波増幅できるため、雑音の発生を抑えて感度の高い返信信号の検出が可能となる。
図13のS47において、変数i、k、及びYが何れも0に設定される。次に、S48において、前記関数テーブル40に記憶された関数値が読み出される。次に、S49において、S48にて読み出された関数値にS45にて決定された振幅A2Dが乗算される。次に、S50において、前記復調部32からの復調信号の出力があるか否かが判断される。このS50の判断が否定される場合には、S51において、所定時間が経過したか否かが判断される。このS51の判断が肯定される場合には、前記無線タグ14が返信信号を送信していないと判断されるので、図9のS2以下の処理が再び実行されるが、S51の判断が否定される場合には、S50以下の処理が再び実行される。S50の判断が肯定される場合、すなわち前記復調部32からの復調信号の出力があると判断される場合には、前記復調部32に対応するS52において、前記第2合成信号が復調されて復調信号が読み出される。次に、前記直流成分検出部34に対応するS53において、復調信号の直流成分の振幅D2が検出される。次に、S54において、復調信号の最大振幅ABmaxが検出された後、S55において、S54にて検出された復調信号の最大振幅ABmaxが第1所定値(図10の制御において説明した第1所定値とは別の値)以下であるか否かが判断される。すなわち、前記第2合成信号A/D変換部72への入力電圧が適正レベルと判定される範囲を第1所定値以上、第2所定値以下の範囲内と設定する。最初に入力電圧が小さすぎる場合には、増幅する必要があるため、このS55の判断が肯定される場合には、S56において、前記第2信号合成部66の利得G3が最大であるか否かが判断されるが、S55の判断が否定される場合には、S60において、S54にて検出された復調信号の最大振幅ABmaxが第2所定値(図10の制御において説明した第2所定値とは別の値)以上であるか否かが判断される。このS60の判断が否定される場合には、図14のS64以下の処理が実行されるが、S60の判断が肯定される場合、すなわち前記第2合成信号A/D変換部72への入力電圧が大きすぎる場合には、S61において、前記第2信号合成部66の利得G3が最小であるか否かが判断される。S56の判断が肯定される場合、すなわち前記第2信号合成部66の利得G3が最大であると判断される場合には、図14のS64以下の処理が実行されるが、S56の判断が否定される場合、すなわち前記第2信号合成部66の利得G3が最大ではないと判断される場合には、S57において、変数Yが前記第2信号合成部66の利得G3で除される。次に、S58において、前記第2信号合成部66の利得G3に所定値dGが加えられて増幅率が上げられる。次に、S59において、変数Yに前記第2信号合成部66の利得G3が掛けられた後、S50以下の処理が再び実行される。S61の判断が肯定される場合、すなわち前記第2合成信号A/D変換部72への入力電圧が適正範囲外である場合であって前記第2信号合成部66の利得G3が最小であると判断される場合には、図14のS64以下の処理が実行されるが、S61の判断が否定される場合、すなわち前記第2信号合成部66の利得G3が最小ではないと判断される場合には、S62において、変数Yが前記第2信号合成部66の利得G3で除され、S63において、前記第2信号合成部66の利得G3から所定値dGが引かれた(増幅率が下げられた)後、S59以下の処理が実行される。
図14のS64において、変数i=0であるか否かが判断される。このS64の判断が肯定される場合には、S65において、変数Y=D2、i=1とされ、S66において、前記第2キャンセル信号の位相φC2に所定値dφが加えられた後、図13のS48以下の処理が再び実行されるが、S64の判断が否定される場合には、S67において、変数Yが前記復調信号の直流成分の振幅D2よりも大きいか否かが判断される。このS67の判断が肯定される場合には、S68において、変数Y=D2とされた後、S66以下の処理が実行されるが、S67の判断が否定される場合には、S69において、変数k=0であるか否かが判断される。