このような構成によれば、超過存在状態である旨を報知するときに、さらに、特定された監視領域の位置が報知されるので、超過存在状態であると判定された監視領域での対処をより一層迅速にとることができる。
(3) 前記遊技場には、前記遊技機の遊技に関わる処理を行なう遊技用装置(カード販売機11、ジェットカウンタ12、精算装置13、POS装置14等の遊技用装置)が設けられており、
前記撮像手段は、さらに、前記遊技用装置を含む予め定められた領域を撮像し(図3)、
前記監視領域設定手段は、さらに、前記監視領域として、前記撮像手段による撮像領域内で少なくとも1つの遊技用装置が臨む通路を含む遊技用装置の監視領域を設定し(S1〜S7等)、
前記人物画像特定手段は、さらに、前記遊技用装置を含む前記撮像領域内の画像の変化により該撮像領域内に存在する人物画像を各人物画像ごとに特定し(S22等)、
前記追跡手段は、さらに、前記人物画像特定手段により特定された各々の人物画像を追跡対象者画像として前記遊技用装置を含む前記撮像領域内に存在する間、該各々の追跡対象者画像の追跡を行ない(S26等)、
前記監視領域内存在特定手段は、さらに、前記追跡手段により追跡された追跡対象者画像が前記監視領域設定手段により設定された遊技用装置の監視領域に存在することを特定し(S38等)、
前記存在数特定手段は、さらに、前記監視領域内特定手段により存在することが特定された前記監視領域設定手段により設定された遊技用装置の監視領域における追跡対象者画像の存在数を特定し(S39等)、
前記超過存在判定数設定手段は、さらに、前記監視領域設定手段により設定された遊技用装置の監視領域について、前記超過存在判定数を設定し(S7)、
前記状態判定手段は、さらに、前記監視領域設定手段により設定された遊技用装置の監視領域において前記存在数特定手段により特定された追跡対象者画像の存在数が、前記超過存在判定数設定手段により遊技用装置の監視領域について設定された超過存在判定数を満たしたときに、前記超過存在状態と判定し(S42,S43等)、
前記報知手段は、さらに、遊技用装置の監視領域について、前記状態判定手段により前記超過存在状態と判定されたときに、当該遊技用装置の監視領域について超過存在状態である旨を報知する(S55〜S57,S59,S63等)。
このような構成によれば、少なくとも1つの遊技用装置が臨む通路を含む各監視領域で撮像された画像に基づいて、遊技用装置の監視領域における追跡対象者画像の存在数が特定され、特定された追跡対象者画像の存在数が、設定された超過存在判定数を満たしたときに、超過存在状態と判定され、当該超過存在状態状態である旨が報知される。このため、遊技用装置に関して、遊技場内での交通の妨げとなるような者の存在の把握を迅速に行なうことができるとともに、交通整理等のような交通の妨げとなるような者への対処を迅速に行なうことができる。
このような構成によれば、超過存在状態と判定されたときに、当該判定がされた監視領域が拡大して撮像されるので、超過存在状態に関与した者を確認しやすくなるようにすることができる。
このような構成によれば、監視領域における追跡対象者画像の存在数を示す情報が出力されるので、監視領域における追跡対象者画像の存在数の状況をより的確に把握することができる。これにより、追跡対象者画像の存在数が比較的多い監視領域に遊技場の係員を迅速に配置すること、および、追跡対象者画像の存在数が比較的少ない監視領域に遊技者を誘導する案内をする等、滞留者への対処をより的確に行なうことができる。
このような構成によれば、撮像領域内で追跡対象者画像が監視領域に入っているときに、その追跡対象者画像が監視領域に入っている時間である監視領域内時間が計測され、その監視領域内時間が設定された存在特定時間を満たしたときに、当該追跡対象者画像が監視領域に存在することが特定されるので、監視領域内に存在する期間が比較的短い通行者を遊技場内での交通の妨げとなるような者として誤認しにくくなる等、遊技場内での交通の妨げとなるような者の特定精度を向上させることができる。
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施の形態においては、遊技場管理システムの一例として、存在監視カメラ制御装置および集中管理装置等を含むシステムを説明するが、複数の遊技機が設けられた遊技場の管理を行なう遊技場管理システムであれば、どのような遊技場管理システムにも適用可能である。また、本実施の形態においては遊技機の一例としてパチンコ遊技機を説明するが、これに限らず、遊技機としては、たとえばコイン遊技機、コインを使用するスロットマシン、コインの投入の代わりに所定個数の遊技球を投入してスロットマシン遊技を行なう遊技機等のその他のどのような遊技機であってもよい。
図1は、遊技場管理システムが設けられる遊技場における各種装置の配置状態を示す平面図である。
遊技店である遊技場10においては、遊技機の一例としてのパチンコ遊技機1、遊技用装置の一例としてのカード販売機(図中「カード」)11、遊技用装置の一例としてのジェットカウンタ(図中「JC」)12、遊技用装置の一例としての精算機13、遊技用装置の一例としてのPOS(Point Of Sales)装置14、撮像手段の一例としての滞留監視カメラ4、および、拡大撮像手段の一例としての拡大監視カメラ5等の各種装置が設けられている。また、遊技場10においては、主な構造物として、たとえば、パチンコ遊技機1が設置された遊技機設置島100、および、カウンタ景品交換が行なわれるカウンタ15が設けられている。これらの他に、遊技場10においては、後述するホール管理コンピュータおよび集中管理装置等の各種装置が設けられた管理室(図示省略)が設けられている。
遊技場10においては、遊技媒体の一例としての遊技球(パチンコ玉)を用いて遊技が行なわれるパチンコ遊技機1が背中合わせに(裏面側が向かい合う態様で)複数台(たとえば、片側10台ずつの合計20台)並んで設置された遊技機設置島100が複数(たとえば10島)並んで設けられている。各パチンコ遊技機1には、遊技者が遊技をするために座る椅子(図示省略)が設けられている。
また、各パチンコ遊技機1の左隣には、1台のパチンコ遊技機1に対して1対1の対応で、カードユニットが付設されている(図示省略)。このカードユニットにおいては、遊技場において遊技者に対して個別に発行された記録媒体としての遊技カード(プリペイドカード)を遊技球の貸出しを受けるために使用することができる。
遊技カードは、カード販売機11等の所定の発行場所において、遊技者が発行を受けることができる。カード販売機11は、たとえば、遊技機設置島100の端部に設けられる態様で遊技場10内に複数台配置されており、遊技に関わる処理として、遊技者からの現金の投入(支払い)に応じて遊技カードを発行する処理を行なう。
パチンコ遊技機1において遊技者が獲得した遊技球は、ジェットカウンタ12により、個数を計数して計数値を景品交換用レシートに記録して出力することが可能である。ジェットカウンタ12は、たとえば、遊技機設置島100の端部に設けられる態様で遊技場10内に複数台配置されており、遊技に関連する処理として、装置内部へ流入する遊技球の個数を玉検出部により検出して検出個数を計数し、遊技球の計数値を記録した景品交換用レシートを発行する処理を行なう。遊技者は、獲得した遊技球をジェットカウンタへ入れることにより計数値が記録された景品交換用レシートを得て、その景品交換用レシートをカウンタ15に持って行って提出することにより、獲得した遊技球を景品に交換する景品交換を行なうことができる。
カウンタ15の近傍には、精算機13が設けられている。精算機13では、遊技に関わる処理として、遊技カードのカード残高を現金に変換して遊技者に払い戻す、所謂精算をする処理が行なわれる。遊技者は、遊技カードを精算機13のカード挿入口に挿入して精算操作を行なうことにより、カード残高から変換された現金の払出を精算機13の現金払出口より受けることができる。
カウンタ15には、POS装置14が設けられている。POS装置14は、遊技に関わる処理として、景品交換用レシートに記録された計数値を読取り、その計数値を景品に交換するための処理を行なう。この遊技場100においては、POS装置14と精算機13とが隣り合う態様で設けられている。
存在監視カメラ4は、上下方向に所定距離を隔てて配置された2つのCCD(Charge Coupled Device)を用いて一対のステレオ画像を撮像し、人物等の物体を3次元形状で認識するためのビテオカメラ(特開平11−66319号公報に開示されたカメラと同様の機能を有するカメラ)である。この存在監視カメラ4は複数のCCDを用いて同一対象物を異なる位置から撮像することにより、各CCDで撮像された画像上の座標の差(視差)からその対象物の空間座標上の位置を検出できる機能を有する。
このような存在監視カメラ4は、主として、各パチンコ遊技機1における滞留者(パチンコ遊技機1の椅子に座って滞留している者)を監視するために設けられており、撮像方向が固定されている。また、存在監視カメラ4は、各カード販売機11、各ジェットカウンタ12、精算機13、および、POS装置14のような遊技用装置を監視するためにも設けられている。
複数の存在監視カメラ4は、遊技場10内に設けられたパチンコ遊技機1、各カード販売機11、各ジェットカウンタ12、精算機13、および、POS装置14のすべてを分担して撮像可能な態様で遊技場10の天井に複数台設けられている。複数の存在監視カメラ4は、複数のパチンコ遊技機1のみを監視するための撮像を行なうカメラと、複数のパチンコ遊技機1および遊技用装置(この例では、カード販売機11、ジェットカウンタ12)を監視するための撮像を行なうカメラと、前述のような遊技用装置のみ(この例ではPOS装置14、精算機13)を監視するための撮像を行なうカメラとを含む。
図1においては、各存在監視カメラ4についての左右方向の撮像範囲が破線により示されている。図中に示されるように、遊技機設置島100間の通路を挟んで向かい合う2列のパチンコ遊技機1は、その通路の両端側から1台ずつ向い合うように配置された2台の存在監視カメラ4で撮像される。このため、パチンコ遊技機1を監視するための撮像を行なう存在監視カメラ4は、このような2列のパチンコ遊技機1が撮像範囲内に入ることができる位置に配置される。
1台の存在監視カメラ4の監視対象として割振られたパチンコ遊技機1の数は、片側1列5台ずつで両側の2列を合わせて合計10台である。この片側5台とは、一方の遊技機設置島100での1列のパチンコ遊技機1の設置台数のうちの半数であることを意味する。つまり、この場合での1台の存在監視カメラ4の監視対象となるパチンコ遊技機1の数は、通路を挟んで向かい合う2列のパチンコ遊技機1の全体数のうちの半数に設定されている。
