JP4466130B2 - 頭部保護エアバッグ装置 - Google Patents

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本発明は、車両の車内側における窓の上縁側に折り畳まれて収納されるとともに、インフレーターからの膨張用ガスを流入させて窓の車内側を覆うように展開膨張する構成の頭部保護エアバッグを備えた頭部保護エアバッグ装置に関する。
従来、頭部保護エアバッグ装置に使用されるエアバッグは、ポリアミド糸やポリエステル糸等を使用した袋織りから形成されて、膨張完了時の内圧を保持するために、外周面にシリコン等からなるコーティング剤を塗布されている構成であった(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−233156公報
しかし、従来の頭部保護エアバッグ装置のエアバッグでは、外周面にシリコン等のコーティング剤を塗布させて気密性を高めていることから、膨張を完了させたエアバッグが乗員の頭部と干渉した際の内圧の上昇を抑えがたく、乗員保護時の内圧上昇を抑え、かつ、エネルギー吸収量を大きくして、乗員の頭部を保護する点に、改善の余地があった。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、乗員の頭部が干渉した際の内圧の上昇を抑え、かつ、エネルギー吸収量を大きくして、乗員の頭部を保護可能な頭部保護エアバッグ装置を提供することを目的とする。
本発明に係る頭部保護エアバッグ装置は、車両の車内側における窓の上縁側に折り畳まれて収納されるとともに、インフレーターからの膨張用ガスを流入させて前記窓の車内側を覆うように展開膨張する構成の頭部保護エアバッグを備えた頭部保護エアバッグ装置において、
エアバッグが、膨張完了時に乗員の頭部を保護可能に、車内側壁部と車外側壁部とを相互に離隔するように膨張する保護膨張部を備える構成とされ、
保護膨張部の車内側壁部と車外側壁部とが、それぞれ、ノンコート布として、JIS L 1096の8.27.1におけるフラジール形法(A法)により測定した通気度Hを、5.0cm/cm・s≦H≦25.0cm/cm・sの範囲内に設定された織布、により構成され
インフレーターが、エアバッグの容量に対する出力比(インフレーター出力/エアバッグ容積)X(KPa/L)を、8≦X≦18の範囲内に設定されていることを特徴とする。
本発明の頭部保護エアバッグ装置では、エアバッグの保護膨張部の車内側壁部と車外側壁部とが、それぞれ、ノンコート布として、JIS L 1096の8.27.1におけるフラジール形法(A法)により測定した通気度Hを、5.0cm/cm・s≦H≦25.0cm/cm・sの範囲内に設定された織布、により構成されていることから、膨張完了時のエアバッグの保護膨張部に乗員の頭部が干渉すると、保護膨張部における車内側壁部及び車外側壁部の全域から、それぞれ、均一に、膨張用ガスが漏れて、保護膨張部の内圧上昇を抑えることができる。そのため、膨張を完了させたエアバッグの保護膨張部により、乗員の頭部が干渉した際に生ずるエネルギーの吸収量を大きくすることができる。
従って、本発明の頭部保護エアバッグ装置では、乗員の頭部が干渉した際の内圧の上昇を抑え、かつ、エネルギー吸収量を大きくして、乗員の頭部を保護することができる。
具体的には、エアバッグの保護膨張部が、エアバッグの膨張完了時における厚さ寸法tを、100mm≦t≦280mmの範囲内に、設定されている構成とすることが好ましい。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。本発明の頭部保護エアバッグは、図1に示す車両Vに搭載される頭部保護エアバッグ装置Mに、使用されるものであり、車内側のドアや窓W1・W2及びリヤピラー部RPの上縁側におけるフロントピラー部FPやルーフサイドレール部RRに、折り畳まれて収納されている。なお、この車両Vは、フロントピラー部FPとリヤピラー部RPとの間に、略上下方向に沿うセンターピラー部CPを配設させて、構成されている。
頭部保護エアバッグ装置Mは、図1に示すように、インフレーター8、取付ブラケット9・13、取付ボルト10・14、及び、エアバッグ18、を備えて構成され、車両Vへの搭載時に、車内側をエアバッグカバー16に覆われて収納されている。エアバッグカバー16は、実施形態の場合、フロントピラー部FPの車内側を覆うフロントピラーガーニッシュ3の下縁側部位と、ルーフサイドレール部RRの車内側を覆うルーフヘッドライニング4の下縁側部位と、から、構成されている。