このS69の判断が肯定される場合には、S70において、変数k=1、所定値dφ=−dφとされた後、S66以下の処理が実行されるが、S69の判断が否定される場合には、S71において、前記第2信号合成部66の利得G3が1とされ、S72において、前記第2キャンセル信号の位相φC2が決定された後、図9のS2以下の処理が再び実行される。この一連の処理により、復調信号の直流成分D2が最小となるように第2キャンセル信号の位相φC2を制御することができる。以上の制御において、S7、S11、及びS35が前記第1キャンセル信号制御部26の動作に、S41、S45、及びS72が前記第2キャンセル信号制御部30の動作に、S17及びS38が前記第1合成信号振幅検出部38の動作にそれぞれ対応する。
ここで、前述の構成に加えて、前記第1信号合成部58及び第2信号合成部66における位相変化や、増幅部の利得の影響とりわけ振幅を補正する補正手段を設けてもよい。好適には、この補正量は予め求められて前記DSP16の記憶装置に記憶される。また、送信側からの回り込み信号の振幅が最小となるように前記第1キャンセル信号及び第2キャンセル信号の振幅及び位相を決定した後、更にその回り込み信号の振幅が小さくなるように前記第1キャンセル信号の振幅A1及び第2キャンセル信号の振幅A2を補正してもよい。図15は、前記図9乃至図14のフローチャートに示す制御動作の一部に替えて実行される制御動作を示すフローチャートである。この制御では、図9のS1の処理に対応するS73において、初期設定が実行される。次に、S2乃至S7の処理に対応するS74において、前記第1キャンセル信号の振幅A1が決定される。次に、図10及び図11のS13乃至S35に対応するS75において、前記第1キャンセル信号の位相φC1が決定される。次に、S76において、前記第1信号合成部58における位相変化や、前記第2増幅部60の利得G1等に基づいて変動した可能性のある前記第1キャンセル信号の振幅A1が補正される。この場合、第1合成信号の振幅AM1が最小となるように補正すればよい。次に、図12のS36乃至S41に対応するS77において、前記第2キャンセル信号の振幅A2が決定される。次に、図13のS37乃至S63に対応するS78において、前記第2キャンセル信号の位相φC2が決定される。次に、S79において、前記第2信号合成部66における位相変化や、その第2信号合成部66の利得G3等に基づいて変動した可能性のある前記第2キャンセル信号の振幅A2が復調信号の直流成分D2が最小となるように補正される。すなわち、前述した処理に加えて、S76及びS79の処理が新たに行われたことになる。以上の制御において、S74乃至S76が前記第1キャンセル信号制御部26の動作に、S77乃至S79が前記第2キャンセル信号制御部30の動作にそれぞれ対応する。
このように、本実施例によれば、前記送受信アンテナ52により受信された受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を除去するための第1キャンセル信号をデジタル信号として出力する第1キャンセル信号出力部24と、その第1キャンセル信号出力部24から出力される第1キャンセル信号をアナログ変換する第1キャンセル信号D/A変換部54と、前記第1キャンセル信号出力部24から出力される第1キャンセル信号の振幅A1及び/又は位相φC1を制御するための第1の制御信号を出力する第1キャンセル信号制御部26と、その第1キャンセル信号制御部26から出力される第1の制御信号に基づいて前記第1キャンセル信号D/A変換部54によりアナログ変換された第1キャンセル信号を前記送信側からの回り込み信号に応じた振幅に減衰させる第1キャンセル信号減衰器55と、その第1キャンセル信号減衰器55により減衰させられた第1キャンセル信号及び前記受信信号を合成する第1信号合成部58とを、含むことから、前記回り込み信号の信号レベルに応じて前記第1キャンセル信号減衰器55の設定を変更することで、その回り込み信号が比較的小さな場合であっても好適に除去できる。すなわち、送信側からの回り込み信号を信号レベルによらず好適に除去し得る簡単な構成の無線タグ通信装置12を提供することができる。
