以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<システム構成>
図1(a)は、本発明の一実施形態に係る遊技場管理システム1のシステム構成を示した図である。図1(b)は、この遊技場管理システム1の管理対象となる遊技場のレイアウトの一例を示す図である。
図1(a)に示すように、遊技場管理システム1は、情報処理装置A100、情報処理装置B200、及び、情報処理装置C300と、遊技場内に分散配置された複数台のTVカメラ400を含む。
本実施形態では、TVカメラ400は8台用意した場合を想定しており、それぞれのTVカメラ400は、受け持ちのエリア(図1(b)において点線で区画された8つの撮影エリア401)を撮影できるように、例えば、天井付近に所定の間隔をおいて配置される(図1(b)において図示せず。)。TVカメラ400は、例えば、CCDカメラ等から構成され、また、TVカメラ400の台数は、遊技場の規模やコスト等を考慮して適宜決定される。
各遊技台500と、情報処理装置A100、B200、C300とは、相互に、遊技場内に敷設された通信ライン600によって通信可能に接続されている。なお、本実施形態では、有線の通信ライン600を用いて通信処理を行うことを想定しているが、無線でも可能であることはいうまでもない。
また、各遊技台500には、通信ライン600を介して情報処理装置B200と情報通信をするのに必要な構成を具備していることを想定する。尤も、近年の遊技台は、通常そのような構成を具備しており、ホールコンピュータにより集中管理されている。
情報処理装置A100は、TVカメラ400と接続されており、TVカメラ400で撮影した画像を取り込んで画像処理を実行し、遊技場への入場者を検出、識別するとともに、入場者の遊技場内の位置を算出するコンピュータ装置である。遊技場の入場者は、ほとんどの場合遊技者であり、以下の説明では、入場者のことを遊技者とも表現する場合がある。
情報処理装置B200は、各遊技台500から出力される遊技情報を受信して集計処理を実行するコンピュータ装置である。情報処理装置C300は、情報処理装置A100から出力された入場者に関する情報を示す入場者情報と、情報処理装置B200から出力された遊技情報を統合して管理するコンピュータ装置である。なお、本実施形態では、このように3台の情報処理装置を設けて分散処理を実現しているが、すべての処理を1台の情報処理装置で行うようにしても構わない。
つぎに、図1(b)を参照して遊技場内のレイアウトについて簡単に説明する。遊技場内には、複数の遊技台500(ここではスロットマシンを想定している。)が背中合わせで整列配置された遊技島10が2島設置されている。各遊技台500(図1(b)において図示せず。)の前には、遊技者が腰掛ける椅子20が用意されている。特に図示しないが、各遊技台500の間には、遊技媒体であるメダルを遊技者に貸し出すためのメダル貸機等が配設される。
さらに遊技場内には、高額紙幣を低額紙幣に交換したり、低額紙幣を硬貨に交換するための両替機30や、缶ジュース等の自動販売機40も設置されている。また、遊技場の出入り口50の横方向には、遊技メダル等を景品に交換する場合等に立ち寄るカウンタ60が配置されている。カウンタ60の上には、POS端末、会員カード処理機、ジェットカウンタ等(図示省略)が設置される。カウンタ60の後ろには、景品棚70が設けられており、景品棚70には、遊技メダルの枚数に応じて交換可能な複数種類の景品が並べられている。
次に、図2を参照して、情報処理装置A100〜C300の構成を詳細に説明する。図2は、情報処理装置A100〜C300のブロック図である。
情報処理装置A100は、各種の情報やデータを表示する出力装置A(ディスプレイ)101と、必要な情報やデータをプリントアウトする出力装置B(プリンタ)102と、操作者(オペレータ)からの指示を受け付ける入力装置(キーボード、マウス)103と、装置全体の制御や演算処理を遂行するCPU104と、CPU104で実行されるプログラムやデータを格納すると共に、プログラムの実行時に必要となるワークエリア等を有するメインメモリ105と、TVカメラ400から出力された画像データを取り込むための画像入力装置106と、取り込んだ画像データを一時的に記憶する画像メモリ107と、入場者情報を蓄積した入場者情報管理データベース108と、通信ライン600を介して他の装置と通信を行うための通信インターフェース109と、を備える。
入場者情報管理データベース108は、例えば、ハードディスクを用いてこれに格納されており、例えば、以下の入場者情報が蓄積されている。図3(b)は、入場者情報管理データベース108に蓄積された入場者情報の一例を示した図である。
入場者情報管理データベース108では、情報の種類として、「入場者番号」、「時刻」、「X座標」、「Y座標」、「台番号」、「従業員」、「予測X座標」、「予測Y座標」といった項目が存在する。
「入場者番号」は、遊技場に入場した者に個別に付与される管理用の識別番号であり、入場者を特定する情報である。「時刻」は、画像を取得する毎に格納されるタイムスタンプであり、ここでは、X時X分X秒XXの形式で表現されている。「X座標」及び「Y座標」は、遊技場内の入場者の位置を表す座標情報である。遊技場内には、予めX座標とY座標とが設定されている。「台番号」は、各遊技台500に付けられた番号である。
「従業員」は、入場者のうち、従業員と遊技者とを区別するためのフラグであり、「1」は従業員、「0」は遊技者を表す。「予測X座標」及び「予測Y座標」は、入場者の移動先を予測したときの予測結果である。各項目の詳細は、後で順に説明する。
次に、図2に戻り、情報処理装置B200の構成は、情報処理装置A100と略同様に、出力装置A(ディスプレイ)201、出力装置B(プリンタ)202、入力装置(キーボード、マウス)203、CPU204、メインメモリ205、及び、通信インターフェース207、を備えている。
また、情報処理装置B200は、データベースとして、各遊技台500から出力される遊技情報を蓄積する遊技情報管理データベース206を備えており、各遊技台500からの遊技情報は、通信ライン600を介して通信インターフェース207により受信される。本実施形態において、遊技情報は、各遊技台500の状況等を示す情報であり、各遊技台500において作成される。上述した通り、近年の遊技台は、ホールコンピュータと通信可能に構成され、これにより集中管理されているため、そのような遊技情報が作成されるのは公知の技術である。
遊技情報管理データベース206は、例えば、ハードディスクを用いてこれに格納されており、以下の遊技情報が蓄積されている。図3(c)は、遊技情報管理データベース206に蓄積された遊技情報の一例を示した図である。
遊技情報管理データベース206では、情報の種類として、前述した「台番号」や「時刻」のほか、「ゲーム数」、「IN」、「OUT」、「差数」、「大当たり数」といった項目が存在する。
「時刻」は、遊技情報の収集タイミング(例えば一秒毎)を表すタイムスタンプである。「ゲーム数」は、遊技台500で行われたゲームの回数を表している。「IN」は、遊技台500に投入されたメダルの投入枚数のその時点の累積値である。「OUT」は、遊技台500より払い出されたメダルの払出枚数のその時点の累積値である。「差数」は、「IN」と「OUT」の差分である。本実施形態の場合、この「差数」は、各遊技台で算出して情報処理装置B200へ送信するようにしているが、各遊技台からは「IN」と「OUT」を収集して、情報処理装置B200側で算出してもよい。また、「IN」、「OUT」は、時刻単位ではなく、各ゲーム数単位、すなわち、各ゲームの時点の累積値とし、「差数」を算出してもよい。
