JP4465286B2 - 高周波選択回路、高周波モジュール及び無線通信装置 - Google Patents
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Description
この高周波モジュールRFM100は、送受信系DCSの送信系TX、受信系RXと、送受信系GSMの送信系TX、受信系RXとを備えるとともに、周波数帯域の異なる2つの送受信系GSM/DCSを、それぞれの送受信系GSM及びDCSに分波し、各送受信系DCS、GSMにおいてそれぞれ送信系TXと受信系RXとの切り替えを行う高周波選択回路ASM100を備えている。
このようにマルチバンド/モード化が進み、1つの高周波モジュールで更に多くのバンド/モードに対応する必要が生じた場合、バンド/モード数に比例した高周波モジュール搭載基板の表層スペースが必要となり、高周波選択回路ASM100には、ますます小型化の実現が要求される。
このような高周波半導体スイッチを用いてマルチバンド/モードであるGSM850/GSM900/DCS/PCS/UMTS等の多バンド方式に対応する場合、通常は、図17に示すように、通過帯域のLowバンド側とHighバンド側の送受信系を分波する分波回路DIPX1と、分波回路DIPX1に接続され、例えばGSM850/GSM900の送受信における送信系TXと受信系RXとの切り替えを行う高周波スイッチSW1と、分波回路DIPX1に接続され、例えばDCS/PCS/UMTSの送受信における送信系TXと受信系RXとUMTSとの切り替えを行う高周波スイッチSW2とを備えた高周波選択回路ASMを用意する必要がある。なお、このとき前記高周波スイッチSW2は、異なる2つのモードであるGSM方式とCDMA又はUMTS方式に対応するために良好なリニアリティと耐電力性を満足した高周波スイッチを用いることが必要である。
前記図17の分波回路DIPX1を用いた構成では、高周波スイッチSW1,SW2を並列につないでいけば、多数のバンドに対応することができるので、各高周波スイッチSW1,SW2の端子数(共通端子以外の送受信用端子の数)を増やさなくても済む。
しかし、分波回路DIPX1という部品が必要となるので、その設置スペースを用意しなければならない。したがって、前述したような小型化の要請に合致しないという問題がある。
一方、前記図18のように、分波回路を省略し、高周波スイッチの端子数を増やす構成は、要求される仕様により、バンド数が違うので、各バンド数に対応した高周波スイッチをそれぞれ用意する必要がある。これは、多種類の高周波スイッチを設計、製造しなければならないので、不利な点が多い。
また、本発明はアンテナ共通端子と高周波スイッチとの経路での通過損失の低減、高減衰量の確保が可能な高周波選択回路を提供することを目的とする。
前記マッチング回路を低損失なものに選定すれば、ロスの少ない高周波選択回路の実現が可能になる。
前記高周波スイッチを、半導体集積回路素子によって形成することとすれば、従来、高周波スイッチを構成していたダイオード、インダクタ素子、キャパシタ素子のそれぞれを複数個、多層基板上面に搭載するか又は多層基板に内蔵する場合に比べて、高周波スイッチを小型化できる。また、スイッチを構成する部品点数が減少することにより、製造工程の短縮化を計ることができる。小型化と製造工程短縮化にともないコスト削減が可能となる。
前記フィルタ回路は、例えば、低域通過型又は帯域通過型フィルタである。
このようにフィルタ回路を挿入することにより、送信用パワーアンプ(図示せず)から発する高調波を除去することが可能となる。また、高周波スイッチ回路のスイッチングを原因として発生した高調波歪み成分を、スイッチ回路からアンテナ端子に至る経路において効果的に減衰させることが可能となる。
マルチバンド対応のために、各スイッチ回路の特定の端子に、通過帯域の異なる複数の受信信号を分波する分波回路をそれぞれ接続することによって、高周波スイッチによる切り替え数以上に、通過帯域の異なる複数の周波数帯に分けることができ、マルチバンド化に対応することができる。