また、前記第1キャンセル信号減衰器55は、所定の入力信号における前記第1キャンセル信号の振幅A1が前記送信側からの回り込み信号の振幅を超えない限度においてその振幅に最も近い値となるように減衰量を設定するものであるため、前記第1キャンセル信号D/A変換部54の最大出力振幅或いはその1/2に近い値となるように前記制御信号を生成できることから、前記第1キャンセル信号の振幅A1及び位相φC1を高精度で制御でき、前記送信側からの回り込み信号を十分に除去することができる。
また、前記第1キャンセル信号減衰器55は、所定の入力信号における前記第1キャンセル信号の振幅A1が前記送信側からの回り込み信号の振幅を超える値であってその振幅に最も近い値となるように減衰量を設定するものであるため、前記送信側からの回り込み信号を十分に除去することができる。
また、前記第1の制御信号は、前記第1キャンセル信号D/A変換部54から出力される第1キャンセル信号の振幅をその第1キャンセル信号D/A変換部54が出力可能である最大振幅の1/2近傍とする値であるため、 前記送信側からの回り込み信号を好適に除去することができる。
また、前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を除去するための第2キャンセル信号をデジタル信号として出力する第2キャンセル信号出力部28と、その第2キャンセル信号出力部28から出力される第2キャンセル信号をアナログ変換する第2キャンセル信号D/A変換部64と、前記第2キャンセル信号出力部28から出力される第2キャンセル信号の振幅A2及び/又は位相φC2を制御するための第2の制御信号を出力する第2キャンセル信号制御部30と、その第2キャンセル信号制御部30から出力される第2の制御信号に基づいて前記第2キャンセル信号D/A変換部64によりアナログ変換された第2キャンセル信号を前記送信側からの回り込み信号に応じた振幅に減衰させる第2キャンセル信号減衰器65と、その第2キャンセル信号減衰器65により減衰させられた第2キャンセル信号及び前記第1信号合成部58から出力される第1合成信号を合成する第2信号合成部66とを、含むものであるため、前記送信側からの回り込み信号を二重に除去することができ、信号対妨害波比を更に高められる。
また、前記減衰器55、65は、前記キャンセル信号の減衰量を離散的に変化させるものであるため、それら減衰部55、65の構成を簡単なものとすることができる。また、減衰量を変化させたときの入力信号の制御も簡単なものにすることができる。
また、前記減衰器55、65は、前記キャンセル信号の減衰量を1/2の整数乗とするものであるため、それら減衰部55、65の構成を可及的に簡単なものとすることができる。また、減衰量を変化させたときの入力信号の制御も2進数で行うのでビットシフト演算などにより簡単なものにすることができる。
また、前記減衰器55、65は、複数の電圧分割器55a乃至55eを構成する複数の抵抗Ra乃至Reと、それら複数の電圧分割器55a乃至55eを選択的に作動させる複数の開閉器Sa乃至Seから成るものであるため、前記減衰部55、65の構成を簡単且つ安価なものとすることができる。
また、前記減衰器55、65は、バッファ装置として機能するバッファアンプBAを有するものであるため、前記減衰器55、65の動作を安定したものとすることができる。
また、前記キャンセル信号D/A変換部54、64のサンプル数は、出力周期関数の1周期あたり4サンプルであるため、ノイズフロアを低く抑えることができ、処理を高速化できると共に、前記減衰器55、65により信号を減衰させても十分な信号対妨害波比が得られる。
続いて、本発明の他の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明に用いる図面に関して、前述の第1実施例と共通する部分に関しては同一の符号を付してその説明を省略する。