また、図中に示されるように、片側1列のパチンコ遊技機1について通路を挟んで向かう遊技機設置島100が存在しない遊技機設置島100(遊技場10の端部に設置された遊技機設置島)における当該片側の1列のパチンコ遊技機1は、その通路の両端側に1台ずつ向い合うように配置された2台の存在監視カメラ4で撮像される。この場合の1台の存在監視カメラ4の監視対象として割振られたパチンコ遊技機1の数は、1列の台数の半数である5台ずつである。
このようなパチンコ遊技機1を監視するための撮像を行なう存在監視カメラ4のうち、遊技用装置を監視するための撮像も行なうカメラについては、遊技機設置島100端部に設置された各遊技用装置も撮像範囲内に入ることができる位置に配置される。
また、図中に示されるように、遊技用装置のみ(この例ではPOS装置14、精算機13)を監視するための撮像を行なう存在監視カメラ4については、撮像対象の遊技用装置が撮像範囲内に入ることができる位置に配置される。
このような遊技場10においては、設置された複数の各存在監視カメラ4のそれぞれに1対1または2対1で対応する態様で、複数の拡大監視カメラ5が設けられている。拡大監視カメラ5は、存在監視カメラ4とは異なり、1つのCCDを用いて画像を撮像し、人物等の物体を2次元形状で認識するためのビテオカメラである。この拡大監視カメラ5は、拡大撮像機能、すわなち、ズーム撮像機能を有するとともに、撮像方向が可動式である。拡大監視カメラ5には、撮像方向を上下方向および左右方向に変えるためにカメラ本体部の向きをモータにより駆動する駆動装置(図示省略)が設けられている。この駆動装置によりカメラ本体部におけるレンズ部の向きが変化させられることにより、対応する1台または2台の存在監視カメラ4の撮像領域内で設定された複数の監視領域が拡大監視カメラ5によって個別に拡大撮像可能である。
次に、パチンコ遊技機1の構成の一例を説明する。以下に、パチンコ遊技機1の一例として、第1種遊技機を説明する。このパチンコ遊技機1の構成は、周知の構成であるため、図示を省略して説明する。
遊技者が打球操作ハンドルを操作すれば、上皿にある遊技球が1発ずつ弾発発射され、遊技領域内に打込まれる。遊技領域内に打込まれた遊技球は、打込球検出器により検出される。遊技領域に打込まれた打球(打玉)が始動入賞口に入賞すれば、入賞球が始動入賞球検出器により検出され、遊技領域の中央部に設けられた変動表示装置の変動表示領域(たとえば、変動表示領域は、左,中,右に並んだ3つの変動表示領域を有する)において、数字等の複数種類の図柄よりなる特別図柄の変動表示(更新表示または可変表示とも呼ばれる)が開始される。なお、打球が始動入賞口に入賞することを特に始動入賞と呼ぶ。
そして、変動表示装置における特別図柄の変動表示の停止結果が予め定められた特定の表示態様(たとえば777等のゾロ目の図柄の組合せ)である大当り図柄となれば、特定遊技状態としての大当り状態が発生する。大当り図柄の組合せは、複数種類あり、それらのうちのいずれかの大当り図柄の組合せが停止表示されれば、大当り状態が発生する。
大当り状態が発生すれば、変動表示装置の下方部分に位置する可変入賞球装置に設けられた開閉板が開成状態となって大入賞口が開き、可変入賞球装置が遊技者にとって有利な第1の状態となる。そして、可変入賞球装置においては、遊技球の可変入賞球装置への所定個数(たとえば10個)の入賞、あるいは所定期間(たとえば30秒間)の経過のうち、いずれか早い方の条件が成立することによりこの第1の状態が終了し、開閉板が閉成して遊技者に不利な第2の状態に変化する。
変動表示装置の変動表示中に再度打球が始動口に入賞すれば、その始動入賞が記憶されて変動表示装置が可変停止した後再度可変開始できる状態になるまで待ってその始動入賞に基づいて変動表示装置が再度可変開始される。この始動入賞記憶の上限値は、「4」に定められており、所定箇所に表示される。
可変入賞球装置が第1の状態となっている期間中に可変入賞球装置内に進入した入賞球は10カウントセンサあるいは特定入賞球センサにより検出される。入賞球が特定入賞球センサにより検出されれば、その回における可変入賞球装置の第1の状態が終了するのを待って再度可変入賞球装置を第1の状態に制御する繰返し継続制御が行なわれる。この繰返し継続制御の実行上限回数はたとえば16回と定められている。
繰返し継続制御が終了した後、いわゆる大当り状態が終了して、再び大当りが発生しない限り開閉板が開成しない状態となる。なお、このような状態に移行した際、状態移行前に発生した大当りが、特に、ある特別の図柄の組合せによるものである場合には、大当りが発生する確率が高くなるように制御される。つまり、大当りが発生する図柄の組合せが複数種類あり、そのうちのある図柄の組合せで大当りが発生した場合に、大当りが発生する確率が高くなるように制御されるのである。
このように大当り確率の変動した遊技状態が特に確率変動状態(略称、確変)と呼ばれる。このような大当り確率が変動した状態は、たとえばその次の大当りが発生するまで継続する。
また、遊技領域においては、前述した始動入賞口の他にも、通常の入賞口が設けられている。また、いずれの入賞領域(入賞口および可変入賞球装置内の入賞領域)にも入賞しなかった遊技球は遊技領域の下部に設けられたアウト口により回収される。アウト口により回収された遊技球および入賞領域に入賞した遊技球であるアウト球は、パチンコ遊技機1の内部で合流されて、所定の排出経路を経て外部に排出される。このアウト球は、遊技機設置島100におけるパチンコ遊技機1の下方に設けられているアウト球検出器によりパチンコ遊技機1ごとに検出される。
このようなパチンコ遊技機1においては、遊技球が入賞した場合に、入賞の種類に応じて所定個数の賞球が払出され、その遊技球を用いて引続き打球発射を繰返し行なって遊技が行なえる。貸出のために払出される遊技球および賞球として払出される遊技球は、ともに所定の補給経路を経てパチンコ遊技機1の内部に補給される。以下の説明においては、このように払出される遊技球を補給球と呼ぶ。この補給球は、遊技機設置島100におけるパチンコ遊技機1の上方に設けられている補給球検出器によりパチンコ遊技機1ごとに検出される。払出される遊技球は、基本的に上皿に送られるが、上皿が満杯(満タン)になったときについては上皿の下方に設けられた下皿へ送られる。
次に、遊技場10内の状況を管理するためのシステムの構成について説明する。図2は、遊技場10に設けられた遊技場管理システムの構成を示すブロック図である。
遊技場10においては、前述したパチンコ遊技機1およびカードユニットの他に、台端末装置2、島端末装置3、ホール管理コンピュータ8、存在監視カメラ制御装置6、拡大監視カメラ制御装置7、集中管理装置9、スピーカ98、および、インターカム制御装置99等の各種装置が設けられている。また、遊技場10内には、遊技場10の各係員が所持して係員同士の間および係員と管理室との間で無線通話を行なうための携帯式の通信装置であるインターカム990が存在している。
各パチンコ遊技機1については、始動情報、アウト球検出情報、発射情報、補給情報、および、大当り情報等のパチンコ遊技機の稼働状況を示す稼働情報を含む各種遊技情報が各パチンコ遊技機1と、各パチンコ遊技機1に対応して遊技機設置島100に設けられた遊技機対応各種検出器20とから出力される。ここで、遊技機対応各種検出器20とは、各パチンコ遊技機1の外部に設けたアウト球検出器および補給球検出器を含む各種検出器の総称である。
また、始動情報は、始動入賞が生じたことを示す情報であり、前述の始動入賞球検出器により始動入賞球が検出されたことに基づいて出力される。アウト球検出情報は、アウト球が生じたことを示す情報であり、前述のアウト球検出器によりアウト球が検出されたことに基づいて出力される。発射情報は、遊技球が発射されたことを示す情報であり、前述の打込球検出器により打込球が検出されたことに基づいて出力される。大当り情報は、大当りが発生し大当り遊技状態となっていることを示す情報である。
各パチンコ遊技機1と、各パチンコ遊技機1に対応する遊技機対応各種検出器20とから出力された前述の稼働情報を含む各種遊技情報は、パチンコ遊技機1の4台ごとに1つずつ設けられた端末装置である台端末装置2を介し、さらに、遊技機設置島100ごとに1つずつ設けられた端末装置である島端末装置3を介してホール管理コンピュータ8に送信される。このような稼働情報を含む各種遊技情報が送信されるときには、送信される情報において、どのパチンコ遊技機1に関する情報であるかを識別するために、当該情報の対象となるパチンコ遊技機1に付与された台番号(遊技場10内の各パチンコ遊技機1を特定するために各パチンコ遊技機1に所定順序で付与された番号であり、パチンコ遊技機1ごとに異なる番号)の情報が示される。これにより、ホール管理コンピュータ8では、送信されてきた情報に基づいて、送信されてきた情報がどの台番号のパチンコ遊技機1に関する情報であるかを把握し、パチンコ遊技機1ごとに遊技情報の管理等の各種管理を行なう。
ホール管理コンピュータ8は、前述の管理室に設けられ、遊技場10内全体を管理対象として遊技情報等の各種情報を管理する装置である。ホール管理コンピュータ8は、前述のように各パチンコ遊技機1から送られてきた情報に基づいて、各パチンコ遊技機1の稼働状況を個別に管理する。また、ホール管理コンピュータ8は、前述のように各パチンコ遊技機1に対応するアウト球検出情報が送られてきたときに、該当するパチンコ遊技機1の管理情報を更新するとともに、該当するパチンコ遊技機1の稼働情報として、該当するパチンコ遊技機1の台番号を特定したアウト球検出情報を集中管理装置9へ送信する。
存在監視カメラ制御装置6は、各存在監視カメラ4を制御する装置であり、管理室に設けられている。各存在監視カメラ4は、各カメラを識別するためのカメラID(IDentification)が付与されており、そのカメラIDに基づいて、存在監視カメラ制御装置6および集中管理装置9において管理される。
存在監視カメラ制御装置6は、集中管理装置9からの制御信号による制御内容の指示に基づいて各存在監視カメラ4へ制御信号を与えることにより、各存在監視カメラ4の動作制御を行なう。さらに、存在監視カメラ制御装置6は、各存在監視カメラ4による撮像により得られた画像データを集中管理装置9へ与える制御を行なうとともに、たとえば次のような存在監視カメラ4に関する各種制御のための処理を実行する。
存在監視カメラ制御装置6には、各存在監視カメラ4による撮像により得られた画像データが入力される。存在監視カメラ制御装置6では、各存在監視カメラ4による撮像により得られた画像データが時間的に連続したディジタルデータとして記憶される。存在監視カメラ制御装置6は、各存在監視カメラ4による撮像により得られた画像データに基づいて、各存在監視カメラ4の撮像領域内における人物画像を特定して追跡対象者画像として追跡する撮像領域内人物画像追跡処理を実行する。そして、存在監視カメラ制御装置6は、撮像領域内人物画像追跡処理で追跡されている追跡対象者画像が各存在監視カメラ4の撮像領域内に設定された各監視領域に入った後、その追跡対象者画像が予め設定された存在特定時間以上各監視領域内において存在しているか否かに基づき視領域内に存在しているか否かを特定し、その監視領域内での追跡対象者画像の存在数を示す存在数情報を集中管理装置9へ送信する管理領域内画像特定処理を実行する。