フロントピラーガーニッシュ3やルーフヘッドライニング4は、合成樹脂製として、図示しない取付手段によって、フロントピラー部FPやルーフサイドレール部RRにおけるボディ1側の部材であるインナパネル2の車内側に、取り付けられている。そして、これらの下縁側部位は、展開膨張時のエアバッグ18を突出可能に、下端側を車内側に開くように、構成されている。
インフレーター8は、略円柱状とされて、先端(前端)側に、膨張用ガスを吐出可能な 図示しないガス吐出口を、配設させている構成である。そして、このインフレーター8は、ガス吐出口付近を含めた先端付近をエアバッグ18のガス流入口部22に挿入させ、ガス流入口部22の後端付近に外装されるクランプ11を利用して、エアバッグ18に対して、連結されている。また、インフレーター8は、インフレーター8を保持する取付ブラケット9と、取付ブラケット9をボディ1側のインナパネル2に固定するための取付ボルト10とを利用して、インナパネル2に取り付けられている。
また、実施形態の場合、インフレーター8として、エアバッグ18の容量に対する出力比(インフレーター出力/エアバッグ容量)X(KPa/L)が、8≦X≦18(望ましくは、10≦X≦15)の範囲内に設定されるものを使用することが、望ましい。インフレーター出力比Xが8KPa/L未満では、膨張完了時のエアバッグの所定の内圧が確保し難く、逆に、インフレーター出力比Xが18KPa/Lを超えると、膨張完了時のエアバッグの内圧が高すぎて、共に、乗員の頭部を的確に保護する点に問題が生ずることとなるためである。実施形態においては、インフレーター8として、出力比Xが10.4KPa/Lに設定されているものを使用している(インフレーター出力:260kPa(28.3Lタンク)、エアバッグ18の後述するガス流入部19の容量:25L)。
なお、このインフレーター8の車両Vへの搭載は、インフレーター8とエアバッグ18とを組み付けた状態のエアバッグ組付体として、行なわれる。
エアバッグ18は、折り畳まれた状態で、斜め上方に延びるように配設されたフロントピラー部FPから、センターピラー部CPの上方を超えて、リヤピラー部RPの上方となる位置までのルーフサイドレール部RRに、収納されている。そして、エアバッグ18は、展開膨張完了時、図1の二点鎖線に示すように、窓W1・W2やセンターピラー部CP・リヤピラー部RPのそれぞれの車内側を覆うように、構成されている。
エアバッグ18は、実施形態の場合、ポリエステル糸やポリアミド糸等を使用した袋織りとされて、外周面にシリコン等のコーティング剤を塗布させないノンコート布から、構成されている。また、エアバッグ18は、車内側壁部19aと車外側壁部19bとを相互に離隔させるようにして膨張用ガスGを内部に流入可能なガス流入部19と、膨張用ガスGを流入させない非流入部29と、から構成されている。
ガス流入部19は、実施形態の場合、ガス供給路部21、ガス流入口部22、及び、保護膨張部23、から構成されている。通常、頭部保護エアバッグでは、ガス流入部19の容量は、10〜40L程度に設定されており、実施形態のエアバッグ18では、ガス流入部19の容量は、25Lに設定されている。
ガス供給路部21は、エアバッグ18の上縁18a側で、車両Vの前後方向に沿って、配設されている。そして、実施形態の場合、ガス供給路部21は、後述する前側保護部24に配設される縦膨張部27Bの上端側と、後述する後側保護部25に配設される縦膨張部27Eの上端側と、を連結するように、配設されている。また、ガス供給路部21は、インフレーター8から吐出される膨張用ガスGを、ガス供給路部21の下方側に配設される保護膨張部23に案内する構成である。そして、ガス供給路部21の前後方向における中間部位(実施形態の場合、前側保護部24における縦膨張部27Cの上部側となる部位)には、インフレーター8と接続されるガス流入口部22が、ガス供給路部21と連通されて、エアバッグ18から上方に突出するように、配設されている。実施形態の場合、ガス流入口部22は、後端側を、開口させて構成されている。
保護膨張部23は、エアバッグ18の展開膨張時に、窓W1・W2の車内側を覆うように配設されて、乗員の頭部を保護する部位である。保護膨張部23は、膨張完了時に前席側方において窓W1の車内側を覆うように配設される前側保護部24と、後席側方において窓W2の車内側を覆うように配設される後側保護部25と、を備えて構成されている。
