JP4890694B2 - ポリマーptcサーミスタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、正の抵抗温度特性すなわちPTC(Positive Temperature Coefficient)特性を有するポリマーPTCサーミスタ、並びに、これを用いたリチウムイオン二次電池等の二次電池および電子レンジ等の電気機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、二次電池の過充電等を防止するために、過電流保護素子として、PTC特性(正の抵抗温度特性)を有するポリマーPTCスイッチ(ポリマーPTCサーミスタ)が用いられている。
二次電池としては、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素二次電池、ニッカド二次電池が挙げられる。以下、リチウムイオン二次電池を一例として説明する。
【0003】
以下、ポリマーPTCスイッチの一例を図9を用いて説明する。
図9は、従来のポリマーPTCスイッチの概略を示し、(a)は側面図、(b)は平面図である。符号101は導電性ポリマー、102a,bは該導電性ポリマー101に接合された電極箔、103a,bは該電極箔に接合された導電性リードである。
【0004】
導電性ポリマー101は、直方体形状とされており、たとえばポリエチレンとカーボンブラックとを混練した後に、放射線によって架橋されたものである。この導電性ポリマー101は、混入されたカーボンブラックによって、電流が流れる多数の導電パスが形成され、室温では良好な導電性を有するものである。しかし、過電流が流れると、導電性ポリマー101はジュール熱による自己発熱を起こして膨張し、混入されたカーボンブラック同士の距離が広がることにより、これらカーボンブラック間の導電パスが切られ、結果的に抵抗値が急激に上昇するようになっている。
このように過電流または過熱によって導電性ポリマーの抵抗値が急激に上昇した状態を、以下、「トリップ状態」という。
【0005】
電極箔102a,bは、35μm程度の厚さを有するニッケルメッキされた銅箔とされ、導電性ポリマー101の相対する両面(図において上下面)のほぼ全体にそれぞれ接合されている。
導電性リード103a,bは、125μm程度の厚さを有するNi製とされており、電極箔102a,bの上下面に対してそれぞれ半田付けによって接合されている。図9(b)に示すように、上方の導電性リード103aは、上方の電極箔102aの一端102cから他端102dにわたって、長手方向に沿うように延在している。
このように一対の導電性リード103a,bは、図において下方の(一の)導電性リード103bが接合されている下方の電極箔102bの面に上方の(他の)導電性リード103aを投影した場合に、上方の導電性リード103aが下方の導電性リード103bに重なり合う状態で電極箔102a,bに接合されている。
【0006】
このように構成されたポリマーPTCスイッチは、次のように作動する。
以下、上記構成のポリマーPTCスイッチがリチウムイオン2次電池の過電流保護素子として取り付けられた場合について説明する。
導電性ポリマー101は室温では低抵抗とされているため、通常の充電時には、過電流が流れず、温度が上昇することはない。
しかし、何らかの原因により過電流が流れた場合には、導電性リード103a,b、電極箔102a,bを介して過電流が導電性ポリマー101に流れ込む。すると、ジュール熱により導電性ポリマー101は発熱し、熱膨張する。導電性ポリマー101が熱膨張すると、電流を流す導電パスとして機能していたカーボンブラック間の距離が広がり、導電パスが切断されることによって抵抗値が急激に増大する。抵抗値が増大すると、自ずと電流が流れなくなる。
【0007】
これを図示すると図10のようになる。
図において、横軸は温度(℃)、縦軸は対数で示した抵抗値(Ω)であり、片対数のグラフとなっている。
図からわかるように、室温〜100℃程度までは抵抗値が徐々に上昇する程度で、0.1Ω以下の低抵抗を保持している。さらに温度が上昇すると、130℃あたりで室温時の抵抗値に対して104〜105倍程度まで抵抗値が急激に上昇し、トリップ状態となる。そしてさらに150℃を超えて温度が上昇すると、抵抗値は徐々に上昇する。このように抵抗−温度特性は、略S字形状の曲線を描く。
このような抵抗温度特性を有するので、導電性ポリマー101に過電流が流れて温度が上昇すると、所定の動作温度で抵抗が急激に上昇する(図における矢印A参照)。
【0008】
ポリマーPTCスイッチに印可される電源が遮断されると、ジュール熱による導電性ポリマー101の熱膨張は止み、導電性ポリマー101は周囲温度によって冷却され、導電性ポリマー101が予め架橋されていることから、熱収縮して初期状態の形状に復帰する。これに伴い、カーボンブラック同士が再び近づき、導電パスが再形成されることにより、抵抗値が初期状態に戻る(図における矢印B参照)。
