JP4465542B2 - 電子内視鏡装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡とプロセッサとの間を接続する中継ケーブルを、これら内視鏡とプロセッサとの双方に着脱可能に接続できるようにした電子内視鏡装置であって、特にこの中継ケーブルを介して内視鏡とプロセッサとの間を接続する際に、当該の内視鏡に設けた撮像手段からの信号をプロセッサで処理可能なものであるか否かを判定する機構を備えた電子内視鏡装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子内視鏡装置は、内視鏡とプロセッサとを含むものであり、内視鏡は挿入部の先端に体腔内を照明する照明手段と、この照明手段による照明下で体腔内を観察する観察手段が設けられるが、この観察手段としては、固体撮像素子等からなる撮像手段が装着される。照明手段からの照明光を体腔内に照射し、体腔内からの反射光情報を撮像手段により電気信号に変換するが、この撮像手段で得た電気信号は信号ケーブルを介してプロセッサに伝送され、このプロセッサで所定の信号処理を行うことにより映像信号が生成され、このプロセッサに付設したモニタに体腔内の映像が表示される。
【0003】
このように、撮像手段とプロセッサとの間は信号ケーブルで接続されるが、この信号ケーブルは内視鏡の挿入部から本体操作部を経て、この本体操作部から延在させたユニバーサルコード内に導かれる。そして、このユニバーサルコード内には、照明手段を構成するライトガイドも挿通されており、ライトガイドの他端は光源装置に着脱可能に接続されるようになっている。一方、信号ケーブルはプロセッサに接続されることから、ユニバーサルコードは途中でライトガイド挿通部と信号ケーブル挿通部とに分岐させて、ライトガイド挿通部の先端には光源装置に着脱可能に接続する光源コネクタを設け、また信号ケーブル挿通部の先端には電気信号伝送用のコネクタが設けられる。従って、光源コネクタを光源装置に接続し、また電気信号伝送用のコネクタをプロセッサに接続することより、電子内視鏡装置が作動可能な状態となる。つまり、体腔内を照明することにより撮像手段により体腔内像における光学情報を電気信号に変換され、この電気信号をプロセッサで所定の処理を行って、モニタに表示することができる状態となる。
【0004】
ところで、内視鏡は、その性質上、使用の都度洗浄,消毒を行う必要がある。この内視鏡を容易に洗浄できるようにするために、ユニバーサルコードを含む全体を洗浄液や消毒液に浸漬する等により行うのが一般的である。また、内視鏡の不使用時には本体操作部をハンガに引っ掛けて、挿入部及びユニバーサルコードを吊下するようにして保管するのが一般的である。さらに、内視鏡を運搬する際には、専用のバッグに収納する。従って、ユニバーサルコードに分岐部があると、洗浄及び消毒を行う作業が面倒になるだけでなく、保管時や運搬時等にも都合が悪いことから、ユニバーサルコードに分岐部をなくすようにしたものは従来から知られている。即ち、ユニバーサルコードの先端にコネクタボックスを設け、このコネクタボックスから光源コネクタを延在させると共に、接続コネクタを設ける構成とする。そして、プロセッサへの接続は、この接続コネクタに中継ケーブルを着脱可能に接続すると共に、この中継ケーブルの他端をプロセッサに着脱可能に接続することにより行う(実公平7−46241号公報)。
【0005】
以上のように構成することによって、内視鏡の使用時には、中継ケーブルをコネクタボックスに接続し、洗浄時や、保管,運搬時等には、中継ケーブルをコネクタボックスから分離させる。これによって、ユニバーサルコードは、分岐部のない1本のコードの先端にコネクタボックスを設けた単純な形状となる。また、中継ケーブルは体腔内に挿入されるものではないことから、内視鏡の洗浄,消毒時には必ずしもこの中継ケーブルを同時に洗浄する必要はなく、この点からも内視鏡の洗浄及び消毒を行う作業が容易になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、内視鏡に装着される撮像手段は様々な構造のものが用いられるようになってきている。撮像手段は基本的には2次元画像センサから構成されるが、集積回路技術の発展に伴って、画像センサの画素数が多くなる傾向にあり、また撮像手段の駆動方式,信号の読み出し方式等は撮像手段の種類によって異なってくる。そこで、ある種類の撮像手段が設けられている内視鏡をプロセッサに接続するに当って、プロセッサの種類によっては、当該の撮像手段からの信号を有効に処理できるものもあり、また信号処理を行えないものもある。従って、従来技術においては、ユニバーサルコードのコネクタボックスに接続される中継ケーブルはそれぞれの内視鏡に専用のものを用いるようにしていた。