存在監視カメラ制御装置6には、前述した制御を実行する制御部60と、各種データを記憶する不揮発性のメモリよりなる記憶部61とが含まれている。制御部60は、マイクロコンピュータにより構成され、各種制御用のプログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)、ワークメモリとして使用されるRAM(Random Access Memory)、ROMに記憶された制御用のプログラムに従って制御動作を行なうCPU(Central Processing Unit)、および、入出力インタフェースが含まれる。記憶部61には、各存在監視カメラ4での撮像により得られた画像データが複数フレームずつ記憶される。これにより、各存在監視カメラ4に対応する画像データは、過去の複数フレーム前の画像が適宜参照できる。
拡大監視カメラ制御装置7は、各拡大監視カメラ5を制御する装置であり、管理室に設けられている。各拡大監視カメラ5は、各カメラを識別するためのカメラIDが付与されており、そのカメラIDに基づいて、拡大監視カメラ制御装置7および集中管理装置9において管理される。
拡大監視カメラ制御装置7は、集中管理装置9からの制御信号による制御内容の指示に基づいて、各拡大監視カメラ5へ制御信号を与えることにより、各拡大監視カメラ5の本体部の動作制御を行なうとともに、各拡大監視カメラ5へ駆動信号を与えて各拡大監視カメラ5の駆動部の動作制御を行なう。さらに、拡大監視カメラ制御装置7は、各拡大監視カメラ5による撮像により得られた拡大画像データを含む画像データを集中管理装置9へ与える制御を行なう等、各拡大監視カメラ5に関する各種制御のための処理を実行する。
拡大監視カメラ制御装置7には、前述した制御を実行する制御部70と、各種データを記憶する不揮発性のメモリよりなる記憶部71と、前述したように各拡大監視カメラ5の撮像方向を変化させるために本体部の向きをモータにより駆動する駆動装置を駆動するための処理を行なう駆動部72とが含まれている。制御部70は、マイクロコンピュータにより構成され、各種制御用のプログラム等を記憶するROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶された制御用のプログラムに従って制御動作を行なうCPU、および、入出力インタフェースが含まれる。
集中管理装置9は、滞留者の監視、および、滞留者の発見時における処置等の滞留者に関する情報を集中的に管理する装置であり、管理室に設けられている。集中管理装置9は、制御部90、入力部95、表示部96、および、記憶部97を含む。
制御部90は、マイクロコンピュータにより構成され、後述するような各種処理の実行用のプログラム等を記憶するROM91、ワークメモリとして使用されるRAM92、ROMに記憶されたプログラムに従って各種処理動作を行なうCPU93、および、制御部90におけるデータの入出力を行なう入出力インタフェース94が含まれる。入力部95は、管理者が入力操作をすることが可能なキーボード、マウス、および、ジョイスティック等の入力操作手段よりなり、管理者の操作に応じて制御部90へ各種のデータを入力する。表示部96は、任意の画像を表示することが可能な液晶表示装置よりなり、制御部90により表示制御が行なわれる。記憶部97は、不揮発性のメモリよりなり、各種データが記憶される。
さらに、管理室には、集中管理装置9による監視領域の監視に基づき警報音が出力されるスピーカ98が設けられている。さらに、管理室には、インターカム990による通信を制御する装置であって、集中管理装置9による監視領域の監視に基づきインターカム990に対して所定の通報情報を送信するためのインターカム制御装置99が設けられている。
集中管理装置9では、入力部95における管理者によるデータの入力操作に応じて、各存在監視カメラ4の撮像領域における監視領域に関する情報(以下、監視領域設定情報という)を設定するための監視領域設定処理、および、各拡大監視カメラ5による拡大撮像をするための情報(以下、拡大撮像設定情報という)を設定するための拡大撮像情報設定処理が実行される。また、存在監視カメラ4について監視領域を設定したときには、その設定内容を示す情報である監視領域設定情報が存在監視カメラ制御装置6へ送信される。
また、集中管理装置9では、ホール管理コンピュータ8から送信されてくるアウト球検出情報に基づいて、各パチンコ遊技機1が稼働状態にあるか否かを特定する。さらに集中管理装置9では、存在監視カメラ制御装置6から送信されてきた存在数情報に基づいて、各監視領域における追跡対象者画像の存在数が超過存在状態であるか否かを予め設定された超過存在判定数を用いて判定する状態判定処理が実行される。ここで、超過存在状態とは、各監視領域において存在している人物の数(追跡対象者画像の数)が、遊技者の通行の妨げとなると認められるような状態、つまり、各監視領域において存在している人物の数が超過状態(超過存在状態)であることをいう。
さらに、集中管理装置9では、前述の状態判定処理での判定結果情報等の所定の情報に基づいて、表示部96において各監視領域での追跡対象者画像の存在数が超過存在状態と非超過存在状態とのどちらであるかを実際の監視領域の配置に対応した配置画像上で色分けして報知し、スピーカ98から警報音を出力し、各インターカム990へ所定の通報をするというような各種の報知を行なう状態報知処理が実行される。
次に、前述の監視領域設定処理における監視領域設定情報の設定方法について説明する。図3は、監視領域設定処理における監視領域設定情報の設定方法を示す表示部96での表示画面図である。図3においては、監視領域設定情報の設定を行なうときの設定モードである監視領域設定モード時において、監視領域の範囲を指定するために集中管理装置9の表示部96で表示される画像の一例が示されている。
集中管理装置9の表示部96においては、パチンコ遊技機1の状態監視用の基本的な表示画像として、各種メニューボタンを表示するメニュー画像が表示される。このメニュー画像中に含まれるメニューボタン画像のうちに、各種設定画面を表示するための複数のメニューボタン画像が含まれている。そのメニューボタン画像としては、前述の監視領域設定処理を実行する監視領域設定モードを選択するメニューボタン画像と、前述の拡大撮像情報設定処理を実行する拡大撮像情報設定モードを選択するメニューボタン画像とが含まれている。
監視領域設定モードを選択するメニューボタン画像を管理者が入力部95でのマウス等の操作により表示部96での画像上で選択して操作すると、まず、監視領域を設定する対象となる存在監視カメラ4のカメラIDを入力するための監視カメラ選択画像が表示部96において表示される。このデータは、入力部95でのキーボードを操作することにより入力することができる。
監視カメラ選択画像においてカメラIDが入力されると、図3に示されるように、表示部96において、監視カメラ選択画像において指定したカメラIDの存在監視カメラ4で撮像されている撮像領域が表示されるとともに、新たに監視領域を設定する監視領域番号を指定するデータを入力する監視領域番号指定領域(図示省略)、前述の超過存在判定数を指定するデータを入力する超過存在判定数指定領域(図示省略)、前述の存在特定時間を指定するデータを入力する存在特定時間指定領域(図示省略)、前述の超過存在状態を報知するときの報知対象を指定するデータを入力する報知対象指定領域(図示省略)、既に設定された監視領域E、範囲を指定した監視領域に関する設定情報を設定(登録)するために操作する設定ボタン画像961、および、範囲を指定した監視領域に関する設定情報をクリア(削除)するために操作するクリアボタン画像962が表示される監視領域設定画像が表示される。
ここで、監視領域番号とは、後述するように設定される複数の監視領域のそれぞれを識別するために各監視領域に付与される番号であり、たとえば、1番、2番、3番・・・というように1番から順に付与されていく。また、超過存在判定数とは、前述の超過存在状態であることを判定するために用いられる判定値であり、各監視領域における監視対象者画像の数が超過存在判定数を満たしたときに超過存在状態であると判定される。超過存在判定数は、各監視領域について一定数であってもよく、監視領域ごとに異なってもよい。これは、監視領域の範囲が前述のように任意に設定可能だからである。この各監視領域において存在している人物の数(追跡対象者画像の数)が超過存在判定数を満たしたとき(超過存在判定数以上となったとき)には、該当する監視領域が超過存在状態であると判断される。
また、存在特定時間とは、追跡対象者画像が監視領域内において存在しているか否かを特定するために用いられる時間判定値であり、各監視領域において追跡対象者画像が存在している時間が存在特定時間を満たしたときに追跡対象者画像が該当する監視領域内において存在していると特定される。存在特定時間は、各監視領域について一定数であってもよく、監視領域ごとに異なってもよい。これは、監視領域の範囲が前述のように任意に設定可能だからである。また、超過存在状態を報知するときの報知対象とは、超過存在状態が発生している対象物を前述の状態報知処理により報知するときの対象物であり、たとえば、パチンコ遊技機の台番号、および、前述の遊技用装置の装置番号(遊技場10内の各遊技用装置を特定するために各遊技用装置に所定順序で付与された番号であり、遊技用装置ごとに異なる番号)により特定される。
図3に示されるような監視領域設定画像では、入力部95でのキーボードを管理者が操作して前述の監視領域番号指定領域に監視領域番号を入力することにより監視領域番号を指定し、その指定した番号の監視領域について、指定を希望する範囲の始点から終点まで入力部95でのマウスでドラッグすることにより、指定した番号の監視領域について指定する監視領域Eの範囲が赤色の四角い枠として表示される。監視領域Eは、一旦赤色の枠が表示された後でも、マウスポインタで枠を指定してドラッグ・アンド・ドロップにより位置を移動させることが可能であるとともに、マウスポインタで枠を指定してドラッグすることにより範囲を変更することが可能である。
そして、監視領域設定画像では、入力部95でのキーボードを操作して前述の超過存在判定数指定領域に超過存在判定数を入力することにより、範囲を指定した管理領域Eにおける超過存在判定数を任意に指定することが可能である。また、監視領域設定画像では、入力部95でのキーボードを操作して前述の存在特定時間指定領域に存在特定時間を入力することにより、範囲を指定した管理領域Eにおける存在特定時間を任意に指定することが可能である。また、監視領域設定画像では、入力部95でのキーボードを操作して前述の報知対象指定領域に報知対象のパチンコ遊技機1の台番号または遊技用装置の装置番号を入力することにより、範囲を指定した管理領域Eにおける報知対象を任意に指定することが可能である。
