JP4464032B2 - 温度保護素子 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば家電製品等の電気機器の回路を構成し、周辺の環境温度が所定の温度を越えると回路への通電を解除して当該電気機器の安全を確保するための温度保護素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
ほとんどの家電製品には、周辺の環境温度が限界値を越えると回路への通電を解除して機器の安全を確保する温度保護素子が使用されている。こういった類の温度保護素子としては、比較的安価な筒形ヒューズ、つめ付きヒューズ、プラグヒューズ等があるが、これらは一般的に定格電流が小さいため(2A(アンペア)程度)、例えば電子レンジのように使用する回路電流が比較的大きな(15〜20A程度)家電製品には使用することができない。そこで、こういった家電製品には、バイメタルを使ったブレーカを温度保護素子として代用している場合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このバイメタルタイプのブレーカは部品点数が多く構造が複雑で、上記のような各種ヒューズと比較して非常に高価であり、家電製品の製造コストを引き上げる一因となっている。
【0004】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、構造が単純で安価に調達可能な温度保護素子を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、以下の手段を採用した。
すなわち本発明の温度保護素子は、導電性ポリマーと、該導電性ポリマーを挟んで配設された2つの電極とを備え、該2つの電極間で前記導電性ポリマーを介して通電した状態を、周辺の環境温度が所定の温度を超過することを契機として切断する温度保護素子であって、
前記導電性ポリマーに、前記環境温度が前記所定の温度を超過すると熱膨張して抵抗値を変化させる特性が与えられるとともに、熱膨張後の抵抗値がその他の箇所よりも小さく、前記通電による電流が集中することで焼失して前記2つの電極間の接続を断つ小抵抗部が設けられていることを特徴とする。
【0006】
導電性ポリマーは、例えばポリエチレンとカーボンブラックとを混練した後、放射線によって架橋することで構成される高分子樹脂体である。導電性ポリマーの内部には、常温の環境下ではカーボンブラックの粒子が繋がって存在するために電流が流れる多数の導電パスが形成され、良好な導電性が発揮される。ところが、周囲の環境温度の上昇や導電パスを流れる電流の超過等によって導電性ポリマーが熱膨張すると、カーボンブラックの粒子間距離が拡大して導電パスが切られ、導電性が急激に低下してしまう(抵抗値が急激に増大する)。これを導電性ポリマーの正の抵抗温度特性、すなわちPTC(Positive Temperature Coefficient)といい、本発明ではこの特性を利用している。
【0007】
まず、本発明の温度保護素子を、電気機器の回路に、2つの電極間に通電されるようにして設置する。常温の環境下でこの回路に所定の電流が流れると、導電性ポリマーは良好な導電性を発揮し、回路の通電状態が確保される。
【0008】
電気機器の過熱等の原因で本発明の温度保護素子を含む回路周辺の環境温度が上昇し、あらかじめ設定された限界温度(所定の温度)を超えると、導電性ポリマーは周囲から伝わる熱に影響されて膨張し、内部の導電パスが切られて抵抗値を急激に増大させる。このとき、小抵抗部とその他の箇所との間で抵抗値に差が生じ、比較的抵抗値の小さい小抵抗部に電流が集中して非常に高い電圧が印可され、この部分を過熱させる。やがて、過熱した小抵抗部が焼失して2つの電極間の接続が不可逆的に断たれる。
【0009】
本発明の温度保護素子は上記のように機能して電気機器の安全を確保するのであるが、その構造は、導電性ポリマーと、該導電性ポリマーを挟んで配設された2つの電極とからなり、バイメタルタイプのブレーカと比較すると部品数が少なく構造も単純で、製造コストもかなり安価に抑えられる。
【0010】
本発明においては、小抵抗部を、導電性ポリマーへの放射線の照射量をその他の箇所よりも少なくすることにより形成するのが望ましい。放射線の照射量を調整することにより、導電性ポリマーのPTC特性に様々な性格付けをする技術は既に確立されており、小抵抗部およびその他の箇所のそれぞれに、明確な差をもったPTC特性を与えることが可能である。これにより、小抵抗部が熱膨張を開始する温度や焼失する時期等を的確に設定することができる。