【0007】
ところで、中継ケーブルは、基本的には、両端に所定数の接点部が設けられ、これら各接点部間を信号線で接続したものであり、どのようなタイプの撮像手段を備えた内視鏡であっても、またどのような方式の信号処理回路を備えたプロセッサであっても、接点の数が合えば接続可能であり、様々な種類の撮像手段を有する内視鏡を様々な信号処理回路を含むプロセッサに接続可能な構成とすることができる。つまり、中継ケーブルを複数種類の内視鏡とプロセッサとの間を接続する手段として共用可能な構成とすることは格別困難なものではない。そこで、中継ケーブルに汎用性を持たせるようにすれば、必要以上の本数の中継ケーブルを準備する必要がなくなる点で有利になる。
【0008】
しかしながら、中継ケーブルに汎用性を持たせて、複数種類の内視鏡とプロセッサとの間を接続するようにした場合に、あるプロセッサに内視鏡を接続する場合において、この内視鏡に設けた撮像手段からの信号を処理することができないプロセッサと接続されてしまうことがある。もし、プロセッサにより信号処理ができない種類の撮像手段を備えた内視鏡が中継ケーブルにより接続されている状態で、この内視鏡の挿入部を患者の体内に挿入された場合には、モニタには体腔内の映像が表示されないことになるという不都合が生じることになる。
【0009】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、内視鏡とプロセッサとの間を汎用性のある中継ケーブルで接続できるようになし、かつ当該の内視鏡に設けた撮像手段からの信号を処理できないプロセッサに接続されるという事態が生じないようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために、挿入部に連設した本体操作部からユニバーサルコードを延在させ、このユニバーサルコードの他端に光源コネクタを備えたコネクタボックスを連結して設け、このコネクタボックスに接続コネクタを設けて、この接続コネクタに中継ケーブルが着脱可能に接続され、この中継ケーブルの他端は、前記挿入部の先端に設けた撮像手段から読み出した信号を処理してモニタに表示される映像信号を生成するためのプロセッサに着脱可能に連結される電子内視鏡装置に関する第1の発明は、前記中継ケーブルには、その両端に設けた端子部間を接続する通路と、この通路内に摺動可能に挿通される伝達用線条と、この伝達用線条の両端に設けた検出ピンとからなる伝達手段を装着し、前記コネクタボックス及び前記プロセッサには、前記中継ケーブルの端子部が着脱可能に接続される端子部材が設けられ、前記各端子部材には、前記検出ピンが挿入されるピン受入部または前記検出ピンの受入を阻止するストッパ壁を設け、前記伝達用線材の長さは、その両端に連結した検出ピンのうち、いずれか一方を前記端子部材の表面と同じ位置にしたときに、他方側は前記ピン受入部に挿入可能な長さ寸法となし、前記コネクタボックスと前記プロセッサとの端子部材がストッパ壁を有するものの接続を阻止する構成としたことを特徴とするものである。
【0011】
また、挿入部に連設した本体操作部からユニバーサルコードを延在させ、このユニバーサルコードの他端に光源コネクタを備えたコネクタボックスを連結して設け、このコネクタボックスに接続コネクタを設けて、この接続コネクタに中継ケーブルが着脱可能に接続され、この中継ケーブルの他端は、前記挿入部の先端に設けた撮像手段から読み出した信号を処理してモニタに表示される映像信号を生成するためのプロセッサに着脱可能に連結される電子内視鏡装置に関する第2の発明は、前記コネクタボックスには、当該内視鏡の撮像手段の種類を認識コードとして送信する撮像手段種類表示部が設けられており、前記中継ケーブルには、前記認識コードを電気的または光学的に伝送する伝送手段が設けられ、前記プロセッサには、前記内視鏡から伝送された認識コードに基づいて、当該プロセッサが前記撮像手段からの映像信号の処理が可能であるか否かの判定を行う判定手段が設けられ、前記判別手段により接続されようとする内視鏡の撮像手段がプロセッサで信号処理不能なものであると判断された時には、警報を発生させる構成としたことをその特徴とするものである。