【0009】
以上説明したようにポリマーPTCスイッチは、導電性ポリマー101のPTC特性を利用することで、過電流が生じたときには電流を遮断し、電源が除去されると電流を再び流すことが可能な状態に戻るというスイッチの機能を有している。これにより、ポリマーPTCスイッチを備えたリチウムイオン二次電池は過充電等から保護されることになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このように、過電流の程度が設計時において予期した範囲であれば、図10に示した抵抗−温度曲線のうち急激に抵抗が立ち上がってトリップ状態となる温度範囲(130〜140℃程度)において、ポリマーPTCスイッチが周囲との間で発熱・放熱を繰り返すので、高抵抗値に保持することが可能である。
しかし、たとえば3.6V対応のリチウムイオン二次電池を、変圧器を介さずに、最大定格電圧を超える電圧(100V)とされた家庭用電源に直接接続するといったような予期しない使用がなされた場合、回路内には設計以上の大電流が流され、これに伴う発熱によって抵抗値が上昇し、ひいてはPTCスイッチに過電圧が印可されることになる。この場合、導電性ポリマー101の発熱が周囲への放熱を上回って、PTCスイッチが熱暴走して、導電性ポリマー101の温度が例えば300℃以上に上昇してしまい(図10の矢印C参照)、最終的には破壊に至ってしまう。
ポリマーPTCスイッチが破壊されたとしても、破壊後に復帰することがないように電気的に絶縁状態とされれば格別問題はない。しかし、破壊後にも導電性リード103a,b同士が直接接触して短絡してしまう場合がある。これでは過電流保護素子としてのポリマーPTCスイッチの機能が果たせない。
【0011】
さらに別の問題点として以下のようなものがある。
PTC特性は過電流保護として用いられるばかりでなく、過熱保護素子として用いることもできる。温度が上昇すれば抵抗値が上昇する特性をもっているからである。
たとえば、電子レンジの制御ボックス内には該ボックス内が高温に曝された場合に電気回路を遮断するためのバイメタルが設けられている。しかし電子レンジのような15Aといった高電流を通常使用時に扱う用途では、バイメタルとはいえ大規模でかつ複雑な構造とならざるを得ない。一方、温度ヒューズでは、このような高電流に対応する適切なものは存在しない。そこで、コンパクトでかつ安価な過熱保護機能を有するデバイスが望まれていた。
【0012】
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、以下の目的を有する。
ポリマーPTCサーミスタが破壊に至っても、確実に電気的に絶縁できるポリマーPTCサーミスタを提供することを目的とする。
また、設計値以上の高電圧により予期せぬ充電が行われ、故障・破壊に至っても、確実に電気的に絶縁できる二次電池を提供することを目的とする。
また、電子レンジ等の通常使用時に高電流が用いられる電気機器に対してコンパクトでかつ安価に用いることができる過熱保護機能を有したポリマーPTCサーミスタを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
本発明は、PTC特性を有する導電性ポリマーと、該導電性ポリマーに接合された電極箔と、該電極箔に接合された一対の導電性リードと、を有するポリマーPTCサーミスタにおいて、前記各導電性リードは、一の導電性リードが接合されている前記電極箔の面に他の導電性リードを投影した場合に前記一の導電性リードが前記投影された他の導電性リードに重なり合わない状態で前記電極箔に接合されているとともに、これら導電性リードの間には、最大定格電圧を超える電圧が印可され破壊されても電気的に絶縁される絶縁部が設けられていることを特徴とする。
【0014】
一の導電性リードが接合されている電極箔の面に他の導電性リードを投影した場合に、一の導電性リードが、投影された他の導電性リードに重なり合わない状態で一対の導電性リードが配置されている、つまり、一対の導電性リードが互いに立体的にずらされた状態で配置されている。したがって、これら導電性リード間に存在する電極箔あるいは導電性ポリマーが過電流あるいは過熱によってトリップ状態となり、ここに過電圧が印可されて破壊・焼失したとしても、これら導電性リード同士が直接重なり合って、短絡することはない。
また、最大定格電圧を超える電圧が印可されPTCスイッチが破壊された後に導電性リードの間に電極箔または導電性ポリマーが残存していると、完全に電気的に絶縁されることなく接続されたままとなり、PTCスイッチに接続された外部機器に悪影響を及ぼしてしまう。そこで本発明は、各導電性リードの間に、最大定格電圧を超える電圧が印可され破壊されても電気的に絶縁される絶縁部を設けることとした。これにより、PTCスイッチが破壊に至った後でも電気的に接続されたままとされることはない。