【0011】
本発明においては、小抵抗部を、導電性ポリマーを圧迫することにより形成してもよい。小抵抗部については、放射線の照射量を減らしたり照射を行わなかったりすることで必要なPTC特性を与える以外に、導電性ポリマーを圧迫し、物理的に熱膨張を抑制して抵抗値の増大を抑えることも可能である。これによると、温度保護素子を製作するにあたって作業が簡略化されるので、製造コストの削減が可能である。
【0012】
本発明においては、小抵抗部を、耐火材により被覆することが望ましい。小抵抗部は電流が集中すると一瞬のうちに燃焼するが、その際高熱を発するので、耐火材でその熱の周囲への発散を防ぐことにより、本発明の温度保護素子が設置された回路その他の構造物の損傷が未然に防止される。
【0013】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
本発明の温度保護素子の第1の実施形態を図1ないし図3に示して説明する。図1および図2において、符号1はポリマーPTC素子、2,3はポリマーPTC素子1に通電可能に接合された端子である。ポリマーPTC素子1は、端子2を接合される第1の分割体1Aと、端子3を接合される第2の分割体1Bと、第1、第2の分割体1A,1Bの間に配置されて金属製のジャンパーリード4a,4b,5a,5bを介して通電可能に接合される第3の分割体1Cの3つのパートに分けられている。こららはすべてが耐火性のセラミックケース6に収められており、端子2,3の脚の部分のみがセラミックケース6から突き出している。
【0014】
ポリマーPTC素子1は、いずれの分割体も厚さが均一な導電性ポリマーの生板の両面に、電極となるニッケル箔をそれぞれ圧着したワークを切り出したものである。ポリマーPTC素子1を構成する第1の分割体1Aは、矩形で板状の導電性ポリマー7と、この導電性ポリマー7と同形状、同寸法でその両側面に接合された金属製の電極8a,8bからなる。第2の分割体1Bは、第1の分割体1Aと全く同じ形状、同じ構造で、導電性ポリマー9と電極10a,10bとからなる。第3の分割体1Cは、第1、第2の分割体1A,1Bのそれと比較すると明らかに小さい導電性ポリマー11と、この導電性ポリマー11と同形状、同寸法でその両側面に接合された金属製の電極12a,12bからなる。
【0015】
すべての導電性ポリマー7,9,11は、例えばポリエチレンとカーボンブラックとを混練した後、放射線によって架橋することで構成される高分子樹脂体である。導電性ポリマーの内部には、常温の環境下ではカーボンブラックの粒子が繋がって存在するために電流が流れる多数の導電パスが形成され、良好な導電性が発揮されるが、周囲の環境温度の上昇や導電パスを流れる電流の超過等によって導電性ポリマーが熱膨張すると、カーボンブラックの粒子間距離が拡大して導電パスが切られ、導電性が急激に低下してしまう(抵抗値が急激に増大する)という特性を備えている。
【0016】
端子2は、第1の分割体1Aの一方の電極8aに通電可能に接合され、端子3は、第2の分割体1Bの他方の電極10bに通電可能に接合されている。これらは本実施形態の温度保護素子を電気回路中に設置する際の接続端子となる。
【0017】
第1、第2、第3の分割体1A,1B,1Cはすべて同一面内に配置されている。さらに、第1、第2の分割体1A,1Bはそれぞれの一辺を平行に離間させて配置されており、第3の分割体1Cは、これら第1、第2の分割体1A,1Bからほぼ等しく離間した位置に配置されている。
【0018】
第1の分割体1Aおよび第3の分割体1Cは、第1の分割体1Aの一方の電極8aと第3の分割体1Cの一方の電極12aとの間に架設されたジャンパーリード4a、および第1の分割体1Aの他方の電極8bと第3の分割体1Cの他方の電極12bとの間に架設されたジャンパーリード4bによって通電可能に接続されている。
【0019】
第2の分割体1Bおよび第3の分割体1Cは、第2の分割体1Bの一方の電極10aと第3の分割体1Cの一方の電極12aとの間に架設されたジャンパーリード5a、および第2の分割体1Bの他方の電極10bと第3の分割体1Cの他方の電極12bとの間に架設されたジャンパーリード5bによって通電可能に接続されている。
【0020】