図16は、本発明の第2実施例である無線タグ通信装置92の構成を説明する図である。この図16に示すように、本実施例の無線タグ通信装置92において、前記第1キャンセル信号減衰器55は前記第2アップコンバータ56の出力側に設けられており、そのアップコンバータ56により周波数が所定値高められた第1キャンセル信号を前記送信側からの回り込み信号に応じた振幅に減衰させるものである。斯かる構成によっても、前述した無線タグ通信装置12と同様に、実用的な態様で前記送信側からの回り込み信号を除去することができる。
図17は、本発明の第3実施例である無線タグ通信装置94の構成を説明する図である。この図17に示すように、本実施例の無線タグ通信装置94では、前記DSP16の変調部22と送信信号D/A変換部42との間に送信信号レジスタ96が設けられている。また、前記DSP16の第1キャンセル信号出力部24と第1キャンセル信号D/A変換部54との間に第1キャンセル信号レジスタ98が設けられている。また、前記送信信号D/A変換部42及び第1キャンセル信号D/A変換部54にクロック信号を供給する高速クロック信号出力部100と、その高速クロック信号出力部100から出力されるクロック信号を前記第2キャンセル信号D/A変換部64、第1合成信号A/D変換部70、第2合成信号A/D変換部72、受信信号A/D変換部76に供給するために分周する第1分周器102と、前記高速クロック信号出力部100から出力されるクロック信号をPLL116に供給するために分周する第2分周器104と、その第2分周器104から供給されるクロック信号に基づいて所定の周波数を有する局所発振信号を発生させ、前記第1ダウンコンバータ62及び第2ダウンコンバータ74に供給するPLL106とを、備えて構成されている。前述した図4に示すように、20dB以上の抑圧量を得るには8ビットのD/A変換器が利用可能であるが、8ビットであれば比較的高速のD/A変換器が利用できることから、本実施例の無線タグ通信装置94のように前記D/A変換部42、54において直接RF信号を発生させる態様も考えられる。また、入力データは高速アクセス可能なレジスタ96、98に一時記憶される態様が好ましい。このように、本実施例によれば、十分な信号対妨害波比を保証しつつ処理速度を速めることができる。
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
例えば、前述の実施例において、前記第1キャンセル信号出力部24、第1キャンセル信号制御部26、第2キャンセル信号出力部28、及び第2キャンセル信号制御部30等は、何れも前記DSP16に備えられた制御機能であったが、それらは前記DSP16とは別体として設けられる制御装置であってもよい。
また、前述の実施例では、前記第1キャンセル信号に対応する第1キャンセル信号減衰器55及び第2キャンセル信号に対応する第2キャンセル信号減衰器65を備えたものであったが、不要信号を十分に除去し得るのであればそれらの何れか一方のみ備えられたものであっても構わない。
また、前述の実施例において、前記第2信号合成部66は、その第2信号合成部66から出力される第2合成信号を増幅する増幅器としても機能するものであったが、前記第2信号合成部66とは別体である第2合成信号増幅部がその第2信号合成部66及び第2合成信号A/D変換部72の間に備えられたものであっても構わない。また、前記第1信号合成部58は、その第1信号合成部58から出力される第1合成信号を増幅する増幅器としても機能するものであってもよい。この場合、前記第2増幅部60は不要とされる。
また、前述の実施例において、前記無線タグ通信装置12には、前記無線タグ14に向けて搬送波Fc1を送信すると共に、その無線タグ14から返信される反射波Frfを受信する送受信アンテナ52が設けられていたが、前記無線タグ14に向けて搬送波Fc1を送信する送信アンテナと、その無線タグ14から返信される反射波Frfを受信する受信アンテナとが別体として設けられていてもよい。
また、前述の実施例において、前記無線タグ通信装置12には、前記第1合成信号をダウンコンバートして中間周波数信号とする第1ダウンコンバータ62が設けられていたが、そのように第1合成信号をダウンコンバートしない態様も考えられる。そのようにすれば、前記第1ダウンコンバータ62が不要となるため、前記送受信回路18の構成が簡単になるという利点がある。