このような高周波選択回路では、アンテナ端子に入力した過渡的な高電圧サージを高域通過フィルタ又は帯域通過フィルタにより減衰することができ、受動部品に比較して高電圧サージに対する耐性が低い高周波半導体集積回路の破壊を防止することができる。また、高域通過フィルタ又は帯域通過フィルタを構成する素子値を変化させることで、アンテナ端子とスイッチ回路とのインピーダンス整合をとることができる。
なお、前記「開放された端子」は、無限大のインピーダンスを持つ素子が接続された端子であるということもできる。開放端子とすることにより、高インピーダンスにするための回路を新たに追加する必要もなく、高周波選択回路の小型化、低コスト化の効果が期待できる。
また、共通のアンテナ端子と、前記2以上の高周波スイッチとの間に分波回路が介在されている回路方式においても、同一構成の高周波スイッチを複数用いることにより、部品の共通化ができ、前述した高周波スイッチの低コスト化、設計期間の短縮の効果が期待できる。
また、本発明の高周波モジュールは、以上に説明した本発明の高周波選択回路を誘電体層と導体層が交互に積層されてなる多層基板の表面に実装することにより、高機能化、低ロス化及びモジュール全体の小型化と低コスト化を実現するものである。
また、前記多層基板の内部に形成されている前記マッチング回路、前記分波回路及び前記フィルタ回路のパターンが、前記多層基板の上方からみて重ならないように配置することとすれば、マッチング回路間の干渉を防止でき、良好なフィルタ特性を実現でき、低ロス化、高調波成分の低減が期待できる。
図1は、本発明のマルチバンド対応携帯電話端末機の高周波選択回路の一例を説明するためのブロック図である。
この高周波選択回路ASM1は、1つの共通のアンテナ端子ANT3に接続され、GSM850(850MHz帯)、GSM900(900MHz帯)、DCS(1800MHz帯)、PCS(1900MHz帯)、CDMA Cellular(800MHz帯)、UMTS(2100MHz帯)の6つの通信システムを切り替える回路である。
さらに、前記2つの高周波スイッチSW1,SW2の切替え状態を制御する制御回路(以下「デコーダー回路」という)DEC1を備えている。デコーダー回路DEC1は、高周波スイッチSW1,SW2を切り替えるための制御電圧信号V1〜V4,V5〜V8をそれぞれ高周波スイッチSW1,SW2に供給する。なお、前記の制御電圧信号以外の制御電圧信号を供給するデコーダー回路であってもよい。
前記デコーダー回路DEC1も、同様に、集積回路素子などで構成される。
前記高周波スイッチSW1、SW2のスイッチング特性としては、次のような特性が前提となる。
図3は、スイッチングトランジスタQの特性図である。図3の横軸はゲート−ソース間電圧Vgs、縦軸はドレイン電流Idを表す。スイッチングトランジスタQは、ゲート−ソース間電圧Vgsを負にすることによってオフにできる、いわゆるデプレッション型といわれるタイプである。
このアンテナ入力端子ANT1に表れる電圧を、高周波スイッチSW2の制御バイアス電圧に使う。
本発明は、このような高周波半導体スイッチの特性を利用して、2つの高周波半導体スイッチのアンテナ入力側端子どうしを接続して、1つの高周波半導体スイッチのように動作させることができる。
図1において、前述したように、アンテナに接続される共通アンテナ端子ANT3に対して、前記高周波スイッチSW1のアンテナ端子ANT1と、前記高周波スイッチSW2のアンテナ端子ANT2とが直流通過可能なインピーダンスマッチング回路MAT1を介して接続されている。