更に、各遊技台から送信される「IN」、「OUT」を累積値としてではなく、個々の投入枚数、払出枚数とし、情報処理装置B側でこれらの累積値を算出し、「差数」を算出するようにしてもよい。この場合、情報処理装置B側では、投入枚数と払出枚数の累積値を算出せず、個々の投入枚数と払出枚数との個々の差分を累積して「差数」としてもよい。例えば、ある遊技台の「差数」が「+20」である時に、その遊技台から「IN」=3、「OUT」=0という情報が送信された場合、「差数」は、(+20)+(−3+0)=+17と更新される。
「大当たり数」は、例えば、スロットマシンで言うならばボーナス回数を表している。
次に、図2に戻り、情報処理装置C300の構成は、情報処理装置A100と略同様に、出力装置A(ディスプレイ)301、出力装置B(プリンタ)302、入力装置(キーボード、マウス)303、CPU304、メインメモリ305及び、通信インターフェース307を備えるとともに、情報処理装置A100の入場者情報管理データベース108に格納されている入場者情報と、情報処理装置B200の遊技情報管理データベース206に格納されている遊技情報とを統合した統合管理データベース306を備える。
統合管理データベース306は、例えば、ハードディスクを用いてこれに格納されており、以下の情報が蓄積されている。図3(a)及び図4Aは、統合管理データベース306に蓄積された情報の一例を示した図である。
統合管理データベース306は、基本的には、前述した入場者情報管理データベース108の内容と遊技情報管理データベース206の内容とを合わせ持つデータベースである。ただし、「時刻」については、ミリ秒単位でなく、秒単位(遊技情報管理データベース206側の管理単位)に合わせて記録されている。統合管理データベース306の内容は、後で述べるようにディスプレイ301にグラフ化して表示されるが、このグラフの時間方向の分解能を分単位程度とした場合、秒単位でデータを格納しても十分な表示結果を得ることができる。
また、以上の3つのデータベースは、それぞれ、当日だけでなく過去のデータも蓄積可能であり、後で述べるように、年月日を入力することで、その日のデータを呼び出すことができる。また、記憶容量に余裕があれば、数年間にわたってデータを蓄積してもよい。
ここで、上述した3つのデータベースは、いずれも時刻を軸にして、各遊技情報や入場者情報を管理した。しかしながら、時刻を用いずに、遊技情報に含まれる「ゲーム数」を軸として残りの遊技情報や、入場者情報を管理するようにしてもよい。この場合、各遊技台から定期的に遊技情報を情報処理装置B200で吸い上げ、いずれかの遊技台でゲーム数の更新があった場合に、入場者の検出やデータベースの更新を行うようにすることができ、また、ゲーム数の更新があった遊技台に関する情報のみ、データベースを更新することもできる。このようにゲーム数を軸とすることで、遊技場内に遊技者が少ない時間帯等においてデータベースの情報がほとんど変わらないような場合に情報量が削減され、メモリを有効活用することができる。
<情報処理装置の処理>
つぎに、上記各情報処理装置の処理について詳細に説明する。
<情報処理装置A>
図5及び図6は、情報処理装置Aの処理の流れを示したフローチャート及び画像処理の内容を示した図である。情報処理装置Aは、TVカメラ400を用いて入場者の行動を観察し、特に、どの入場者が、各遊技台500の入場者であるかを検出するものである。複数台のTVカメラ400からは、撮影した画像データが順次送信され、図5の処理が開始される。
S001では、TVカメラ400からの画像データを受信したか否かを判断し、画像データを受信した場合には、S002に進む。S002では、取得した画像データを画像メモリ107に記憶する。このとき、画像データが8台のうちのどのTVカメラ400で、いつ撮影されたものであるかが後でわかるように、TVカメラ400を特定するNo.とタイムスタンプとを画像データに付して記憶する。この画像データは、所定の蓄積量を超えない範囲で時系列順に蓄積され、最新のものが追加されると、過去のものから順に消去されていく。
S003では、今回取得した画像データと、前回取得した画像データ(同一のTVカメラ400の前回画像データ)とを用いて、これらの差分画像(フレーム間差分画像)を生成する。
S004では、生成した差分画像をもとに、画像に移っている人物の現在位置を予測する。一例をあげれば、人の頭部に着目した場合、人の頭部が僅かに移動したとき、同図に示すように差分画像には三日月形の領域が2つ連なるようにして出現する。
そこで、まず、差分画像の中でこの2連の三日月形領域をまず抽出し、その後、2連の三日月形領域の重心を求めれる。重心は、おおよそ、2連の三日月形領域で囲まれた部分(白抜きの部分)の中に存在するであろう。次に、この重心の位置と、移動前の人物の位置とに基づいて、移動後(現在)の人物の位置を予測することができる。
この予測結果は、図3(b)の入場者情報管理データベースの「予測X座標」、「予測Y座標」に格納される。この予測座標は、後述するように今回の画像に存在する人物が、前回の画像に存在する人物のうちのどの人物に相当するのかを判断するとき等に使用する。もし、或る人物について予測した位置に、或る人物が存在すれば、それは同一人物であると判断することができる。
なお、遊技場の出入り口50付近において、予測した位置が前回の位置よりも遊技場外側にあれば、その人物は遊技場から出ていく人物であると判断することができる。また、遊技場の出入り口付近において、予測した位置が遊技場内側にあれば、その人物は遊技場に入ってくる人物であると判断することができる。
S005では、初期画像(対象物が存在していないときに予め撮影しておいた画像)に対する差分画像を生成する。この差分画像は、次ステップにおいて人物の座標位置を計算する際に使用する。なお、この差分画像では、言うまでもなく、後からそこに移動してきた物体の形状が出現する。
例えば、初期画像として自動販売機40近傍を撮影しておいた場合、その後、自動販売機40の横を通りすぎる人物が撮影されると、初期画像にはこの人物は写っていないため、差分画像には、この人物を示す画像のみが出現する。
そして、S006では、差分画像の形状をあらかじめ用意しておいた基準パターンと比較して両者が一致するか否かを判断し、一致する場合には、この差分画像が人物を示す画像として抽出する。
S007では、抽出した人物の画像の重心の座標位置を算出する。上述した通り遊技場内には予め2次元の座標系が設定されており、この座標系に基づいて重心の位置を決定する。
S008では、抽出した人物が、遊技場に入ってくる人物か否かを判断する。具体的には、今回の画像データが、遊技場の出入り口50付近を撮影しているTVカメラ400から送信された画像データか否かを判断し、該当の画像データであれば、前述のS006にて抽出した人物が、特定の人物(遊技場の出入り口50付近の人物)か否かを判断する。
そして、この特定の人物が抽出されていれば、この人物が、前回の座標を基点にして予測座標が遊技場外側に位置する人物か否かを判断し、該当人物であれば、その人物を遊技場に入ってくる人物(すなわち、入場者)とみなしてS009に進む。それ以外は、S010に進む。
