JP4463544B2 - 非接触リーダライタ - Google Patents

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Description

本発明は、情報記録媒体に記録された情報の読み出し処理、あるいは情報記録媒体への情報の書き込み処理を非接触で行う非接触リーダライタに関するものである。
一般に、非接触ICカードなどの情報記録媒体に記録された情報の読み出し処理、あるいは情報記録媒体への情報の書き込み処理を非接触で行う非接触リーダライタが知られている。
従来、非接触リーダライタとしては、情報記録媒体を置く載置部にアンテナを設けたものがある。この載置部には、情報記録媒体を載置部内に挿入するための開口部分を開閉可能にしたシャッタが設けてある。そして、載置部内に情報記録媒体を置いたときにシャッタを閉めることで、情報記録媒体の移動を阻止して処理中の情報記録媒体をアンテナの送受信電波から離れないようにしている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−307183号公報
しかしながら、載置部のシャッタを閉めても、当該シャッタの外部、すなわち載置部の外部にアンテナから発生した電波が及ぶ場合がある。この場合、載置部の外部に及ぶ電波に対して当該電波によって作用する他の媒体を意識的あるいは無意識に近づけると載置部に置いた情報記録媒体に対する情報処理が的確に行えなくなるおそれがある。
そこで、例えば前記シャッタによって全ての電波をシールドすれば載置部の外部に及ぶ電波を遮ることが可能である。ところが、携帯通信端末(例えば携帯電話機)の機能を装備した情報記録媒体により、携帯通信端末の通信で得た情報を用いようとする場合では、情報記録媒体への処理中に携帯通信端末の送受信のための電波も遮断されて当該携帯通信端末の通信ができなくなってしまう。
本発明は、上記実情に鑑みて、情報記録媒体を載置する載置部の外部への所定の電波の影響をなくすことができ、また携帯通信端末の機能を装備した情報記録媒体の処理中でも携帯通信端末の通信を行うことができる非接触リーダライタを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係る非接触リーダライタは、情報記録媒体に対して非接触で情報を処理する非接触リーダライタにおいて、前記情報記録媒体を収容する所定の空間に対して前記情報記録媒体を出し入れする開口を設けた載置部と、前記情報記録媒体に作用する所定の電波を前記空間内に発信するアンテナと、前記開口を閉鎖するとともに前記所定の電波を選択的に吸収する磁性体を有した蓋部材とを備えたことを特徴とする。
本発明の請求項2に係る非接触リーダライタは、上記請求項1において、前記空間内であって前記蓋部材に沿って設けてあり前記アンテナが発信した前記所定の電波に対して選択的に共振する無給電コイルをさらに備えたことを特徴とする。
本発明に係る非接触リーダライタは、開口を閉鎖するとともに情報記録媒体に作用する所定の電波を選択的に吸収する磁性体を有した蓋部材を備えた構成により、所定の電波のみが開口から空間の外部に及ばない。この結果、情報記録媒体を載置する載置部の外部への所定の電波の影響をなくすことができる。すなわち、開口に所定の電波で作用する他の媒体を意識的あるいは無意識に近づけても載置部に置いた情報記録媒体に対する情報処理を的確に行うことができる。さらに、所定の電波を選択的に吸収しているので、情報記録媒体が携帯通信端末の機能を有している場合に、情報記録媒体の処理中でも携帯通信端末の通信を妨げることなく行うことができる。また、アンテナが発信した所定の電波に対して選択的に共振する無給電コイルによって磁性体による電波の吸収を助勢すれば、情報記録媒体を載置する載置部の外部への所定の電波の影響をより確実になくすことができる。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る非接触リーダライタの好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