なお、本発明における最大定格電圧とは、ポリマーPTCサーミスタがトリップ状態の時、導電性ポリマーの両端にかかる電圧の最大値をいう。この値を超えた電圧が加わると、PTCスイッチは破壊される可能性がある。
【0015】
また、本発明の前記絶縁部は、他の部分に先立って破壊するように形成された前記電極箔の一部とされていることを特徴とする。
【0016】
従来の電極箔はどの部分においても電流密度が異ならない形状、即ち一定断面積を有するように形成されている。したがって、最大定格電圧を超える電圧が印可された場合、どの部分から電極箔が破壊されるかが特定できず、絶縁箇所をコントロールできないものとなっていた。
これに対して本発明は、電極箔の一部が他の部分に先立って焼失するようにしたので、この部分において電流が確実に遮断されることになる。
【0017】
また、本発明の絶縁部は、電極箔の断面積を小さくした断面積減少部とされていることを特徴とする。
【0018】
電極箔の断面積を小さくした断面積減少部を設けることとしたので、PTCサーミスタに大電流が流れた場合、この断面積減少部に電極箔のなかで最も大きな電流密度が生じることとなる。これにより該断面積減少部分がもっとも先に破壊されることとなる。
なお、断面積減少部は電極箔中の電流密度が大きくなるように形成されていればよく、例えば電極箔の幅、厚み等を減少させることによって達成することができる。
【0019】
本発明の断面積減少部は、電極箔を部分的に除去することにより形成されていることを特徴とする。
【0020】
電極箔を部分的に除去し、当該部分の電極箔の断面積を減少させることによって断面積減少部を形成する。
例えば、電極箔の幅が減少するように電極箔の両側部から中央部に向けて切り込みが形成されるように(電極箔の中央部のみが残るように)電極箔を部分的に除去することによって、断面積減少部が形成されることになる。
また、電極箔の中央部のみが除去されるようにしても、断面積減少部を形成することができる。
また、これらの方法は適宜組み合わせることができる。例えば、導電性ポリマーの上面及び下面に電極箔が接合されている場合、上面の電極箔は両側部を除去し、下面の電極箔は中央部のみを除去してもよい。
電極箔を部分的に除去する方法としては、エッチングが好適である。
なお、電極箔の厚さとしては、20μmが好適である。
【0021】
本発明の断面積減少部は、薄肉部により形成されていることを特徴とする。
【0022】
電極箔に薄肉部を設けることによって、この部分の電極箔の厚みを薄くして断面積減少部を形成する。薄肉部は、電極箔の幅方向全体にわたって設けても良く、また、幅方向全体に形成せずに部分的に設けても良い。
薄肉とされる程度としては、例えば、厚さ35μmの電極箔であれば、20μm程度が好適である。ただし、この厚さは想定される過電流に対して設定されるものである。
薄肉部を形成する方法としては、エッチング、プレス等があり、特にエッチングが好適である。
【0023】
さらに本発明者は、電流または温度が所定値以上になると電気的に絶縁される絶縁部として、上述した電極箔に着目する場合以外に、以下に述べるように導電性ポリマーに着目する場合をも見出した。
そこで、本発明の絶縁部は、他の部分に先立って焼失するように形成された導電性ポリマーの一部とされていることを特徴とする。
【0024】
このように絶縁部を、他の部分に先立って焼失するように形成された導電性ポリマーの一部としたので、焼失した導電性ポリマー部分には電流が流れないことになる。したがって、先に絶縁される箇所が予め保障されることになり、PTCサーミスタが確実に絶縁されることとなる。
【0025】
本発明の導電性ポリマーの一部は、温度上昇に対する抵抗値の増大率が他の部分に比べて低く設定された低PTC部とされていることを特徴とする。
【0026】
低PTC部は、他の部分に比べて、温度が上昇しても抵抗値が上昇する程度が少ないので、例えばPTCサーミスタに過電流が流れて、トリップ状態となり、過電圧が印可された場合、低PTC部は温度が上昇しても他の部分に比べて抵抗値が上昇しないため、この低PTC部により多くの電流が流れ込み、さらに高温となり、最終的に焼失することになる。
【0027】
本発明の低PTC部は、他の部分よりも低い程度に架橋された部分とされていることを特徴とする。
【0028】
導電性ポリマーは、架橋の程度によって、温度上昇に対する抵抗値の増大率が変化する。したがって、少ない架橋であれば、低いPTC特性を示すことになる。
【0029】
本発明の低PTC部は、他の部分よりも加圧された部分とされていることを特徴とする。
【0030】
過電流あるいは過熱されて導電性ポリマー自身が膨張しようとしても、加圧されることによって膨張が拘束されていると、導電性ポリマー内に分散された導電材料間の距離が離間しないため、抵抗値は増大しない。したがって、このように加圧された部分は低PTC部となる。