【0012】
要するに、内視鏡とプロセッサとの間を汎用性のある中継ケーブルで接続できるようになし、かつ当該の内視鏡に設けた撮像手段からの信号を処理できないプロセッサに接続されるという事態が生じないようにするために、つまり中継ケーブルを介して内視鏡に設けた固体撮像素子からの信号を処理して映像信号を生成できないプロセッサに接続される、所謂ミスマッチ接続状態となるのを防止するために、第1の発明では、機械的な判別手段を用い、第2の発明では、電気的に判別する手段を用いている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の一形態を説明する。まず、図1に電子内視鏡装置の全体構成を示す。図中において、1は内視鏡、2は光源ユニット、3はモニタである。ここで、光源ユニット2は光源装置とプロセッサとを一体に設けたものであり、これら光源装置とプロセッサとは別々の機器として構成することもできる。内視鏡1は、本体操作部10に体腔内等に挿入される挿入部11が連設されており、また本体操作部10からはユニバーサルコード12が延在されている。挿入部11の先端部には、少なくとも体腔内等を照明する照明手段と、この照明手段から照射される照明光により体腔内の像を観察する観察手段とを備え、さらに必要に応じて鉗子等の処置具を挿通するチャンネルや、送気送水手段等を設けている。なお、これらについては従来から周知であるので、その図示は省略する。
【0014】
内視鏡1は電子内視鏡であり、従って挿入部11の先端に設けられる観察手段としては、図2に示したように、対物光学系13と、この対物光学系13の結像位置に配置した撮像手段としての固体撮像素子14とを含むものであり、この固体撮像素子14には、この固体撮像素子14に電源を供給し、駆動信号を入力し、かつ固体撮像素子14で生成した信号を伝送するための多数の配線を束ねたケーブル15が接続されている。また、照明手段は照明光を伝送するためのライトガイドを含むものである。固体撮像素子14に接続したケーブル15及びライトガイドは、挿入部11の先端から本体操作部10を通り、ユニバーサルコード12内に延在されている。
【0015】
ユニバーサルコード12は、内視鏡1を光源ユニット2に着脱可能に接続するためのものであり、これによって、内視鏡1と光源ユニット2を構成する光源装置及びプロセッサに接続されて、ライトガイドを介して照明光を体腔内に照射することができ、また固体撮像素子14からの信号を処理して映像信号を生成できるようになる。このために、光源ユニット2にはライトガイド接続部4とケーブル接続部5とが設けられており、ライトガイド接続部4には照明手段としてのライトガイドが着脱可能に接続され、またケーブル接続部5には固体撮像素子14からのケーブル15が着脱可能に接続されるようになっている。
【0016】
次に、ユニバーサルコード12の先端部分の構成を図3に示す。この図から明らかなように、ユニバーサルコード12の先端部にはコネクタボックス16が連結されている。コネクタボックス16には光源コネクタ17が突出するように設けられており、この光源コネクタ17が光源ユニット2のライトガイド接続部4に着脱可能に接続されるようになっている。また、コネクタボックス16には接続コネクタ18が設けられており、この接続コネクタ18に中継ケーブル19が着脱可能に接続されるようになっている。中継ケーブル19は、その一端側がコネクタボックス16の接続コネクタ18に着脱可能に接続される第1の接続部20と、光源ユニット2のケーブル接続部5に着脱可能に接続される第2の接続部21と、これら第1,第2の接続部20,21間に設けた可撓性を有するコード本体22とから構成される。
【0017】