S009では、この入場者に新規の入場者番号を割り当てる。具体的には、図3(b)の入場者情報管理データベースの「入場者番号」に、新規の入場者番号を格納するとともに、S007で算出した座標位置をこの「入場者番号」の行の「X座標」、「Y座標」に格納する。
S010では、抽出した人物が、場内を移動している人物か否かを判断する。具体的には、S004で算出した予測座標と、S007で算出した座標とが、ほぼ一致すれば、その人物を同一人物(つまり移動者)であると判断する。人物を移動者であると判断した場合、S011に進み、そうでなければ、S012に進む。S011では、この人物に対して、前回抽出した人物と同一の入場者番号を割り当てる。つまり、S006で算出したこの人物の座標位置を、前回と同じ「入場者番号」の行の「X座標」、「Y座標」に格納する。
S012では、抽出した人物が、遊技場から出ていく人物か否かを判断する。具体的には、今回の画像データが、遊技場の出入り口50付近を撮影しているTVカメラ400から送信された画像データか否かを判断し、該当の画像データであれば、前述のS006にて抽出した人物が、特定の人物(遊技場の出入り口50付近の人物)か否かを判断する。
そして、この特定の人物が抽出されていれば、この人物が、前回の座標を基点にして予測座標が遊技場内側に位置する人物か否かを判断し、該当人物であれば、その人物を遊技場から出て行く人物(すなわち、退場者)とみなしてS013に進む。そうでなければ、S014に進む。
S013では、この人物より入場者番号を剥奪する。入場者番号の剥奪とは、特に図示しないが、入場者が出ていったことを示す情報を、その人物の入場者番号の欄に記録し、この入場者の追跡を終了する。
図6のS014では、抽出した人物が停止中の人物(立ち止まっている人物等)か否かを判断する。具体的には、S003におけるフレーム間差分画像では抽出されなかったが、S005における初期画像に対する差分画像では抽出された人物が存在するか否かを判断し、存在すれば、この人物を停止中の人物とみなす。停止中の人物が存在した場合は、S015に進み、そうでなければ、S016に進む。S015では、この人物に対して、前回抽出した人物と同一の入場者番号を割り当てる。つまり、S006で算出したこの人物の座標位置を、前回と同じ「入場者番号」の行の「X座標」、「Y座標」に格納する。
S016では、抽出した人物が着席者であるか否かを判断する。遊技台500の前にある椅子20は、それぞれ、各遊技台500と一対一の関係にあり、また、椅子20の位置を示す座標エリアが設けられている。この座標エリアは、椅子の周囲に一定の面積を持つエリアで、S006で算出した座標位置がこのエリアに存在する場合には、その人物がその遊技台500の遊技者であると特定する。
各座標エリアの情報は、あらかじめメインメモリ305等に格納されている。すなわち、このS016では、人物の座標位置が座標エリア内に入っているか否かを判断し、座標エリア内に入っていると判断した場合には、S017に進み、そうでなければ、S018に進む。
本実施形態の場合、このように各遊技台500に割り当てられた椅子50周辺に座標エリアを設定することにより、各遊技台500の遊技者を特定することとしている。これは、換言すれば、遊技者の位置と遊技台500の配置とに基づいて各遊技台500の遊技者を特定しているものである。
S017では、その人物の入場者番号の欄に対して、着席した台の「台番号」を記録する。具体的には、入場者情報管理データベース108において、その人物の「入場者番号」の行に、着席した台の台番号を格納する。なお、この入場者情報管理データベースの「台番号」に「0」が格納されていた場合、それは遊技客が椅子に座っていないことを示している。
その後、S018では、S016で終了ボタン(図示省略)がONにセットされているか否かを判断し、ONにセットされていれば、終了し、そうでなければ、再び、S001に戻る。
なお、前述した椅子40毎の座標エリアのほか、従業員判断エリア(図示省略)も設定することができる。この従業員判断エリアは、例えば、カウンタ60の内側スペース等の一定の範囲に設定される。そして、出社した従業員は、まず、このカウンタ60の内側に立ち寄るようにする。前述したように、遊技場内に人物が入ってくると、この人物には無条件で入場者番号が与えられる。
したがって、このままの状態では、システム側において、この人物が遊技場の従業員なのか或いは遊技場の客であるのかを直ちに判断できない。そこで、或る人物に入場者番号が与えられたあと、その人物が従業員判断エリアに入った場合には、その人物に、従業員であることを示す情報を割り当てる。この情報は、図3(b)の入場者情報管理データベースの「従業員」の項に格納される。
「従業員」の項目の「1」は、従業員であることを表し、「0」は、遊技者であることを示している。なお、「従業員」の項目に「1」〜「5」等の番号を格納して、従業員同士を区別できるようにしても構わない。
以上が情報処理装置Aの処理の流れであるが、ここでは主に、1台のTVカメラ400の撮影画像に着目して説明を行った。しかしながら実際には、TVカメラ400は複数台用意されているため、各カメラの画像データを用いて入場者を追跡することとなる。例えば、各カメラで撮影される画像データを繋ぎ合わせてひとつの座標系を構成する。これにより、撮影エリア間でシームレスに入場者の動きを把握することができるようになる。
また、トイレの出入り口(図示省略)等を撮影した画像に関しては、比較的精度の高い画像処理を施し、トイレに出入りする人物を完全に把握するようにしてもよい。このようにすれば、トイレに入るときに入場者番号が一旦剥奪されても、トイレから出るときには、同一の入場番号が付与されることなる。
また、遊技場に出入りする人物を完全に識別するような構成にすれば、一旦遊技場から出た人物が再度入遊技場しても、同一の入場者番号を割り当てることができる。さらに、入場者の画像と指名手配者の画像の照合も可能になり犯罪抑止にも貢献できるようになる。また、その人物が初めて来遊技場した客なのか、あるいは、常連客なのか等も判断することができるようになる。
<情報処理装置B>
各遊技台500には、呼び出しランプユニット(図示省略)が設けられている。呼び出しランプユニットには、遊技者が遊技場の従業員を呼び出すためのボタンやランプのほか、液晶或いはLEDで構成される表示部が配設されている。遊技台500から出力された各種の信号は、一旦、この呼び出しランプユニットに入力され、その後、遊技情報として情報処理装置B200に出力される。この呼び出しランプユニットは、遊技台500から出力された信号に基づいて、その日のゲーム数や大当たり回数等を表示部に表示する。
そして、情報処理装置B200では、各遊技台500から出力された遊技情報を受信、収集し、収集した情報を、前述した遊技情報管理データベース(図3(c))に格納する。
<情報処理装置C>
情報処理装置C300は、図2の矢印で示されるように、入場者情報管理データベース108と遊技情報管理データベース206の各蓄積データを取得し、統合管理データベース306を構築する。情報処理装置C300が各蓄積データを取得するタイミングについては特に限定されない。たとえば、情報処理装置A100、B200が通常の処理を停止している間(遊技場が閉遊技場した後など)に一括して各蓄積データを吸い上げるようにしてもよい。また、情報処理装置A100、B100に通常処理を行わせつつ、リアルタイムで蓄積データを吸い上げるようにしてもよい。本実施形態では、前者の例(閉遊技場後の夜間一括送信)を想定する。