【0031】
本発明の低PTC部は、他の部分とは異なる材料で構成されていることを特徴とする。
【0032】
低PTC部は、導電性ポリマーの材料を変更することによっても形成することができる。
例えば、ポリマー内に分散する導電材料の量を変更することによって、あるいは融点が異なるポリマーを採用することによって形成することができる。
【0033】
本発明のポリマーPTCサーミスタは、そのスイッチング機能により回路保護素子として用いることができ、特にリチウムイオン電池等の二次電池に用いて好適である。
【0034】
本発明のポリマーPTCサーミスタを二次電池の過充電保護素子として用いれば、予期しない高電圧電源に接続してしまった場合でも、確実に電流を遮断することができる。
【0035】
本発明のポリマーPTCサーミスタは、温度保護素子として用いることができ、特に電子レンジ等の電気機器に用いて好適である。
【0036】
ポリマーPTCサーミスタは、設計時に作動電流を高く設定しておけば高電流下であっても低抵抗を有する。これに対して、温度ヒューズでは、このような高電流に対応する適切なものは存在しない。その一方で、ポリマーPTCサーミスタは温度が上昇すると抵抗が急激に上昇するという特質も有している。したがって、電子レンジのような例えば15A程度の高電流がながれる回路に本発明のポリマーPTCサーミスタを温度保護素子として設置しておけば、当該回路に異常な高温が生じても、確実に回路を遮断することができる。
【0037】
なお、以上説明した本発明において、電極箔に改良を施すか、或いは導電性ポリマーに改良を施すかは、いずれを採用しても良く、また両者を適宜組み合わせてもよい。
【0038】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態であるPTCスイッチ(ポリマーPTCサーミスタ)を示しており、(a)は側面図、(b)は平面図、(c)は底面図である。
このPTCスイッチは、リチウムイオン二次電池(図示せず。)に取り付けられるものであり、リチウムイオン二次電池が直方体形状とされている場合には、その狭い側面に沿って略一直線上に取り付けられるものである。
【0039】
符号1は導電性ポリマー、2a,2bは該導電性ポリマー1に接合された電極箔、3a,bは該電極箔に接合された導電性リードである。
【0040】
導電性ポリマー1は、直方体形状とされており、たとえばポリエチレンと導電性材料であるカーボンブラックとを混練した後に成形し、放射線によって架橋されたものである。この導電性ポリマー1は、混入されたカーボンブラックによって、電流が流れる多数の導電パスが形成され、室温(約20℃)では良好な導電性を有するものである。しかし、過電流が流れると、導電性ポリマー1はジュール熱による自己発熱を起こして膨張し、混入されたカーボンブラック同士の距離が広がることにより、これらカーボンブラック間の導電パスが切られ、結果的に抵抗値が急激に上昇するようになっている。
【0041】
電極箔2a,2bは、従来用いられていた35μmよりも薄い20μm程度の厚さを有するニッケルメッキされた銅箔とされている。これら電極箔2a,2bは、導電性ポリマー1の幅広とされた上面1aおよび下面1bの全体にわたって、それぞれ相対するように接合されている。
電極箔2a,2bの導電性ポリマー1と接する面には、多数の小突起が形成されたノジュラー面が形成されており、これにより、電極箔2a,2bは導電性ポリマー1に対して強固に接合されている。
【0042】
上方の電極箔2aには、電極箔2aの幅Wを減少させるように、両側から切り込み5,5を入れて電極箔2aを部分的に除去した断面積減少部7が形成されている(図1(b)参照)。このように電極箔2aに切り込み5を入れることによって、電極箔2aを厚さ方向に切断した断面積が減少されることになる。切り込み5は、エッチングによって形成する。
【0043】
下方の電極箔2bには、電極箔2bの縁部11まで到達しないように幅方向に沿って電極箔2bが部分的に除去された矩形の除去部9が形成されている(図1(c)参照)。このように除去部9が形成された後に残された部分が断面積減少部7となる。
なお、下方の電極箔2bに形成された除去部9は、上方の電極箔2aに形成された断面積減少部7に対応した位置に形成されている。より詳細には、上方の電極箔2aに形成された断面積減少部7から下方の電極箔2bをみた場合(図1(b)の紙面に垂直方向にみた場合)、上方の電極箔2aの断面積減少部7が下方の除去部9に重なるようになっている。これにより、たとえ導電性ポリマー1の断面積減少部7に対応した部分が焼失したとしても、この部分において上下の電極箔2a,2bが接触することはない。
【0044】
導電性リード3a,3bは、125μm程度の厚さを有するNi製とされており、上下の電極箔2a,2bに対してそれぞれ半田付けによって接合されている。