後述する各実施例における非接触リーダライタは、非接触ICカードなどの情報記録媒体、あるいは携帯通信端末(例えば携帯電話機)の機能を装備した情報記録媒体に対して非接触で情報を処理するものである。情報の処理としては、例えば本非接触リーダライタを決済端末などに接続し、情報記録媒体に記録された金額情報などの読み出し処理、あるいは情報記録媒体への金額情報などの書き込み処理を非接触で行う。決済端末側では、上記金額情報などをもとに商品などの取引を決済する。特に、決済端末は、情報記録媒体が携帯通信端末の機能を装備していれば、取引する商品などの決済において情報記録媒体に記録された金額情報などが不足する場合に、携帯通信端末の通信によって所定のネットワークに接続して金額情報などを補足することが可能である。
図1は本発明に係る非接触リーダライタの実施例1の構成を示す側断面図、図2は本発明に係る非接触リーダライタの実施例1の他の構成を示す側断面図、図3は本発明に係る非接触リーダライタの実施例1のさらに他の構成を示す前面図である。
図1に示すように非接触リーダライタは、情報記録媒体1を置く載置部2にアンテナ3を備えている。
情報記録媒体1は、図には明示しないが、ICチップと、当該ICチップに接続したコイル状アンテナとを基板に配置してなる。ICチップは、記録部、送受信部および電源整流部が内蔵してある。記録部は、記録情報として例えば商品の取引を決済するための金額情報、取引の日時情報などを記録する。送受信部は、本発明の非接触リーダライタと各種情報の送受信を行う。電源整流部は、非接触リーダライタが送信した所定の電波によってコイル状アンテナの共振作用(電磁誘導など)で発生した起電力を、ICチップの作動電力として得る。また、本実施例における情報記録媒体1は、所定の電波(13.56MHz帯)で起電力を発生する態様で構成してある。なお、情報記録媒体1は、上記構成を内蔵した非接触ICカード、あるいは上記構成を内蔵した携帯通信端末(例えば携帯電話機)として設けられている。本実施例では携帯通信端末を図示している。
載置部2は、情報記録媒体1を収容する所定の空間2Aを有している。空間2Aは、情報記録媒体1を置く略水平な載置面2Aaと、当該載置面2Aaを囲む各壁面2Ab,2Acとからなる。図1で示す空間2Aは、載置面2Aaを略矩形状に形成し、この載置面2Aaの後面側に略矩形状の後部壁面2Abを立設し、さらに載置面2Aaの各側面側に略扇状の側部壁面2Acを立設して形成してある。また、載置部2は、空間2A内に情報記録媒体1を出し入れする開口2Bを有している。この開口2Bは、載置面2Aaの前面縁、後部壁面2Abの上縁、および側部壁面2Acの円弧状の縁で囲んで形成してある。また、載置部2は、開口2Bを閉鎖する蓋部材2Cを有している。この蓋部材2Cは、開口2Bを開閉する態様で移動可能に設けてある。
アンテナ3は、複数(図1では2個示す)の給電コイル3a,3bからなる。給電コイル3aは、載置面2Aaに沿って設けてある。また、給電コイル3bは、後部壁面2Abに沿って設けてある。このアンテナ3は、各給電コイル3a,3bへの給電によって、載置面2Aaに置いた情報記録媒体1に作用する所定の電波を発信する。この所定の電波は、情報記録媒体1が起電力を発生する13.56MHz帯の電波である。さらに、アンテナ3は、空間2A内において各給電コイル3a,3bの間で所定の電波に対して所定の方向性を与える。電波に与えられた方向は、図1に破線で示すように開口2Bから空間2Aの外部に及ばずに空間2A内において、給電コイル3aを設けた載置面2Aa側から、給電コイル3bを設けた後部壁面2Ab側に至る向きとなる。
また、アンテナ3は、図2に示すように複数(図2では3個)の給電コイル3c,3d,3eからなる構成であってもよい。給電コイル3cは、載置部2の空間2Aにおける前面側であって、載置面2Aaと両側部壁面2Acと開口2Bとに沿って設けてある。給電コイル3dは、載置部2の空間2Aにおける中央部分であって、載置面2Aaと両側部壁面2Acと開口2Bとに沿って設けてある。給電コイル3eは、載置部2の空間2Aにおける後面側であって、載置面2Aaと両側部壁面2Acと開口2Bとに沿って設けてある。なお、各給電コイル3c,3d,3eについて、開口2Bを通る部位は、例えば蓋部材2Cの空間2Aの内側に設けてあって蓋部材2Cが開口2Bを閉鎖したときに上記のごとく設けられるように接離可能に構成してある。このアンテナ3は、各給電コイル3c,3d,3eへの給電によって、載置面2Aaに置いた情報記録媒体1に作用する所定の電波を発信する。この所定の電波は、情報記録媒体1が起電力を発生する13.56MHz帯の電波である。さらに、アンテナ3は、空間2A内において各給電コイル3c,3d,3eの間で所定の電波に対して所定の方向性を与える。電波に与えられた方向は、図2に破線で示すように開口2Bから空間2Aの外部に及ばずに空間2A内において、給電コイル3cを設けた前面側から、給電コイル3eを設けた後面側に至る向きとなる。なお、電波に対して図2で示す方向性を与えるアンテナ3は、複数であればよく図2で示す3個に限らない。
