JP4463940B2 - 薄膜多層回路基板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は薄膜多層回路基板に関するものであり、特に、厚膜支持基板上に設ける配線層の密着性を改善するためのバリアメタル層の構成に特徴のある薄膜多層回路基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年のコンピュータの高速化、半導体装置の大容量化・高集積化に伴い、その実装方法も大きく変化しており、高密度実装、微細配線、多層化などが主流となり、小さなスペーサで多層の配線が形成されるようになっている。
【0003】
この様な要請に応えるため、高密度な配線を提供することが可能な薄膜多層回路基板、所謂MCM(Multi Chip Module)基板が実用化され、コンピュータ等の電子機器に適用されているが、信号の高速伝播のためには低誘電率の樹脂を絶縁材料として用いることが必要になる。
【0004】
例えば、このMCM基板においては、通常、誘電体としてはスピンコートにより厚膜ベース層上に非常に薄い誘電体層の形成が可能な感光性樹脂が使用され、また、信号パターンもスパッタリング法と高感度レジストを使用したエッチングによって形成しているので、通常のプリント配線基板とは比較にならない高密度パターンが実現可能になっている。
【0005】
これらの薄膜多層回路基板において、電子部品を実装する場合に必要なI/Oピンを薄膜側に設ける場合と、厚膜の裏面側に形成する場合がある。
薄膜側に形成する場合には、基板の周囲にI/Oピンを配置する場合が多いが、厚膜側にビアが不要になるという利点がある反面、I/Oピンの専有する実装面積やI/Oピンまで引き回す配線の影響で、高密度実装を行うには不利な方法となってきた。
【0006】
そこで、厚膜の裏面側にI/Oピンを形成することによって多端子実装が可能となり、電気的にも配線長を短くすることができるので性能面で非常に有利となるが、この様なビアを有する厚膜基板は、最もポピュラーなプリント板から、多層セラミック回路基板、アレイパッケージングであるPGA、BGA、さらには、LSIと同程度の大きさであるCSP等、多種多様の基板が存在する。
【0007】
例えば、MCM−C/D(Co−fire:同時焼成,Deposite:堆積プロセス)と呼ばれるMCMは、セラミック基板、若しくは、内部に厚膜回路が形成されたセラミック基板上に薄膜回路をDeposite(堆積プロセス)、即ち、樹脂層の形成、ビアホールの加工、スパッタ,蒸着,メッキ等による導体の成膜及びパターニングからなる一連の工程繰り返すドライ及びウエットプロセスで多層に形成したものである。
【0008】
この場合、LSI等の機能部品は、MCM基板の表面層に形成された部品搭載用パッドに半田によって接続されることになり、特に、LSIの場合には、端子上に半田バンプを形成し、MCM基板上にフェイスダウンで搭載するC4接続(Controlled Collapsed Chip Connection)が行われている。
【0009】
ここで、図4を参照して、従来のMCM−C/Dを説明する。
図4(a)参照
図4(a)は、従来のMCM−C/Dの概略的構成図であり、MCM−C/Dは、同時焼成で形成される多層回路基板C部31とその後の真空プロセスによって形成される薄膜多層回路基板D部32とから構成され、多層回路基板C部31の一方の面には入出力ピン33が設けられ、外部との信号のやり取りと電源の供給を行う。
【0010】
一方、薄膜多層回路基板D部32上には、LSIチップ34がフリップ方式でPb−Sn等からなる半田バンプ35により実装され、LSIチップ34の裏面側には冷却フィン36を実装することによってLSIで発生した熱を直接冷却する構成となっている。
【0011】
図4(b)参照
図4(b)は、図4(a)における点線の円内を拡大した概略的断面図であり、多層回路基板C部31においては、セラミック基板37の内部には表裏貫通するタングステン(W)からなるWビア38がセラミック焼成時に同時形成されてセラミック基板37に埋設された構造となっており、埋設されたWビア38の一方の面にはW−Niメッキ、或いは、Cr−Cu−Ni−Au等からなる接続用パッド39を設け、半田40によって、例えば、コバールからなる入出力ピン33が接続されている。
【0012】
一方、他方の面には、Wビア38に接続する接続導体41が形成され、その上に、ポリイミド層44及びCu配線層42を堆積プロセスによって順次積層させた薄膜多層回路基板D部32を設ける。