また、前述の実施例において、前記第1キャンセル信号減衰器55は複数の抵抗と開閉器からなる構成としたが、D/A変換手段とPINダイオードを用いたブッリジT型可変アッテネータを組み合わせた構成を用いてもよい。
また、前述の実施例において、前記無線タグ通信装置12は、主に図1の通信システム10における質問器として用いられていたが、本発明は、前記無線タグ14に所定の情報を書き込むための無線タグ作成装置や、情報の読み出し及び書き込みを行う無線タグリーダライタにも好適に適用されるものである。
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
本発明の無線タグ通信装置が好適に適用される通信システムの構成を説明する図である。 図1の無線タグ通信装置の電気的構成を説明する図である。 図2の無線タグ通信装置に備えられた減衰器の構成を説明する図である。 漏れ搬送波レベルと抑圧量との関係について説明する図である。 図2の無線タグ通信装置に備えられた関数テーブルの一例である正弦波テーブルを示している。 図1の無線タグに備えられた無線タグ回路の構成を説明するブロック線図であり、(a)は副搬送波を用いる構成を、(b)は副搬送波を用いない構成をそれぞれ示している。 図2の無線タグ通信装置における各部の信号の波形を例示する図であり、(a)は送受信アンテナから供給される受信信号の波形を、(b)は第2ダウンコンバータから出力されるダウンコンバートされた受信信号の波形を、(c)は第2アップコンバータから出力されるアップコンバートされた第1キャンセル信号の波形を、(d)は第1信号合成部から出力される第1合成信号の波形をそれぞれ示している。 図2の無線タグ通信装置における各部の信号の波形を例示する図であり、(a)は第1ダウンコンバータから出力されるダウンコンバートされた第1合成信号の波形を、(b)は第2キャンセル信号D/A変換部から出力される第2キャンセル信号の波形を、(c)は第2信号合成部から出力される第2合成信号の波形を、(d)は復調部から出力される復調信号の波形をそれぞれ示している。 図2の無線タグ通信装置のDSPによる送信側からの回り込み信号除去制御作動の要部を説明するフローチャートの一部である。 図2の無線タグ通信装置のDSPによる送信側からの回り込み信号除去制御作動の要部を説明するフローチャートの一部である。 図2の無線タグ通信装置のDSPによる送信側からの回り込み信号除去制御作動の要部を説明するフローチャートの一部である。 図2の無線タグ通信装置のDSPによる送信側からの回り込み信号除去制御作動の要部を説明するフローチャートの一部である。 図2の無線タグ通信装置のDSPによる送信側からの回り込み信号除去制御作動の要部を説明するフローチャートの一部である。 図2の無線タグ通信装置のDSPによる送信側からの回り込み信号除去制御作動の要部を説明するフローチャートの一部である。 図2の無線タグ通信装置のDSPによる送信側からの回り込み信号除去制御作動の要部を説明するフローチャートの一部である。 本発明の第2実施例である無線タグ通信装置の電気的構成を説明する図である。 本発明の第3実施例である無線タグ通信装置の電気的構成を説明する図である。
符号の説明
12、92、94:無線タグ通信装置
14:無線タグ
24:第1キャンセル信号出力部
26:第1キャンセル信号制御部
28:第2キャンセル信号出力部
30:第2キャンセル信号制御部
52:送受信アンテナ
54:第1キャンセル信号D/A変換部
55:第1キャンセル信号減衰器
56:第2アップコンバータ
58:第1信号合成部
64:第2キャンセル信号D/A変換部
65:第2キャンセル信号減衰器
66:第2信号合成部
A1:第1キャンセル信号の振幅
A2:第2キャンセル信号の振幅
BA:バッファアンプ(バッファ装置)
R1、R2、Ra、Rb、Rc、Rd、Re:抵抗
Sa、Sb、Sc、Sd、Se:開閉器
φC1:第1キャンセル信号の移相
φC2:第2キャンセル信号の位相