また、アンテナ3は、図3に示すように複数(図3では3個)の給電コイル3f,3g,3hからなる構成であってもよい。給電コイル3fは、載置部2の空間2Aにおける左側であって、載置面2Aaと後部壁面2Abと開口2Bとに沿って設けてある。給電コイル3gは、載置部2の空間2Aにおける中央部分であって、載置面2Aaと後部壁面2Abと開口2Bとに沿って設けてある。給電コイル3hは、載置部2の空間2Aにおける右側であって、載置面2Aaと後部壁面2Abと開口2Bとに沿って設けてある。なお、各給電コイル3f,3g,3hについて、開口2Bを通る部位は、例えば蓋部材2Cの空間2Aの内側に設けてあって蓋部材2Cが開口2Bを閉鎖したときに上記のごとく設けられるように接離可能に構成してある。このアンテナ3は、各給電コイル3f,3g,3hへの給電によって、載置面2Aaに置いた情報記録媒体1に作用する所定の電波を発信する。この所定の電波は、情報記録媒体1が起電力を発生する13.56MHz帯の電波である。さらに、アンテナ3は、空間2A内において各給電コイル3f,3g,3hの間で所定の電波に対して所定の方向性を与える。電波に与えられた方向は、図3に破線で示すように開口2Bから空間2Aの外部に及ばずに空間2A内において、給電コイル3fを設けた左側から、給電コイル3hを設けた右側に至る向きとなる。なお、電波に対して図3で示す方向性を与えるアンテナ3は、複数であればよく図3で示す3個に限らない。また、図3では、情報記録媒体1のコイル状アンテナと電波とを交差する態様にするために情報記録媒体1を載置面2Aaに斜めに置く支持台4を設けてある。
このような構成の非接触リーダライタは、図1〜図3に示すように開口2Bから空間2Aの内部に情報記録媒体1(携帯通信端末)を入れて載置面2Aaに置き、蓋部材2Cを閉鎖する。そして、アンテナ3に給電することにより所定の電波(13.56MHz帯)が情報記録媒体1に作用する。所定の電波を受信した情報記録媒体1は、コイル状アンテナの共振作用によって起電力を発生する。これにより、ICチップが起動して記録情報を信号化してコイル状アンテナから発信する。そして、非接触リーダライタでは、情報記録媒体1からの信号をアンテナ3で受信してデコードしてもとの情報に戻して用いる。また、非接触リーダライタは、新たな情報を信号化してアンテナ3から発信する。そして、情報記録媒体では、非接触リーダライタからの信号をコイル状アンテナで受信してデコードして元に戻して記録する。
このように非接触リーダライタは、情報記録媒体1に記録された情報を読み取り、また情報記録媒体1に対して新たな情報を書き込む。この際、情報記録媒体1との間で送受信される所定の電波(13.56MHz帯)は、アンテナ3によって開口2Bから空間2Aの外部に及ばずに空間2A内において所定の方向性を与えられる。すなわち、所定の電波が開口2Bから空間2Aの外部(蓋部材2Cの外部)に及ぶことがない。この結果、情報記録媒体1を載置する載置部2の外部への所定の電波の影響をなくすことができ、開口2B、すなわち蓋部材2Cの位置に所定の電波で作用する他の媒体を意識的あるいは無意識に近づけても載置部2に置いた情報記録媒体1に対する情報処理を的確に行うことが可能になる。
また、上述したように情報記録媒体1に金額情報が記録してあって、当該金額情報によって商品の取引の決済を行う場合、非接触リーダライタが受信した金額情報をもとに商品などの取引を決済する。ここで、情報記録媒体1に記録されている金額情報が不足する場合には、携帯通信端末の通信によって所定のネットワークに接続して金額情報などを補足する。このような場合、本実施例における非接触リーダライタでは、蓋部材2Cの外部への所定の電波の影響をなくしているので、蓋部材2Cなどによって開口2Bの外部に及ぶ電波をシールドする構成が必要ないため、情報記録媒体1の処理中でも携帯通信端末の通信を行うことが可能になる。