なお、層準の異なるCu配線層42の間はCuビア43によって接続されており、図において、中央のCuビア43の接続構造は、実際には投影的に異なった位置における接続状態を便宜的に中央部に集中させた状態で図示している。
【0013】
そして、最上部のCuビア43に接続するように部品搭載用のパッド45がメッキ工程等によって形成されており、このパッド45にLSIチップ34に設けた半田バンプ35を溶融させて接続することによってLSIチップ34が実装された状態となる。
【0014】
この様な薄膜多層回路基板において、薄膜多層配線層を形成するために、ビアを有する厚膜基板を用いた場合には、表面の平坦性、平滑性や、厚膜と薄膜の界面に高い信頼性を有することが大変重要となり、実際にも、多くの場合、この様な点が問題となる。
【0015】
例えば、厚膜基板の表面に接続導体を同時焼成(Co−fire)で形成するために、導電性ペーストを塗布して形成した場合には、膜厚が数10〜100μm程度の厚膜導体となるため、この上に、薄膜配線層を積層させると段差が大きくなりすぎ、薄膜多層配線に凹凸が生ずるため微細パターンの形成が困難になる。
【0016】
この様な焼成による接続導体の形成方法の問題を改善するために、Wビア38に直接NiメッキとCuメッキを施す方法も知られているので、図5(a)参照して説明する。
図5(a)参照
図5(a)は、Wビア38の近傍における拡大図であり、Wビア38の露出表面上に電解メッキ法を用いて直接Niメッキ層46及びCuメッキ層47を設けたものであり、これによって、焼成法より接続導体41の厚さを薄く形成することができる。
【0017】
しかし、多層回路基板C部31のように、同時焼成(Co−fire)の基板では、焼成時の収縮が非等方的であるため、収縮率の微妙な差によってWビアの位置が設計値よりずれてしまい、回路パターンが微細化するにつれて、その後の薄膜多層配線を設計値を基にしてフォトエッチング工程で形成することができなくなってしまうという問題がある。
【0018】
そこで、厚膜基板には、薄膜接続導体による位置矯正パターンによって、厚膜導体とのコンタクトを行うことが必要になる。
この場合、厚膜側と薄膜の密着性を確保しなければならないが、Cu等の薄膜多層配線に必要な低抵抗金属が、必ずしも厚膜ベース層や厚膜導体と密着するとは限らないため、厚膜側と薄膜配線との密着性を改善するための密着性改善層が必要になる。
【0019】
このため、厚膜側との密着性を担う薄膜導電層と、薄膜多層配線に必要な薄膜導電層とを併せ持つ金属多層膜にする必要があり、さらに、これらの多層膜相互の密着性を確保しつつ相互の反応や拡散を抑制した層構成にする必要がある。
【0020】
しかし、いずれにしても、接続導体41として厚膜導体を用いた場合には、厚膜導体に起因した凹凸が問題になるので、接続導体自体を薄膜によって形成することが行われており、回路の構成にもよるが、直接セラミック基板37に形成する接続導体41として低抵抗のCuが用いられている。
【0021】
このセラミック基板37としては、通常、LSIチップ34を構成するシリコンの熱膨張率とマッチングし、放熱性の良好なAlNセラミック基板が用いられているが、CuはAlNセラミック基板との密着性に乏しいため、密着性改善層として窒化物に対する密着性の良好なTi層を設ける必要があるが、Ti層を設けた場合には、その後の絶縁層形成時の熱処理工程で、TiとCuが拡散層や化合物層を生成し、さらに、熱処理雰囲気によっては拡散層中にTi酸化物まで形成してしまい、熱的には信頼性の低いものとなる。
【0022】
したがって、TiとCuとの相互拡散を防止するために、Ti層とCu層との界面に拡散防止層を設ける必要があり、この様な拡散防止層としては、TiとCuとの密着性に優れ、且つ、Ti及びCuと化合物を形成しない金属が理想となる。
【0023】
この様な拡散防止層としては、WやMo等の高融点金属が挙げられるので、この様な高融点金属をバリア層として用いた薄膜接続導体を図5(b)を参照して説明する。
図5(b)参照
図5(b)は、Wビア38の近傍における拡大図であり、スパッタリング法によってTi層48、Wバリア層49、及び、Cu層50を順次成膜したのち、パターニングすることによって接続導体41を形成したものであり、この層構成によって、接続導体41の薄膜化が可能になるともに、熱的安定性が高まるので相互拡散による信頼性の低下が改善され、微細パターンを有する薄膜多層回路基板D部32の形成が可能になる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、バリア層となるWやMoはCuと反応しないため、Cu層50とWバリア層49との密着を図るのが困難であり、信頼性に問題がある。
【0025】
