JP4465091B2 - 通信装置のカバー取付構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線機器等の通信装置の基本構成部材に対して正面パネルおよびカバーを装着する構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4は、通信機に正面パネルおよびカバーを装着する構造の従来例を示す分解斜視図である。
基本構成部材の正面側に正面パネル2が取り付けられるとともに、正面と背面とを除く4面の内の3面を覆う形のカバー3が取り付けられる。ただし、上記の「覆う」とは、必ずしも3面全部を完全には覆うことを要せず、1面をほぼ覆うとともに、2面それぞれの半ばを覆っている。
基本構成部材1に対して正面パネル2とカバー3とを装着固定するため、この図4の例では7a〜7hの8本のネジを用いている。すなわち、ネジとメネジ孔との対応を鎖線で示したように、
ネジ7aは、正面パネル2のネジ用透孔2aに挿通され、基本構成部材1のメネジ孔1aに螺入して締め付けられる。
【0003】
同様に、ネジ7bはネジ用透孔2bに挿通され、カバー3のメネジ孔3bに螺入して締め付けられ、
同じくネジ7cはネジ用透孔2cに挿通され、カバー3のメネジ孔3cに螺入して締め付けられ、
以下同様にしてネジ7fに至るまで計6本のネジが正面パネル側から締め付けられている。
ネジ7gとネジ7hとは、それぞれカバー3に穿たれたネジ用透孔(図において隠れている)に挿通され、基本構成部材1に設けられたメネジ孔(図において隠れている)に螺合されて締め付けられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図4に示した従来例から理解されるように、従来技術に係るカバー取付構造においては取付ネジの個数が多い。従って、生産工場における組立作業効率が悪い上に、点検整備のためにカバーを着脱する作業に多大の時間と労力とを要する。
【0005】
さらに、正面パネル側から多数のネジを螺入する構造であるため、該正面パネルの部品実装面積が狭められている。
本発明は上述の事情に鑑みて為されたものであって、少数のネジによって正面パネルおよびカバーを確実に装着固定することができるカバー取付構造を提供することを目的とする。
取付ネジの本数が減ることによって組立作業が効率化されること、および、正面パネルの部品実装面積が増加することを期待し得る。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために創作した本発明に係るカバー取付構造は、
通信装置の基本構成部材の正面側に正面パネルを取り付けるとともに、正面と背面とを除く4面の少なくとも1面を覆うカバーを取り付ける構造において、
前記正面パネルの4辺の内、前記カバーに対向する辺を該カバーに向けて折り曲げた形の折曲部を形成して、この折曲部によって該カバーを前記基本構成部材に向けて押えつけ、
かつ、上記の折曲部とカバーとが重なり合う部分に中央部と両端部とを設定して、カバーの中央部を正面パネル折曲部の中央部の内側へ差し込むとともに、正面パネル折曲部の両端部をカバーの両端部の内側へ差し込み、
または、カバーの両端部を正面パネル折曲部の両端部の内側へ差し込むとともに、正面パネル折曲部の中央部をカバーの中央部の内側へ差し込み、
かつ、正面パネルに設けたネジ用透孔に挿通した取付用のネジを、基本構成部材に設けられたメネジ孔に螺合して締め付けたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の1実施形態を示し、(A)は分解斜視図、(B)は組立状態の外観斜視図である。ただし、読図の便宜上、ネジおよびネジ孔を拡大して描いてあるので、写実的な投影図ではない。
図1(A)に示したように、カバー6には差込片6aが形成され、正面パネル5には折曲部5aが形成されている。図1(B)のように、上記のカバー6で基本構成部材1を覆い、前記の折曲片5aでカバー6の差込片6a(図1(B)では隠れている)を押えつける。この部分の構造の詳細については、図2,図3を参照して後述する。
【0008】
3本のネジ7を用い、正面パネル5の前面側から、ネジ用透孔5bに挿通してそれぞれ基本構成部材4のメネジ孔4aに螺入して締め付ける。これにより、図1(B)に描かれているように、正面パネル5は基本構成部材4に対して装着,固定される。この図1(B)に示した組立状態において、カバー6は正面パネル5の折曲片5aで押えつけて固定されている。
この図1の実施形態では、カバー6の固定をより完全ならしめるため、背面側から2本のネジ7′で該カバー6を基本構成部材4に対して取付け固定しているが、この2本のネジ7′については、「カバー6の背面側に係合部を設けて基本構成部材4の背面側に係合すること」によって省略することも可能である。
【0009】
図1の実施形態を図4の従来例に比較して明らかなように、本発明の適用によって、正面パネルに挿通されるネジの個数が半減している。取付用のネジの減少によって部品コストおよび組立コストが減少し、さらに保守点検も容易になる。
さらに、正面パネルに挿通されるネジの個数が少なくなったので、該正面パネルの部品実装面積が増加した。また、正面パネルの正面表面部の印刷可能スペースが増加し、設計的自由度が高くなった。
【0010】