Claims (11)

  1. 無線タグに向けてアンテナから所定の送信信号を送信すると共に、該送信信号に応じて前記無線タグから返信される返信信号をアンテナにより受信することで該無線タグとの間で情報の通信を行う無線タグ通信装置であって、
    該アンテナにより受信された受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を除去するためのキャンセル信号をデジタル信号として出力するキャンセル信号出力部と、
    該キャンセル信号出力部から出力されるキャンセル信号をアナログ変換するキャンセル信号D/A変換部と、
    前記キャンセル信号出力部から出力されるキャンセル信号の振幅及び/又は位相を制御するための制御信号を出力するキャンセル信号制御部と、
    該キャンセル信号制御部から出力される制御信号に基づいて前記キャンセル信号D/A変換部によりアナログ変換されたキャンセル信号を前記送信側からの回り込み信号に応じた振幅に減衰させる減衰部と、
    該減衰部により減衰させられたキャンセル信号及び前記受信信号を合成する信号合成部と
    を、含むことを特徴とする無線タグ通信装置。
  2. 前記減衰部は、前記キャンセル信号の減衰量を離散的に変化させるものである請求項1の何れかの無線タグ通信装置。
  3. 前記減衰部は、所定の入力信号における前記キャンセル信号の振幅が前記送信側からの回り込み信号の振幅を超えない限度において該振幅に最も近い値となるように減衰量を設定するものである請求項1又は2の無線タグ通信装置。
  4. 前記減衰部は、所定の入力信号における前記キャンセル信号の振幅が前記送信側からの回り込み信号の振幅を超える値であって該振幅に最も近い値となるように減衰量を設定するものである請求項1又は2の無線タグ通信装置。
  5. 前記所定の制御信号は、前記キャンセル信号D/A変換部から出力されるキャンセル信号の振幅を該キャンセル信号D/A変換部から出力可能な最大振幅の1/2近傍とする値である請求項3又は4の無線タグ通信装置。
  6. 前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を除去するための第2のキャンセル信号をデジタル信号として出力する第2のキャンセル信号出力部と、
    前記第2のキャンセル信号出力部から出力される第2のキャンセル信号をアナログ変換する第2のキャンセル信号D/A変換部と、
    前記第2のキャンセル信号出力部から出力される第2のキャンセル信号の振幅及び/又は位相を制御するための第2の制御信号を出力する第2のキャンセル信号制御部と、
    該第2のキャンセル信号制御部から出力される第2の制御信号に基づいて前記第2のキャンセル信号D/A変換部によりアナログ変換された第2のキャンセル信号を前記送信側からの回り込み信号に応じた振幅に減衰させる第2の減衰部と、
    該第2の減衰部により減衰させられた第2のキャンセル信号及び前記信号合成部から出力される合成信号を合成する第2の信号合成部と
    を、含むものである請求項1から5の何れかの無線タグ通信装置。
  7. 前記キャンセル信号D/A変換部によりアナログ変換されたキャンセル信号の周波数を所定値高めるアップコンバータを備え、前記減衰部は、該アップコンバータにより周波数が所定値高められたキャンセル信号を前記送信側からの回り込み信号に応じた振幅に減衰させるものである請求項1から6の何れかの無線タグ通信装置。
  8. 前記減衰部は、前記キャンセル信号の減衰量を1/2の整数乗とするものである請求項7の無線タグ通信装置。
  9. 前記減衰部は、複数の電圧分割器を構成する複数の抵抗と、それら複数の電圧分割器を選択的に作動させる複数の開閉器から成るものである請求項1から8の何れかの無線タグ通信装置。
  10. 前記減衰部は、バッファ装置を有するものである請求項9の無線タグ通信装置。
  11. 前記キャンセル信号D/A変換部のサンプル数は、出力周期関数の1周期あたり4サンプルである請求項1から10の何れかの無線タグ通信装置。
JP2005029812A 2005-02-04 2005-02-04 無線タグ通信装置 Active JP4449770B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005029812A JP4449770B2 (ja) 2005-02-04 2005-02-04 無線タグ通信装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005029812A JP4449770B2 (ja) 2005-02-04 2005-02-04 無線タグ通信装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006217427A true JP2006217427A (ja) 2006-08-17
JP4449770B2 JP4449770B2 (ja) 2010-04-14