次に、情報処理装置Cは、統合管理データベース306に蓄積された各種情報を用いて、種々の管理情報を出力する。本実施形態の場合、管理情報は、入場者情報に関連付けられており、入場者の動向に応じた種々の情報を提供することができる。また、本実施形態では、管理情報をディスプレイ301に表示出力する場合について説明するが、プリンタ302から印刷出力することも可能である。図14乃至図18は、情報処理装置Cの処理を示すフローチャートである。
まず、同図のS101では、ディスプレイ301にメニュー画面を表示する。図7は、メニュー画面の表示例を示す図である。同図に示すメニュー画面には、遊技台500の稼動状況に関する項目群と、入場者の分布に関する項目群と、スランプグラフに関する項目群と、システムに直接関連する項目群と、が類別して表示されている。いずれかの項目が入力装置303を介して選択されると、各項目に応じた処理が実行される。以下、項目毎に順に説明する。
<1.稼動状況に関する項目>
<1−1.台別タイムチャート>
図14のS102では、各項目の選択を受け付け、S103では、メニュー画面上において「台別タイムチャート」が選択されたか否かを判断し、「台別タイムチャート」が選択されたと判断した場合には、S104の処理にて、「台別タイムチャート」の初期画面を表示する。
図8(a)は、「台別タイムチャート」の表示例を示す図である。なお、図8(a)は、データ部分(台番号、帯状グラフ等)に情報が表示されている態様を示しているが、初期画面では、これらは未表示となる。
そして、S105では、「年月日」と「台番号」の入力を受け付ける。オペレータは、画面左下の「年月日」入力欄で、所望の年月日を入力し、画面右下の「台番号」入力欄で、所望の台番号を入力することができる。台番号は、範囲を指定して入力することができる。
S106では、入力された「年月日」について、統合管理データベース306からデータを呼び出す。例えば、一日単位でデータベースのファイルを管理していた場合は、入力された「年月日」のデータを収めたファイルにアクセスする。S107では、入力された「台番号」に対応する「時刻」と「入場者番号」に基づいて、時間帯を算出する。
例えば、「台番号」として「16」が入力された場合について、図4Aに示した統合管理データベース306のデータ例を用いて説明すると、同図において「台番号」の項目を上から順にサーチし、入力された台番号(「16」)を発見したら、その時刻(「10:00:01」)を読み出しメインメモリ305に記憶する。同じ台番号の行が続く限り、その台がその時刻において稼動中であると判断し、その台番号が消えたら(台番号として「0」が格納されていたら)、その時刻(「10:20:02」)と、入場者番号(「30」)とを読み出し、メインメモリ305に記憶する。
最初に記憶した時刻(「10:00:01」)は、その台の或る稼動期間(稼動期間Aとする)の開始時刻であり、最後に記録した時刻(「10:20:02」)は、稼動期間Aの終了時刻である。これにより、稼動期間Aの時間帯が特定される。また、稼動期間Aで遊技を行っていた遊技者(「入場者番号30」)も特定される。
このような処理を繰り返し行い、入力されたすべての「台番号」について同様に実行する。実行結果は、S108において、台別タイムチャートとして表示する。例えば、図8(a)に示した台別タイムチャートでは、「台番号16、17、18」のデータが表示されている。
この台別タイムチャートによれば、「台番号16」の遊技台500では、10:00頃から「入場者番号30」の遊技者が遊技を開始し、15:00頃、遊技を終了している。その後、この「台番号16」の遊技台500では、16:00時頃から、「入場者番号113」の遊技者が遊技を開始し、19:00頃、遊技を終了している。そして、最後に、20:00頃から「入場者番号257」の遊技者が遊技を開始し、23:00頃遊技を終了している。このように、「台番号16」の遊技台500では、その日3人の遊技者が遊技を行ったことが分かる。
S109では、メニュー画面へ戻るか否かを示すメッセージが画面の隅に表示され(不図示)、Yesが選択されれば、メニュー画面に戻り、Noが選択されれば、再び、S105に戻って各種の入力の受け付けが可能になる。
以上説明した台別タイムチャートによれば、各遊技台500について、どの遊技者がどの時間帯で遊技を行っていたが一目瞭然となる。そして、この台別タイムチャートを見て、例えば、他の台と比較して平日の夕方に特に稼動率の高い台を発見したならば、その台に関して、会社帰りのサラリーマンに人気がある等の予想を立てることができる。また、遊技場の閉場1時間前位から全く遊技が行われない台を発見したならば、その台に関して、メダルを集中的に獲得できる期間が1時間以上続くスペックを恐れて敬遠されているのでは?等の予想を立てることができる。遊技場の管理者は、これらの結果を参照して以後の営業形態を決定する上での目安とすることができる。
<1−2.台別トータルグラフ>
図14のS110では、メニュー画面上において「台別トータルグラフ」が選択されたか否かを判断し、「台別トータルグラフ」が選択されたと判断した場合には、S111の処理にて、「台別トータルグラフ」の初期画面を表示する。
図8(b)は、「台別トータルグラフ」の表示例を示す図である。なお、図8(b)は、データ部分(台番号、帯状グラフ等)に情報が表示されている態様を示しているが、初期画面ではこれらは未表示となる。
そして、S112では、「年月日」、「順位」、「表示種別」の入力を受け付ける。オペレータは、画面左下の「年月日」入力欄で、所望の年月日を入力し、画面右下の「順位」入力欄で、所望の順位を入力することができる。「順位」とは、稼動率の高い台から順番に付される順位であり、表示する順位の範囲を指定して入力することができる。「表示種別」については、「時間」と「ゲーム数」の項目が用意されており、オペレータは、何れかを選択することができる。
S113では、入力された「年月日」について、統合管理データベース306からデータを呼び出す。S114では、「時間」が選択されたか否か(「ゲーム数」が選択されたか否か)を判断する。「時間」が選択された場合は、稼動状況が時間単位で表示され、「ゲーム数」が選択された場合は、稼動状況がゲーム数単位で表示される。
そして、S114において、「時間」が選択された場合にはS115に進み、「ゲーム数」が選択された場合にはS120に進む。S115では、「台番号」と「時刻」に基づいて、各台の稼動時間を算出する。
図4Aに示した統合管理データベース306を用いて説明すると、「台番号」の項目を上から順にサーチし、何らかの台番号(たとえば「16」)が格納されていたら、その時刻(「10:00:01」)を開始時刻としてメインメモリ305に記憶する。同じ台番号の行が続く限り、その台が稼動中であると判断し、その台番号が消えたら(台番号として「0」が格納されていたら)、その時刻(「10:20:02」)を終了時刻として記憶する。