なお、載置部2の構成は、上述した実施例1で説明した構成に限定されない。すなわち、情報記録媒体1を収容する空間2Aに対して情報記録媒体1を出し入れする開口2Bを設けてあればよい。また、アンテナ3の構成も情報記録媒体1に作用する所定の電波を空間2A内に発信し、当該電波に対して空間2A内で所定の方向性を与え、所定の電波を開口2Bから空間2Aの外部(蓋部材2Cの外部)に及ばすことがない構成であれば図1〜図3に示す構成に限定されない。
図4は本発明に係る非接触リーダライタの実施例2の構成を示す側断面図である。
図4に示すように非接触リーダライタは、情報記録媒体1を置く載置部12にアンテナ13を備えている。なお、情報記録媒体1については、上述した実施例1と同様であるため同一符号を付して説明を省略する。
載置部12は、情報記録媒体1を収容する所定の空間12Aを有している。空間12Aは、情報記録媒体1を置く略水平な載置面12Aaと、当該載置面2Aaを囲む各壁面12Ab,12Acとからなる。図4で示す空間12Aは、載置面12Aaの前面側に前部壁面12Abを立設し、さらに載置面12Aaの後面側に後部壁面12Acを立設して形成してある。また、載置部12は、空間12A内に情報記録媒体1を出し入れする開口12Bを有している。この開口12Bは、前部壁面12Abの上縁および後部壁面2Abの上縁の間に形成してある。なお、図には明示しないが、載置面12Aa、前部壁面12Abおよび後部壁面12Acの側面に側壁面を設けてもよい。なお、本実施例では、図4に示すように載置部12は、前部壁面12Abの下端と後部壁面12Acの上端によって載置面12Aaに置いた情報記録媒体1を所定の傾斜した位置で保持し、情報記録媒体1の上部を開口12Bの外部に延出した形態とする。
アンテナ13は、複数(図4では2個示す)の給電コイル13a,13bからなる。給電コイル13aは、前部壁面12Abに沿って設けてある。また、給電コイル13bは、後部壁面12Acに沿って設けてある。このアンテナ13は、各給電コイル13a,13bへの給電によって、載置面12Aaに置いた情報記録媒体1に作用する所定の電波を発信する。この所定の電波は、情報記録媒体1が起電力を発生する13.56MHz帯の電波である。さらに、アンテナ13は、空間12A内において各給電コイル13a,13bの間で所定の電波に対して所定の方向性を与える。電波に与えられた方向は、図4に破線で示すように開口12Bから空間12Aの外部に及ばずに空間12A内において、給電コイル13aを設けた前部壁面12Ab側から、給電コイル13bを設けた後部壁面12Ac側に至る向きとなる。
また、上記載置部12の外側には、当該載置部12を囲む態様で吸引手段14が設けてある。吸引手段14は、板状の磁性体からなり、アンテナ13の各給電コイル13a,13bの外側であって、載置部12の載置面12Aaの下側、前部壁面12Abの前側および後部壁面12Acにそれぞれ沿って連続して設けてある。
このような構成の非接触リーダライタは、図4に示すように開口12Bから空間12Aの内部に情報記録媒体1(携帯通信端末)を入れて載置面12Aaに置く。そして、アンテナ13に給電することにより所定の電波(13.56MHz帯)が情報記録媒体1に作用する。所定の電波を受信した情報記録媒体1は、コイル状アンテナの共振作用によって起電力を発生する。これにより、ICチップが起動して記録情報を信号化してコイル状アンテナから発信する。そして、非接触リーダライタでは、情報記録媒体1からの信号をアンテナ13で受信してデコードしてもとの情報に戻して用いる。また、非接触リーダライタは、新たな情報を信号化してアンテナ13から発信する。そして、情報記録媒体では、非接触リーダライタからの信号をコイル状アンテナで受信してデコードして元に戻して記録する。
このように非接触リーダライタは、情報記録媒体1に記録された情報を読み取り、また情報記録媒体1に対して新たな情報を書き込む。この際、情報記録媒体1との間で送受信される所定の電波(13.56MHz帯)は、アンテナ13によって開口12Bから空間12Aの外部に及ばずに空間2A内において所定の方向性を与えられる。さらに、吸引手段14は、アンテナ13が発信する所定の電波を給電コイル13b側から吸引して給電コイル13a側にリターンする。このため、所定の電波が開口12Bから空間12Aの外部に及ぶことがない。この結果、情報記録媒体1を載置する載置部12の外部への所定の電波の影響をより確実になくすことができ、開口12Bの位置に所定の電波で作用する他の媒体を意識的あるいは無意識に近づけても載置部2に置いた情報記録媒体1に対する情報処理を的確に行うことが可能になる。