図4に、中継ケーブル19と、コネクタボックス16の接続コネクタ18及び光源ユニット2のケーブル接続部5との構成を示す。この図から明らかなように、接続コネクタ18及びケーブル接続部5には、それぞれ所定数の配線23,24が接続される端子部材25,26が、それぞれ受口部材27,28内に固定的に配置されている。そして、これら各端子部材25,26の受口部材27,28の開口側面にはそれぞれ所定数の電極が設けられている。コネクタボックス16の接続コネクタ18側の端子部材25に設けた電極は電極ピン29で構成され、また光源ユニット2のケーブル接続部5側の端子部材26に設けた電極はピン挿入孔(図示せず)で構成される。ここで、コネクタボックス16の接続コネクタ18の端子部材25に接続されている配線23は、固体撮像素子14に直接または何らかの中継手段を介して接続されている。
【0018】
一方、中継ケーブル19における第1,第2の接続部20,21は、それぞれ各受口部材27,28に着脱可能に嵌合されるプラグ部材30,31を有し、これら各プラグ部材30,31の内部にはそれぞれ端子部材32,33が設けられており、これら各端子部材32,33の端子間には配線34の両端が接続されている。コネクタボックス16の接続コネクタ18の端子部材25には電極ピン29が設けられているので、この接続コネクタ18に着脱可能に接続される第1の接続部20側の端子部材32の端子は、電極ピン29が挿入されるピン挿入孔(図示せず)で構成される。また、光源コネクタ2のケーブル接続部5側の端子はピン挿入孔で形成されているので、このケーブル接続部5に着脱可能に接続される第2の接続部21側の端子部材32の端子は電極ピン35で構成される。なお、接続コネクタ16及びケーブル接続部5と中継ケーブル19の第1,第2の接続部20,21との間の電気的な接続は電極ピンとピン挿入孔とにより構成したものだけでなく、相互に接離される接点部材により構成することもできる。
【0019】
ここで、接続コネクタ16及びケーブル接続部5の端子部材25,26に設けた端子の数と、中継ケーブル19の第1,第2の接続部20,21における端子部材32,33の端子の数とは必ずしも一致させる必要はない。ただし、中継ケーブル19側の方が端子の数は、少なくとも接続コネクタ16,ケーブル接続部5の端子の数と同じかそれより多くする。このように、端子数に差があるにしても、各端子の位置はそれぞれ対応するようになっていなければならない。要するに、中継ケーブル19は電気信号の伝送経路として利用されるものであり、この中継ケーブル19の内部で格別の信号処理を行うものではなく、接続コネクタ16の端子とケーブル接続部5の端子との間を電気的に接続する機能を発揮するものである。従って、複数種類の内視鏡1及び光源ユニット2の接続コネクタ16及びケーブル接続部5の構造を、いずれも第1,第2の接続部20,21が接続可能なものとすることによって、中継ケーブル19の共用化が図られる。
【0020】
今、図5に示したように、それぞれ異なる種類の固体撮像素子を設けた2つの内視鏡1Aと1Bとがあり、またそれぞれ異なる信号処理回路を有するプロセッサを内蔵した2つの光源ユニット2A,2Bがあるとする。そして、内視鏡1Aに設けた固体撮像素子で得た信号に基づいて光源ユニット2Aのプロセッサでも、また光源ユニット2Bのプロセッサでも映像信号を生成できるが、内視鏡1Bの固体撮像素子で得た信号は、光源ユニット2Aでは映像信号を生成できるプロセッサが設けられているが、光源ユニット2Bのプロセッサでは映像信号を作り出せないものであると仮定する。また、中継ケーブル19はこれら2種類の内視鏡1A,1Bと、光源ユニット2A,2Bとに接続できるように、汎用性を持つ構成としている。
【0021】
以上において、中継ケーブル19を介して内視鏡の固体撮像素子とプロセッサとを接続するに当って、内視鏡1Bと光源ユニット2Bとの間のみを接続不能とすることによって、当該の内視鏡1Bに設けた固体撮像素子からの信号を処理して映像信号を生成できないプロセッサに接続される、所謂ミスマッチ接続状態となるのを防止するようにしている。
【0022】