上記のような構成の温度保護素子が、周辺の環境温度があらかじめ設定された限界温度を超過することを契機として、自らが設置された電気回路の通電状態を解除するべく機能するように、ポリマーPTC素子1の各分割体1A,1B,1Cを構成する導電性ポリマー7,9,11にはそれぞれ次のような特性が与えられている。
【0021】
すべての導電性ポリマー7,9,11には、定格電流であるqAの通電によりわずかな抵抗を生じ、環境温度が限界温度を超過すると周囲から伝わる熱の影響を受けて膨張してその抵抗値を増大させる特性が与えられている。
【0022】
さらにいえば、第1の分割体1Aを構成する導電性ポリマー7、および第2の分割体1Bを構成する導電性ポリマー9は、熱膨張後の抵抗値が非常に大きく、第3の分割体1Cを構成する導電性ポリマー11は、導電性ポリマー7,9と比較して熱膨張後の抵抗値が小さくなるような特性が与えられている(図3参照、導電性ポリマー11が本発明でいうところの小抵抗部となる)。
このような特性は、導電性ポリマー中のカーボンブラックの含有量や架橋の際の放射線の照射量を適宜調節することにより与えられる。
【0023】
上記のように構成され、かつポリマーPTC素子1の各分割体1A,1B,1Cを構成する導電性ポリマー7,9,11に上記のような特性を与えられた温度保護素子を、端子2,3間に通電がなされるようにして電気機器の回路に設置し、常温の環境下でこの回路に定格電流を通電すると、電流は三方に分かれて並列に流れる。ひとつの流れは端子2、電極8a、導電性ポリマー7、電極8b、ジャンパーリード4b、電極12b、ジャンパーリード5b、電極10b、端子3を順(もしくはその逆)に辿る。もうひとつの流れは端子2、電極8a、ジャンパーリード4a、電極12a、ジャンパーリード5a、電極10a、導電性ポリマー9、電極10b、端子3を順(もしくはその逆)に辿る。さらにもうひとつの流れは端子2、電極8a、ジャンパーリード4a、電極12a、導電性ポリマー11、電極12b、ジャンパーリード5b、電極10b、端子3を順(もしくはその逆)に辿る。すべての導電性ポリマー7,9,11は、常温の環境下では良好な導電性を発揮し、回路の通電状態が確保される。
【0024】
電気機器の過熱等の原因で温度保護素子を含む回路周辺の環境温度が上昇し、あらかじめ設定された限界温度を超えると、すべての導電性ポリマー7,9,11は周囲から伝わる熱に影響されて膨張し、内部の導電パスが切られて抵抗値を増大させる。このとき、導電性ポリマー11と導電性ポリマー7,9との間で抵抗値に差が生じ、比較的抵抗値の小さい導電性ポリマー11に電流が集中して非常に高い電圧が印可され、この部分の導電性ポリマー11を過熱させる。やがて、過熱した導電性ポリマー11が電極12a,12bやジャンパーリード4a,4b,5a,5bもろとも焼失して第1、第2の分割体1A,1B間が離断し、端子2,3間の接続が不可逆的に断たれる。
【0025】
本実施形態の温度保護素子は、上記のように機能して限界温度を超えた電気機器の安全を確保するのであるが、その構造は、2つの電極の間に導電性ポリマーを介在させたポリマーPTC素子1の3つの分割体1A,1B,1Cと、これらを通電可能に接続するジャンパーリード4a,4b,5a,5bとからなり、バイメタルタイプのブレーカと比較すると部品数が少なく構造も単純なので、製造コストも安価に抑えられる。
【0026】
本実施形態の温度保護素子においては、導電性ポリマー11に、端子2,3間に定格値をはるかに超える過剰な電流が流れたときに熱暴走して焼失する特性を追加して与えてもよい。このような特性を追加すれば、温度保護素子を含む回路に、たとえ常温の環境下であっても何らかの原因で過電流が流れると、導電性ポリマー11がジュール熱による自己発熱を生じて熱膨張し、さらに過熱した導電性ポリマー11が熱暴走して焼失して第1、第2の分割体1A,1B間が離断し、端子2,3間の接続が不可逆的に断たれる。つまり、本来の温度保護素子としての機能に加えて過電流保護素子としての機能が付加されるので、汎用性が格段に高まる。
【0027】
ところで、本実施形態においては温度保護素子を覆うセラミックケースを設けたが、これについては必要がなければ省略した構成としてもよい。
【0028】
[第2の実施形態]
本発明の温度保護素子の第2の実施形態を図4および図5に示して説明する。なお、上記第1の実施形態において既に説明した構成要素には同一符号を付して説明は省略する。