監視領域Eは、パチンコ遊技機1が臨む通路101と、各遊技用装置が臨む通路102とのそれぞれにおける人物(追跡対象者画像)の存在を監視するために設定されるものであり、少なくともパチンコ遊技機1が臨む通路101を含む領域と、少なくとも各遊技用装置が臨む通路102を含む領域とに設定される。図3においては、パチンコ遊技機1が臨む通路101を含む領域を監視領域として設定するときの例が2つ示されるとともに、遊技用装置(一例としてカード販売機11)が臨む通路102を含む領域を監視領域として設定するときの例が1つ示されている。
パチンコ遊技機1が臨む通路を含む領域を監視領域として設定するときの監視領域の指定範囲の代表例としては、パチンコ遊技機1と通路101とを含む範囲の領域を指定した監視領域E1と、パチンコ遊技機1を含まずに通路101の領域を指定した監視領域E3とがある。この実施の形態においては、パチンコ遊技機1が臨む通路101を含む領域を監視領域として、パチンコ遊技機1と通路101とを含む範囲の監視領域E1が設定された例を説明する。
なお、パチンコ遊技機1と通路101とを含む範囲の監視領域E1を設定する場合には、1台のパチンコ遊技機1とそのパチンコ遊技機1が臨む通路101とを含む範囲と、複数台のパチンコ遊技機1とそれらのパチンコ遊技機1が臨む通路101とを含む範囲とのどちらの範囲を監視領域として設定してもよい。また、複数台のパチンコ遊技機1とそれらのパチンコ遊技機1が臨む通路101とを含む範囲を監視領域として設定する場合においては、何台のパチンコ遊技機1を範囲に含めてもよいが、たとえば、図中に示される2台のパチンコ遊技機1というような比較的少ない台数のパチンコ遊技機を範囲に含める方が、5台というような比較的多い台数のパチンコ遊技機を範囲に含める方よりも、遊技をしている者(遊技機1台につき1人)の数と、遊技をしていない者の数とを区別しやすい。また、監視領域の範囲に複数のパチンコ遊技機1を含める場合において前述の報知対象を指定するときには、監視領域の範囲に存在する複数のパチンコ遊技機1のうちの少なくとも1つを指定する。
本実施の形態においては、パチンコ遊技機1が臨む通路を含む領域を監視領域として設定するときの監視領域の範囲として、2台のパチンコ遊技機1とそれらのパチンコ遊技機1が臨む通路101とを含む範囲を設定したものを例にして説明を行なう。そして、この実施の形態では、このような監視領域について、2台のパチンコ遊技機1に着座する者2人と通路に立っている者3人とが生じたような状態を超過存在状態とみなし、超過存在判定数を「5」と設定した場合を例にして説明を行なう。
また、遊技用装置が臨む通路を含む領域を監視領域として設定するときの監視領域の指定範囲の代表例としては、遊技用装置11と通路102とを含む範囲の領域を指定した監視領域E2と、遊技用装置11を含まずに通路102の領域を指定した監視領域(図示省略)とがある。この実施の形態においては、遊技用装置11が臨む通路102を含む監視領域として、遊技用装置11と通路102とを含む範囲の監視領域E2が設定された例を説明する。また、この実施の形態では、このような遊技用装置の各監視領域について、パチンコ遊技機1とパチンコ遊技機1が臨む通路とを含む監視領域の場合と同様に、超過存在判定数を「5」と設定した場合を例にして説明を行なう。
なお、遊技用装置の各監視領域についての超過存在判定数は、一律の値でなくてもよい。また、パチンコ遊技機1に関連する監視領域についての超過存在判定数と、遊技用装置に関連する監視領域についての超過存在判定数とは、一律の値でなくてもよい。つまり、監視領域と、超過存在判定数との関係は、監視領域の範囲の広さ、および、監視領域での人物の基本的存在数等の各監視領域の範囲での人物の基本的な存在数を考慮して任意に定められればよい。
このような監視領域設定画像において、管理者がマウスにより設定ボタン画像961を操作することにより、指定された監視領域番号を示すデータに、指定されたカメラIDを示すデータと、指定された監視領域の範囲を示すデータと、指定された超過存在判定数を示すデータと、指定された存在特定時間を示すデータと、指定された報知対象を示すデータとが対応付けられたデータ(以下、監視領域設定情報という)が、記憶部97に設けられたデータベース(以下、監視領域データベースという)に記憶される。
以上に説明したような監視領域設定情報の設定作業が各パチンコ遊技機1について繰返し行なわれことにより、各パチンコ遊技機1についての監視領域設定情報が設定登録されることとなる。
また、監視領域設定画像において、マウスを用いた操作により、表示されている任意の監視領域Eを選択した後、クリアボタン画像962を操作すると、その選択された監視領域Eを対象として指定または設定された各種データが削除される。
また、監視領域設定画像においては、該当するカメラIDの各存在監視カメラ4の撮像範囲においてすでに監視領域範囲が設定済みの監視領域番号の監視領域については、青色の四角い枠として予め表示されている。このため、管理者は、今回設定する監視領域の範囲と、すでに設定済みの監視領域の範囲とが容易に区別できるとともに、設定済みの監視領域がどのようになっているかということを確認しながら各監視領域を設定することができる。また、また、新たに設定する監視領域の範囲を指定して一旦赤色の枠が表示された後の設定ボタン画像961を操作する前の段階(指定がされたがまだ設定がされていない段階)においては、マウスポインタでその指定した枠を選択してドラッグ・アンド・ドロップにより位置を移動させることが可能であるとともに、マウスポインタで枠を指定してドラッグすることにより範囲を変更することが可能である。
また、監視領域設定画像において、設定済みの監視領域を指定する監視領域番号を入力すると、指定された設定済みの監視領域Eが赤色の四角い枠として表示され、マウスポインタでその枠を指定してドラッグすることにより範囲を変更することが可能である。このため、設定済みの監視領域の範囲を変更する場合には、このような入力操作を行なうことにより監視領域の範囲の設定を変更することが可能である。
次に、前述の拡大撮像情報設定処理における拡大撮像設定情報の設定方法について説明する。集中管理装置9の表示部96において表示されるメニュー画像において、拡大撮像情報設定処理を実行する拡大撮像情報設定モードを選択するメニューボタン画像を管理者が入力部95でのマウス等の操作により画像上で選択して操作すると、まず、拡大撮像設定情報を設定する拡大撮像カメラ5のカメラIDを指定するデータを入力するための拡大撮像カメラ選択画像が表示される。
このような拡大撮像カメラ選択画像においてカメラIDが入力されると、拡大撮像情報設定画像として、次のような画像が表示部96において表示される。このような拡大撮像情報設定画像においては、拡大撮像カメラ選択画像で指定したカメラIDの拡大撮像カメラ5で撮像されている撮像領域の画像(たとえば、図3に示すような画像と同様の画像)が表示部96において表示される。さらに、拡大撮像情報設定画像においては、新たに拡大撮像領域を設定する監視領域番号を指定するデータを入力する監視領域番号指定領域(図示省略)、指定した拡大撮像設定情報を設定(登録)するために操作する設定ボタン画像、および、指定した拡大撮像設定情報をクリア(削除)するために操作するクリアボタン画像も表示される。
このような拡大撮像情報設定画像では、初期状態で図3に示されるような拡大撮像されていない状態での撮像画像が表示部96に表示されている。そして、拡大撮像情報設定画像では、入力部95でのキーボードを管理者が操作して前述の監視領域番号指定領域に監視領域番号を入力することにより、拡大撮像情報を設定する監視領域番号が指定される。そして、入力部95でのジョイスティックを管理者が適宜操作することにより、指定する拡大撮像画像が実際に撮像されて表示部96に表示される。ジョイスティックにおいては、撮像する画像を拡大(ズームイン)するために操作する拡大スイッチと、撮像する画像を縮小(ズームアウト)するために操作する縮小スイッチと、撮像方向(アングル)を変更するために操作するレバーとが設けられている。管理者は、拡大撮像情報設定画像が表示されたときに、ジョイスティックにおいて、レバーを操作して撮像方向を指定するとともに、拡大スイッチおよび縮小スイッチを操作してズーム倍率を指定することにより、任意の拡大画像を撮像することができる。つまり、ジョイスティックでの各操作に応じた操作信号が入力部95から集中管理装置9に与えられ、その操作信号に応じて集中管理装置9から拡大監視カメラ制御装置7に拡大監視カメラ5の動作制御を行なうための制御信号が与えられることにより拡大監視カメラ5が制御されて、ジョイスティックの操作に応じた撮像方向およびズーム倍率の画像が撮像される。
拡大撮像情報設定画像において監視領域番号が指定されて拡大撮像画像が実際に撮像されているときには、指定された拡大監視カメラ5の制御データとして制御部90が有している撮像中の拡大撮像カメラ5のズーム倍率を示すデータと、撮像方向を示すデータとがRAM92に設けられた拡大撮像データ一時記憶領域に一時的に記憶されていく。これにより、前述のようなジョイスティックの操作に基づいて、拡大撮像をするときのズーム倍率を示すデータと撮像方向を示すデータとよりなる拡大撮像データが指定されることとなる。
そして、拡大撮像情報設定画像において、管理者がマウスにより設定ボタン画像961を操作することにより、その操作時点での拡大撮像カメラ5のズーム倍率を示すデータと、撮像方向を示すデータとが拡大撮像データ一時記憶領域から読出される。そして、指定された監視領域番号を示すデータに、指定されたカメラIDを示すデータと、読出されたズーム倍率を示すデータと、読出された撮像方向を示すデータとが対応付けられたデータ(以下、拡大撮像設定情報という)が、記憶部97に設けられたデータベース(以下、拡大撮像データベースという)に記憶される。一方、拡大撮像情報設定画像において、クリアボタン画像962がマウスを用いて操作されると、その時点で指定されていた監視領域番号に対応する拡大撮像設定情報が、削除されて、拡大撮像カメラ選択画像が再び表示される。
各パチンコ遊技機1について設定する拡大撮像データは、パチンコ遊技機1または遊技用装置が臨む通路に存在する人物を特定しやすくするために、人物の顔を特定できるような拡大画像が撮像できるように設定するのが好ましい。
以上に説明したような拡大撮像設定情報の設定作業が各監視領域について繰返し行なわれることにより、各監視領域における拡大撮像設定情報が設定登録されることとなる。
次に、前述の状態報知処理により集中管理装置9の表示部96に表示される画像の一例として、監視状況画像を説明する。図4は、集中管理装置9の表示部96に表示される監視状況画像を示す表示画面図である。