各前側・後側保護部24・25は、その領域内に、後述する区画結合部32により区画されて、それぞれ、上下方向に沿って配設される複数の縦膨張部27を、前後に並設させて構成されている。実施形態の場合、前側保護部24は、3つの縦膨張部27A・27B・27Cから構成され、後側保護部25は、2つの縦膨張部27D・27Eから構成されている。各縦膨張部27B・27Eは、上端側を、それぞれ、ガス供給路部21に連通されている。残りの縦膨張部27A・27C・27Dは、上端側を閉塞されている構成である。そして、縦膨張部27A・27Cは、下端側を、縦膨張部27Bの下端側と連通され、縦膨張部27Dは、下端側を、縦膨張部27Eの下端側と連通されている。すなわち、縦膨張部27A・27C・27Dは、縦膨張部27B・27Eを介して、膨張用ガスGを流入させる構成である。
そして、実施形態のエアバッグ18では、各縦膨張部27は、膨張完了時の厚さ寸法tを、100mm≦t≦280mm(望ましくは120mm≦t≦250mm、さらに望ましくは140mm≦t≦200mm)の範囲内に設定されている。膨張完了時の厚さ寸法が100mm未満では、薄すぎて、乗員の頭部が干渉した際に乗員の頭部を的確に保護できず、逆に、280mmを超えると、厚すぎて、エアバッグ18の展開膨張時において乗員の頭部と窓との間の隙間が狭い場合、その隙間に侵入しがたくなって、円滑に展開しがたいためである。実施形態の場合、図3に示すように、縦膨張部27A・27B・27Eが、膨張完了時の厚さ寸法t1・t2・t5を、それぞれ、150mmに、設定されている。そして、縦膨張部27Cは、膨張完了時の厚さ寸法t3を、100mmに設定されており、縦膨張部27Dは、膨張完了時の厚さ寸法t4を、130mmに設定されている。
実施形態のエアバッグ18では、縦膨張部27Cが、膨張完了時の厚さ寸法t3を、他の縦膨張部27A・27B・27D・27Eの厚さ寸法t1・t2・t4・t5より小さくするように、設定されている。縦膨張部27Cの部位は、エアバッグ18の展開膨張時に、センターピラー部CPの車内側を覆うように配設される部位であって、センターピラーガーニッシュ5と、ピラーガーニッシュ5の車内側に位置する座席と、の間の狭い隙間に展開させる必要があることから、エアバッグ18の展開膨張時に、膨張用ガスをあまり流入させない薄い状態で展開させることが好ましい。また、センターピラーガーニッシュ5は、周囲の窓W1・W2よりも車内側に突出するように配設されることから、エアバッグ18の膨張完了時に、センターピラーガーニッシュ5の車内側を覆うように配設される縦膨張部27Cの部位は、膨張完了時の厚さ寸法を、周囲の縦膨張部27よりも小さく設定されることが、好ましい。そのため、実施形態のエアバッグ18では、縦膨張部27Cは、後述する区画結合部32Aに配設される延設部32aにより、前後方向の略中央部位における上端付近の部位を区画されて、他の縦膨張部27A・27B・27D・27Eよりも、膨張完了時の厚さ寸法t3を小さくするように、設定されている。
非流入部29は、車内側壁部19aと車外側壁部19bとを結合させた構成とされており、実施形態の場合、取付部30、周縁結合部31、区画結合部32、及び、板状部33、から構成されている。周縁結合部31は、エアバッグ18の外周縁の部位に配設されて、ガス流入部19の周囲を囲むように、配設されている。また、周縁結合部31の前端には、連結布35が、連結されている。
取付部30は、エアバッグ18の上縁18a側における周縁結合部31の上縁側の部位や、連結布35の上縁側から、上方へ突出するように、複数(実施形態では6個)配設されている。各取付部30には、エアバッグ18をインナパネル2に取り付けるための取付ブラケット13が固着されることとなる(図4参照)。そして、各取付部30は、取付ボルト14を使用して、取付ブラケット13ごと、ボディ1側のインナパネル2に固定されている。
実施形態のエアバッグ18の場合、連結布35の前端付近に配設される取付部30Aが、フロントピラー部FPの下部側の部位において、ボディ1側に取り付けられることから、エアバッグ18の膨張完了時において、取付部30Aと、エアバッグ18の後端付近に配設される取付部30Bとの間に、前後方向に沿ったテンションを発生させることができる。特に、実施形態のエアバッグ18では、複数の縦膨張部27を、前後方向に沿って並設させていることから、エアバッグ18の展開膨張時に、各縦膨張部27が前後方向の幅寸法を縮めるように膨張し、膨張を完了させたエアバッグ18に、前後方向に沿って、大きなテンションが発生することとなる。そのため、エアバッグ18の膨張完了時に、仮に、乗員の頭部が、連結布35の部位に位置していても、乗員の頭部が、連結布35をすり抜けて車外側に移動することを、防止することができる。