同様にGSM850方式の受信時においては、前記高周波スイッチSW1はRX1−ANT1間をONとすれば、共通アンテナ端子ANT3からの受信信号はRX1端子へと伝わることとなる。このときも、高周波スイッチSW1のアンテナ側端子ANT1と高周波スイッチSW2のアンテナ側端子ANT2を直流通過可能なインピーダンスマッチング回路MAT1を介して接続していることから、アンテナ側端子ANT2には高周波スイッチSW1の制御バイアス電圧が印加され、高周波スイッチSW2の各接点は、オフの状態となることから、共通アンテナ端子ANT3から高周波スイッチSW1に流れる信号の一部が高周波スイッチSW2につながる回路へ漏れることを防止できる。したがって、受信信号レベルが劣化することを防止できる。
次に、DCS/PCS方式の送信時においては、前記高周波スイッチSW2の切替えによって、TX34−ANT2間をONとすれば、パワーアンプAMP2から増幅された信号が、アンテナに接続されている共通アンテナ端子ANT3へ伝わる。このとき、高周波スイッチSW1のすべての接点はオフになっているので、パワーアンプAMP2から増幅された信号がTX12(GSM850/900−TX)、RX1(GSM850−RX)、RX2(GSM900−RX)、TXRX5(CDMACellular−TX/RX)の回路に流れ込むことはない。すなわち、高周波スイッチSW2から共通アンテナ端子ANT3に流れる信号の一部が、高周波スイッチSW1を介して、高周波スイッチSW1につながる回路へ漏れることを防止できる。したがって、アンテナ端子3から出力される信号レベルの低下を防止できる。
なお、高周波スイッチSW1、SW2それぞれにおいて、高周波スイッチSW1を例えばGSM方式に対応したポートとUMTSに対応したポートとを具備してなる高周波半導体スイッチで構成し、高周波スイッチSW2も同様にGSM方式に対応したポートとUMTSに対応したポートとを具備してなる高周波半導体スイッチにて構成することとすれば、異なる通信方式(GSM/UMTS)における送受信切替えを低ロスで実現できる。また、UMTSに要求されるリニアリティとGSMに要求される耐電力性、及び低歪特性を、高周波半導体スイッチの各ポートでそれぞれ実現できることから、マルチバンド/モードに対応した高周波選択回路が実現できる。
マッチング回路MAT1は、アンテナ側端子ANT1と共通アンテナ端子ANT3間においては、直列の分布定数線路L1と、分布定数線路L1とグランドとの間に設けられたキャパシタC1とを備えている。そして、分布定数線路L1を介して高周波スイッチSW1と接続している。アンテナ側端子ANT2と共通アンテナ端子ANT3間においては、直列の分布定数線路L2と、分布定数線路L2と並列に接続されたキャパシタC2とを備えている。そして、この分布定数線路L2を介して高周波スイッチSW2と接続している。
図5,図6に、マッチング回路MAT1に低域通過型フィルタ機能を備えることによる、通過特性の改善効果を示す。
図6の実施例では、TX34(DCS/PCS−TX)の通過帯域(1710〜1910MHz)の3倍の周波数(5130〜5730MHz)の減衰量改善を目的に、インピーダンスマッチング回路の調整を行っている。
しかし本発明では、アンテナ側端子ANT2と共通アンテナ端子ANT3との間に直流通過可能なインピーダンスマッチング回路を挿入し、アンテナ側端子ANT1と共通アンテナ端子ANT3との間を直接接続してもよい。この構成によっても、アンテナ側端子ANT1及びアンテナ側端子ANT2に、制御バイアス電圧を印加することができる。
また、アンテナ側端子ANT1,ANT2、共通アンテナ端子ANT3の間を、全部直接接続してもよい。
この高周波選択回路では、それぞれの受信端子と、高周波スイッチSW11又はSW12との間に分波回路DIP10〜DIP40を配置し、更なる多ポート化を図っていることも特徴である。
図7の高周波選択回路は、デコーダー回路(図7には示していない)の制御により、アンテナ端子ANT1に対して通過帯域の異なる複数の送受信系を各送受信系、CDMA Cellular−Tx/Rx、DCS/PCS−Tx、GSM850−Rx、PCS−Rxの4組に切り分ける高周波スイッチSW11と、アンテナ端子ANT2に対して通過帯域の異なる複数の送受信系を各送受信系、GSM850/900−Tx、UMTS−Tx/Rx、GSM900−Rx、DCS−Rx、GPSの5組に切り分ける高周波スイッチSW12とを具備する。