このミスマッチ接続を防止する機構としては、内視鏡1Bのユニバーサルコード12に設けたコネクタボックス16の接続コネクタ18と光源ユニット2Bのケーブル接続部5のいずれかに中継ケーブル19の第1の接続部20または第2の接続部21を接続した時に、他方の接続部が接続されるのを機械的に阻止するように設定する。このために、図6に示したように、中継ケーブル19のコード本体22内には可撓性スリーブ40を挿通させておき、この可撓性スリーブ40の両端は、それぞれ第1,第2の接続部20,21を構成する端子部材32,33に固定する。そして、この可撓性スリーブ40の内部にはワイヤ41を挿通させておき、このワイヤ41の両端部には検出ピン42a,42bを連結する構成とする。従って、ワイヤ41及びその両端に設けた検出ピン42a,42bが伝達用線条を構成するものであり、両検出ピン42a,42bは、端子部材32,33に設けた貫通孔32a,33aに対して出没可能となっている。一方、接続コネクタ18の端子部材27及びケーブル接続部5の端子部材28にはこれら検出ピン42a,42bが挿入されるピン受入部を設けるか、または検出ピン42a,42bの受入を阻止するストッパ壁を設けるようにする。ここで、ピン受入部の深さ寸法は、検出ピン42a,42bのうちの一方の先端が端子部材32,33の表面とほぼ同じ位置とした時に、他方側の突出長さと同じか、それより大きい寸法とする。
【0023】
従って、接続コネクタ18の端子部材25側に設けたピン受入部またはストッパ壁は撮像手段種類表示部として機能するものであり、光源コネクタ2側のケーブル接続部5の端子部材26にもピン受入部またはストッパ壁が設けられ、これらは内視鏡の撮像手段の映像信号を処理可能か否かの判断を行う判別手段を構成するものである。さらに、中継ケーブル19に設けられ、可撓スリーブ40と、この可撓スリーブ40の内部に設けたワイヤ41及びワイヤ41の両端に連結した検出ピン42a,42bは、撮像種類表示部の情報、つまりピン受入部またはストッパ壁のいずれが設けられているかの情報を判別手段側に伝達する伝達手段を構成する。
【0024】
従って、端子部材26にピン受入部が設けられておれば、たとえ撮像手段種類表示部を構成する接続コネクタ18の端子部材25にストッパ壁が設けられて、検出ピン42aが端子部材32から突出できない場合でも、検出ピン42b側がこの受入部に入り込むことができるので、接続が可能となる。これに対して、端子部材26にストッパ壁が設けられている場合において、接続コネクタ18の端子部材25にもストッパ壁が設けられていると、いずれかの検出ピン42a,42bが突出して、第1,第2の接続部20,21のいずれか一方が接続コネクタ18またはケーブル接続部5に接続できなくなる。
【0025】
以上のことから、前述したように、内視鏡1Bと光源ユニット2Bとを組み合わせる場合はミスマッチとして接続を阻止し、それ以外の組み合わせを可能にするように設定する場合には、図5に示されているように、内視鏡1Aのコネクタボックス16における接続コネクタ18において、端子部材25に受入部43を設け、内視鏡1B側では、その端子部材25にストッパ壁44を設ける。また、光源ユニット2Aのケーブル接続部5における端子部材26には受入部43を、光源ユニット2B側の端子部材26にはストッパ壁44を設ける。
【0026】
内視鏡1Aを光源ユニット2Aに接続する際には、双方に受入部43が設けられているから、中継ケーブル19が検出ピン42a,42bのいずれが突出していようと、その間の接続を行うことができる。また、内視鏡1Aを光源ユニット2Bに接続する際において、図5に実線で示したように、検出ピン42a側が突出している場合には、中継ケーブル19を接続した時に、この検出ピン42aが内視鏡1A側の受入部43内に進入するから、そのまま内視鏡1Aと光源ユニット2Bとが接続される。また、図5に仮想線で示したように、検出ピン42b側が突出していたとしても、中継ケーブル19を光源ユニット2Bに接続すると、ストッパ壁44に押されて、ワイヤ41が可撓性スリーブ40内を摺動して、検出ピン42bが退入し、検出ピン42aが突出する。内視鏡1A側には、この検出ピン42aを受け入れる受入部43が設けられているので、このように突出した検出ピン42aは受入部43内に挿入されるから、やはり中継ケーブル19により内視鏡1Aと光源ユニット2Bとの間を接続することができる。中継ケーブル19を用いて、内視鏡1Bを光源ユニット2Aに接続する場合も前述と同様、光源ユニット2A側に設けた受入部43内に検出ピン42bが挿入されるから、この接続は可能となる。
【0027】