図4には、複数の遊技機設置島および遊技用装置(この例では遊技場内の全遊技機設置島および全遊技用装置)を、遊技場内での配置に対応する位置関係で表示するとともに、各遊技機設置島内での全パチンコ遊技機を遊技機設置島内での配置に対応する位置関係で示し、これらに対する監視状況を表示した監視状況画像が示されている。
監視状況画像においては、遊技機設置島100を示す画像である島画像965が複数(島1〜島10)並んで表示されている。これら複数の島画像965の配列は、図1に示されるような遊技場内10での遊技機設置島100の配置に対応する位置関係となっている。さらに、監視状況画像においては、カード販売機11を示す画像であるカード販売機画像110、ジェットカウンタ12を示す画像であるジェットカウンタ画像120、精算機を示す画像である精算機画像130、および、POS装置14を示す画像であるPOS装置画像140のような遊技用装置を示す画像も表示されている。これら遊技用装置の画像の配列は、図1に示されるような遊技場内10での各遊技用装置の配置に対応する位置関係となっている。
また、各島画像965においては、各遊技機設置島100内での全パチンコ遊技機1を遊技機設置島100内での配置に対応する位置関係で四角い領域により区分けして示される。各遊技機設置島画像965においては、対応するパチンコ遊技機1の台番号が表示される。
また、監視状況画像においては、前述した各監視領域を示す監視領域画像960が前述のように設定された監視領域の範囲に対応する位置の領域(図中の破線の領域)に表示される。この実施の形態では、監視領域として、複数のパチンコ遊技機とこれらが臨む通路とを含む範囲の領域を指定した監視領域、および、1または複数の遊技用装置と当該装置が臨む通路とを含む範囲の領域を指定した監視領域とが設定されている。
このような監視領域画像960では、対応する監視領域が超過存在状態であるか否かの2つの状態に区別され、該当する状態が色により示される。この例では、超過存在状態であることが監視領域画像960の枠部を赤色で表示することにより示され、超過存在状態でないことが監視領域画像960の枠部を白色で表示することにより示される。
また、監視状況画像においては、各監視領域画像960の中央部において、対応する監視領域における追跡対象者画像の存在数を示す数値が表示される。これにより、管理者は、各監視領域における追跡対象者画像の存在数、すなわち、人物の存在数を一覧形式で容易に把握することができる。
次に、集中管理装置9における制御部90のCPU93により実行される監視領域設定処理を説明する。この監視領域設定処理は、制御部90において各種処理のために実行されるメインルーチンプログラムにより起動されるサブルーチンプログラムのうちの1つである。図5は、集中管理装置9の制御部90において実行される監視領域設定処理の処理内容を示すフローチャートである。
まず、ステップS(以下、単にSという)1により、前述の監視領域設定モードの指定がされているか否かが判断される。S1により指定されていないと判断された場合は、この監視領域設定処理が終了し、リターンする。一方、S1により指定されていると判断された場合は、S2に進む。この段階では、他のサブルーチンプログラムの実行により前述の監視カメラ選択画像が表示部96に表示される。S2では、監視カメラ選択画像でのカメラIDの入力に基づいてカメラIDが指定されているか否かが判断される。S2によりカメラIDが指定されていないと判断された場合は、この監視領域設定処理が終了し、リターンする。一方、S2によりカメラIDが指定されていると判断された場合は、S3に進む。この段階では、他のサブルーチンプログラムの実行により図3に示されるような前述の監視領域設定画像(図3参照)が表示部96に表示される。S3では、監視領域設定画像での監視領域番号指定領域への監視領域番号の入力に基づいて監視領域番号が指定されているか否かが判断される。
S3により監視領域番号が指定されていないと判断された場合は、この監視領域設定処理が終了し、リターンする。一方、S3により監視領域番号が指定されていると判断された場合は、S4に進み、前述の監視領域設定画像上での監視領域の範囲の指定操作により、指定された監視領域番号に対応する図3に示されるような監視領域Eの範囲が指定されているか否かが判断される。S4により監視領域の範囲が指定されていないと判断された場合は、この監視領域設定処理が終了し、リターンする。一方、S4により監視領域の範囲が指定されていると判断された場合は、S5に進む。この段階では、他のサブルーチンプログラムの実行により図3に示されるような指定された監視領域Eの範囲が赤色で表示される。S5では、前述の監視領域設定画像上での超過存在判定数指定領域への超過存在判定数の入力に基づいて超過存在判定数が指定されているか否かが判断される。
S5により超過存在判定数が指定されていないと判断された場合は、この監視領域設定処理が終了し、リターンする。一方、超過存在判定数が指定されていると判断された場合は、S5aにより、前述の監視領域設定画像上での存在特定時間指定領域への存在特定時間の入力に基づいて存在特定時間が指定されているか否かが判断される。
S5aにより存在特定時間が指定されていないと判断された場合は、この監視領域設定処理が終了し、リターンする。一方、存在特定時間が指定されていると判断された場合は、S5bにより、前述の監視領域設定画像上での報知対象指定領域への報知対象の入力に基づいて報知対象が指定されているか否かが判断される。
S5bにより報知対象が指定されていないと判断された場合は、この監視領域設定処理が終了し、リターンする。一方、報知対象が指定されていると判断された場合は、S6に進み、図3に示されるような監視領域設定画像上での設定ボタンとしての設定ボタン画像961が操作されたか否かが判断される。
S6により操作されていないと判断された場合は、この監視領域設定処理が終了し、リターンする。一方、S6により操作されたと判断された場合は、S7に進み、指定された監視領域番号を示すデータに、指定されたカメラIDを示すデータと、指定された監視領域の範囲を示すデータと、指定された超過存在判定を示すデータと、指定された存在特定時間を示すデータと、指定された報知対象を示すデータとが対応付けられた監視領域設定情報を前述の監視領域データベースに記憶させる処理が行なわれる。このように監視領域設定情報が監視領域データベースに記憶されると、該当する監視領域番号の監視領域が設定されたこととなり、監視領域設定画像においては、設定された監視領域Eが青色で表示されることとなる。
次に、S8に進み、S7で設定された監視領域設定情報を存在監視カメラ制御装置6へ送信するための処理が行なわれる。このように送信された監視領域設定情報は、存在監視カメラ制御装置6において、各存在監視カメラ4が対応する監視領域番号を特定するために用いられる。S8の後、この拡大撮像情報設定処理が終了し、リターンする。
このような監視領域設定処理が実行されることにより、管理者が、各監視領域についての監視領域設定情報を監視領域データベースに記憶させることができる。
次に、集中管理装置9における制御部90のCPU93により実行される拡大撮像情報設定処理を説明する。この拡大撮像情報設定処理は、制御部90において実行される前述のサブルーチンプログラムのうちの1つである。図6は、集中管理装置9の制御部90において実行される拡大撮像情報設定処理の処理内容を示すフローチャートである。
まず、S11により、前述の拡大撮像情報設定モードの指定がされているか否かが判断される。S11により指定されていないと判断された場合は、この拡大撮像情報設定処理が終了し、リターンする。一方、S11により指定されていると判断された場合は、S12に進む。この段階では、他のサブルーチンプログラムの実行により前述の拡大撮像カメラ選択画像が表示部96に表示される。S12では、拡大撮像カメラ選択画像でのカメラIDの入力に基づいてカメラIDが指定されているか否かが判断される。S12によりカメラIDが指定されていないと判断された場合は、この拡大撮像情報設定処理が終了し、リターンする。一方、S12によりカメラIDが指定されていると判断された場合は、S13に進む。この段階では、他のサブルーチンプログラムの実行により前述の拡大撮像情報設定画像が表示部96に表示される。S13では、拡大撮像情報設定画像での監視領域番号指定領域への監視領域番号の入力に基づいて監視領域番号が指定されているか否かが判断される。
S13により監視領域番号が指定されていないと判断された場合は、この拡大撮像情報設定処理が終了し、リターンする。一方、S13により監視領域番号が指定されていると判断された場合は、S14に進み、拡大撮像情報設定画像が表示されているときにおける前述のようなジョイスティックを用いた拡大撮像データを指定するための操作(撮像方向の指定操作、ズーム倍率の指定操作)に伴って、指定されたカメラIDおよび監視領域番号に対応する拡大撮像データ(ズーム倍率を示すデータおよび撮像方向を示すデータ)が指定されている(拡大撮像データ一時記憶領域にデータが一時的に記憶されている)か否かが判断される。S14により拡大撮像データが指定されていないと判断された場合は、この拡大撮像情報設定処理が終了し、リターンする。一方、S14により拡大撮像データが指定されていると判断された場合は、S15に進み、前述の拡大撮像情報設定画像上での設定ボタン(設定ボタン画像)が操作されたか否かが判断される。
S15により操作されていないと判断された場合は、この拡大撮像情報設定処理が終了し、リターンする。一方、S15により操作されたと判断された場合は、S16に進み、指定された監視領域番号を示すデータに、指定されたカメラIDを示すデータと、指定された拡大撮像データ(前述のようにRAM92に一時記憶されたズーム倍率を示すデータおよび撮像方向を示すデータ)を示すデータとが対応付けられた拡大撮像設定情報を記憶部97に設けられた前述の拡大撮像データベースに記憶させる処理が行なわれる。このような拡大撮像データについては、RAM92に記憶されたデータと拡大撮像データベースに記憶されたデータとが存在するが、RAM92に一時記憶されたデータはデータ設定時以外の状態での撮像に用いられず、拡大撮像データベースに記憶されたデータが後述する状態報知処理において拡大撮像のために用いられることとなる。S16の後、この拡大撮像情報設定処理が終了し、リターンする。
このような拡大撮像情報設定処理が実行されることにより、管理者が、各監視領域について拡大撮像設定情報を拡大撮像データベースに記憶させることができる。
次に、存在監視カメラ制御装置6における制御部60のCPUにより実行される撮像領域内人物画像追跡処理を説明する。この撮像領域内人物画像追跡処理は、制御部60において各種処理のために実行されるメインルーチンプログラムにより起動されるサブルーチンプログラムのうちの1つである。