図4および図5において、符号13はポリマーPTC素子、14,15はポリマーPTC素子12の2つの電極にそれぞれ通電可能に接合された端子である。平面視するとH字形をなす導電性ポリマー16と、導電性ポリマー16と同形状、同寸法でその両側面に接合された金属製の電極17,18とからなるが、機能的には、端子2を接合される第1の部位13A、端子3を接合される第2の部位13B、第1、第2の部位13A,13Bの中間に位置する第3の部位13Cの3つに分かれて構成されている。
【0029】
ポリマーPTC素子13を構成する第1の部位13Aは、それだけでは矩形で板状をなしている。第2の部位13Bは、第1の部位13Aと全く同じ形状をなしている。第3の分割体13Cは、第1、第2の分割体13A,13Bと比較すると明らかに小さく、第1、第2の分割体13A,13B間に架設されるごとく一体に形成されている。
【0030】
端子14は、第1の部位13Aを構成する電極17に通電可能に接合され、端子15は、第2の部位13Bを構成する電極18に通電可能に接合されている。これらは本実施形態の温度保護素子を電気回路中に設置する際の接続端子となる。
【0031】
上記のような構成の温度保護素子が、周辺の環境温度があらかじめ設定された限界温度を超過することを契機として、自らが設置された電気回路の通電状態を解除するべく機能するように、ポリマーPTC素子13を構成する導電性ポリマー16には、各部位13A,13B,13Cごとに、上記第1の実施形態におけるポリマーPTC素子1の各分割体1A,1B,1Cを構成する導電性ポリマー7,9,11にそれぞれ相当する特性が与えられている。すなわち、第1、第2の部位13A,13Bに存在する導電性ポリマー16は熱膨張後の抵抗値が非常に大きく、第3の部位13Cに存在する導電性ポリマー16は、第1、第2の部位13A,13Bのそれと比較して熱膨張後の抵抗値が小さくなるような特性が与えられている(図3参照、第3の部位13Cに存在する導電性ポリマー16が本発明でいうところの小抵抗部となる)。
【0032】
このような特性は、第3の部位13Cに、電極17,18の外側から、導電性ポリマー16を常時圧迫する付勢手段19を設けることにより与えられる。圧迫された導電性ポリマー16は、熱膨張したとしてもその部分だけが膨張しないように押さえ込まれ、カーボンブラック粒子間の導電パスが切られず残って抵抗値の増大が抑制される。この場合の付勢手段19には、第3の部位13Cを取り巻いて内側に圧迫するカシメ環、同じく第3の部位13Cを取り巻いて内側に圧迫するとともに耐火材としての働きをするセラミック糸等が採用される。
【0033】
上記のように構成され、かつポリマーPTC素子13を構成する導電性ポリマー16に上記のような特性を与えられた温度保護素子を、端子14,15間に通電がなされるようにして電気機器の回路に設置し、常温の環境下でこの回路に定格電流を通電すると、電流は端子14から電極17に流れ、電極17全面に広がり、導電性ポリマー16、電極18、端子15の順(もしくはその逆)に流れる。導電性ポリマー16は、常温の環境下では良好な導電性を発揮し、回路の通電状態が確保される。
【0034】
電気機器の過熱等の原因で温度保護素子を含む回路周辺の環境温度が上昇し、あらかじめ設定された限界温度を超えると、導電性ポリマー16は周囲から伝わる熱に影響されて膨張し、内部の導電パスが切られて抵抗値を増大させる。このとき、第1、第2の部位13A,13Bに存在する導電性ポリマー16と、第3の部位13Cに存在する導電性ポリマー16との間で抵抗値に差が生じ、比較的抵抗値の小さい第3の部位13Cの導電性ポリマー16に電流が集中して非常に高い電圧が印可され、この部分の導電性ポリマー16を過熱させる。やがて、過熱した導電性ポリマー16が第2の部位に存在する電極17,18もろとも焼失して第1、第2の部位13A,13B間が離断し、端子14,15間の接続が不可逆的に断たれる。
【0035】
本実施形態の温度保護素子は、上記のように機能して限界温度を超えた電気機器の安全を確保するのであるが、その構造は、2つの電極17,18間に導電性ポリマー16を介在させたポリマーPTC素子13と、第3の部位13Cを圧迫する例えばカシメ環やセラミック糸等の付勢手段19とからなり、バイメタルタイプのブレーカと比較すると部品数が少なく構造も単純なので、製造コストも安価に抑えられる。
【0036】