高周波スイッチSW11には、CDMA Cellular−Tx/RxとDCS/PCS−Txを分波/合波する第1の分波回路DIP10と、GSM850−RxとPCS−Rxを分波/合波する第2の分波回路DIP20とが接続されている。
また、分波回路DIP10とDCS/PCS−Tx端子間には、送信信号の高調波成分を除去するLPF10が接続されており、また、分波回路DIP30とGSM850/900−Tx端子間にも送信信号の高調波成分を除去するLPF20とが接続されている。
まず、GPS信号(1600MHz帯)について説明すると、アンテナ端子ANTで受信した信号は、高周波スイッチSW12より、GPS端子へ接続される。アンテナ端子ANT2からGPS受信端子までの経路中に高周波スイッチSW12以外の素子が何ら構成されていないことから、GPS信号の通過特性の低損失化が実現できる。
分波回路DIP20は、PCS−Rx側は、高域通過フィルタHPF10で構成され、GSM850−Rx側は、分布定数線路SL10と低域通過フィルタLPF30で構成されている。この図のように高域通過フィルタおよび低域通過フィルタの構成は、HPF20,LPF10と同じでもよい。
分波回路DIP30は、UMTS側が高域通過フィルタHPF30で構成され、GSM850/900−Tx側が分布定数線路SL30と低域通過フィルタLPF50で構成されている。この図のように高域通過フィルタおよび低域通過フィルタの構成は、HPF20,LPF10と同じでもよい。GSM850/900−Txの経路には、分波回路DIP30とGSM850/900−Tx端子との間に、送信信号の高調波成分を減衰させる低域通過フィルタLPF20が構成されている。この低域通過フィルタLPF20によって、高周波電力増幅器で発生した高調波信号を取り除くことができる。
分波回路DIP40は、DCS−Rx側は、高域通過フィルタHPF50で構成され、GSM900−Rx側は、分布定数線路SL40と低域通過フィルタLPF60で構成されている。この図のように高域通過フィルタおよび低域通過フィルタの構成は、HPF20,LPF10と同じもよい。
次に、アンテナ側端子ANT1とアンテナ側端子ANT2間を直接接続した本発明の高周波選択回路の、さらに他の一例を説明する。
また、高周波スイッチSW120の1つの端子には、GSM850/900−TxとUMTS−Tx/Rxを分波/合波する第2の分波回路DIP30が、また他の端子には、GSM900−RxとDCS−Rxを分波/合波する第3の分波回路DIP40が接続されている。
さらに、ANT端子ANT1とANT2とは直結されている。共通アンテナ端子ANT3と、アンテナANTとの間には、ESDなどの高電圧サージを減衰させるESD回路ESD10が接続されている。
まず、GPS信号について説明すると、アンテナ端子ANT2で受信した信号は、高周波スイッチSW120により、GPS端子へ接続される。アンテナ端子ANT2からGPSの受信端子との経路中に高周波スイッチSW120以外の素子が構成されていないことから、GPS信号の通過特性の低損失化が実現できる。
次に、CDMA Cellular−Tx/Rx信号の場合について説明する。CDMA Cellular−Rx信号は、アンテナ端子ANT1で受信され、高周波スイッチSW110により、CDMA Cellular−Tx/Rx端子に直接、接続される。
本発明の高周波選択回路において、前記高域通過フィルタHPFは、いずれも直列接続された2つのキャパシタとその間とグランドとの間に形成された分布定数線路により構成され、前記低域通過フィルタLPFは、いずれも分布定数線路と分布定数線路と並列に接続されたキャパシタ、分布定数線路とグランドとの間に形成されたキャパシタにより構成されている。
また、CDMA Cellular端子とUMTS端子には、デュプレクサ、電力増幅回路、自動電力制御回路、SAWフィルタ等の帯域通過フィルタが接続される。