図7は、存在監視カメラ制御装置6の制御部60において実行される撮像領域内人物画像追跡処理の処理内容を示すフローチャートである。以下に示す撮像領域内人物画像追跡処理は、各存在監視カメラ4を対象として、対象とする存在監視カメラ4ごとに並列的に実行される。
まず、S21により、追跡対象の存在監視カメラ4から送られてくる追跡対象の撮像領域の撮像データとしての画像データを取得する処理が行なわれる。そして、S22により、S21で取得した画像データに基づいて、追跡対象の撮像領域内に存在する人物画像(人物を示す画像)を特定する処理が行なわれる。S22による人物画像の特定は、撮像した画像の変化により画像内における物体画像を抽出する周知の方法である背景差分法を用いて行なわれる。ここで、背景差分法とは、新たに撮像した画像と予め撮像しておいた背景画像とを比較してこれらの画像データの差異に基いて移動物体を検出する画像処理の手法をいう。
より具体的に、S22においては、次のような処理が行なわれる。まず、追跡対象の撮像領域内で人物が存在しないときの画像を背景画像として予め定め撮像して、その画像データを背景画像データとして記憶部61に記憶しておき、S21により取得した画像データと、記憶している背景画像データとを比較して、これらの画像データ間に色の違いおよび濃度の違い等の差異(変化)があるときに、当該差異がある部分の画像を人物画像として特定する。
この実施の形態では、物体を3次元形状で認識するための存在監視カメラ4を用いるため、人物画像の特定は、次のように行なわれる。
まず、存在監視カメラ4により物体を3次元形状で認識する原理を説明する。存在監視カメラ4に設けられた2つのCCDは、同一の監視領域に対し、異なる方向から撮像するように設けられており、同一タイミングで画像を撮像する。同一物体に対する両CCDの撮像方向が異なるので、両CCDで撮像した2つの2次元画像(平面画像)データのそれぞれに存在する当該物体中での任意の特徴点の位置は、座標値が異なる。また、両CDDについては、設置位置、レンズの焦点位置、および、撮像方向が予め定められている。そして、このように撮像された特徴点については、両CCDで撮像した2つの2次元画像データのそれぞれにおける2次元座標位置が画像処理により求められる。そうすると、一方のCCDの焦点位置と対応する2次元画像データにおける特徴点の座標位置とを結ぶ第1の直線と、他方のCCDの焦点位置と対応する2次元画像データにおける特徴点の座標位置とを結ぶ第2の直線との交点の空間座標位置(3次元座標位置)を求めることにより、その特徴点の3次元座標位置が得られる。これにより、存在監視カメラ4での撮像に基づいて、物体を3次元形状で認識することができる。このように、存在監視カメラ4は2つのCCDを用いて同一対象物を異なる位置から撮像することにより、各CCDで撮像された画像上の座標の差(視差)からその対象物の空間座標上の位置を検出できる機能を有する。
このように物体を3次元形状で認識する場合には、2つのCCDのうち、いずれか一方のCCDで前述のような背景画像の画像データを予め撮像して記憶しておき、その背景画像データと、S21により取得したCCDの方の画像データとを比較して、これらの画像データ間に色の違い等の差異(変化)があるときに、当該差異がある部分の画像を特徴点とし、その画像上の複数の特徴点を人物画像として特定する。そして、そのような人物画像における複数の特徴点を前述のような3次元座標のデータとして、2つのCCDで撮像した2次元画像データと対応付けて記憶部61の人物画像記憶領域に記憶する。このような画像データは、最新のものから複数フレーム分記憶し、更新していく。
次に、S23に進み、S22により撮像領域内で特定された人物画像があるか否かが判断される。S23により特定された人物画像がないと判断された場合は、この撮像領域内人物画像追跡処理が終了し、リターンする。一方、S23により特定された人物画像があると判断された場合は、S24に進み、特定された人物画像のうち、追跡対象の撮像領域での追跡対象者画像として未設定登録のものがあるか否かが判断される。ここで、追跡対象者画像の設定登録とは、S22により特定された人物画像の画像データを、後述するS25で追跡対象者の画像データとして記憶部61に記憶することにより、追跡対象画像として設定登録することをいう。
S24により未設定登録のものがないと判断された場合は、新たに追跡対象者画像を設定登録する必要がないので、後述するS26に進む。一方、S24により未設定登録のものがあると判断された場合は、S25に進み、前述のように特定された人物画像のうち、未設定登録の人物画像を新たに追跡対象者画像として設定登録する必要があるので、未設定の人物画像のデータを新たに追跡対象者画像のデータとして、記憶部61に設けられた追跡者記憶領域に記憶することにより、追跡対象者画像として設定登録する処理が行なわれる。S25の後、S26に進む。
S26では、設定登録されている追跡対象者画像を追跡するための処理が行なわれる。具体的に、S26では、次のような処理を行なうことにより追跡対象者画像を追跡する。S25により新規に設定登録された追跡対象者画像については、前述のS22により特定された人物画像の画像データ、追跡対象者画像の重心の位置データ(S22により特定された人物画像の特徴点についての3次元座標のデータから追跡対象者画像の重心位置を抽出して撮像領域内での重心位置を特定した情報)、および、追跡時間データ(新規登録時からの追跡時間を計時した情報)を含む追跡対象データを新たに作成して登録する。
また、すでに設定登録済みの追跡対象者画像については、前回の撮像領域内人物画像追跡処理において当該追跡対象者画像について作成された前記追跡対象者画像データに基づいて近傍探索を行なうことにより、当該追跡対象者画像を追跡する。ここで、近傍探索とは、次のように画像を探索することをいう。まず、S22により特定された各人物画像の重心位置を抽出し、その人物画像のうち、前回の処理において作成された各追跡対象データ(1フレーム前のデータ)の重心位置データが示す位置の近傍(人が歩く程度の速度で追跡対象者画像データが移動したときに進むと推定される予め定められた距離の範囲)において、重心位置がある人物画像を探索する。そして、そのような人物画像があったときに、当該人物画像の画像データと当該追跡対象者画像の画像データとを比較し、所定のデータ一致条件が成立したときに、当該人物画像を当該追跡対象者画像として同定する。また、このような人物画像の探索においては、追跡対象者画像について、過去の2フレーム分の画像データに基づいて1フレーム間における重心の移動量を算出し、その算出した移動量に基づいて、次に追跡対象者画像の重心が存在する位置を推定して人物画像を探索してもよい。さらに、そのように同定された人物画像の画像データおよび重心の位置データを、同定された追跡対象者画像の追跡対象データにおいて更新記録することにより、同定された追跡対象者画像の追跡対象データを更新し、次回の追跡対象者画像の追跡のために用いる。このように、すでに設定登録済みの追跡対象者画像については、このような人物画像の探索をしていくことにより、追跡していく。S26の後、この撮像領域内人物画像追跡処理が終了し、リターンする。
次に、存在監視カメラ制御装置6における制御部60のCPUにより実行される監視領域内画像特定処理を説明する。この監視領域内画像特定処理は、制御部60において実行される前述のサブルーチンプログラムのうちの1つである。
図8は、存在監視カメラ制御装置6の制御部60において実行される監視領域内画像特定処理の処理内容を示すフローチャートである。以下に示す監視領域内画像特定処理は、前述のように設定されたすべての監視領域ごとに並列的に実行される。
まず、S31により、特定対象の監視領域について対応する存在監視カメラ4により撮像された画像から送られてくる当該監視領域の撮像データとしての画像データを取得する処理が行なわれる。そして、S32により、特定対象の監視領域内にある追跡対象者画像を把握するために、特定対象の監視領域が含まれる撮像領域を対象として前述のS25,S26により作成された追跡対象データを取得する処理が行なわれる。
そして、S33により、S32で取得した追跡対象データに基づいて、特定対象の監視領域内で追跡対象者画像があるか否かが判断される。S33により追跡対象者画像がないと判断された場合は、後述するS39に進む。一方、S33により追跡対象者画像があると判断された場合は、S34に進み、S33により判定された追跡対象者画像が特定対象の監視領域内での存在時間としての監視領域内時間を計測する対象となる時間計測対象画像として設定登録済みであるか否かが判断される。
S33により設定済みであると判断された場合は、後述するS36に進む。一方、S33により設定済みではないと判断された場合は、S35に進み、該当する追跡対象者画像を時間計測対象画像として設定登録する処理が行なわれる。S35の後、S36に進む。
S36では、設定登録されている時間計測対象画像の監視領域内時間の計測値が更新される。つまり、S36は、時間計測対象画像の監視領域内時間を計測するためのステップであり、監視領域内画像特定処理が所定時間周期(たとえば、2msec)で実行されるため、S36が実行されるごとに監視領域内時間の計測値を所定時間(たとえば、2msec)ずつ加算更新するのである。
次に、S37により、設定登録されている時間計測対象画像(1または複数の画像)について、監視領域内時間が、特定対象の監視領域について前述のように設定された存在特定時間(たとえば、30秒等)以上になっているものがあるか否かが判断される。S37により監視領域内時間が設定された存在特定時間以上になっているものがないと判断された場合は、後述するS39に進む。一方、S37により監視領域内時間が設定された存在特定時間以上になっているものがあると判断された場合は、S38に進み、監視領域内時間が設定された存在特定時間以上になっている時間計測対象画像(つまり人物)を特定対象の監視領域内に存在する追跡対象画像として特定する処理が行なわれる。このように、追跡対象者画像が監視領域内で設定された存在特定時間以上留まっているときには、たとえば、椅子に着座している者および監視領域内に立ち止まっている者のように、単なる通行人ではない存在者であると判断される。
S39では、S38により特定された監視領域内に存在する追跡対象者画像の存在数を計数して特定する処理が行なわれる。このS39では、S33およびS37からS38を介さずにS39に進んだ場合は、追跡対象者画像の存在が「0」であるので、前述の存在数が「0」であると特定する。
S40では、特定対象の監視領域番号を指定して、S39により特定された追跡対象者画像の存在数を示す存在数情報が集中管理装置9に送信される。S40の後、この監視領域内画像特定処理が終了し、リターンする。