したがって、本発明は、密着性改善層と導体金属層との間に設けるバリア層と、導体金属層との密着性を改善することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
ここで、図1を参照して本発明における課題を解決するための手段を説明する。
なお、図1は、本発明の原理的構成を示す厚膜埋込導体の近傍の概略的断面図である。
図1参照
(1)本発明は、薄膜多層回路基板において、支持基板1を構成する厚膜ベース層2と厚膜埋込導体3とに接続するように、密着性改善層4と導体金属層6とを設けるとともに、密着性改善層4と導体金属層6との間に、密着性改善層4側から高融点金属から導体金属層6を構成する導体金属へと組成が連続的或いはステップ状のいずれかで変化する傾斜組成層5を挿入したことを特徴とする。
【0027】
この様に、密着性改善層4側から高融点金属から導体金属層6を構成する導体金属へと組成が変化する傾斜組成層5を挿入することによって、導体金属との密着性を大幅に改善することができるとともに、密着性改善層4と導体金属層6との間の相互拡散を防止することができ、それによって、熱的安定性の優れた薄膜接続導体を形成することができる。
なお、この場合の傾斜組成層5は、組成が連続的に変化するようにしても良いし、ステップ状に変化するようにしても良く、多元スパッタ装置を用いて形成することができる。
【0028】
(2)また、本発明は、上記(1)において、傾斜組成層5が、高融点金属及び導体金属の双方のマトリックスを構成する組成比であることを特徴とする。
【0029】
この様に、傾斜組成層5の組成比は、高融点金属及び導体金属の双方のマトリックスを構成する組成比、即ち、界面を構成しない組成比であることが必要である。
【0030】
(3)また、本発明は、上記(1)または(2)において、導体金属がCuまたはCuを主成分とするCu系導体のいずれかからなるとともに、高融点金属が、W,Mo,Cr,Ta,Co,Nb,Rh,Ru,Re,Ir,Osのいずれかからなることを特徴とする。
【0031】
この様に、導体金属としては低抵抗なCu或いはCuを主成分とするCu系導体のいずれかが好適であり、また、高融点金属としては、Cuと合金を構成しないW,Mo,Cr,Ta,Co,Nb,Rh,Ru,Re,Ir,Osのいずれかが好適である。
なお、密着性改善層4としては、厚膜ベース層2は一般には窒化物セラミックスで構成されるので、窒化物に対する密着性の良好なTiが望ましい。
【0032】
【発明の実施の形態】
ここで、図2を参照して本発明の第1の実施の形態の薄膜多層回路基板を説明するが、図2は、薄膜多層回路基板を構成する多層回路基板C部のWビア近傍の概略的断面図であり、図においては、理解しやすくするために、膜厚方向の尺度を強調して図示している。
図2参照
まず、多層薄膜回路基板C部11の表面をTiターゲット、Wターゲット、及び、Cuターゲットをセットした多元同時スパッタ装置を用いてArエッチングを行ったのち、多層薄膜回路基板C部11を構成するAlNセラミック基板12及びAlNセラミック基板12に埋め込まれたWビア13に接続するように、厚さが、例えば、100nmのTi密着性改善層14、及び、厚さが、例えば、100nmのW層15を順次堆積させる。
【0033】
引き続いて、WターゲットとCuターゲットとを同時放電させることによって傾斜組成層16を形成する。
この場合、Wターゲットへの投入電力を4kW、2kW、1kWと順次変化させるのに同期させてCuターゲットへの投入電力を1kW、2kW、4kWと順次変化させることによって、厚さが、例えば、100nmの原子数比でW:Cu≒70:30のWリッチW−Cu複合層17、厚さが、例えば、100nmの原子数比でW:Cu≒50:50のW−Cu複合層18、及び、厚さが、例えば、100nmの原子数比でW:Cu≒30:70のCuリッチW−Cu複合層19のおおよそ3層構造の傾斜組成層16が形成される。
【0034】
引き続いて、Cuターゲットを単独で放電させることによって、厚さが、例えば、500nmのCu層20を堆積させたのち、所定形状にパターニングすることによって、薄膜接続導体が形成される。
【0035】
この場合、後の薄膜多層配線を形成する際の熱処理工程に対する熱的安定性を確認するために、真空中における500℃でのアニールとN2 ガス雰囲気中における500℃でのアニールの二通りのアニール処理を行ったのち、基板の断面を観察したところ、いずれの場合もCu薄膜の結晶粒は再結晶化によって結晶粒の成長が見られたが、高融点金属であるW組織には顕著な変化は見られず、熱的安定性が確認された。
【0036】