一方、内視鏡1Bと光源ユニット2Bとを中継ケーブル19を介して接続しようとすると、この中継ケーブル19の一端がそれらのいずれかに接続した時に、ストッパ壁44と当接する検出ピン42aまたは42bのいずれかが退入して、反対側の検出ピン42bまたは42aが突出することになる。しかしながら、中継ケーブル19の他端を光源ユニット2Bまたは内視鏡2Bに接続しようとしても、検出ピンが突出して、ストッパ壁44に当接することから、この検出ピンが邪魔になって接続を行えない。その結果、中継ケーブル19による内視鏡1Bと光源ユニット2Bとの接続というミスマッチ、つまり内視鏡1Bに設けた固体撮像素子からの信号を処理できない信号処理回路を有するプロセッサに誤って接続されてしまうという事態が生じるのを未然に防止できる。
【0028】
以上のことから、1本の中継ケーブルを用いて、複数の内視鏡とプロセッサとを電気的に接続することができ、かつ各内視鏡に設けた撮像手段によっては、映像信号を生成できないプロセッサとが接続されるのを防止できることから、中継ケーブルの共用化が図られるようになる。
【0029】
前述した実施の形態では、内視鏡とプロセッサ(光源ユニット)とのミスマッチ状態での接続を阻止する方式として機械的な検出機構を設けるようにしているが、例えば図7に示したように、電気的な検出機構を設ける構成とすることもできる。即ち、同図に示したように、内視鏡のユニバーサルコードに設けたコネクタボックス116内に当該の内視鏡に装着されている固体撮像素子の種類を示す認識コード信号を送信する発信器100を装着しておき、また光源ユニットにおけるケーブル接続部105は発信器100からの認識コード信号を受信し、この光源ユニットに設けたプロセッサが当該の固体撮像素子からの信号を適正に処理して映像信号を生成できるものか否かを判別する判別回路101を設けておく。そして、中継ケーブル119の両端における第1,第2の接続部120,121には、その両端に接続ピン142a,142bを突出させておき、中継ケーブル119の両端をそれぞれコネクタボックス116の接続コネクタ118及びケーブル接続部105に接続した時に、接続ピン142aは発信器100と、接続ピン142bは判別回路101と電気的に接続されるように構成する。そして、図示は省略するが、これら両接続ピン142aと142bとは信号ケーブル102により接続されており、従ってこれら両接続ピン142a,142b及びその間の信号ケーブル102により伝達手段が構成される。
【0030】
以上のように構成すると、複数種類の内視鏡及び光源ユニットのうちのいずれかを中継ケーブル119を用いて接続した時に、内視鏡側の発信器100から、この内視鏡に装着されている撮像手段の種類を示す認識コードが中継ケーブル119を介して光源ユニットの判別回路101に伝達される。そして、光源ユニットに内蔵されているプロセッサの回路構成がこの判別回路101によりこの撮像手段からの信号を処理して映像信号を生成できるか否かの判定を行う。この判定結果に基づいて、信号処理が不能である場合には、例えばブザーや音声等でその旨を報知される。これによって、撮像手段とプロセッサとがミスマッチ状態となっていると、それを確実に検出できるようになる。なお、光源ユニットに電源が投入されていない状態で、中継ケーブル119を介して内視鏡と光源ユニットとが接続される場合があり、この場合であっても前述した判定を行い、その結果を報知できるようにするために、判別回路101による発信器100からの認識コードの読み出し、ミスマッチ接続状態となっているか否かの判定及びミスマッチ状態となっている場合の報知を行う作動は、光源ユニットに設けたバックアップ電源を用いて行うようにするのが望ましい。
【0031】
なお、これら以外にも、例えば第1の実施の形態において、可撓性スリーブ内に複数本の電気コードを入れて、電気信号の組み合わせにより撮像手段からの信号を処理できるかどうかの判定を行うように構成することができる。また、電気コードに代えて光ファイバを挿通させ、内視鏡側からの光信号、つまり光のON,OFFによりこの内視鏡に設けた撮像手段の認識を行うように構成することもできる。この場合には、光信号はライトガイドにより伝送される照明光を光源とすることができる。さらに、第1の実施の形態において、検出ピンの突出度合いを光源ユニット側に設けた光センサで検出するように構成しても、内視鏡の撮像手段の種類を光源ユニットのプロセッサ側で検出することができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成したので、内視鏡とプロセッサとの間を汎用性のある中継ケーブルで接続できるようになし、かつ当該の内視鏡に設けた撮像手段からの信号を処理できないプロセッサに接続されるという事態が生じない等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す電子内視鏡装置の概略構成図である。