板状部33は、長方形板状として、前側保護部24と後側保護部25との間におけるガス供給路部21の下方に、配設されている。この板状部33は、エアバッグ18の全体形状を確保するとともに、ガス流入部19の容積を小さくして、膨張完了までの時間を短くするために、配設されている。
区画結合部32は、各前側・後側保護部24・25の領域内において、周縁結合部31や板状部33の上縁側から延びるように配設されている。これらの区画結合部32は、前側・後側保護部24・25を複数の縦膨張部27に区画して、膨張完了時のエアバッグ18の厚さを規制するために、配設されている。そして、縦膨張部27Cの部位に配設される区画結合部32Aは、縦膨張部27Cの上端付近の前後方向の中間部位付近となる位置に、下方に延びる延設部32aを備えている構成である。この延設部32aは、縦膨張部27Cにおいて、前後方向の略中央部位における上端付近の部位を区画して、ピラー部CPの車内側に配置される縦膨張部27Cの膨張完了時の厚さ寸法を規制するために、配設されている。
実施形態のエアバッグ18におけるガス流入部19(保護膨張部23)の車内側壁部19aと車外側壁部19bとは、通気度Hを、5.0cm/cm・s≦H≦25.0cm/cm・sの範囲内(望ましくは、8.0cm/cm・s≦H≦20.0cm/cm・sの範囲内)に設定されたノンコート布から、構成されている。通気度Hが5.0cm/cm・s未満では、車内側壁部19a及び車外側壁部19bを構成する織布の気密性が高すぎて、膨張を完了させたエアバッグ18が乗員の頭部と干渉した際の内圧の上昇を抑えがたくなるためである。また、通気度Hが25.0cm/cm・sを超えると、逆に、膨張を完了させたエアバッグ18からのガス漏れが多量となり、乗員の頭部を、クッション作用を奏して、拘束しがたくなるためである。なお、実施形態の場合、通気度Hは、JIS L 1096の8.27.1におけるフラジール形法(A法)により、測定されている。
そして、実施形態のエアバッグ18では、6,6−ナイロン糸を使用しており車内側壁部19a及び車外側壁部19bの通気度Hは、16.67cm/cm・sに設定されている(表1参照)。
次に、実施形態のエアバッグ18の車両Vへの搭載について説明する。まず、エアバッグ18を折り畳む。具体的には、平らに展開したエアバッグ18を、図2の二点鎖線に示すように、順次、前後方向に沿うような山折りと谷折りとの折目Cを入れて、エアバッグ18の下縁18b側を上縁18a側に接近させるように、蛇腹折りする。
そして、折り畳んだ後には、折り崩れ防止用の図示しないラッピング材により、エアバッグ18の所定箇所をくるむとともに、各取付部30に、取付ブラケット13を取り付けておく。また、クランプ11を利用しつつ、ガス流入口部22にインフレーター8を連結し、次いで、その周囲に取付ブラケット9を取り付け、インフレーター8をエアバッグ18に組み付けて、エアバッグ組付体を形成しておく。
その後、各取付ブラケット9・13をインナパネル2の所定位置に配置させてボルト9・14止めし、エアバッグ組付体をボディ1に取り付ける。次いで、インフレーター8に、所定のインフレーター作動用の制御装置から延びる図示しないリード線を結線し、フロントピラーガーニッシュ3やルーフヘッドライニング4をボディ1に取付固定し、さらに、リヤピラーガーニッシュ6やセンターピラーガーニッシュ5をボディ1に取り付ければ、エアバッグ18が、エアバッグ装置Mとともに、車両Vに搭載されることとなる。
エアバッグ装置Mの車両Vへの搭載後、インフレーター8が作動されれば、インフレーター8からの膨張用ガスGが、図2の二点鎖線に示すように、ガス流入口部22からガス供給路部21内を流れる。さらに、膨張用ガスGが、ガス供給路部21から保護膨張部23内に流入し、保護膨張部23が、折りを解消させつつ、膨張し始める。そして、エアバッグ18が、図示しないラッピング材を破断させ、さらに、フロントピラーガーニッシュ3とルーフヘッドライニング4との下縁で構成されるエアバッグカバー16を押し開いて下方へ突出しつつ、図1の二点鎖線に示すごとく、窓W1・W2及びセンターピラー部CP及びリヤピラー部RPの車内側を覆うように、大きく膨張することとなる。