図11は、本発明の他の実施形態に係る高周波選択回路を構成するスイッチ回路のブロック図である。
このスイッチ回路は、LOWバンド系高周波スイッチSW111、Hightバンド系高周波スイッチSW112、及び前記2つの高周波スイッチSW111,SW112の切替え状態を制御するデコーダー回路DEC1から構成されている。
高周波スイッチSW112は、前記デコーダー回路DEC1の制御により、アンテナ端子ANT2と、DCS方式(1800MHz帯)、PCS方式(1900MHz帯)共通の送信系端子TX2、DCS方式(1800MHz帯)の受信系端子RX3、PCS方式(1900MHz帯)の受信系端子RX4、UMTS方式(2000MHz帯)の送受信端子T/RX1、および開放された端子OPEN2とを切替えて接続するものである。
前記高周波スイッチSW111,SW112は、GaAs(ガリウム砒素)化合物、Si(シリコン)又はAl2O3(サファイア)を主成分とする基板上に、p−HEMTなどの半導体素子を搭載して、これらの半導体素子を利用したスイッチング回路パターンを形成したものである。
なお、デコーダー回路DEC1と、前記高周波スイッチSW111,SW112のいずれか又は双方とは、1つの集積回路素子で構成してもよい。こうすれば、集積度が上がり、高周波選択回路の、さらなる小型化と低消費電力化が可能になる。
図12において、アンテナに接続される共通アンテナ端子ANT3に対して、前記高周波スイッチSW111のアンテナ端子ANT1と前記高周波スイッチSW112のアンテナ端子ANT2とが直接接続されている。
また、前記デコーダー回路DEC1は、高周波スイッチSW112がアンテナ端子ANT2を、送信系端子TX2、受信系端子RX3、受信系端子RX4、送受信端子T/RX1のいずれかに接続しているときは、高周波スイッチSW111がOPEN1端子に接続されるようにその制御内容を設定する。
このとき高周波スイッチSW112は、前述したデコーダー回路DEC1の制御により、OPEN2端子に接続される。
次に、DCS/PCS方式の送信時においては、前記高周波スイッチSW112のTX2−ANT2間がONとなり、パワーアンプAMP2から増幅された信号が共通アンテナ端子ANT3へ伝わる。このとき高周波スイッチSW111はOPEN1端子に接続されている。
図13の高周波スイッチは、アンテナに接続される共通アンテナ端子ANT3に対してLOWバンド側(GSM850、GSM900)とHightバンド側(DCS、PCS、UMTS)の周波数を分離する分波回路DIPX1が接続されている。分波回路DIPX1のLOWバンド側はローパスフィルタになっており、Hightバンド側はハイパスフィルタになっている。
前記高周波スイッチSW111、SW112の構成と、接続状態は、図12で説明したのと同様である。
前記デコーダー回路DEC1は、高周波スイッチSW111がアンテナ端子ANT1を、送信系端子TX1、受信系端子RX1、受信系端子RX2のいずれかに接続しているときは、高周波スイッチSW112をOPEN2端子又はOPEN2端子でない他の端子、例えばT/RX1端子に接続されるようにその制御内容を設定する。
なお、UMTSの同時受信が必要でないならば、高周波スイッチSW112をOPEN2端子に接続するように制御内容を設定してよいのはもちろんである。
同様にGSM850方式の受信時においては、前記高周波スイッチSW111はRX1−ANT1間がONとなり、共通アンテナ端子ANT3からの受信信号は分波回路DIPX1、高周波スイッチSW111を介してRX1端子へと伝わることとなる。このとき高周波スイッチSW112は、例えばT/RX1端子に接続される。
なお、UMTSの同時送受信が必要でないならば、高周波スイッチSW112をOPEN2端子に接続するように制御内容を設定してよいのはもちろんである。