以降は、従来と同様に、ポリイミドからなる絶縁膜、Cr密着性改善層及びCu層からなる配線層を交互に積層させて薄膜多層回路基板D部を形成することによって薄膜多層回路基板の基本構成が完成する。
【0037】
この様に、本発明の第1の実施の形態においてはTi密着性改善層14とCu層20との間に、熱的安定性を改善するためのWを用いたバリア層を形成する際に、組成がWからCuへステップ状に変化する傾斜組成層16を設けているので、バリア層とCu層20との密着性を改善することができ、それによって、信頼性を向上することができる。
なお、W層15を含めて傾斜組成層として考えても良い。
【0038】
即ち、WリッチW−Cu複合層17においてはWがマトリックス、即ち、ネットワークを形成し、W−Cu複合層18においてはWとCuの双方が個別にマトリックスを構成し、また、CuリッチW−Cu複合層19においてはCuがマトリックスを構成するので、各層間の明確な界面が形成されず、密着性が高まることになる。
【0039】
次に、図3を参照して、本発明の第2の実施の形態の薄膜多層回路基板を説明するが、図3は、薄膜多層回路基板を構成する多層回路基板C部のWビア近傍の概略的断面図であり、この場合も理解しやすくするために、図において膜厚方向の尺度を強調して図示している。
図3参照
まず、多層薄膜回路基板C部11の表面をTiターゲット、Moターゲット、及び、CuターゲットをセットしたDCスパッタ装置を用いてArエッチングを行ったのち、多層薄膜回路基板C部11を構成するAlNセラミック基板12及びAlNセラミック基板12に埋め込まれたWビア13に接続するように、厚さが、例えば、100nmのTi密着性改善層14、及び、厚さが、例えば、100nmのMo層21を順次堆積させる。
【0040】
引き続いて、MoターゲットとCuターゲットとを交互に放電させることによって傾斜組成層22を形成する。
この場合、Moターゲットへの電力の投入時間、Cuターゲットへの電力の投入時間を相反するようにステップ的に変化させることによって、例えば、90nmのMo層231 /10nmのCu層241 、30nmのMo層232 /10nmのCu層242 、20nmのMo層233 /10nmのCu層243 、20nmのMo層234 /10nmのCu層244 、10nmのMo層235 /10nmのCu層245 、10nmのMo層236 /10nmのCu層246 、10nmのMo層237 /10nmのCu層247 、10nmのMo層238 /10nmのCu層248 、10nmのMo層239 /10nmのCu層249 、10nmのMo層2310/20nmのCu層2410、10nmのMo層2311/20nmのCu層2411、10nmのMo層2312/30nmのCu層2412、及び、10nmのMo層2312/90nmのCu層2412の26層を形成する。
【0041】
この様に、成膜過程で26層で構成したMoとCuとの複合層からなる傾斜組成層22は、Mo層21側ではMoリッチの組成となっており、一方、Cu層20側ではCuリッチの組成のステップ状の傾斜組成層22となっている。
【0042】
引き続いて、Cuターゲットを単独で放電させることによって、厚さが、例えば、500nmのCu層20を堆積させたのち、所定形状にパターニングすることによって、薄膜接続導体が形成される。
【0043】
この場合も、後の薄膜多層配線を形成する際の熱処理工程に対する熱的安定性を確認するために、真空中における500℃でのアニールとN2 ガス雰囲気中における500℃でのアニールの二通りのアニール処理を行ったのち、基板の断面を観察したところ、いずれの場合もCu薄膜の結晶粒は再結晶化によって結晶粒の成長が見られたが、高融点金属であるMo組織には顕著な変化は見られず、熱的安定性が確認された。
【0044】
以降は、上記の第1の実施の形態と同様に、ポリイミドからなる絶縁膜、Cr密着性改善層及びCu層からなる配線層を交互に積層させて薄膜多層回路基板D部を形成することによって薄膜多層回路基板の基本構成が完成する。
【0045】
この様に、本発明の第2の実施の形態においてはTi密着性改善層14とCu層20との間に、熱的安定性を改善するためのMoを用いたバリア層を形成する際に、組成がMoからCuへステップ状に変化する傾斜組成層21を設けているので、バリア層とCu層20との密着性を改善することができ、それによって、信頼性を向上することができる。
なお、Mo層21を含めて傾斜組成層として考えても良い。
【0046】
即ち、MoリッチMo−Cu複合層側においてはMoがマトリックスを形成し、Mo−Cu均等複合層においてはMoとCuの双方が個別にマトリックスを構成し、また、CuリッチMo−Cu複合層側においてはCuがマトリックスを構成するので、各層間の明確な界面が形成されず、密着性が高まることになる。