次に、この終了時刻と開始時刻の差分を算出して稼動時間を求め、図4B(a)に示すように、算出した稼動時間と、台番号(「16」)と、入場者番号(「30」)と、を一組のグループとしたデータを作成し、メインメモリ305に記憶する。このような処理を繰り返し行うことで、複数のグループのデータが作成され、最後に、このグループ群のデータを用いて、台別に(「台番号」毎に)稼動時間を加算すれば、台別の一日の稼動時間を求めることができる。
S116では、この台別の一日の稼動時間に基づいて、入力された「順位」に該当する遊技台500を特定する。入力された「順位」が例えば「1」〜「3」であるならば、稼動時間の最も長いものから3台目までの遊技台500を特定する。S117では、S115で生成したグループ群を再度用いて、S116で特定した遊技台500の「入場者番号」毎の稼動時間を算出する。
以上の処理結果は、S118において台別トータルグラフとして表示する。図8(b)に示した台別トータルグラフでは、「台番号」として「17」、「9」、「8」が表示されている。この台別トータルグラフによれば、稼働率一位(No.1)は、「台番号17」の遊技台500であり、この「台番号17」の遊技台500では、「入場者番号8」の遊技者が13時間にわたって遊技を行っていたことになる。また、三位(No.3)は、「台番号18」の遊技台500であり、この「台番号18」の遊技台500では、「入場者番号5」の遊技者と、「入場者番号101」の遊技者がそれぞれ6時間ずつ遊技を行っていたことになる。
さて、前述のS114にて「ゲーム数」が選択された場合、S120にて統合管理データベース306を参照し、「台番号」と「ゲーム数」に基づいて、各台のトータルのゲーム数を取得する。
具体的には、統合管理データベース306に格納されている全ての遊技台500の「ゲーム数」を調べ、各「台番号」の最大の「ゲーム数」を取得する。これが台別の一日のゲーム数である。
S121では、この台別の一日のゲーム数に基づいて、入力された「順位」に該当する遊技台500を特定する。例えば、入力された順位が「1」〜「3」であるならば、一日のゲーム数が多かった遊技台500を3台特定する。S122では、特定した遊技台500の「入場者番号」毎のゲーム数を算出する。
図4Aに示した統合管理データベース306のデータ例を用いて説明すると、「台番号」の項目を上から順にサーチし、抽出した台番号(「16」)が格納されていたら、そのゲーム数(「406」)を開始ゲーム数としてメインメモリ305に記憶する。同じ台番号の行が続く限り、その台が稼動中であると判断し、その台番号が消えたら(台番号として「0」が格納されていたら)、そのゲーム数(「460」)を終了ゲーム数として記憶する。
次いで、この終了ゲーム数(「460」)と開始ゲーム数(「406」)との差分を算出して稼動ゲーム数を求め、この稼動ゲーム数と、台番号(「16」)と、入場者番号(「30」)とを図4B(b)に示すように一組のグループとしたデータを作成し、メインメモリ305に記憶する。
このような処理を繰り返し行うことで、稼動ゲーム数毎の複数のグループのデータが作成され、最後に、このグループ群のデータを用いて、入場者別に(「入場者番号」毎に)稼動ゲーム数を加算すれば、その遊技台500の入場者別の稼動ゲーム数を算出することができる。
以上の処理結果は、S123において、台別トータルグラフとして表示する。 図8(c)に示した台別トータルグラフでは、「台番号」として「17」、「9」、「8」が表示され、稼動状況についてはゲーム数で表示されている。この台別タイムチャートによれば、例えば「台番号17」の遊技台500では、「入場者番号8」の遊技者がその日7000回程度遊技を行っていることがわかる。その後、S119では、S109の処理と同様、メニュー画面に戻るか否かを受け付け処理を遂行する。
以上、台別トータルグラフ(時間/ゲーム数)について説明したが、この台別トータルグラフによれば、各台の稼動時間や回数がわかるだけでなく、その内訳(どの遊技者がどの程度遊技を行ったか)についても一目瞭然となる。すなわち、同一の稼動時間を有する遊技台500であっても、遊技者の入れ替わりが激しい台であるのか、あるいは、各遊技者がじっくりと打つ台であるのか等の分析が可能になる。
<1−3.入場者別タイムチャート>
図15のS201では、メニュー画面上において「入場者別タイムチャート」が選択されたか否かを判断し、「入場者別タイムチャート」が選択されたと判断した場合には、S202の処理にて、「入場者別タイムチャート」の初期画面を表示する。
図9(a)は、「入場者別タイムチャート」の表示例を示す図である。なお、図9(a)は、データ部分(入場者番号、帯状グラフ等)に情報が表示されている態様を示しているが、初期画面ではこれらは未表示となる。
そして、S203では、「年月日」と「入場者番号」の入力を受け付ける。オペレータは、画面左下の「年月日」入力欄で、所望の年月日を入力し、画面右下の「入場者番号」入力欄で、所望の入場者番号を入力することができる。入場者番号は、範囲を指定して入力することができる。
S204では、入力された「年月日」のデータを統合管理データベース306から呼び出す。例えば、一日単位でデータベースを保存するシステムの場合は、入力された「年月日」のデータを収めたファイルにアクセスすることとなる。S205では、入力された「入場者番号」に対応する「台番号」と「時刻」に基づいて、時間帯を算出する。
例えば、「入場者番号」として「30」が入力された場合について、図4Aに示した統合管理データベース306のデータ例を用いて説明すると、ます、「入場者番号30」と関連付けられたデータを参照し、このデータにおいて「台番号」の項目を上から順にサーチし、何らかの台番号(「16」)が格納されていたら、その時刻(「10:00:01」)をメインメモリ305に記憶する。同じ台番号の行が続く限り、その台が稼動中であると判断し、その台番号が消えたら(台番号として「0」が格納されていたら)、その時刻(「10:20:02」)と、台番号(「16」)を記憶する。
最初に記憶した時刻(「10:00:01」)は、その台の或る稼動期間の開始時刻であり、最後に記録した時刻(「10:20:02」)は、この稼動期間の終了時刻である。これにより、或る稼動期間の時間帯が特定される。また、この稼動期間で遊技が行われていた遊技台500(「台番号16」)も特定される。
このような処理を、「入場者番号30」に関するデータについて実行する。実行結果は、S206において、入場者別タイムチャートとして表示する。 例えば、図9(a)に示した入場者別タイムチャートでは、「入場者番号41、42、43」のデータが表示されている。
この入場者別タイムチャートによれば、「入場者番号41」の遊技者は、10:00頃から「台番号30」の遊技台500で遊技を開始し、14:00頃からは「台番号29」の遊技台500に移り、17:00頃から20:00頃まで、「台番号25」の遊技台500で遊技を行っていることがわかる。このように、「入場者番号41」の遊技者は、その日、3台の遊技台500で遊技を行ったことになる。S207では、前述したS109の処理と同様、メニュー画面に戻るか否かを受け付け処理を遂行する。
以上説明した入場者タイムチャートによれば、遊技者の動向を時間帯毎に詳細に知ることができる。
<1−4.入場者別トータルグラフ>
図15のS208では、メニュー画面上において「入場者別トータルグラフ」が選択されたか否かを判断し、「入場者別トータルグラフ」が選択されたと判断した場合には、S209の処理にて、「入場者別トータルグラフ」の初期画面を表示する。