【0045】
上方の導電性リード3aは、該導電性リード3aの先端部24aが上方の電極箔2aの長手方向における中央部(断面積減少部7がある位置)を越えないように、図1(b)において左側が接合面となる状態で、上方の電極箔2aの上面に対して接合されている。
下方の導電性リード3bは、該導電性リード3bの先端部24bが下方の電極箔2bの長手方向における中央部(断面積減少部7がある位置)を越えないように、図1(c)において右側が接合面となる状態で、下方の電極箔2bの下面に対して接合されている。
このように一対の導電性リード3a,3bは、図において下方の(一の)導電性リード3bが接合されている電極箔2bの面に上方の(他の)導電性リード3aを投影した場合に、下方の導電性リード3bが上方の導電性リード3aに重なり合わない状態で接合されている。
以上のように一対の導電性リード3a,3bを配置することとしたので、導電性リード3a,3bの先端部24a,24b間には断面積減少部7が形成されることになる。
【0046】
上記構成を有する本発明のPTCスイッチの作用・効果について、以下に説明する。
20℃程度の室温において、PTCスイッチを回路保護素子として用いたリチウムイオン二次電池に3.6V程度の通常使用電圧が印可されている場合、導電性ポリマー1の抵抗値が急上昇しない程度の許容電流が流れ、PTCスイッチを含む電気回路は通常に動作する。
しかし、リチウムイオン二次電池に通常使用では想定されていない最大定格電圧を超える100V程度の高電圧がかかった場合、PTCスイッチは、突然大電流が流れることによってトリップして高抵抗状態となる。この状態で、PTCスイッチの端子間に100Vの電圧が印可されることになり、最終的には導電性ポリマー1は発火し、焼失してしまう。導電性ポリマー1が焼失してしまうと、上下の電極箔2a,2bが接触し、回路が短絡してしまうおそれがある。短絡してしまうと、100Vもの電圧がリチウムイオン二次電池に印可され、二次電池を破壊してしまう。
これに対して本実施形態にかかるPTCスイッチは、断面積減少部7が形成されているので、大電流が流れると、先ず最初にこの部分が破壊される。つまり、電極箔2a,2bの他の部分に比べて断面積減少部7は断面積が小さいので、必然的に電流密度が大きくなる。電流密度が大きいところから電極箔2a,2bは破壊されるので、断面積減少部7が他の部分に先立って確実に破壊され、PTCスイッチはこの部分において電気的に絶縁されることになる。つまり、本実施形態にかかるPTCスイッチの断面積減少部7は、PTCスイッチに所定値以上の大電流が流れると電気的に絶縁される絶縁部となっている。
【0047】
また、本実施形態にかかかるPTCスイッチは、上述したように、導電性リード3a,3bが重ならないような状態で取り付けられているので、導電性ポリマー1や電極箔2a,2bが破壊された場合であっても、導電性リード3a,3b同士が直接接触することはない。したがって、導電性リード3a,3b同士が直接接触して短絡してしまうという不都合を確実に回避することができる。
【0048】
また、上方の電極箔2aの断面積減少部7は、下方の電極箔2bに形成された除去部9に対応した位置に設けられているので、これらの間に位置する導電性ポリマー1が焼失してしまった場合であっても、上下の電極箔2a,2bが直接接触することはない。
【0049】
このように、リチウムイオン二次電池に高電圧が印可されても、本実施形態にかかるPTCスイッチを回路保護素子として用いれば、PTCスイッチが破壊されたとしても決して短絡することなく確実に絶縁することができる。
【0050】
[第2実施形態]
次に、本発明にかかる第2実施形態について、図2を用いて説明する。
図2は本実施形態にかかるPTCスイッチを示したものであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
本実施形態は、第1実施形態に比べて、断面積減少部7を含めた電極箔2a,2bの構成のみが異なる。導電性ポリマー1および導電性リード3a,3bについては第1実施形態と異なるところがない。したがって、断面積減少部7を含めた電極箔2a,2bについて重点的に説明する。
【0051】
電極箔2a,2bは、薄肉部13以外の厚さが従来と同様に35μmとされたニッケルメッキされた銅箔である。
上下の電極箔2a,2bの長手方向における中央部には、幅方向全体にわたって薄肉部13が形成されている。薄肉部13は、他の電極箔2a,2b部分に対して厚さが薄くなるように形成されている。より具体的には、他の電極箔2a,2b部分が35μmの厚さを有するのに対して、薄肉部は20μmとされる。ただし、この数値は電極箔が破壊されるべき電流密度に応じて決定されるものである。この薄肉部はエッチングによって形成する。
このように、電極箔2a,2bの厚さを薄くした薄肉部13によって、断面積減少部7を形成する。