また、DCS/PCS方式の送信時においては、前記高周波スイッチSW112はTX2−ANT2間がONとなり、パワーアンプAMP2から増幅された信号が分波回路DIPX1を介してアンテナANTに接続されている共通アンテナ端子ANT3へ伝わる。このとき高周波スイッチSW111は例えばRX2端子に接続される。
同様にDCS方式の受信時においては、前記高周波スイッチSW112はRX3−ANT2間がONとなり、共通アンテナ端子ANT3からの受信信号は分波回路DIPX1を介してRX3端子へと伝わることとなる。このとき高周波スイッチSW111は例えばRX2端子に接続される。高周波スイッチSW112がRX2端子に接続されることでDCS方式の受信時においてもGSM900方式の受信が可能となる。
これにより従来のようにそれぞれ異なるスイッチ回路方式に対応した、異なる高周波半導体スイッチを作成したり購入したりする必要がなく、それぞれの高周波半導体スイッチの製造コスト/又は購入コストを低減できる。また、異なる2種類の高周波半導体スイッチを設計、作成する必要がなくなることから、高周波半導体スイッチの製造期間をも短縮でき、しいてはスイッチ回路、及び/又はスイッチ回路を含む高周波モジュールの設計、製造期間を短縮することが可能となる。
<高周波モジュール>
次に、前記高周波選択回路を搭載する高周波モジュールについて説明する。
図14、図15に示すように、高周波モジュールRFM1は、誘電体層と導体層が積層されてなる多層基板Aに形成されている。
多層基板Aは、同一寸法形状の誘電体層11〜17が積層されて構成されている。各誘電体層11〜17間には、所定のパターンからなる導体層21が形成されている。また、各誘電体層11〜17には複数の層にわたって回路を構成し又は接続するために必要なビアホール導体23が適宣形成されている。
本発明の高周波モジュールRFM1の半導体スイッチSW1、SW2は、1チップに集積されている。このチップを"24"で示す。チップ24は、多層基板Aの上面に、素子24の実装面の面積よりも大きい面積のダイパッド26を介して、Ag又はAuSnに接着剤を混ぜた導電性接着剤、又は有機樹脂系の非導電性の接着剤47を用いて表面実装されている。
そして、GSM850/900−TX端子とDCS/PCS−TX端子とに接続される電力増幅回路、自動電力制御回路、SAWフィルタ等の帯域通過フィルタなどが、本実施例に示す高周波モジュールRFM1の内部に一体化されて搭載されている。
また、GSM850−RX端子、GSM900−RX端子、DCS−RX端子、PCS−RX端子に接続される、SAWフィルタ等の帯域通過フィルタが、本実施例に示す高周波モジュールRFM1の内部に一体化されて搭載されている。
そして、半導体スイッチSW1、SW2を構成するチップ24の信号用端子又は接地用端子が、ボンディングワイヤ56や、多層基板A表面の導体層21を経由して、基板内蔵素子と電気的に接続されている。
なお、多層基板Aの上面及び側面は、封止樹脂に代えて、金属製キャップで覆ってもよい。金属製キャップは、多層基板Aの側面の所定位置に設けられた接地用の端面電極と半田などの導体で固定する。
本発明によれば、前記高周波モジュールを携帯電話などの無線通信装置に適用することによって、GSM/DCS/PCSシステムとCDMAシステムが一体化されたマルチバンドの無線通信装置を構成することができるとともに、装置の小型化などを図ることができる。
ASM1〜4 高周波選択回路
SW1,2 高周波スイッチ
SW11,12 高周波スイッチ
SW110〜112,120 高周波スイッチ
DEC1 制御回路
MAT1 マッチング回路
Claims (18)
- 共通のアンテナ端子と、周波数帯又は通信方式の異なる複数の通信システムの送信系及び受信系との間に配置される高周波選択回路であって、
前記複数の通信システムに対応して備えられた2以上の高周波スイッチと、
前記2以上の高周波スイッチの切替えを制御する制御回路と、
前記2以上の高周波スイッチのそれぞれのアンテナ側端子と、前記共通のアンテナ端子との間に介在される、直流通過可能なマッチング回路とを有し、