Family

ID=36980239

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005029812A Active JP4449770B2 (ja) 2005-02-04 2005-02-04 無線タグ通信装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4449770B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008224511A (ja) * 2007-03-14 2008-09-25 Mitsubishi Electric Corp 車載用レーダ装置
JP2009165507A (ja) * 2008-01-10 2009-07-30 Olympus Medical Systems Corp 内視鏡洗浄消毒装置
JP2010505190A (ja) * 2006-09-29 2010-02-18 センサーマティック・エレクトロニクス・コーポレーション 信号キャンセラを有する無線周波識別リーダ及びその方法
JP2010124328A (ja) * 2008-11-20 2010-06-03 Denso Wave Inc Rfidリーダライタ装置及びrfidリーダライタシステム
JP2015029293A (ja) * 2007-03-27 2015-02-12 クゥアルコム・インコーポレイテッドQualcomm Incorporated 無線通信装置における送信信号漏出の排除

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010505190A (ja) * 2006-09-29 2010-02-18 センサーマティック・エレクトロニクス・コーポレーション 信号キャンセラを有する無線周波識別リーダ及びその方法
JP2008224511A (ja) * 2007-03-14 2008-09-25 Mitsubishi Electric Corp 車載用レーダ装置
JP4484892B2 (ja) * 2007-03-14 2010-06-16 三菱電機株式会社 車載用レーダ装置
JP2015029293A (ja) * 2007-03-27 2015-02-12 クゥアルコム・インコーポレイテッドQualcomm Incorporated 無線通信装置における送信信号漏出の排除
JP2009165507A (ja) * 2008-01-10 2009-07-30 Olympus Medical Systems Corp 内視鏡洗浄消毒装置
JP2010124328A (ja) * 2008-11-20 2010-06-03 Denso Wave Inc Rfidリーダライタ装置及びrfidリーダライタシステム

Also Published As

Publication number Publication date
JP4449770B2 (ja) 2010-04-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4466391B2 (ja) 無線タグ通信装置
US8135360B2 (en) RFID-tag communication device
US8849228B2 (en) Receiver capable of reducing local oscillation leakage and in-phase/quadrature-phase (I/Q) mismatch and an adjusting method thereof
JP4449770B2 (ja) 無線タグ通信装置
JP2005237038A (ja) 通信装置及び通信方法
US20070111692A1 (en) Radio-frequency receiver device, radio-frequency communication device, and interrogator
CN101361287A (zh) 移动射频标识读取器
US20080266059A1 (en) Quadrature demodulator and interrogator
US8010046B2 (en) Wireless communication apparatus
US7486131B2 (en) Quadrature demodulator and interrogator
JP4842342B2 (ja) 無線送受信装置、及び無線送受信装置の送信電力計測方法
JP4858051B2 (ja) 無線受信装置、無線タグ通信装置、及び無線受信装置の補正方法
JP2007020192A (ja) 伝送構造、伝送構造を有するトランシーバ、および、信号処理方法
JP7147991B2 (ja) 無線通信システムのノイズキャンセル装置
JP4577245B2 (ja) 無線タグ通信装置
JP2008187227A (ja) Rfidリーダ
JP2007060502A (ja) 質問器
JP4613887B2 (ja) 無線通信装置
JP4660936B2 (ja) 非線形位相歪補償装置
JP4239012B2 (ja) 無線通信装置
CN101577560B (zh) 频率调变信号接收器及接收方法
JPH09139694A (ja) 周波数ホッピング送信装置及び送受信装置
JP4631794B2 (ja) 無線通信装置
JP2008067318A (ja) 無線タグ通信装置
JP2006074578A (ja) タグリーダ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071204

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091014

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091020

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100105

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4449770

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130205

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140205

Year of fee payment: 4