断面積減少部7によって、絶縁が確実に行われる作用・効果については第1実施形態と同様である。
【0052】
なお、本実施形態の薄肉部13は電極箔2a,2bの幅方向全体にわたって形成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、電極箔2a,2bの一部に形成してもよい。
また、第1実施形態の切り込み5や除去部9と、本実施形態の薄肉部13を組み合わせて断面積減少部を形成してもよい。
【0053】
次に、第1および第2実施形態の変形例について、図3および図4を用いて説明する。
図3は、導電性リード3a,3bが重なり合わない状態となるように配置した変形例を示したものであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
図3に示されているように、各導電性リード3a,3bのそれぞれを、電極箔3a,3bの幅方向にずらして配置することで、重なり合わないようにしている。つまり、上方の導電性リード3aは上方の電極箔2aの一端15側に寄せて接合し、下方の導電性リード3bは下方の電極箔2bの他端16側に寄せて接合されている。
このように配置することで、導電性リード3a,3bの先端部が電極箔2a,2bの長手方向における中央部を越えた状態であっても、導電性リード3a,3bを取り付けることができる。
【0054】
上方の電極箔2aには、上方の導電性リード3aを取り囲むように階段形の薄肉部18が形成されている。つまり、薄肉部18は、電極箔2aの一端15から電極箔3aの幅方向中央へと向かう第1薄肉部18aと、該第1薄肉部に接続し、電極箔3aの長手方向に延在する第2薄肉部18bと、該第2薄肉部に接続し、電極箔2aの他端16へと幅方向に沿って延在する第3薄肉部18cとから構成されている。
また、下方の電極箔2bにも、薄肉部18に対応した位置に同様の形状の薄肉部が形成されている。
このように、導電性リード3a,3b間を分離するように薄肉部18による断面積減少部7が形成されている。
【0055】
図4には次の変形例が示されており、(a)は側面図、(b)は平面図である。
この変形例は、第1実施形態に比べて、断面積減少部7が異なる。
つまり、電極箔2a,2bには複数の孔20が形成されている。孔20は、電極箔2a,2bの幅方向に形成されている。下方の電極箔2bにも複数の孔20が形成されている。
このように孔20を形成することによって、断面積減少部7を形成することもできる。
【0056】
[第3実施形態]
次に、本発明にかかる第3実施形態について図5を用いて説明する。
本実施形態におけるPTCスイッチは、高電流が通常において使用される電子レンジ(電気機器)の電気回路に使用される温度保護素子として用いられる。
図5に示されたPTCスイッチは、導電性リード3a,3bについては第1および第2実施形態と異なるところがない。
電極箔2については、断面積減少部7が設けられておらず、従来の電極箔103a,bと同様である。
【0057】
本実施形態における導電性ポリマー1は、製造の際に架橋の程度を異ならせた点で、上述の各実施形態と異なる。
つまり、導電性ポリマー1の中央部1bは、導電性ポリマー1の側部1aよりも低いレベルの放射線によって架橋されている。
【0058】
導電性ポリマー1にかける放射線架橋の程度によって、温度上昇に対する抵抗値の増大率を異ならせることができる。これを図6を参照して説明する。たとえば、導電性ポリマー1に放射線をなにもかけなかった場合、図6の曲線L1に示すように、抵抗は僅かに増大するが、急激な抵抗値の変化は望めない。
これに対して、例えば10Mrad程度の放射線をかけた場合、L3に示すように、5桁程度の抵抗値の増大を得ることができる。
また、上記放射線量よりも少ない放射線をかけた場合には、L1とL3との間に位置する抵抗温度特性L2が得られる。
このように放射線架橋の程度を異ならせることによって、正の抵抗温度特性を調節することができる。
【0059】
本実施形態における導電性ポリマー1の側部1aは、5桁程度の抵抗値の増大が得られるように放射線架橋が施されている。すなわち、図6の図L3に示すPTC特性を示す。これに対して導電性ポリマー1の中央部1bは、側部1aよりも放射線架橋の程度を低くしており、図6のL2に示すPTC特性を示すことになる。つまり、導電性ポリマー1の中央部1bはPTC特性が側部1aに比べて低く設定されており、低PTC部となっている。
【0060】
上記構成の作用・効果について以下に説明する。
電子レンジが通常に使用されている場合は、PTCスイッチは低抵抗を維持しており、該PTCスイッチを通して15A程度の高電流が流される。
何らかの故障が原因でPTCスイッチが設けられた電気回路部分が例えば80℃程度の高温に曝された場合には、本実施形態にかかるPTCスイッチは次のように動作する。
導電性ポリマー1の側部1aの抵抗値は急激に上昇する。