次に、集中管理装置9における制御部90のCPU93により実行される状態判定処理を説明する。この状態判定処理は、制御部90において実行される前述のサブルーチンプログラムのうちの1つである。図9は、集中管理装置9の制御部90において実行される状態判定処理の処理内容を示すフローチャートである。以下に示す状態判定処理は、各監視領域を対象として、対象とする監視領域ごとに並列的に実行される。
まず、S41により、判定対象の監視領域について、前述したような追跡対象者画像の存在数情報が取得される。ここで、各監視領域の存在数情報は、前述のように存在監視カメラ制御装置6から送信されてきたものが記憶部97の所定の記憶領域において監視領域番号と対応付けられて記憶される。そして、S41では、このように記憶された記憶情報のうちから判定対象の監視領域に対応する存在数情報が読出されることにより存在数情報が取得されるのである。
次に、S42により、S41で取得された滞留者有無特定情報に基づいて、判定対象の監視領域において、追跡対象者画像の存在数が前述の超過存在判定数(たとえば「5」)を満たすか否かが判断される。S42での判断に用いられる超過判定数は、前述の監視領域データベースに記憶されている監視領域設定情報のうち、判定対象の監視領域に対応して記憶されている超過存在判定数を示すデータが読出されて用いられる。
S42により超過存在判定数を満たすと判断された場合は、判定対象の監視領域において人物の存在数が過剰な状態であり、S43に進み、記憶部97における所定の記憶領域に記憶される判定対象の監視領域の状態判定データに、超過存在状態であることを示す超過存在データがセットされる。S43の後、この状態判定処理が終了し、リターンする。
一方、S42により超過存在判定数を満たさないと判断された場合は、判定対象の監視領域において人物の存在数が過剰ではない状態であり、S44に進み、記憶部97における所定の記憶領域に記憶される判定対象の監視領域の状態判定データに、超過存在状態ではないことを示す非超過存在データがセットされる。S44の後、この状態判定処理が終了し、リターンする。
以上のような状態判定処理によれば、判定対象の監視領域について、前述の存在数情報に基づいて、超過存在状態または非超過存在状態のいずれの状態にあるかが判定される。
次に、集中管理装置9における制御部90のCPU93により実行される状態報知処理を説明する。この状態報知処理は、制御部90において実行される前述のサブルーチンプログラムのうちの1つである。図10は、集中管理装置9の制御部90において実行される状態報知処理の処理内容を示すフローチャートである。以下に示す状態報知処理は、全監視領域を対象として、監視領域ごとに順次実行していく処理であり、集中管理装置9が遊技場10の営業時間中において、遊技場内を監視しているときに繰返し実行される。
まず、S51により、後述するような各種の報知を行なう対象としての監視領域番号の初期値(「1」)が取得される。これにより、以下に行なう報知に関する処理の対象となる監視領域番号が決められる。
次に、S52に進み、報知対象の監視領域に対応する状態判定データおよび存在数データが取得される。具体的には、報知対象の監視領域に対応するデータの記憶領域から、前述のS43またはS44により記憶された状態判定データおよび存在数データが読出される。次に、S53に進み、報知対象の監視領域の状態判定データとして超過存在データがセットされているか否かが判断される。
S53により超過存在データがセットされていると判断された場合は、後述するS55に進む。一方、S53により超過存在データがセットされていないと判断された場合、すなわち、非超過存在状態の場合は、S54に進み、図4に示されるような監視状況画像において、該当する監視領域番号に対応する監視領域画像960の枠を白色で表示するためのデータを設定する処理が行なわれる。これにより、非超過存在状態のパチンコ遊技機1については、対応する監視領域画像960が白色となる報知が行なわれる。S54の後、後述するS60に進む。
また、前述のS53により超過存在データがセットされていると判断されてS55に進んだ場合、すなわち、超過存在状態の場合は、S55に進み、図4に示されるような監視状況画像において、該当する監視領域番号に対応する監視領域画像960の枠を赤色で表示するためのデータを設定する処理が行なわれる。これにより、超過存在状態のパチンコ遊技機1については、対応する監視領域画像960が赤色となる報知が行なわれる。
次に、S56により、該当する監視領域が超過存在状態になっていることを報知する警報音をスピーカ98から出力するためのデータを設定する処理が行なわれる。これにより、超過存在状態が生じた場合には、スピーカ98から所定の警報音を出力する報知が行なわれる。そして、S57に進み、遊技場10内のインターカム990に対して、該当する監視領域が超過存在状態になっていることを通報するためのデータを設定する処理が行なわれる。具体的に、監視領域が超過存在状態になっていることの通報は、監視領域番号をそのまま通報したのでは監視領域の位置が係員に把握されにくいので、報知対象の監視領域について前述のように設定された報知対象のデータ(パチンコ遊技機の台番号または遊技用装置の装置番号)に基いて、監視領域と報知対象のデータとの関係から、何番台のパチンコ遊技機付近または装置番号何番の遊技用装置付近が超過存在状態となっているかを明確に特定する音声をインターカム990において出力することにより行なわれる。これにより、超過存在状態が生じた場合には、集中管理装置9からインターカム制御装置99に前述の通報を行なうことを指示する指令信号が送信され、その指令信号に基づいて、インターカム制御装置99から各インターカム990に対して、前述の音声による通報をする報知が行なわれる。
このような通報をするためのデータは、記憶部97に設けられ、インターカム通報用のデータをデータが設定された順に記憶するインターカム通報データベースに記憶しておき、記憶した順に順次読出されて、前述の通報のために用いられる。これにより、複数の監視領域を対象とした超過存在状態の通報が同時に行なわれないようにすることができる。また、このような通報は、短期間における通報の繰返しを避けるために、一度実行されると、しばらくの間実行されないように制御される。
次に、S58に進み、超過存在状態になっている監視領域番号に対応して前述の拡大撮像データベースに記憶されているカメラIDデータおよび拡大撮像データ(ズーム倍率を示すデータおよび撮像方向を示すデータ)を読出し、そのデータに基づいて、超過存在状態となっている監視領域に対応して設定されている拡大撮像を対応する拡大監視カメラ5で実行するためのデータを設定する処理が行なわれる。このように設定されたデータに基づいて、設定された拡大撮像を対応する拡大監視カメラ5によって撮像させるための制御信号が集中管理装置9から滞留監視カメラ制御装置6に与えられ、その制御信号に基づいて滞留監視カメラ制御装置6が該当する拡大監視カメラ5の動作制御を行なうことにより、超過存在状態になっている監視領域が拡大監視カメラ5により拡大撮像されて超過存在状態の原因となっている人物が容易に特定可能となる。
このような拡大撮像を1台の拡大監視カメラ5で短時間に複数の監視領域を対象として実行しなければならない場合には、拡大撮像対象を順次切換えて複数の拡大撮像対象を撮像して、その画像データを記憶部97に設けられた拡大撮像画像データベースに順次記憶していき、すべての拡大撮像対象の撮像が終了した後に、記憶した画像データに基づいて、必要に応じて表示部96に撮像した拡大撮像画像を表示する処理が行なわれる。
次に、S59に進み、前述の監視状況画像において超過存在状態発生中メッセージを表示させるためのデータを設定する処理が行なわれる。これにより、少なくとも1つの監視領域で超過存在状態が発生したときには、表示部96において、図4に示すような超過存在状態発生中メッセージを表示する報知が行なわれる。S59の後、S60に進む。
S60では、報知が対象の監視領域について、S52により取得した存在数データに基づき、前述の監視状況画像において報知対象の監視領域に対応する監視領域画像において当該監視領域での追跡対象者画像の存在数、すなわち、人物の存在数を表示させるためのデータを設定する処理が行なわれる。これにより、図4に示すような態様で、報知対象の監視領域に対応する監視領域画像において存在数を表示する報知が行なわれる。
次に、S61では、S51により監視領域の初期値が設定されて全監視領域について順次実行される予定のS52〜S60の処理がすべての監視領域について実行されて終了したか否かが判断される。具体的に、S61では、S52〜S60が1回実行されるごとに1番から1ずつ加算更新されていく監視領域番号が予め定められた最終の監視領域番号になったか否かが判断される。
S61によりすべてのパチンコ遊技機について処理が終了していないと判断された場合は、S62に進み、現在の処理で報知対象としている監視領域番号を1だけ加算更新する処理が行なわれる。これにより、S52〜S60の処理が1回実行されるごとに次の番号の監視領域が報知対象となっていき、結果的に、1番台から最終番号までのすべての監視領域が順次対象とされる。S62の後、S62により更新された番号の監視領域を対象としてS52〜S60の処理が行なわれることとなる。
一方、S62によりすべての監視領域について処理が終了したと判断された場合は、S63に進み、S54〜S57,S59,S60でデータが設定された報知およびS58でデータが設定された拡大撮像を実行するための処理が行なわれる。S63の後、この状態判定処理が終了し、リターンする。
以上のような状態報知処理によれば、各監視領域の状態が超過存在状態および非超過存在状態の2つの状態に区別されて報知されるので、各監視領域がどのような状態にあるかを管理者が容易に把握することができる。
さらに、超過存在状態が生じたときには、警報音の出力、インターカム990への通報、超過存在状態発生中メッセージの表示、および、該当パチンコ遊技機1の近傍の拡大撮像が行なわれるので、遊技場側による超過存在状態への対処が容易となる。また、各監視領域において前述の存在数が表示されるので、より具体的な状態を把握することが可能となる。
次に、この実施の形態により得られる主な効果をまとめて説明する。
図8のS31〜S39に示されるように、少なくとも1つのパチンコ遊技機1が臨む通路を含む各監視領域E(図3参照)で撮像された画像に基づいて、監視領域における追跡対象者画像の存在数が特定され、図9のS42,S43に示されるように、特定された追跡対象者画像の存在数が、設定された超過存在判定数を満たしたときに、超過存在状態と判定され、図10のS55〜S57,S59,S63に示されるように、当該超過存在状態状態である旨が報知される。このため、遊技場10内での交通の妨げとなるような者の存在の把握を迅速に行なうことができるとともに、交通整理等のような交通の妨げとなるような者への対処を迅速に行なうことができる。さらに、超過存在状態の判定が行なえるので、複数の者がパチンコ遊技機1を囲んで行なう制御基板の取換え等の不正行為を未然に防ぐことができる。