図9(b)は、「入場者別トータルグラフ」の表示例を示す図である。なお、図9(b)は、データ部分(入場者番号、帯状グラフ等)に情報が表示されている態様を示しているが、初期画面ではこれらは未表示となる。
そして、S210では、「年月日」、「順位」、「表示種別」の入力を受け付ける。オペレータは、画面左下の「年月日」入力欄で、所望の年月日を入力し、画面右下の「順位」入力欄で、所望の順位を入力する。ここでの「順位」とは、その日最も長い時間遊技を行った遊技者から順番に付けられる番号であり、範囲を指定して入力することができる。「表示種別」については、「時間」と「ゲーム数」の項目が用意されており、何れかを選択することができる。
S211では、入力された「年月日」のデータを統合管理データベース306から呼び出す。S212では、「時間」が選択されたか否か(「ゲーム数」が選択されたか否か)を判断する。「時間」が選択された場合は、稼動状況が稼動時間として表示され、「ゲーム数」が選択された場合は、稼動状況がゲーム数として表示される。
具体的には、S212において、「時間」が選択された場合にはS213に進み、「ゲーム数」が選択された場合にはS218に進む。そして、S213では、「入場者番号」と「時刻」とに基づいて、各入場者についての稼動時間を算出する。
図4Aに示す統合管理データベース306のデータ例を用いて説明すると、「台番号」の項目を上から順にサーチし、或る台番号(たとえば「16」)が格納されていたら、その時刻(「10:00:01」)を開始時刻としてメインメモリ305に記憶する。同じ台番号の行が続く限り、その台が稼動中であると判断し、その台番号が消えたら(台番号として「0」が格納されていたら)、その時刻(「10:20:02」)を終了時刻として記憶する。
その後、この終了時刻と開始時刻の差分を算出して稼動時間を求め、この稼動時間と、台番号(「16」)と、入場者番号(「30」)とを一組のグループとしたデータを作成し、メインメモリ305に記憶する。このような処理を繰り返し行うことで、稼動時間毎の複数のグループのデータが作成され、最終的にこのグループ群のデータを用いて、入場者別に(「入場者番号」毎に)稼動時間を加算すれば、入場者別の一日の稼動時間をわかる。
S214では、この入場者別の一日の稼動時間に基づいて、入力された「順位」に該当する遊技者を特定する。入力された順位が例えば「1」〜「3」であるならば、遊技時間の最も長い者から3人特定することになる。
S215では、S213で作成したグループ群のデータを再度用いて、S214で特定した遊技者の「台番号」毎の稼動時間を算出する。以上の処理結果は、S216において入場者別トータルグラフとして表示する。
図9(b)に示した入場者別トータルグラフでは、「入場者番号」として「8」、「9」、「10」が表示されている。この入場者別トータルグラフによれば、一位は、「入場者番号8」の遊技者であり、この人物は、「台番号17」の遊技台500で13時間にわたって遊技を行っていたことになる。
次に、S212にて「ゲーム数」が選択された場合、S218にて統合管理データベース306を参照し、「入場者番号」と「ゲーム数」とに基づいて、各入場者のトータルのゲーム数を取得する。
図4Aの統合管理データベース306のデータ例を用いて説明すると、「台番号」の項目を上から順にサーチし、何らかの台番号(「16」)が格納されていたら、そのゲーム数(「406」)を開始ゲーム数としてメインメモリ305に記憶する。同じ台番号の行が続く限り、その台が稼動中であると判断し、その台番号が消えたら(台番号として「0」が格納されていたら)、そのゲーム数(「460」)を終了ゲーム数として記憶する。
次いで、この終了ゲーム数(「460」)と開始ゲーム数(「406」)の差分を算出して稼動ゲーム数を求め、この稼動ゲーム数と、台番号(「16」)と、入場者番号(「30」)を一組のグループとしたデータを作成し、記憶する。
このような処理を繰り返し行うことで、稼動ゲーム数毎の複数のグループのデータが作成され、最後に、このグループ群のデータを用いて、入場者別に(「入場者番号」毎に)稼動ゲーム数を加算すれば、入場者別の一日の稼動ゲーム数が算出されることとなる。
S219では、この入場者別の一日の稼動ゲーム数に基づいて、入力された「順位」に該当する遊技者を特定する。例えば、入力された順位が例えば「1」〜「3」であるならば、ゲーム数が最も多い遊技者から3人特定することになる。
S220では、S218で作成したグループ群のデータを用いて、S219で特定した遊技者の「台番号」毎の稼動ゲーム数を取得する。
以上の処理結果は、S221において入場者別トータルグラフを表示する。 図9(c)に示した入場者別トータルグラフでは、「入場者番号」として「8」、「9」、「10」が表示されている。同図において、一位は、「入場者番号8」の入場者であり、この遊技者は、「台番号17」の遊技台500で約7000回にわたって遊技を行っていたことになる。
以上、入場者別トータルグラフ(時間/ゲーム数)について説明したが、この入場者別トータルグラフを見れば、台から台へと短時間で移動する遊技者と、一台にじっくりと座るタイプの遊技者と、の割合等の情報を得ることが出来る。また、来場した遊技者が平均で何台の遊技台500に座るのか等のデータを算出することも可能である。
<2.入場者分布>
<2−1.営業時間内分布>
図16のS301では、メニュー画面上において「営業時間内分布」が選択されたか否かを判断し、「営業時間内分布」が選択されたと判断した場合には、S302にて、「営業時間内分布」の初期画面を表示する。
図10は、「営業時間内分布」画面の表示例を示す図である。なお、図10は、データ部分(人数、棒グラフ等)に情報が表示されている態様を示しているが、初期画面ではこれらは未表示となる。
そして、S303では、「年月日」の入力を受け付ける。オペレータは、画面右上の「年月日」入力欄で、所望の年月日を入力することができる。S304では、入力された「年月日」のデータを統合管理データベース306から呼び出す。
S305では、「入場者番号」と「時刻」に基づいて、単位時間あたりの入場者数を演算する。具体的には、「時刻」を順に読み出して、単位時間(例えば1時間。任意に設定できる。)あたりの「入場者番号」をカウントする。この結果は、S306の処理にて、図10のように「営業時間内分布」をグラフとして表示する。 この営業時間内分布グラフでは、1時間毎の入場者数が表示されている。
以上説明した「営業時間内分布」グラフによれば、時間帯別に遊技場の混み具合を判断できるため、例えば、遊技場の管理者は、このグラフをもとに、各時間帯の従業員の人数等を決めることもできる。S307では、前述したS109の処理と同様、メニュー画面に戻るか否かを受け付け処理を遂行する。
<2−2.エリア内分布(入場者位置)>
図16のS308では、メニュー画面上において「エリア内分布(入場者位置)」が選択されたか否かを判断し、「エリア内分布(入場者位置)」が選択されたと判断した場合には、S309の処理にて、「エリア内分布(入場者位置)」の初期画面を表示する。
図11(a)は、「エリア内分布(入場者位置)」画面の表示例を示す図である。なお、図11(a)は、データ部分(入場者番号等)に情報が表示されている態様を示しているが、初期画面ではこれらは未表示となる。