【0047】
以上、本発明の各実施の形態を説明してきたが、本発明は各実施の形態に記載した構成及び条件に限られるものではなく、各種の変更が可能である。
例えば、本発明の各実施の形態においては、傾斜組成層を含むバリア層を形成する高融点金属としてW或いはMoを用いているが、W或いはMoに限られるものではなく、W及びMoと同様に、Tiとの密着性が良好で、且つ、Ti及びCuと反応しない高融点金属である、Cr,Ta,Co,Nb,Rh,Ru,Re,Ir,Osのいずれかを用いても良いものである。
【0048】
また、上記の各実施の形態においては、配線層の主体を構成する導体金属層としてCuを用いているが、純粋なCuに限られるものではなく、Cuを主成分とするCu系導電体を用いても良いものである。
【0049】
また、上記の第1の実施の形態においては、Wを構成元素とする傾斜組成層を同時スパッタリング法を用いてステップ状に組成が変化する層として形成しているが、各ターゲットに対する投入電力を連続的に変化させることによって連続的に組成が変化する傾斜組成層としても良いものであり、さらには、上記の第2の実施の形態と同様に、DCスパッタリング法を用いて超格子的な構造によって傾斜組成層を形成しても良いものである。
【0050】
また、上記の第2の実施の形態においては、Moを構成元素とする傾斜組成層をDCスパッタリング法を用いて超格子的な構造によってステップ状に組成が変化する層として形成しているが、上記の第2の実施の形態と同様に、同時スパッタリング法を用いてステップ状に組成が変化する層として形成しても良く、さらには、各ターゲットに対する投入電力を連続的に変化させることによって連続的に組成が変化する傾斜組成層としても良いものである。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、多層回路基板C部のWビアに接続する薄膜接続導体を形成する際に、相互拡散を防止するバリア層を傾斜組成層として設けているので、導体金属層とバリア層の密着性を大幅に改善することができ、それによって、熱的安定性に優れ且つ密着性の優れた薄膜接続導体を構成することができるので、繰り返し熱処理及び高温保持によって劣化せず信頼性の高い薄膜多層回路基板D部を有する薄膜多層回路基板を実現することができ、ひいては、電子部品の高密度実装化に寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の薄膜接続導体の説明図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の薄膜接続導体の説明図である。
【図4】従来のMCM−C/Dの概略的構成図である。
【図5】従来の薄膜多層回路基板における接続導体の説明図
【符号の説明】
1 支持基板
2 厚膜ベース層
3 厚膜埋込導体
4 密着性改善層
5 傾斜組成層
6 導体金属層
11 多層回路基板C部
12 AlNセラミック基板
13 Wビア
14 Ti密着性改善層
15 W層
16 傾斜組成層
17 WリッチW−Cu複合層
18 W−Cu複合層
19 CuリッチW−Cu複合層
20 Cu層
21 Mo層
22 傾斜組成層
231 〜2313:Mo層
241 〜2413:Cu層
31 多層回路基板C部
32 薄膜多層回路基板D部
33 入出力ピン
34 LSIチップ
35 半田バンプ
36 冷却フィン
37 セラミック基板
38 Wビア
39 接続用パッド
40 半田
41 接続導体
42 Cu配線層
43 Cuビア
44 ポリイミド層
45 パッド
46 Niメッキ層
47 Cuメッキ層
48 Ti層
49 Wバリア層
50 Cu層

Claims (3)

  1. 支持基板を構成する厚膜ベース層と厚膜埋込導体とに接続するように、密着性改善層と導体金属層とを設けるとともに、前記密着性改善層と前記導体金属層との間に、前記密着性改善層側から高融点金属から前記導体金属層を構成する導体金属へと組成が連続的或いはステップ状のいずれかで変化する傾斜組成層を挿入したことを特徴とする薄膜多層回路基板。
  2. 上記傾斜組成層が、上記高融点金属及び上記導体金属の双方のマトリックスを構成する組成比であることを特徴とする請求項1記載の薄膜多層回路基板。
  3. 上記導体金属がCuまたはCuを主成分とするCu系導体のいずれかからなるとともに、上記高融点金属が、W,Mo,Cr,Ta,Co,Nb,Rh,Ru,Re,Ir,Osのいずれかからなることを特徴とする請求項1または2に記載の薄膜多層回路基板。
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