前記制御回路は、いずれかの前記高周波スイッチの1つの経路をオンにしたとき、当該高周波スイッチの他の経路、及び他の前記高周波スイッチの全ての経路がオフの状態になるように制御するものである高周波選択回路。 - 前記制御回路により、いずれかの前記高周波スイッチの1つの経路がオンとされ、当該高周波スイッチの他の経路、及び他の前記高周波スイッチの全ての経路がオフとされた状態で、前記アンテナ側端子の電圧が1V以上である請求項1記載の高周波選択回路。
- 前記高周波スイッチを、半導体集積回路素子によって形成してなる請求項1又は請求項2記載の高周波選択回路。
- 前記直流通過可能なマッチング回路は、低域通過型フィルタである請求項1から請求項3のいずれかに記載の高周波選択回路。
- 前記高周波選択回路の前記送信系からアンテナに至る信号経路中には、送信信号の高調波信号を減衰させるフィルタ回路が接続されている請求項1から請求項4のいずれかに記載の高周波選択回路。
- 前記フィルタ回路は、低域通過型又は帯域通過型フィルタである請求項5記載の高周波選択回路。
- 前記高周波スイッチの受信回路に接続される端子には、前記各通信システムの受信信号を分波する分波回路が接続されている請求項1から請求項6のいずれかに記載の高周波選択回路。
- 前記共通のアンテナ端子と前記高周波スイッチとの間に、高電圧サージを減衰させる高域通過フィルタ又は帯域通過フィルタを備えてなる請求項1から請求項7のいずれかに記載の高周波選択回路。
- 前記制御回路は、いずれか1つ又は2つ以上の前記高周波スイッチと一体化された半導体集積回路素子で実現されている請求項1から請求項8のいずれかに記載の高周波選択回路。
- 共通のアンテナ端子と、周波数帯又は通信方式の異なる複数の通信システムの送信系及び受信系との間に配置される高周波選択回路であって、
前記複数の通信システムに対応して備えられた2以上の高周波スイッチと、
前記2以上の高周波スイッチの切替えを制御する制御回路とを有し、
前記高周波スイッチのアンテナ側端子以外の端子の一部は、開放され、又は500Ω以上の高インピーダンス素子が接続され、若しくは500Ω以上の高インピーダンス回路が接続されており、
前記制御回路は、いずれかの前記高周波スイッチの前記アンテナ側端子を前記送信系又は受信系につながる端子に接続しているときは、他の前記高周波スイッチの前記アンテナ側端子を前記一部の端子に接続するように制御するものである高周波選択回路。 - 前記2以上の高周波スイッチのそれぞれの前記アンテナ側端子と、前記共通のアンテナ端子とが直接接続されている請求項10記載の高周波選択回路。
- 前記2以上の高周波スイッチのそれぞれの前記アンテナ側端子と、前記共通のアンテナ端子との間に分波回路が介在されている請求項10記載の高周波選択回路。
- 前記高周波スイッチを、半導体集積回路素子によって形成してなる請求項10から請求項12のいずれかに記載の高周波選択回路。
- 前記制御回路は、いずれか1つ又は2つ以上の前記高周波スイッチと一体化された半導体集積回路素子で実現されている請求項10から請求項13のいずれかに記載の高周波選択回路。
- 請求項1から請求項14のいずれかに記載の高周波選択回路を搭載した高周波モジュールであって、前記高周波選択回路を構成する前記高周波スイッチが、誘電体層と導体層が交互に積層されてなる多層基板の表面に実装されている高周波モジュール。
- 前記高周波選択回路を構成するマッチング回路、分波回路及びフィルタ回路が前記多層基板の内部に形成されている請求項15記載の高周波モジュール。
- 前記多層基板の内部に形成されている前記マッチング回路、前記分波回路及び前記フィルタ回路のパターンが、前記多層基板の上方からみて重ならないように配置されている請求項16記載の高周波モジュール。
- 請求項15から請求項17のいずれかに記載の高周波モジュールを搭載した無線通信装置。
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