そして、S310では、「年月日時分秒」の入力を受け付ける。オペレータは、画面左上の「年月日時分秒」入力欄で、所望の年月日時分秒を入力することができる。
S311では、入力された年月日のデータを統合管理データベース306から呼び出す。S312では、読み出したデータを参照して、入力された「時分秒」に対応する全ての「入場者番号」と、その「X座標」、「Y座標」を抽出する。この結果は、S313の処理にて、図11(a)に示すように「エリア内分布(入場者位置)」として表示する。
この「エリア内分布(入場者位置)」画面では、指定された時刻における各入場者の位置が遊技場のレイアウトとともに2次元的に表示されている。この「エリア内分布(入場者位置)」画面を見れば、ある時刻において、どの遊技者がどの遊技台500の椅子50に座っているのかを直ちに知ることができる。S314では、前述したS109の処理と同様、メニュー画面に戻るか否かを受け付け処理を遂行する。
<2−3.エリア内分布(入場者別動線)>
図16のS315では、メニュー画面上において「エリア内分布(入場者別動線)」が選択されたか否かを判断し、「エリア内分布(入場者別動線)」が選択されたと判断した場合には、S316の処理にて、「エリア内分布(入場者別動線)」の初期画面を表示する。
図11(b)は、「エリア内分布(入場者別動線)」画面の表示例を示す図である。なお、図11(b)は、データ部分(動線)が表示されている態様を示しているが、初期画面ではこれは未表示となる。
そして、S317では、「年月日」と「入場者番号」の入力を受け付ける。オペレータは、画面左上の「年月日」入力欄で、所望の年月日を入力し、「入場者番号」の入力欄で、所望の入場者番号を入力することができる。
S318では、入力された年月日のデータを統合管理データベース306から呼び出す。S319では、呼び出したデータを参照して、入力された「入場者番号」に関する全ての「X座標」、「Y座標」を抽出する。この結果は、S320にて、図11(b)に示す「エリア内分布(入場者別動線)」画面として表示する。
この画面によれば、指定された日の入場者の動線が遊技場のレイアウトとともに2次元的に表示されている。この動線は、入場者の行動軌跡を線で表したもので、抽出した「X座標」及び「Y座標」で示される点を線で結ぶことにより作成される。このエリア内分布(入場者位置)画面によれば、特定の遊技者の動きを追跡することができる。
すなわち、このエリア内分布(入場者位置)画面を見て、不穏な動きをしている者を発見したならば、不正行為が行われたかどうかを疑ってみるといった遊技場側のアクションも可能になる。また、人物が特定されれば、前述の「エリア内分布(入場者位置)」を用いて、その人物の所定の時刻の位置を確認するといったことも可能である。なお、時間帯を指定できるようにし、指定された時間帯における遊技者の動きを動線表示するようにしてもよい。
S321では、前述したS109の処理と同様、メニュー画面に戻るか否かを受け付け処理を遂行する。
<2−4.エリア内分布(全体動線)>
図16のS322では、メニュー画面上において「エリア内分布(全体動線)」が選択されたか否かを判断し、「エリア内分布(全体動線)」が選択されたと判断した場合には、S323にて、「エリア内分布(全体動線)」の初期画面を表示する。
図11(c)は、「エリア内分布(全体動線)」画面の表示例を示す図である。なお、図11(c)は、データ部分(動線)を表示している態様を示しているが、初期画面ではこれは未表示となる。
そして、S324では、「年月日」の入力を受け付ける。オペレータは、画面左上の「年月日」入力欄で、所望の年月日を入力することができる。
S325では、入力された年月日のデータを統合管理データベース306から呼び出す。S326では、入力された「年月日」に対応する全ての「入場者番号」と、これに対応するすべての「X座標」、「Y座標」とを抽出する。この結果は、S327にて、図11(c)に示す「エリア内分布(全体動線)」画面として表示する。
図11(c)に示した「エリア内分布(全体動線)」画面によれば、指定された年月日の入場者全員の動線が遊技場のレイアウトとともに2次元的に表示されている。このエリア内分布(全体動線)画面によれば、入の往来が激しいエリアや、入が集まらないエリアが一目瞭然となるため、設備(両替機、自販機等)のレイアウト変更等を考える上で非常に有意義な資料となる。また、遊技場の店舗の建設を新たに検討している経営者などは、既存の遊技場のエリア内分布(全体動線)データを考慮してから次の遊技場内のレイアウトを設計することもできる。S328では、前述したS109の処理と同様、メニュー画面に戻るか否かを受け付け処理を遂行する。
<3.スランプグラフ>
<3−1.台別スランプグラフ>
図17のS401では、メニュー画面上において「台別スランプグラフ」が選択されたか否かを判断し、「台別スランプグラフ」が選択されたと判断した場合には、S402にて、「台別スランプグラフ」の初期画面を表示する。
図12(a)は、「台別スランプグラフ」の表示例を示す図である。なお、図12(a)は、データ部分(台番号、折れ線グラフ等)に情報が表示されている態様を示しているが、初期画面ではこれらは未表示となる。また、縦軸は、「差数」を表している。
そして、S403では、「年月日」、「台番号」、「表示種別」の入力を受け付ける。S404では、入力された年月日のデータを統合管理データベース306から呼び出す。S405では、「時分」が選択されたか否か(「ゲーム数」が選択されたか否か)を判断する。「時分」が選択された場合は、S406に進み、「ゲーム数」が選択された場合は、S409に進む。S406では、入力された「台番号」に対応する「入場者番号」、「時刻」、「差数」を取得する。
例えば、「台番号」として「16」が入力された場合について、図4Aに示したデータ例を用いて説明すると、「台番号」の項目を上から順にサーチし、入力された台番号(「16」)が格納されていたら、そのときの時刻(「10:00:01」)と差数(「606」)をペアにして記憶し、同じ台番号の行が続く限り、この処理を実行して一つのデータ群として記憶する。このデータ群が、後で、折れ線グラフ(スランプグラフ)の一区間として表示される。その後、このデータ群(一区間)に対応する入場者(「入場者番号30」)を特定する。
以上の処理を繰り返し行い、得られた結果は、S407において、図12(a)に示すような台別スランプグラフとして表示する。この台別スランプグラフによれば、この遊技台500では、09:00頃から12:00頃まで「入場者番号13」の遊技者が遊技を行い、その後、グラフに示すような状況で入場者番号「65」、「95」、「143」、「260」の遊技者が遊技を行っていることがわかる。
一方、S409では、入力された「台番号」に対応する「入場者番号」、「ゲーム数」、「差数」を取得する。このS409では、前述のS406における「時刻」が「ゲーム数」に替わるだけであるので説明は省略する。
この結果は、S410において、図12(b)に示すような台別スランプグラフとして表示する。同図に示すように、この遊技台500では、「入場者番号17」の遊技者が、開遊技場当初からゲーム数が4000回程度になるまで遊技を行い、その後、「入場者番号121」の遊技者がゲーム数が6000回程度になるまで遊技を行っていることがわかる。
<3−2.入場者別スランプグラフ>