これに対して導電性ポリマーの中央部1bは低PTC部とされているため、抵抗値が側部1aに比べて上昇しない。すると、電流は低抵抗となっている中央部1bに集中的に流れ込み、さらに中央部1bが発熱することになり、導電性ポリマー1の融点を遙かに超えて発火点にまで達し、最終的に焼失する。
このように導電性ポリマー1の中央部1bが先ず焼失することによって、PTCスイッチは絶縁される。このように、本実施形態によるPTCスイッチによれば、高電流が流れる電子レンジの電気回路において温度保護素子として用いることができる。
【0061】
なお、導電性ポリマー1が高温になると、上述のように中央部1bに電流が集中的に流れるようになることから、中央部1bに接合された電極箔2a,2b部分にも電流が集中的に流れることになり、電極箔2a,2bの当該部分も破壊されることになる。
この電極箔2a,2bの破壊をより確実なものにするために、第1実施形態および第2実施形態の電極箔を組み合わせてもよい。
【0062】
また、本実施形態の変形例として、図7に示すように、導電性ポリマー1の材質を変えてもよい。つまり、導電性ポリマー1の中央部1bが側部1aに比べて低PTC部となるように材質を変更する。より具体的には、中央部1bのポリマーとして融点の低いものを用いるとか、カーボンブラックの存在比を増やすといった手法を用いる。
【0063】
[第4実施形態]
以下に、本発明にかかる第4実施形態について図8を用いて説明する。
本実施形態は、第3実施形態に比べて、低PTC部を達成する手法が異なる。
導電性ポリマー1は、第1および第2実施形態と同様に、全体にわたって同様の正の抵抗温度特性を有するものである。
電極箔2a,2bおよび導電性リード3a,3bは第3実施形態と同様である。
【0064】
本実施形態は、導電性リード3a,3bの先端部間にバンド22を設けている点が特徴となっている。
このバンド22は導電性ポリマー1および電極箔2a,2bを縛るような形で巻回されている。このバンド22は、導電性ポリマー1に対して部分的に加圧力を与えている。バンド22の材質としては、ゴム等の絶縁物が用いられる。
【0065】
バンド22によって加圧された導電性ポリマー1部分は、以下に説明するように、低PTC部となる。なぜなら、バンド22によって導電性ポリマー1が加圧されていると、PTCスイッチの周囲温度が上昇して熱膨張しようとしても、バンド22によって拘束されているため膨張しないからである。導電性ポリマー1が膨張しなければ、導電性ポリマー1内に分散されたカーボンブラック同士の間隔は離れないので、導電パスが切断されることはない。したがって、バンド22によって加圧されている部分は温度が上昇しても抵抗値がそれほど上昇しないのである。
このように導電性ポリマー1の熱膨張を部分的に拘束するバンド22によって、図6のL2で示したような正の抵抗温度特性を有する低PTC部が形成されることになる。
本実施形態によれば、バンド22を取り付けることによって、低PTC部を得ることができるので、簡便かつ安価に製造することができる。
【0066】
なお、上述した各実施形態における電極箔2a,2bとして、ニッケルメッキされた銅箔を用いて説明したが、これに限定されるものではなく、例えばニッケル箔としてもよい。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のポリマーPTCサーミスタによれば、以下の効果を得ることができる。
導電性リードの間に、最大定格電圧を超える電圧が印可され破壊されても電気的に絶縁される絶縁部を設けることにしたので、ポリマーPTCサーミスタが破壊された場合であっても短絡することはない。
また、一の導電性リードが接合されている電極箔の面に他の導電性リードを投影した場合に該一の導電性リードが該投影された他の導電性リードに重なり合わない状態で電極箔に接合することとしたので、導電性ポリマーおよび電極箔が焼失してしまっても、導電性リード同士が直接接触して短絡することはない。
【0068】
電極箔の一部が他の部分に先立って破壊するようにしたので、予め絶縁する部分を選定することができ、予期しない部分が破壊することによって予期しない短絡を招くという事態を回避することができる。
【0069】
電極箔の断面積を小さくした断面積減少部によって絶縁部を形成することにしたので、破壊すべき電流密度に応じて電極箔の断面積を決定すればよく、絶縁部を簡易に設定することができる。
【0070】
導電性ポリマーの一部を、他の部分に先立って焼失させることによって絶縁部を形成することとしたので、予め絶縁する部分を選定することができ、予期しない部分が破壊することによって予期しない短絡を招くという事態を回避することができる。
【0071】
導電性ポリマーの一部を、温度上昇に対する抵抗値の増大率が他の部分に比べて低く設定された低PTC部としたので、ポリマーPTCサーミスタの温度が上昇した場合に、この低PTC部が選択的に焼失することになり、確実に絶縁することができる。