また、上述したように情報記録媒体1に金額情報が記録してあって、当該金額情報によって商品の取引の決済を行う場合、非接触リーダライタが受信した金額情報をもとに商品などの取引を決済する。ここで、情報記録媒体1に記録されている金額情報が不足する場合には、携帯通信端末の通信によって所定のネットワークに接続して金額情報などを補足する。このような場合、本実施例における非接触リーダライタでは、載置部12の外部への所定の電波の影響をなくしているので、電波をシールドする構成が必要ないため、情報記録媒体1の処理中でも携帯通信端末の通信を行うことが可能になる。
なお、載置部2の構成は、上述した実施例2で説明した構成に限定されない。すなわち、情報記録媒体1を収容する空間12Aに対して情報記録媒体1を出し入れする開口12Bを設けてあればよい。また、アンテナ13の構成も情報記録媒体1に作用する所定の電波を空間12A内に発信し、当該電波に対して空間12A内で所定の方向性を与える構成であれば図4に示す構成に限定されない。
図5は本発明に係る非接触リーダライタの実施例3の構成を示す側断面図である。
図5に示すように非接触リーダライタは、情報記録媒体1を置く載置部2にアンテナ23を備えている。なお、情報記録媒体1および載置部2については、上述した実施例1と同様であるため同一符号を付して説明を省略する。また、載置部2の構成は、情報記録媒体1を収容する空間2Aに対して情報記録媒体1を出し入れする開口2Bを設けてあればよい。
アンテナ23は、給電コイル23aからなる。給電コイル23aは、載置面2Aaに沿って設けてある。このアンテナ23は、給電コイル23aへの給電によって、載置面2Aaに置いた情報記録媒体1に作用する所定の電波を発信する。この所定の電波は、情報記録媒体1が起電力を発生する13.56MHz帯の電波である。
また、蓋部材2Cの内側、すなわち空間2A側には、シート状の磁性体24が貼り付けてある。この磁性体24は、フェライトなどからなり、HF帯以下(主に13.56MHz帯など)で大きな電波吸収性能を有し、UHF帯以上(主に800MHz帯・2.45GHz帯・5.2GHz帯など)で小さい電波吸収性能を有する性質をもつ。
このような構成の非接触リーダライタは、図5に示すように開口2Bから空間2Aの内部に情報記録媒体1(携帯通信端末)を入れて載置面2Aaに置き、蓋部材2Cを閉鎖する。そして、アンテナ3に給電することにより所定の電波(13.56MHz帯)が情報記録媒体1に作用する。所定の電波を受信した情報記録媒体1は、コイル状アンテナの共振作用によって起電力を発生する。これにより、ICチップが起動して記録情報を信号化してコイル状アンテナから発信する。そして、非接触リーダライタでは、情報記録媒体1からの信号をアンテナ3で受信してデコードしてもとの情報に戻して用いる。また、非接触リーダライタは、新たな情報を信号化してアンテナ3から発信する。そして、情報記録媒体では、非接触リーダライタからの信号をコイル状アンテナで受信してデコードして元に戻して記録する。
このように非接触リーダライタは、情報記録媒体1に記録された情報を読み取り、また情報記録媒体1に対して新たな情報を書き込む。この際、情報記録媒体1との間で送受信される所定の電波(13.56MHz帯)は、図5に破線で示すように蓋部材2Cに設けた磁性体24によって選択的に吸収される。すなわち、所定の電波が開口2Bから空間2Aの外部(蓋部材2Cの外部)に及ぶことがない。この結果、情報記録媒体1を載置する載置部2の外部への所定の電波の影響をなくすことができ、開口2B、すなわち蓋部材2Cの位置に所定の電波で作用する他の媒体を意識的あるいは無意識に近づけても載置部2に置いた情報記録媒体1に対する情報処理を的確に行うことが可能になる。