そして、実施形態では、エアバッグ18の膨張完了時に、乗員の頭部を保護する保護膨張部23の車内側壁部19aと車外側壁部19bとが、それぞれ、ノンコート布として、通気度Hを、16.67cm/cm・sに設定された織布、により構成されている。そのため、膨張完了時のエアバッグ18の保護膨張部23(前側・後側保護部24・25)に乗員の頭部が干渉すると、保護膨張部23の車内側と車外側とを構成する車内側壁部19a及び車外側壁部19bの全域から、それぞれ、均一に、膨張用ガスGが漏れて、保護膨張部23の内圧上昇を抑えることができる。勿論、保護膨張部23は、膨張用ガスGを漏出させた状態でも、乗員の頭部を保護可能なクッション性を確保している。そのため、膨張を完了させたエアバッグ18の保護膨張部23により、乗員の頭部が干渉した際に生ずるエネルギーの吸収量を大きくすることができる。
従って、実施形態のエアバッグ18では、乗員の頭部が干渉した際の内圧の上昇を抑え、かつ、エネルギー吸収量を大きくして、乗員の頭部を保護することができる。
また、実施形態のエアバッグ18では、保護膨張部が、エアバッグの膨張完了時における厚さ寸法tを、100mm≦t≦280mmの範囲内に、設定されている。そのため、膨張を完了させたエアバッグの保護膨張部により、乗員の頭部を的確に保護することができる。
なお、実施形態では、頭部保護エアバッグ18として、袋織りから形成されたものを例に採り説明しているが、本発明のエアバッグは、袋織りのものに限られるものではなく、後述する試験例3・4のごとく、通気度Hの条件を満たしていれば、所定形状の織布を縫合して形成した縫合バッグに、本発明を適用してもよい。
本発明の要件を満たす複数のエアバッグについて、インパクター試験を行なった結果のグラフを図5に示す。試験例1〜4のエアバッグが、本発明の要件を満たすエアバッグである。試験例1のエアバッグは、前述した実施形態のエアバッグ18である。試験例2のエアバッグは、膨張完了時における厚さ寸法tを180mmに設定されている以外は、試験例1のエアバッグと同様の構成である。試験例3のエアバッグは、通気度Hを10.67cm/cm・sに設定された織布を所定形状に裁断して縫合し、縫合部分にガス漏れ防止用のシール部を配設させた縫合バッグとされて、膨張完了時における厚さ寸法tを150mmに設定されている。試験例4のエアバッグは、膨張完了時における厚さ寸法tを180mmに設定されている以外は、試験例3のエアバッグと同様の構成である。
また、同時に、比較例1・2のエアバッグについても、試験例1〜4のエアバッグと同様に、インパクター試験を行なった。比較例1のエアバッグは、形状を試験例1のエアバッグと同一として、保護膨張部を構成する車内側壁部と車外側壁部を、6,6−ナイロン糸を使用して、表1に示すように外表面にシリコンからなるコーティング剤を塗布させた織布から、構成している。比較例2のエアバッグは、通気度Hを33.33cm/cm・sに設定された織布を用いた袋織りバッグとされて、膨張完了時における厚さ寸法tを180mmに設定されている。
試験例1のエアバッグと比較例1のエアバッグとは、表1に示すように、糸密度等も略同一であり、引張強度や引裂強度等の物性も略同一の値を示している。すなわち、試験例1のエアバッグと比較例1のエアバッグとの違いは、コーティング層の有無である。そして、比較例1のエアバッグでは、車内側壁部と車外側壁部との外表面側にコーティング層を形成していることから、通気度Hは限りなく0に近くなる。実際には、比較例1のエアバッグの通気度Hは計測不能であった。なお、表1におけるコーティング剤のコート量の欄において、表が車内側壁部側であり、裏が車外側壁部側である。
Figure 0004466130
インパクター試験は、実施形態の場合、重量が6.8kgのハンマーヘッドを、進行方向を保護膨張部と略直交させるようにして、膨張を完了させたエアバッグにおける保護膨張部に向かって、6.5m/sの速度で移動させ、保護膨張部と干渉した際のハンマーヘッドの減速度と移動量とを測定したものである。なお、図5のグラフにおいて、ハンマーヘッドの減速度と移動量との変化により描かれる軌跡で囲まれた部位の面積が、エアバッグの保護膨張部によるハンマーヘッドのエネルギー吸収量に相当することとなる。