【0072】
本発明にかかるポリマーPTCサーミスタを回路保護素子として二次電池に用いることとしたので、設計時に想定していない過充電等があっても、二次電池本体に影響を与えることなく確実に絶縁することができる。
【0073】
本発明にかかるポリマーPTCサーミスタを温度保護素子として電気機器に用いることとしたので、例えば15A程度の高電流が常時使用される環境下でも安価で確実に絶縁できる電気機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態として示したPTCスイッチであり、(a)は側面図、(b)は平面図、(c)は底面図である。
【図2】 本発明の第2実施形態として示したPTCスイッチであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図3】 本発明の変形例として示したPTCスイッチであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図4】 本発明の変形例として示したPTCスイッチであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図5】 本発明の第3実施形態として示したPTCスイッチの側面図である。
【図6】 第3実施形態の導電性ポリマーの正の抵抗温度特性を示した図である。
【図7】 第3実施形態の変形例として示したPTCスイッチの側面図である。
【図8】 本発明の第4実施形態として示したPTCスイッチであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図9】 従来のPTCスイッチを示し、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図10】 PTCスイッチの正の抵抗温度特性を示した図である。
【符号の説明】
1 導電性ポリマー
1b 低PTC部
2a,2b 電極箔
3a,3b 導電性リード
7 断面積減少部
13 薄肉部
Claims (8)
- PTC特性を有する導電性ポリマーと、
該導電性ポリマーに接合された一対の電極箔と、
該電極箔に接合された一対の導電性リードと、
を有するポリマーPTCサーミスタにおいて、
前記各導電性リードは、一の導電性リードが接合されている前記電極箔の面に他の導電性リードを投影した場合に前記一の導電性リードが前記投影された他の導電性リードに重なり合わない状態で前記電極箔に接合されているとともに、
これら導電性リードの間には、最大定格電圧を超える電圧が印可され破壊されても電気的に絶縁される絶縁部が設けられており、
前記絶縁部は、他の部分に先立って破壊するように形成された前記電極箔の一部であり、
前記電極箔の一方は、前記電極箔の幅方向の両縁部から切り込みを入れることにより前記電極箔の一部が除去された断面積減少部を備え、
前記電極箔の他方は、前記電極箔の幅方向に前記電極箔の一部を除去することにより形成され、かつ前記電極箔の両縁に到達しない除去部を備え、
前記断面積減少部が、前記除去部とが重なっていることを特徴とするポリマーPTCサーミスタ。 - PTC特性を有する導電性ポリマーと、
該導電性ポリマーに接合された電極箔と、
該電極箔に接合された一対の導電性リードと、
を有するポリマーPTCサーミスタにおいて、
前記各導電性リードは、一の導電性リードが接合されている前記電極箔の面に他の導電性リードを投影した場合に前記一の導電性リードが前記投影された他の導電性リードに重なり合わない状態で前記電極箔に接合されているとともに、
これら導電性リードの間には、最大定格電圧を超える電圧が印可され破壊されても電気的に絶縁される絶縁部が設けられており、
前記絶縁部は、他の部分に先立って焼失するように形成された前記導電性ポリマーの一部とされていることを特徴とするポリマーPTCサーミスタ。 - 前記導電性ポリマーの一部は、温度上昇に対する抵抗値の増大率が他の部分に比べて低く設定された低PTC部とされていることを特徴とする請求項2記載のポリマーPTCサーミスタ。
- 前記低PTC部は、他の部分よりも低い程度に架橋された部分とされていることを特徴とする請求項3記載のポリマーPTCサーミスタ。
- 前記低PTC部は、他の部分よりも加圧された部分とされていることを特徴とする請求項3記載のポリマーPTCサーミスタ。
- 前記低PTC部は、他の部分とは異なる材料で構成されていることを特徴とする請求項3記載のポリマーPTCサーミスタ。
- 請求項1〜請求項6のいずれかに記載されたポリマーPTCサーミスタを回路保護素子として用いたことを特徴とする二次電池。
- 請求項1〜請求項6のいずれかに記載されたポリマーPTCサーミスタを温度保護素子として用いたことを特徴とする電気機器。
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