また、上述したように情報記録媒体1に金額情報が記録してあって、当該金額情報によって商品の取引の決済を行う場合、非接触リーダライタが受信した金額情報をもとに商品などの取引を決済する。ここで、情報記録媒体1に記録されている金額情報が不足する場合には、携帯通信端末の通信によって所定のネットワークに接続して金額情報などを補足する。このような場合、本実施例における非接触リーダライタでは、磁性体24が携帯通信端末の通信周波数帯である800MHz帯、無線LANの搬送周波数帯である2.45GHz帯あるいは5.2GHz帯などに対して小さい電波吸収性能を有するために、これらの周波数帯の電波を開口2Bの外部に透過するので、情報記録媒体1の処理中でも携帯通信端末の通信を行うことが可能になる。また、本実施例における非接触リーダライタでは、上記周波数帯の電波を開口2Bの外部に透過するため、例えば各周波数帯のホットスポットにおいて携帯通信端末が800MHzから2.45GHzへの切り替えを可能とする場合に、このホットスポットに応じて切り替えられた周波数帯での通信を可能にできる。
ところで、図6は本発明に係る非接触リーダライタの実施例3の他の構成を示す側断面図である。
図6に示す非接触リーダライタでは、上述した図5に示す構成に対して無給電コイル25をさらに備えている。無給電コイル25は、空間2A内であって蓋部材2Cに沿って設けてある。この無給電コイル25は、コンデンサ25aの設定によってアンテナ23が発信した所定の電波(13.56MHz帯)に対して選択的に共振する。このため、無給電コイル25は、所定の電波に共振することで当該所定の電波を吸収して図6に破線で示すように蓋部材2Cに設けた磁性体24による電波の吸収を助勢することになる。すなわち、所定の電波が開口2Bから空間2Aの外部(蓋部材2Cの外部)に及ぶことがない。この結果、情報記録媒体1を載置する載置部2の外部への所定の電波の影響をより確実になくすことができ、開口2Bの外部、すなわち蓋部材2Cの外部に所定の電波で作用する他の媒体を意識的あるいは無意識に近づけても載置部2に置いた情報記録媒体1に対する情報処理を的確に行うことが可能になる。
以上のように、本発明に係る非接触リーダライタは、情報記録媒体に記録された情報の読み出し処理、あるいは情報記録媒体への情報の書き込み処理を非接触で行うことに有用であり、特に、情報記録媒体を載置する載置部の外部への所定の電波の影響をなくすことができ、また携帯通信端末の機能を装備した情報記録媒体の処理中でも携帯通信端末の通信を行うことに適している。
本発明に係る非接触リーダライタの実施例1の構成を示す側断面図である。 本発明に係る非接触リーダライタの実施例1の他の構成を示す側断面図である。 本発明に係る非接触リーダライタの実施例1のさらに他の構成を示す前面図である。 本発明に係る非接触リーダライタの実施例2の構成を示す側断面図である。 本発明に係る非接触リーダライタの実施例3の構成を示す側断面図である。 本発明に係る非接触リーダライタの実施例3の他の構成を示す側断面図である。
符号の説明
1 情報記録媒体
2 載置部
2A 空間
2Aa 載置面
2Ab 後部壁面
2Ac 側部壁面
2B 開口
2C 蓋部材
3 アンテナ
3a,3b,3c,3d,3e,3f,3g,3h 給電コイル
4 支持台
12 載置部
12A 空間
12Aa 載置面
12Ab 前部壁面
12Ac 後部壁面
12B 開口
13 アンテナ
13a,13b 給電コイル
14 吸引手段
23 アンテナ
23a 給電コイル
24 磁性体
25 無給電コイル
25a コンデンサ

Claims (2)

  1. 情報記録媒体に対して非接触で情報を処理する非接触リーダライタにおいて、
    前記情報記録媒体を収容する所定の空間に対して前記情報記録媒体を出し入れする開口を設けた載置部と、
    前記情報記録媒体に作用する所定の電波を前記空間内に発信するアンテナと、
    前記開口を閉鎖するとともに前記所定の電波を選択的に吸収する磁性体を有した蓋部材と
    を備えたことを特徴とする非接触リーダライタ。
  2. 前記空間内であって前記蓋部材に沿って設けてあり前記アンテナが発信した前記所定の電波に対して選択的に共振する無給電コイルをさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の非接触リーダライタ。
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