本実施形態の温度保護素子においても、第3の部位13Cに存在する導電性ポリマー16に、端子14,15間に定格値をはるかに超える過剰な電流が流れたときに熱暴走して焼失する特性を追加して与えてもよい。これによっても、本来の温度保護素子としての機能に加えて過電流保護素子としての機能が付加されるので、汎用性が格段に高まる。
【0037】
ところで、本実施形態では、第3の部位13Cに存在する導電性ポリマー16を付勢手段19によって圧迫したが、例えば図6および図7に示すように、第3の部位13Cの電極17,18を内側に組成変形させて凹み20を形成し、両電極17,18間に存在する導電性ポリマー16を、凹み20,20で挟んで圧迫するように構成してもよい。この場合、部品点数がさらに少なくなるので大きなコスト削減効果が期待できる。
また、第3の部位13Cに圧を加えるのではなく、この部分に存在する導電性ポリマー16への放射線の照射量を第1、第2の部位13A,13Bよりも少なくして、上記第1の実施形態のごとく構成しても構わない。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る請求項1記載の温度保護素子によれば、導電性ポリマーと、該導電性ポリマーを挟んで配設された2つの電極とからなり、、バイメタルタイプのブレーカと比較すると部品数が少なく構造も単純なので、安価な製造コストを実現できる。
【0039】
請求項2記載の温度保護素子によれば、導電性ポリマーへの放射線の照射量をその他の箇所よりも少なくして小抵抗部を形成することにより、小抵抗部が熱膨張を開始する温度や焼失する時期等を的確に設定することができる。
【0040】
請求項3記載の温度保護素子によれば、導電性ポリマーを圧迫して小抵抗部を形成することにより、温度保護素子を製作するにあたって作業が簡略化されるので、製造コストのさらなる削減が可能である。
【0041】
請求項4記載の音素保護素子によれば、小抵抗部を耐火材により被覆することにより、小抵抗部が焼失する際に発する熱の周囲への発散を防ぎ、回路その他の構造物の損傷を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の温度保護素子の第1の実施形態を示す図であって、温度保護素子を平面視した図である。
【図2】 図1におけるII-II線矢視断面図である。
【図3】 (a)はポリマーPTC素子1を構成する第1、第2の分割体1A,1Bにおける環境温度と抵抗値との関係を示すグラフ、(b)は第3の分割体1Cにおける環境温度と抵抗値との関係を示すグラフである。
【図4】 本発明の温度保護素子の第2の実施形態を示す図であって、付勢手段19を備える温度保護素子を平面視した図である。
【図5】 図4におけるV-V線矢視断面図である。
【図6】 上記第2の実施形態の変形例を示す図であって、電極17,18を組成変形させた温度保護素子を平面視した図である。
【図7】 図6におけるVII-VII線矢視断面図である。
【符号の説明】
1 ポリマーPTC素子
1A 第1の分割体
1B 第2の分割体
1C 第3の分割体
2,3 端子
6 セラミックケース
7,9,11 導電性ポリマー
8a,8b,10a,10b,12a,12b 電極

Claims (4)

  1. 導電性ポリマーと、該導電性ポリマーを挟んで配設された2つの電極とを備え、該2つの電極間で前記導電性ポリマーを介して通電した状態を、周辺の環境温度が所定の温度を超過することを契機として切断する温度保護素子であって、
    前記導電性ポリマーに、前記環境温度が前記所定の温度を超過すると熱膨張して抵抗値を変化させる特性が与えられるとともに、熱膨張後の抵抗値がその他の箇所よりも小さく、前記通電による電流が集中することで焼失して前記2つの電極間の接続を断つ小抵抗部が設けられていることを特徴とする温度保護素子。
  2. 前記小抵抗部が、前記導電性ポリマーへの放射線の照射量を前記その他の箇所よりも少なくすることにより形成されていることを特徴とする請求項1記載の温度保護素子。
  3. 前記小抵抗部が、前記導電性ポリマーを圧迫することにより形成されていることを特徴とする請求項1記載の温度保護素子。
  4. 前記小抵抗部が、耐火材により被覆されていることを特徴とする請求項1、2または3記載の温度保護素子。
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JPH07282958A (ja) 面状発熱体

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