このインパクター試験において、外周面にコーティング剤を塗布させた比較例1のエアバッグでは、気密性を高めていることから、膨張用ガスが保護膨張部から漏れ難い。そのため、ハンマーヘッドが干渉すると、保護膨張部は、ハンマーヘッドを、急激に減速させるようにして、拘束することとなる。そして、ハンマーヘッドの保護膨張部側への移動が完全に収まると、ハンマーヘッドの干渉により内圧が上昇して生じる反力により、保護膨張部が、ハンマーヘッドを、干渉前の位置に向かって、急激に押し戻すこととなる。
これに対し、試験例1〜4のエアバッグでは、ハンマーヘッドが保護膨張部に干渉すると、保護膨張部が、膨張用ガスを漏出しつつ、ハンマーヘッドを拘束することとなることから、比較例1のエアバッグよりも、保護膨張部側への移動量が大きいものの、緩やかに減速させるようにして、ハンマーヘッドを拘束することとなる。そして、膨張用ガスの漏出により、保護膨張部の内圧の上昇が抑えられることから、ハンマーヘッドの保護膨張部側への移動が完全に収まると、ハンマーヘッドは、干渉前の位置に向かって、緩やかに押し戻されることとなる。このとき、ハンマーヘッドの減速度(押し戻される加速度)は、ハンマーヘッドの保護膨張部側への移動時における減速度よりも一層小さくなる。そして、図5に示すように、試験例1〜4のエアバッグを使用した試験結果が描く軌跡は、比較例1のエアバッグを使用した試験結果が描く軌跡よりも、面積を大きくすることとなる。すなわち、試験例1〜4のエアバッグは、比較例1のエアバッグよりも、エネルギー吸収量が大きくなる。
なお、比較例2のエアバッグでは、通気度Hが高すぎることから、ハンマーヘッドが干渉すると、保護膨張部から多量の膨張用ガスが漏出して、底着きし、ハンマーヘッドを、保護膨張部により拘束できなかった。
上記試験の結果から、保護膨張部23の車内側壁部19aと車外側壁部19bとを、ノンコート布として、通気度Hを、5.0cm/cm・s≦H≦25.0cm/cm・sの範囲内に設定された織布、により構成すれば、図5に示すように、乗員の頭部が保護膨張部23に干渉した際に、保護膨張部23の乗員保護時の内圧上昇を抑え、かつ、エネルギー吸収量を大きくして、乗員の頭部を的確に保護することができる。
本発明の一実施形態であるエアバッグを使用した頭部保護エアバッグ装置を車内側から見た概略正面図である。 実施形態のエアバッグを平らに展開した状態を示す正面図である。 図2のIII−III部位の拡大断面図である。 図1のIV−IV部位の概略拡大断面図である。 同実施形態のエアバッグを使用したインパクター試験の試験結果を示すグラフ図である。
8…インフレーター、
16…エアバッグカバー、
18…エアバッグ、
19…ガス流入部、
19a…車内側壁部、
19b…車外側壁部、
23…保護膨張部、
G…膨張用ガス、
V…車両、
W1・W2…窓、
M…頭部保護エアバッグ装置。

Claims (3)

  1. 車両の車内側における窓の上縁側に折り畳まれて収納されるとともに、インフレーターからの膨張用ガスを流入させて前記窓の車内側を覆うように展開膨張する構成の頭部保護エアバッグを備えた頭部保護エアバッグ装置において、
    該エアバッグが、膨張完了時に乗員の頭部を保護可能に、車内側壁部と車外側壁部とを相互に離隔するように膨張する保護膨張部を備える構成とされ、
    該保護膨張部の車内側壁部と車外側壁部とが、それぞれ、ノンコート布として、JIS L 1096の8.27.1におけるフラジール形法(A法)により測定した通気度Hを、5.0cm/cm・s≦H≦25.0cm/cm・sの範囲内に設定された織布、により構成され
    前記インフレーターが、前記エアバッグの容量に対する出力比(インフレーター出力/エアバッグ容積)X(KPa/L)を、8≦X≦18の範囲内に設定されていることを特徴とする頭部保護エアバッグ装置
  2. 前記インフレーターが、前記出力比Xを、10≦X≦15の範囲内に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の頭部保護エアバッグ装置。
  3. 前記保護膨張部が、前記エアバッグの膨張完了時における厚さ寸法tを、100mm≦t≦280mmの範囲内に、設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の頭部保護エアバッグ装置
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