図17のS411では、メニュー画面上において「入場者別スランプグラフ」が選択されたか否かを判断し、「入場者別スランプグラフ」が選択されたと判断した場合には、S412にて、「入場者別スランプグラフ」の初期画面を表示する。 図12(c)は、「入場者別スランプグラフ」の表示例を示した図である。なお、図12(c)は、データ部分(台番号、折れ線グラフ等)に情報が表示されている態様を示しているが、初期画面ではこれらは未表示となる。また、縦軸は、「差数」を表している。
そして、S413では、「年月日」、「入場者番号」、「表示種別」の入力を受け付ける。S414では、「時分」が選択されたか否か(「ゲーム数」が選択されたか否か)を判断する。「時分」が選択された場合は、S416に進み、「ゲーム数」が選択された場合は、S419に進む。S416では、入力された「入場者番号」に対応する「台番号」、「時刻」、「差数」を取得する。 例えば、「入場者番号」として「51」が入力された場合について、統合管理データベース306に図4B(c)に示したデータ例(説明に必要な項目のみ図示。個人の差数及び個人のゲーム数は算出結果。)が蓄積されていた場合について説明すると、「入場者番号51」のデータを参照し、このデータにおいて「台番号」の項目を順にサーチし、何らかの台番号(「29」)が格納されていたら、そのときの差数(「800」)を基準値とする。その後、同じ台番号の行が連続していたら、その行の差数を取得しつつ、基準値との差分を計算する。
つまり、基準値が(「800」)で、取得した差数が(「804」)ならば、そのときの個人の差数は、(「4」)となる。このような処理を同じ台番号が連続する限り実行する。そして、同図に示すように、新たな台番号(台番号19)が出現したら、その時点の「個人の差数」を再度、基準値として格納し、その後は、この基準値を用いて差分計算を行っていく。これにより、遊技者が複数台にわたって遊技を行ったとしても、これらの遊技結果を一つの個人データとして管理することができるようになる。
そして、S417では、算出した「個人の差数」を「時刻」毎に並べて配置し、図12(c)に示すような入場者別スランプグラフとして表示する。同図において、この遊技者は、13:00頃から18:00頃まで「台番号23」の遊技台500で遊技を行い、18:00頃から21:00頃まで「台番号26」の遊技台500で遊技を行っていることが分かる。
一方、S419では、S416で行った処理(「個人の差数」の算出処理)と、図4B(c)の最右列に示す処理(「個人のゲーム数」の算出処理)の両方を遂行する。同図に示すように、「個人のゲーム数」の算出処理は、「個人の差数」の算出処理と同様な手法(すなわち、遊技台500が替わる毎に現在値を次の基準値として扱う手法)なので、詳細な説明は省くこととする。
そして、S420では、算出した「個人の差数」を、算出した「個人のゲーム数」毎に並べて配置し、図12(d)に示すような入場者別スランプグラフとして表示する。同図において、この遊技者は、「台番号11」の遊技台500において開遊技場当初からゲーム数が4000回程度になるまで遊技を行い、その後、「台番号31」の遊技台500においてゲーム数6000回程度になるまで遊技を行っていることがわかる。
この入場者別スランプグラフによれば、各遊技者の獲得枚数を完全に把握することができるようになる。もちろん、その遊技場で損した枚数も明らかになる。このため、例えば、遊技者がメダル等をジェットカウンタに流して計数した際に、その計数結果と、この遊技客の入場者別トータルグラフの最終データとを照らし合わせ、このデータの値よりも遊技客が明らかに数多くのメダルを獲得していたならば、不正行為が行われたものと判断して何らかの手段を講じることも可能である。
なお、このような入場者別スランプグラフのほか、入場者の獲得枚数の中間結果や最終結果を表示するようにしてもよい。例えば、図4B(c)において、「台番号29」の最終ゲーム(「358」)における「個人の差数」を数値表示すれば、その遊技者の「台番号29」に関する獲得枚数がわかり、「台番号19」の最終ゲーム(「1237」)の「個人の差数」を数値表示すれば、その遊技者の最終的な獲得枚数を知ることができるようになる。
<4.システム関連>
<4−1.台番号表示>
図18のS501では、メニュー画面上において「台番号表示」が選択されたか否かを判断し、「台番号表示」が選択されたと判断した場合には、S502の処理にて、「台番号表示」画面を表示する。
図13(a)は、「台番号表示」画面の表示例を示した図である。この「台番号表示」画面では、遊技場内のレイアウトと共に各遊技台500の台番号(No.1〜No.32)が表示される。オペレータが台番号とその配置を確認したい場合等は、この「台番号表示」画面を見ればよい。S503では、前述したS109の処理と同様、メニュー画面に戻るか否かを受け付け処理を遂行する。
<4−2.撮影エリア表示>
図18のS504では、メニュー画面上において「撮影エリア表示」が選択されたか否かを判断し、「撮影エリア表示」が選択されたと判断した場合には、S505の処理にて、「撮影エリア表示」画面を表示する。
図13(b)は、「撮影エリア表示」画面の表示例を示した図である。この「撮影エリア表示」画面では、遊技場内のレイアウトと共に各TVカメラ400が担当する各撮影エリア(撮影エリア(1)〜撮影エリア(8))を表示する。各TVカメラ400の撮影エリアの確認は、この「撮影エリア表示」画面を見ればよい。
<4−3.座標表示>
S506では、メニュー画面上において「座標表示」が選択されたか否かを判断し、「座標表示」が選択されたと判断した場合には、S507の処理にて、「座標表示」画面を表示する。
図13(c)は、「座標表示」画面の表示例を示した図である。この「座標表示」画面では、遊技場内の入場者の位置等を算出する際に使用する座標を表示する。座標の一目盛りは、入場者の位置を的確に検出できれば特に限定されない。
<他の実施の形態>
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限られず、様々な形態を採用することができる。
上記実施形態での情報処理装置Cの表示処理では、稼動状況や入場者分布に関するデータをディスプレイ等にグラフ化して表示していた。しかしながら、各データは必ずしもグラフ化する必要はなく、数値データのままの状態で出力装置(ディスプレイやプリンタ)より出力するようにしてもよい。
上記実施形態では、複数のTVカメラで遊技場内全体を撮影し、入場者の動きをすべて把握していた。しかしながら、入場者分布(入場者位置、動線表示など)に関する情報を収集しないのであれば、必ずしも入場者のすべての動きを把握する必要はない。
例えば、各遊技台又は各遊技台の周囲に小型のTVカメラを取り付け、このTVカメラで遊技者を撮影しつつ、撮影した画像を情報処理装置で収集し、どの台にどの人物が座っているのかを識別するような構成にしてもよい。この場合、遊技場内を歩き回っている人物まで追跡することができないが、遊技台にどの人物がどの時間帯で座っていたのかは確実に判断することができる。また、上述した各種情報を、時刻ではなく、ゲーム回数を軸として管理する場合に、このような小型のTVカメラを用いることは有益であり、ゲーム回数の更新があるたびに遊技者を撮影して遊技者を特定することができる。
また、上記実施形態では、各情報を専ら遊技場の管理者側で利用することについて説明したが、各情報を遊技者に提供するようにしてもよい。遊技者は台選びの参考とすることができよう。