図2は、本発明の1実施形態を背面寄りの側から見た要部斜視図であって、組立図と分解図との中間的な状態、すなわち、ほぼ組み立てられた状態ではあるが差込片が差し込まれる直前の状態を描いてある。
符号6aを付して示した構成部分は、先に図1において説明した差込片である。一方、正面パネル5がカバー6に対向している辺に沿って、ほぼ直角に折り曲げられた形状の折曲部5aが形成されている。
鎖線楕円で示したZ部に表わされているように、前記折曲部5aはカバー6を基本構成部材4に向けて押しつけている。
さらに、前記折曲部5aの先端に位置せしめて、差込片5cが形成されている。説明の便宜上、カバー6が正面パネル5の折曲部5aに対向している部分を、図2に付記したように両端部と中央部とに区分して考える(この区分は思索の段階であって、実体的な分割ではない)。
前記の差込片5cは両端部それぞれに設けられていて、カバー6の内側に差し込まれる。また、前記の差込片6aは中央部に設けられていて、正面パネル5の折曲部5aの内側に差し込まれる(本図において内側とは下側である。しかし、本発明に係る通信装置は、その使用時の姿勢を限定されないので、外周側の反対を内側と呼んで、差込片の差し入れ側を特定した)。
【0011】
図3は、前掲の図2に示した差込片付近の拡大詳細図であって、(A)はA−A断面を、(B)はB−B断面を、それぞれ描いてある。
本実施形態においては、中央部を切断したA−A断面(図3(A))においてカバー6の差込片6aが正面パネル5の折曲部5aの内側へ、矢印cのように差し込まれるとともに、
両端部を切断したB−B断面(図3(B))において、正面パネル5の差込片5cがカバー6の内側へ、矢印dのように差し込まれている。
すなわち、図2に示した中央部と両端部とが互い違いとなるように差し込まれて、強固に結合される。
以上に説明した構造機能から容易に理解されるように、中央部と両端部とが互い違いとなるように差し込まれるところに「強固な結合」の原因が有る。
従って、両端部が図3(A)の断面形状となるようにカバー6の差込片を正面パネル折曲部5aの内側へ差し込むとともに、
中央部が図3(B)の断面形状となるように、正面パネル5の差込片をカバー6の内側へ差し込んでも、前記実施形態(図2)と同様の効果が得られる。
【0012】
【発明の効果】
以上に本発明の実施形態を上げてその構成・機能を明らかならしめたように、本発明に係る通信装置のカバー取付構造によると、少数のネジによって正面パネルおよびカバーを基本構成部材に対して確実に装着,固定することができる。
取付用のネジの所要個数が減るので、生産工場における組立所要工数および部品コストが減少し、生産コストが低減される。その上、使用者による点検,整備のためのカバー脱着作業が迅速容易に行ない得るようになってメンティナンス性が向上する。
【0013】
さらに、正面パネルに挿通されるネジの個数が減少するため正面パネルの部品実装面積が増加し、かつ正面パネル表面部の印刷可能スペースが増加するので設計的自由度が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態を示し、(A)は分解斜視図、(B)は組立状態の外観斜視図である。ただし、読図の便宜上、ネジおよびネジ孔を拡大して描いてあるので、写実的な投影図ではない。
【図2】本発明の1実施形態を背面寄りの側から見た要部斜視図であって、組立図と分解図との中間的な状態、すなわち、ほぼ組み立てられた状態ではあるが、差込片が差し込まれる直前の状態を描いてある。
【図3】前掲の図2に示した差込片付近の拡大詳細図であって、(A)はA−A断面を、(B)はB−B断面を、それぞれ描いてある。
【図4】通信機に正面パネルおよびカバーを装着する構造の従来例を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1…基本構成部材、1a〜1f…メネジ孔、2…正面パネル、2a〜2e…ネジ用透孔、3…カバー、3b,3c,3e…メネジ孔、4…基本構成部材、4a…メネジ孔、5…正面パネル、5a…折曲部、5b…ネジ用透孔、5c…差込片、6…カバー、6a…差込片、7,7a〜7h…ネジ。

Claims (1)

  1. 通信装置の基本構成部材の正面側に正面パネルを取り付けるとともに、正面と背面とを除く4面の少なくとも1面を覆うカバーを取り付ける構造において、
    前記正面パネルの4辺の内、前記カバーに対向する辺を該カバーに向けて折り曲げた形の折曲部を形成して、この折曲部によって該カバーを前記基本構成部材に向けて押えつけ、
    かつ、上記の折曲部とカバーとが重なり合う部分に中央部と両端部とを設定して、カバーの中央部を正面パネル折曲部の中央部の内側へ差し込むとともに、正面パネル折曲部の両端部をカバーの両端部の内側へ差し込み、
    または、カバーの両端部を正面パネル折曲部の両端部の内側へ差し込むとともに、正面パネル折曲部の中央部をカバーの中央部の内側へ差し込むことにより、前記正面パネルと前記カバーが中央部と両端部で互い違いに結合され、
    かつ、正面パネルに設けたネジ用透孔に挿通した取付用のネジを、基本構成部材に設けられたメネジ孔に螺合して締め付けたことを特徴とする、通信装置のカバー取付構造。
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