【図2】内視鏡の挿入部における先端部分の断面図である。
【図3】内視鏡のユニバーサルコードにおける中継ケーブルの接続部の構成説明図である。
【図4】中継ケーブルにおける両端の接続部と相手方の接続部との構成を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の一形態において、内視鏡とプロセッサとの組み合わせの一例を示す説明図である。
【図6】中継ケーブルに設けられ、撮像手段種類表示部と判別手段との間で情報の伝達を行う伝達手段の構成を示す説明図である。
【図7】本発明の他の実施の形態を示す内視鏡の撮像手段をプロセッサ側で認識する機構の構成説明図である。
【符号の説明】
1,1A,1B 内視鏡 2,2A,2B 光源ユニット
5,105 ケーブル接続部 10 本体操作部
11 挿入部 12 ユニバーサルコード
14 固体撮像素子 15 ケーブル
16,116 コネクタボックス 17 光源コネクタ
18,118 接続コネクタ 19,119 中継ケーブル
20,120 第1の接続部 21,121 第2の接続部
22 コード本体 23,24,34 配線
25,26,32,33 端子部材
40 可撓性スリーブ 41 ワイヤ
42a,42b 検出ピン 43 受入部
44 ストッパ壁 100 発信器
101 判別回路 102 信号ケーブル
142a,142b 接続ピン

Claims (2)

  1. 挿入部に連設した本体操作部からユニバーサルコードを延在させ、このユニバーサルコードの他端に光源コネクタを備えたコネクタボックスを連結して設け、このコネクタボックスに接続コネクタを設けて、この接続コネクタに中継ケーブルが着脱可能に接続され、この中継ケーブルの他端は、前記挿入部の先端に設けた撮像手段から読み出した信号を処理してモニタに表示される映像信号を生成するためのプロセッサに着脱可能に連結される電子内視鏡装置において、
    前記中継ケーブルには、その両端に設けた端子部間を接続する通路と、この通路内に摺動可能に挿通される伝達用線条と、この伝達用線条の両端に設けた検出ピンとからなる伝達手段を装着し、
    前記コネクタボックス及び前記プロセッサには、前記中継ケーブルの端子部が着脱可能に接続される端子部材が設けられ、
    前記各端子部材には、前記検出ピンが挿入されるピン受入部または前記検出ピンの受入を阻止するストッパ壁を設け、
    前記伝達用線材の長さは、その両端に連結した検出ピンのうち、いずれか一方を前記端子部材の表面と同じ位置にしたときに、他方側は前記ピン受入部に挿入可能な長さ寸法となし、
    前記コネクタボックスと前記プロセッサとの端子部材がストッパ壁を有するものの接続を阻止する
    構成としたことを特徴とする電子内視鏡装置。
  2. 挿入部に連設した本体操作部からユニバーサルコードを延在させ、このユニバーサルコードの他端に光源コネクタを備えたコネクタボックスを連結して設け、このコネクタボックスに接続コネクタを設けて、この接続コネクタに中継ケーブルが着脱可能に接続され、この中継ケーブルの他端は、前記挿入部の先端に設けた撮像手段から読み出した信号を処理してモニタに表示される映像信号を生成するためのプロセッサに着脱可能に連結される電子内視鏡装置において
    前記コネクタボックスには、当該内視鏡の撮像手段の種類を認識コードとして送信する撮像手段種類表示部が設けられており、
    前記中継ケーブルには、前記認識コードを電気的または光学的に伝送する伝送手段が設けられ、
    前記プロセッサには、前記内視鏡から伝送された認識コードに基づいて、当該プロセッサが前記撮像手段からの映像信号の処理が可能であるか否かの判定を行う判定手段が設けられ、
    前記判別手段により接続されようとする内視鏡の撮像手段がプロセッサで信号処理不能なものであると判断された時には、警報を発生させる
    構成としたことを特徴とする電子内視鏡装置。
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