また、図4およびS55に示されるように、超過存在状態である旨を報知するときに、さらに、特定された監視領域の位置が報知されるので、超過存在状態であると判定された監視領域での対処をより一層迅速にとることができる。
また、図8のS31〜S39に示されるように、少なくとも1つの遊技用装置(カード販売機11、ジェットカウンタ12、精算装置13、POS装置14)が臨む通路を含む各監視領域E(図3参照)で撮像された画像に基づいて、遊技用装置の監視領域における追跡対象者画像の存在数が特定され、図9のS42,S43に示されるように、特定された追跡対象者画像の存在数が、設定された超過存在判定数を満たしたときに、超過存在状態と判定され、図10のS55〜S57,S59,S63に示されるように、当該超過存在状態状態である旨が報知される。このため、遊技用装置に関して、遊技場10内での交通の妨げとなるような者の存在の把握を迅速に行なうことができるとともに、交通整理等のような交通の妨げとなるような者への対処を迅速に行なうことができる。さらに、複数の者が遊技用装置を囲んで行なう不正行為を未然に防ぐことができる。
また、図10のS58,S63に示されるように、超過存在状態と判定されたときに、当該判定がされた監視領域が拡大して撮像されるので、超過存在状態に関与した者を確認しやすくなるようにすることができる。
また、図4およびS60,S63に示されるように、監視領域における追跡対象者画像の存在数を示す情報が出力されるので、監視領域における追跡対象者画像の存在数の状況をより的確に把握することができる。これにより、追跡対象者画像の存在数が比較的多い監視領域に遊技場の係員を迅速に配置すること、および、追跡対象者画像の存在数が比較的少ない監視領域に遊技者を誘導する案内をする等、滞留者への対処をより的確に行なうことができる。
また、図8のS33〜S35に示されるように、撮像領域内で追跡対象者画像が監視領域に入っているときに、その追跡対象者画像が監視領域に入っている時間である監視領域内時間が計測され、S37,S38に示されるように、その監視領域内時間が、所定時間を満たしたときに、当該追跡対象者画像が監視領域に存在することが特定される。このため、監視領域内に存在する期間が比較的短い通行者を遊技場内での交通の妨げとなるような者として誤認しにくくなる等、遊技場内10での交通の妨げとなるような者の特定精度を向上させることができる。
次に、以上に説明した本実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態においては、パチンコ遊技機1として、第1種のパチンコ遊技機を示したが、これに限らず、パチンコ遊技機としては、第2種のパチンコ遊技機および第3種のパチンコ遊技機のようなその他の種類のパチンコ遊技機を用いてもよい。
(2) 前述した実施の形態においては、存在監視カメラ4として撮像により3次元画像データを得るカメラを用いる例を説明したが、これに限らず、存在監視カメラ4としては、撮像により2次元画像データを得るカメラを用いてもよい。
(3) 前述した実施の形態においては、図7に示される撮像領域内人物画像追跡処理および図8に示される監視領域内画像特定処理を存在監視カメラ制御装置6の制御部60において実行する例を示した。しかし、これに限らず、撮像領域内人物画像追跡処理および監視領域内画像特定処理については、集中管理装置9の制御部60において実行するようにしてもよい。
(4) 前述した実施の形態においては、図7に示される撮像領域内人物画像追跡処理および図8に示される監視領域内画像特定処理を監視領域ごとに並列的に実行する例を示した。しかし、これに限らず、これらの処理は、遊技場内の全監視領域について1領域ずつまたは複数領域ずつ順次実行するようにしてもよい。
(5) 前述した実施の形態においては、図9に示される状態判定処理を監視領域ごとに並列的に実行する例を示した。しかし、これに限らず、これらの処理は、遊技場10内の全監視領域について1領域ずつまたは複数領域ずつ順次実行するようにしてもよい。
(6) 前述した実施の形態においては、図10に示される状態報知処理を遊技場内の全監視領域について1領域ずつ実行していく例を示した。しかし、これに限らず、これらの処理は、1の監視領域ごとに並列的に実行してもよく、複数領域ずつ順次実行するようにしてもよい。
(7) 前述した実施の形態においては、図8に示される監視領域内画像特定処理における、監視領域内に存在する追跡対象者画像を特定する条件として、監視領域内に所定時間を満たすまで存在したことを含む例を示した。しかし、これに限らず、このような特定を行なう条件として、監視領域内に所定時間を満たすまで存在したという時間の条件を含まないようにしてもよい。
(8) 前述した実施の形態における人物の特定方法としては、背景差分法を用いる例を示した。しかし、これに限らず、人物の特定方法としては、次のような特定方法を採用してもよい。人物の特定方法としては、画像データが複数フレーム記憶される場合において、新たに撮像された画像データと、その1フレーム前の画像データとの間で画像データの比較を行ない、画像データの色の違いおよび濃度の違い等の差異(変化)があるときに、当該差異がある部分の画像を人物画像として特定する差分法を用いるようにしてもよい。また、人物の特定方法としては、前述の差分法と背景差分法とを組合せて用いてもよい。たとえば、画像データが複数フレーム記憶される場合において、まず、前述の差分法を用いて画像データの差異(変化)に基づいて第1段階目の人物画像を特定する処理を行なう。この第1段階目の人物画像の特定では、フレーム間で画像データの差異(変化)があったときに、ある人物から入れ替わった別の人物が撮像されたことにより画像データに差異が生じたのか、ある人物がいなくなって背景が撮像されたことにより画像データに差異が生じたのかどちらであるかまでは特定しにくい。このため、第1段階面の差分法による特定の後に、第2段階の人物特定処理として、前述した実施の形態で示したような背景差分法を用いてフレーム間の画像データの差異(変化)に基づいて第2段階目の人物画像を特定する処理を行なう。このように新たに撮像された画像と予め記憶した背景画像とを比較する背景差分法を第2段階目の処理として実行すれば、フレーム間で画像データの差異(変化)があった画像の部分が、ある人物から入れ替わった別の人物が撮像されたことにより画像データに差異が生じたのか、ある人物がいなくなって背景が撮像されたことにより画像データに差異が生じたのかどちらであるを特定することができる。
(9) また、前述した実施の形態においては、個人情報保護の観点から次のような技術を採用してもよい。遊技場10の会員に対して発行される遊技カードである会員カード(貯玉が可能なカード)の新規発行時に、会員個人情報に加えて会員の顔画像等の個人特定用画像を集中管理装置9の記憶部97に登録(記憶)しておく。そして、集中管理装置9は、超過存在状態の発生に応じて拡大撮像カメラ5により超過存在状態の原因となった存在者(追跡対象者)の拡大画像が撮像されたら、その画像データから存在者個人の特徴点を抽出して、登録された各会員の個人特定画像の特徴点とを比較して、存在者が誰であるかを特定する処理を行なう。このようにすれば、存在者を容易に特定することができる。
(10) また、(9)のように超過存在状態の原因となった存在者を特定する技術を採用する場合には、次のように、遊技場10で撮像された存在者の画像と個人情報との関係が遊技場10側で簡単に把握できないようにしてもよい。たとえば、会員カードの登録時に届出る前記個人特定情報として、匿名を登録し、当該匿名と正規の個人特定情報をペアで信頼性がある第3者機関(会員カード発行会社等)に登録しておく。この場合に、遊技場が会員の正規の個人特定情報を知ることができるのは、超過存在状態での存在者の拡大画像が撮像されて不正行為が発覚したとき等の特別の条件が成立したときのみとする。その特別条件成立時には、遊技場から第3者機関に、登録されている匿名を示す情報をオンラインで送り、第3者機関がその匿名に対応する個人特定情報を割出してその個人特定情報を遊技場に返答するようにする。
この場合には、遊技場において会員カードの登録時に届出る匿名が第3者機関に正規に登録されている匿名であることの証明が必要となる。そこで、会員カードの新規登録に先立って遊技者が第3者機関に匿名と正規の個人特定情報を登録しておき、それに基づいて第3者機関から正規に登録された匿名であることを証明する電子証明書を発行してもらい、その電子証明書のデータを会員が所有するカードあるいは携帯電話等に記録しておく。その上で、遊技場における会員カード登録時の匿名の届出に際し、その電子証明書を提示して正規に登録された匿名であることが立証できるようにする。
そして、このような場合には、会員カードの新規登録時に会員の正規の住所を届出たのであれば、いくら匿名を届出たとしても、その住所から会員の本名が割出されるおそれがある。一方、住所を遊技場に届出ないとすれば遊技場から送られてくる会員向けのダイレクトメール等を遊技者に郵送することができなくなるという不利益が生じる。そこで、会員は、最寄りのコンビニエンスストア等に匿名を届出ておき、そのコンビニの住所を会員の住所(以下、匿名住所という)の代わりに使用し、遊技場にはその匿名住所を届出る。その結果、遊技場からの会員向けのダイレクトメール等は、そのコンビニに郵送される。会員は、そのコンビニに出向いて電子証明書を提示し、匿名者本人であることを立証した上で、送られてきているダイレクトメール等を受け取る。
このようにすれば、超過存在状態での存在者の撮像データと会員カード登録時の住所氏名等の個人特定情報とをリンクさせてワンペアの情報として闇ルートで流通販売されるのを防ぐことができる等、個人情報を保護することができる。
(11) 集中管理装置9は、ホール管理コンピュータ8から各パチンコ遊技機1について大当り遊技状態中(監視領域内に単なる立ち見による多数の存在者が生じやすい状態)であることを示す大当り情報を受信し、大当り遊技状態以外の状態(監視領域内に単なる立ち見による多数の存在者が生じにくい状態)において超過存在状態が判定されたときに、不正行為が行なわれる可能性が高いと判断する処理を行なうようにしてもよい。このような処理を行なえば、不正行為が発見しやすくなる。
(12) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 パチンコ遊技機、10 遊技場、9 集中管理装置、4 存在監視カメラ、9 集中管理装置、90 制御部、94 入出力インタフェース、6 存在監視カメラ制御装置、60 制御部、96 表示部、98 スピーカ、99 インターカム制御装置、990 インターカム、5 拡大監視カメラ、95 入力部。